JP2015201387A - 二次電池用外装材、二次電池、及び二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池用外装材、二次電池、及び二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 タブシーラントを用いなくとも外装材とリードとの優れた密着性を有するとともに、絶縁性及び水蒸気バリア性に優れた二次電池用外装材を提供すること。【解決手段】 本発明は、基材層と、該基材層の一方の面上に形成されたバリア層と、該バリア層の上記基材層とは反対側の面上に形成された熱融着樹脂層と、を備える二次電池用外装材であって、上記バリア層は電気絶縁性物質からなり、上記熱融着樹脂層のメルトマスフローレートが、温度230℃及び荷重2.16kgにおいて、10g/10分以上30g/10分以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池用外装材、当該二次電池用外装材を容器として備えた二次電池、及び、当該二次電池の製造方法に関する。
近年、パソコン、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラ、衛星又は車両等に用いられる蓄電デバイスとして、超薄型化又は小型化の可能な二次電池が開発されている。この二次電池に使用される外装材として、多層フィルムからなるラミネート外装材(例えば、基材層、第1接着層、金属箔層、第2接着層及び熱融着樹脂層がこの順に積層された構成)が知られている。ラミネート外装材は、金属箔層を含んで構成されており、この金属箔層により外装材の外部から内部への水分(水蒸気)の浸入を抑制し、電池性能の劣化を生じないようにしている。
一方、外装材を用いた二次電池から電力を取り出すためには、正極及び負極に各々接続されるタブと呼ばれる金属端子部材が必要となる。このタブは、金属端子であるリードと、リードを被覆する樹脂フィルムであるタブシーラントとから一般に構成され、樹脂性のタブシーランドがリードと外装材の間に隙間なく充填されて両者を密着させることで、リードと外装材との隙間からの水分の浸入や内容物の漏れを抑制し且つリードと外装材とが剥離しないように固着させている。しかし、タブシーランド自体を透過して内部に浸入してしまう水分も存在する。そこで、例えば特許文献1では、タブシーラントに水蒸気バリア性が比較的高いポリエチレンナフタレートフィルムを用い、その両面にポリオレフィン層を有する構成とし、これにより、密着性を確保しつつタブ部分からの水蒸気の内部浸入を抑制している。
特許第4900418号
しかしながら、タブシーラントを使用すると、溶融して二次電池の容器とした際の外装材端部の厚さが増すことから、外装材端部からの水分の浸入を十分に遮断できているとまでは言えなかった。また、特許文献1では、外装材端部の端面に導電性の金属箔が露出しており、リードを折り曲げた際に又は複数個の二次電池を並べて使用した際に短絡してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、リードとの優れた密着性を確保しつつ、絶縁性及び水蒸気バリア性に優れた二次電池用外装材、当該二次電池用外装材を容器として備えた二次電池、及び、当該二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る二次電池用外装材は、基材層と、該基材層の一方の面上に形成されたバリア層と、該バリア層の上記基材層とは反対側の面上に形成された熱融着樹脂層とを備えている。この二次電池用外装材では、上記バリア層は電気絶縁性物質からなり、上記熱融着樹脂層のメルトマスフローレートが、温度230℃及び荷重2.16kgにおいて、10g/10分以上30g/10分以下である。
上記二次電池用外装材では、バリア層として電気絶縁性物質を用いている。このため、この二次電池用外装材によれば、バリア層に金属箔層を用いる場合に比べて絶縁性を容易に確保できるため、絶縁性をあまり考慮することなく、外装材の溶融条件を設定することができる。そして、この外装材では、熱融着樹脂層のメルトマスフローレートを上記範囲内にすることで、タブシーラントを用いなくとも、外装材とリードとの間に優れた密着性や充填性を提供することができ、且つ、外装材の融着端部の厚みを減らすことで外装材端部からの水分の浸入も抑制できる。したがって、この二次電池用外装材によれば、リードとの優れた密着性を確保しつつ、絶縁性及び水蒸気バリア性を高めることが可能である。
上記熱融着樹脂層の樹脂の融点は100℃以上150℃以下であることが好ましい。融点が100℃以上であることにより、高温の環境下でも強度を維持することができる。また、融点が150℃以下であることにより、熱融着に高温を必要とせず、バリア層への負荷を低減でき、優れた水蒸気バリア性を維持することができる。
上記熱融着樹脂層の厚さが20μm以上90μm以下であることが好ましい。厚さが20μm以上であることにより、十分なヒートシール強度を得ることができる。また、厚さが90μm以下であることにより、外装材端部からの水分の浸入を十分に遮断して水蒸気バリア性の低下を抑制することができる。
上記熱融着樹脂層は酸変性ポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。熱融着樹脂層に酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることにより、外装材とリードとの密着性をより向上させることができる。
