JP2015193826A - ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ルイス酸触媒と従来用いられているアルカリ金属水酸化物の他に特別な触媒を用いることなく、1級化率が高く、かつ副生モノオール含有量の少ないポリオキシアルキレンポリオールを製造する方法を提供すること。
【解決手段】 全末端水酸基に占める1級水酸基の割合が40%以上であるポリオキシアルキレンポリオール(P)の製造方法であって、塩基性触媒(b1)の存在下で、活性水素化合物(c)にアルキレンオキサイド(d1)が付加重合されて得られた第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)が、塩基性条件下で処理されて得られた第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)を、水の存在下並びにルイス酸(a)もしくはブレンステッド酸の存在下で処理して第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)を得る工程を含むポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法に関する。
一般に、ポリオキシアルキレンポリオールは、水酸化カリウム等のアルカリ金属触媒に代表される塩基触媒を使用したアルキレンオキサイドの付加重合により製造される。塩基性触媒を用いたプロピレンオキサイド(以下POと略記する)のアニオン重合においては、POの一部が該触媒の存在下でアリルアルコールに異性化し、このアリルアルコールにPOが付加した不飽和モノオールが副生する。モノオールの副生によりポリオールの平均官能基数が低下するとともに、ウレタン化反応時の分子量伸長反応を阻害し、ポリウレタン樹脂の機械物性を損なうことが知られている。副生モノオール含有量を低減するために、アニオン重合触媒の改良が検討されており、このような触媒として、ホスファゼン塩基や複合金属シアン化物などが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
一方、POのアニオン重合では、重合触媒の種類によらず、得られるポリオールの全末端水酸基に占める1級水酸基の割合(以下1級化率と略記する場合がある。)が通常5%以下と非常に低いことが知られている。(例えば、水酸化カリウムを触媒として用いた場合は2%)。これらの、実質的に末端水酸基が2級水酸基であるポリオールは、イソシアネート基との反応性が低いため、副生モノオール含有量に係わらずウレタン樹脂用のポリオールとして使用上大きな制約がある。
イソシアネート基との十分な反応性を確保するためには1級化率を高める必要があり、この目的のためPOをアニオン重合して得られるポリオールの末端にさらにエチレンオキサイド(以下EOと略記する)を付加重合させる方法が知られている。しかしながら、オキシエチレン単位の高い親水性のため、得られるウレタン樹脂の疎水性が低下し、樹脂物性等が湿度により大きく変化するという問題がある。
これらの解決方法として、特定のルイス酸触媒を使用してPOを付加重合することで、1級化率を高める方法が知られている(例えば、特許文献3参照)が、副生モノオール含有量が十分に低いとは言えない。さらに、該触媒を使用して1級化率が高く、かつモノオール含有量の低いポリオールを製造する方法として、周期表第5周期又は第6周期の遷移金属を含有する触媒の共存下で、POを付加重合する方法が知られている(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4の方法は、高価な遷移金属含有化合物を使用することに加えて、これら遷移金属含有触媒の除去が困難であるため、製品が着色するという問題や、製品中に残存する触媒がポリウレタン樹脂の製造工程で悪影響を与えるなどの問題があり、工業化には不向きである。
特開平11−183383号公報 特開2003−034724号公報 特許3076032号公報 特開2012−072260号公報
本発明は、ルイス酸と従来用いられているアルカリ金属水酸化物の他に特別な触媒を用いることなく、1級化率が高く、かつ副生モノオール含有量の少ないポリオキシアルキレンポリオールを製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法は、全末端水酸基に占める1級水酸基の割合が40%以上であるポリオキシアルキレンポリオール(P)の製造方法であって、塩基性触媒(b1)の存在下で、活性水素化合物(c)にアルキレンオキサイド(d1)が付加重合されて得られた第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)が、塩基性条件下で処理されて得られた第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)を、水の存在下並びにルイス酸(a)もしくはブレンステッド酸の存在下で処理して第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)を得る工程を含むことを要旨とする。
本発明の製造方法によれば、POを主構成単位として含む場合でも、1級化率が高く、かつ副生モノオール含有量の少ないポリオキシアルキレンポリオールを、ルイス酸とアルカリ金属水酸化物のみを触媒として用いて製造できる。また、特別な反応設備等も必要としないため、ウレタン樹脂等に使用されるポリオールの工業的製法として有用である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法には、下記工程〔1〕が含まれる。
