JP2015204135A - コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造 - Google Patents
コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015204135A JP2015204135A JP2014081354A JP2014081354A JP2015204135A JP 2015204135 A JP2015204135 A JP 2015204135A JP 2014081354 A JP2014081354 A JP 2014081354A JP 2014081354 A JP2014081354 A JP 2014081354A JP 2015204135 A JP2015204135 A JP 2015204135A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- elastic sheet
- connector
- waterproof
- connector housing
- wire insertion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)
Abstract
【課題】コネクタ自体の大型化を伴うことなく、簡便に接続端子と電線端末の接続部分の防水を図ることができる、新規なコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造を提案すること。
【解決手段】複数のキャビティー20の後方側開口部32が開口するコネクタハウジング22の後面14に対して、複数の後方側開口部32を一括して覆蓋する防水用弾性シート16が密接されている一方、防水用弾性シート16には、複数の後方側開口部32に対応する位置に電線18が挿通可能な複数の電線挿通部24が形成され、複数の電線18が密接状態で電線挿通部24に挿通配置されており、固定手段26により防水用弾性シート16がコネクタハウジング22の後面16に密接状態に保持されているようにした。
【選択図】図2
【解決手段】複数のキャビティー20の後方側開口部32が開口するコネクタハウジング22の後面14に対して、複数の後方側開口部32を一括して覆蓋する防水用弾性シート16が密接されている一方、防水用弾性シート16には、複数の後方側開口部32に対応する位置に電線18が挿通可能な複数の電線挿通部24が形成され、複数の電線18が密接状態で電線挿通部24に挿通配置されており、固定手段26により防水用弾性シート16がコネクタハウジング22の後面16に密接状態に保持されているようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の電線からなるワイヤハーネスの端末にコネクタが設けられたコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造に関するものである。
従来から、自動車の電装系に用いられるワイヤハーネスの端末部には、ワイヤハーネスを構成する複数の電線端末にそれぞれ接続された複数の接続端子が、コネクタハウジングの前後方向に延出して貫設された複数のキャビティーにそれぞれ収容保持されてなるコネクタが取り付けられている。そして、かかるコネクタを各種電装品に設けられた相手側となるコネクタに接続することにより、バッテリーから電装品への給配電が容易且つ確実に行われるようになっている。このようなコネクタ付ワイヤハーネスは、例えば、特開昭62−188186号公報(特許文献1)等に記載されており、各キャビティーの前方開口部が、コネクタハウジングの前面に開口して相手側コネクタの端子が挿入可能とされている一方、各キャビティーの後方開口部が、コネクタハウジングの後面に開口して、各電線がコネクタハウジングの外部に引き出されるようになっている。
ところで、最近では、車両の軽量化のために、ワイヤハーネスを構成する電線として、銅電線の代わりにアルミニウム電線の使用が検討されている。しかしながら、アルミニウム電線と銅を主成分とする金属材料からなる接続端子との接続部分においては、液体が浸入することにより、異種金属腐食などの電食が生じやすい。そのため、例えば、特開2013−161702号公報(特許文献2)に示されるように、液体の浸入を防ぐエポキシ樹脂等の防水又は防食材でアルミニウム電線と接続端子との接続部分を覆蓋することが提案されている。
ところが、このような従来の防水構造では、各電線と接続端子の接続部分を確実に防水することができるものの、電線毎に防水加工を施す必要があり、製造工程が複雑になると共に工数も増え、コストアップが避けられないという問題があった。また、各電線における接続端子の接続部分が防水又は防食剤によって太くなることから、それらを装着するコネクタのキャビティーやコネクタ全体の大型化も避けられないという問題もあった。
