JP2015196717A - 蛍光体、蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置及び照明装置 - Google Patents

蛍光体、蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置及び照明装置 Download PDF

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友博 宮崎
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Abstract

【課題】青〜緑色に発光する蛍光体において、発光ピークの半値幅が狭く、且つ温度特性が良好である蛍光体を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される蛍光体。この蛍光体は、ピーク波長400nmの光で励起した場合における発光スペクトルの発光ピークの半値幅が60nm以下であることが好ましく、蛍光体の格子定数から算出した単位格子体積(V)が、355Å3以上、380Å3未満であることが好ましい。(SryBa1−y)Si6N8Ox:M (1)(式(1)中、Mは、付活元素を表し、x及びyは、それぞれ下記の範囲の値である。0≰x≰0.50≰y<1)【選択図】図7

Description

本発明は、青〜緑色系の蛍光を発する蛍光体、該蛍光体を含有する蛍光体含有組成物及び発光装置、並びに、該発光装置を含む画像表示装置及び照明装置に関する。
近年、GaN(窒化ガリウム)系半導体発光素子(以下、「半導体発光素子」を「LED」と称する場合がある。)と、波長変換材料としての蛍光体とを組み合わせて構成される白色発光装置が、消費電力が小さく長寿命であるという特徴を活かして画像表示装置や照明装置の発光源として注目されている。中でも、In添加GaN系青色LEDと、Ce付活イットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた白色発光装置が代表的な発光装置として挙げられる。
このような白色発光装置は、ディスプレイ用バックライトなどの新たな用途への使用が期待されており、それに伴い、半導体発光素子と組み合わせる蛍光体の研究開発も進められている。
特に、バックライトでは、色再現性が要求されており、これを達成する為に、蛍光体としては、発光スペクトルにおける発光ピークの半値幅(Full width at half maximum。以下適宜「FWHM」と略称する)が狭いことが要求されている。
FWHMが狭く、青〜緑色に発光する蛍光体としては、例えば、特許文献1や非特許文献1には、SrSiにEuを賦活してなる蛍光体が開示されている。
国際公開第2006/061778号パンフレット
Kousuke Shioi, et al., J Mater Sci (2008) 43:5659-5661
しかしながら、特許文献1や非特許文献1に記載された青〜緑色に発光する蛍光体は、依然HWHMが広かったり、蛍光体の温度特性が十分でなかったりすることを本発明者等は見出した。
即ち、本発明は、青〜緑色に発光する蛍光体において、FWHMが狭く、且つ温度特性が良好である蛍光体を提供することを課題とする。
また本発明は、上記蛍光体を含む、高品質の発光装置、並びに該発光装置を含む、高品質の画像表示装置及び照明装置を提供することを課題とする。
本発明者等は鋭意検討を行った結果、特定の組成を有する蛍光体とすることで、上記課題を解決し得ることを見出して、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記式(1)で表されることを特徴とする蛍光体、該蛍光体を含有する蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置及び照明装置に存する。
(SrBa1−y)Si:M (1)
(式(1)中、Mは、付活元素を表し、x及びyは、それぞれ下記の範囲の値である。
0≦x≦0.5
0≦y<1)
本発明によれば、青〜緑色に発光する蛍光体において、FWHMが狭く、且つ温度特性が良好である蛍光体を提供することが可能となる。
また本発明によれば、上記蛍光体を含む、高品質の発光装置、並びに該発光装置を含む、高品質の画像表示装置及び照明装置を提供することが可能となる。
本発明の発光装置の一実施例を示す模式的斜視図である。 図2(a)は、本発明の砲弾型発光装置の一実施例を示す模式的断面図であり、図2(b)は、本発明の表面実装型発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。 本発明の照明装置の一実施例を示す模式的断面図である。 実施例1の蛍光体から得られた柱状結晶粒の走査型電子顕微鏡写真である。 単結晶構造解析結果から得られたOの占有率xに対する格子定数と格子体積を示すグラフである。 実施例1のBaSi0.08:Eu蛍光体と比較例1のSrSi0.04蛍光体の励起・発光スペクトルを示すチャートである。 実施例1のBaSi0.08:Eu蛍光体と比較例1のSrSi0.04蛍光体の発光スペクトルの温度依存性を示すグラフである。
以下、本発明について実施形態や例示物を示して説明するが、本発明は以下の実施形態や例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
また、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表す。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。例えば、「(Ca,Sr,Ba)Al:Eu」という組成式は、「CaAl:Eu」と、「SrAl:Eu」と、「BaAl:Eu」と、「Ca1−αSrαAl:Eu」と、「Sr1−αBaαAl:Eu」と、「Ca1−αBaαAl:Eu」と、「Ca1−α−βSrαBaβAl:Eu」とを全て包括的に示しているものとする(但し、前記式中、0<α<1、0<β<1、0<α+β<1)。
[蛍光体]
<蛍光体の組成>
本発明の蛍光体は、下記式(1)で表される。
(SrBa1−y)Si:M (1)
(式(1)中、Mは、付活元素を表し、x及びyは、それぞれ下記の範囲の値である。
0≦x≦0.5
0≦y<1)
上記式(1)において、Mは、付活元素を表す。
付活元素としては、ユーロピウム(Eu)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホロミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)及びイッテルビウム(Yb)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことが好ましく、少なくともEuを含むことがより好ましい。
さらに、Euに加えて、Ce、Pr、Sm、Tb及びYbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいてもよく、発光量子効率の点でCeがより好ましい。
つまり、付活元素Mは、Eu及び/又はCeであることが好ましく、特に好ましくはEuである。
付活元素全体に対するEuの割合は、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が特に好ましい。
前記式(1)において、「Ba」はバリウム元素を表す。「Ba」は、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲で、その他の元素、例えば、アルカリ金属元素などを含有していてもよい。
前記式(1)において、「Sr」はストロンチウム元素を表す。「Sr」は、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲で、その他の元素、例えば、アルカリ金属元素などを含有していてもよい。
