JP2015196104A - 活性炭の前処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機物を含む被処理水を効率よく処理できる方法を提供すること。【解決手段】 被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加して活性炭処理する有機物含有水の処理方法における、当該活性炭の前処理方法であり、前記クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水が活性炭を通水する前に、クロロスルファミン酸塩で活性炭を前処理する、活性炭の前処理方法;クロロスルファミン酸塩が添着した、水処理系における活性炭処理装置用の活性炭;前記活性炭を設ける活性炭処理装置を備える、有機物含有水の処理装置。【選択図】なし

Description

本発明は、被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加して活性炭を処理する有機物含有水の処理方法における、当該活性炭の前処理方法、並びに、クロロスルファミン酸塩が添着した活性炭処理装置用の活性炭及び当該活性炭処理装置を備える有機物含有水の処理装置に関する。
広範囲な産業分野において有機物を含有する水が生じるため、環境汚染防止や再利用等種々の目的に応じて、この有機物を含有する水を、所定基準を満たすように処理する必要がある。有機物含有水としては、例えば、工業用水や工場から排出される排水等の原水や、原水を希釈した水、精製処理途中の水、精製処理後の水等が挙げられる。
このような有機物を含有する水を、所定基準を満たす処理水にする際に、逆浸透膜(RO膜)、ナノ濾過膜(NF膜)、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)等の透過膜を用いて、被処理水中の濁質や溶解性物質、イオン類等を分離する膜分離処理を行っている。
特に、電子部品部材類(例えば、半導体、ウエハ、半導体素子、電子部品又はこれらの製造部品や部材等)を製造する工場では、使用される超純水を製造するシステム、電子デバイス製造工場から排出されている高濃度乃至低濃度有機物(TOC)含有排水を、逆浸透(RO)膜分離装置を用いて処理・回収するシステムが構築されている。
このとき、RO膜分離装置内での有機物の膜面付着(有機物ファウリング)によるフラックスの低下や、バイオファウリングによるフラックスの低下を防止して長期にわたり安定した処理を行うと同時に、水中TOC濃度を効率的に低減して高水質の処理水を得るための有機物含有水の処理方法及び処理装置が検討されている。
一般的に、上述した膜処理の前に被処理水中の酸化剤除去又は有機物・色度等の除去を行うために、活性炭処理が行われている。例えば、電子デバイス工場では超純水が用いられているが、この超純水は工業用水又は工場から排出される排水を原水として、一般的に活性炭処理と後段の逆浸透膜(以下、「RO膜」ともいう)分離処理を含むフローにより製造されている。
活性炭処理は、上述のように原水中の酸化剤除去又は有機物・色度等の除去の目的で使用されている。しかし、活性炭処理を行う活性炭塔では、有機物が吸着濃縮されるため、その有機物を栄養源として活性炭塔の内部は微生物が繁殖しやすい環境となる。
一般的に微生物は酸化剤存在下において存在できないので、これを利用して、被処理水に酸化剤を添加し、これを活性炭塔に流入させ、活性炭塔の内部における微生物繁殖を抑制している。
しかし実際は、活性炭表面における触媒分解反応による酸化剤除去メカニズムが働き、活性炭塔内の上流側で酸化剤が分解し、活性炭塔内の中流部及び下流側において酸化剤が存在しない状態となる場合がある。このような状態になると、活性炭塔の内部は、微生物の温床となり、一般的に10個/mL〜10個/mL程度の菌体を含む被処理水が活性炭塔からリークすることとなる。また、活性炭塔内から剥離したバイオフィルムやスライムが被処理水に含まれることとなる。
このように、活性炭処理装置(例えば、活性炭塔)は、酸化剤除去、有機物除去手段として有機物含有水の処理装置(特に超純水製造装置)においては重要な装置ではあるものの、上述の如く、活性炭処理装置に流入する有機物濃度が高い場合は、微生物の温床となりやすい。
微生物の温床となった活性炭処理装置から微生物及びこの生産物を含む被処理水が流出し、この被処理水が、膜分離処理装置に流入することとなる。この流出した微生物及びこの生産物によって、後段に設置する膜分離処理用の膜がバイオファウリングを引き起こして、フラックスが低下し、不純物の処理が不安定になりやすく、又は目詰まりを起こしやすくなる。このようなことが起こると、有機物を含む被処理水を効率よく処理できない。
このようなことから、有機物を含む被処理水を効率よく処理できる方法が種々検討されている。
例えば、特許文献1では、塩素系酸化剤及びスルファミン酸化合物を含有することを特徴とする膜分離用スライム防止剤(請求項1)が開示されている。これにより、透過膜の劣化による除去率や脱塩率の低下を回避して、効率よく膜分離を行うことが可能となる。
また、特許文献2では、有機物含有水に生物処理した後、生物処理水を濾過することで得られるろ過水のpHをアルカリに調整した後、逆浸透膜装置を通水して得られた透過水を処理水として回収することを特徴とする有機物含有水からの水の回収方法(請求項1)が開示されている。これにより、工程数、特に煩雑なpH調整工程を低減しつつ、しかもRO膜の閉塞や流速の低下を長期間にわたり抑制できるので、装置の運転効率が大幅に向上できる。
特開2006−263510号公報 特開2006−130367号公報
本発明は、有機物を含む被処理水を効率よく処理できる方法を提供しようとするものである。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、クロロスルファミン酸塩を活性炭に充分に接触させて添着させる前処理を行った後に、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水を活性炭に通水させると、この活性炭及びそれ以降でのバイオファウリング等が抑制できること、さらに効率よく有機物を含む被処理水を処理できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加して活性炭処理する有機物含有水の処理方法における、当該活性炭の前処理方法であり、前記クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水が活性炭を通水する前に、クロロスルファミン酸塩で活性炭を前処理する、活性炭の前処理方法を提供する。