上記バリア層は無機酸化物又は有機バリアフィルムからなることが好ましい。特に、バリア層が無機酸化物である場合、水蒸気バリア性を高くすることができる。
また本発明は別の側面として二次電池に関する。この二次電池は、電解液及び電極を含む電池要素と、上記電極から延在するリードと、上記電池要素を収容する容器とを備え、上記容器は、上記二次電池用外装材から上記熱融着樹脂層が内側となるようにして形成されている。この二次電池では、上記リードは、上記熱融着樹脂層を内側として上記容器を形成する上記外装材によって挟持されている。この場合も上記二次電池用外装材と同様に、リードとの優れた密着性を確保しつつ、二次電池における絶縁性及び水蒸気バリア性を高めることができる。
上記二次電池では、上記熱融着樹脂層が上記リードに直接接触した状態で、上記リードが上記外装材によって挟持されていることが好ましい。リードと熱融着樹脂層とが、タブシーラントを介さずに直接接触していることにより、二次電池における外装材端部の厚さを小さくすることができ、外装材端部からの水分の浸入量をより低減させて、優れた水蒸気バリア性を維持することができる。また、タブシーランドを用いなくもよいため、部材点数を減らして製造を簡素化させることもできる。
上記二次電池では、上記容器は、上記リードとともに熱融着されたリード熱融着部を有し、上記リードの延在方向におけるリード熱融着部の長さLが3mm以上20mm以下であることが好ましい。上記リード熱融着部の長さが3mm以上であることにより、外装材端部からの水分の浸入量を十分に低減することができ、上記リード熱融着部の長さが20mm以下であることにより、二次電池の設置面積を小さくすることができる。
また本発明はさらに別の側面として二次電池の製造方法に関する。この二次電池の製造方法は、上記二次電池用外装材、電解液及び電極を含む電池要素、並びに上記電極から延在するリードを準備する工程と、上記熱融着性樹脂層を内側にした状態で上記外装材の間に上記電池要素と上記リードの一部とを配置する工程と、上記熱融着性樹脂層が内側に配置された上記外装材によって上記リードが挟持されるように、上記外装材の周縁部を熱融着する工程と、を備えている。
上記二次電池の製造方法において、上記熱融着樹脂層の熱融着前の厚さが上記リードの厚さに対し40%以上80%以下であることが好ましい。上記熱融着樹脂層の厚さが上記リードの厚さに対し40%以上であることにより、十分な充填性が得られる。上記熱融着樹脂層の厚さが上記リードの厚さに対し80%以下であることにより、端部を厚くしてしまうことが抑制でき、外装材端部からの水分の浸入量をより低減させることができる。
本発明によれば、リードとの優れた密着性を確保しつつ、絶縁性及び水蒸気バリア性に優れた二次電池用外装材、当該二次電池用外装材を容器として備えた二次電池、及び、当該二次電池の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る二次電池用外装材の概略断面図である。 本発明の別の実施形態に係る二次電池用外装材の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る二次電池用外装材を用いて二次電池を製造する工程を示す斜視図であり、(a)は、二次電池用外装材を準備した状態を示し、(b)は、エンボスタイプに加工された二次電池用外装材と電池要素を準備した状態を示し、(c)は、二次電池用外装材の一部を折り返して端部を溶融した状態を示し、(d)は、折り返された部分の両側を上方に折り返した状態を示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(二次電池用外装材10)
まず、本実施形態に係る二次電池用外装材10(以下、単に「外装材10」とも記す。)について説明する。外装材10は、正極、セパレータ、負極及び電解液等の電池要素を覆って、電池内部への水分の浸入を防止したり、内部で発生した物質(例えば、水分の浸入により発生するフッ酸等)の外部への流出を防止するための包装材である。このような外装材10は、図1に示すように、基材層11と、基材層11の一方の面上に形成されたバリア層12と、バリア層12の基材層11とは反対側の面上に形成された熱融着樹脂層14と、を基本構成として備えている。外装材10は、図1に示すように、バリア層12と熱融着樹脂層14との間に接着樹脂層13が配置されている。なお、二次電池用外装材として、図2に示すように、熱融着樹脂層14がバリア層12上に直接配置されている外装材10aであってもよい。
次に、外装材10を構成する各層についてより詳細に説明する。
[基材層11]
基材層11は、二次電池を製造する際の後述する加圧熱融着工程における耐熱性を外装材10に付与し、加工又は流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制するための層である。基材層11としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂又はポリカーボネート樹脂等のフィルムが挙げられ、これらのフィルムは延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。耐熱性、耐突き指し性又は絶縁性を向上させる点から、基材層11は、二軸延伸ポリアミドフィルム又は二軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ナイロンフィルムであることがより好ましい。基材層11は、1つの層から構成されていてもよく、又、複数の層を接着剤を介してドライラミネートで貼り合わせた複合層から構成されていてもよい。
