JP2015192020A - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオンキャパシタの内部から発生したガスによる内部圧力を低減し、かつ安定した減圧状態を維持する減圧フィルタを備えたリチウムイオンキャパシタを提供する。【解決手段】金属粒子の焼結体からなる減圧用フィルタを備える。減圧用フィルタが多孔性であればより高い効果が得られ、さらに、多孔性減圧用フィルタが通気する気体流量を5リットル/分としたときの多孔性減圧用フィルタの圧力損失が2.2〜6.5kPaの範囲内である。焼結体の金属粒子が酸化アルミニウムを主体とするとより高い効果が得られ、酸化アルミニウム粒子の平均粒子径が151〜250μmの範囲である。【選択図】図3

Description

本発明は、リチウムイオンキャパシタに係り、特に容器蓋内部に減圧部を設けたリチウムイオンキャパシタに関する。
従来から、リチウムイオン電池の利点と電気二重層キャパシタの利点とを組み合わせたリチウムイオンキャパシタが知られている。
このリチウムイオンキャパシタは、一般的に、正極活物質に活性炭、負極活物質にリチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材が用いられており、正極と負極とを、セパレータを介して配置し、リチウム塩を含む非水電解液で浸潤した構成が採られている。
リチウムイオンキャパシタは、予めリチウムイオンが負極に吸蔵ないしドープされていることにより、負極電位が通常の電気二重層キャパシタよりも低く保たれるため、使用電圧範囲を広く取ることができる。また正極充放電機構として、通常の電気二重層キャパシタで利用される陰イオンの吸着に加えて、陽イオンの吸着も利用できるため、容量を原理的に倍取り出すことができる。またリチウムイオン電池に比べ、容量は小さいものの、内部抵抗が小さく出力特性の点で優れるとともに、長寿命である、という利点がある。なお、本発明に関連する発明として、円筒形の金属性外装材を用いたリチウムイオンキャパシタが特許文献1に開示されている。
特開2010−192852号公報
リチウムイオンキャパシタは、定格電圧、定格電流、出力範囲以外で使用した場合、または寿命を超えて使用を継続した場合に、内部でガスが発生し、場合によってはリチウムイオンキャパシタ内部の内圧が上昇し弁作動に至る、すなわち開裂弁が開くことがある。
ここで発生するガスには、可燃性ガスが含まれることがあり、リチウムイオンキャパシタの周囲で発生したスパークなどから引火した火がリチウムイオンキャパシタ内部に導入され、リチウムイオンキャパシタの破裂につながる場合もあるという課題があった。
本発明は、上記事案に鑑み、発生したガスによるリチウムイオンキャパシタの内部圧力を低減し、かつ安定した減圧状態を維持する減圧フィルタを備えたリチウムイオンキャパシタを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正極活物質合剤を有する正極版と負極活物質合剤を有する負極板とをセパレータを介して形成された電極群が、非水電解液とともに有底の容器に収納されて、一方には通気口を有し他方には開裂部を有する容器蓋を備えて構成されるリチウムイオンキャパシタであって、前記容器蓋内部に減圧フィルタを備えるリチウムイオンキャパシタとした。
さらに減圧フィルタは、平均粒子径が151〜250μmの範囲内にある粒子が主体となって構成されていることが好ましい。
また、減圧フィルタの圧力損失が2.2〜6.5kPaの範囲内であることが好ましい。
そして、減圧フィルタが通気する気体流量を5リットル/分としたときの圧力損失が、2.2〜6.5kPaの範囲内であることがより好ましい。
減圧フィルタの材質としては、酸化アルミニウム粒子、ステンレス粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリフェニレンサルファイド樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子のいずれかが主体となって構成されていることが好ましい。
一方で、減圧フィルタの断面が屈曲した狭隙を有していたり、150℃以上の耐熱性を有していたりすることは、さらに好ましい構成となる。
なお、本発明における「平均粒子径」は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。
本発明により、リチウムイオンキャパシタの内部圧力上昇時にも、簡単な構造で安全に開裂弁を作動させ、圧力を減少させることができるという効果が期待できる。