また本発明は、クロロスルファミン酸塩が添着した、水処理系における活性炭処理装置用の活性炭を提供する。
更には本発明は、前記活性炭を設ける活性炭処理装置を備える、有機物含有水の処理装置を提供する。
本発明は、有機物を含む被処理水を効率よく処理できる方法を提供することができる。
本発明の有機物含有水の処理方法及び装置の実施形態を示す系統図である。 本発明の有機物含有水の処理方法及び装置の他の実施形態を示す系統図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す各実施形態に限定されるものではない。本発明は、本開示の範囲内で自由に変更してもよい。
本発明は、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水を活性炭で処理する有機物含有水の処理方法及び処理装置における、当該活性炭の前処理方法である。好適には、活性炭処理後に透過膜処理する有機物含有水の処理方法及び処理装置における、当該活性炭の前処理方法である。
なお、本発明の有機物含有水の処理装置には、有機物含有水を処理するための、CPU等を含む制御部を設けてもよい。また、本発明の方法及び手順を、CPU等を含む制御部及び記憶媒体(USBメモリ、HDD、CD等)等を備えるハードウエア資源にプログラムとして格納し、制御部によって実現させることも可能である。
ところで、被処理水に添加するクロロスルファミン酸塩は、一般的に、活性炭塔における分解除去性が低いため、活性炭塔から直ちにリークすると考えられていた。
しかしながら、後記比較例1及び2に示すように、クロロスルファミン酸塩含有水溶液を活性炭カラムの流入口から通水SV10(hr−1)にて約2ヶ月流入させた場合でも、活性炭を通水した後の水中からクロロスルファミン酸塩が検出できなかった。このような場合、活性炭処理(例えば、活性炭塔等の活性炭処理装置)及びそれ以降の微生物繁殖抑制やバイオフィルム等の生産抑制が不充分となり、透過膜(MF膜等の保安フィルターや逆浸透膜等)がファウリングする可能性が高い。
そこで、後記実施例1−5に示すように、活性炭塔に見立てた活性炭カラムに、クロロスルファミン酸塩含有水を通水する前に、前処理として、被処理水ではない水道水にてクロロスルファミン酸塩含有水溶液を作製し、このクロロスルファミン酸塩含有水溶液と活性炭とを充分に接触させて処理した。その後、別に準備したクロロスルファミン酸塩水溶液を活性炭に流入させ、その活性炭から流出した水中にクロロスルファミン酸塩が検出でき、その全塩素濃度は流入前と流出後でほぼ同じであった。これにより、この活性炭及びそれ以降でクロロスルファミン酸塩の効果が充分に発揮できることが確認された。
よって、有機物含有の被処理水を処理する際の活性炭の内部の微生物繁殖を抑制でき、このため活性炭から流出する微生物を低減できる。そして、その後段となる膜分離処理において、微生物やその生産物による透過膜の性能低下を低減することができる。例えば、有機物の膜面付着やバイオファウリングによるフラックスの低下を防止して、長期に渡り、安定的に処理を行うことができる。
すなわち、本発明の実施形態に係る活性炭の前処理方法は、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水を活性炭に通水して処理するに先立ち、前処理としてクロロスルファミン酸塩で当該活性炭を予め処理することである。これにより、有機物を含む被処理水を効率よく処理することができる。
ここで、「クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水を活性炭に通水して処理するに先立ち」とは、例えば、有機物含有の被処理水の処理が開始された後であっても、クロロスルファミン酸塩が添加された被処理水が活性炭に通水される前であればよい。また、有機物含有の被処理水処理後の活性炭を洗浄した場合には、活性炭洗浄後に被処理水が活性炭に通水される前であればよい。
本発明における「クロロスルファミン酸塩で活性炭を前処理する」とは、活性炭にクロロスルファミン酸塩を接触させ、添着させればよい。
活性炭とクロロスルファミン酸塩を接触させ、添着させて、クロロスルファミン酸塩添着活性炭を調製する方法として、例えば、活性炭をクロロスルファミン酸塩含有液に浸漬して接触させること(浸漬法);活性炭をクロロスルファミン酸塩含有液とバッチ混合させて接触させること(混合法);クロロスルファミン酸塩含有液を活性炭が充填した容器内に通液させて活性炭に接触させること(通液法)が挙げられる。
水の存在下でクロロスルファミン酸塩(クロロスルファミン酸塩水溶液)と活性炭とを接触させることが、活性炭にクロロスルファミン酸塩が添着しやすいので、好ましい。また、適宜必要に応じて、水に換えて又は水に加えて水溶性有機溶媒(例えば、炭素数1−3のアルコール、アセトン、トリクロロエチレン等)等を用いてもよい。
前処理においてクロロスルファミン酸塩と活性炭とを接触させる際に使用する「水」とは、自然水(地下水、河川水、湖沼(ダム湖含む)水等)、水道水、工業用水、回収水、活性炭処理水等が挙げられる。なお、前処理の効果が損なわれない範囲内であれば、当該「水」に被処理水(活性炭処理前の水)が含まれていてもよいが、多くとも5%以下であり、ほとんど含まれないことが望ましい。
本発明の前処理方法において、クロロスルファミン酸塩と活性炭とを接触させ、添着させる場所としては、例えば、水処理系外でクロロスルファミン酸塩を添着させること;水処理系に備えた活性炭が充填された活性炭設備に対して通水してクロロスルファミン酸塩を添着させること等が挙げられる。
なお、「水処理系」とは、一般的な水処理の装置及び水処理設備を備える施設やシステム等が挙げられる。
本発明の前処理方法においては、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水を活性炭に通水して得た活性炭処理水中で全塩素濃度が検出できるように、前処理にてクロロスルファミン酸塩含有液を活性炭に充分に接触させてクロロスルファミン酸塩を添着させることが好適である。