なお、コネクタ付ワイヤハーネスが車室内に配設される場合等、コネクタ付ワイヤハーネスに要求される防水基準が比較的低い場合もあり、そのような場合に安価且つ小型にコネクタ付ワイヤハーネスの防水性を向上させることができる構造は、未だ提案されていないのが実情であった。
本発明は上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、コネクタ自体の大型化を伴うことなく、簡便に接続端子と電線端末の接続部分の防水を図ることができる、新規なコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造を提案することにある。
本発明の第一の態様は、ワイヤハーネスを構成する複数の電線の電線端末にそれぞれ接続された複数の接続端子が、コネクタハウジングの前後方向に延出して貫設された複数のキャビティーにそれぞれ収容保持されてなる、コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造であって、前記複数のキャビティーの後方側開口部が開口する前記コネクタハウジングの後面に対して、前記複数の後方側開口部を一括して覆蓋する防水用弾性シートが密接されている一方、前記防水用弾性シートには、前記複数の後方側開口部に対応する位置に前記電線が挿通可能な複数の電線挿通部が形成され、前記複数の電線が密接状態で前記電線挿通部に挿通配置されており、固定手段により前記防水用弾性シートが前記コネクタハウジングの後面に密接状態に保持されていることを特徴とする。
本態様によれば、電線を伝って外部からの水入りが懸念される各キャビティーの後方側開口部が開口するコネクタハウジングの後面に対して、複数のキャビティーの後方側開口部を一括で覆蓋する防水用弾性シートが密接されている。しかも、防水用弾性シートには後方側開口部に対応する位置に電線挿通部が形成されており、電線挿通部に対してコネクタハウジングの外部に延出される電線が密接状態で挿通配置されている。この防水用弾性シートによりコネクタハウジング後面に開口する複数の後方側開口部が覆蓋されていることから、後方側開口部に向かって電線を伝って外部から水が押し寄せた場合でも、後方側開口部からコネクタのキャビティー内に水が浸入することを未然に防止することができ、接続端子と電線端末の接続部分の防水を図ることができる。
しかも、防水用弾性シートは固定手段によりコネクタハウジングの後面に密接状態に保持されることから、防水用弾性シートによる防水性能を確実に担保することができる。
このように本態様によれば、コネクタハウジングや接続端子を含むコネクタの構造は一切変更することなく、コネクタハウジングの後面に防水用弾性シートを密接させるという簡単な構造で接続端子と電線端末の接続部分の防水性を確保することができる。従って、従来の如き、大がかりな接続端子の防食構造やコネクタ自体の設計変更や大型化を必要とすることなく、既存のコネクタをそのまま用いた簡便な構造で接続端子と電線端末の接続部分の防水を図ることができるのである。
なお、防水用弾性シートは、ゴム弾性体やエラストマー等の任意の弾性部材によって有利に形成することが可能である。
また固定手段も防水用弾性シートをコネクタハウジングの後面に密接状態に保持できるものであればよく、具体的な構造等に限定されることはない。例えば、クリップ等の別部品からなる固定手段であってもよいし、防水用弾性シートとコネクタハウジングの後面に被着される接着剤等によって構成されてもよい。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記コネクタハウジングの各前記キャビティーの内部には、前記接続端子に係合する係合突起が設けられている一方、前記複数のキャビティーの少なくとも1つが前記接続端子が収容されない空キャビティーを構成している一方、前記固定手段が、前記空キャビティーに対して、前記防水用弾性シートの前記電線挿通部を貫通してキャビティー内に挿通配置される軸部と、該軸部の端部に設けられて前記電線挿通部を貫通することなく前記防水用弾性シートの表面に載置される押圧部を有する固定ピンを含んで構成されており、前記固定ピンの軸部に設けられた係合部が前記空キャビティー内の前記係合突起に係合して前記固定ピンの押圧部が前記防水用弾性シートに押圧されることで、前記固定ピンを介して前記防水用弾性シートが前記コネクタハウジングの後面に密接状態に保持されるようになっているものである。
本態様によれば、接続端子が収容されない空キャビティーが発生する場合に、かかる空キャビティーを有効に利用して、空キャビティーに挿入される固定ピンによって固定手段を設けることができる。しかも、各キャビティーに予め設けられた係合突起に対して、固定ピンの軸部に設けられた係合部を係合させることにより、固定ピンの押圧部を防水用弾性シートに押し当てて防水用弾性シートをコネクタハウジングの後面に密接状態に保持することができる。従って、コネクタに既存の構成を巧く利用して、固定手段の配設場所を新たに設けることなくコンパクトな構成で防水用弾性シートをコネクタハウジングの後面に密接保持することができる。
