JP2015203584A - 機能デバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーの配線高さを配慮した構成により、低背化を実現した機能デバイスを提供する。【解決手段】機能デバイスとしてのセンサーモジュール1は、第2電極としての電極47が設けられた基材としての絶縁基板2と、厚肉部5aと第1電極6が設けられた薄肉部5bとを有し、絶縁基板2と接合されている蓋体としての蓋部材5と、絶縁基板2と蓋部材5との間には収容空間(空洞部21)が設けられ、収納空間に収容されている機能素子としての素子片3と、を備え、第1電極6と電極47とは、ワイヤー7により電気的に接続されている。【選択図】図3
Description
本発明は、機能デバイス、電子機器、および移動体に関する。
従来、機能素子として加速度検出素子を用い、その加速度検出素子の信号処理を行う電子回路部(ICチップ)を備えた機能デバイス(加速度センサー)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている加速度センサーでは、上下のガラス基板の間に加速度検出素子を介在させ、一方のガラス基板の上に電子回路部が重ねて配置されている。そして、加速度検出素子と電子回路部とは、電子回路部に設けられた電極パッドと加速度検出素子に設けられた導電パターンとの間が、ワイヤーボンディングされたワイヤーによって接続されることで電気的に接続されている。
しかしながら、上述の機能デバイス(加速度センサー)では、電子回路部(ICチップ)と一方のガラス基板と加速度検出素子とが重ねて配置され、且つワイヤーボンディングされたワイヤーによって電子回路部(ICチップ)と加速度検出素子とが接続されている。したがって、上述の機能デバイス(加速度センサー)では、電子回路部と一方のガラス基板と加速度検出素子との厚さに加え、ワイヤーの立ち上がり部分の高さが加わり、結果として、その厚みが厚くなってしまっていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る機能デバイスは、第2電極が設けられた基材と、厚肉部と第1電極が設けられた薄肉部とを有し、前記基材と接合されている蓋体と、前記基材と前記蓋体との間には収容空間が設けられ、前記収納空間に収容されている機能素子と、を備え、前記第1電極と前記第2電極とは、ワイヤーにより電気的に接続されていることを特徴とする。
本適用例によれば、蓋体に設けられている薄肉部と機能デバイスとの間でワイヤーが配線されているため、ワイヤーの立ち上がり部分を、蓋体の厚みの内に収めることができる。これにより、ワイヤーの立ち上がり部分の高さを機能デバイスの厚みに含めることが不要となり、結果として機能デバイスの厚み(高さ)を薄くすること、所謂低背化を実現することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の機能デバイスにおいて、回路素子を備え、前記回路素子は、前記厚肉部の前記基材との接合面と反対側の上面で前記蓋体に接続され、平面視において前記第1電極は、前記回路素子と重なっていることが好ましい。
本適用例によれば、薄肉部からのワイヤー接続を実現しつつ、平面視での回路素子の配置領域を小さくすることが可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の機能デバイスにおいて、前記厚肉部には、前記収容空間まで貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔は、封止部材によって封止されていることが好ましい。
本適用例によれば、厚肉部に貫通孔を設けることによって、貫通孔を封止する封止部材を溶融する際の、溶融した封止部材の蓋体上面への流れ出しを防止することが可能となる。これにより、蓋体上面が平坦となり、例えば回路素子などを載置することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の機能デバイスにおいて、前記薄肉部は、前記ワイヤーの接続方向に開口する開口部を備え、前記ワイヤーは、前記開口部を通り配線されていることが好ましい。
本適用例によれば、開口部以外の薄肉部は、壁面(側面)で厚肉部と繋がっているため、蓋体における薄肉部が設けられている部分の強度を高めるとともに、ワイヤー高さを低くすることができる。
[適用例5]上記適用例に記載の機能デバイスにおいて、前記薄肉部は、前記厚肉部との段差を形成する側面を備え、少なくとも一つの前記側面が、前記厚肉部の前記上面に対し傾斜面となっていることが好ましい。
本適用例によれば、ワイヤーによる配線時に、薄肉部に挿入する配線のためのツール(配線ツール)を傾斜面側から入れることで、配線ツールが薄肉部の側面に接触することを防止することができ、より狭い領域への配線を行うことができる。
[適用例6]上記適用例に記載の機能デバイスにおいて、前記基材と前記蓋体とは、絶縁材料で接合されていることが好ましい。
本適用例によれば、基材面に配線が設けられていても、配線と蓋体との間、あるいは配線間の短絡を防止することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の機能デバイスにおいて、前記機能素子は、可動部および固定部を備え、前記可動部は、前記ワイヤーを介して前記蓋体と同電位になっているが好ましい。
本適用例によれば、機能素子の可動部と蓋体とが同電位となっていることで、可動部が蓋体に静電誘引されることを防止することができる。したがって、静電誘引による可動部の変位の減衰を抑制することができる。
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の機能デバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、低背の機能デバイスを用いることにより、電子機器においても低背化を実現することが可能となる。
[適用例9]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の機能デバイスを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、低背の機能デバイスを用いることにより、移動体においても低背化を実現することが可能となる。
以下、本発明に係る機能素子、および機能素子を備える電子機器、ならびに移動体の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1〜図3を用い、本発明の機能デバイスの第1実施形態に係るセンサーモジュールについて説明する。図1は、機能デバイスの第1実施形態に係るセンサーモジュールの概略を示す斜視図である。図2は、図1に示すセンサーモジュールの概略を示す平面図であり、蓋部材を省略(透視)した図である。図3は、図2に示すセンサーモジュールのB−B線断面図である。なお、図1〜3では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。以下では、X軸に平行な方向(左右方向)を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向(上下方向)を「Z軸方向」と言う。また、以下では、説明の便宜上、図2中の紙面手前側(Z軸方向)を「上」、紙面奥側(Z軸方向)を「下」、右側(X軸方向)を「右」、左側(X軸方向)を「左」と言うことがある。
図1〜図3を用い、本発明の機能デバイスの第1実施形態に係るセンサーモジュールについて説明する。図1は、機能デバイスの第1実施形態に係るセンサーモジュールの概略を示す斜視図である。図2は、図1に示すセンサーモジュールの概略を示す平面図であり、蓋部材を省略(透視)した図である。図3は、図2に示すセンサーモジュールのB−B線断面図である。なお、図1〜3では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。以下では、X軸に平行な方向(左右方向)を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向(上下方向)を「Z軸方向」と言う。また、以下では、説明の便宜上、図2中の紙面手前側(Z軸方向)を「上」、紙面奥側(Z軸方向)を「下」、右側(X軸方向)を「右」、左側(X軸方向)を「左」と言うことがある。
(センサーモジュール)
本発明の第1実施形態に係る機能デバイスには、機能素子の一例として加速度を測定するための加速度センサー素子を用いたセンサーモジュール1を示している。図1〜図3に示す機能デバイスとしてのセンサーモジュール1は、基材としての絶縁基板2と、この絶縁基板2に接合、支持された加速度センサー素子である素子片3と、素子片3に電気的に接続された導体パターン4と、素子片3を覆うように設けられた蓋体としての蓋部材5とを有している。