ここで、前記の活性炭処理水中で検出される全塩素濃度としては、活性炭通水前の被処理水中のクロロスルファミン酸塩濃度の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上になるように、前記クロロスルファミン酸塩を活性炭に添着させるように添加することが好適である。これにより、本処理方法における活性炭処理及びそれ以降の工程で、被処理水中にクロロスルファミン酸塩が有効に存在するようになる。
本発明の前処理方法において、添着させる際に使用するクロロスルファミン酸塩溶液の濃度は、全塩素濃度として、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。
また、本発明の前処理方法における活性炭の(Dry)1gに対するクロロスルファミン酸塩の添加量は、活性炭の乾燥質量1gに対する全塩素濃度として、好ましくは0.01g以上、より好ましくは0.03g以上、さらに好ましくは0.05g以上である。
水処理系外で活性炭とクロロスルファミン酸塩を接触させる場合について説明する。
水処理系外で活性炭とクロロスルファミン酸塩を接触させる方法は、バッチ法及びカラム法等が挙げられる。バッチ法の場合には、クロロスルファミン酸塩溶液と活性炭とを容器に入れてバッチ混合、及び/又は、クロロスルファミン塩溶液に活性炭を浸漬させることが挙げられる。カラム法の場合には、後述する水処理系に備えた活性炭にクロロスルファミン酸塩溶液を通液する場合と同様に、活性炭を充填した容器(カラム)にクロロスルファミン酸塩溶液を通液させることが挙げられる。
このうち、バッチ法が、クロロスルファミン酸塩と活性炭を容器に入れて混合及び/又は浸漬させるため、接触する機会を多くでき、また工業生産的に効率がよいので、好適である。この混合は、水の存在下で行うのが、クロロスルファミン酸塩が活性炭に均一的に作業効率よく添着しやすいので、好適であり、クロロスルファミン酸塩水溶液を用いるのがより好適である。
混合方法は、特に限定されないが、攪拌機の回転による混合、エアバブリングによる混合、ポンプ等による水溶液の循環による混合等を用いることができる。
より具体的な一例としては、活性炭500kgに対して、全塩素濃度0.1質量%以上(好適には0.5質量%以上)のクロロスルファミン酸塩水溶液0.5〜5m(好適には3m)を添加し、容器内にて混合する。これにより、クロロスルファミン酸塩を好適に活性炭へ添着することができる。
容器内でクロロスルファミン酸塩と活性炭とを混合した後は、そのまま水処理に使用した場合には、活性炭処理水は、その通水初期においてアルカリ性となる。このため、クロロスルファミン酸塩との接触処理した活性炭は、水処理に使用した際の立ち上げ時間を短縮するためには、酸を添加してpHを調整することが好ましいが、特にpH調整しなくとも良い。なお、pHを調整する場合には、pH5〜8に調整することが好ましい。添加する酸は特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、炭酸等を用いることができる。また、簡便に水道水や原水で洗浄して中性に調整してもよい。
水処理系に備えた活性炭にクロロスルファミン酸塩溶液の通液を行って、活性炭とクロロスルファミン酸塩を接触させる場合について説明する。
通常、水処理系に備えた活性炭は活性炭塔等の活性炭設備に充填され、この活性炭設備で有機物含有水の処理を継続すると、有機物の吸着及び微生物の増殖で塔内の差圧が上昇するため、定期的に又は差圧が設定値以上になった際に逆洗を行う。なお、本発明の前処理方法において、このような有機物含有水の通水処理を行なっていない未使用の活性炭を使用してもよい。なお、ここで「未使用の活性炭」とは新品の活性炭はもちろん、回生処理をおこなった活性炭も含む。
「逆洗」とは、被処理水を活性炭処理する際の通水方向とは逆方向に清澄水を流して、活性炭を洗浄するものである。清澄水としては、活性炭処理水、水道水や活性炭処理を含む水処理装置全体で処理された処理水などを使用することができる。
本実施形態の前処理方法では、この逆洗工程を積極的に利用して、充填活性炭の表面にクロロスルファミン酸塩を接触させることで、クロロスルファミン酸塩を活性炭に添着させることができる。また、活性炭の逆洗水にクロロスルファミン酸塩を添加すれば良いので、簡便でありかつ効率よく添着できる。
このような処理は、例えば、クロロスルファミン酸塩以外の従来の殺菌剤(例えば、次亜塩素酸塩等の酸化剤)を被処理水に添加している水処理系において、従来の殺菌剤を本発明で使用するクロロスルファミン酸塩に切り替えるような場合に行うのが好適である。これにより、既存で設置している活性炭を有効に活用することができ、また本処理方法においてクロロスルファミン酸塩の効果が発揮できる。
本発明における逆洗水に対して添加するクロロスルファミン酸塩の添加濃度は、全塩素として、0.1〜4質量%であることが好ましく、0.6〜2.4質量%であることがより好ましく、逆洗時間は15分以上、15〜120分とすることが好ましい。なお、逆洗は常時通液しても良いが、途中で通液を止めて、活性炭をクロロスルファミン酸塩溶液中に浸漬した状態で放置しても良く、上記の逆洗時間には、この浸漬状態で放置した時間も含まれる。
また、活性炭にクロロスルファミン酸塩を添着した後に、pHがアルカリ性の場合には、活性炭処理水のpHを中性に調整するように活性炭を洗浄することが好ましい。これにより、後段の膜分離処理においてアルカリ性では支障がでる可能性があるのを回避することができる。
pHの調整は特に限定されず、pH調整剤を適宜用いてもよく、また簡便に水道水、被処理水、活性炭処理水などを活性炭に通水することで中性に調整してもよい。
上記の処理では、活性炭設備(活性炭塔)は、通常、逆洗設備を有するため、クロロスルファミン酸塩の活性炭の添着処理を逆洗で行う例を述べたが、被処理水を活性炭処理する時と同じ方向で、クロロスルファミン酸塩溶液を通液してもよい。また、クロロスルファミン酸塩溶液は、通液の方向に係らず、通液するクロロスルファミン酸塩溶液は循環しても良いし、一流式で通液しても良い。
このようにして、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水で活性炭処理する有機物含有水の処理方法及び処理装置に使用するための、活性炭を調製することができる。