基材層11の厚さは、例えば、6μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。基材層11の厚さが上記下限値以上であることにより、耐ピンホール性又は絶縁性がより良好になる。基材層11の厚さが上記上限値以下であることにより、熱収縮に伴うバリア層への負荷を抑えることができる。なお、基材層11の厚さは積層後のものであり、後述するバリア層12、接着樹脂層13及び熱融着樹脂層14についても同様である。本明細書において、少なくとも基材層11、バリア層12及び熱融着樹脂層14の積層前の厚さは、積層後の厚さと同等であるものとする。
基材層11には難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤及び帯電防止材等の添加材が内部に分散されていてもよく、また、これらの添加剤が基材層11の表面に塗布されていてもよい。
[バリア層12]
バリア層12は、外装材10に水蒸気バリア性を付与する層であり、電気絶縁性物質からなる。バリア層12を構成する電気絶縁性物質としては、無機酸化物又は有機バリアフィルムが好ましく、水蒸気バリア性の点から、無機酸化物であることがより好ましい。無機酸化物としては、酸化アルミニウム又は酸化珪素等を用いることができる。バリア層12に無機酸化物等の電気絶縁性物質を用いることにより、バリア層12が非導電性となり、外装材10とリード2との間に絶縁性を確保する必要がなくなる。
バリア層12の厚さは、例えば蒸着により形成する場合、10nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上200nm以下であることがより好ましい。バリア層12の厚さが10nm以上であることにより、バリア層12を連続的に形成することができ、また、300nm以下であることにより、反り又はクラックの発生を抑制し、かつ可撓性が向上する。
またバリア層12上には、水蒸気バリア性の向上、耐キズ性の向上又は耐薬品性の向上を目的として、保護層が設けられてもよい。
[接着樹脂層13]
接着樹脂層13は、バリア層12と熱融着樹脂層14とを接着する層である。外装材10は、接着樹脂層13を形成する接着成分によって、熱ラミネート構成とドライラミネート構成に分けられる。
熱ラミネート構成における接着樹脂層13を構成する接着成分としては、酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度、中密度及び高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ポリプロピレン;並びに、プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。共重合体である場合のポリオレフィン系樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂の酸による変性率(例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの総質量に対する無水マレイン酸に由来する部分の質量)は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることがより好ましい。
ポリオレフィン樹脂における酸変性の方法としては、酸によってグラフト変性する方法、及び、酸を有する単量体を共重合する方法等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂を変性する酸は不飽和カルボン酸又はその酸無水物であることが好ましい。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸及びイタコン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸又はその酸無水物は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸であることが好ましく、無水マレイン酸であることがより好ましい。不飽和カルボン酸又はその酸無水物は、エステル基、アミド基及びイミド基等が結合した不飽和カルボン酸誘導体であってもよい。ポリオレフィン樹脂を変性する酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ドライラミネート構成における接着樹脂層13を構成する接着成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール及びポリオレフィンポリオール等の主剤と、芳香族系又は脂肪族系のイソシアネート等の硬化剤とを含む2液硬化型のポリウレタン系接着剤を使用することができる。上記接着剤において、主剤のOH基(又はCOOH基)に対する硬化剤のNCO基のモル比(NCO/OH)又は(NCO/COOH)は、1以上10以下であることが好ましく、2以上5以下であることがより好ましい。
接着樹脂層13の厚さは、熱ラミネート構成の場合には、8μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。接着樹脂層13の厚さが8μm以上であることにより、バリア層12と熱融着樹脂層14との十分な接着強度が得られやすく、30μm以下であることにより、外装材端面から内部の電池要素に浸入する水分量を低減しやすくすることができる。また、接着樹脂層13の厚さは、ドライラミネート構成の場合には、1μm以上5μm以下であることが好ましい。接着樹脂層13の厚さが1μm以上であることにより、バリア層12と熱融着樹脂層14との十分な接着強度が得られやすく、5μm以下であることにより、接着樹脂層13の割れの発生を抑制することができる。
