JP2015202825A - ガス発生器 - Google Patents
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Abstract
Description
ガス発生器は、特許文献1〜6(特許文献1の図1、特許文献2の図1、特許文献3の図1、特許文献4の図3、特許文献5の図1、特許文献6の図1)に示されているとおり、ハウジング内において、ガス発生剤が収容された燃焼室と、前記ガス発生剤を着火燃焼させるための点火手段が収容された点火手段室を有しているものが使用されている。
前記燃焼室と前記点火手段室は、ハウジング内に配置された筒(チューブ)で分離されており、チューブ内側が点火手段室、チューブ外側が燃焼室となっている。
図示されているとおり、ハウジング底部側に点火器4が固定され、点火器4と接した状態で容器(同図の伝火薬容器53。通常は、アルミニウムなどからなる容器)に入ったエンハンサ剤(伝火薬5)が配置されている。
点火手段室(チューブ)には、ハウジング天井部側の(同図の突出円形部13側)において、点火手段室と燃焼室(同図の燃焼室28)を連通する連通孔(同図のシールテープ52’で塞がれた貫通孔54)が形成されている。
特許文献1の図1では、伝火薬容器53は、一端側が点火器4と接触し、他端側がハウジングの突出円形部13と接触している。
他の特許文献において図示されたガス発生器も、特許文献1の図1と同形態である。
その後、貫通孔54と接触する部分の伝火薬容器53が破れて、高温ガスなどが貫通孔54から燃焼室28内に流入して、ガス発生剤6を着火燃焼させる。
ガス発生剤6の燃焼により生じた高温のガスがガス排出口11から排出され、エアバッグを膨張展開させる。
このように従来技術のガス発生器では、点火手段室と燃焼室の連通孔とエンハンサ剤容器が半径方向に正対していることで、正常に作動するようになっている。
しかし、車両内のガス発生器の取り付け位置や要求される作動性能によっては、上記した従来技術と同形態のガス発生器では十分ではない場合も考えられる。
天井部と、前記天井部の周辺部から延ばされた周壁部を有し、前記周壁部に内側からシールテープで閉塞された複数のガス排出口を有しているディフューザシェルと、
点火器を取り付けるための取り付け孔を有している底面部と、前記底面部の周辺部から延ばされた周壁部を有しているクロージャシェルが、
それぞれの開口部側で組み合わされて接合されたハウジングを有しており、
前記ハウジング内には、点火手段室を形成するためのインナーチューブが、第1端部の開口部が前記ディフューザシェル天井部に当接され、第2端部の開口部が前記クロージャシェル底面部の開口部に嵌め込まれた点火器を包囲して配置されており、
前記インナーチューブの内部が点火手段室となり、前記インナーチューブの外部が燃焼室となり、前記点火手段室と前記燃焼室が、作動時には前記インナーチューブの周壁部に形成されたエンハンサ孔で連通されるものであり、
前記点火手段室内には、前記点火器側にエンハンサ剤容器が配置され、前記天井部側には前記エンハンサ剤容器を保持するためのコイルバネが配置されており、
前記エンハンサ剤容器が、
両端側の底面と天面が閉塞され、内部にエンハンサ剤が充填された筒容器からなるものであり、
前記底面が前記点火器と当接され、前記天面から前記ディフューザシェルの天井部までに配置された前記コイルバネで保持されており、
前記天面が、作動時において優先的に破裂する脆弱部を有しているものであり、
前記インナーチューブに形成されたエンハンサ孔が、前記コイルバネと半径方向に正対し、前記エンハンサ容器と半径方向に正対していない、ガス発生器を提供する。
本発明のガス発生器では、点火手段室を形成するチューブ内に配置されたエンハンサ剤容器は、第1端部側が点火器と接触され、他端側はハウジングの天井部とは、コイルバネを介して配置された状態になっている。
本発明のガス発生器は、前記ディフューザシェルまたは前記クロージャシェルの外径(D1)と、前記クロージャシェルの底面部の外側面から前記ディフューザシェルの天井部の外面までの高さ(H1)との比(D1/H1)が0.9〜1.1の範囲であるものに適している。
ディフューザシェルの外径とクロージャシェルの外径が異なる場合には、D1は最大外径となる。
エンハンサ剤容器は、両端側の底面と天面が閉塞され、内部にエンハンサ剤が充填された筒容器からなるものである。
