JP2015203589A - カーボンナノチューブ標準黒体炉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置を長大化することなく空洞の放射率を1に近づけた標準黒体炉装置を提供するとともに、異なる波長の放射温度計の高精度な校正方法を提供する。
【解決手段】炉内に設置した空洞と、前記炉内の温度を可変に調整して前記空洞の温度分布を均一化する温度制御手段を備えた温度標準用の黒体炉装置であって、前記空洞の底部にカーボンナノチューブを配向した基板を配置したことを特徴とするカーボンナノチューブ標準黒体炉装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触式温度計を校正するための比較炉として用いる温度標準黒体炉装置に関し、特に、参照標準温度計と異なる波長の放射温度計を比較校正する場合に好適な高放射率で波長依存性のないカーボンナノチューブ標準黒体放射源装置に関する。
サーモグラフィをはじめとした産業界でニーズの高い波長10μm付近の赤外放射温度計は100℃から1000℃程度の広い温度範囲において高精度な校正が求められている。一方でこの温度範囲において国家標準である放射温度計の波長は1.6μmや0.9μmであるため、これらの国家標準放射温度計で波長の異なる10μm帯の赤外放射温度計を高精度校正するための比較校正技術が必要となる。このように波長の異なる非接触式温度計を校正するための比較炉としては、炉内の空洞の実効放射率が限りなく1であることが必要不可欠である。空洞の放射率を限りなく1に近づけるには、空洞が均熱であること、空洞の固有放射率が高いことが必要となる。さらに、これらの定点炉や比較炉で、広範な温度域にわたって温度計の校正を行うには、広範な温度域を1台の恒温炉でカバーすることが望ましい。この従来技術として、(1)ヒートパイプ炉、(2)電気炉などの温度可変黒体炉が実用化されている。
しかし、これらの従来技術には以下のような問題点がある。
空洞壁面の温度分布の評価は、均熱性の高い空洞を実現するためにも、空洞の放射率を正確に決定するためにも必須であるが、上記(1)のヒートパイプ炉については、熱電対等の接触式温度計による評価手段しかなく、この方法は複雑な上、信頼性が低い。また(1)のヒートパイプ炉は、広範な温度域を1台の炉でカバーすることができず、複数台用意する必要がある。しかも、100℃から600℃の温度範囲を連続的にカバーすることができない。
上記(2)の電気炉については、ヒーター配置や抵抗値の調整が複雑で、一般に空洞の均熱性が不十分である。また、(1)と同様に、空洞壁面の温度分布の評価が困難かつ信頼性が低いため、正確な放射率が不明であり、参照標準温度計との高精度な比較校正が不可能である。
本発明者らは、空洞壁面温度分布が信頼性高く評価でき、均熱性の高いグラファイトの空洞を持った、50℃から500℃で使用可能な空気循環式の温度可変黒体炉を開発・製作し、先に特許出願している(特許文献1参照)。この技術においては、炉体の横方向に放射温度計や熱画像装置等の非接触温度計で空洞温度分布を測定するための透明なガラス窓を設け、その窓から非接触で信頼性高くかつ簡便にリアルタイムで温度分布を測定できる。これにより正確な実効放射率の推定が可能となったが、異なる波長の放射温度計同士を比較校正するためには、まだ放射率の高さが不十分である。
したがってこれらの先行技術では、1000℃までの広い温度範囲を1台の炉で波長の異なる放射温度計同士の高精度な比較校正は不可能である。
一方で垂直配向した高品質なカーボンナノチューブ(以下本明細書中では、カーボンナノチューブを「CNT」と略記することがある)の成膜技術が比較的容易に実施できるようになり、このCNTは紫外から遠赤外までの広い波長範囲で放射率が0.98程度と極めて高く、波長依存性がほとんどないことが知られている(非特許文献1参照)。
特開2012−145343号公報
Kohei Mizuno他7名、"A black body absorber from verticallyaligned single−walled carbon nanotubes"、PNAS vol.106,no.15,p.6044−6047(April,14,2009)
従来の電気炉などの温度可変黒体炉は、一般に空洞の均熱性が不十分であり、しかも空洞壁面の温度分布を評価するために、測定が困難かつ信頼性が低く、正しい温度分布情報が得られない。結果として、正確な放射率を決定することができないため、波長の異なる放射温度計同士の高精度な比較校正ができない。ヒートパイプ炉は、空洞の均熱性は上記電気炉などに比べて高いものの、温度分布の評価方法には接触式温度計しか利用できず、結果として正確な放射率を決定することができない。さらに、1台で広い温度範囲をカバーすることができず、しかも連続して必要な温度範囲をカバーすることができない。