工程〔1〕:塩基性触媒(b1)の存在下で、活性水素化合物(c)にアルキレンオキサイド(d1)が付加重合されて得られた第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)が、塩基性条件下で処理されて得られた第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)を、水の存在下並びにルイス酸(a)もしくはブレンステッド酸の存在下で処理して第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)を得る工程。
工程〔1〕は、下記3工程からなる。
工程〔1a〕:塩基性触媒(b1)の存在下で、活性水素化合物(c)にアルキレンオキサイド(d1)を付加重合させて、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)を得る。
工程〔1b〕:上記第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)を、塩基性条件下で処理して、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)を得る。
工程〔1c〕:上記第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)を、水の存在下並びにルイス酸(a)もしくはブレンステッド酸の存在下で処理して、第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)を得る。
工程〔1a〕で使用される塩基性触媒(b1)としては、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムの水酸化物が挙げられる。好ましくは水酸化ナトリウム以外の化合物であり、さらに好ましくは、不飽和モノオールの副生を抑制できる観点から、純度が95%以上の水酸化カリウム、水酸化セシウム、及びこれらの併用である。また、アルカリ金属水酸化物中のナトリウム含量は、1重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは、0.04重量%以下である。ナトリウム含量の分析法は、イオンクロマトグラフ法、原子吸光分析等、公知の方法でよい。
活性水素含有化合物(c)は、分子内に少なくとも2つ以上の活性水素を有する化合物であり、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基及び酸アミド基を有する化合物が挙げられる。また、活性水素を有する化合物(水、アルコール、アミノ基含有化合物、カルボン酸等)にアルキレンオキサイドが付加された構造の化合物(アルキレンオキサイド付加物)が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。なお、水酸基含有化合物として用いるアルキレンオキサイド付加物は、塩基性触媒(b1)以外の触媒を用いて得られたものであってもよい。活性水素含有化合物(c)の具体的な例としては、次の(c1)〜(c7)が挙げられる。これらは1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。
(c1)水
(c2)アルコール
2価アルコールとしては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数2〜40の2価アルコール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物が含まれ、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
3価アルコールとしては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数3〜80の3価アルコール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物が含まれ、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
4〜8価アルコールとしては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数5〜80の4〜8価アルコール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物が含まれ、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース、ショ糖及びこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
(c3)フェノール
多価フェノールとしては、炭素数6〜40の多価フェノールが含まれピロガロール、カテコール、ヒドロキノン及びビスフェノールA等が挙げられる。
(c4)カルボン酸
2価カルボン酸としては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数4〜40の2価カルボン酸が含まれ、マレイン酸、コハク産、アジピン酸及びフタル酸等が挙げられる。
3〜8価カルボン酸としては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数6〜40の3〜8価カルボン酸が含まれ、アクリル酸の3〜8量体等が挙げられる。