前記底面が点火器と接触しており、前記天面とディフューザシェルの天井部との間にコイルバネが配置されている。
前記天面は、作動時において優先的に破裂する脆弱部を有している。
前記脆弱部は、底面に形成された1本または2本以上のノッチからなるもの、他の部分よりも厚みが薄い部分(薄肉部)からなるものを使用することができる。
前記脆弱部としては、エンハンサ容器天面の中心を通る複数本のノッチからなるものが好ましい。
また前記脆弱部としては、前記エンハンサ容器天面の中心を含む薄肉部からなるものが好ましい。
エンハンサ孔は、前記コイルバネと半径方向に正対しており、前記エンハンサ容器とは半径方向に正対していない。
エンハンサ剤容器天面の脆弱部とコイルバネは接触していないことが好ましいから、コイルバネの内径(内側円)が脆弱部の形成範囲よりも大きくなるようにすることが好ましい。
本発明のガス発生器は、公知のガス発生器と同様にして、チューブとガス排出口が形成された周壁部の間に筒状フィルタを配置することができる。
ディフューザシェル11とクロージャシェル21は、鉄、ステンレスなどからなるものである。
ディフューザシェル11またはクロージャシェル21の外径(D1)と、クロージャシェル21の底面部の外側面からディフューザシェル11の天井部の外面までの高さ(H1)との比(D1/H1)は0.9〜1.1の範囲である。
周壁部14には、内側からアルミニウムなどからなるシールテープ16で閉塞された複数のガス排出口17が形成されている。
複数のガス排出口17は、周方向に均等間隔に形成されていることが好ましい。
点火器取り付け孔22は、ハウジング2の内側方向に延びた筒状部22aを有している。
ハウジング2は、ディフューザシェル11とクロージャシェル21が開口部側のフランジ部15とフランジ部25で組み合わされて、溶接部3で溶接接合されている。
インナーチューブ30は、第1端部31の開口部がディフューザシェル天井部13の内壁面13aに当接されている。
ディフューザシェル天井部13と第1端部31は、接触部分で溶接されている。
インナーチューブ30は、第2端部32の開口部がクロージャシェル底面部23の開口部22に嵌め込まれて固定された点火器50を包囲して配置されている。
点火器50は、インナーチューブ30の第2端部32側の内周壁の段差部34と、第2端部32側の開口部側の折曲部33で固定されている。
点火器取り付け孔22の筒状部22aとインナーチューブ30の第2端部32側の外壁面は、接触部分で溶接されている。
複数のエンハンサ孔37は、周方向に等間隔に形成されていることが好ましく、外側からアルミニウムなどからなるシールテープ38で閉塞されている。
エンハンサ剤容器40は、アルミニウムなどからなる容器であり、閉塞された天面41と閉塞された底面42を有し、さらに周壁面43を有する筒形状の容器である。
エンハンサ剤容器40の周壁面43は、インナーチューブ30の周壁部36の内壁面36aとは接触していないが、部分的に接触していても作動上の影響はない。
エンハンサ剤容器40の底面42は、点火器50の着火部52に当接されている。
エンハンサ剤容器40の天面41とディフューザシェル天井部13の内壁面13aとの間には、コイルバネ45が配置されている。
コイルバネ45は、第1端部45aが天井部の内壁面13aと当接され、第2端部45bがエンハンサ剤容器40の天面41と当接されている。
エンハンサ剤容器40は、点火器の着火部52とコイルバネ45によって、支持されている。
ここで、エンハンサ孔37とガス排出口17は、正対していてもよいし、正対していなくてもよいが(エンハンサ孔37が周壁部14と正対している)、軸X方向に同じような高さ位置にある。
エンハンサ孔37は、天井部の内壁面13aからエンハンサ容器40の天面41までの長さを1とすると、天井部の内壁面13aから0.8以内の範囲に形成されている。
脆弱部44は、図2(b)に示すような、天面41の中心を通る複数本のノッチ44aからなるものである。図2(b)に示すような複数本のノッチ44aからなる脆弱部44であると、作動時において、中心部から三角形の花弁状に開裂するため、エンハンサ剤容器40の開裂片が発生せずに開口されるので好ましい。
図2(b)では、脆弱部44は3本のノッチ44aからなるものであるが、2本〜4本のノッチからなるものが好ましい。
