JP2015199781A - インクセット、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリーン色のハイライト部のみならずシャドー部においても画像の色再現範囲を拡大することができ、グリーン色の発色性に優れるインクセットを提供する。
【解決手段】グリーンインク及びブラック系インクの組み合わせを有するインクジェット用のインクセットであって、グリーンインクが、C.I.ピグメントグリーン58を含有し、ブラック系インクが、C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料、及びカーボンブラックを含有することを特徴とするインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方法においては、記録された画像の耐光性、耐ガス性、さらには耐水性などの堅牢性を優れたものとするために、色材として顔料を含有する顔料インクが広く使用されるようになっている。
染料インクが、色材である染料を分子の状態で水性媒体に溶解させているのに対し、顔料インクは、色材である顔料を粒子の形態で水性媒体に分散させているという特徴がある。この特徴に起因して、顔料インクで記録された画像は、染料インクで記録された画像と比べて、発色性が劣るという課題がある。
一般的に、インクジェットインクは、イエロー、マゼンタ及びシアンの基本3原色にブラックを加えた4色のインクセットを基本としている。さらに、前記4色に、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレットなどの中間色のインク(特色インク)を加えることで、顔料の発色性の低さを補い、画像の色再現範囲を拡大することが行われている(特許文献1及び2参照)。
前記特色インクとしては、例えば、C.I.ピグメントグリーン58を含有するインクが提案されている(特許文献3参照)。特許文献3には、前記インクによれば、イエロー及びシアンにより表現される色再現範囲に比較して、色再現範囲を拡大させることができ、色彩度の高い画像を得ることができる旨が記載されている。
国際公開第99/05230号 特開2000−248217号公報 特開2009−227813号公報
C.I.ピグメントグリーン58は明度が高い顔料であるため、グリーン色のハイライト部においては、画像の色再現範囲を顕著に拡大させる効果がある。しかし、グリーンインクとブラック系インクを混色させることにより表現されるグリーン色のシャドー部においては、画像の色再現範囲を十分に拡大させることができず、その発色性は満足のいくものではなかった。
したがって、本発明の目的は、グリーン色のハイライト部のみならずシャドー部においても画像の色再現範囲を拡大することができ、グリーン色の発色性に優れるインクセット、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明によれば、グリーンインク及びブラック系インクの組み合わせを有するインクジェット用のインクセットであって、前記グリーンインクが、C.I.ピグメントグリーン58を含有し、前記ブラック系インクが、前記C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料、及びカーボンブラックを含有することを特徴とするインクセット、が提供される。
本発明によれば、グリーン色のハイライト部のみならずシャドー部においても画像の色再現範囲を拡大することができ、グリーン色の発色性に優れるインクセット、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書においては、CIE L***表色系において、L*が50以上の領域を「ハイライト部」、L*が50未満の領域を「シャドー部」と定義する。また、インクジェット用のインクセットのことを、単に「インクセット」と記載することがある。さらに、C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料を「他のフタロシアニン顔料」と記す場合がある。なお、本明細書における表面張力、比誘電率などの各種の物性値は、いずれも25℃における値である。
本発明者らは、前記課題を解決するために検討を重ね、その過程において、グリーンインク及びブラック系インクの記録媒体における定着状態について評価を行った。その結果、C.I.ピグメントグリーン58を含有するグリーンインクと、C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料を含有するブラック系インクを組み合わせたインクセットにより、前記の効果が得られることが判明した。
本発明者らはグリーン色のシャドー部において画像の色再現範囲を拡大させるためには、グリーンインク及びブラック系インクが、どのような状態で記録媒体に定着されていることが好ましいかを確認するため、ドットの定着状態を観察した。その結果、グリーンインクとブラック系インクのドットが記録媒体において混色され、その後、定着する際に、グリーン顔料の定着位置がブラック顔料の定着位置よりも顔料層の表層側に存在することが重要であることがわかった。
顔料インクは、記録媒体に付与された後、水分が蒸発し、又は記録媒体に浸透することによって、ドット中の顔料の濃度が高まる。その結果、顔料が凝集し、最終的にドットが記録媒体に定着する。そこで、本発明者らはグリーン顔料をブラック顔料よりも顔料層の表層側に存在させるための方法について検討を行ったところ、ブラック顔料の凝集よりもグリーン顔料の凝集を遅滞させる方法が有効であるという知見を得た。すなわち、本発明者らはグリーン顔料の凝集を遅滞させることにより、グリーン顔料の定着位置をブラック顔料の定着位置よりも表層側に存在させることができることを見出したのである。