図4(側面図)、図5(正面図)は、本発明者らが先に出願した特許文献1記載の空気循環式の温度可変黒体炉を示しており、炉内に設置した空洞1と、空洞温度を均一かつ一定に保つための熱媒体循環用ファン3、熱媒体加熱用のヒーター2、炉の温度制御用の温度計5を備えたことを特徴とする温度標準用気体循環式温度可変恒温炉装置であって、好ましくは、炉壁に空洞に沿った透明窓を設け、透明窓をとおして空洞の温度分布を放射温度計などの非接触式温度計で測定できるようにして空洞の温度を極力均熱に近づけるように制御する。また、空洞は、放射率を高めるためにグラファイト製あるいは内面に黒色塗料を施してある。このような構成により、従前のヒートパイプ炉、電気炉等に比べて、1台の装置で50℃から600℃程度の広範な温度域をカバーすることができ、熱媒体が気体(例えば空気)のため危険を伴わず、気体を炉内に循環させ、空洞を均熱にする気体の流路を形成することにより均一な温度分布を実現でき、結果として高放射率な空洞を持つ黒体炉により安全で信頼性の高い校正が実現できるものであった。
しかしながら、一般に空洞の長さLが短くなると放射率が低くなるので、空洞の放射率を1に近づけるには空洞を出来る限り長くする必要があり、装置が長大化していた。また、10μm帯の放射温度計は視野が広角なため、比較炉で校正するためには大きな開口Dが必要となるが、開口Dを大きくすると、当然放射率が下がるので、今度は放射率を下げないように空洞の長さLを長くする必要(L/Dを大きくする)がでてくることとなり、装置の長大化の一因となっていた。また、空洞材質の固有放射率が十分高くないため、装置が長大化されてもまだ、波長の異なる放射温度計同士を比較校正するために十分な放射率が、実現されていなかった。さらに、空洞底部は、放射率を高めるために、コーン型や三角型が採用されており、加工が簡単な平底(放射率が一般的に低い)を採用することは出来なかった。
上記従来技術の問題点を解決するために、本発明は、空洞を備えた標準黒体炉装置において、前記空洞底部にカーボンナノチューブの表面処理をした部材を配置したことを特徴とするカーボンナノチューブ標準黒体炉装置である。
また、本発明は、前記カーボンナノチューブ標準黒体炉において、前記空洞及び前記カーボンナノチューブの表面処理をした部材の材質は高融点物質であることを特徴とする。
また、本発明は、上記カーボンナノチューブ標準黒体炉装置を用いて、放射温度計や熱画像装置等の校正を行う放射温度計の校正方法である。
本発明では、CNTの表面処理をした部材を空洞底部に配置することにより空洞の放射率を1に近づけることができ、室温から1000℃付近の広範な温度範囲において1台で、波長の異なる放射温度計の高精度な比較校正を可能とする。さらに、空洞の長さを短くしても(L/Dが小さくても)放射率が1に近い標準黒体炉装置を実現でき、小型化が計れ、産業現場での高精度な放射温度計の校正も可能とする。
本発明では、空洞底部にCNTの表面処理をした部材を配置するだけの簡単な構成で放射率を1に近づけることができるので製作が容易であり、また、既存の黒体炉装置の空洞にCNTの表面処理をした部材を装着するだけでも放射率が1に近い黒体炉装置を実現できる。
また、本発明のカーボンナノチューブ標準黒体炉装置を用いれば、波長依存性が大幅に低減され、波長の異なる放射温度計の校正が高精度に実現可能である。
図1は性能評価1を説明するための図であって、本発明の一例としてCNTの表面処理をしたグラファイト基板を空洞底部配置したものと、比較例としてCNT無しのグラファイト基板のみを空洞底部に配置したものとで、輝度温度の測定結果を比較したものである。 図2は性能評価2を説明するための図であって、本発明の一例としてCNTの表面処理をしたグラファイト基板を空洞に配置したものと、比較例としてCNT無しのグラファイト基板のみを空洞に配置したものとで、それぞれ空洞に基板を配置する位置を変えて輝度温度を測定した結果を比較したものである。 図3は性能評価3を説明するための図であって、本発明の一例としてCNTの表面処理をしたグラファイト基板を空洞に配置したものと、比較例としてCNT無しのグラファイト基板のみを空洞に配置したものとについて、異なる黒体炉装置を用いて測定した結果を比較したものである。 従来の空気循環式の温度可変黒体炉を説明するための側面図(断面図)。 図4の従来の空気循環式の温度可変黒体炉を説明するための正面図。
垂直配向のCNTは上記したように紫外から遠赤外までの広い波長範囲で放射率が0.98程度と極めて高く、波長依存性がほとんどないが、CNTをそのまま黒体として使用したのでは波長の異なる非接触温度計を校正する比較炉としては放射率や面内温度分布の点で不十分である。そこで、本発明では、CNTと空洞(温度可変黒体炉)を組み合わせ、CNTの黒さを空洞でサポートし、放射率を限りなく1に近づけ、波長の異なる温度計を校正する比較炉を構成した。性能評価をおこなった結果、空洞にCNT基板を配置するだけで異なる波長帯の放射温度計の比較校正が高精度に校正可能であることが判明し、空洞長さも従来技術の半分以下でも波長依存性がない。CNT基板を空洞底部に配置する場合には加工が簡単な平底を採用することが可能である。