本発明の第1実施形態に係る機能デバイスには、機能素子の一例として加速度を測定するための加速度センサー素子を用いたセンサーモジュール1を示している。図1〜図3に示す機能デバイスとしてのセンサーモジュール1は、基材としての絶縁基板2と、この絶縁基板2に接合、支持された加速度センサー素子である素子片3と、素子片3に電気的に接続された導体パターン4と、素子片3を覆うように設けられた蓋体としての蓋部材5とを有している。
(絶縁基板)
先ず、図2および図3を用いて第1基材としての絶縁基板2について説明する。絶縁基板2は、素子片3を支持する機能を有する。この絶縁基板2は、板状をなし、その上面2a(一方の面)には、収容空間の一部として空洞部21が設けられている。この空洞部21は、絶縁基板2を平面視したときに、後述する素子片3の可動部33、可動電極部36,37および連結部34,35を包含するように形成されており、内底を有している。このような空洞部21は、素子片3の可動部33、可動電極部36,37および連結部34,35が絶縁基板2に接触するのを防止する逃げ部を構成する。これにより、素子片3の可動部33の変位を許容することができる。
先ず、図2および図3を用いて第1基材としての絶縁基板2について説明する。絶縁基板2は、素子片3を支持する機能を有する。この絶縁基板2は、板状をなし、その上面2a(一方の面)には、収容空間の一部として空洞部21が設けられている。この空洞部21は、絶縁基板2を平面視したときに、後述する素子片3の可動部33、可動電極部36,37および連結部34,35を包含するように形成されており、内底を有している。このような空洞部21は、素子片3の可動部33、可動電極部36,37および連結部34,35が絶縁基板2に接触するのを防止する逃げ部を構成する。これにより、素子片3の可動部33の変位を許容することができる。
なお、この逃げ部は、空洞部21(内底を有する凹形状)に代えて、絶縁基板2をその厚さ方向に貫通する開口部であってもよい。また、本第1実施形態では、空洞部21の平面視形状は、四角形(具体的には長方形)をなしているが、これに限定されるものではない。
また、絶縁基板2の上面2aには、前述した空洞部21の外側に、その外周に沿って、上面から掘り込まれた窪み部22,23,24,25が設けられている。この窪み部22,23,24,25は、平面視で導体パターン4に対応した形状をなしている。具体的には、窪み部22は、導体パターン4の配線41および電極44に対応した形状をなし、窪み部23は、導体パターン4の配線42および電極45に対応した形状をなし、窪み部24は、導体パターン4の配線43および電極46に対応した形状をなす。また、窪み部25は、導体パターン4の配線48および第2電極としての電極47に対応した形状をなしている。なお、電極46と第2電極としての電極47とは、配線48によって電気的に接続されている。
また、窪み部22の電極44が設けられた部位の深さは、窪み部22の配線41が設けられた部位よりも深くなっている。同様に、窪み部23の電極45が設けられた部位の深さは、窪み部23の配線42が設けられた部位よりも深くなっている。また、窪み部24の電極46が設けられた部位の深さは、窪み部24の配線43が設けられた部位よりも深くなっている。同様に、第2電極としての電極47が設けられた窪み部25の深さは、配線48が設けられた部位よりも深くなっている。
このように窪み部22,23,24,25の一部の深さを深くすることにより、センサーモジュール1の製造時において、素子片3を形成する前の基板が電極44,45,46,47と接合してしまうのを防止することができる。
絶縁基板2の構成材料としては、具体的には、高抵抗なシリコン材料、ガラス材料を用いるのが好ましく、特に、素子片3がシリコン材料を主材料として構成されている場合、アルカリ金属イオン(可動イオン)を含むガラス材料(例えば、パイレックス(登録商標)ガラスのような硼珪酸ガラス)を用いるのが好ましい。これにより、素子片3がシリコンを主材料として構成されている場合、絶縁基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
また、絶縁基板2の構成材料は、素子片3の構成材料との熱膨張係数差ができるだけ小さいことが好ましく、具体的には、絶縁基板2の構成材料と素子片3の構成材料との熱膨張係数差が3ppm/℃以下であることが好ましい。これにより、絶縁基板2と素子片3との接合時等に高温下にさらされても、絶縁基板2と素子片3との間の残留応力を低減することができる。
(素子片)
次に、図2および図3を用いて素子片3について説明する。素子片3は、固定部31,32と、可動部33と、連結部34,35と、可動電極部36,37と、固定電極部38,39とで構成されている。この固定部31,32、可動部33、連結部34,35および可動電極部36,37は、一体的に形成されている。
次に、図2および図3を用いて素子片3について説明する。素子片3は、固定部31,32と、可動部33と、連結部34,35と、可動電極部36,37と、固定電極部38,39とで構成されている。この固定部31,32、可動部33、連結部34,35および可動電極部36,37は、一体的に形成されている。
素子片3は、例えば加速度、角速度等の物理量の変化に応じて、可動部33および可動電極部36,37が、連結部34,35を弾性変形させながら、X軸方向(+X方向または−X方向)に変位する。このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の隙間、および可動電極部37と固定電極部39との間の隙間の大きさがそれぞれ変化する。即ち、このような変位に伴って、可動電極部36と固定電極部38との間の静電容量、および可動電極部37と固定電極部39との間の静電容量の大きさがそれぞれ変化する。したがって、これらの静電容量に基づいて、加速度、角速度等の物理量を検出することできる。なお、本実施形態では加速度を検出する素子片3を例示している。
固定部31,32は、それぞれ、前述した絶縁基板2の上面に接合されている。具体的には、固定部31は、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して−X方向側(図中左側)の部分に接合され、また、固定部32は、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して+X方向側(図中右側)の部分に接合されている。また、固定部31,32は、平面視したときに、それぞれ、空洞部21の外周縁を跨ぐように設けられている。
なお、固定部31,32の位置および形状等は、連結部34,35や導体パターン4等の位置および形状等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されない。
2つの固定部31,32の間には、可動部33が設けられている。本実施形態では、可動部33は、X軸方向に延びる長手形状をなしている。なお、可動部33の形状は、素子片3を構成する各部の形状、大きさ等に応じて決められるものであり、上述したものに限定されない。
可動部33は、固定部31に対して連結部34を介して連結されるとともに、固定部32に対して連結部35を介して連結されている。より具体的には、可動部33の左側の端部が連結部34を介して固定部31に連結されるとともに、可動部33の右側の端部が連結部35を介して固定部32に連結されている。この連結部34,35は、可動部33を固定部31,32に対して変位可能に連結している。本実施形態では、連結部34,35は、図2にて矢印aで示すように、X軸方向(+X方向または−X方向)に可動部33を変位し得るように構成されている。
具体的に説明すると、連結部34は、2つの梁341,342で構成されている。そして、梁341,342は、それぞれ、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなしている。言い換えると、梁341,342は、それぞれ、Y軸方向に複数回(本実施形態では3回)折り返された形状をなしている。なお、各梁341,342の折り返し回数は、1回または2回であってもよいし、4回以上であってもよい。
同様に、連結部35は、Y軸方向に蛇行しながらX軸方向に延びる形状をなす2つの梁351,352で構成されている。なお、連結部34,35は、可動部33を絶縁基板2に対して変位可能に支持するものであれば、上述したものに限定されず、例えば、可動部33の両端部から+Y方向および−Y方向にそれぞれ延出する1対の梁で構成されていてもよい。
このように絶縁基板2に対してX軸方向に変位可能に支持された可動部33の幅方向での一方側(+Y方向側)には、可動電極部36が設けられ、他方側(−Y方向側)には、可動電極部37が設けられている。可動電極部36は、固定電極部38に対して間隔を隔てて対向する。また、可動電極部37は、固定電極部39に対して間隔を隔てて対向する。