(c5)アミン
2価アミンとしては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数1〜40の2価アミンが含まれ、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びn−ブチルアミン等が挙げられる。
3〜5価アミンとしては、アンモニア並びに直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数2〜40の3〜5価アミンが含まれ、アンモニア、N−メチルアミノエチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン及びジプロピレントリアミン等が挙げられる。
なお、アミンの価数は、アミンの有する活性水素の数を意味する。
(c6)チオール
チオールとしては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数1〜80の多価チオールが含まれ、上記(c2)の2〜5価アルコールとチオ尿素との反応により得られる2〜5官能のチオール、及びエピクロルヒドリン又はエピクロルヒドリンの2〜5量体と水硫化ナトリウムとの反応により得られる2〜5官能のチオール等が挙げられる。
(c7)酸アミド
酸アミドとしては、直鎖、分岐、飽和、不飽和、脂環式及び芳香族からなる群より選ばれる炭素数2〜40の多価酸アミドが含まれ、オレイン酸アミド及び不飽和モノカルボン酸アミドの2〜5量体(モノカルボン酸アミドとしてはアクリルアミド及びメタクリルアミド等)等が挙げられる。
活性水素含有化合物(c)がアルキレンオキサイド付加物の場合、これらの製造時に付加されるアルキレンオキサイドとしては、EO、PO、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロルヒドリン及びグリシジルエーテル等が挙げられる。アルキレンオキサイドは1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。2種類以上の場合、付加反応は、ランダム付加でも、ブロック付加でも構わない。
これらのうち、反応性の観点から、EO、PO及びこれらの併用が好ましい。
活性水素含有化合物(c)のうち、入手しやすさの観点から、(c1)〜(c3)の化合物が好ましく、さらに好ましくは、水、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、ビスフェノールA、及びこれらの化合物のアルキレンオキサイド付加物である。得られるポリオキシアルキレンポリオールの粘度が高くなりすぎず取り扱いが容易である観点から、(c)の活性水素の数は2〜8が好ましく、さらに好ましくは2〜4である。
アルキレンオキサイド(d1)としては、EO、PO、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピクロルヒドリン及びグリシジルエーテル等が挙げられる。アルキレンオキサイド(d1)は1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。2種類以上の場合、付加反応は、ランダム付加でも、ブロック付加でも構わない。
これら(d1)のうち、本発明の製造方法による効果が顕著であることから、PO、及びPOとEOの併用が好ましい。
塩基性触媒(b1)の使用量は、生成する第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)に対して、好ましくは0.05〜1.5重量%であり、さらに好ましくは0.07〜1重量%、特に好ましくは、0.1〜0.7重量%である。0.05重量%以上であると反応時間が長くならず、1.5重量%以下であると付加重合反応の制御が容易である。
付加重合反応は通常行われる方法でよく、上記のいずれのアルキレンオキサイドを付加する場合においても、反応温度は好ましくは80〜160℃、圧力は好ましくは0〜0.5MPa、反応時間は好ましくは3〜12時間で行うことができる。
このようにして得られる第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)は、塩基性触媒(b1)を、(p1)に対して、好ましくは0.05〜1.5重量%含むことになる。
工程〔1b〕において、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)は、塩基性条件下で処理されて、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)となる。処理温度は、好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは125〜175℃、とくに好ましくは130℃〜170℃である。処理温度が120℃以上であると、ポリオール中の副生モノオール含有量低減効果が十分得られる。また、180℃以下であると、ポリオールの着色や熱劣化等の変質が起こりにくくなる。
工程〔1b〕における、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)の処理は、塩基の存在下で行うことが必須である。塩基としては、
工程〔1a〕の付加重合に使用した塩基性触媒(b1)をそのまま除去せずに使用できる他、塩基を別に加えてもよい。添加する塩基としては、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコラート等のアルカリ金属化合物、窒素又はリンのいずれかの原子の一方又は両方を少なくとも1つ含む有機塩基化合物等が挙げられる。