性能評価に用いた温度可変空洞黒体炉は、本発明者らが先に出願した空気循環式温度可変黒体炉装置(特許文献1)を採用し、空洞長さL=400mm、空洞開口D=10mm(L/D=40)、平底空洞である。本発明のCNTとしては、厚さ1mmの基板状グラファイト部材にCNTの表面処理をしたもので、CNTの全長すなわち高さは100μm、直径は10nmであり、各カーボンナノチューブの間隔は約10nmである。比較例としてCNT無しのグラファイト基板のみを用いたものと比べて性能評価した。
なお、空洞については、本発明者らが先に出願した空気循環式温度可変黒体炉装置を用いて性能評価を行ったが、本発明は空洞に垂直配向CNTを配置する点に特徴があるので、従来のヒートパイプ炉、電気炉などの温度可変黒体炉内に空洞を備えたものにも有効である。これは、垂直配向に限定されるものではなく、CNTの表面処理を施したものであればよい。また、市販の金属に黒化ペイントなどを施した空洞を持つ比較炉(市販の比較炉の空洞はグラファイト製ではなく、金属に黒化ペイントなどを施したものが殆どである)はもちろん、空洞がグラファイトでできている定点黒体炉(各国で使用されている定点黒体炉の空洞はほぼ100%に近くグラファイト製)にも有効である。また、図ではCNTの表面処理をする部材として基板状のものを用いたが、基板状に限定されるものではなく、有底短筒状など他の形状であってもよく、材質についてもグラファイトに限定されるものでなく、高融点物質であれば採用可能である。さらに、配置位置についても必ずしも底部でなくともよい。
(性能評価1)
図1に性能評価1の結果を示す。図1の左上図は、本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板あるいは比較例としてのグラファイト基板のみを空洞底部に配置した状態を説明しており、右上図は、CNTの表面処理をしたグラファイト基板(左)とCNT無しのグラファイト基板のみ(右)とを示している。空洞底部(L=400mmの一番奥)にグラファイト基板のみを置いて輝度温度を異なる波長の放射温度計(1.6μmと5μmと10μm)で比較し、またグラファイト基板の代わりに、CNTの表面処理をしたグラファイト基板を置いて輝度温度を異なる波長の放射温度計(1.6μmと5μmと10μm)で比較した。
図1のグラフは、横軸が放射温度計の波長を示し、縦軸が輝度温度(の温度差)を示す。グラファイト基板を底部に置いた結果が▲で、CNTの表面処理をしたグラファイト基板を底部に置いた結果が●であり、波長1.6μm、5μm、10μmの放射温度計では、いずれもグラファイト基板のときよりもCNTの表面処理をしたグラファイト基板を置いたときの方が、輝度温度がそれぞれ約0.1℃、0.4℃、0.8℃上昇している。このことから本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板を入れた●の方が輝度温度が大幅に上昇することがわかる。すなわち、放射率が上がったことに相当する。
なお、グラフの×はモンテカルロ法による理論計算により算出(グラファイト空洞固有放射率0.85、CNT固有放射率0.98)した値を参考に示したものである。計算に使用した固有放射率の値は垂直分光放射率であり実測したものである。
(性能評価2)
図2に性能評価2の結果を示す。図2の左上図は、空気循環式温度可変黒体炉装置を用いて波長10μm帯の放射温度計及び波長1.6μmの放射温度計で測定している装置全体写真であり、右上図は、CNTの表面処理をしたグラファイト基板(またはグラファイト基板)の位置を動かすことで空洞長さを変える実験方法を示している。CNTの表面処理をしたグラファイト基板(またはグラファイト基板)の位置を動かすことで、実効的な空洞の長さを変え(400mm、350mm、300mm、250mm、200mm、150mm)、異なる波長の放射温度計(1.6μm、10μm)で輝度温度を比較し、その差を求めた。一般に空洞が短くなると放射率が低くなるので輝度温度が下がる。(したがって、各国の標準研究所では、空洞をできる限り長くし、その結果大がかりなヒートパイプなどの装置を比較炉として使用している。一方、大がかりな装置を導入できない校正事業者やユーザー等は、空洞長が比較的短い150mm〜200mm程度ではあるが、放射率が低い(0.99〜0.993程度)の一般の黒体炉を使用しているため波長の異なる放射温度計の校正ができない。)
図2のグラフは、横軸がCNTの表面処理をしたグラファイト基板(またはグラファイト基板)を置く位置すなわち空洞長さを示し、縦軸が輝度温度(の温度差)を示す。黒のプロット●及び▲が比較例としてのグラファイト基板を入れた結果、白のプロット○及び△が本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板を入れた結果であり、丸のプロット○及び●が波長1.6μmの放射温度計で測定した結果、三角のプロット△及び▲が波長10μm帯放射温度計で測定した結果である。