前記式(1)において、「Si」はケイ素元素を表す。「Si」は、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲内で、その他の元素、例えば、ゲルマニウム(Ge)等を含有していてもよい。
前記式(1)において、「N」は、窒素元素を表す。「N」は、窒素元素を主成分としていればよく、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲内で、ハロゲン元素(フッ素(F)、塩素(Cl))等を含有していてもよい。
前記式(1)において、「O」は酸素元素を表す。「O」は、得られる蛍光体の特性に影響を与えない範囲内で、その他の元素、例えば、ハロゲン元素(フッ素(F)、塩素(Cl))等を含有していてもよい。
また、本発明の蛍光体は、上述した各構成元素の他に、本発明の効果に影響を与えない範囲内で他の元素を含有していてもよい。
xは、通常0≦x≦0.5であり、その上限値は、好ましくは0.4、より好ましくは0.2である。
yは、通常0≦y<1であり、その上限値は、好ましくは0.5、更に好ましくは0.3である。
蛍光体組成が上記範囲内であると、当該蛍光体が示す発光スペクトル強度及び温度特性が非常に優れるので好ましい。
<蛍光体の特性>
(励起波長)
本発明の蛍光体の励起波長は、好ましくは450nm以下、より好ましくは430nm以下、また好ましくは350nm以上、より好ましくは370nm以上である。
励起波長が上記範囲内であると、近紫外LEDから発せられる励起光によって効率良く励起できる点で好ましい。
(発光波長)
本発明の蛍光体は、ピーク波長400nmの光で励起した場合における発光スペクトルが、以下の特徴を有することが好ましい。
上述の発光スペクトルにおけるピーク波長λp(nm)が、通常420nmより大きく、中でも430nm以上、さらには440nm以上、また、通常470nm以下、中でも460nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短波長過ぎれば紫色発光を示す傾向がある一方で、長波長過ぎれば緑色発光を示す傾向があって青色光としての特性が低下する場合があるので好ましくない。
また、本発明の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピークの半値幅(FWHM)が通常60nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下であることが好ましい。
FWHMが上記上限以下であると、画像濃度や彩度が高くかつ色再現性に優れた発光装置が得られやすい点で好ましい。
なお、蛍光体を上記ピーク波長400nmの光で励起するには、例えば、キセノン光源を用いることができる。また、本発明の蛍光体の発光スペクトルの測定は、例えば、励起光源として150Wキセノンランプを、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)等を用いて行うことができる。発光ピーク波長、及び発光ピークの半値幅は、得られる発光スペクトルから算出することができる。
(格子定数)
本発明の蛍光体の格子定数は、a軸が、通常7.8Å以上、好ましくは7.9Å以上、また通常8.2Å以下、好ましくは8.1Å以下、より好ましくは8.05Å以下である。
また、b軸は、通常9.2Å以上、好ましくは9.3Å以上、また通常9.7Å以下、好ましくは9.6Å以下である。
また、c軸は、通常4.7Å以上、好ましくは4.8Å以上、また通常5.0Å以下、好ましくは4.9Å以下である。
本発明の蛍光体のa軸の格子定数が上記範囲であると結晶構造におけるSi-Si間のO(Si-O-Si)の占有率が100〜50%未満であることを示し、同様にb軸の格子定数が上記範囲であるとO(Si-O-Si)の占有率が100〜50%未満であり、c軸の格子定数が上記範囲であるとOの占有率だけが100〜50%未満となったと推測される。
蛍光体の格子定数の分析方法については、後掲の実施例の項に記載する。
(結晶相の格子体積)
本発明の蛍光体は、格子定数から算出した単位格子体積(V)が、355Å以上、380Å未満である結晶相を含有することが好ましい。単位格子体積(V)が上記範囲であると、付活元素Mを導入することにより生じる骨格構造のひずみを抑制でき、安定したエネルギー伝達が可能であることから、発光強度が向上する。
本発明の蛍光体が含有する結晶相の、格子定数から算出される単位格子体積(V)は、上記のとおり、通常355Å以上、380Å未満であることが好ましいが、より好ましくは359Å以上、さらに好ましくは360Å以上であり、また、より好ましくは379Å以下、さらに好ましくは375Å以下である。
単位格子体積が上限値より小さいと発光強度が向上し、逆に単位格子体積が下限値より大きいと骨格構造が安定化して別の構造の不純物が副生することを抑制することができ、発光強度の向上や色純度の向上を促す傾向があるため好ましい。
蛍光体の単位格子体積の分析方法については、後掲の実施例の項に記載する。
(温度特性)
本発明の蛍光体は、温度特性にも優れる。具体的には、波長400nmにピークを有する光を照射した場合における25℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する150℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合の百分率(以下、この割合を「150℃発光強度維持率」と称す。)が、通常55%以上であり、好ましくは60%以上、更に好ましくは65%以上、特に好ましくは70%以上である。
通常の蛍光体は温度上昇と共に発光強度が低下するので、150℃発光強度維持率が100%を超えることは考えられにくいが、何らかの理由により100%を超えることがあってもよい。
[蛍光体の製造方法]
本発明の蛍光体は、各蛍光体原料を、前記式(1)で表される結晶相の組成となるように秤量して蛍光体原料混合物を調製し、得られた蛍光体原料混合物を焼成することにより製造することができる。
蛍光体原料としては、金属化合物、金属などを用いることができる。例えば、上記式(1)で表される結晶相の組成を有する蛍光体を製造する場合、Sr元素の原料(以下適宜「Sr源」という。)、Ba元素の原料(以下適宜「Ba源」という)、Si元素の原料(以下適宜「Si源」という)、N元素の原料(以下適宜「N源」という)、O元素の原料(以下適宜「O源」という)、M元素の原料(以下適宜「M源」という)から必要な組み合わせを混合し(混合工程)、得られた混合物を焼成し(焼成工程)、得られた焼成物を、必要に応じて、解砕・粉砕や洗浄する(後処理工程)ことにより製造することができる。
<蛍光体原料>
使用される蛍光体原料としては、公知のものを用いることができる。
上記M源のうち、Eu源の具体例としては、Eu、Eu(SO、Eu(C・10HO、EuF、EuF、EuCl、EuCl、Eu(NO・6HO、EuN、EuNH等が挙げられる。中でも酸化物、窒化物又はハロゲン化物が好ましく、より好ましくはEu又はEuNである。また、使用するEu源の純度はより高い方が好ましく、通常、98%以上、好ましくは99%以上、特に好ましくは99.5%以上である。
また、Cr、Mn、Fe、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYb等のその他の付活元素の原料の具体例としては、Eu源の具体例として挙げた各化合物において、EuをそれぞれCr、Mn、Fe、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbに置き換えた化合物が挙げられる。
上記Ba源の具体例としては、BaO、Ba(OH)・8HO、BaCO、Ba(NO、BaSO、Ba(C)、Ba(OCOCH、BaF、BaCl、Ba、BaNH等が挙げられる。このうちBaCOが好ましい。