なお、当該活性炭はウェット状態やドライ状態になるように調製されてもよい。この調製の際に、例えば、自然乾燥、乾燥装置(風乾燥)やアルコール(好適には炭素数1〜3)、アセトン等の揮発性の水溶性溶媒を使用してもよい。
本発明による前処理済みの活性炭に対するクロロスルファミン酸塩の添着量は、所定量以上にすることが好ましい。本発明による前処理済みの活性炭1gに対するクロロスルファミン酸塩の添着量は、活性炭の乾燥質量1gに対する全塩素濃度として、好ましくは0.01g以上、より好ましくは0.03g以上、さらに好ましくは0.05g以上である。
例えば、未使用の活性炭にクロロスルファミン酸塩を接触させ添着させることで、活性炭処理装置用の活性炭を調製することができる。
また、例えば、洗浄後の活性炭を、クロロスルファミン酸塩にて接触させ添着させることで、活性炭処理装置用の活性炭を調製することができる。
本発明により調製された活性炭は、活性炭処理装置用として活性炭処理装置に備えることができ、当該活性炭処理装置は有機物含有水の処理装置に備えることができる。
<活性炭>
本発明に使用する活性炭は、特に限定されず、木粉、木炭、石炭、ヤシガラ、樹脂等を原料としたものが挙げられる。その形状は、特に限定されず、ペレット状、粉末状、粉砕状、樹脂状等が挙げられる。また、活性炭の比表面積は、好ましくは200〜2,000m/g、より好ましくは500〜1,000m/gである。また、活性炭の粒度は、好ましくは8メッシュ以上、より好ましくは42メッシュ以下、さらに好ましくは35メッシュ以下である。
本発明に使用する活性炭は、有機物含有水の処理或いは酸化剤の還元処理など、一般的に水処理用に使用されるものを用いることができる。
<クロロスルファミン酸塩>
本発明に使用するクロロスルファミン酸塩は、次亜塩素酸塩等の塩素系酸化剤と、スルファミン酸塩等のスルファミン酸化合物とを、混合すると、これらが結合して、クロロスルファミン酸塩を形成して安定化することで調製することができる(例えば、特許文献1:特開2006−263510号公報、及び特開2010−202524号公報参照)。
前記クロロスルファミン酸塩は、pHによる解離性の差、それによる遊離塩素濃度の変動を生じることなく、水中で安定した遊離塩素濃度を保ちやすい。
なお、本発明に用いるクロロスルファミン酸塩の使用形態は、特に限定されず、固形、溶液、ペーストの何れでもよい。
前記の塩素系酸化剤としては、特に制限はなく、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸又はその塩、亜塩素酸又はその塩、塩素酸又はその塩、過塩素酸又はその塩、塩素化イソシアヌル酸又はその塩等を挙げることができる。
これらのうち、塩形のものの具体例としては、次亜塩素酸アルカリ金属塩(例えば次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等)、亜塩素酸アルカリ金属塩(例えば亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等)、塩素酸アルカリ金属塩(例えば塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等)、塩素酸アルカリ土類金属塩(塩素酸カルシウム、塩素酸バリウム等)等を挙げることができる。
これらの塩素系酸化剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの中で、次亜塩素酸塩は、取り扱いが容易なので、好適に用いることができる。
上記スルファミン酸化合物としては、下記一般式[1]で表される化合物又はその塩が挙げられる。
Figure 2015196104
一般式[1]において、R及びRは、各々独立に、水素又は炭素数1〜8の炭化水素基である。当該炭化水素基として、アルキル基(好適には炭素数1〜3の直鎖アルキル基)又は置換基を有していてもよい単環式芳香族炭化水素基(好適にはフェニル基)が好適である。
このようなスルファミン酸化合物としては、例えば、RとRが共に水素であるスルファミン酸のほかに、N−メチルスルファミン酸、N,N−ジメチルスルファミン酸、N−フェニルスルファミン酸などを挙げることができる。
スルファミン酸化合物の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アンモニウム塩及びグアニジン塩などを挙げることができる。
これらのうち、塩形のものの具体例としては、スルファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム等を挙げることができる。
これらのスルファミン酸及びこれらのスルファミン酸塩は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明で使用するクロロスルファミン酸塩は、特に限定されないが、N−モノクロロスルファミン酸塩、N,N−ジクロロスルファミン酸塩の何れでもよい。
より好ましくは、N−モノクロロスルファミン酸塩である。N−モノクロロスルファミン酸塩のうち、さらに好ましくは、次亜塩素酸若しくはその塩と、スルファミン酸若しくはその塩とによって得られたものが好適である。
本発明において、塩素系酸化剤とスルファミン酸化合物との使用割合は特に制限はないが、塩素系酸化剤の有効塩素1モルあたりスルファミン酸化合物0.5〜5.0モルとすることが好ましく、0.5〜2.0モルとすることがより好ましい。
本発明に使用するクロロスルファミン酸塩は、製剤のものを使用してもよい。また、本発明に使用するクロロスルファミン酸塩は、塩素系酸化剤と、スルファミン酸化合物とを、予め混合して対象物に使用してもよいし、それぞれを同時期に又は別々に対象物に添加し混合して使用してもよい。
本発明の前処理方法を行った後に、クロロスルファミン酸塩を添加した有機物含有水の処理を行うのが好ましい。
具体的には、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水を、本発明の前処理方法にて調製された活性炭又は当該活性炭を備える活性炭処理装置に通水することが好ましい。より好適には、当該活性炭に通水後に、透過膜(好適には逆浸透膜)を備える膜分離処理装置に通水する。