添加する塩基としては、熱安定性及び取り扱いが容易である観点から、好ましくはアルカリ金属化合物であり、さらに好ましくは、入手が容易である観点で、水酸化カリウムである。これらは1種類でもいいし2種類以上を併用してもよい。
塩基の総量は、第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)の水酸基濃度に対して2〜30モル%が好ましく、さらに好ましくは5〜20モル%である。2モル%以上であると、副生モノオール含有量を十分低減するのに要する時間が短くなり生産性が向上する。また、30モル%以下であれば、除去する中和塩の量が少なくなり経済的である。
上記塩基の総量にて第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)の処理に要する時間は、反応スケールにもよるが、一般的に3〜12時間程度あれば十分である。また、処理前に酸化防止剤等の添加剤も適宜用いることができる。
このようにして得られる第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)は、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)の水酸基濃度に対して、好ましくは総量で2〜30モル%の塩基を含むことになる。
ポリオキシアルキレンポリオール(p2)は、塩基性条件下の処理後、必要により、ポリオキシアルキレンポリオールの製造に通常用いられるアルカリ吸着剤を用いて処理した後ろ過して、塩基の少なくとも一部を除去してもよい。
工程〔1c〕において、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)は、水の存在下並びにルイス酸(a)又はブレンステッド酸による酸性条件下で処理される。水の使用量は、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)に対して1.5〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは2〜20重量%である。1.5重量%以上であると、ポリオール中の副生モノオール含有量低減効果が十分得られる。また、30重量%以下であれば、脱水に要する時間や排水量が少なく経済的である。
処理温度は、60〜150℃が好ましく、65℃〜140℃がさらに好ましい。処理温度が60℃以上であると、ポリオール中の副生モノオール含有量低減効果が十分得られる。また、150℃以下であると、ポリオールの着色や熱劣化等の変質が起こりにくくなる。
この処理において、酸性条件下で処理を行うことが必須である。酸性条件にする方法としては、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)に水と過剰量の酸を添加する。添加する酸としては、ルイス酸(a)又はブレンステッド酸が挙げられる。
添加するブレンステッド酸としては、例えば硫酸や塩酸、リン酸に代表される鉱酸類又はアルキルスルホン酸類に代表される有機酸が挙げられる。
添加するルイス酸(a)としては、例えば三フッ化ホウ素や塩化アルミニウム等のハロゲン化典型元素化合物類、スカンジウムトリフラート等の典型元素含有トリフラート類、が挙げられる。
添加する酸としては、取り扱い及び入手が容易である観点で鉱酸類が好ましく、さらに好ましくは、硫酸及びリン酸である。
これらは1種類でもよいし2種類以上を併用してもよい。
添加する酸の量は、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)に含まれる塩基の総量に対して1.1〜5モル当量であることが好ましく、さらに好ましくは1.2〜3モル当量である。1.1モル当量以上であれば、系が十分な酸性条件となり副生モノオール低減効果が十分得られる。また、5モル当量以下であれば、ポリオールの着色や臭気が抑えられる。
ルイス酸(a)又はブレンステッド酸の添加方法は特に限定されず、例えば単独を添加してもよいし、水溶液として加えてもよい。また、酸は、一度に全量を加えてもよいし、複数回に分割して添加してもよい。酸と水の添加順序は、特に制限は無く、いずれか一方を先に加えてもよいし、同時に加えてもよい。
上記の条件にて、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)の処理に要する時間は、反応スケールにもよるが、一般的に1〜6時間程度あれば十分である。また、処理前に酸化防止剤等の添加剤も適宜添加して用いることができる。
酸性条件下で処理した後の第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)は、第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)の水酸基濃度に対して、好ましくは2〜30モル%の中和塩及び過剰の酸を含む。
第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)の好ましい重量平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による〕は2000以上であり、さらに好ましくは2500〜15000である。