本発明の第三の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記防水用弾性シートの前記電線挿通部を貫通して前記コネクタハウジングの外方に引き出された少なくとも2つの電線が互いにより合わされることにより、前記電線挿通部から引き出された前記2つの電線の少なくとも1つが、前記電線挿通部の貫通方向に傾斜して該電線挿通部から延び出す傾斜延出部を有して構成されていると共に、該傾斜延出部が前記防水用弾性シートに当接することによって前記防水用弾性シートの移動が阻止されることにより、前記固定手段が構成されているものである。
本態様によれば、防水用弾性シートの電線挿通部から引き出される少なくとも2つの電線をより合わせるという単純な構成により、2つの電線の内の少なくとも1つを、電線挿通部の貫通方向に傾斜して電線挿通部から延び出して傾斜する傾斜延出部を有するように構成することができる。これにより、固定手段が構成され、防水方弾性シートの移動は、傾斜延出部の防水用弾性シートへの当接によって阻止されて、防水用弾性シートがコネクタハウジングの後面に密接保持されるのである。
特に、本態様においては、コネクタハウジングから引き出される少なくとも2本の電線をより合わせるだけで、追加部品を必要とすることなく、固定手段を構成できることから、部品点数の増加やコネクタの大型化を招くことなく、防水構造を構築することができる。
本発明の第四の態様は、前記第三の態様に記載のものにおいて、前記少なくとも2つの電線が、前記複数の電線のうちで最も離隔配置された2つによって構成されているものである。
本態様によれば、最も離隔配置された2つの電線がより合わされていることから、電線挿通部から傾斜して延び出す傾斜延出部が、防水用弾性シートの広い範囲に亘って横断するように配置することができる。これにより、傾斜延出部の傾斜角度が大きくなり且つ防水用弾性シートへの当接面積も大きくなることから、防水用弾性シートの移動をより大きな阻止力で阻止することができる。
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記防水用弾性シートが、予め複数の前記電線挿通部が前記コネクタハウジングの前記キャビティーと同じピッチで配設された弾性シート材から、前記コネクタハウジングが有する前記キャビティーの数の前記電線挿通部を含む大きさで切断された切断弾性シート材によって構成されているものである。
従来から、多極コネクタハウジングの内部に弾性シート材を配設してコネクタの防水性を確保する構造が知られている。本態様は、そのような規格により予め定められたピッチで電線挿通部が設けられた既存の弾性シート材を利用して、必要な電線挿通部を含む大きさに切断した切断弾性シート材を用いる簡単な構造で防水構造を構築することができる。それ故、一層の製造コストの削減を実現することができる。
本発明によれば、コネクタハウジングの後面に対して、複数のキャビティーの後方側開口部を一括で覆蓋する防水用弾性シートが密接されている。しかも、防水用弾性シートには後方側開口部に対応する位置に電線挿通部が形成されており、電線挿通部に対して電線が密接状態で挿通配置されている。それ故、電線を伝って外部から水が押し寄せた場合でも、後方側開口部からコネクタキャビティー内に水が浸入することを未然に防止でき、接続端子と電線端末の接続部分の防水を図ることができる。しかも、防水用弾性シートがコネクタハウジングの後面に密接状態に保持されることから、防水用弾性シートによる防水性能を確実に担保できる。従って、従来の如き、大がかりな接続端子の防食構造やコネクタ自体の設計変更や大型化が不要であり、コネクタハウジングの後面に防水用弾性シートを密接させるという簡単な構造で接続端子と電線端末の接続部分の防水性を確保できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜4には、本発明の第一の実施形態に従うコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造を用いて、外部からコネクタ10内部への水入りが懸念されるコネクタ付ワイヤハーネス12のコネクタ10の後面14を防水用弾性シート16により防水する構造が示されている。図1及び図2に示されているように、コネクタ付ワイヤハーネス12は、ワイヤハーネスを構成する複数の電線18と、複数の電線18の電線端末に設けられたコネクタ10を含んで構成されている。そして、コネクタ10の前方側(図1中、左側)より図示しない各種車載電装品に設けられた相手側コネクタが連結されるようになっている。なお、以下の説明において、上方とは、図3中の上方、下方とは、図3中の下方、前方とは、図3中の左方、後方とは、図3中の右方を言うものとする。