なお、被処理水に添加するクロロスルファミン酸塩は、上述の<クロロスルファミン酸塩>のとおりであり、前処理方法と本処理方法(有機物含有水の処理方法)に用いるクロロスルファミン酸塩は同じものが、安定的な効果を奏するために望ましい。
本発明における「被処理水」とは、有機物を含む水であり、本発明の処理対象となるものである。「被処理水」としては、一般的に広範囲な産業分野から生じる有機物含有の水であればよい。「被処理水」として、例えば、工業用水や工場から排出される排水等の原水や、原水を希釈した水、精製処理途中の水、精製処理後の水等が挙げられ、適宜これらが混合されていてもよい。
本発明においては、活性炭処理及び膜分離処理を行うような、電子デバイス製造関連で生じる水を処理対象とすることが、好適である。
本発明の前処理方法にて調製された活性炭に、クロロスルファミン酸塩含有の被処理水を通水させることにより、活性炭を通水させた後の被処理水中に所望の効果を発揮できる全塩素濃度を存在させることができる。
本発明の有機物含有水の処理では、被処理水に添加するクロロスルファミン酸塩は、全塩素濃度として、好ましくは0.1mg/L以上、より好ましくは0.5〜50mg/Lであり、さらに好ましくは0.5〜10mg/L、よりさらに好ましくは0.5〜5mg/Lである。クロロスルファミン酸塩の添加量は多い方が微生物繁殖抑制等を得やすいが、薬剤コストの点から少ない方が望ましく、本発明において薬剤量を低減することが可能である。
なお、原水中に懸濁物質が存在する場合は、クロロスルファミン酸塩を添加した後又は添加するに先立ち、最適凝集pH領域にpH調整を行い、凝集剤を添加して予め固液分離手段により懸濁物質を除去した後、活性炭処理装置に通水することが好ましい。この固液分離手段としては、圧力濾過、重力濾過、精密濾過、限外濾過、凝集加圧浮上、凝集沈殿等の処理を施して、原水中に含まれる懸濁物質を除去できるものであれば良く、特に限定されない。
本発明の前処理方法にて得られた活性炭を備える活性炭処理装置は、例えば、活性炭カートリッジを備える装置や、水処理系おける活性炭塔等が挙げられる。この活性炭塔の型式は、流動床、固定床等、特に限定はされない。活性炭塔では微生物の繁殖が起こりやすく、かつ大量の殺菌剤を必要とするが、本発明の前処理方法を用いればそのようなことを抑制又は低減することができるので、活性炭塔で使用する方が利点は多い。
活性炭処理装置(好適には活性炭塔)の通水SVは、50hr−1以下とすることが好ましい。さらに通水SVは、10〜40hr−1とすることが好ましい。通水SVが速すぎると、活性炭と被処理水との接触時間が短くなるため、被処理水中の有機物、色度等を除去する効果が得られなくなる。また、SVが上記範囲より小さくなると、流量一定の時、処理装置が過大となる。
膜分離処理に使用する透過膜として、一般的に使用されているものであれば特に限定されない。例えば、逆浸透膜(RO膜)、ナノ濾過膜(NF膜)、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)等が挙げられ、これらを適宜組み合わせて使用してもよい。
また、透過膜の形式は、特に限定されず、スパイラル型、中空糸型、管状型、いかなる型式のものであっても良い。
例えば、このうち、逆浸透膜が、良質の純水が得られる点で、好適である。
当該逆浸透膜として、耐アルカリ性を有するもの、例えば、ポリエーテルアミド複合膜、ポリビニルアルコール複合膜、芳香族ポリアクリルアミド膜等が挙げられる。
また、脱塩性能を有し、低ファウリング性が好適である。具体的には、1500mg/Lの食塩水を1.47MPa、25℃、pH7の条件で逆浸透膜の膜分離処理をしたときの塩排除率(以下、「塩排除率」という)が95%以上の脱塩性能を有するものが好適である。
さらにポリビニルアルコール系の低ファウリング用逆浸透膜にも使用できる。このポリビニルアルコール系の低ファウリング用RO膜を用いる場合、RO給水のpHを9.5以上として通水する条件とを組み合わせるのが好ましい。これにより、高濃度の非イオン性界面活性剤を含むRO給水に対してもフラックス低下を起こすことなく長期にわたり安定した運転を行うことが可能となる。
当該低ファウリング用RO膜は、通常用いられる芳香族ポリアミド膜と比較して、膜表面の荷電性をなくし、親水性を向上させているため、耐汚染性において非常に優れている。さらに逆浸透膜の給水のpHを9.5以上に調整することにより、RO膜フラックスを低下させる恐れのある非イオン性界面活性剤は膜面から脱着させることが可能である。
逆浸透膜の膜分離装置の透過水(以下「RO処理水」ともいう)は、次いで酸を添加してpH4〜8に調整し、必要に応じて更に活性炭処理等を施した後、再利用又は放流される。ここで使用する酸としては、塩酸、硫酸などの鉱酸が挙げられるが、これに限定されない。
一方、逆浸透膜の膜分離装置の濃縮水(以下「RO濃縮水」ともいう)は系外へ排出されて、処理される。
なお、本処理方法及び処理装置において、活性炭処理(装置)及び膜分離処理(装置)を挙げたが、これらはそれぞれ単独ではなく、複数使用してもよく、また必要に応じて他の処理(装置)を設けてもよい。
本処理方法及び処理装置は、特に限定されないが、以下に図1及び2を参照して例を説明する。
図1及び図2は、本発明に用いる被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加して有機物含有水を処理する方法及び装置(水処理系)を示す系統図である。図中、Pはポンプである。また、図1及び図2において、活性炭処理及び装置(活性炭塔)、並びに膜分離処理及び装置における各処理は、上述した本処理方法及び装置と同様に行われる。
図1は、有機物含有水を処理する水処理装置である。当該水処理装置は、原水タンク1、凝集槽2、圧力濾過塔3、活性炭塔4、濾過処理水槽5、保安フィルター6及び逆浸透膜の膜分離装置7を備える。
活性炭塔4の活性炭は、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水が活性炭塔4を通水(流入)する前に、本発明の前処理方法にてクロロスルファミン酸塩で前処理したものである。
図1では、原水タンク1を経て導入される原水(工業用水等の有機物含有水)に、凝集槽2において、クロロスルファミン酸塩及び凝集剤と必要に応じてpH調整剤を添加した後、圧力濾過塔3、活性炭塔4、濾過処理水槽5に順次通水し、その後保安フィルター6を経てRO膜分離装置7に導入してRO膜分離処理する。