上記Sr源の具体例としては、SrO、SrCO、Sr(NO、Sr(OH)、SrC、SrCl・6HO、SrHPO、Sr、Sr(POなどが挙げられる。中でも、SrCO、SrCl・6HO、SrHPOが好ましい。
上記Si源の具体例としては、Siを用いるのが好ましい。また、反応中にSiOとなる化合物を用いることもできる。このような化合物としては、具体的には、SiO、HSiO、Si(OCOCH等が挙げられる。また、Siとして、反応性の点から、粒径が小さく、発光効率の点から純度の高いものが好ましい。さらに、発光効率の点からはα−Siよりもβ−Siの方が好ましく、特に不純物である炭素元素の含有割合が少ないものの方が好ましい。Siの炭素元素の含有割合は、少なければ少ないほど好ましいが、通常0.001質量%以上含有され、通常0.3質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下である。
なお、前記式(1)におけるO源(酸素)やN源(窒素)は、Sr源やBa源、Si源、やM源から供給されてもよいし、焼成雰囲気から供給されてもよい。また、各原料には、不可避的不純物が含まれていてもよい。
<混合工程>
目的組成が得られるように蛍光体原料を秤量し、ボールミル等を用いて十分混合し、蛍光体原料混合物を得る(混合工程)。
上記混合手法としては、特に限定はされないが、具体的には、下記(A)及び(B)の手法が挙げられる。
(A)例えばハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕と、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機、又は、乳鉢と乳棒を用いる混合とを組み合わせ、前述の蛍光体原料を粉砕混合する乾式混合法。
(B)前述の蛍光体原料に水等の溶媒又は分散媒を加え、例えば粉砕機、乳鉢と乳棒、又は蒸発皿と撹拌棒等を用いて混合し、溶液又はスラリーの状態とした上で、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
蛍光体原料の混合は、上記乾式混合法又は湿式混合法のいずれでもよいが、水分による蛍光体原料の汚染を避けるために、乾式混合法や非水溶性溶媒を使った湿式混合法がより好ましい。
<焼成工程>
続いて、上述の混合工程で得られた蛍光体原料混合物を、必要に応じて乾燥後、坩堝等の容器内に充填し、焼成炉、加圧炉等を用いて焼成を行なう(焼成工程)。
本発明者らの検討により、前述の発光特性等を有する本発明の蛍光体を製造する場合、焼成工程において、炉内の圧力が0.2MPa以上、200MPa以下である条件下で上述の蛍光体原料混合物を焼成することが好ましいことが確認された。焼成工程における好ましい諸条件を以下に述べる。
焼成工程で用いる焼成容器(坩堝など)の材質としては、アルミナ、石英、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、マグネシウム、ムライト等のセラミックス、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、イリジウム、ロジウム等の金属、あるいは、それらを主成分とする合金、カーボン等が挙げられる。
焼成温度は、圧力など、その他の条件によっても異なるが、通常1700℃以上、2300℃以下の温度範囲で焼成を行なうことができる。焼成工程における最高到達温度としては、通常1800℃以上、好ましくは1850℃以上、より好ましくは1900℃以上、より好ましくは1950℃以上であり、また、通常2200℃以下、好ましくは2100℃以下、より好ましくは2050℃以下である。焼成温度が低すぎると蛍光体中の酸素含有量が増大し、蛍光体が示す発光スペクトルの半値幅が増加する傾向にあって好ましくない。一方、焼成温度が高すぎると蛍光体の母体結晶中に欠陥が形成し、蛍光体の発光特性を著しく低下させる。
焼成工程における昇温速度は、通常2℃/分以上、好ましくは5℃/分以上、より好ましくは10℃/分以上であり、また、通常30℃/分以下、好ましくは25℃/分以下である。昇温速度がこの範囲を下回ると、焼成時間が長くなる可能性がある。また、昇温速度がこの範囲を上回ると、焼成装置、容器等が破損する場合がある。
焼成工程における焼成雰囲気は、本発明の蛍光体が得られる限り任意であるが、窒素含有雰囲気とすることが好ましい。具体的には、窒素雰囲気、水素含有窒素雰囲気等が挙げられ、中でも窒素雰囲気が好ましい。なお、焼成雰囲気の酸素含有量は、通常10ppm以下、好ましくは5ppm以下にするとよい。
焼成時間は、焼成時の温度や圧力等によっても異なるが、通常10分間以上、好ましくは30分間以上、また、通常24時間以下、好ましくは12時間以下である。焼成時間が短すぎると粒生成と粒成長を促すことができないため、特性のよい蛍光体を得ることができず、焼成時間が長すぎると構成している元素の揮発が促されるため、原子欠損により結晶構造内に欠陥が誘発され特性のよい蛍光体を得ることができない。
焼成工程における圧力は、焼成温度等によっても異なるが、通常0.2MPa以上、好ましくは0.4MPa以上であり、また、通常200MPa以下、好ましくは190MPa以下である。圧力が高すぎると、固相反応が抑制されて副生物が多くなる傾向にあり、圧力が低すぎると得られた蛍光体が分解したり、着色したりする可能性があるので、圧力の調整が重要である。構成している元素、特にBa等のアルカリ土類金属元素の揮発を抑え、欠陥が生じるのを抑える場合は0.8MPa以上が好ましく、10MPa以上がより好ましく、50MPa以上が更に好ましく、100MPa以上が特に好ましく、150MPaがとりわけ好ましい。一方、吸収効率の高い蛍光体を得たい場合は10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましく、3MPa以下が更に好ましく、1.0MPa以下が特に好ましい。
なお、焼成工程は、必要に応じて、複数回繰り返し行なってもよい。その際は、一回目の焼成と、二回目の焼成とで、焼成条件を同一にしてもよいし、異なるものにしてもよい。
蛍光体生成時に原子が均一に拡散し、内部量子効率の高い蛍光体を焼成する場合や数μmの大きな粒子を得る場合は、繰り返し焼成が有効となる。この場合の第一の焼成工程の最高到達温度は第二の焼成工程での最高温度よりも低いことが好ましい。
第一の焼成工程で(Sr,Ba)SiNなどの別の相を焼成しておき、第二の焼成工程で目的の結晶相を得ることも、構成している元素の拡散が進みやすくなるため有効である。
<後処理工程>
上記の焼成工程で得られる焼成物は、粒状又は塊状となる。これを解砕、粉砕及び/又は分級操作を組み合わせて所定のサイズの粉末にすることが好ましい。ここでは、重量メジアン径D50が約30μm、例えば10〜30μmとなるように処理するのが好ましい。
具体的な処理の例としては、焼成物を目開き45μm程度の篩分級処理し、篩を通過した粉末を次工程に回す方法、或いは焼成物をボールミルや振動ミル、ジェットミル等の一般的な粉砕機を使用して所定の粒度に粉砕する方法が挙げられる。後者の方法において、過度の粉砕は、光を散乱しやすい微粒子を生成するだけでなく、粒子表面に結晶欠陥を生成し、発光効率の低下を引き起こす可能性がある。
また、必要に応じて、蛍光体(焼成物)を洗浄する工程を設けてもよい。洗浄工程後は、蛍光体を付着水分がなくなるまで乾燥させて、使用に供する。さらに、必要に応じて、凝集をほぐすために分散・分級処理を行ってもよい。
[蛍光体含有組成物]
本発明の蛍光体は、液体媒体と混合して用いることもできる。特に、本発明の蛍光体を発光装置等の用途に使用する場合には、これを液体媒体中に分散させた形態で用いることが好ましい。本発明の蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明の蛍光体含有組成物」と呼ぶものとする。
<蛍光体>