コネクタ10は、12個のキャビティー20を有するコネクタハウジング22と、コネクタハウジング22の後方に配設されて12個の電線挿通部24を有する防水用弾性シート16と、防水用弾性シート16をコネクタハウジング22に保持する固定ピン26と、を含んで構成されている。本実施形態では、コネクタハウジング22の12個のキャビティー20のうち11個のキャビティー20にそれぞれ接続端子28が収容保持されている一方、残る1個のキャビティー20が、接続端子28が収容保持されていない空キャビティー30とされている。接続端子28には電線18が接続されており、電線18は接続端子28の後方に延び出して、防水用弾性シート16に設けられた電線挿通部24を挿通して外部に延出されるようになっている。一方、接続端子28が収容保持されていない空キャビティー30(図1,2,4中、右上)には、防水用弾性シート16に設けられた電線挿通部24を挿通して、後述する固定ピン26の軸部38が挿通配置されるようになっている。なお、この際、後述する軸部38の一方の端部(図1〜3中、右方)に設けられた押圧部40は、電線挿通部24を貫通しない大きさとされており、防水用弾性シート16の表面に載置されている。
コネクタハウジング22は、図1及び図2に示されているように、略ブロック形状とされており、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の合成樹脂により射出成形等によって一体形成されている。コネクタハウジング22の内部には、12個のキャビティー20が貫通形成されている。具体的には、コネクタハウジング22の前面13側および後面14側において、前方及び後方に向かって開口する略矩形断面形状の12個のキャビティー20が形成されており、コネクタハウジング22の後面14には接続端子28が挿入可能な12個の後方側開口部32が形成されている。加えて、図3に示されているように、コネクタハウジング22のキャビティー20の内面34には、内方斜め前方に向かって片持ち状に突出する係合突起36が設けられており、後述する接続端子28の接点部52の後端部54に係合して、接続端子28のキャビティー20からの抜けが防止されるようになっている。なお、理解を容易とするために、図3において接続端子28と電線18を仮想線で示している。
防水用弾性シート16は、図1及び図2に示されているように、略矩形平板形状とされており、例えば、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等のゴム材料やその他弾性部材によって一体的に形成されている。防水用弾性シート16には、コネクタハウジング22の12個の後方側開口部32に対応する位置に電線18が挿通可能な略円形断面形状の12個の電線挿通部24が貫通形成されている。しかも、防水用弾性シート16は長手状に連続した帯状の弾性シート材として有利に形成することができ、かかる帯状の弾性シート材を任意の長さにカット(本実施形態では12個の電線挿通部24を含むようにカット)して用いることができる。なお、電線挿通部24の内径寸法は、電線18の外径寸法と同じかやや小さく形成されている。
固定ピン26は、図2及び図3に示されているように、棒状に延びる軸部38と、軸部38の一方の端部(図2及び図3中、右方)に設けられ軸直方向外方に向かって延出する略矩形状の押圧部40、からなる略ピン形状とされており、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等の合成樹脂により射出成形等によって一体的に形成されている。また、図3に示されているように、軸部38のもう一方の端部(図3中、左方)側には貫通孔が設けられており、かかる貫通孔によってキャビティー20の内面34に設けられた係合突起36に係合する係合部42が構成されている。なお、押圧部40は、電線挿通部24を貫通しない大きさとされている。
図1〜3に示されているように、接続端子28には電線18が接続されている。すなわち、電線18の電線端末には接続端子28が接続されており、かかる接続端子28がコネクタ10のコネクタハウジング22内に設けられたキャビティー20に後方側からそれぞれ収容保持されるようになっている。より詳細には、図3に示されているように、電線18の電線端末の先端側の絶縁被覆44を剥いで芯線46を露出させ、芯線46を接続端子28の芯線加締め部48に、また芯線46が露出された電線18の先端部分を接続端子28の電線加締め部50に加締め加工することにより、電線18が接続端子28に固定・接続される。さらに、接続端子28の先端部(図3中、左側)には、前後方向に開口する筒状の接点部52が形成されている。そして、このように電線18の電線端末に接続された接続端子28をコネクタハウジング22内に設けられたキャビティー20に後方側からそれぞれ挿入する。これにより、接続端子28の接点部52の後端部54がキャビティー20内に設けられた係合突起36に係合して、抜けが防止されている。さらに、コネクタ10を相手側コネクタに挿入することにより、接続端子28の筒状の接点部52に相手側コネクタの図示しないコネクタ端子が挿入され、各電線18が相手側コネクタと電気的に接続されるようになっている。なお、接続端子28は、導電性を有し且つプレス加工や打抜き加工等が可能な種々の金属材料、例えば真鍮や銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等を用いて一体的に形成されている。