なお、凝集槽2及び圧力濾過塔3において、凝集剤を用いて原水中に含まれる懸濁物質を除去して、この除去した原水を活性炭塔4に流入させることができる。
図2は、有機物含有水を処理する水処理装置である。当該水処理装置は、原水タンク1、活性炭塔4、軟化塔8、中間タンク9及び逆浸透膜の膜分離装置7を備える。
活性炭塔4の活性炭は、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水が活性炭塔4を通水(流入)する前に、本発明の前処理方法にてクロロスルファミン酸塩で前処理したものである。
図2では、原水タンク1を経て導入される原水に、本発明のクロロスルファミン酸塩と必要に応じてpH調整剤を添加した後、活性炭塔4、軟化塔8に順次通水し、その後、スケール分散剤を軟化塔8の排出水(以下「軟化処理水」と称す場合がある。)のカルシウムイオン濃度の5倍量以上となるよう添加した後、アルカリを添加してpH9.5以上に調整した後、中間タンク9を経て高pH状態でRO膜分離装置7に導入してRO膜分離処理する。
軟化塔8は、原水中の硬度成分を除去する装置であり、また、軟化塔8の他、カチオン交換塔であってもよい。これらは塔形式のものが、処理効率の点から好適である。硬度成分を除去するため、イオン交換樹脂及びキレート樹脂が挙げられる。イオン交換樹脂としては、カチオン交換樹脂(H型、Na型等)が挙げられる。
軟化塔8又はカチオン交換塔の通水SVには特に制限はないが、処理効率、硬度成分除去効果の点から、通常SV10〜40hr−1で処理が行われる。
軟化塔8の処理水にスケール防止剤を添加するのが好適である。
スケール防止剤は、アルカリ領域で解離して金属イオンと錯体を形成し易いキレート系スケール防止剤(エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸等)が好適に用いられる。その他のスケール防止剤として、例えば、低分子ポリマー((メタ)アクリル酸重合体、マレイン酸重合体等又はこれらの塩)、無機重合リン酸又は塩等を使用することができる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
スケール防止剤の添加量は、軟化塔8の流出量(スケール防止剤が添加される水)中のカルシウムイオン濃度の5質量倍以上であるのが好適であり、さらに5〜50質量部であるのが好適である。
また、スケール防止剤を添加した水は、次いでアルカリを添加するのが好適である。当該アルカリとして、無機物系が好適であり、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩が好適である。
このとき、後段のRO膜分離装置7に導入される水(RO給水)のpHが9.5以上、好ましくは10以上、より好ましくは10.5〜12、さらに10.5〜11になるように調整する。
なお、スケール防止剤、アルカリの添加位置は、軟化塔8とRO膜分離装置7との間であるのが好適である。
また、必要に応じて、残留するクロロスルファミン酸塩を還元して分解除去するために、還元剤を使用してもよい。還元剤として、例えば、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。
なお、図1及び図2は、それぞれ本発明の実施形態の一例を示すものであって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではない。
例えば、図1に示すように、原水中に懸濁物質が存在する場合には、固液分離手段により原水中に含まれる懸濁物質を除去し、活性炭塔に通水することが望ましい。この固液分離手段として、圧力濾過、重力濾過、精密濾過、限外濾過、凝集加圧浮上、凝集沈殿等が挙げられる。
また、例えば、活性炭処理装置及びRO膜分離装置による処理は一段処理に限らず、2段以上の多段処理であっても良い。更に、pH調整やスケール防止剤等の添加のための混合槽を設けても良い。
以上のように、クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水の処理に先立ち、前処理工程を設け、前処理工程において、活性炭にクロロスルファミン酸塩を接触させ添着させる。
この前処理において、例えば、水処理系外にてバッチ法等、又は逆洗工程の逆流等を利用して、活性炭の表面に効率よくクロロスルファミン酸塩を接触させることで、活性炭に効率よく添着させることができる。
被処理水中のクロロスルファミン酸塩を、本発明による前処理済み活性炭を備える活性炭処理装置に流入させ、当該活性炭処理装置から所望の効果が奏する程度に効率良くクロロスルファミン酸塩を流出させることができる。そして、当該活性炭処理装置から流出した被処理水中のクロロスルファミン酸塩を、膜分離処理装置を含む活性炭処理装置以降の被処理水工程に供給することが可能となる。
被処理水中にクロロスルファミン酸塩が存在することによって、活性炭処理装置及びそれ以降(膜分離処理装置を含む)の微生物増殖抑制効果やスライム抑制効果、RO膜等でのバイオファウリング防止効果を得ることができる。
本発明は、活性炭及び透過膜での微生物増殖抑制及びスライム抑制等、また、透過膜でのバイオファウリング防止やバイオファウリングによるフラックス低下の防止等により、水処理装置や水処理系の安定運転のために利用可能である。
本発明は以下の構成を採用することも可能である。
〔1〕 被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加して活性炭処理をする有機物含有水の処理方法における、当該活性炭の前処理方法であり、
前記クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水を活性炭に通水して有機物含有水を活性炭処理するに先立ち、クロロスルファミン酸塩で活性炭を前処理する、活性炭の前処理方法。
被処理水にクロロスルファミン酸塩が添加された有機物含有水は活性炭処理された後に、更に膜分離処理をする有機物含有水の処理方法が好適である。また、前処理は水の存在下で行うことが好適である。
〔2〕 前記前処理が、前記クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水が活性炭を通水した後に被処理水の全塩素濃度が検出できるように、クロロスルファミン酸塩を活性炭に添着させることである、前記〔1〕記載の活性炭の前処理方法。