グリーン顔料の凝集緩和は、C.I.ピグメントグリーン58を含有するグリーンインクと、C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料を含有するブラック系インクを組み合わせたインクセットにより達成される。このようなインクセットにおいては、記録ヘッドから前記グリーンインクのドットと前記ブラック系インクが吐出されると、まず、それぞれのドットが記録媒体に付与され、前記記録媒体の表面で混色される。次いで、それぞれのドット中の水分が蒸発し、又は記録媒体に浸透することによって、それぞれのドット中の顔料の濃度が高まり、それぞれの顔料が凝集する。この際、ブラック系インクに、C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料が含有されていると、グリーンインク中のC.I.ピグメントグリーン58の粒子の近傍に、他のフタロシアニン顔料の粒子も存在することとなる。本発明者らは、C.I.ピグメントグリーン58が凝集しようとする際に、その粒子間に、他のフタロシアニン顔料の粒子が入り込み、C.I.ピグメントグリーン58の凝集を遅滞させることができたと考えている。
前記の現象は、C.I.ピグメントグリーン58が凝集する際に、前記他のフタロシアニン顔料がいわゆるシナジストのような作用を発揮したために起こったものと考えられる。シナジスト(顔料誘導体)は、顔料分子と基本骨格が同じで、その置換基などが異なる化合物のことであり、例えば、顔料を製造する際に顔料粒子の成長を抑制するために添加される。シナジストは、顔料分子と化学構造が類似するため、顔料を含有する系に添加されると、顔料粒子に対して親和性を示し、顔料粒子の表面に吸着される。一方、シナジストは顔料分子と化学構造が同一ではないため、顔料とともに結晶を形成することはない。すなわち、顔料を含有する系にシナジストが共存していると、顔料粒子の表面にシナジストが吸着され、顔料粒子のそれ以上の結晶化(粒子成長)を抑制することができる。
前記他のフタロシアニン顔料も、シナジストと同様に作用して、C.I.ピグメントグリーン58の凝集を緩和し、その結果としてブラック顔料の凝集よりも、グリーン顔料の凝集を遅滞させることができる。本発明者らは、前記のようなメカニズムにより、グリーン顔料の定着位置をブラック顔料の定着位置よりも顔料層の表層側に存在させることができたと考えている。
<インクセット>
本発明のインクセットは、グリーンインク及びブラック系インクの組み合わせを有するインクジェット用のインクセットである。以下、本発明のインクセットを構成する各インクを構成する各成分について説明する。
(顔料)
〔グリーンインクの顔料(C.I.ピグメントグリーン58)〕
グリーンインクは、C.I.ピグメントグリーン58を含有する。C.I.ピグメントグリーン58は明度が高く、グリーン色のハイライト部において画像の色再現範囲を顕著に拡大させる点において好ましい。グリーンインク中のC.I.ピグメントグリーン58の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
〔ブラック系インクの顔料(他のフタロシアニン顔料)〕
前記ブラック系インクは、C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料(他のフタロシアニン顔料)を含有する。他のフタロシアニン顔料は、C.I.ピグメントグリーン58とは化学構造が異なるフタロシアニン顔料であればよい。具体的には、例えば、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6;C.I.ピグメントグリーン7、36などが挙げられる。中でもC.I.ピグメントグリーン7が好ましい。C.I.ピグメントグリーン7は、C.I.ピグメントブルー15などと比較して、C.I.ピグメントグリーン58と化学構造が近いため、C.I.ピグメントグリーン58の凝集を遅滞させる効果が高い点において好ましい。ブラック系インク中の、他のフタロシアニン顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
〔ブラック系インクの顔料(カーボンブラック)〕
また、前記ブラック系インクは、カーボンブラックを含有する。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどを用いることができる。ブラック系インク中のカーボンブラックの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。また、ブラック系の色相を有するインクとするため、ブラック系インク中のカーボンブラックの含有量(質量%)は、他のフタロシアニン顔料の含有量(質量%)よりも多いことが好ましい。
〔顔料の分散方式〕
各インクを構成する水性媒体への顔料の分散方式としては、樹脂分散剤として樹脂を用いて顔料を分散する樹脂分散タイプの顔料(樹脂分散顔料)や、顔料粒子の表面に親水性基を導入した自己分散タイプの顔料(自己分散顔料)を用いることができる。また、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基を化学的に結合させた顔料(樹脂結合型の自己分散顔料)や、顔料粒子の表面の少なくとも一部を樹脂などにより被覆したマイクロカプセル型顔料なども用いることができる。勿論、これらの分散方法の異なる顔料を組み合わせて用いてもよい。
(水性媒体)
各インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。各インクは、水性媒体として少なくとも水を含有する、水性のインクとすることが好ましい。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましく、50.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、1価ないしは多価のアルコール、(ポリ)アルキレングリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