本発明が適用可能な実施形態のリチウムイオンキャパシタの断面図の例である。 本発明が適用可能な実施形態のリチウムイオンキャパシタの極板の捲回前の平面図である。 リチウム膜形成装置の一例を示す図である。 本発明が適用可能な実施形態のリチウムイオンキャパシタのフィルタ部の圧力損失の最大値と最小値とを示す図である。 本発明が適用可能な実施形態のリチウムイオンキャパシタのフィルタ部の圧力損失の最大値と最小値とを示す図である。 本発明が適用可能な実施形態のリチウムイオンキャパシタのフィルタ部の圧力損失の最大値と最小値とを示す図である。 本発明が適用可能な実施形態のリチウムイオンキャパシタのフィルタ部の圧力損失の最大値と最小値とを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオンキャパシタ(以下、キャパシタ)30は、ニッケルメッキが施されたスチール製有底円筒状の容器(缶)8を有している。容器内には、中空円筒状で縦方向に複数本(本例では3本)のスリットが形成されたポリプロピレン製軸芯1に帯状の正極板2および負極板3がセパレータ4を介して配置された電極群7が収容されている。なお、本例では、容器8の外形は40mm、内径は39mmである。
本実施形態においては、後述する正極リード片2aや負極リード片3aを有する構造としているが、正極リード片並びに負極リード片を有していない、いわゆるタブレス構造であってもかまわない(図示せず)。
(正極)
図2に示すように、正極板2は、例えば、厚さ20μmのアルミニウム箔(正極集電体)W1の両面に、正極活物質W2として活性炭を含む正極活物質合剤が塗工されている。アルミニウム箔W1は、長手方向に沿う一側が櫛状に切り欠かれており、この切り欠き残部からなる正極リード片2aと、正極リード片2aに隣接した塗工部とで構成されている。この塗工部にその幅方向の長さに満たない長さで上述した正極活物質合剤が塗工されている。
本例では、正極板2は次の寸法に設定されている。長手方向の長さ=2800mm、幅方向の長さa=90mm、塗工部の幅方向の長さb=60mm、塗工部の正極活物質合剤の片面塗工厚=40μm(両面で80μm)、正極活物質合剤W2のかさ密度=0.5g/cm3。
(負極)
一方、負極板3も正極板2とほぼ同じ構成を有している。すなわち、負極板3は、たとえば、厚さ16μmの銅箔(負極集電体)W3の両面に、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質合剤W4が塗工されている。銅箔W3は、長手方向に沿う一側が櫛状に切り欠かれており、この切り欠き残部からなる負極リード片3aと、負極リード片3aに隣接して配置された塗工部とで構成されている。この塗工部にその幅方向の長さに満たない長さで上述した負極活物質合剤W4が塗工されている。
本例では、負極板3は次の寸法に設定されている。長手方向の長さ=3000mm、幅方向の長さa=92mm、塗工部の幅方向の長さb=62mm、塗工部の負極活物質合剤の片面塗工厚=20μm(両面で40μm)、負極活物質合剤W4のかさ密度=1.0g/cm3。
(電極群)
図3に示すように、正極板2と負極板3とは、両極板が直接接触しないように厚さ50μmの2枚の紙セパレータ4Aおよび4Bを介して、軸芯1を中心として断面渦巻状に捲回され、電極群7が構成されている。上述した正極リード片2aと負極リード片3aとは、それぞれ電極群7の互いに反対側に配置され、セパレータ4の端から所定長さ(例えば4mm)はみ出している。電極群7は、正極板2、負極板3、セパレータ4等の長さを調整することで、所定の内直径(例えば9mm)および所定の外直径(例えば38±0.1mm)に設定されている。なお、電極群7の捲回終端部は、捲き解けを防止するために、粘着テープを貼り付けることで固定されている。
(キャパシタ構造)
電極群7の下側には、電極群7の下端側端面に対向するように、負極板3からの電位を集電するための銅製の負極集電リング6が配置されている。負極集電リング6の内周面には軸芯1の下端部外周面が嵌着されている。負極集電リング6の外周縁には、負極板3から導出された負極リード片3aの先端部が超音波溶接で接合されている。負極集電リング6の下部には電気的導通のための銅製の負極リード板9が配置されており、負極リード板9は負極外部端子を兼ねる容器8の内底部に抵抗溶接で接合されている。負極集電リング6および負極リード板9はエポキシ樹脂等の樹脂製絶縁材11で覆われ、絶縁材11は負極集電リング6の上部から容器8の内底面まで配されている構成を採用することができる。この場合、容器8の底部は絶縁材11により詰め物がなされた状態となっている。
一方、電極群7の上側には、電極群7の上端面と対向するように、軸芯1のほぼ延長線上に正極板2からの電位を集電するためのアルミニウム製の正極集電リング5が配置されている。正極集電リング5は軸芯1の上端部に嵌着されている。正極集電リング5の周囲から一体に張り出している鍔部周縁には、正極板2から導出された正極リード片2aの先端部が超音波溶接で接合されている。