本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体の種類に制限は無く、任意に選択することができる。また、本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。更に、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の蛍光体以外の蛍光体を含有させてもよい。
<液体媒体>
本発明の蛍光体含有組成物に用いられる液体媒体の種類は特に限定されず、通常、半導体発光素子を覆ってモールディングすることのできる硬化性材料を用いることができる。硬化性材料とは、流体状の材料であって、何らかの硬化処理を施すことにより硬化する材料のことをいう。ここで、流体状とは、例えば液状又はゲル状のことをいう。硬化性材料は、半導体発光素子から発せられた光を蛍光体へ導く役割を担保するものであれば、具体的な種類に制限は無い。また、硬化性材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。したがって、硬化性材料としては、無機系材料及び有機系材料並びに両者の混合物のいずれを用いることも可能である。
無機系材料としては、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料(例えばシロキサン結合を有する無機系材料)等を挙げることができる。
一方、有機系材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹 脂(ここで、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の双方をさす。);ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹 脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セル ロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。
これら硬化性材料の中では、半導体発光素子からの発光に対して劣化が少なく、耐アルカリ性、耐酸性、耐熱性にも優れる珪素含有化合物を使用することが好ましい。珪素含有化合物とは分子中に珪素原子を有する化合物をいい、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系化合物)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、及びホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、透明性、接着性、ハンドリングの容易さ、機械的、熱的応力の緩和特性に優れる等の点から、シリコーン系材料が好ましい。
シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば、縮合型、付加型、改良ゾルゲル型、光硬化型等のシリコーン系材料を用いることができる。
これらのシリコーン系材料は単独で使用してもよいし、混合することにより硬化阻害が起きなければ複数のシリコーン系材料を混合して用いてもよい。
<液体媒体及び蛍光体の含有率>
液体媒体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常25質量%以上、好ましくは40質量%以上であり、また、通常99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。液体媒体の量が多い場合には特段の問題は起こらないが、半導体発光装置とした場合に所望の色度座標、演色指数、発光効率等を得るには、通常、上記のような配合比率で液体媒体を用いることが望ましい。一方、液体媒体が少な過ぎると流動性が低下し取り扱い難くなる可能性がある。
液体媒体は、本発明の蛍光体含有組成物において、主にバインダーとしての役割を有する。液体媒体は、一種を単独で用いてもよいが、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。例えば、耐熱性や耐光性等を向上させることを目的として珪素含有化合物を使用する場合は、当該珪素含有化合物の耐久性を損なわない程度に、エポキシ樹脂など他の熱硬化性樹脂を含有してもよい。この場合、他の熱硬化性樹脂の含有量は、バインダーである液体媒体全量に対して、通常25質量%以下、好ましくは10質量%以下とすることが望ましい。
蛍光体含有組成物中の蛍光体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、通常75質量%以下、好ましくは60質量%以下である。また、蛍光体含有組成物中の蛍光体に占める本発明の蛍光体の割合についても任意であるが、通常30質量%以上、好ましくは50質量%以上であり、通常100質量%以下である。蛍光体含有組成物中の蛍光体含有量が多過ぎると蛍光体含有組成物の流動性が劣り、取り扱いにくくなることがあり、蛍光体含有量が少な過ぎると発光装置の発光の効率が低下する傾向にある。
<その他の成分>
本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、蛍光体及び液体媒体以外に、その他の成分、例えば、屈折率調整のための金属酸化物や、拡散剤、フィラー、粘度調整剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有させてもよい。その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[発光装置]
本発明の発光装置(以下、適宜「発光装置」という)は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体として本発明の蛍光体の1種以上を、第1の蛍光体として含有するものである。ここで、本発明の蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
第1の蛍光体として用いる本発明の蛍光体は、励起光源からの光の照射下において、通常、420nm以上、470nm以下の波長範囲に発光ピークを有する青色領域の蛍光を発する蛍光体である。
この場合、本発明の発光装置は、例えば、次の態様とすることができる。
第1の発光体として、370nm以上440nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを用い、第2の発光体の第2の蛍光体として、420nm以上500nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種の蛍光体と、500nm以上680nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種の蛍光体とを用いる。
本発明の蛍光体を使用することにより、本発明の発光装置は、紫外から紫色領域までの発光を有する励起光源(第1の発光体)に対して高い発光効率、及び高い耐久性を示し、更には、照明装置、液晶ディスプレイ用光源等の白色発光装置に使用した場合に優れた発光装置となる。
また、本発明の発光装置に用いられる本発明の蛍光体の好ましい具体例としては、前述の本発明の蛍光体の項で例示した本発明の蛍光体や、後述の[実施例]の欄の各実施例に用いた蛍光体が挙げられる。
本発明の発光装置は、第1の発光体(励起光源)を有し、且つ、第2の発光体として少なくとも本発明の蛍光体を使用している他は、その構成は制限されず、公知の装置構成を任意にとることが可能である。装置構成の具体例については後述する。
本発明の発光装置の発光スペクトルにおける青色領域の発光ピークとしては、420nm〜500nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましく、橙色ないし赤色領域の発光ピークとしては、570nm〜780nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましく、青色領域の発光ピークとしては、420nm〜500nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましく、緑色領域の発光ピークとしては、490nm〜580nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましい。