可動電極部36は、可動部33から+Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指361〜365を備えている。この可動電極指361,362,363,364,365は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。同様に、可動電極部37は、可動部33から−Y方向に突出し、櫛歯状をなすように並ぶ複数の可動電極指371〜375を備える。この可動電極指371,372,373,374,375は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。
このように複数の可動電極指361〜365および複数の可動電極指371〜375は、それぞれ、可動部33の変位する方向(すなわちY軸方向)に並んで設けられている。これにより、後述する固定電極指382,384,386,388と可動電極部36との間の静電容量、および、固定電極指381,383,385,387と可動電極部36との静電容量を可動部33の変位に応じて効率的に変化させることができる。同様に、後述する固定電極指392,394,396,398と可動電極部37との間の静電容量、および、固定電極指391,393,395,397と可動電極部37との静電容量を可動部33の変位に応じて効率的に変化させることができる。そのため、センサーモジュール1を物理量センサー装置として用いた場合に検出精度を優れたものとすることができる。
固定電極部38は、前述した可動電極部36の複数の可動電極指361〜365に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指381〜388を備える。このような複数の固定電極指381〜388の可動部33とは反対側の端部は、それぞれ、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して+Y方向側の部分に接合されている。そして、各固定電極指381〜388は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が−Y方向へ延びている。
この固定電極指381〜388は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。具体的には、固定電極指381,382は、対をなし、前述した可動電極指361,362の間に臨むように設けられている。また、固定電極指383,384は、対をなし、可動電極指362,363の間に臨むように設けられている。また、固定電極指385,386は、対をなし、可動電極指363,364の間に臨むように設けられている。また、固定電極指387,388は、対をなし、可動電極指364,365の間に臨むように設けられている。
ここで、固定電極指382,384,386,388は、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指381,383,385,387は、それぞれ、絶縁基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙(間隙)を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指381〜388は、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。言い換えれば、可動電極指の一方の側に第1固定電極指が配置され、他方の側に第2固定電極指が配置されている。
第1固定電極指382,384,386,388と第2固定電極指381,383,385,387とは、絶縁基板2上で互いに分離している。言い換えると、第1固定電極指382,384,386,388、第2固定電極指381,383,385,387は、絶縁基板2上において、互いに連結されておらず、島状に孤立している。これにより、第1固定電極指382,384,386,388と第2固定電極指381,383,385,387とを電気的に絶縁することができる。そのため、第1固定電極指382,384,386,388と可動電極部36との間の静電容量、および、第2固定電極指381,383,385,387と可動電極部36との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
本実施形態では、固定電極指381〜388が絶縁基板2上で互いに分離している。言い換えると、固定電極指381〜388は、それぞれ、絶縁基板2上において、互いに連結されておらず、島状に孤立している。これにより、固定電極指381〜388のY軸方向での長さを揃えることができる。そのため、各固定電極指381〜388と絶縁基板2との各接合部の十分な接合強度を得るのに必要な面積を確保しつつ、固定電極指381〜388の小型化を図ることができる。そのため、センサーモジュール1の耐衝撃性を優れたものとしつつ、センサーモジュール1の小型化を図ることができる。
同様に、固定電極部39は、前述した可動電極部37の複数の可動電極指371〜375に対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように並ぶ複数の固定電極指391〜398を備える。このような複数の固定電極指391〜398の可動部33とは反対側の端部は、それぞれ、絶縁基板2の上面の空洞部21に対して−Y方向側の部分に接合されている。そして、各固定電極指391〜398は、その固定された側の端を固定端とし、自由端が+Y方向へ延びている。
この固定電極指391,392,393,394,395,396,397,398は、−X方向側から+X方向側へ、この順に並んでいる。そして、固定電極指391、392は、対をなし、前述した可動電極指371,372の間に、固定電極指393,394は、対をなし、可動電極指372,373の間に、固定電極指395,396は、対をなし、可動電極指373,374の間に、固定電極指397,398は、対をなし、可動電極指374,375の間に臨むように設けられている。
ここで、固定電極指392,394,396,398は、それぞれ、第1固定電極指であり、固定電極指391,393,395,397は、それぞれ、絶縁基板2上で当該第1固定電極指に対して空隙(間隙)を介して離間した第2固定電極指である。このように、複数の固定電極指391〜398は、交互に並ぶ複数の第1固定電極指および複数の第2固定電極指で構成されている。言い換えれば、可動電極指の一方の側に第1固定電極指が配置され、他方の側に第2固定電極指が配置されている。
第1固定電極指392,394,396,398と第2固定電極指391,393,395,397とは、前述した固定電極部38と同様、絶縁基板2上で互いに分離している。これにより、第1固定電極指392,394,396,398と可動電極部37との間の静電容量、および、第2固定電極指391,393,395,397と可動電極部37との間の静電容量を別々に測定し、それらの測定結果に基づいて、高精度に物理量を検出することができる。
本実施形態では、複数の固定電極指391〜398は、前述した固定電極部38と同様、絶縁基板2上で互いに分離している。これにより、各固定電極指391〜398と絶縁基板2との各接合部の面積を十分なものとしつつ、固定電極指391〜398の小型化を図ることができる。そのため、センサーモジュール1の耐衝撃性を優れたものとしつつ、センサーモジュール1の小型化を図ることができる。
素子片3(即ち、固定部31,32、可動部33、連結部34,35、複数の固定電極指381〜388,391〜398および複数の可動電極指361〜365,371〜375)は、一つの基板をエッチングすることより形成されたものである。
これにより、固定部31,32、可動部33、連結部34,35、複数の固定電極指381〜388,391〜398および複数の可動電極指361〜365,371〜375の厚さを厚くすることができる。また、これらの厚さを簡単且つ高精度に揃えることができる。このようなことから、センサーモジュール1の高感度化を図ることができるとともに、センサーモジュール1の耐衝撃性を向上させることができる。
また、素子片3の構成材料としては、前述したような静電容量の変化に基づく物理量の検出が可能であれば、特に限定されないが、半導体が好ましく、具体的には、例えば、単結晶シリコン、ポリシリコン等のシリコン材料を用いるのが好ましい。すなわち、固定部31,32、可動部33、連結部34,35、複数の固定電極指381〜388,391〜398および複数の可動電極指361〜365,371〜375は、それぞれ、シリコンを主材料として構成されているのが好ましい。
シリコンはエッチングにより高精度に加工することができる。そのため、シリコンを主材料として素子片3を構成することにより、素子片3の寸法精度を優れたものとし、その結果、センサーモジュール1の高感度化を図ることができる。また、シリコンは疲労が少ないため、センサーモジュール1の耐久性を向上させることもできる。また、素子片3を構成するシリコン材料には、リン、ボロン等の不純物がドープされているのが好ましい。これにより、素子片3の導電性を優れたものとすることができる。
また、素子片3は、前述したように、絶縁基板2の上面に固定部31,32および固定電極部38,39が接合されることにより、絶縁基板2に支持されている。本実施形態では、図示しない絶縁膜を介して絶縁基板2と素子片3とが接合されている。