次に、このような構成とされたコネクタ付ワイヤハーネス12の製造方法について、図4を用いて説明する。はじめに、図4(a)に示されているような防水用弾性シート16を準備する。より詳細には、まずコネクタ付ワイヤハーネス12のコネクタハウジング22のキャビティー20と同じピッチで電線挿通部24が配設された帯状の弾性シート材を選択する。次いでかかる帯状の弾性シート材を、コネクタハウジング22のキャビティー20と同数の12個の電線挿通部を含む大きさで切断する。これにより得られた切断弾性シート材によって、防水用弾性シート16が形成される。このように形成された防水用弾性シート16が、防水用弾性シート準備工程において準備される。
続いて、図4(b)に示されているように、コネクタハウジング22の後面14に対して、防水用弾性シート16を密接状態に保持する。すなわち、まず12個のキャビティー20の後方側開口部32が開口するコネクタハウジング22の後面14に対して、後方側開口部32を一括して覆蓋する防水用弾性シート16を密接するのである。次いで、固定ピン26を用いることにより防水用弾性シート16をコネクタハウジング22の後面14に対して密接状態に保持する。より詳細には、空キャビティー30に挿通配置された固定ピン26の軸部38に設けられた係合部42が、空キャビティー30内の係合突起36に係合することにより、固定ピン26の押圧部40が防水用弾性シート16に押圧される。その結果、固定ピン26を介して防水用弾性シート16がコネクタハウジング22の後面14に密接状態に保持されるようになっているのである。なお、本実施形態では、このように、固定ピン26を構成する軸部38と押圧部40により、固定手段が構成されている。このような一連の作業が、防水用弾性シート保持工程において実行されるのである。
そして、図4(c)に示されているように、防水用弾性シート保持工程の後、電線18が接続された接続端子28が、防水用弾性シート16の後方から電線挿通部24を挿通してコネクタハウジング22の11個のキャビティー20内にそれぞれ挿入配設される電線取付工程が実行される。電線挿通部24の内径寸法が電線18の外径寸法と同じかやや小さく形成されていることから、電線18が密接状態で電線挿通部24に挿通配置されるようになっている。これにより、コネクタ付ワイヤハーネス12の製造が完了する。
このような本実施形態に従うコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造によれば、外部からの水入りが懸念されるコネクタ10(コネクタハウジング22)の各キャビティー20の後方側開口部32が開口する後面14に対して、後方側開口部32を一括で覆蓋する防水用弾性シート16が密接されている。しかも、防水用弾性シート16には後方側開口部32に対応する位置に電線挿通部24が形成されていることから、後方側開口部32から外方に延出される電線18が電線挿通部24に対して密接状態で挿通配置されている。それ故、後方側開口部32に向かって電線18を伝って外部から水が押し寄せた場合でも、後方側開口部32からコネクタ10内に水が浸入することを未然に防止することができ、接続端子28と電線18の接続部分の防水を図ることができる。しかも、防水用弾性シート16は固定手段によりコネクタ10の後面14に密接状態に保持されていることから、上記防水用弾性シート16による防水効果を確実に担保することができる。
それ故、コネクタハウジング22や接続端子28等のコネクタ10の構造は一切変更することなく、コネクタハウジング22の後面14に防水用弾性シート16を密接させるという簡単な構成で、接続端子28と電線18の接続部分の防水性を確保することができる。従って、従来の如き、大がかりな接続端子の防食構造やコネクタ自体の設計変更や大型化を不要とできるのである。
しかも、接続端子28が収容されない空キャビティー30がある場合、かかる空キャビティー30を利用して、空キャビティー30に挿入される固定ピン26によって固定手段を構成することができる。すなわち、空キャビティー30に設けられている係合突起36を利用するために、固定ピン26の軸部38に係合部42を設けることにより、固定ピン26の押圧部40を防水用弾性シート16に押し当てて防水用弾性シート16をコネクタハウジング22の後面14に密接状態に保持することができるようになるのである。このように、コネクタ10に既存の構成を巧く利用して、固定手段の配設場所を新たに設けることなくコンパクトな構成で防水用弾性シート16をコネクタハウジング22の後面14に密接保持することができる。