なお、発光装置の発光スペクトルは、気温25±1℃に保たれた室内において、オーシャン オプティクス社製の色・照度測定ソフトウェア及びUSB2000シリーズ分光器(積分球仕様)を用いて20mA通電して測定を行なうことができる。この発光スペクトルの380nm〜780nmの波長領域のデータから、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標として色度値(x,y,z)を算出できる。この場合、x+y+z=1の関係式が成立する。本明細書においては、前記XYZ表色系をXY表色系と称している場合があり、通常(x,y)で表記している。
また、発光効率は、前述のような発光装置を用いた発光スペクトル測定の結果から全光束を求め、そのルーメン(lm)値を消費電力(W)で割ることにより求められる。消費電力は、20mAを通電した状態で、Fluke社のTrue RMS Multimeters Model 187&189を用いて電圧を測定し、電流値と電圧値の積で求められる。
本発明の発光装置のうち、特に白色発光装置として、具体的には、第1の発光体として後述するような励起光源を用い、上述のような本発明の蛍光体の他、後述するような赤色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「赤色蛍光体」という)、青色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「青色蛍光体」という)、緑色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「緑色蛍光体」という)、黄色の蛍光を発する蛍光体(以下、適宜「黄色蛍光体」という)等の公知の蛍光体を任意に組み合わせて使用し、公知の装置構成をとることにより得られる。
ここで、該白色発光装置の白色とは、JIS Z 8701により規定された、(黄みの)白、(緑みの)白、(青みの)白、(紫みの)白及び白の全てを含む意であり、このうち好ましくは白である。
[発光装置の構成(発光体)]
<第1の発光体>
本発明の発光装置における第1の発光体は、後述する第2の発光体を励起する光を発光するものである。
第1の発光体の発光波長は、後述する第2の発光体の吸収波長と重複するものであれば、特に制限されず、幅広い発光波長領域の発光体を使用することができる。通常は、紫外領域から紫色領域までの発光波長を有する発光体が使用され、近紫外領域から紫色領域までの発光波長を有する発光体を使用することが特に好ましい。
第1の発光体の発光ピーク波長の具体的数値としては、通常200nm以上が望ましい。第1の発光体としては、好ましくは370nm以上、より好ましくは380nm以上、更に好ましくは390nm以上、また、通常440nm以下の発光ピーク波長を有する発光体を使用することが望ましい。これは発光装置の色純度の観点からである。
第1の発光体としては、一般的には半導体発光素子が用いられ、具体的には発光LEDや半導体レーザーダイオード(semiconductor laser diode。以下、適宜「LD」と略称する。)等が使用できる。その他、第1の発光体として使用できる発光体としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス発光素子、無機エレクトロルミネッセンス発光素子等が挙げられる。但し、第1の発光体として使用できるものは本明細書に例示されるものに限られない。
中でも、第1の発光体としては、GaN系化合物半導体を使用したGaN系LEDやLDが好ましい。なぜなら、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、本発明の蛍光体と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。例えば、20mAの電流負荷に対し、通常GaN系LEDやLDはSiC系の100倍以上の発光ピーク強度を有する。GaN系LEDやLDにおいては、AlGaN発光層(ここでX、Yは、AlとGaの組成比率を表す。)、GaN発光層又はInGaN発光層(ここでW、Zは、InとGaの組成比率を表す。)を有しているものが好ましい。GaN系LEDにおいては、それらの中でもInGaN発光層を有するものは発光ピーク強度が非常に強いので特に好ましく、GaN系LEDにおいては、InGaN層とGaN層の多重量子井戸構造のものが発光ピーク強度は非常に強いので特に好ましい。
なお、上記においてX+Yの値は通常0.8〜1.2の範囲の値である。GaN系LEDにおいて、これら発光層にZnやSiをドープしたものやドーパント無しのものが発光特性を調節する上で好ましいものである。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、及び基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlGaN層、GaN層、又はInGaN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高くて好ましく、更にヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが、発光効率が更に高いため、より好ましい。
なお、第1の発光体は、1個のみを用いてもよく、2個以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<第2の発光体>
本発明の発光装置における第2の発光体は、上述した第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する発光体であり、第1の蛍光体として前述の本発明の蛍光体を含有するとともに、その用途等に応じて適宜、後述する第2の蛍光体(赤色蛍光体、青色蛍光体、緑色蛍光体、橙色蛍光体、黄色蛍光体等)を含有する。ここで、本発明の蛍光体としては、本発明の蛍光体特有の組成と物性ないし特性を満足すればよく、発光色については特に制限はない。また、例えば、第2の発光体は、第1及び第2の蛍光体を封止材料中に分散させて構成される。
上記第2の発光体中に用いられる、本発明の蛍光体以外の蛍光体の組成には特に制限はないが、その例を挙げると、結晶母体となる、Y、YVO、ZnSiO、YAl12、SrSiO等に代表される金属酸化物、SrSi等に代表される金属窒化物、Ca10(POCl等に代表されるリン酸塩及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物、YS、LaS等に代表される酸硫化物等にCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが挙げられる。
(第1の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、第1の蛍光体として、少なくとも上述の本発明の蛍光体を含有する。本発明の蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、第1の蛍光体としては、本発明の蛍光体以外にも、本発明の蛍光体と同色の蛍光を発する蛍光体(同色併用蛍光体)を用いてもよい。例えば、本発明の蛍光体が青色蛍光体である場合、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の青色蛍光体を併用することができる。