前記グリーンインク、及び前記ブラック系インクはいずれも、比誘電率εが28.5以上の水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。比誘電率が28.5以上、好ましくは30.0以上の水溶性有機溶剤は、インクが記録媒体に付与された後、ドット中の水分が蒸発し、又は記録媒体に浸透した際に、顔料の凝集を遅滞させる効果に優れる。インク中における顔料は、水溶性有機溶剤を含む水性媒体中に分散された形態で存在している。比誘電率が高い水溶性有機溶剤は、比誘電率が低い水溶性有機溶剤に比べて、インク中の水分の蒸発や記録媒体への浸透によって水溶性有機溶剤の濃度が高まった場合でも、インク中において顔料の分散状態を安定化させ、顔料の凝集を遅滞させる効果が高い。前記効果により、グリーンインクにより記録された画像のシャドー部において画像の色再現範囲が拡大され、グリーン色の発色性が向上する。一方、水溶性有機溶剤の比誘電率εを70.0以下、さらには50.0以下、特には45.0以下とすることが好ましい。
比誘電率εは一般的な誘電率計で測定することができる。後述する実施例では、誘電率計(商品名「BI−870」、BROOKHAVEN INSTRUMENTS CORPORATION製)を用いて、温度20℃、測定周波数10kHzの条件で水溶性有機溶剤の比誘電率εを測定した。
水溶性有機溶剤の比誘電率εを表1に示す。比誘電率εが28.5以上の水溶性有機溶剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオールが挙げられる。中でも、グリセリン、エチレングリコール、及び1,2−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。グリセリンなどは比誘電率εが高い点において好ましい。
Figure 2015199781
グリーンインクとブラック系インクはいずれも、インク中の水溶性有機溶剤の合計含有量A(質量%)と、インク中の比誘電率εが28.5以上の水溶性有機溶剤の合計含有量B(質量%)との比(B/A)が、0.50以上であることが好ましい。B/Aを0.50以上、好ましくは0.55以上とすることによって、顔料の凝集を遅滞させる効果を十分に発揮させることができる。B/Aの上限は1.00以下とすることが好ましく、0.60以下とすることがさらに好ましい。また、各インク中の比誘電率εが28.5以上の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(その他の添加剤)
各インクは、前記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、各インクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(インクの表面張力)
前記ブラック系インクの表面張力が、前記グリーンインクの表面張力よりも高いことが好ましい。前記ブラック系インクの表面張力を前記グリーンインクの表面張力よりも高くすることによって、ブラック顔料の凝集よりもグリーン顔料の凝集を遅滞させることができる。
前記効果を十分に得るためには、前記ブラック系インクの表面張力と前記グリーンインクの表面張力との差が0.5mN/m以上5.0mN/m以下の範囲内であることが好ましく、1.5mN/m以上5.0mN/m以下の範囲内であることがさらに好ましい。
前記ブラック系インクの表面張力が、前記グリーンインクの表面張力よりも高い限り、各インクの表面張力の値は特に限定されない。但し、グリーンインクの表面張力は30.0mN/m以上40.0mN/m以下であることが好ましく、32.0mN/m以上38.0mN/m以下であることがさらに好ましい。一方、ブラック系インクの表面張力は30.0mN/m以上40.0mN/m以下であることが好ましく、30.0mN/m以上35.0mN/m以下であることがさらに好ましい。
表面張力は一般的な表面張力計で測定することができる。後述する実施例では、表面張力計(商品名「CBVP−A3」、協和界面科学製)を用いて、温度25℃の条件でインクの表面張力を測定した。
インクの表面張力は、例えば界面活性剤や浸透性の高い水溶性有機溶剤を添加することにより調整することができる。界面活性剤や浸透性の高い水溶性有機溶剤の種類は特に限定されない。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系化合物などのノニオン性界面活性剤などを用いることができる。また、1、2−アルカンジオール、グリコールエーテルなどの水溶性有機溶剤を用いることができる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、前記で説明した本発明のインクセットを構成する各インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
C.I.ピグメントグリーン7(商品名「FASTOGEN Green S」、DIC製)10.0部、樹脂分散剤の水溶液20.0部、イオン交換水70.0部を混合して混合物を得た。樹脂分散剤の水溶液としては、酸価170mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、10.0%水酸化ナトリウム水溶液で酸価と1当量となるように中和した後、水で希釈することにより得られた水溶液を用いた。この水溶液の水溶性樹脂(固形分)の含有量は25.0%であった。
前記混合物をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に入れ、0.3mmのジルコニアビーズ85.0部を充填し、水冷しながら3時間分散した。その後、遠心分離を行うことで粗大粒子を含む非分散物を除去した。さらに、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)を用いて加圧ろ過することで、顔料の含有量が10.0質量%、樹脂分散剤(固形分)の含有量が5.0質量%の顔料分散液1を得た。