[熱融着樹脂層14]
熱融着樹脂層14は、バリア層12上に、必要に応じて接着樹脂層13を介して、形成される。例えば2枚の外装材10の熱融着樹脂層14同士を向い合わせにし、2枚の外装材10とともに熱融着樹脂層14をその融解温度以上で加圧熱融着することにより、電池要素を密閉(収容)可能な容器を製造することができる。なお、1枚の外装材10を折り畳んで熱融着樹脂層14同士を向い合わせにして加圧熱融着し、容器としてもよい。
熱融着樹脂層14のメルトマスフローレート(MFR)は、温度230℃及び荷重2.16kgにおいて、10g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、15g/10分以上25g/10分以下であることがより好ましい。熱融着樹脂層14のMFRが10g/10分以上であることにより、タブシーラントがなくともリード端部を充填することができ、外装材端部からの電池要素の漏れ又は水分浸入を抑制することができる。一方、熱融着樹脂層14のMFRが30g/10分以下であることにより、加圧熱融着時の過度な流動による、リード2との密着性の低下を抑制することができる。熱融着樹脂層14のMFRは、JIS K 7210に記載される方法に準じて、算出される。
熱融着樹脂層14の樹脂の融点は100℃以上150℃以下であることが好ましく、110℃以上140℃以下であることがより好ましい。融点が上記下限値以上であることにより、高温の環境下でも優れた強度(耐熱性)を有することができ、上記上限値以下であることにより、加圧熱融着時に高い熱量を掛けずに融着できるのでバリア層12への負荷を低減し、高い水蒸気バリア性を維持できる。
熱融着樹脂層14としては、ポリオレフィン樹脂及び酸変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられ、リード2との密着性が向上する点から、酸変性ポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度、中密度及び高密度のポリエチレン;エチレン−αオレフィン共重合体;ポリプロピレン;並びに、プロピレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。共重合体である場合のポリオレフィン樹脂は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、熱融着樹脂層14のメルトマスフローレートを所望の範囲に調整できるように、選択される。
ポリオレフィン樹脂の酸による変性率(例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレンの総質量に対する無水マレイン酸に由来する部分の質量)は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることがより好ましい。
ポリオレフィン樹脂における酸変性の方法としては、酸によってグラフト変性する方法、及び、酸を有する単量体を共重合する方法等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂を変性する酸は不飽和カルボン酸又はその酸無水物であることが好ましい。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸及びイタコン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸又はその酸無水物は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸であることが好ましく、無水マレイン酸であることがより好ましい。不飽和カルボン酸又はその酸無水物は、エステル基、アミド基及びイミド基等が結合した不飽和カルボン酸誘導体であってもよい。ポリオレフィン樹脂を変性する酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱融着樹脂層14の厚さは、20μm以上90μm以下であることが好ましく、25μm以上60μm以下であることがより好ましい。熱融着樹脂層14の厚さが20μm以上であることにより、十分なヒートシール強度を得ることができ、90μm以下であることにより、外装材端部からの水蒸気の浸入量を低減することができる。
熱融着樹脂層14は、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、造核剤、顔料及び染料等の各種添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(外装材10の製造方法)
次に、上述した構成を備える外装材10の製造方法について説明する。なお、外装材10の製造方法は以下の方法に限定されるものではない。
外装材の製造方法としては、例えば、下記工程S11〜S12の方法が挙げられる。
工程S11:基材層11上の一方の面上にバリア層12を形成する工程。
工程S12:バリア層12の基材層11とは反対の面上に、必要に応じて接着樹脂層13を介して、熱融着樹脂層14を形成する工程。
[工程S11]
バリア層12は、基材層11の一方の面上に例えば真空成膜にて形成される。真空成膜の方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、又は、化学的気相成長法(CVD法)等の公知の方法が挙げられる。真空成膜の方法は、水蒸気バリア性、厚さの均一性、及び成膜速度等の生産性の点から、真空蒸着法であることが好ましく、電子ビーム加熱による成膜方法であることがより好ましい。