他種の青色蛍光体としては、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類マグネシウムアルミネート系蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)10(PO(Cl,F):Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類ハロホォスフェート系蛍光体、(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al:Eu又は(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表されるユウロピウム賦活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等からなる群より選ばれる1種又は2種以上の青色蛍光体が好ましい。
本発明の発光装置に使用される第1の蛍光体の重量メジアン径D50は、通常10μm以上、中でも12μm以上、また、通常30μm以下、中でも25μm以下の範囲であることが好ましい。重量メジアン径D50が小さ過ぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう傾向がある。一方、重量メジアン径D50が大き過ぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
(第2の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、その用途に応じて、上述の第1の蛍光体以外にも蛍光体(即ち、第2の蛍光体)を1種以上含有していてもよい。この第2の蛍光体は、第1の蛍光体とは発光ピーク波長が異なる蛍光体である。通常、これらの第2の蛍光体は、第2の発光体の発光の色調を調節するために使用されるため、第2の蛍光体としては第1の蛍光体とは異なる色の蛍光を発する蛍光体を使用することが多い。
第2の蛍光体としては、例えば橙色ないし赤色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体等の青色蛍光体以外の蛍光体が用いられる。
本発明の発光装置に使用される第2の蛍光体の重量メジアン径D50は、通常10μm以上、中でも12μm以上、また、通常30μm以下、中でも25μm以下の範囲であることが好ましい。重量メジアン径D50が小さ過ぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう傾向がある。一方、重量メジアン径D50が大き過ぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
<橙色ないし赤色蛍光体>
第2の蛍光体として橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合、当該橙色ないし赤色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような橙色ないし赤色蛍光体としては、例えば、(Ca,Sr)AlSiN:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:EuやSrAlSi:Euで表されるユーロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、赤色領域の発光を行なう(Y,La,Gd,Lu)S:Euで表されるユーロピウム賦活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体等が挙げられる。
これら橙色ないし赤色蛍光体は、いずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<緑色蛍光体>
第2の蛍光体として緑色蛍光体を使用する場合、当該緑色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nm以上、好ましくは505nm以上、より好ましくは510nm以上、また、通常580nm以下、好ましくは570nm以下、より好ましくは560nm以下、更に好ましくは550nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような緑色蛍光体としては、(Lu,Y,La,Gd)(Al,Ga)12:Ce、(Ba,Sr)Si12:Eu、(Ba,Sr)SiO:Eu、CaScSi12:Ce、CaSc:Ce、(Ca,Sr)(Mg,Zn)(SiOCl:Eu、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Eu、及びβ−(Si,Al)12(O,N)16:Eu等が挙げられる。
これら緑色蛍光体は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<黄色蛍光体>
第2の蛍光体として黄色蛍光体を使用する場合、当該黄色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような黄色蛍光体としては、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。
特に、RE12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、La及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体等が挙げられる。
これら黄色蛍光体は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<第2の蛍光体の選択>
上記第2の蛍光体としては、1種類の蛍光体を単独で使用してもよく、2種以上の蛍光体を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、第1の蛍光体と第2の蛍光体との比率も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、第2の蛍光体の使用量、並びに、第2の蛍光体として用いる蛍光体の組み合わせ及びその比率等は、発光装置の用途等に応じて任意に設定すればよい。
本発明の発光装置において、以上説明した第2の蛍光体(橙色ないし赤色蛍光体、黄色蛍光体、青色蛍光体等)の使用の有無及びその種類は、発光装置の用途に応じて適宜選択すればよい。
一方、本発明の発光装置を白色発光の発光装置として構成する場合には、所望の白色光が得られるように、第1の発光体と、第1の蛍光体(本発明の蛍光体)と、第2の蛍光体を適切に組み合わせればよい。
また、本発明の蛍光体は、他の蛍光体と混合(ここで、混合とは、必ずしも蛍光体同士が混ざり合っている必要はなく、異種の蛍光体が組み合わされていることを意味する。)して用いることができる。特に、上記に記載の組み合わせで蛍光体を混合すると、好ましい蛍光体混合物が得られる。なお、混合する蛍光体の種類やその割合に特に制限はない。
<封止材料>
本発明の発光装置において、上記第1及び/又は第2の蛍光体は、通常、封止材料である液体媒体に分散させて用いられる。
該液体媒体としては、前述の<蛍光体含有組成物>の項で記載したのと同様のものが挙げられる。
また、該液体媒体は、封止材料の屈折率を調整するために、高い屈折率を有する金属酸化物となり得る金属元素を含有させることができる。高い屈折率を有する金属酸化物を与える金属元素の例としては、Si、Al、Zr、Ti、Y、Nb、B等が挙げられる。これらの金属元素は単独で使用されてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で併用されてもよい。
このような金属元素の存在形態は、封止部材の透明度を損なわなければ特に限定されず、例えば、メタロキサン結合として均一なガラス層を形成していてもよく、封止部材中に粒子状で存在していてもよい。粒子状で存在している場合、その粒子内部の構造はアモルファス状であっても結晶構造であってもよいが、高屈折率を与えるためには結晶構造であることが好ましい。また、その粒子径は、封止部材の透明度を損なわないために、通常は、半導体発光素子の発光波長以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、特に好ましくは30nm以下である。例えばシリコーン系材料に、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ニオブ等の粒子を混合することにより、上記の金属元素を封止部材中に粒子状で存在させることができる。