正極集電リング5の上方には、正極外部端子を兼ねる容器蓋12が配置されている。容器蓋12は、下側に配置された蓋ケース12aと、上側に配置された蓋キャップ12bとで構成されており、これらが積層されて蓋ケース12aの周縁を蓋キャップ12bにかしめることで組み立てられている。なお、蓋ケース12aには、内圧上昇により開裂する開裂溝(図示せず)が形成されている。正極集電リング5の上面には、リボン状のアルミニウム箔を積層した2本の正極リード板10のうち1本の一側が接合されている。正極リード板10のもう1本の一側は、容器蓋12を構成する蓋ケース12aの外底面に接合されている。また、2本の正極リード板10の他端同士も接合されている。
容器蓋12は、絶縁性および耐熱性を有する樹脂製ガスケット13を介して容器8の上部にかしめられている。このため、キャパシタの内部は密封されている。また、容器内には、電極群全体を浸潤可能な量の非水電解液が注液されている。非水電解液には、例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比30:50:20の割合で混合した溶媒中にリチウム塩として6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットル溶解したものを用いることができる。なお、本例のキャパシタの定格容量は700Fである。
(負極活物質へのリチウムの吸蔵)
次に、本実施形態のキャパシタにおいて、金属リチウムの負極活物質(非晶質炭素)への吸蔵方法について説明する。
本例では、所定温度(例えば、室温)に管理された貯蔵室に所定期間(例えば、2週間〜4週間)、キャパシタを放置することでリチウムイオンを負極活物質に吸蔵させる。金属リチウムと負極活物質とが電気的に接触しているため、負極電位とリチウム電位との電位差により、所定期間放置することで、金属リチウムは溶解し、負極板の負極活物質(非晶質炭素)に吸蔵される。
(減圧フィルタ構成)
いくつかある材料のうち、ここでは酸化アルミニウム粉末を用いる。
酸化アルミニウムは、耐酸性や耐熱特性などの諸物性が優れている。この酸化アルミニウム粉末の分級操作を行い、この酸化アルミニウム粉末の平均粒子径を151μm〜250μmに分級する。
この酸化アルミニウム粉末を混合し、この混合酸化アルミニウム粉末を金型に供給し、加振させて充填を行う。
その後1250〜1300℃で1時間焼結し、金型温度がおおよそ30℃以下になるまで冷却を施し離型する。
前記平均粒子径の範囲の酸化アルミニウム粉末を用いることにより、φ6mmの開口部を有する多孔性フィルタが通気する気体流量を5リットル/分とした時の圧力損失は2.2kPa〜6.5kPaの範囲となり、バラツキの少ない安定した多孔性フィルタを製造することができる。
上記の圧力損失値が6.5kPaを越える場合、リチウムイオンキャパシタ内で発生するガスが迅速にキャパシタ外に放出されず、特に高温雰囲気下で使用される場合には、キャパシタ外装材の膨れ等の異常が発生する場合がある。また、圧力損失値が2.2kPa未満の場合にはキャパシタ周囲で発生したスパークがキャパシタ内の可燃性ガスに引火する可能性がある。本発明の構成によれば、このようなキャパシタ外装材の膨れやキャパシタ内への引火といった異常な現象を安定して抑制することが可能となる。
(実施例1)
平均粒子径と通気性との関係を確認するため、酸化アルミニウム粉末を分級して、特定の平均粒子径範囲を有する酸化アルミニウム粉末を得た。ここで得られた酸化アルミニウム粉末を用いて、上述の製造方法による減圧フィルタを作製した。これらの減圧フィルタと酸化アルミニウム粉末の平均粒子径との関係を表1に示す。
なお減圧フィルタの形状は、図4において説明した、直径18mm、厚み5.0mmの円柱状で、円柱の片方の端部に、中心部に直径14mm、深さ1.5mmの凹部を設けている。容器蓋底部、すなわちキャパシタに容器蓋を組み込んだ場合に、キャパシタ中心部を向く側には開裂部が設けてあり、キャパシタ内部の圧力が所定の圧力以上に上昇した場合に、圧力を逃すために開裂部が開裂し、キャパシタ内部の気体を外部に流出させる。減圧フィルタの凹部は、この開裂部を正常に作動させるための空間である。
また、容器蓋上部、すなわち容器蓋底部の反対側に設けられた穴は、開裂部を通して流出した気体をキャパシタ外部に出すためのものである。この減圧フィルタを容器蓋内部に装着し、開裂部をあらかじめ開裂させ、開裂部から5リットル/分の空気を流した時の、空気を送り込む圧力を圧力損失として測定した。その測定結果を図5に示す。
図5に示した結果から、酸化アルミニウム粉末の平均粒子径が300μmを超える減圧フィルタ6では、圧力損失の最大値が極端に大きくなり、最小値も低下した。また、150μm以下の減圧フィルタ1、2では最大値が若干大きくなる傾向が認められた。