[工程S12]
工程S12では、熱融着樹脂層14が、バリア層12の基材層11とは反対の面上に形成される。熱融着樹脂層14の形成方法は、外装材10が熱ラミネート構成である場合と、外装材10がドライラミネート構成である場合と、外装材が外装材10aの構成(接着樹脂層13を有しない構成)を有する場合に大きく分類される。
外装材10が熱ラミネート構成である場合、熱融着樹脂層14の形成方法としては、ドライプロセス及びウェットプロセスが挙げられる。ドライプロセスの場合は、バリア層12に接着樹脂が押出ラミネートされ、さらにインフレーション法又はTダイ押出法により得られる熱融着樹脂層14を形成するフィルムが積層される。その後、バリア層12と接着樹脂層13との密着性を向上させる目的で、熱処理(エージング又は熱ラミネーション等)を施してもよい。また、インフレーション法又はキャスト法にて、接着樹脂層13と熱融着樹脂層14とが積層された多層フィルムを作製し、該多層フィルムをバリア層12上に熱ラミネーションにより積層することで、接着樹脂層13を介して熱融着樹脂層14が形成されてもよい。
ウェットプロセスの場合は、酸変性ポリオレフィン系樹脂等の接着樹脂の分散液をバリア層12上に塗工し、接着樹脂の融点以上の温度で分散媒を揮発させつつ、接着樹脂を溶融軟化させて焼き付けを行った後、熱ラミネーション等の熱処理により熱融着樹脂層14が形成される。
外装材10がドライラミネート構成である場合、熱融着樹脂層14の形成方法としては、例えば、下記方法が挙げられる。バリア層12上に、接着樹脂の溶液を塗工し、オーブンで溶剤を乾燥させる。その後、ドライラミネーションによる熱圧着で熱融着樹脂層14が接着樹脂層13を介して形成される。
接着樹脂の溶液の塗工方法は特に限定されず、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、ダイコート、バーコート、キスコート及びコンマコート等が挙げられる。工程S12では、熱融着樹脂層14の形成後、硬化反応促進や結晶の安定化のために、20℃以上100℃以下の温度で、3〜20日間、エージング(養生)処理を行うことが好ましい。
外装材が外装材10aの構成を有する場合、熱融着樹脂層14の形成方法としては、例えば、バリア層12に熱融着樹脂層14を押し出しラミネートで形成する等の方法が挙げられる。
(二次電池30)
次に、本実施形態に係る外装材10を容器として備える二次電池30について説明する(図3参照)。二次電池30は、電解液及び電極を含む電池要素1と、上記電極から延在するリード2と、電池要素1を収容する容器とを備え、上記容器は二次電池用外装材10から形成される。リード2が延在する方向とは、リード2が上記電極から上記容器の外部に向かって延びる方向である。上記容器は、2つの外装材を熱融着樹脂層14同士を対向させて重ね合わせ、重ねられた外装材10の周縁部を熱融着して得られてもよく、また、1つの外装材を折り返して重ね合わせ、同様に外装材10の周縁部を熱融着して得られてもよい。二次電池30としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、及び鉛蓄電池等が挙げられる。
リード2は、二次電池30内部から電気を取り出す金属端子であり、内容物の漏れ等を防ぐために、リード2の周縁部は外装材10と確実に密着している必要がある。リード2の材質は、接続される二次電池内の集電体の材質に合わせて選択されることが好ましい。例えば、リチウムイオン電池の場合には、正極の集電体にアルミニウムが用いられることから、正極のリード2の材質はアルミニウムであることが好ましく、電解液への耐食性の点から、1N30等の純度が97%以上であるアルミニウムであることがより好ましい。二次電池作製後、リード2と外装材10の熱融着部は屈曲させる場合、柔軟性の点から、リード2の正極の材質は、焼鈍により調質したO材であることがさらに好ましい。また、負極側の集電体には、銅が用いられることから、負極側のリード2の材質は銅であることが好ましい。リード2は、耐食性の観点から、表面にニッケルめっき層を有していることが好ましい。
リード2の厚さは、電池のサイズ又は容量に応じて選択され、小型では50μm〜100μm程度であり、蓄電・車載用途等では、100μm〜500μm程度である。リード2における電気抵抗を低減させる点から、より厚みがあるリード2を用いてもよい。
上記容器は、二次電池用外装材10から、熱融着樹脂層14が内側となるように形成され、リード2とともに熱融着されたリード熱融着部31を有する。リード2の延在方向におけるリード熱融着部31の長さLは3mm以上20mm以下であることが好ましく、5mm以上15mm以下であることがより好ましい。リード熱融着部31の長さLが3mm以上であることにより、外装材端部からの水分の浸入量を低減することができ、20mm以下であることにより、二次電池30全体の設置面積を小さくすることができる。
リード2は、熱融着樹脂層14を内側として容器を形成する外装材10によって挟持され、密封されている。リード2は、タブシーラントを用いずに、熱融着樹脂層14がリード2に直接接触した状態で挟持されていることが好ましい。リード2と熱融着樹脂層14とが直接接触しており、タブシーラントが用いられていないことにより、二次電池30ではリード熱融着部31の厚さを薄くすることができ、外装材端部からの水分の浸入量を低減させることができる。
(二次電池30の製造方法)
