JP2015202688A - 油性ボールペンレフィル及びそれを用いた油性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、濃い筆跡で、インキ垂れ下がり性能が良好で、かつ書き味に優れた油性ボールペンレフィル及びそれを用いた油性ボールペンを提供することである。
【解決手段】インキ収容筒内に、少なくとも着色剤、有機溶剤、樹脂からなる油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンレフィルにおいて、前記インキ流通溝の底壁と前記インキ流通孔とが連接する位置が、長手方向において、前記ボールの後端と略同位置とするとともに、20℃、剪断速度5sec−1におけるインキ粘度が、10000〜50000mPa・s、前記油性ボールペンレフィルの100mあたりのインキ消費量が、前記ボールのボール径をPmm、前記インキ消費量をQmgとしたとき、30≦Q/P≦100を満足することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
「1.チップ本体の先端部を内側にかしめることにより、前記チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持し、前記ボール抱持室の底壁に設けたボール座と、前記ボール抱持室とチップ後端部の内孔とを連通するインキ流通孔と、該インキ流通孔から放射状に延び、前記チップ後端部の内孔に達しない、底壁を具備したインキ流通溝とを有するボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して、インキ収容筒の先端部に装着し、前記インキ収容筒内に、少なくとも着色剤、有機溶剤、樹脂からなる油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンレフィルにおいて、前記インキ流通溝の底壁と前記インキ流通孔とが連接する位置が、長手方向において、前記ボールの後端と略同位置とするとともに、20℃、剪断速度5sec−1におけるインキ粘度が、10000〜50000mPa・s、前記油性ボールペンレフィルの100mあたりのインキ消費量が、前記ボールのボール径をPmm、前記インキ消費量をQmgとしたとき、30≦Q/P≦100を満足することを特徴とする油性ボールペンレフィル。
2.前記ボールペンチップのかしめ角度が、50度〜90度、チップ先端からのボール出が、ボール径の20.0〜40.0%としたことを特徴とする第1項に記載の油性ボールペンレフィル。
3.前記ボールの軸方向の移動量が、5〜20μmであることを特徴とする第1項または第2項に記載の油性ボールペンレフィル。
4.前記樹脂が、少なくともポリビニルブチラール樹脂を含み、かつ、前記ポリビニルブチラール樹脂の含有量が、前記油性ボールペン用インキ組成物中の全樹脂の含有量に対して50%以上であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の油性ボールペンレフィル。
5.前記ポリビニルブチラール樹脂の平均重合度は、800〜2500であることを特徴とする第4項に記載の油性ボールペンレフィル。
6.前記油性ボールペン用インキ組成物に、リン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の油性ボールペンレフィル。
7.前記第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の油性ボールペンレフィルを軸筒内に配設したことを特徴とする油性ボールペン。
8.前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の油性ボールペンであることを特徴とする第7項に記載の油性ボールペン。」である。
また、ボール径については、特に限定されないが、一般的には0.2〜2.0(mm)程度のボールを用いる。
なお、前記ポリビニルブチラール樹脂の水酸基量(mol%)とは、ブチラール基(mol%)、アセチル基(mol%)、水酸基(mol%)の全mol量に対して、水酸基(mol%)の含有率を示すものである。
図1〜図3に示す実施例1の油性ボールペンレフィル1は、インキ収容筒2の先端に、ボール径がボール表面の算術平均粗さ(Ra)6nmのボール3(φ0.7mm)を回転自在に抱時したボールペンチップ4を装着するとともに、インキ収容筒2内に、実施例1の油性ボールペン用インキ10(0.2g)を直に収容して油性ボールペンレフィル1を得ている。
着色剤(染料、塩基性染料と酸性染料との造塩染料) 18.0質量%
有機溶剤(ベンジルアルコール) 54.0質量%
有機溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル) 16.5質量%
ポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBH−3、水酸基量:34mol%、平均重合度:1700)9.0質量%
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量%
有機アミン(オキシエチレンアルキルアミン) 1.0質量%
曳糸性付与剤(ポリビニルピロリドン樹脂) 0.5質量%
表1、表2に示すように、実施例2〜8のインキ配合とインキ消費量を変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜8の油性ボールペン用インキ組成物及び油性ボールペンレフィルを得た。表1、表2に測定、評価結果を示す。