一方、本発明を適用した場合の151μm〜250μmの減圧フィルタ3、4では安定した圧力損失が得られた。圧力損失が6.5kPaを超える減圧フィルタをリチウムイオンキャパシタ用として用いた場合、減圧フィルタの目詰まりが発生し、キャパシタ内で発生するガスを排出できず、キャパシタの内圧が上昇し、キャパシタの外装材が変形する場合があるので適当ではない。
また一方、圧力損失が2.2kPa未満になると、キャパシタ外部で発生するスパークがキャパシタ内に引火して減圧性能を発揮できなくなることから、酸化アルミニウム粉末の平均粒子径は少なくとも350μm以下の範囲にする必要がある。
次に、これらの表1に示した減圧フィルタを組み込んだ容器蓋を装着したリチウムイオンキャパシタを作製して、90℃雰囲気中で連続過充電試験を行った。なお、充電条件として、100A定電流を連続して印加し、容器蓋の開裂部が作動するまで続け、開裂部の作動後、30秒間電流印加を続けた。この連続過充電試験を行った後に、キャパシタから減圧フィルタを取り出し、通気時の圧力損失を前回と同様の方法で測定した。その測定結果を図6に示す。
図6に示した結果から、酸化アルミニウム粉末の平均粒子径が301μm以上の場合、すなわち減圧フィルタ6の場合には圧力損失値はさらに増大していた。また、酸化アルミニウム粉末の径が150μm以下のもの、すなわち減圧フィルタ1、2では極端な圧力損失値の増大が認められた。
これらの減圧フィルタの状態を観察したところ、いずれも減圧フィルタに電解液が付着するとともに、過充電により極板から脱落した活物質粉が吹き上げられて、減圧フィルタの内面に付着していることが認められた。これらの付着物により、圧力損失が6.5kPaを超えて、さらに極端に増大したと考えられる。また、これらの減圧フィルタを用いたキャパシタの外装材には膨れの発生が見られた。さらに、これらの減圧フィルタ1〜6を用いた連続過充電試験終了後のキャパシタについて再度充電を行い、減圧フィルタ近傍に電気スパークを発生させたところ、最小圧力損失値が2.2kPa以下となる減圧フィルタ5、6についてキャパシタ内への引火が見られた。その他の減圧フィルタ1、2、3および4については、引火は発生しなかった。
(実施例1〜5)
次に、表2に示すような粒子の平均粒子径範囲を有する各材質の粒子を用いて、実施例1に示した条件と同様の条件で、減圧フィルタ7〜21を作製した。
酸化アルミニウム以外の材質の減圧フィルタも、焼結温度と焼結時間以外は酸化アルミニウムと同様に作製した。
焼結温度と焼結時間は、それぞれ、ステンレス(SUS304)が1100〜1150℃で15〜60分間、ポリテトラフルオロエチレンが340〜380℃で1〜30分間、ポリフェニレンサルファイドが290〜330℃で1〜30分間、ポリイミドが400〜460℃で1〜30分間であった。
表2に示した減圧フィルタに関して、実施例1と同様に圧力損失を測定した。
圧力損失は、減圧フィルタ成形後の初期状態と、実施例1と同様に90℃中で100A定電流を連続して印加し、容器蓋の開裂部が作動するまで続け、開裂部の作動後に、30秒間電流印加を続けた状態とを比較して、測定した。これらの測定結果を表3に示す。
表3に示した結果から、本発明を適用した減圧フィルタ(平均粒子径の範囲が151〜250μm)では連続過充電試験の前後で適切な圧力損失値を安定して与えていることがわかる。この連続過充電試験中に、減圧フィルタ近傍で電気スパークを発生させてもキャパシタ内部への引火は見られなかった。
一方、平均粒子径の範囲が251〜350μmの減圧フィルタに関しては、いずれの材質でも、連続過充電前後ともに、圧力損失値の最大値は本発明例よりも高かった。圧力損失値の最小値は連続過充電前後でほとんど変わらず、本発明を適用した減圧フィルタの最小圧力損失値に比較しても低かった。平均粒子径の範囲が251〜350μmの減圧フィルタについても、連続過充電し、開裂弁の開裂後に減圧フィルタ近傍に電気スパークを発生させたところ、キャパシタ内部への引火が認められた。また、平均粒子径の範囲が251〜350μmの減圧フィルタが装着されたキャパシタは、いずれも外装材に膨れが認められた。
平均粒子径の範囲が150μm以下の減圧フィルタを用いたキャパシタについては、いずれも連続過充電後に圧力損失の最大値が極端に増大した。このキャパシタについては、キャパシタの外装材に膨れが認められた。平均粒子径の範囲が151〜350μmの減圧フィルタを用いたキャパシタは、連続過充電し、開裂弁の開裂後に減圧フィルタ近傍に電気スパークを発生させたところ、キャパシタ内部への引火は認められなかった。
表3の結果のうち、特に減圧フィルタ7〜9を用いた連続過充電試験終了後のキャパシタについて再度充電を行い、減圧フィルタ近傍に電気スパークを発生させたところ、最小圧力損失値が2.2kPa以下となった減圧フィルタ9については、キャパシタ内への引火が見られた。その他の減圧フィルタ7、8については、引火は発生しなかった。また最大圧力損失値6.5kPa以上となった減圧フィルタ7、9については、いずれも外装材に膨れが見られた。以上の結果につき、図7に示す。