エンハンサ剤容器天面の脆弱部44の範囲(図2(b)に示す3本のノッチ44aの先端部を結んで形成される円の大きさ)は、コイルバネ45の内側の円の大きさよりも小さくなっており、脆弱部44とコイルバネ45は接触していない。
ディフューザシェル11の天井部13側には、環状の第1リテーナ61が配置され、クロージャシェル21の底面部23側には、環状の第2リテーナ62が配置されている。
第1リテーナ61と第2リテーナ62は、それぞれの内径(または内径および外径)の大きさを調整することで、インナーチューブ30(またはインナーチューブ30と筒状フィルタ65)に対して、第1リテーナ61は挿入され、第2リテーナ62は圧入されている。
第1リテーナ61と第2リテーナ62は、それらの軸X方向の取り付け位置を調整することで、ガス発生剤の充填量に応じて燃焼室60の容積を調整するためのものであり、第1リテーナ61は、フィルタ65の位置決め部材としても機能する。
筒状フィルタ65と、ディフューザシェル11の周壁部14およびクロージャシェル21の周壁部24の間には筒状空間66が形成されている。
点火器50が作動して着火部52から火炎などが発生すると、エンハンサ剤容器40の底面42が破れて、内部のエンハンサ剤が着火燃焼される。
エンハンサ剤が着火燃焼してエンハンサ剤容器40が膨張すると、天面41の脆弱部44が優先的に破裂して開口する。
脆弱部44が図2(b)のような形態であると、6枚の三角形の花弁状に開裂して開口しやすいため、エンハンサ剤容器40の破裂状態で固体差が少なくなりばらつきが小さくなるので好ましい。
その後、脆弱部44の開口部から高温ガスがコイルバネ45(天井部の内壁面13a)方向に噴き出し、点火手段室35内の圧力が高まると、シールテープ38が破れて、開口したエンハンサ孔37から燃焼室60内に高温ガスが流入する。
燃焼室60内に流入した高温ガスによりガス発生剤が着火燃焼して燃焼ガスが発生する。
燃焼ガスは、筒状フィルタ65を通過し、筒状空間66に流入した後、圧力の上昇によりシールテープ16が破れて、開口した複数のガス排出口17からガスがエアバッグ内に排出される。
2 ハウジング
11 ディフューザシェル
13 天井部
14 周壁部
17 ガス排出口
21 クロージャシェル
30 インナーチューブ
35 点火手段室
37 エンハンサ孔
40 エンハンサ容器
41 天面
44 脆弱部
44a ノッチ
50 点火器
Claims (4)
- 天井部と、前記天井部の周辺部から延ばされた周壁部を有し、前記周壁部に内側からシールテープで閉塞された複数のガス排出口を有しているディフューザシェルと、
点火器を取り付けるための取り付け孔を有している底面部と、前記底面部の周辺部から延ばされた周壁部を有しているクロージャシェルが、
それぞれの開口部側で組み合わされて接合されたハウジングを有しており、
前記ハウジング内には、点火手段室を形成するためのインナーチューブが、第1端部の開口部が前記ディフューザシェル天井部に当接され、第2端部の開口部が前記クロージャシェル底面部の開口部に嵌め込まれた点火器を包囲して配置されており、
前記インナーチューブの内部が点火手段室となり、前記インナーチューブの外部が燃焼室となり、前記点火手段室と前記燃焼室が、作動時には前記インナーチューブの周壁部に形成されたエンハンサ孔で連通されるものであり、
前記点火手段室内には、前記点火器側にエンハンサ剤容器が配置され、前記天井部側には前記エンハンサ剤容器を保持するためのコイルバネが配置されており、
前記エンハンサ剤容器が、
両端側の底面と天面が閉塞され、内部にエンハンサ剤が充填された筒容器からなるものであり、
前記底面が前記点火器と当接され、前記天面から前記ディフューザシェルの天井部までに配置された前記コイルバネで保持されており、
前記天面が、作動時において優先的に破裂する脆弱部を有しているものであり、
前記インナーチューブに形成されたエンハンサ孔が、前記コイルバネと半径方向に正対し、前記エンハンサ容器と半径方向に正対していない、ガス発生器。 - 前記エンハンサ容器天面の脆弱部が、前記天面の中心を通る複数本のノッチからなるものである、請求項1記載のガス発生器。
- 前記エンハンサ容器天面の脆弱部が、前記天面の中心を含む薄肉部からなるものである、請求項1記載のガス発生器。
- 前記エンハンサ剤容器天面の脆弱部と前記コイルバネが接触していない、請求項1〜3のいずれか1項記載のガス発生器。
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