本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法においては、上記製造方法[工程〔1〕]で得られた第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)に、ルイス酸(a)の存在下で、アルキレンオキサイド(d2)を付加重合させる工程を含む方法[工程〔2〕]により、目的とする1級化率が40%以上のポリオキシアルキレンポリオール(P1)を得るのが好ましい。
工程〔2〕において用いるルイス酸(a)としては、環状エーテルを開環付加重合させる酸性触媒であれば特に限定はないが、ホウ素、アルミニウム、錫、アンチモン、鉄、燐、亜鉛、チタン、ジルコニウム及びベリリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(a1)を含む酸性触媒が挙げられる。
元素(a1)を含む酸性触媒としては、元素(a1)のハロゲン化物並びに(a1)のアルキル化及び/又はフェニル化物等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。具体的には下記のものが挙げられる。
(i)元素(a1)のハロゲン化物
三フッ化ホウ素及び三塩化ホウ素等のホウ素化合物;塩化アルミニウム及び臭化アルミニウム等のアルミニウム化合物;四フッ化錫及び四塩化錫等の錫化合物;フッ化アンチモン及び塩化アンチモン等のアンチモン化合物;塩化第二鉄等の鉄化合物;五フッ化燐等の燐化合物;塩化亜鉛等の亜鉛化合物;四塩化チタン等のチタン化合物;塩化ジルコニウム等のジルコニウム化合物;塩化ベリリウム等のベリリウム化合物;等
(ii)元素(a1)のアルキル化及び/又はフェニル化物
トリフェニルホウ素、トリ(t−ブチル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルホウ素、ビス(ペンタフルオロフェニル)フッ化ホウ素、ジ(t−ブチル)フッ化ホウ素、(ペンタフルオロフェニル)2フッ化ホウ素等のホウ素化合物;トリエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)−t−ブチルアルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)フッ化アルミニウム、ジ(t−ブチル)フッ化アルミニウム、(ペンタフルオロフェニル)2フッ化アルミニウム、(t−ブチル)2フッ化アルミニウム等のアルミニウム化合物;ジエチル亜鉛等の亜鉛化合物;等
これら(i)及び(ii)の中で、付加重合時の反応性及び製造したアルキレンオキサイド付加物の反応性の観点から、三フッ化ホウ素並びに元素(a1)のアルキル化及び/又はフェニル化物が好ましく、さらに好ましくは三フッ化ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、特に好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン及びトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウムである。
ルイス酸(a)の存在下、第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)にアルキレンオキサイド(d2)を付加する際の(a)の使用量については、付加重合の反応性の観点から、生成するアルキレンオキサイド付加物の重量を基準として、0.00001〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜1重量%である。
アルキレンオキサイド(d2)としては、前記アルキレンオキサイド(d1)と同様のものが挙げられる。
(d2)のうち、反応性の観点から、PO、EO及びこれらの併用が好ましい。
工程〔2〕において、ルイス酸(a)と第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)及びアルキレンオキサイド(d2)の混合方法は特に限定されず、例えば第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)にルイス酸(a)及びアルキレンオキサイド(d2)を添加する方法が挙げられる。ルイス酸(a)の添加方法は特に限定されず、例えば(a)単独を添加してもよいし、トルエン、ヘキサンなどの不活性溶剤の溶液として加えてもよく、(p3)をアルキレンオキサイド(d2)と混合したのち加えてもよい。また、(a)は、一度に全量を加えてもよいし、複数回に分割して添加してもよい。アルキレンオキサイド(d2)の添加方法は特に限定されず、一度に全量を加えてもよいし、複数回に分割して添加してもよい。異種のアルキレンオキサイド(d2)を逐次的に添加し、添加するごとに重合反応を完結させることで、ブロック共重合体を得ることもできる。ルイス酸(a)とアルキレンオキサイド(d2)の添加順序は、特に制限は無く、いずれか一方を先に加えてもよいし、同時に加えてもよい。
重合を行う条件は、第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)及びアルキレンオキサイド(d2)の種類や用いるルイス酸(a)の種類及び使用量、目的とする分子量などに応じて決定すればよい。重合時の圧力は、従来のアルキレンオキサイドの付加反応の条件で行うことができる。重合時の温度は、用いるルイス酸(a)の熱安定性の観点から0〜180℃が好ましく、さらに好ましくは20〜160℃である。