次に、上述した二次電池用外装材10を用いて二次電池30を製造する方法について説明する。なお、ここでは、エンボスタイプ外装材を用いた場合を例に挙げて説明する。図3の(a)〜(d)は、本実施形態に係る二次電池用外装材10を用いた片側成型加工電池の製造工程を示す斜視図である。二次電池30としては、エンボスタイプ外装材20のような外装材を2つ設け、このような外装材同士を、アライメントを調整しつつ、貼り合わせて製造される、両側成型加工電池であってもよい。
片側成型加工電池である二次電池30は、例えば、以下の工程S21〜S25により製造することができる。
工程S21:二次電池用外装材10、電解液及び電極を含む電池要素1、並びに上記電極から延在するリード2を準備する工程。
工程S22:外装材10の片面に電池要素1を配置するための凹部22を形成する工程(図3(a)及び図3(b)参照)。
工程S23:エンボスタイプ外装材20の成型加工エリア(凹部22)に電池要素1を配置し、凹部22を蓋部24が覆うようにエンボスタイプ外装材20を折り返し重ねて、電池要素1から延在するリード2を挟持するようにエンボスタイプ外装材20の一辺を加圧熱融着する工程(図3(b)及び図3(c)参照)。
工程S24:リード2を挟持する辺以外の一辺を残し、他の辺を加圧熱融着し、その後、残った一辺から電解液を注入し、真空状態で残った一辺を加圧熱融着する工程(図3(c)参照)。
工程S25:リード2を挟持する辺以外の加圧熱融着辺端部をカットし、成型加工エリア(凹部22)側に折り曲げる工程(図3(d)参照)。
[工程S22]
工程S22では、外装材10の熱融着樹脂層14側に電池要素1を配置するための凹部22が形成される。凹部22を形成する方法としては、金型を用いた成型加工(深絞り成型)が挙げられる。成型方法としては、外装材10の厚さ以上のギャップを有するように配置された雌型と雄型の金型を用い、雄型の金型を外装材10とともに雌型の金型に押し込む方法が挙げられる。雄型の金型の押込み量を調整することで、凹部22の深さ(深絞り量)を所望の量に調整できる。外装材10に凹部22が形成されることにより、エンボスタイプ外装材20が得られる。工程S22は必要に応じて省略することもできる。
[工程S23]
工程S23では、エンボスタイプ外装材20の成型加工エリア(凹部22)内に、正極、セパレータ及び負極等から構成される電池要素1が配置され、また、電池要素1から延在し、正極と負極にそれぞれ接合されたリード2が成型加工エリア(凹部22)から外に引き出される。その後、エンボスタイプ外装材20は、長手方向の略中央で折り返され、熱融着樹脂層14同士が内側となるように重ねられ、エンボスタイプ外装材20のリード2を挟持する一辺が加圧熱融着される。加圧熱融着は、温度、圧力及び時間の3条件で制御され、加圧熱融着の温度は熱融着樹脂層14を融解する温度以上で適宜設定される。
なお、熱融着樹脂層14の熱融着前の厚さは、リード2の厚さに対し40%以上80%以下であることが好ましい。熱融着樹脂層14の厚さが上記下限値以上であることにより、熱融着樹脂がリード2端部を十分充填できる傾向があり、上記上限値以下であることにより、二次電池30の外装材10端部の厚さを適度に抑えることができ、外装材10端部からの水分の浸入量を低減することができる。
[工程S24]
工程S24では、リード2を挟持する辺以外の一辺を残し、他の辺の加圧熱融着が行われる。その後、残った一辺から電解液を注入し、残った一辺が真空状態で加圧熱融着される。加圧熱融着の条件は工程S23と同様である。
[工程S25]
リード2を挟持する辺以外の周縁加圧熱融着辺端部がカットされ、端部からははみだした熱融着樹脂層14が除去される。その後、周縁加圧熱融着部を成型加工エリア22側に折り返し、折り返し部32を形成することで、二次電池30が得られる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[使用材料]
実施例及び比較例に係る外装材の基材層、バリア層、接着樹脂層及び熱融着樹脂層を形成するために使用した材料を以下に示す。なお、実施例及び比較例に係る外装材の構成は、図1に示す構成と同様である。
(基材層11)
基材A−1:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm)
(バリア層12)
バリア層B−1:酸化珪素蒸着膜(厚さ:80nm)
バリア層B−2:アルミニウム箔(厚さ:40μm)
(接着樹脂層13)
接着剤C−1:無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(熱融着樹脂層14)
熱融着樹脂D−1:ポリプロピレンフィルム(MFR:10g/10分、融点:150℃)
熱融着樹脂D−2:ポリプロピレンフィルム(MFR:30g/10分、融点:125℃)
熱融着樹脂D−3:ポリプロピレンフィルム(MFR:14g/10分、融点:105℃)
熱融着樹脂D−4:ポリプロピレンフィルム(MFR:20g/10分、融点:135℃)
熱融着樹脂D−5:ポリプロピレンフィルム(MFR:20g/10分、融点:158℃)
熱融着樹脂D−6:無水マレイン酸変性ポリプロピレンフィルム(MFR:23g/10分、融点:126℃)
熱融着樹脂D−7:ポリプロピレンフィルム(MFR:50g/10分、融点:90℃)
熱融着樹脂D−8:ポリプロピレンフィルム(MFR:4g/10分、融点:146℃)
(リード2)
リードE−1:アルミニウム製の金属端子(厚さ:50μm、幅:12mm、長さ:50mm)
[外装材10の作製]
(実施例1)