〔3〕 前記前処理が、活性炭とクロロスルファミン酸塩とをバッチ混合して接触させること、又はクロロスルファミン酸塩を通水させて活性炭に接触させることである、前記〔1〕又は〔2〕記載の活性炭の前処理方法。
〔4〕 前記前処理における活性炭に添着するクロロスルファミン酸塩の量が、活性炭の乾燥質量1gに対して0.01g以上(以下、活性炭の乾燥質量1gに対する量を、「/g−AC」で表すことがある。なお、ACはActive Carbonの略である。)である、前記〔1〕〜〔3〕の何れか1項記載の活性炭の前処理方法。
〔5〕 前記クロロスルファミン酸塩が、N−モノクロロスルファミン酸塩である前記〔1〕〜〔4〕の何れか1項記載の活性炭の前処理方法。
〔6〕 前記活性炭の比表面積が、2,000m/g以下である前記〔1〕〜〔5〕の何れか1項記載の方法。
〔7〕 クロロスルファミン酸塩が添着した、水処理系における活性炭処理装置用の活性炭。
クロロスルファミン酸塩の添着量が0.01g/g−AC以上であるのが好適である。
〔8〕 前記〔7〕記載の活性炭を設ける活性炭処理装置を備える、有機物含有水の処理装置。
また、本発明は以下の構成を採用することも可能である。
〔9〕 有機物を含有する被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加して活性炭処理を行う際に用いられる活性炭に、クロロスルファミン酸塩を添着させる、活性炭の製造方法。
〔10〕 有機物を含有する被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加する工程(添加工程)と、該クロロスルファミン酸塩が添加された被処理水を、クロロスルファミン酸塩が添着した活性炭(好適には本発明に係る活性炭の前処理方法にて得られた活性炭)にて処理する工程(活性炭処理工程)と、を備える、水処理方法。
なお、上記[9]の「活性炭の製造方法」及び上記[10]の「水処理方法」における、被処理水、クロロスルファミン酸塩、及び活性炭の原料等は、前述の活性炭の前処理方法の説明で述べたものと同様である。
以下に、具体的な実施例等を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例及び比較例の活性炭は以下のA〜Eを用いた。
A:石炭系、粒状破砕炭、比表面積1,100m/g、mesh10X32
B:石炭系、粒状破砕炭、比表面積1,100m/g、mesh10X35
C:石炭系、粒状破砕炭、比表面積1,100m/g、mesh8X32
D:石炭系、粒状破砕炭、比表面積1,100m/g、mesh8X32
E:ヤシガラ系、粒状破砕炭、比表面積1,100m/g、mesh8X32
水道水は、栃木県野木町水を活性炭に通水し、脱塩素したものを用いた。
クロロスルファミン酸塩として、次亜塩素酸ナトリウムと、スルファミン酸ナトリウムとの結合塩素剤(有効塩素1モルに対するスルファミン酸化合物のモル比1.5)を使用した。
<クロロスルファミン酸添着装置>
活性炭を充填したカラム及びポンプを備えた循環式試験装置において、クロロスルファミン酸塩水溶液を、ダイヤフラムポンプを用いて活性炭充填カラムに下方向の出口から通水して循環させた。これにより、クロロスルファミン酸塩を活性炭に添着させた。これにより、実施例6の前処理済み活性炭カラムを作製した。
ガラスカラム;直径2.5cm(断面積4.9cm)/活性炭充填量:5g/通液量:150〜200mL/分
<通水試験装置>
活性炭を充填したカラム及びポンプを備えた試験装置において、脱塩素した水道水で所定濃度になるように希釈したクロロスルファミン酸塩水溶液を、ダイヤフラムポンプを用いて活性炭充填カラムの上方向の入り口から通水した。通水後の水の全塩素濃度を測定した。活性炭充填カラムに用いた活性炭は、実施例1−6及び比較例1−2に示すものを使用した。
ガラスカラム:直径2.5cm(断面積4.9cm)/活性炭充填量:5g/通液量:1〜20mL/分
<全塩素の測定>
サンプル10mLを採取し、HACH社製ポケット残留塩素計58700−00型(DPD法)にて全塩素を測定した。
<クロロスルファミン酸塩添着量の算出方法>
活性炭に添加した全塩素の絶対量を測定するために、活性炭に流入させる前のサンプル10mLを採取した。活性炭と接触している水が含有する全塩素の絶対量を測定するために、活性炭から流出した後のサンプル10mLを採取した。
サンプル10mLを採取し、HACH社製ポケット残留塩素計58700−00型(DPD法)にて全塩素を測定した。
本発明において、「クロロスルファミン酸塩添着量」は、活性炭乾燥質量1gあたりに添着したクロロスルファミン酸塩の全塩素量で表す。
「クロロスルファミン酸塩添着量」の算出は、以下の式(1)のように、「活性炭に添加した全塩素の絶対量」から「活性炭と接触している水が含有する全塩素の絶対量」を引いた差分を「活性炭質量」で除することで行う。
クロロスルファミン酸塩添着量=(活性炭に添加した全塩素の絶対量−活性炭と接触している水が含有する全塩素の絶対量)÷活性炭質量・・・式(1)
<pH計>
堀場製作所製D−51ACを用いた。
<実施例1>
活性炭A 13gに、水道水で希釈した全塩素濃度1質量%のクロロスルファミン酸塩水溶液を80mL添加して、pH約6になるように塩酸を添加し、450rpmで30分混合し、前処理済みの活性炭を作製した。本品の前処理済み活性炭の全塩素添着量は0.04g/g−ACであった。
本品を通水試験装置に充填し、全塩素濃度0.9mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV20(hr−1)で通水したところ、活性炭カラム直後で全塩素0.9mg/Lが検出された。
<実施例2>
活性炭B 13gに水道水で希釈した全塩素濃度1質量%のクロロスルファミン酸塩水溶液を80mL添加して、pH約6になるように塩酸を添加し、450rpmで30分混合し、前処理済みの活性炭を作製した。本品の前処理済み活性炭の全塩素添着量は0.035g/g−ACであった。
本品を通水試験装置に充填し、全塩素濃度0.9mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV20(hr−1)で通水したところ、活性炭カラム直後で全塩素0.9mg/Lが検出された。