また、上記液体媒体としては、更に、拡散剤、フィラー、粘度調整剤、紫外線吸収剤等公知の添加剤を含有していてもよい。
なお、これらの添加剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<発光装置の構成(その他)>
本発明の発光装置は、上述の第1の発光体及び第2の発光体を備えていれば、そのほかの構成は特に制限されないが、通常は、適当なフレーム上に上述の第1の発光体及び第2の発光体を配置してなる。この際、第1の発光体の発光によって第2の発光体が励起されて(即ち、第1及び第2の蛍光体が励起されて)発光を生じ、且つ、この第1の発光体の発光及び/又は第2の発光体の発光が、外部に取り出されるように配置されることになる。この場合、第1の蛍光体と第2の蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよく、例えば、第1の蛍光体を含有する層の上に第2の蛍光体を含有する層が積層する等、蛍光体の発色毎に別々の層に蛍光体を含有するようにしてもよい。
また、本発明の発光装置では、上述の励起光源(第1の発光体)、蛍光体(第2の発光体)及びフレーム以外の部材を用いてもよい。その例としては、前述の封止材料が挙げられる。該封止材料は、発光装置において、蛍光体(第2の発光体)を分散させる目的以外にも、励起光源(第1の発光体)、蛍光体(第2の発光体)及びフレーム間を接着する目的で用いたりすることができる。
<発光装置の実施形態>
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
本発明の発光装置の一例における、励起光源となる第1の発光体と、蛍光体を有する蛍光体含有部として構成された第2の発光体との位置関係を示す模式的斜視図を図1に示す。図1中の符号1は蛍光体含有部(第2の発光体)、符号2は励起光源(第1の発光体)としての面発光型GaN系LD、符号3は基板を表す。相互に接触した状態をつくるために、励起光源(LD)2と蛍光体含有部(第2の発光体)1とそれぞれ別個に作製し、それらの面同士を接着剤やその他の手段によって接触させてもよいし、励起光源(LD)2の発光面上に蛍光体含有部(第2の発光体)を製膜(成型)させてもよい。これらの結果、励起光源(LD)2と蛍光体含有部(第2の発光体)1とを接触した状態とすることができる。
このような装置構成をとった場合には、励起光源(第1の発光体)からの光が蛍光体含有部(第2の発光体)の膜面で反射されて外にしみ出るという光量損失を避けることができるので、装置全体の発光効率を良くすることができる。
図2(a)は、一般的に砲弾型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。該発光装置4において、符号5はマウントリード、符号6はインナーリード、符号7は励起光源(第1の発光体)、符号8は蛍光体含有樹脂部、符号9は導電性ワイヤ、符号10はモールド部材をそれぞれ指す。
また、図2(b)は、表面実装型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。図中、符号22は励起光源(第1の発光体)、符号23は蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部、符号24はフレーム、符号25は導電性ワイヤ、符号26及び符号27は電極をそれぞれ指す。
<発光装置の用途>
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、色再現範囲が広く、且つ、演色性も高いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
また、本発明の発光装置は、リモートフォスファーなどにも好適に用いられる。
[照明装置]
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図3に示されるような、前述の発光装置4を組み込んだ面発光照明装置11を挙げることができる。
図3は、本発明の照明装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。この図3に示すように、該面発光照明装置11は、内面を白色の平滑面等の光不透過性とした方形の保持ケース12の底面に、多数の発光装置13(前述の発光装置4に相当)を、その外側に発光装置13の駆動のための電源及び回路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース12の蓋部に相当する箇所に、乳白色としたアクリル板等の拡散板14を発光の均一化のために固定してなる。
そして、面発光照明装置11を駆動して、発光装置13の励起光源(第1の発光体)に電圧を印加することにより光を発光させ、その発光の一部を、蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部における前記蛍光体が吸収し、可視光を発光し、一方、蛍光体に吸収されなかった青色光等との混色により演色性の高い発光が得られ、この光が拡散板14を透過して、図面上方に出射され、保持ケース12の拡散板14面内において均一な明るさの照明光が得られることとなる。
[画像表示装置]
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
[物性の測定方法]
<形態観察・組成分析>
試料の形態は走査型電子顕微鏡(キーエンス社製)により観察し,その組成を電子プローブマイクロアナライザー(波長分散型X線分析装置,EPMA,JEOL,JXA−8200)で分析した。
<結晶構造解析>
単結晶粒子のX線回折データをイメージングプレートとグラファイトモノクロメータを備えMo KαをX線源とする単結晶X線回折装置(Rigaku,R−AXIS RAPID−II)で測定した。データの収集と格子定数の精密化にはPROCESS−AUTOを、X線形状吸収補正にはNUMABSを使用した。FのデータについてSHELXL−97を用いて結晶構造パラメータの精密化を行った。また、結晶構造の描画にはVESTAを用いた。粉砕試料の粉末X線回折パターンを粉末X線回折装置(ブルカー Bruker AXS K.K)で測定し、RIETAN−FPを用いてリートベルト解析を行った。
<格子定数精密化>
格子定数は、各実施例および比較例の粉末X線回折測定データより、BaSi結晶構造、つまり空間群がImm2(Intarnational Tables for Crystallography,No.44)に分類される結晶構造に起因したピークを抽出し、データ処理用ソフトを用いて精密化することにより求めた。
<発光特性評価>
単結晶粒子を銅製試料ホルダーに詰め、蛍光分光光度計FP−6500(JASCO社製)を用いて励起発光スペクトルと発光スペクトルの温度依存性を室温から300℃まで測定し、温度特性を求めた。
[実施例1]
出発原料として、α−Si、BaCO及びEuを用いた。これらの原料をBa:Eu:Siのモル比が、それぞれ0.98:0.02:6.0(0.9249g,0.0168g,1.3418g)になるように秤量後、アルミナ乳鉢を用いて乾式混合した。混合した原料粉末を直径11mmのペレット状に加圧成型したものを、BN製坩堝に入れ、0.9MPaのNガス雰囲気下、2100℃で2時間加熱して実施例1の蛍光体を得た。
得られた実施例1の蛍光体の2ヶ所についてEPMA分析を行ったところ、表1に示す通り、サンプルNo.1もサンプルNo.2もBaとSiのモル比は、約1:6であった。また、酸素濃度および窒素濃度はTC600型酸素窒素分析計(LECO社製)を用いて測定した。その結果、酸素と窒素のモル比は、8:0.045あるいは0.09であった。