工程〔2〕においては、所定のアルキレンオキサイド(d2)を付加させた後、水及び酸の存在下並びに加圧下で、付加重合物であるポリオキシアルキレンポリオールを処理するのが好ましい。処理の温度は、好ましくは100℃〜180℃であり、さらに好ましくは105℃〜170℃である。処理温度が100℃以上であると、長期的な臭気抑制効果が十分得られる。また、180℃以下であれば、得られるポリオキシアルキレンポリオール(P1)が着色等の変質が起こりにくい。
この処理において、少量の水の存在下で処理することが好ましい。水の使用量は、長期的な臭気抑制効果及び脱水の効率の観点から、反応に用いた第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)とアルキレンオキサイド(d2)の合計重量に対して、0.5〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10重量%である。水の添加方法は特に限定されず、一度に全量を加えてもよいし、複数回に分割して添加してもよい。
上記処理は、酸の存在下で行うことが好ましい。酸としては、アルキレンオキサイド(d2)の付加重合に使用したルイス酸(a)をそのまま除去せずに使用できる他、少量の酸を別に加えてもよい。添加する酸としては、ルイス酸(a)又はブレンステッド酸が挙げられる。
添加するルイス酸(a)としては、付加重合に用いるルイス酸(a)と同じものが挙げられる。
添加するブレンステッド酸としては、硫酸や塩酸、リン酸に代表される鉱酸類又はカルボン酸類やアルキルスルホン酸類に代表される有機酸が挙げられる。
添加する酸としては、臭気抑制効果及び取り扱いの容易さの観点から、ルイス酸(a)又はリン酸が好ましい。これらは1種類でもいいし2種類以上を併用してもいい。酸の添加方法は特に限定されず、例えば単独を添加してもよいし、トルエン、ヘキサンなどの不活性溶剤の溶液として加えてもよい。また、酸は、一度に全量を加えてもよいし、複数回に分割して添加してもよい。酸と水の添加順序は、特に制限は無く、いずれか一方を先に加えてもよいし、同時に加えてもよい。
工程〔2〕における処理は、加圧下で処理を行うのが好ましい。圧力は、処理中に水が液体状態で存在しうる圧力であればよく、例えば105℃においては水の蒸気圧である0.12MPa以上が好ましい。また、耐圧容器の入手性の観点から、圧力は0.12〜4MPaが好ましい。
少量の水を加えた後の処理の時間は、長期的な臭気抑制効果及び生産効率の観点から、0.1〜6時間が好ましく、更に好ましくは0.2〜4時間である。
本発明の製造方法によれば、反応中に副生し臭気の原因となる低沸点揮発物質がポリオキシアルキレンポリオールから遊離されることが上記の処理によって促進され、これらを容易に除去できる。
遊離された低沸点揮発物質及び水は、減圧下にて除去されることが好ましい。除去する際の温度は、100℃〜180℃が好ましく、さらに好ましくは105℃〜170℃である。除去する際の圧力は、0.001〜0.99MPaの減圧下で行うことが好ましい。さらに、減圧除去を効率化するため、水を添加することもできる。水の添加量は、反応に用いた第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)とアルキレンオキサイド(d2)の合計重量に対して、低沸点揮発物質及び水の留去効率の観点から、0.5〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10重量%である。水の添加方法は特に限定されず、一度に全量を加えてもよいし、複数回に分割して添加してもよい。
本発明のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法においては、上記工程〔2〕で得られたポリオキシアルキレンポリオール(P1)に、さらに塩基性触媒(b2)の存在下で、EOを付加重合する工程を含む方法[工程〔3〕]によりポリオキシアルキレンポリオール(P2)を得ることができる。
塩基性触媒(b2)としては、塩基性触媒(b1)と同じアルカリ金属水酸化物等が挙げられ、EOの付加条件や処理条件等は工程〔1a〕のアルキレンオキサイドの付加条件や処理条件と同条件で行なえる。
いずれの工程においても、酸素不存在下で行なうことが好ましく、酸素濃度が好ましくは、1000ppm以下、更に好ましくは500ppm以下で行なう。1000ppm以下であるとポリオキシアルキレンポリオールが酸化されにくく、その結果着色されにくい。酸素濃度の低減は、装置中に窒素ガス及びアルゴンガス等の不活性ガスを通入することで実施することが望ましい。
本発明の製造方法により得られるポリオキシアルキレンポリオール(P)〔(P1)および(P2)〕の重量平均分子量(GPCによる)は、好ましくは2500以上、更に好ましくは3000〜20000であり、1級化率は、通常40%以上、好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上であり、総不飽和度(TU値)は、好ましくは0.030meq/g以下、さらに好ましくは0.020meq/g以下である。
なお、得られたポリオキシアルキレンポリオール(P)の全末端水酸基に占める1級水酸基の割合(1級化率)は、予め試料をエステル化の前処理をした後に1H−NMR法により求める。1H−NMR法の詳細を以下に具体的に説明する。
<試料調整法>
測定試料約30mgを直径5mmの1H−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し25℃で約5分間放置して、ポリオールをトリフルオロ酢酸エステルとし、分析用試料とする。
