JP2015189985A - 成膜装置、成膜方法、制御信号の生成方法、および制御信号の生成装置 - Google Patents

成膜装置、成膜方法、制御信号の生成方法、および制御信号の生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマエミッションモニター法による反応性ガスの導入量の制御に用いられる信頼性の高い信号を高い頻度で得る。
【解決手段】成膜装置は、ターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを繰り返し測定する測定部と、第1期間における実測に基づく測定結果に基づいてプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含むように予め取得された第1信号を記憶する記憶部と、最新の測定時点を終期とする第2期間における測定結果に基づいて当該波形を含む第2信号を取得する取得処理を繰り返す取得部と、第1信号と第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号を生成する比較演算部と、差信号に基づいて真空チャンバー内への反応性ガスの導入量を制御する導入量制御部と、を備え、取得部は、各取得処理において、前回の取得処理で取得された第2信号にも基づいて第2信号を取得する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スパッタリングによる成膜技術に関する。
反応性スパッタリングにおける反応性ガスの導入量の制御方法として、プラズマ中における反応性ガスやターゲット材料の元素の発光強度を測定(モニター)し、測定結果に基づいて反応性ガスの導入量を制御する方法が知られている。このような制御方法は、PEM(プラズマエミッションモニタリング)法、あるいはPEM制御とも称される。
マグネトロンスパッタリング装置として、成膜時にターゲットを均一に消耗させるために、ターゲット背面に設けられた磁石を回転または揺動させる成膜装置が知られている。このような成膜装置として、特許文献1には、プラズマ中における反応性ガスの発光強度に基づいて処理容器内への外気リークの有無を判定し、外気リークが検出された場合には反応性マグネトロンスパッタリングによる成膜処理を中止するスパッタリング装置が開示されている。反応性ガスの発光強度は、外気リークに起因して変動するだけでなく、ターゲット背面に設けられた磁石の回転位置によっても変動する。そこで、特許文献1の装置は、磁石が一定の回転位置に位置するときにプラズマ発光強度を測定することによって、発光強度の測定値の信頼性を高めている。
特許第2972678号公報
磁石を周期的に移動させる反応性マグネトロンスパッタリングにおいてPEM法によって反応性ガスの導入量を制御する場合に、磁石の移動による周期的な発光強度の変動の影響を抑制する手法として、特許文献1のスパッタリング装置のように、磁石が一定の回転位置に位置するときに発光強度を測定する手法が考えられる。磁石の回転周期は、通常、3秒〜15秒という長い周期である。このため、この手法によれば、反応性ガスの導入量制御に用いられる発光強度の測定間隔が長くなって、例えば、ターゲット表面の酸化が急激に進む成膜プロセスなどにおいては、膜質を安定化させることが困難であるといった問題がある。
そして、これは、磁石の移動によってプラズマの発光強度が周期的に変動する反応性マグネトロンスパッタに限らず、真空チャンバー内のプラズマの発光強度が周期的に変動する反応性スパッタリング一般に生じる問題である。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、PEM法により反応性ガスの導入量を制御する反応性スパッタリングによる成膜技術において、プラズマの発光強度の周期的に変動する場合においても、信頼性の高い制御用の信号を高い頻度で得ることができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の態様に係る成膜装置は、プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置であって、前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部と、第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含むように予め取得された第1信号を記憶する記憶部と、前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す取得部と、前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号を生成する比較演算部と、前記差信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御する導入量制御部と、を備え、前記取得部は、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行う。
第2の態様に係る成膜装置は、第1の態様に係る成膜装置であって、マグネトロンスパッタ用磁石と、前記マグネトロンスパッタ用磁石を前記ターゲットに対して周期的に移動させる移動部と、をさらに備え、前記マグネトロンスパッタ用磁石が前記移動部によって周期的に移動されることにより、前記真空チャンバー内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する。