素子片3(具体的には、前述した固定部31,32および各固定電極指381〜388,391〜398)と絶縁基板2との接合方法は、特に限定されないが、陽極接合法を用いるのが好ましい。これにより、固定部31,32および固定電極部38,39(各固定電極指381〜388,391〜398)を絶縁基板2に強固に接合することができる。そのため、センサーモジュール1の耐衝撃性を向上させることができる。また、固定部31,32および固定電極部38,39(各固定電極指381〜388,391〜398)を絶縁基板2の所望の位置に高精度に接合することができる。そのため、物理量センサー装置であるセンサーモジュール1の高感度化を図ることができる。この場合、前述したようにシリコンを主材料として素子片3を構成し、且つ、アルカリ金属イオンを含むガラス材料で絶縁基板2を構成する。
(導体パターン)
導体パターン4は、前述した絶縁基板2の上面(固定電極部38,39側の面)上に設けられている。この導体パターン4は、配線41,42,43,48と、電極44,45,46と、第2電極としての電極47とで構成されている。
導体パターン4は、前述した絶縁基板2の上面(固定電極部38,39側の面)上に設けられている。この導体パターン4は、配線41,42,43,48と、電極44,45,46と、第2電極としての電極47とで構成されている。
配線41は、前述した絶縁基板2の空洞部21の外側に設けられ、空洞部21の外周に沿うように形成されている。そして、配線41の一端部は、絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、電極44に接続されている。配線41は、前述した素子片3の第1固定電極指である各固定電極指382,384,386,388および各固定電極指392,394,396,398に電気的に接続されている。ここで、配線41は、各第1固定電極指に電気的に接続された第1配線である。
また、配線42は、前述した配線41の内側、且つ、前述した絶縁基板2の空洞部21の外側でその外周縁に沿って設けられている。そして、配線42の一端部は、前述した電極44に対して間隔を隔てて並ぶように絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、電極45に接続されている。
配線43は、絶縁基板2上の固定部31との接合部から、絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上に延びるように設けられている。そして、素子片3の可動部33と接続される配線43の固定部31とは反対側の端部は、前述した電極44,45に対して間隔を隔てて並ぶように絶縁基板2の上面の外周部(絶縁基板2上の蓋部材5の外側の部分)上において、電極46に接続されている。さらに、電極46は、配線48によって第2電極としての電極47と電気的に接続されている。
このような配線41〜43,48の構成材料としては、それぞれ、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができるが、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In3O3、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物(透明電極材料)、Au、Pt、Ag、Cu、Alまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、配線41〜43,48の構成材料としては、透明電極材料(特にITO)を用いるのが好ましい。配線41,42がそれぞれ透明電極材料で構成されていると、絶縁基板2が透明基板である場合、絶縁基板2の固定電極部38,39側の面上に存在する異物等を絶縁基板2の固定電極部38,39とは反対の面側から容易に視認することができる。そのため、高感度な物理量センサー装置としてセンサーモジュール1をより確実に提供することができる。
また、電極44〜47の構成材料としては、それぞれ、前述した配線41〜43,48と同様、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができる。本実施形態では、電極44〜46,48の構成材料として、後述する突起471,472,481,482の構成材料と同じものが用いられている。
このような配線41,42(第1配線および第2配線)が絶縁基板2の上面に設けられていることにより、配線41を介して第1固定電極指382,384,386,388と可動電極部36との間の静電容量および第1固定電極指392,394,396,398と可動電極部37との間の静電容量を測定するとともに、配線42を介して第2固定電極指381,383,385,387と可動電極部36との間の静電容量および第2固定電極指391,393,395,397と可動電極部37との間の静電容量を測定することができる。
本実施形態では、電極44および電極46を用いることにより、第1固定電極指382,384,386,388と可動電極部36との間の静電容量および第1固定電極指392,394,396,398と可動電極部37との間の静電容量を測定することができる。また、電極45および電極46を用いることにより、第2固定電極指381,383,385,387と可動電極部36との間の静電容量および第2固定電極指391,393,395,397と可動電極部37との間の静電容量を測定することができる。また、このような配線41,42は、絶縁基板2の上面上(すなわち固定電極部38,39側の面上)に設けられているので、固定電極部38,39に対する電気的接続およびその位置決めが容易である。そのため、センサーモジュール1の信頼性(特に、耐衝撃性および検出精度)を向上させることができる。
また、配線41および電極44は、前述した絶縁基板2の窪み部22内に設けられ、配線42および電極45は、前述した絶縁基板2の窪み部23内に設けられ、配線43および電極46は、前述した絶縁基板2の窪み部24内に設けられている。これにより、配線41〜43が絶縁基板2の板面から突出するのを防止することができる。そのため、各固定電極指381〜388,391〜398と絶縁基板2との接合(固定)を確実なものとしつつ、固定電極指382,384,386,388,392,394,396,398と配線41との電気的接続および固定電極指381,383,385,387,391,393,395,397と配線42との電気的接続を行うことができる。同様に、固定部31と絶縁基板2との接合(固定)を確実なものとしつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。
第1配線である配線41上には、導電性を有する第1突起である複数の突起481および複数の突起482が設けられている。複数の突起481は、複数の第1固定電極指である固定電極指382,384,386,388に対応して設けられ、複数の突起482は、複数の第1固定電極指である固定電極指392,394,396,398に対応して設けられている。
そして、複数の突起481を介して固定電極指382,384,386,388と配線41とが電気的に接続されるとともに、複数の突起482を介して固定電極指392,394,396,398と配線41とが電気的に接続されている。これにより、配線41と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止しつつ、各固定電極指382,384,386,388,392,394,396,398と配線41との電気的接続を行うことができる。
同様に、第2配線である配線42上には、導電性を有する第2突起である複数の突起471および複数の突起472が設けられている。複数の突起471は、複数の第2固定電極指である固定電極指381,383,385,387に対応して設けられ、複数の突起472は、複数の第2固定電極指である固定電極指391,393,395,397に対応して設けられている。
そして、複数の突起471を介して固定電極指381,383,385,387と配線42とが電気的に接続されるとともに、複数の突起472を介して固定電極指391,393,395,397と配線42とが電気的に接続されている。これにより、配線42と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)を防止しつつ、各固定電極指381,383,385,387,391,393,395,397と配線42との電気的接続を行うことができる。
同様に、配線43の端部には、導電性を有する突起50が設けられている。突起50は、固定部31に対応して設けられている。そして、突起50を介して固定部31と配線43とが電気的に接続されている。