基材A−1上に真空蒸着法によりバリア層B−1(80nm)を形成した。次に、バリア層の上記基材とは反対の面上に接着剤C−1を積層後の厚さが3μmになるように塗工し、塗工後の接着剤C−1上に熱融着樹脂D−1(厚さ:40μm)を重ねて、これらを100℃のドライラミネートにて積層した。その後、エージングを行い、外装材を作製した。次いで、外装材を240mm×70mmサイズでカットし、長辺の中間点で折り返した。折り返された外装材の短辺間にリードE−1を挟持させ、融着温度160℃、融着面圧0.5MPa、融着時間3秒、及びリードが延在する方向のリード熱融着部の長さ10mmの条件で加圧熱融着させ評価用サンプルを作製した。
(実施例2〜7及び9並びに比較例1〜2)
熱融着樹脂層14を形成するために使用した材料及び層の厚さを表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜7、9及び比較例1〜2の評価用サンプルを作製した。
(実施例8)
熱融着樹脂層を形成するために熱融着樹脂D−5(厚さ:40μm)を用い、融着温度を170℃に変更した以外は、実施例1と同様に評価用サンプルを作製した。
(比較例3)
バリア層B−2上に、2液硬化型ポリエステルウレタン接着剤を積層後の厚さが4μmになるように塗工し、塗工後の2液硬化型ポリエステルウレタン接着剤上に基材A−1を重ねて、これらを40℃のドライラミネートにて積層した。次に、バリア層の上記基材とは反対の面上に、接着剤C−1を積層後の厚さが3μmになるように塗工し、塗工後の接着剤C−1上に熱融着樹脂D−1(厚さ:40μm)を重ねて、これらを100℃のドライラミネートにて積層した。その後、エージングを行い、外装材を作製した。得られた外装材を実施例1と同様に加工して、評価用サンプルを作製した。
Figure 2015201387
[サンプルの評価]
(充填性)
実施例及び比較例で作製した評価用サンプルのリード熱融着部における外装材端部を高浸透性染色液(株式会社タイホーコーザイ製、ミクロチェック)中に室温(23℃)で60分間浸漬した。浸漬後の外装材端部を目視にて観察し、染色液が浸透しているものを染色されたものと判断した。そして、染色されていないと判断したものはリードが十分充填されているものと判断し、染色されたものはリードが十分充填されていないものと判断した。下記基準に従って充填性の評価を行った。
A:サンプル50個中、外装材端部に高浸透性染色液が浸透し染色されたサンプルが0個。
B:サンプル50個中、外装材端部に高浸透性染色液が浸透し染色されたサンプルが1個以上。
(密着性)
実施例及び比較例で作製した評価用サンプルのリードと外装材の密着性を、外装材とリードとの剥離強度を測定し、下記基準に従って評価した。なお、剥離強度は、引張試験機により外装材をリードから引き剥がして測定し、測定条件は測定幅12mm、引張速度100mm/分、T型剥離とした。
A:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が120%以上。
B:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が80%以上120%未満。
C:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が80%未満。
(耐熱性)
実施例及び比較例で作製した評価用サンプルのリードを含まない部分の周縁加圧熱融着部を含む外装材を、100mm×15mmサイズでカットして耐熱性評価用サンプルとした。耐熱性評価用サンプルを大気中90℃で5分間放置した後に、外装材間の周縁加圧熱融着部の剥離強度を大気中90℃で引張速度100mm/分、T型剥離で測定した。周縁加圧熱融着部の耐熱性は、得られた剥離強度に基づき、下記基準に従って評価した。
A:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が80%以上。
B:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が80%未満。
(絶縁性)
実施例及び比較例で作製した評価用サンプルのリードと外装材のバリア層との間の短絡の有無を、テスターにより確認した。絶縁性は、下記基準に従って評価した。
A:サンプル10個中、短絡したサンプルが0個。
B:サンプル10個中、短絡したサンプルが1個以上。
(水蒸気バリア性)
実施例及び比較例で得た240mm×70mmサイズにカットされた外装材を、長辺の中間点で折り返し、折り重なった長辺の2辺の端部を幅5mmで各実施例及び比較例と同様の条件で加圧熱融着した。次に、加圧熱融着されていない短辺から、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びジエチルカーボネート(DEC)を重量比(1:1:1)で混合し、含有水分量を20ppm以下に抑えた電解液3mgを乾燥雰囲気下で注入した。その後、同様に加圧熱融着されていない短辺の端部を幅10mmで加圧熱融着し、120mm×70mmの水蒸気バリア性評価用サンプルを作製した。作製した水蒸気バリア性評価用サンプルを60℃90%RHの環境下に4週間保管させ、保管後の電解液中の水分量をカールフィッシャー試験機で測定した。水蒸気バリア性は、得られた水分量に基づき、下記基準に従って評価した。
A:実施例1のサンプルの水分量と比較して、水分量が75%未満。
B:実施例1のサンプルの水分量と比較して、水分量が75%以上100%未満。
C:実施例1のサンプルの水分量と比較して、水分量が100%以上125%未満。
D:実施例1のサンプルの水分量と比較して、水分量が125%以上。