従来から、多極コネクタハウジングの内部に弾性シート材を配設してコネクタの防水性を確保する構造が知られている。本実施形態では、そのような規格により予め定められたピッチで電線挿通部24が設けられた既存の弾性シート材を利用して、必要な個数の電線挿通部24を含む大きさに切断した切断弾性シート材を用いる簡単な構造により、防水構造を実現することができることから、一層の製造コストの削減を実現することができるのである。
次に、図5を用いて、本発明の第二の実施形態としてのコネクタ付ワイヤハーネス56の防水構造について詳述するが、上記実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、図中に、上記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。本実施形態は、上記実施形態に比べて、電線挿通部24から引き出された2つの電線18が互いにより合わされることにより、固定手段が構成されている点に関して、上記実施形態と異なる実施形態を示すものである。なお、なお、理解を容易とするために、図5においては、電線挿通部24から引き出された電線18のうち最も離隔配置された2つを抜粋して示している。
より詳細には、電線挿通部24から引き出された2つの電線18が互いにより合わされることにより、2つの電線18が、電線挿通部24の貫通方向に傾斜して電線挿通部24から延び出す傾斜延出部58を有して構成されている。これにより、傾斜延出部58の延出基端部が防水用弾性シート16に当接することで、防水用弾性シート16の移動が阻止されるようになっているのである。本実施形態では、このように、2つの電線18が互いにより合わされて傾斜延出部58が形成されることにより、防水用弾性シート16の移動が阻止される固定手段が構成されているのである。本実施形態は、上記実施形態に比して防水用弾性シート16の固定手段を変更しただけであることから、固定手段に起因する効果を除く上記実施形態と略同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、コネクタハウジング22から引き出される2つの電線18をより合わせるだけで、追加部品を必要とすることなく、固定手段を構成できることから、部品点数の増加やコネクタの大型化を招くことなく、防水構造を構築することができるのである。しかも、最も離隔配置された2つの電線18がより合わされていることから、電線挿通部24から傾斜して延び出す傾斜延出部58が、防水用弾性シート16の広い範囲に亘って横断するように配置することができるようになっている。それ故、防水用弾性シート16への当接面積も大きくなることから、防水用弾性シート16の移動をより大きな阻止力で阻止することができるのである。なお、本実施形態では、2つの電線18をより合わせた場合について例示を行ったが、3つ以上の電線18をより合わせてもよい。また、より合わせた電線18のうち少なくとも1つの電線18に傾斜延出部58が形成されていればよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、上記実施形態では、電線挿通部24は略円形断面形状とされていたが、図6に示されているように、防水用弾性シート60を一文字に貫通するスリット状の電線挿通部62(図6(a))や、防水用弾性シート64を十文字に貫通するスリット状の電線挿通部66(図6(b))についても採用可能である。このようなスリット状の電線挿通部62,66によれば、電線18や固定ピン26などが挿通されていない電線挿通部62,66を外方に対して開口しない状態に保持することができるので、より一層防水性を向上することができる。
また、上記実施形態では、固定手段として固定ピン26を用いたものや2つの電線18をより合わせたものを例示して説明を行ったが、固定手段は防水用弾性シート16をコネクタハウジング22の後面14に密接状態に保持できるものであればよく、具体的な構造等に限定されることはない。例えば、クリップ等の別部品からなる固定手段であってもよいし、防水用弾性シート16とコネクタハウジング22の後面14に被着される接着剤等によって構成されていてもよい。
12,56:コネクタ付ワイヤハーネス(ワイヤハーネス)、13:前面、14:後面、16,60,64:防水用弾性シート、18:電線、20:キャビティー、22:コネクタハウジング、24,62,66:電線挿通部、26:固定ピン(固定手段)、28:接続端子、30:空キャビティー、32:後方側開口部、34:内面(内部)、36:係合突起、38:軸部(固定手段)、40:押圧部(固定手段)、42:係合部、56:傾斜延出部(固定手段)
Claims (5)