このような突起471,472,481,482,50の構成材料としては、それぞれ、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができるが、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Al等の金属単体またはこれらを含む合金等の金属が好適に用いられる。このような金属を用いて突起471,472,481,482,50を構成することにより、配線41,42と固定電極部38,39との間の接点抵抗、および配線43と固定部31との間の接点抵抗を小さくすることができる。
また、図示しないが、配線41〜43上には、絶縁膜が設けられている。そして、突起471,472,481,482,50上の絶縁膜は形成せずに突起の表面が露出している。この絶縁膜は、導体パターン4と素子片3との不本意な電気的接続(短絡)を防止する機能を有する。これにより、配線41,42と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)をより確実に防止しつつ、各第1固定電極指382,384,386,388,392,394,396,398と配線41との電気的接続および各第2固定電極指381,383,385,385,387,391,393,395,397と配線42との電気的接続を行うことができる。また、配線43と他の部位との不本意な電気的接続(短絡)をより確実に防止しつつ、固定部31と配線43との電気的接続を行うことができる。
絶縁膜は、突起471,472,481,482,50および電極44〜47の形成領域を除いて、絶縁基板2の上面の略全域に亘って形成されている。なお、絶縁膜の形成領域は、配線41〜43を覆うことができれば、これに限定されず、例えば、絶縁基板2の上面の素子片3との接合部位や蓋部材5との接合部位を除くような形状をなしていてもよい。
このような絶縁膜の構成材料としては、特に限定されず、絶縁性を有する各種材料を用いることができるが、絶縁基板2がガラス材料(特に、アルカリ金属イオンが添加されたガラス材料)で構成されている場合、二酸化珪素(SiO2)を用いるのが好ましい。これにより、前述したような不本意な電気的接続を防止するとともに、絶縁基板2の上面の素子片3との接合部位に絶縁膜が存在していても、絶縁基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
また、絶縁膜の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、10〜1000nm程度であるのが好ましく、10〜200nm程度であるのがより好ましい。このような厚さの範囲で絶縁膜を形成すると、前述したような不本意な電気的接続を防止することができる。また、絶縁基板2がアルカリ金属イオンを含むガラス材料で構成され、且つ、素子片3がシリコンを主材料として構成されている場合、絶縁基板2の上面の素子片3との接合部位に絶縁膜が存在していても、絶縁膜を介して絶縁基板2と素子片3とを陽極接合することができる。
(蓋体としての蓋部材)
次に、図1および図3を用いて蓋体としての蓋部材5について説明する。蓋部材5は、前述した素子片3を保護する機能を有する。本実施形態の蓋部材5は、平面形状が矩形の板状をなし、その一方の面である第1面(絶縁基板2側の面である下面)に収容空間の一部として凹部51が設けられている。この凹部51は、素子片3の可動部33および可動電極部36,37等の変位を許容するように形成されている。
次に、図1および図3を用いて蓋体としての蓋部材5について説明する。蓋部材5は、前述した素子片3を保護する機能を有する。本実施形態の蓋部材5は、平面形状が矩形の板状をなし、その一方の面である第1面(絶縁基板2側の面である下面)に収容空間の一部として凹部51が設けられている。この凹部51は、素子片3の可動部33および可動電極部36,37等の変位を許容するように形成されている。
そして、蓋部材5の第1面(下面)の凹部51よりも外側の部分は、前述した絶縁基板2の上面に接合されている。本実施形態では、図示しない絶縁膜を介して絶縁基板2と蓋部材5とが接合されている。蓋部材5と絶縁基板2との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤を用いた接合方法、陽極接合法などの直接接合法等を用いることができる。なお、蓋部材5と絶縁基板2との接合は、前述の直接接合に替えて、蓋部材5と絶縁基板2との間にスペーサーなどを用いた間接接合により行うこともできる。
また、蓋部材5の構成材料としては、前述したような機能を発揮し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、シリコン材料、ガラス材料等を好適に用いることができる。例えば、シリコン材料を用いた蓋部材5は、以下に例示する方法で形成することができる。先ず、シリコン材料の表面にマスクパターンとしてのSiO2膜を形成し、ドライエッチング法などによって凹部51側の形状を形成する。その後、凹部51側と反対側の形状をウェットエッチング法などによって形成し、その後、ドライエッチング法などにより後述する段差部15を形成する。
蓋部材5の第1面と表裏の関係をなす頂面としての第2面(上面)には、蓋部材5が絶縁基板2と接合されたときに、絶縁基板2の電極44〜47が配置されている方向を含む3方向に開口し、側面8を備えた段差部15が設けられている。言い換えると、蓋部材5には、段差部15が設けられて残った部分である薄肉部5bと、段差部15が設けられていない部分である厚肉部5aとが備えられている。
また、段差部15の段差面(薄肉部5bの上面)には、第1電極6が設けられている。第1電極6の構成材料としては、導電性を有するものであれば、特に限定されず、各種電極材料を用いることができる。電極材料としては、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Al等の金属単体またはこれらを含む合金等の金属が好適に用いられる。
そして、蓋部材5が絶縁基板2と接合された状態において、第1電極6と絶縁基板2の第2電極としての電極47とが、ワイヤーボンディングのワイヤー7によって電気的に接続される。前述したように、電極47は、配線48、電極46、および配線43などを介して素子片3の可動部33と電気的に接続されており、この接続によって、蓋部材5と素子片3の可動部33とを同電位とすることができる。素子片3の可動部33と蓋部材5とが同電位となっていることで、可動部33が蓋部材5に静電誘引されることを防止することができる。したがって、静電誘引による可動部33の変位の減衰を抑制することができる。なお、ワイヤー7は、段差部15の開口部側を通って配線されている。これにより、ワイヤー7の立ち上がり部分を段差部15の内に位置させることができ、センサーモジュール1としての高さを低くすることが可能となる。
また、第1電極6と絶縁基板2の電極47とがワイヤー7によって電気的に接続されることによって、蓋部材5と素子片3の可動部33とを同電位とすることができるため、蓋部材5と絶縁基板2の電極47とを、例えば金バンプなどの突起を用いて接続することが不要となる。これにより、金バンプなどの突起の高さばらつきなどによって生じる虞がある蓋部材5と絶縁基板2との接合不良を防止することが可能となり、収容空間の一部としての凹部51の封止を確実に行うことができる。
また、段差部15の側面8は、厚肉部5aの一方の面である第1面(絶縁基板2側の面である下面)と表裏の関係となる上面に対し、鈍角をなして傾斜している傾斜面となっている。このように側面8が傾斜面となっていることで、第1電極6に対してワイヤーを配線する際に用いるボンディングキャピラリーなどの配線ツールを、側面8側から入れることで、配線ツールが側面8に接触することを防止することができ、より狭い領域へのワイヤー配線を行うことが可能となる。
また、蓋部材5の厚肉部5aには、蓋部材5が絶縁基板2と接合された状態において形成される収容空間の一部としての凹部51と、蓋部材5の外側とが貫通する貫通孔11が設けられている。貫通孔11は、凹部51内を減圧したり、凹部51内の気体を例えば不活性ガスなどの気体に置換したりする際の排気あるいは気体の導入孔として機能する。そして、貫通孔11は、減圧あるいは置換後に、封止部材12によって塞がれ、凹部51が封止されている。なお、封止部材12の材質は、例えばAuGe、AuSi、AuSn、SnPb、PbAg、SnAgCu、SnZnBiなどの合金である。また、封止部材12は、レーザー光などのエネルギー線を照射することによって溶融され、貫通孔11を塞ぐ。
このように、厚肉部5aに貫通孔11を設けることによって貫通孔11が長くなり、封止部材12が溶融される際に、溶融された封止部材12が蓋部材5の上面(厚肉部5aの上面)に流れ出すことを防止することが可能となる。これにより、蓋部材5(厚肉部5a)の上面を平坦とすることができる。
上述した第1実施形態に係るセンサーモジュール1によれば、第1電極6と絶縁基板2の第2電極としての電極47とが、ワイヤー7によって電気的に接続されている。第1電極6は、段差部15(薄肉部5bの上面)に設けられており、ワイヤー7も段差部15の開口部側を通って配線されているため、ワイヤー7の立ち上がり部分を段差部15の厚み内に収めることができ、センサーモジュール1としての高さを低くすることが可能となる。