(ヒートシール強度)
実施例及び比較例で作製した評価用サンプルのリードを含まない部分の周縁加圧熱融着部において、一方の外装材から他方の外装材を引き剥がしたときの剥離強度を引張試験機により、測定幅15mm、引張速度100mm/分、T型剥離で測定した。ヒートシール強度は、得られた剥離強度に基づき、下記基準に従って評価した。
A:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が120%以上。
B:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が80%以上120%未満。
C:実施例1のサンプルの剥離強度と比較して、剥離強度が80%未満。
充填性、密着性、耐熱性、絶縁性、水蒸気バリア性及びヒートシール強度の評価結果を表2に示す。
Figure 2015201387
充填性の評価結果を比較すると、実施例1〜9並びに比較例1及び3では充填性が得られているのに対し、比較例2では充填性が得られていなかった。比較例2では、熱融着樹脂層のメルトマスフローレートが低く、リード端部が充填されていなかったためであると考えられる。
密着性の評価結果を比較すると、実施例1〜9及び比較例2〜3では密着性が得られているのに対し、比較例1では十分な密着は得られなかった。比較例1では、加圧熱融着時に過度に熱融着樹脂層が流動したため、強度が得られなかったと考えられる。
耐熱性の評価結果を比較すると、実施例1〜9及び比較例2〜3では高温条件下においても、剥離強度が得られているのに対し、比較例1では十分な強度が得られなかった。比較例1では熱融着樹脂層の樹脂の融点が低く、高温で融解し始めてしまったためと考えられる。
絶縁性の評価結果を比較すると、実施例1〜9及び比較例1〜2では絶縁性が得られているのに対し、比較例3では外装材とリードのとの間で短絡が生じた。比較例3ではバリア層に導電性を有するアルミニウム箔が用いられており、熱融着樹脂層が高い流動性を有していたため、加圧熱融着の際にリード上の熱融着樹脂層が薄くなり、アルミニウム箔とリードとが電気的に接続し、短絡が起こったものと考えられる。
水蒸気バリア性の評価結果を比較すると、実施例1〜9並びに比較例1及び3では水蒸気バリア性が得られているのに対し、比較例2では十分な水蒸気バリア性が得られなかった。比較例2では、リードの充填が十分でなく水蒸気の浸入量が多くなったためと考えられる。
ヒートシール強度の評価結果を比較すると、実施例1〜9及び比較例1〜3ではヒートシール強度が得られていた。
1…電池要素、2…リード、10,10a…外装材(二次電池用外装材)、11…基材層、12…バリア層、13…接着樹脂層、14…熱融着樹脂層、20…エンボスタイプ外装材、22…成型加工エリア(凹部)、24…蓋部、30…二次電池、31…リード熱融着部、L…リード熱融着部の長さ。

Claims (10)

  1. 基材層と、該基材層の一方の面上に形成されたバリア層と、該バリア層の前記基材層とは反対側の面上に形成された熱融着樹脂層と、を備える二次電池用外装材であって、
    前記バリア層は電気絶縁性物質からなり、
    前記熱融着樹脂層のメルトマスフローレートが、温度230℃及び荷重2.16kgにおいて、10g/10分以上30g/10分以下である、二次電池用外装材。
  2. 前記熱融着樹脂層の樹脂の融点が100℃以上150℃以下である、請求項1に記載の二次電池用外装材。
  3. 前記熱融着樹脂層の厚さが20μm以上90μm以下である、請求項1又は2に記載の二次電池用外装材。
  4. 前記熱融着樹脂層は酸変性ポリオレフィン樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池用外装材。
  5. 前記バリア層は無機酸化物又は有機バリアフィルムからなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次電池用外装材。
  6. 電解液及び電極を含む電池要素と、前記電極から延在するリードと、前記電池要素を収容する容器とを備え、
    前記容器は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池用外装材から前記熱融着樹脂層が内側となるようにして形成され、
    前記リードは、前記熱融着樹脂層を内側として前記容器を形成する前記外装材によって挟持されている、二次電池。
  7. 前記熱融着樹脂層が前記リードに直接接触した状態で、前記リードが前記外装材によって挟持されている、請求項6に記載の二次電池。
  8. 前記容器は、前記リードとともに熱融着されたリード熱融着部を有し、
    前記リードの延在方向における前記熱融着部の長さが3mm以上20mm以下である、請求項6又は7に記載の二次電池。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池用外装材、電解液及び電極を含む電池要素、並びに前記電極から延在するリードを準備する工程と、
    前記熱融着樹脂層を内側にした状態で前記外装材の間に前記電池要素と前記リードの一部とを配置する工程と、
    前記熱融着樹脂層が内側に配置された前記外装材によって前記リードが挟持されるように、前記外装材の周縁部を熱融着する工程と、
    を備える、二次電池の製造方法。
  10. 前記熱融着樹脂層の熱融着前の厚さが前記リードの厚さに対し40%以上80%以下である、請求項9に記載の二次電池の製造方法。
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