表1に示されるように、試料中の分析箇所によってBa:Siのモル比や酸素量が僅かに変化することが認められた。ただし、ペレット試料全体を粉砕し、X線回折パターンを測定したところ、いずれも主結晶相がBaSiであることは確認できた。
Figure 2015196717
図4に、実施例1の蛍光体の柱状結晶粒の走査型電子顕微鏡写真を示す。結晶粒の表面には凸凹があり、デンドリティックな成長に近い形態が観察された。
[比較例1]
出発原料として、α−Si、SrCO及びEuを用いた。これらの原料をSr:Eu:Siのモル比が、それぞれ0.98:0.02:6.0(0.4009g,0.0168g,1.3418g)になるように秤量後、アルミナ乳鉢を用いて乾式混合した。混合した原料粉末を直径11mmのペレット状に加圧成型したものを、BN製坩堝に入れ、0.9MPaのNガス雰囲気下、2000℃で2時間加熱して比較例1の蛍光体を得た。
[分析結果]
<実施例1の蛍光体から取り出した結晶粒のX線結晶構造解析>
実施例1で得られた蛍光体の40〜100μmの結晶粒を用いてX線単結晶構造解析を行った。
解析においてBaやSi,Nのサイトに欠損は認められず、結晶構造中のO1サイトの酸素原子の占有率を精密化した結果、xの値は、実施例1で0.08となった。これらの値はEPMAで先に分析したxの値(実施例1:0.05と0.09)とほぼ一致した。
図5に精密化されたOの占有率xに対する格子定数と格子体積をBaSiとBaSiOの文献値(F.Stadler and W.Schnick,“Das reduzierte Nitridosilicat BaSi6N8,”Z.fur Anorg.Allg.Chem.,vol.633,no.4,pp.589-592,2007、F.Stadler,R.Kraut,O.Oeckler,S.Schmid,andW.Schnick,“Synthese,KristallstrukturundFestkorper-NMR-spektroskopische Untersuchung des Oxonitridosilicates BaSi6N8O,”Z.Fur Anorg.Allg.Chem.,vol.631,no.10,pp.1773-1778,2005.)とともに示す。xの値に対し、c軸の値はほとんど変化しないのに対し、a軸とb軸の値は単調に増加し、これに伴い格子体積もほぼ直線的に変化することが明らかになった。この格子定数の関係からBaSiのx(酸素量)を見積もることができることがわかった。
<比較例1の蛍光体から取り出した結晶粒のX線結晶構造解析>
実施例1と同様に比較例1の蛍光体から角柱状または針状からなる結晶粒を取り出し、単結晶構造解析を行った。
BaSiOの結晶構造モデルを用いて解析を行った結果、SrやSi,Nに欠損等は認められず、精密化されたO1サイトの占有率xは0.04となった。
<実施例1の蛍光体と比較例1の蛍光体の発光特性評価>
実施例1および比較例1の粉末試料(BaSi0.08:EuとSrSi0.04:Eu)について測定した励起・発光スペクトルを測定した。図6に406nmで励起されたBaSi0.08:Euの発光スペクトルと発光ピーク波長448nmで測定された励起スペクトル、および345nmで励起されたSrSi0.04:Euの発光スペクトルと発光ピーク波長456nmで測定された励起スペクトルを示す。酸素量がほぼ同じ2つの試料において、BaとSrのサイズが異なる原子が結晶構造を構成しているにもかかわらず、実施例1(BaSi0.08:Eu)と比較例1(SrSi0.04)で発光ピーク波長の変化は8nm、発光ピークの半価幅もそれぞれ39.4nm(BaSi0.08:Eu)と38.2nm(SrSi0.04:Eu)とほとんど変化が認められなかった。この結果は、結晶構造解析の結果から求められたBa−NとSr−Nの原子間距離の平均値も、それぞれ3.100Åと3.062ÅでEuが入るBa1やSr1サイトの平均的な大きさや配位環境の変化が少ないことを反映していると考えられた。
BaSiやBaSi(x<1.0)にEu2+をドープした蛍光体の発光特性についてこれまでに報告がなく、BaSiO:Euで報告された発光ピーク波長は503nm、ピーク半値幅は102nmであった(R.-J.Xie,N.Hirosaki,Y.Li,and T.Takeda,“Photoluminescence of (Ba1−xEux)SiO(0.005≦x≦0.2)phosphors,”J.Lumin.,vol.130,no.2,pp.266−269,Feb.2010.)。実施例1のBaSi0.08:EuはBaSiO:Euと比較して発光スペクトルのピークが高いエネルギー側にシフトし、ピーク幅の減少も確認された。
<実施例1の蛍光体と比較例1の蛍光体の温度特性における比較>
図7に、実施例1のBaSi0.08:Euと比較例1のSrSi0.04:Euについて励起波長400nmを照射して測定される発光スペクトルの発光ピーク強度の室温〜300℃における温度依存性を示す。いずれの試料においても温度の変化による発光波長ピーク位置の変化は認められなかった。比較例1のSrSi0.04:Euの昇温による強度低下はSrSi:Euの文献値とほぼ一致した。一方、実施例1のBaSi0.08:Euの試料では、150〜300℃で発光ピーク強度維持率が10〜20%程度、SrSi0.04:Euに比較して高かった。
実施例1のBaSi0.08:Eu蛍光体と比較例1のSrSi0.04:Eu蛍光体の発光ピーク波長、半値幅、150℃発光強度維持率を表2にまとめて示す。
Figure 2015196717
表2に示すが如く、本発明の蛍光体は、発光スペクトルの半値幅が狭い蛍光体であり、かつ150℃における発光強度維持率が従来の蛍光体よりも高い。
1 蛍光体含有部(第2の発光体)
2 励起光源(第1の発光体)(LD)
3 基板
4 発光装置
5 マウントリード
6 インナーリード
7 励起光源(第1の発光体)
8 蛍光体含有樹脂部
9 導電性ワイヤ
10 モールド部材
11 面発光照明装置
12 保持ケース
13 発光装置
22 励起光源(第1の発光体)
23 蛍光体含有部(第2の発光体)
24 フレーム
25 導電性ワイヤ
26 電極
27 電極

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されることを特徴とする、蛍光体。
    (SrBa1−y)Si:M (1)
    (式(1)中、Mは、付活元素を表し、x及びyは、それぞれ下記の範囲の値である。
    0≦x≦0.5
    0≦y<1)
  2. ピーク波長400nmの光で励起した場合における発光スペクトルの発光ピークの半値幅が、60nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の蛍光体。
  3. 蛍光体の格子定数から算出した単位格子体積(V)が、355Å以上、380Å未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の蛍光体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体と、液体媒体とを含有することを特徴とする、蛍光体含有組成物。
  5. 第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、
    該第2の発光体が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体の1種以上を、第1の蛍光体として含むことを特徴とする発光装置。
  6. 請求項5に記載の発光装置を光源として含むことを特徴とする画像表示装置。
  7. 請求項5に記載の発光装置を光源として含むことを特徴とする照明装置。
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