また、第1電極6と絶縁基板2の第2電極としての電極47とが、ワイヤー7によって電気的に接続されていることにより、蓋部材5と素子片3の可動部33とを同電位とすることができる。これにより、可動部33が蓋部材5に静電誘引されることを防止することができる。したがって、静電誘引による可動部33の変位の減衰や停止を防止することができる。
また、第1電極6と絶縁基板2の電極47とがワイヤー7によって電気的に接続されることによって、蓋部材5と絶縁基板2の電極47とを、例えば金バンプなどの突起を用いて接続することが不要となる。これにより、金バンプなどの突起の高さばらつきなどによって生じる虞がある蓋部材5と絶縁基板2との接合不良を防止することが可能となり、収容空間の一部としての凹部51の封止(気密性の確保)を確実に行うことができる。
また、第1電極6と絶縁基板2の第2電極としての電極47とが、ワイヤー7によって電気的に接続されていることにより、蓋部材5と素子片3の可動部33とを同電位とすることができる。これにより、可動部33が蓋部材5に静電誘引されることを防止することができる。したがって、静電誘引による可動部33の変位の減衰や停止を防止することができる。
また、第1電極6と絶縁基板2の電極47とがワイヤー7によって電気的に接続されることによって、蓋部材5と絶縁基板2の電極47とを、例えば金バンプなどの突起を用いて接続することが不要となる。これにより、金バンプなどの突起の高さばらつきなどによって生じる虞がある蓋部材5と絶縁基板2との接合不良を防止することが可能となり、収容空間の一部としての凹部51の封止(気密性の確保)を確実に行うことができる。
<第2実施形態>
図4を用い、本発明の機能デバイスの第2実施形態に係る加速度センサーについて説明する。図4は、本発明の機能デバイスの第2実施形態に係る加速度センサーの概略を示し、図4(a)は平面図、図4(b)は正断面図である。なお、図4では、前述の第1実施形態と同様に、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。
図4を用い、本発明の機能デバイスの第2実施形態に係る加速度センサーについて説明する。図4は、本発明の機能デバイスの第2実施形態に係る加速度センサーの概略を示し、図4(a)は平面図、図4(b)は正断面図である。なお、図4では、前述の第1実施形態と同様に、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。
(機能デバイス)
本発明の第2実施形態に係る機能デバイスには、前述のセンサーモジュール1を用いた加速度センサーを例示している。以下、図4に沿って、加速度センサー80の構成について説明する。なお、加速度センサー80の説明においては、センサーモジュール1の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することもある。
本発明の第2実施形態に係る機能デバイスには、前述のセンサーモジュール1を用いた加速度センサーを例示している。以下、図4に沿って、加速度センサー80の構成について説明する。なお、加速度センサー80の説明においては、センサーモジュール1の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することもある。
(加速度センサー)
図4に示すように、機能デバイスとしての加速度センサー80は、ベース基板81と、ベース基板81に接続されているセンサーモジュール1、および例えば半導体素子などの回路素子82、それらを覆うモールド部材85などを含んでいる。
図4に示すように、機能デバイスとしての加速度センサー80は、ベース基板81と、ベース基板81に接続されているセンサーモジュール1、および例えば半導体素子などの回路素子82、それらを覆うモールド部材85などを含んでいる。
ベース基板81は、平面視で矩形形状の板状をなしており、ベース基板81の上面81aに接続端子88,90が設けられ、さらにセンサーモジュール1および回路素子82が接続されている。ベース基板81の構成材料としては、絶縁性が確保されていれば特に限定されないが、セラミック基板、エポキシ樹脂基板などが好ましい。本実施形態では、セラミック基板を用いた例で説明する。
ベース基板81の上面81aには、センサーモジュール1および回路素子82が、例えばエポキシ系の樹脂接着剤84,91などを用いて接続、固定されている。また、ベース基板81の上面81aの内で、センサーモジュール1および回路素子82が搭載されない部分には複数の接続端子88,90が設けられ、上面81aと反対側の面である下面81bには外部接続端子89が設けられている。
接続端子88,90は、ベース基板81の上面81aに形成された図示しない配線パターンまたはスルーホールなどの層内配線により、対応する外部接続端子89などにそれぞれ接続されている。これらの接続端子88,90、外部接続端子89、およびそれらを接続する配線パターン(図示せず)は、一般に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属配線材料をセラミックス絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより形成される。なお、同図の例では、センサーモジュール1および回路素子82が、樹脂接着剤84,91によって直接ベース基板81の上面81aに接続されている例で説明したが、センサーモジュール1および回路素子82と対向する上面81aに接続端子88と同様に設けられた接続パッド(図示せず)が設けられている構成でもよい。
接続端子88,90は、回路素子82のパッド(図示せず)と、ワイヤーボンディングによって配線されたワイヤー86,87により電気的に接続されている。また、接続端子90は、センサーモジュール1に設けられている電極44,45,46とワイヤーボンディングによって配線されたワイヤー9により電気的に接続されている。なお、ワイヤー86,87の配線数は限定されず、何本であってもよい。また、接続部材をワイヤー86、87に代えて、例えば金バンプなどを用いた直接接合によって電気的接続を行ってもよい。
ベース基板81の上面81aに接続されたセンサーモジュール1、回路素子82、およびワイヤー9,86,87などは、絶縁性樹脂などによる被覆部材としてのモールド部材85によって覆われている。モールド部材85は、例えばトランスファーモールド法を用いた熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂など)によって形成される。なお、本例のモールド部材85は、ベース基板81の外周に沿った外周面を有する構成としているが、必ずしもベース基板81の外周に沿っていなくてもよく、被覆が必要な部材、部分が覆われることができればその形状は問わない。また、モールド部材85の上面もフラット(平面形状)でなく、凹凸がある形状であってもよい。
加速度センサー80では、低背のセンサーモジュール1を備えているため、高さ(Z軸方向)を低く(低背化)することが可能となるとともに、それぞれの構成部位、構成部材が被覆部材としてのモールド部材85によって覆われているため、外部からの影響を受け難くなる。したがって、低背、且つ安定した特性を維持することが可能な加速度センサー80を提供することが可能となる。
<第3実施形態>
図5を用い、本発明の機能デバイスの第3実施形態に係る加速度センサーについて説明する。図5は、本発明の機能デバイスの第3実施形態に係る加速度センサーの概略を示し、図5(a)は平面図、図5(b)は正断面図である。なお、図5では、前述の第1実施形態と同様に、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。
図5を用い、本発明の機能デバイスの第3実施形態に係る加速度センサーについて説明する。図5は、本発明の機能デバイスの第3実施形態に係る加速度センサーの概略を示し、図5(a)は平面図、図5(b)は正断面図である。なお、図5では、前述の第1実施形態と同様に、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸が図示されている。
(機能デバイス)
本発明の第3実施形態に係る機能デバイスには、前述のセンサーモジュール1を用いた加速度センサーを例示している。以下、図5に沿って、加速度センサー180の構成について説明する。なお、加速度センサー180の説明においては、センサーモジュール1の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することもある。
本発明の第3実施形態に係る機能デバイスには、前述のセンサーモジュール1を用いた加速度センサーを例示している。以下、図5に沿って、加速度センサー180の構成について説明する。なお、加速度センサー180の説明においては、センサーモジュール1の構成要素と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することもある。