- ワイヤハーネスを構成する複数の電線の電線端末にそれぞれ接続された複数の接続端子が、コネクタハウジングの前後方向に延出して貫設された複数のキャビティーにそれぞれ収容保持されてなる、コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造であって、
前記複数のキャビティーの後方側開口部が開口する前記コネクタハウジングの後面に対して、前記複数の後方側開口部を一括して覆蓋する防水用弾性シートが密接されている一方、
前記防水用弾性シートには、前記複数の後方側開口部に対応する位置に前記電線が挿通可能な複数の電線挿通部が形成され、前記複数の電線が密接状態で前記電線挿通部に挿通配置されており、
固定手段により前記防水用弾性シートが前記コネクタハウジングの後面に密接状態に保持されている
ことを特徴とするコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造。 - 前記コネクタハウジングの各前記キャビティーの内部には、前記接続端子に係合する係合突起が設けられている一方、前記複数のキャビティーの少なくとも1つが前記接続端子が収容されない空キャビティーを構成している一方、
前記固定手段が、前記空キャビティーに対して、前記防水用弾性シートの前記電線挿通部を貫通してキャビティー内に挿通配置される軸部と、該軸部の端部に設けられて前記電線挿通部を貫通することなく前記防水用弾性シートの表面に載置される押圧部を有する固定ピンを含んで構成されており、
前記固定ピンの軸部に設けられた係合部が前記空キャビティー内の前記係合突起に係合して前記固定ピンの押圧部が前記防水用弾性シートに押圧されることで、前記固定ピンを介して前記防水用弾性シートが前記コネクタハウジングの後面に密接状態に保持されるようになっている請求項1に記載のコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造。 - 前記防水用弾性シートの前記電線挿通部を貫通して前記コネクタハウジングの外方に引き出された少なくとも2つの電線が互いにより合わされることにより、前記電線挿通部から引き出された前記2つの電線の少なくとも1つが、前記電線挿通部の貫通方向に傾斜して該電線挿通部から延び出す傾斜延出部を有して構成されていると共に、該傾斜延出部が前記防水用弾性シートに当接することによって前記防水用弾性シートの移動が阻止されることにより、前記固定手段が構成されている請求項1に記載のコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造。
- 前記少なくとも2つの電線が、前記複数の電線のうちで最も離隔配置された2つによって構成されている請求項3に記載のコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造。
- 前記防水用弾性シートが、予め複数の前記電線挿通部が前記コネクタハウジングの前記キャビティーと同じピッチで配設された弾性シート材から、前記コネクタハウジングが有する前記キャビティーの数の前記電線挿通部を含む大きさで切断された切断弾性シート材によって構成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のコネクタ付ワイヤハーネスの防水構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014081354A JP2015204135A (ja) | 2014-04-10 | 2014-04-10 | コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014081354A JP2015204135A (ja) | 2014-04-10 | 2014-04-10 | コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015204135A true JP2015204135A (ja) | 2015-11-16 |
Family
ID=54597506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014081354A Pending JP2015204135A (ja) | 2014-04-10 | 2014-04-10 | コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015204135A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017208474A (ja) * | 2016-05-19 | 2017-11-24 | サンコール株式会社 | シャント式電流検出装置 |
CN107979937A (zh) * | 2017-12-15 | 2018-05-01 | 湖南工程学院 | 一种智能交通***的防水装置 |