実施例に共通する結果から、キャパシタ用の減圧フィルタに用いられる酸化アルミニウム粒子、ステンレス粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリフェニレンサルファイド粒子、ポリイミド粒子の平均粒子径は、それぞれ151μm〜250μmの領域である必要があることが確認できた。このような領域にあれば、バラツキの少ない安定した圧力損失値が得られるとともに、長期間使用した場合にも目詰まり等の発生を抑制し、信頼性に優れたリチウムイオンキャパシタを提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば安定した圧力損失を有し、目詰まりすることなくキャパシタ内部の圧力を逃す機能を持つ減圧フィルタを備えた信頼性の高いリチウムイオンキャパシタを提供できる。
本実施形態では、捲回式のリチウムイオンキャパシタを例示したが、本発明は積層式のリチウムイオンキャパシタに適用可能なことは論を待たない。このような形態では、電極群は正負極板がセパレータを介して積層され、電極群の両外側には負極板が配置される。また、本実施形態では、電極群の中心に軸芯を配置した例を示したが、本発明はこれに限らず、軸芯のない電極群を用いたリチウムイオンキャパシタにも適用可能である。
また、本実施形態では、両面に活物質合剤が塗工された極板を例示したが、本発明はこれに限ることなく、片面にのみ活物質合剤が塗工された極板にも適用が可能である。
またさらに、本実施形態では、2枚のセパレータを使用する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。すなわち、1枚のセパレータを折り返して使用すれば2枚のセパレータと同じく使用でき、1枚のセパレータに代えて、薄いセパレータを例えば2枚ないし3枚ずつ重ねて使用することができる。従って、本発明者らは、このような態様も本発明の「2枚のセパレータ」と同じ意味であるかまたは均等のものと考えている。
さらに、本実施形態では、セパレータの捲回開始端を軸芯に粘着することにより固定する例を示したが、本発明はこれに制約されず、例えば、溶着でセパレータの捲回開始端を軸芯に固定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、理解が容易なように、例として種々の数値を挙げて説明したが、特許請求の範囲で定義された数値でない限り、本発明がこれらに制限されるものでないことは云うまでもない。さらに、本実施形態では、リチウムイオンキャパシタを作製するための部材について具体的に例示したが、これらについても、特許請求の範囲で言及のない限り、本発明を制限するものではない。従って、本願出願時点で公知の部材や材料を用いることができる。
例えば、負極活物質には、天然黒鉛、人造黒鉛、MCMB(メゾフェーズカーボンマイクロビーズ)、MCF(メゾフェーズカーボンファイバ)、コークス、VGCF(気相成長炭素繊維)、難黒鉛化炭素、ポリアセチレン系有機半導体、カーボンナノチューブ、これらの混合物、さらにこれらまたはこれらの混合物にホウ素、珪素、窒素などを導入したものを用いることができ、比表面積も例示したものに限られるものではない。また、正極活物質には、材料表面近傍に存在する電気二重層へのリチウムイオンおよび陰イオンの吸脱着を充放電に利用できるものであれば特に制限はなく、代表的な物質としては活性炭が選択される。さらに、正負極活物質の粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に本発明が制限されるものではない。
また、負極活物質の結着材には、エチレンアクリル酸系バインダ、ポリアクリル酸系バインダ、SBR系バインダ、NBR系バインダ、PVDF系バインダ、PVA系バインダおよびこれらの混合物等を用いるようにしてもよく、これらの水分散エマルジョンを用いることもできる。バインダに水分散エマルジョンを用いる場合は、好ましくはカルボキシメチルセルロースやPVA等の、高粘度の分散剤を添加する。
正極活物質の結着材には、エチレンアクリル酸系バインダ、ポリアクリル酸系バインダ、SBR系バインダ、NBRR系バインダ、PVDF系バインダ、PVA系バインダ、PTFE系バインダおよびこれらの混合物等を用いるようにしてもよく、これらの水分散エマルジョンを用いることもできる。バインダに水分散エマルジョンを用いる場合は、好ましくはカルボキシメチルセルロースやPVA等の、高粘度の分散剤を添加する。正極活物質のバインダが水分散バインダであると、キャパシタの特性上特に好ましい。
さらにまた、導電助材には、アセチレンブラックやケッチェンブラック、微粉砕した黒鉛粉末等の導電性炭素粉を用いることもできる。