(加速度センサー)
図5に示すように、機能デバイスとしての加速度センサー180は、ベース基板181と、ベース基板181に接続されているセンサーモジュール1および、例えば半導体素子などの回路素子82、それらを覆うモールド部材185などを含んでいる。
図5に示すように、機能デバイスとしての加速度センサー180は、ベース基板181と、ベース基板181に接続されているセンサーモジュール1および、例えば半導体素子などの回路素子82、それらを覆うモールド部材185などを含んでいる。
ベース基板181は、平面視で矩形形状の板状をなしており、ベース基板181の上面181aに接続端子188,190が設けられ、さらにセンサーモジュール1が接続されている。ベース基板181の構成材料としては、絶縁性が確保されていれば特に限定されないが、セラミック基板、エポキシ樹脂基板などが好ましい。本実施形態では、セラミック基板を用いた例で説明する。
ベース基板181の上面181aには、センサーモジュール1が、例えばエポキシ系の樹脂接着剤84などを用いて接続、固定されている。また、ベース基板181の上面181aの内で、センサーモジュール1が搭載されない部分には複数の接続端子188,190が設けられ、上面181aと反対側の面である下面181bには外部接続端子189が設けられている。
接続端子188,190は、ベース基板181の上面181aに形成された図示しない配線パターンまたはスルーホールなどの層内配線により、対応する外部接続端子189などにそれぞれ接続されている。これらの接続端子188,190、外部接続端子189、およびそれらを接続する配線パターン(図示せず)は、一般に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属配線材料をセラミックス絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより形成される。なお、同図の例では、センサーモジュール1が、樹脂接着剤84によって直接ベース基板181の上面181aに接続されている例で説明したが、センサーモジュール1と対向する上面181aに接続端子188と同様に設けられた接続パッド(図示せず)が設けられている構成でもよい。
ベース基板181の上面181aに接続、固定されたセンサーモジュール1の上面(蓋部材5の第1面と反対側の厚肉部5aの面)には、回路素子82が、例えばエポキシ系の樹脂接着剤191を用いて接続、固定されている。このとき、回路素子82は、平面視で蓋部材5の段差部15(薄肉部5b)に設けられている第1電極6(図5では不図示)と重なるように配置されている。そして、第1電極6とセンサーモジュール1を構成する絶縁基板2に設けられている第2電極としての電極47とがワイヤー7によって電気的に接続されている。このように回路素子82を配置し、ワイヤー7によって電気的に接続することにより、段差部15(薄肉部5b)からのワイヤー7の接続による低背化(Z軸方向の高さ)を実現するとともに、平面視での回路素子82の配置領域(X、Y軸方向)を小さくすることが可能となる。
接続端子188,190は、回路素子82のパッド(図示せず)と、ワイヤーボンディングによって配線されたワイヤー186,187により電気的に接続されている。また、接続端子190は、センサーモジュール1を構成する絶縁基板2に設けられている電極44,45,46とワイヤーボンディングによって配線されたワイヤー109により電気的に接続されている。なお、ワイヤー186,187,109の配線数は限定されず、何本であってもよい。
ベース基板181の上面181aに接続されたセンサーモジュール1、回路素子82、およびワイヤー109,186,187などは、絶縁性樹脂などによる被覆部材としてのモールド部材185によって覆われている。モールド部材185は、例えばトランスファーモールド法を用いた熱硬化性樹脂(エポキシ系樹脂など)によって形成される。なお、本例のモールド部材185は、ベース基板181の外周に沿った外周面を有する構成としているが、必ずしもベース基板の外周に沿っていなくてもよく、被覆が必要な部材、部分が覆われることができればその形状は問わない。また、モールド部材185の上面もフラット(平面形状)でなく、凹凸がある形状であってもよい。
加速度センサー180では、低背のセンサーモジュール1を備えているため、高さを低く(低背化)することが可能となるとともに、回路素子82がセンサーモジュール1に重ねて配置されているため、平面視での面積を小さくすることが可能となる。また、それぞれの構成部位、構成部材が被覆部材としてのモールド部材185によって覆われているため、外部からの影響を受け難くなる。したがって、低背・小型、且つ安定した特性を維持することが可能な加速度センサー180を提供することが可能となる。
<蓋部材の変形例>
次に、図6を参照して蓋部材5の変形例について説明する。図5(a)は蓋部材の変形例1を示す平面図および左側面図であり、図5(b)は蓋部材の変形例2を示す平面図および左側面図である。
次に、図6を参照して蓋部材5の変形例について説明する。図5(a)は蓋部材の変形例1を示す平面図および左側面図であり、図5(b)は蓋部材の変形例2を示す平面図および左側面図である。
(変形例1)
先ず、図6(a)を参照して蓋部材5の変形例1について説明する。変形例1に係る蓋部材55は、厚肉部5aと厚肉部5aに掘り込まれた平面視が矩形状のザグリ部15aによって形成された薄肉部5bとを有している。ザグリ部15aは、蓋部材55の一方の側面に開口する開口部57を備え、開口部57と反対側には側面8を備えている。側面8は、ザグリ部15aを掘り込む側の厚肉部5aの面に対し、鈍角をなして傾斜している傾斜面となっている。また、ザグリ部15aの底面(薄肉部5bの上面)には、第1電極6が設けられている。なお、第1電極6は、前述の第1実施形態と同様に形成されるため、ここでの説明は省略する。第1電極6は、後にワイヤー配線が施される。このように側面8が傾斜面となっていることで、第1電極6に対してワイヤーを配線する際に用いる配線ツールを、側面8側から入れることで、配線ツールが側面8に接触することを防止することができ、より狭い領域へのワイヤー配線を行うことが可能となる。また、開口部57を備えているため、この開口部57からワイヤー配線を行うことができ、ワイヤーの高さに係る分の低背化を図ることができる。また、開口部57以外のザグリ部15a(薄肉部5bに相当)は、壁面(側面)で厚肉部5aと繋がっているため、蓋部材55としての強度を高めることができる。
先ず、図6(a)を参照して蓋部材5の変形例1について説明する。変形例1に係る蓋部材55は、厚肉部5aと厚肉部5aに掘り込まれた平面視が矩形状のザグリ部15aによって形成された薄肉部5bとを有している。ザグリ部15aは、蓋部材55の一方の側面に開口する開口部57を備え、開口部57と反対側には側面8を備えている。側面8は、ザグリ部15aを掘り込む側の厚肉部5aの面に対し、鈍角をなして傾斜している傾斜面となっている。また、ザグリ部15aの底面(薄肉部5bの上面)には、第1電極6が設けられている。なお、第1電極6は、前述の第1実施形態と同様に形成されるため、ここでの説明は省略する。第1電極6は、後にワイヤー配線が施される。このように側面8が傾斜面となっていることで、第1電極6に対してワイヤーを配線する際に用いる配線ツールを、側面8側から入れることで、配線ツールが側面8に接触することを防止することができ、より狭い領域へのワイヤー配線を行うことが可能となる。また、開口部57を備えているため、この開口部57からワイヤー配線を行うことができ、ワイヤーの高さに係る分の低背化を図ることができる。また、開口部57以外のザグリ部15a(薄肉部5bに相当)は、壁面(側面)で厚肉部5aと繋がっているため、蓋部材55としての強度を高めることができる。
(変形例2)
次に、図6(b)を参照して蓋部材5の変形例2について説明する。変形例2に係る蓋部材56は、厚肉部5aと厚肉部5aに掘り込まれた平面視が円形状のザグリ部15bによって形成された薄肉部5bとを有している。ザグリ部15bは、蓋部材55の一方の側面に開口する開口部58を備えているまた、ザグリ部15bの側面8は、ザグリ部15bを掘り込む側の厚肉部5aの面に対し、鈍角をなして傾斜している傾斜面となっている。また、ザグリ部15bの底面(薄肉部5bの上面)には、第1電極6が設けられている。なお、第1電極6は、前述の第1実施形態と同様に形成されるため、ここでの説明は省略する。第1電極6は、後にワイヤー配線が施される。このように側面8が傾斜面となっていることで、第1電極6に対してワイヤーを配線する際に用いる配線ツールが側面8に接触することを防止することができ、より狭い領域への配線を行うことが可能となる。また、開口部58を備えているため、この開口部58からワイヤー配線を行うことができ、ワイヤーの高さに係る分の低背化を図ることができる。また、開口部58以外のザグリ部15b(薄肉部5bに相当)は、壁面(側面)で厚肉部5aと繋がっているため、蓋部材55としての強度を高めることができる。