WO2018131610A1 (ja) * | 2017-01-16 | 2018-07-19 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 接続構造体 |
CN112838418A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-25 | 驭势科技(北京)有限公司 | 一种车规级线端防水连接器及车辆 |
-
2014
- 2014-04-10 JP JP2014081354A patent/JP2015204135A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017208474A (ja) * | 2016-05-19 | 2017-11-24 | サンコール株式会社 | シャント式電流検出装置 |
WO2018131610A1 (ja) * | 2017-01-16 | 2018-07-19 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 接続構造体 |
CN110383597A (zh) * | 2017-01-16 | 2019-10-25 | 株式会社自动网络技术研究所 | 连接结构体 |
CN107979937A (zh) * | 2017-12-15 | 2018-05-01 | 湖南工程学院 | 一种智能交通***的防水装置 |
CN112838418A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-25 | 驭势科技(北京)有限公司 | 一种车规级线端防水连接器及车辆 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9929491B2 (en) | Live portion protection structure and connector | |
JP5310010B2 (ja) | シールドコネクタ | |
US8569623B2 (en) | Waterproof joint section forming method and wire harness provided with waterproof joint section formed by the method | |
US9592775B2 (en) | Wiring harness protector fixing structure | |
US20170005417A1 (en) | Structure for connecting crimping terminal and electric wire | |
US10232808B2 (en) | Wire harness | |
KR20130137026A (ko) | 실드 커넥터 | |
US20140154916A1 (en) | Waterproof connector | |
DE102018209129A1 (de) | Harz enthaltende Dichtung und wasserundurchlässige Verbindungseinrichtung | |
JP2015204135A (ja) | コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造 | |
JP2018133278A (ja) | 充電インレット | |
WO2015098488A1 (ja) | コネクタ | |
CN105814742A (zh) | 具有屏蔽接触件的电连接器 | |
JP2011165428A (ja) | コネクタ装置 | |
US20170054225A1 (en) | Joint connector and wire harness | |
JP5359321B2 (ja) | アース接続用配線材、これに用いられるジョイントコネクタ、及びアース接続用配線材が組み込まれたワイヤハーネス | |
JP2015220163A (ja) | コネクタ付ワイヤハーネスの防水構造 | |
US20130140075A1 (en) | Wire fixing member | |
JP2017152190A (ja) | コネクタ | |
WO2009142273A1 (ja) | 接続部材 | |
WO2020213705A1 (ja) | コネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリ | |
WO2020213703A1 (ja) | コネクタ付通信ケーブル、及びコネクタアセンブリ | |
JP2014225395A (ja) | コネクタ | |
JP6202055B2 (ja) | シールド線のドレン線止水構造 | |
WO2019049806A1 (en) | SHIELD CONNECTOR AND ITS ASSEMBLY METHOD |