比較例としてのグラファイト基板のみの場合には、波長1.6μm放射温度計の測定結果●と波長10μm放射温度計の測定結果▲はいずれの場合もグラファイト基板を置く位置が空洞の開口に近づくにつれて(つまり空洞の長さが短くなるにつれて)輝度温度が大きく下がり、1.6μm●では位置150mmで約5℃低下し、10μm▲では位置150mmで約9℃低下している。さらに、波長1.6μm●と10μm▲の輝度温度の差ΔT(●と▲の間の差)もグラファイト基板を置く位置が空洞の開口に近づくにつれて大きくなっており、位置400mmでは差が無かったものの、位置150mmでは差が約4℃と大きくなっている。このことは、グラファイト基板のみの場合には空洞が短くなるにつれ、実効放射率が低くなり、波長依存性が大きくなることを示している。
一方、本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板の場合には、波長1.6μm放射温度計の測定結果○と波長10μm帯放射温度計の測定結果△のいずれも、CNTの表面処理をしたグラファイト基板の位置を開口付近に移動させても(つまり空洞の長さが短くなっても)グラファイト基板の場合と比較して、輝度温度はそれほど下がらず、しかも波長1.6μm○と10μm△の輝度温度の差は広がることなく、ほとんど変化がない。つまり、空洞の長さが短くなったとしても、高い実効放射率を保つことができ、波長依存性がほとんどあらわれないことを意味する。
波長1.6μmと10μmの差は、本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板をいれたものが200mmの位置で波長1.6μm○と10μm△の差が0.03℃、比較例としてのグラファイト基板のみを入れた方が200mmの位置で波長1.6μm●と10μm▲の差が約3℃なので、本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板を入れた方が比較例のグラファイト基板のみの場合より100分の1も小さくなることがわかる。
(性能評価3)
図3に性能評価3を示す。図3の上段の図は、空気循環式温度可変黒体炉装置(左)と市販の黒体炉装置(右)を用いて波長10μm帯の放射温度計及び波長1.6μmの放射温度計で測定している装置全体図を示しており、図3の中段の図は、空洞底部に本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板あるいは比較例としてのグラファイト基板を空洞底部に配置した状態を示している。
図3のグラフは、縦軸が放射温度計で測定した温度(℃)、横軸が放射温度計の波長(μm)を示す。点線のプロット●及び▲が比較例としてのグラファイト基板のみを入れた結果、実線のプロット●及び▲が本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板を入れた結果であり、上の黒丸による点線のプロット●及び実線のプロット●が空気循環式温度可変黒体炉装置を用いて測定した結果、下の三角による点線のプロット▲及び実線のプロット▲が市販の黒体炉装置を用いて測定した結果である。
比較例のグラファイト基板のみを入れた場合には、空気循環式温度可変黒体炉装置(点線のプロット●)と市販の黒体炉装置(点線のプロット▲)のいずれも1.6μmと10μmの波長による差が大きいが、本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板を入れた場合(実線のプロット●、実線のプロット▲)には、その差が大幅に縮小しており波長依存性がほとんど現れないことがわかる。つまり本発明のCNTの表面処理をしたグラファイト基板を空洞に入れたことによる効果は、市販の黒体炉装置でも顕著に現れるのである。
上記説明では、グラファイト基板にCNTの表面処理をしたもので説明したが、この表面黒化処理はたとえば、CNTを垂直配向させる成膜方法でも、転写法などでもよい。また、基板材料はCNTを配向できるものであればグラファイト以外の材料であってもよい。また、空洞もグラファイト製でなくても金属を酸化させたものや、黒化ペイントを施したものであってもよい。

Claims (3)

  1. 空洞を備えた標準黒体炉装置において、
    前記空洞底部にカーボンナノチューブの表面処理をした部材を配置したことを特徴とするカーボンナノチューブ標準黒体炉装置。
  2. 前記空洞及び前記カーボンナノチューブの表面処理をした部材の材質は高融点物質であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブ標準黒体炉装置。
  3. 請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ標準黒体炉装置を用いて放射温度計や熱画像装置等の校正を行う放射温度計の校正方法。
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