第3の態様に係る成膜装置は、第1または第2の態様に係る成膜装置であって、それぞれ成膜対象の基板を保持する複数のキャリアと、前記複数のキャリアを前記ターゲットに対向する所定の搬送経路に沿って直列に配列して搬送する搬送部と、をさらに備え、前記搬送部は、配列された前記複数のキャリアの互いに対向する各対の端部が、前記所定の搬送経路のうち前記ターゲットに対向する部分を所定の時間間隔で順次に通過するように前記複数のキャリアを搬送し、前記複数のキャリアが前記搬送部によって搬送されることにより、前記真空チャンバー内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する。
第4の態様に係る成膜装置は、第1から第3の何れか1つの態様に係る成膜装置であって、前記差信号、ならびに前記差信号からそれぞれ抽出される低周波信号、交流信号、および直流信号の少なくとも1つの信号から派生する派生差信号を、前記差信号に基づいて取得する信号処理部をさらに備え、前記導入量制御部は、前記派生差信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御する。
第5の態様に係る成膜方法は、プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置による成膜方法であって、前記成膜装置は、前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部、を備え、当該成膜方法は、第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含む第1信号を取得する第1ステップと、前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す第2ステップと、前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号を生成する第3ステップと、前記差信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御する第4ステップと、を備え、前記第2ステップは、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行うステップである。
第6の態様に係る成膜方法は、第5の態様に係る成膜方法であって、前記第3ステップの後であって、前記第4ステップの前に、前記差信号、または前記差信号からそれぞれ抽出される低周波信号、交流信号、若しくは直流信号を前記差信号に基づいて取得する信号処理ステップをさらに備え、前記第4ステップは、前記信号処理ステップにおいて取得された信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御するステップである。
第7の態様に係る制御信号の生成装置は、プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置の制御信号の生成装置であって、前記成膜装置は、前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部、を備え、当該制御信号の生成装置は、第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含むように予め取得された第1信号を記憶する記憶部と、前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す取得部と、前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差で表現される制御信号を生成する比較演算部と、を備え、前記取得部は、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行う。
第8の態様に係る制御信号の生成方法は、プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置の制御信号の生成方法であって、前記成膜装置は、前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部、を備え、当該制御信号の生成方法は、第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含む第1信号を取得する第1ステップと、前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す第2ステップと、前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士を特定するとともに、特定した信号部分同士の差で表現される制御信号を生成する第3ステップと、を備え、前記第2ステップは、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行うステップである。
第1の態様に係る発明によれば、第2信号は、最新の測定時点を終期とする第2期間のターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果と、前回の第2信号取得処理で取得された第2信号とに基づいて取得される。これにより、第2信号を高い頻度で取得できる。そして、予め取得された第1信号と、第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号が生成され、差信号に基づいて真空チャンバー内への反応性ガスの導入量が制御される。これにより、第1、第2信号に含まれているプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形の差信号への残存を抑制できる。従って、信頼性の高い制御信号としての差信号を高い頻度で得ることができる。