<実施例3>
活性炭C 13gに水道水で希釈した全塩素濃度1質量%のクロロスルファミン酸塩水溶液を80mL添加して、pH約6になるように塩酸を添加し、450rpmで30分混合し、前処理済みの活性炭を作製した。本品の前処理済み活性炭の全塩素添着量は0.045g/g−ACであった。
本品を通水試験装置に充填し、全塩素濃度1.25mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV20(hr−1)で通水したところ、活性炭カラム直後で全塩素1.25mg/Lが検出された。
<実施例4>
活性炭D 13gに水道水で希釈した全塩素濃度1質量%のクロロスルファミン酸塩水溶液を80mL添加して、pH約6になるように塩酸を添加し、450rpmで30分混合し、前処理済みの活性炭を作製した。本品の前処理済み活性炭の全塩素添着量は0.04g/g−ACであった。
本品を通水試験装置に充填し、全塩素濃度1.25mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV20(hr−1)で通水したところ、活性炭カラム直後で全塩素1.25mg/Lが検出された。
<実施例5>
活性炭E 13gに水道水で希釈した全塩素濃度1質量%のクロロスルファミン酸塩水溶液を80mL添加して、pH約6になるように塩酸を添加し、450rpmで30分混合し、前処理済みの活性炭を作製した。本品の前処理済み活性炭の全塩素添着量は0.04g/g−ACであった。
本品を通水試験装置に充填し、全塩素濃度1.25mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV20(hr−1)で通水したところ、活性炭カラム直後で全塩素1.25mg/Lが検出された。
<実施例6>
前記クロロスルファミン酸添着装置に、活性炭Eを5g充填したカラムを備え、その後、水道水にクロロスルファミン酸塩濃度を全塩素として0.8質量%に調製した水溶液を、LV17m/h(137mL/分)で、活性炭充填カラムの下方向の出口から60分通水し、さらにその後、水道水を10分間通水した。
水道水のpHが中性になっているのを確認してから、本品の前処理済みの活性炭を取り出した。
本品を通水試験装置に充填し、全塩素濃度1.25mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV20(hr−1)で通水したところ、活性炭カラム直後で全塩素1.25mg/Lが検出された。
<比較例1>
活性炭Dを通水試験装置に充填し、全塩素濃度1.5mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV10(hr−1)で通水したところ、53日後でも活性炭カラム直後で全塩素は検出下限値以下であった。
<比較例2>
活性炭Dを通水試験装置に充填し、全塩素濃度0.8mg/Lのクロロスルファミン酸塩水溶液をSV10(hr−1)で通水した所、78日後でも活性炭カラム直後で全塩素は検出下限値以下であった。
実施例1〜5、比較例1について、改質した活性炭について通水試験装置前後の全塩素濃度結果を表1に示す。
Figure 2015196104
実施例1〜6の場合、バッチ混合又は通液にてクロロスルファミン酸塩を活性炭表面に接触させて前処理方法を行った活性炭を充填することにより、活性炭カラムの入口と活性炭カラムの出口の被処理水中の全塩素濃度が同じであり、クロロスルファミン酸塩がほぼ全量検出された。
一方、比較例1〜2の場合、クロロスルファミン酸塩含有水を活性炭カラムに上方向の入口から通水したとき、活性炭カラムの入口の水の全塩素濃度が出口のときには大幅に減少し、出口の水の全塩素濃度は検出下限値以下になっており、クロロスルファミン酸塩が検出されなかった。
これにより、この前処理方法を用いた活性炭を活性炭塔に充填することにより、プラント運転時、活性炭塔前に、クロロスルファミン酸塩を添加したときに、本処理方法において活性炭塔の前にクロロスルファミン酸塩を添加したときに、活性炭塔以降でクロロスルファミン酸塩がほぼ全量検出され、良好なスライム抑制が実現できる。
このことから、クロロスルファミン酸塩を活性炭表面に接触させて添着させる前処理が重要であることが言える。
このことから、活性炭塔及び逆浸透膜(RO膜)分離処理装置を有する水処理系で、前もって、水処理系外又は逆洗工程で、活性炭にクロロスルファミン酸塩に接触させて充分に添着させることが重要であると考えた。
1 原水タンク; 2 凝集槽; 3 圧力濾過塔; 4 活性炭塔;5 濾過処理水槽; 6 保安フィルター; 7 RO膜分離装置; 8 軟化塔; 9 中間タンク

Claims (8)

  1. 被処理水にクロロスルファミン酸塩を添加して活性炭処理する有機物含有水の処理方法における、当該活性炭の前処理方法であり、
    前記クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水が活性炭を通水する前に、クロロスルファミン酸塩で活性炭を前処理する、活性炭の前処理方法。
  2. 前記前処理が、前記クロロスルファミン酸塩を添加した被処理水が活性炭を通水した後に被処理水中の全塩素濃度が検出できるように、クロロスルファミン酸塩を活性炭に添着させることである、請求項1記載の活性炭の前処理方法。
  3. 前記前処理が、活性炭とクロロスルファミン酸塩とをバッチ混合して接触させること、又はクロロスルファミン酸塩を通水させて活性炭に接触させることである、請求項1又は2記載の活性炭の前処理方法。
  4. 前記前処理における活性炭に添加するクロロスルファミン酸塩の量が、活性炭の乾燥質量1gに対して0.01g以上である、請求項1〜3の何れか1項記載の活性炭の前処理方法。
  5. 前記クロロスルファミン酸塩が、N−モノクロロスルファミン酸塩である請求項1〜4の何れか1項記載の活性炭の前処理方法。
  6. 前記活性炭の比表面積が2,000m/g以下である請求項1〜5の何れか1項記載の方法。
  7. クロロスルファミン酸塩が添着した、水処理系における活性炭処理装置用の活性炭。
  8. 請求項7記載の活性炭を設ける活性炭処理装置を備える、有機物含有水の処理装置。
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