次に、図6(b)を参照して蓋部材5の変形例2について説明する。変形例2に係る蓋部材56は、厚肉部5aと厚肉部5aに掘り込まれた平面視が円形状のザグリ部15bによって形成された薄肉部5bとを有している。ザグリ部15bは、蓋部材55の一方の側面に開口する開口部58を備えているまた、ザグリ部15bの側面8は、ザグリ部15bを掘り込む側の厚肉部5aの面に対し、鈍角をなして傾斜している傾斜面となっている。また、ザグリ部15bの底面(薄肉部5bの上面)には、第1電極6が設けられている。なお、第1電極6は、前述の第1実施形態と同様に形成されるため、ここでの説明は省略する。第1電極6は、後にワイヤー配線が施される。このように側面8が傾斜面となっていることで、第1電極6に対してワイヤーを配線する際に用いる配線ツールが側面8に接触することを防止することができ、より狭い領域への配線を行うことが可能となる。また、開口部58を備えているため、この開口部58からワイヤー配線を行うことができ、ワイヤーの高さに係る分の低背化を図ることができる。また、開口部58以外のザグリ部15b(薄肉部5bに相当)は、壁面(側面)で厚肉部5aと繋がっているため、蓋部材55としての強度を高めることができる。
なお、上述した変形例1および変形例2における蓋部材55,56には、前述の第1実施形態〜第3実施形態と同様な、吸排気用の貫通孔11が設けられている。貫通孔11には、前述の第1実施形態〜第3実施形態と同様に、貫通孔11を塞ぐ封止部材(不図示)が設けられている。
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係るセンサーモジュール1、加速度センサー80,180cを適用した電子機器について、図7〜図9に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、センサーモジュール1を適用した例を示している。
次いで、本発明の一実施形態に係るセンサーモジュール1、加速度センサー80,180cを適用した電子機器について、図7〜図9に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、センサーモジュール1を適用した例を示している。
図7は、本発明の一実施形態に係るセンサーモジュール1を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度を検出する機能を備えたセンサーモジュール1が内蔵されている。
図8は、本発明の一実施形態に係るセンサーモジュール1を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度センサー等として機能するセンサーモジュール1が内蔵されている。
図9は、本発明の一実施形態に係るセンサーモジュール1を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、従来のフィルムカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送、格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、角速度センサー等として機能するセンサーモジュール1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係るセンサーモジュール1は、図7のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図8の携帯電話機、図9のデジタルスチールカメラの他にも、以下のような電子機器に適用することができる。センサーモジュール1は、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図10は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車506には本発明に係るセンサーモジュール1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車506には、センサーモジュール1を内蔵してタイヤ509などを制御する電子制御ユニット508が車体507に搭載されている。また、センサーモジュール1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
図10は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車506には本発明に係るセンサーモジュール1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車506には、センサーモジュール1を内蔵してタイヤ509などを制御する電子制御ユニット508が車体507に搭載されている。また、センサーモジュール1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
1…機能デバイスとしてのセンサーモジュール、2…基材としての絶縁基板、2a…絶縁基板の上面、3…加速度センサー素子としての素子片、4…導体パターン、5,55,56…蓋体としての蓋部材、5a…厚肉部、5b…薄肉部、6…第1電極、7…ワイヤー、8…側面、9…ワイヤー、11…貫通孔、12…封止部材、15…段差部、21…空洞部、22,23,24,25…窪み部、31,32…固定部、33…可動部、34,35…連結部、36,37…可動電極部、38,39…固定電極部、41,42,43…配線、44,45,46…電極、47…第2電極としての電極、48…配線、50…突起、51…凹部、57,58…開口部、80,180…機能デバイスとしての加速度センサー、81…ベース基板、81a…ベース基板の上面、81b…ベース基板の下面、82…回路素子(半導体素子)、83…接着剤(接合材)、84…樹脂接着剤、85…モールド部材、86,87…ワイヤー、88…接続端子、89…外部接続端子、341,342…梁、351,352…梁、361〜365…可動電極指、371〜375…可動電極指、381〜388…固定電極指、391〜398…固定電極指、471,472,481,482…突起、506…移動体としての自動車、1100…電子機器としてのモバイル型のパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ。
Claims (9)
- 第2電極が設けられた基材と、
厚肉部と第1電極が設けられた薄肉部とを有し、前記基材と接合されている蓋体と、
前記基材と前記蓋体との間には収容空間が設けられ、前記収納空間に収容されている機能素子と、を備え、
前記第1電極と前記第2電極とは、ワイヤーにより電気的に接続されていることを特徴とする機能デバイス。 - 回路素子を備え、
前記回路素子は、前記厚肉部の前記基材との接合面と反対側の上面で前記蓋体に接続され、
平面視において前記第1電極は、前記回路素子と重なっていることを特徴とする請求項1に記載の機能デバイス。 - 前記厚肉部には、前記収容空間まで貫通する貫通孔が設けられ、
前記貫通孔は、封止部材によって封止されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能デバイス。 - 前記薄肉部は、前記ワイヤーの接続方向に開口する開口部を備え、
前記ワイヤーは、前記開口部を通り配線されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の機能デバイス。 - 前記薄肉部は、前記厚肉部との段差を形成する側面を備え、
少なくとも一つの前記側面が、前記厚肉部の前記上面に対し傾斜面となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の機能デバイス。 - 前記基材と前記蓋体とは、絶縁材料で接合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の機能デバイス。
- 前記機能素子は、可動部および固定部を備え、
前記可動部は、前記ワイヤーを介して前記蓋体と同電位になっていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の機能デバイス。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の機能デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の機能デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
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-
2014
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