さらに、非水電解液には、一般的なリチウム塩電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液を使用してもよく、リチウム塩や有機溶媒にも特に制限されるものではない。例えば、電解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiB(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li
、(C2F5SO2)2NLi、(CF3SO2)2NLi等やこれらの混合物を用いることができる。さらにまた、非水電解液の有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ビニルカーボネート、トリフルオロメチルプロピレンカーボネート、1、2−ジメトキシエタン
、1、2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1、3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこれら2種類以上の混合溶媒を用いるようにしてもよい。
さらにまた、セパレータとしては、多孔質基材が用いられ、例えば、クラフト紙等のセルロース系多孔質基材、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等の多孔質フィルム基材や、ガラス繊維からなる多孔質基材を用いることができる。中でもセルロース系多孔質基材、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、特にセルロース系多孔質基材が更に好ましい。また、これらを重ねて用いるようにしてもよい。
本発明は量産性に優れ、予め実施するリチウムイオンの負極への吸蔵が容易なリチウムイオンキャパシタ、そのリチウムイオンキャパシタに使用される負極の製造方法を提供するものであるため、リチウムイオンキャパシタおよび負極の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
2…正極板、3…負極板、4…セパレータ、5…正極集電リング(正極集電部材)、6・・・負極集電リング(負極集電部材)、7…電極群、8…容器、W1…アルミニウム箔(正極集電体)、W3…銅箔(負極集電体)。

Claims (11)

  1. 正極活物質を有する正極板と負極活物質を有する負極板とがセパレータを介して成形された電極群が、非水電解液とともに有底の容器に収納されて、一方には通気口を有し他方には開裂部を有する容器蓋を備えて構成されるリチウムイオンキャパシタであって、前記容器蓋内部に減圧フィルタを備えていることを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
  2. 前記減圧フィルタは、平均粒子径が151〜250μmの範囲内にある粒子が主体となって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. 前記減圧フィルタの圧力損失が2.2〜6.5kPaの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  4. 前記減圧フィルタが通気する気体流量を5リットル/分としたときの前記圧力損失が、2.2〜6.5kPaの範囲内であることを特徴とする請求項3に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  5. 前記減圧フィルタは、酸化アルミニウム粒子が主体となって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  6. 前記減圧フィルタは、ステンレス粒子が主体となって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  7. 前記減圧フィルタは、ポリテトラフルオロエチレン粒子が主体となって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  8. 前記減圧フィルタは、ポリフェニレンサルファイド樹脂粒子が主体となって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  9. 前記減圧フィルタは、ポリイミド樹脂粒子が主体となって構成されていることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  10. 前記減圧フィルタの断面が屈曲した狭隙を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  11. 前記減圧フィルタが150℃以上の耐熱性を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
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