(顔料分散液2)
C.I.ピグメントグリーン7に代えて、C.I.ピグメントグリーン58(商品名「FASTOGEN Green A110」、DIC製)を用いた以外は顔料分散液1と同様の手順により、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量が5.0%の顔料分散液2を得た。
(顔料分散液3)
C.I.ピグメントグリーン7に代えて、カーボンブラック(商品名「Black Pearls 880」、キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)を用いた以外は顔料分散液1と同様の手順により、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量が5.0%の顔料分散液3を得た。
(顔料分散液4)
C.I.ピグメントグリーン7に代えて、C.I.ピグメントブルー15:3(商品名「トナーシアンBG」、クラリアント製)を用いた以外は顔料分散液1と同様の手順により、顔料の含有量が10.0%、樹脂分散剤(固形分)の含有量が5.0%の顔料分散液4を得た。
<インクの調製>
表2の上段に表す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズが0.8μmであるセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。表中の「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製のアセチレングリコール系界面活性剤である。
Figure 2015199781
<評価>
前記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、表3の左側に表す組み合わせでインクセットとした。インクセットを構成する各インクを充填したインクカートリッジを、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro 9500 MarkII」、キヤノン製)にセットした。この際、ブラック系インクはフォトブラックインクのポジション、グリーンインクはグリーンインクのポジションにそれぞれセットした。なお、前記のインクジェット記録装置は、解像度が600dpi×600dpiで、1/600インチ×1/600インチの単位領域に3.5ngのインク滴を8滴付与する条件で記録した画像を記録デューティが100%であると定義するものである。
そして、光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙 光沢プロ プラチナグレード」、キヤノン製)に、ブラック系インクとグリーンインクを重ね合わせた2次色のベタ画像を含むパターンを記録し、記録物を得た。この際、ブラック系インクとグリーンインクの記録デューティはそれぞれ2乃至100%の範囲内において、2%刻みで変化させた。このようにして、ブラック系インクとグリーンインクの合計の記録デューティが4乃至200%の範囲内において4%刻みで変化させた50種類のベタ画像を記録した。
得られた記録物を24時間、自然乾燥させた後、各ベタ画像の明度L*を分光光度計(商品名「Spectorolino」、Gretag Macbeth製)を用いて測定した。そして、L*=40に最も近いベタ画像を特定し、そのベタ画像の彩度C*の値から、以下の基準にしたがって発色性の評価を行った。本実施例においては、下記の評価基準において、Aが優れているレベル、B以上を許容できるレベル、Cを許容できないレベルとした。評価結果を表3に示す。
A:C*が50以上であった。
B:C*が45を超えて50未満であった。
C:C*が45以下であった。
Figure 2015199781

Claims (6)

  1. グリーンインク及びブラック系インクの組み合わせを有するインクジェット用のインクセットであって、
    前記グリーンインクが、C.I.ピグメントグリーン58を含有し、
    前記ブラック系インクが、前記C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料、及びカーボンブラックを含有することを特徴とするインクセット。
  2. 前記C.I.ピグメントグリーン58以外のフタロシアニン顔料が、C.I.ピグメントグリーン7である請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記ブラック系インクの表面張力が、前記グリーンインクの表面張力よりも高い請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記グリーンインクと前記ブラック系インクはいずれも、比誘電率εが28.5以上の水溶性有機溶剤を含有するとともに、インク中の水溶性有機溶剤の合計含有量A(質量%)と、インク中の比誘電率εが28.5以上の水溶性有機溶剤の合計含有量B(質量%)との比(B/A)が、0.50以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記比誘電率εが28.5以上の水溶性有機溶剤が、グリセリン、エチレングリコール、及び1,2−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載のインクセット。
  6. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクセットを構成するグリーンインク及びブラック系インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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