ここで重水素化溶媒とは、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料に溶解させることができる溶媒を適宜選択する。
<NMR測定>
通常の条件で1H−NMR測定を行う。
<全末端水酸基に占める1級水酸基の割合(1級化率)の計算方法>
1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基の結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測されるから、1級化率は下記式(3)により算出する。
1級化率(%)=〔r/(r+2s)〕×100 (3)
ただし、
r:4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値
s:5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値
である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に規定しない限り、部は重量部を意味する。
実施例において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により下記条件により測定した。総不飽和度は、JIS K 1557−3:2007に記載の方法による。また、水酸基価は、JIS K1557に記載の方法による。
<GPCの測定条件>
カラム:TSK gel SuperH4000、TSK gel SuperH3000 及びTSK gel SuperH2000(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
試料濃度:0.25%
注入量:10μl
標準:ポリオキシエチレングリコール(東ソー株式会社製;TSK STANDARDPOLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
<実施例1>
オートクレーブで、水酸化カリウムの存在下、常法によりグリセリンのPO付加物(水酸基価35)を得た。得られた第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1−1)400部(水酸化カリウム1.0部含有)を反応容器に仕込んだ後、反応温度150〜155℃を保ちながら、5時間攪拌した後、アルカリ吸着剤〔キョーワード700:協和化学工業(株)製〕を用いて、ろ過し水酸化カリウムを取り除き、第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2−1)を得た。次いで、水16部とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.06部を同時に投入した後、140℃に昇温し、0.60MPaの圧力下で30分処理し、同温度において減圧下(0.01MPa)で2時間揮発成分を留去して、液状の第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3−1)を得た。その後、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09部を仕込んだ後、PO反応温度が70〜75℃を保つように制御しながら、POを合計54部投入した。但し、POの投入は20回に分けて実施し、10分間投入した後、減圧下(0.01MPa)で15分間低沸点の揮発成分を留去する工程を繰り返し実施した。POの全量を投入した後、同温度で3時間熟成させた。その後、水18部とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.06部を同時に投入した後、140℃に昇温し、0.60MPaの圧力下で30分間処理し、同温度において減圧下(0.01MPa)で2時間揮発成分を留去して、液状のポリオキシアルキレンポリオール(P−1)を得た。重量平均分子量5400、1級化率は70%、総不飽和度は0.015meq/gであった。
<実施例2>
実施例1において、グリセリンのPO付加物(水酸基価35)(p1−1)400部に代えて、グリセリンのPO/EOブロック付加物(水酸基価35、末端EO含有量11%)(水酸化カリウム1.0部含有)(p1−2)を400部仕込む以外は実施例1と同様の操作を行い、液状のポリオキシアルキレンポリオール(P−2)を得た。重量平均分子量5400、1級化率は70%、総不飽和度は0.012meq/gであった。
<実施例3>
実施例1において、グリセリンのPO付加物(水酸基価35)(p1−1)400部に代えて、ペンタエリスリトールのPO付加物(水酸基価30)(水酸化カリウム1.0部含有)(p1−2)を400部仕込む以外は実施例1と同様の操作を行い、液状のポリオキシアルキレンポリオール(P−3)を得た。重量平均分子量8000、1級化率は70%、総不飽和度は0.020meq/gであった。
<実施例4>
実施例3で得られたポリオキシアルキレンポリオール(P−3)400部に、水酸化カリウム0.3部の存在下、反応温度135℃でEO50部を付加重合させ、同温度で1時間熟成させて、液状のポリオキシアルキレンポリオール(P−4)を得た。重量平均分子量8900、1級化率は90%、総不飽和度は0.018meq/gであった。
<実施例5>