表2に示すように、比較例1、2のインキ配合とインキ消費量を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、比較例1、2の油性ボールペン用インキ組成物及び油性ボールペンレフィルを得た。表2に測定、評価結果を示す。
実施例1〜8及び比較例1、2で作製した油性ボールペンレフィルを、(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ)に配設して、油性ボールペンを作製し筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて以下の試験及び評価を行った。
濃く鮮明な筆跡であるもの ・・・◎
濃い筆跡であるもの ・・・○
実用上問題ない濃さの筆跡であるもの ・・・△
薄い筆跡のもの ・・・×
チップ先端のインキ滴がないもの ・・・◎
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以内のもの ・・・○
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以上、1/2以内のもの・・・△
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/2以上のもの ・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
筆跡にカスレ、線とび、カスレ、線ムラなどがあり実用上問題ないもの ・・・○
筆跡にカスレ、線とび、カスレ、線ムラなどがひどく、実用性に乏しいもの・・・×
2 インキ収容筒
3 ボール
3A ボールの接線
3B ボールの後端位置
4 ボールペンチップ
5 チップ先端部
6 ボール抱持室
7 インキ流通孔
8 インキ流通溝
8A 底壁
8B 底壁とインキ流通孔とが連接する位置
9 ボール座
10 油性ボールペン用インキ
H ボール出
S インキ流通孔側のインキ流通溝の開口部
T ボール抱持室側のインキ流通溝の開口部
α カシメ角度
Claims (8)
- チップ本体の先端部を内側に かしめることにより、前記チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持し、前記ボール抱持室の底壁に設けたボール座と、前記ボール抱持室とチップ後端部の内孔とを連通するインキ流通孔と、該インキ流通孔から放射状に延び、前記チップ後端部の内孔に達しない、底壁を具備したインキ流通溝とを有するボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して、インキ収容筒の先端部に装着し、前記インキ収容筒内に、少なくとも着色剤、有機溶剤、樹脂からなる油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンレフィルにおいて、前記インキ流通溝の底壁と前記インキ流通孔とが連接する位置が、長手方向において、前記ボールの後端と略同位置とするとともに、20℃、剪断速度5sec−1におけるインキ粘度が、10000〜50000mPa・s、前記油性ボールペンレフィルの100mあたりのインキ消費量が、前記ボールのボール径をPmm、前記インキ消費量をQmgとしたとき、30≦Q/P≦100を満足することを特徴とする油性ボールペンレフィル。
- 前記ボールペンチップのかしめ角度が、50度〜90度、チップ先端からのボール出が、ボール径の20.0〜40.0%としたことを特徴とする請求項1に記載の油性ボールペンレフィル。
- 前記ボールの軸方向の移動量が、5〜20μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペンレフィル。
- 前記した着色剤が、染料のみからなり、前記樹脂が、少なくともポリビニルブチラール樹脂を含み、かつ、前記ポリビニルブチラール樹脂の含有量が、前記油性ボールペン用インキ組成物中の全樹脂の含有量に対して50%以上であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の油性ボールペンレフィル。
- 前記ポリビニルブチラール樹脂の平均重合度は、800〜2500であることを特徴とする請求項4に記載の油性ボールペンレフィル。
- 前記油性ボールペン用インキ組成物に、リン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の油性ボールペンレフィル。
- 前記油性ボールペンレフィルを軸筒内に配設したことを特徴とする第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
- 前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の油性ボールペンであることを特徴とする請求項7に記載の油性ボールペン。
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JP2014084918A JP6399790B2 (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 油性ボールペンレフィル及びそれを用いた油性ボールペン |
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