実施例1と同様の工程で第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2−1)を得た後、水16部とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.06部を同時に投入する工程において、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.06部の代わりに、リン酸0.14部を投入した後、140℃に昇温し、0.60MPaの圧力下で30分処理した。その後、水酸化カリウム0.11部を投入し、140℃において減圧下(0.01MPa)で2時間揮発成分を留去して、液状の第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3−5)を得た。以降は実施例1と同様の操作を行い、液状のポリオキシアルキレンポリオール(P−5)を得た。重量平均分子量5400、1級化率は70%、総不飽和度は0.015meq/gであった。
<比較例1>
実施例1において、グリセリンのPO付加物〔第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1−1)〕400部を反応容器に仕込んだ後、反応温度150〜155℃を保ちながら、5時間攪拌する工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、液状のポリオキシアルキレンポリオール(R−1)を得た。重量平均分子量5400、1級化率は70%、総不飽和度は0.065meq/gであった。
<比較例2>
実施例1において、水16部とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.06部による処理を実施せず、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.09部に代えて、水酸化カリウム1.0部でPOを付加重合する以外は実施例1と同様の操作を行い、液状のポリオキシアルキレンポリオール(R−2)を得た。重量平均分子量5400、1級化率は2%、総不飽和度は0.060meq/gであった。
<比較例3>
オートクレーブにグリセリンのPO付加物(水酸基価35)400部とt−ブチルアルコールが配位した亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒0.07部を仕込んだ後、PO54部を反応温度が115〜120℃を保つように制御しながら投入した。その後、内温を100℃に保ちながら減圧脱気を130Pa以下で60分間行い、液状のポリオキシアルキレンポリオール(R−3)を得た。重量平均分子量5400、1級化率は60%、総不飽和度は0.030meq/gであった。
実施例1〜5及び比較例1〜3で得たポリオキシアルキレンポリオールについて、1級化率と総不飽和度の測定結果を表1にまとめた。
Figure 2015193826
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜5で得られたポリオキシアルキレンポリオールは、比較例1〜3との比較において、1級化率が高く、且つ総不飽和度が低いことがわかる。
本発明の製造方法で得られるポリオキシアルキレンポリオールは、全末端水酸基に占める1級水酸基の割合(1級化率)が高く、且つ総不飽和度が低いことから、イソシアネートとの反応が速く樹脂強度に優れるため、ポリウレタン原料として好適である。

Claims (5)

  1. 全末端水酸基に占める1級水酸基の割合が40%以上であるポリオキシアルキレンポリオール(P)の製造方法であって、塩基性触媒(b1)の存在下で、活性水素化合物(c)にアルキレンオキサイド(d1)が付加重合されて得られた第1粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p1)が、塩基性条件下で処理されて得られた第2粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p2)を、水の存在下並びにルイス酸(a)もしくはブレンステッド酸の存在下で処理して第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)を得る工程を含むポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  2. さらに、ルイス酸(a)の存在下で、第3粗製ポリオキシアルキレンポリオール(p3)にアルキレンオキサイド(d2)を付加重合させてポリオキシアルキレンポリオール(P1)を得る工程を含むポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  3. さらに、ポリオキシアルキレンポリオール(P1)に塩基性触媒(b2)の存在下で、エチレンオキサイドを付加重合させてポリオキシアルキレンポリオール(P2)を得る工程を含む請求項2に記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  4. アルキレンオキサイド(d2)がプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド又はこれらの併用である請求項2又は3に記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
  5. アルキレンオキサイド(d1)がプロピレンオキサイド、又はプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの併用である請求項1から4のいずれか1項に記載のポリオキシアルキレンポリオールの製造方法。
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