実施形態に係るスパッタリング装置の要部の概略構成を例示する図である。 図1の高周波アンテナ80の例を示す側面図である。 図1の制御部の概略構成の例を示すブロック図である。 第1信号と第2信号の例を示す模式図である。 図4の第1信号の変形例を示す模式図である。 第1信号と第2信号の他の例を示す模式図である。 反応性ガスの発光スペクトルと、制御部が生成する差信号との変動の一例をグラフ形式で示す図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 制御部の概略構成の他の例を示すブロック図である。 反応性ガスの発光スペクトルと、制御部が生成する差信号との変動の他の例をグラフ形式で示す図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 相関分析の一致度と、ローパスフィルターのカットオフ周波数と、ローパスフィルターで処理された帰還信号との関係の一例を示す模式図である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 制御部の概略構成の他の例を示すブロック図である。 反応性ガスの発光スペクトルと、制御部が生成する差信号との変動のさらに他の例をグラフ形式で示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図面では同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付され、下記説明では重複説明が省略される。また、各図面は模式的に示されたものである。また、一部の図面には、方向を説明するためにXYZ直交座標軸が附されている。該座標軸におけるZ軸の方向は、鉛直線の方向を示し、XY平面は水平面である。
<1.スパッタリング装置の構成>
図1は、実施形態に係るスパッタリング装置(「成膜装置」)10の要部の概略構成を例示する図である。図2は、高周波アンテナ80の例を示す側面図である。以下に、図1、図2を参照しつつ、スパッタリング装置10の構成について説明する。
スパッタリング装置10は、板状の単金属のアルミニウムなどのターゲット60をイオンによりスパッタし、基板74の表面に所定の薄膜を形成するためのものである。
スパッタリング装置10は、真空ポンプ(図示せず)により内部を真空にすることが可能なチャンバー(「真空容器」)11と、真空排気されたチャンバー11内にプラズマ生成ガスを導入するスパッタガス導入部19および反応性ガス導入部21と、チャンバー11内に設けられ、ターゲット60を保持するターゲット保持部24と、成膜対象の複数の基板74(より詳細には、基板74がそれぞれ保持する複数のキャリア75)を所定の搬送経路に沿って搬送方向X1に搬送する搬送部77と、基板74の上方に設けられたステージ15と、スパッタ用電源162とを備える。
また、スパッタリング装置10は、コンピュータ、あるいはハードウェア回路等を備えてスパッタリング装置10の各部の動作を統括制御する制御部200と、酸素などの反応性ガスをチャンバー11内に向けて供給する反応性ガス供給部190と、反応性ガス供給部190の配管経路中に設けられた流量コントローラ193と、光ファイバーのプローブに入射する光の分光強度を測定可能な分光器(「測定部」)111とをさらに備える。制御部200は、スパッタリング装置10の各部と電気的に接続されている。
搬送部77は、ターゲット保持部24に保持されたターゲット60の表面(+Z側の面)と、複数の基板74の表面(−Z側の面)とが所定の距離を隔てて対向するように、板状の複数のキャリア75を支持し、各キャリア75をターゲット60に対向する搬送経路に沿って直列に配列して搬送する。搬送部77は、それぞれ自転可能な複数のローラを備えて構成されている。キャリア75の下面のうち、側面視において基板74の搬送方向X1と直交する方向(Y方向)の両端部分は、基板74が配置されていない部分である。搬送部77が備える複数のローラは、当該両端部分を下方から支持している。各ローラが所定の回転方向に自転することにより、複数のキャリア75(複数の基板74)は、搬送経路に沿って搬送方向X1に搬送される。
より詳細には、搬送部77は、搬送経路に沿って配列された複数のキャリア75の互いに対向する各対の端部76が、搬送経路のうちターゲット60に対向する部分を所定の時間間隔で順次に通過するように複数のキャリア75を搬送する。これにより、チャンバー11内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する。
基板74の直下(−Z側の直ぐ近傍)には、開閉可能な図示省略の成膜シャッターが少なくとも基板74の全域に亙って設けられている。また、スパッタ用電源162は、ベース板(「カソード」)14に、負電圧の直流のスパッタ電圧(「カソード印加電圧」、「バイアス電圧」)または、負電圧と正電圧とからなるパルス状のスパッタ電圧(「パルス直流電圧」)、若しくは交流のスパッタ電圧を印加することにより、ターゲット60と、ステージ15の下面側に保持された基板74との間にマグネトロンプラズマ用の電界を生成する。スパッタ用電源162は、好ましくは、電圧一定モードで駆動される。また、ステージ15は、図示省略のヒーターもしくは冷却機構を備え、基板74の温度を制御する。
また、スパッタリング装置10は、チャンバー11内に導入されたプラズマ生成ガス(スパッタガスおよび反応性ガス)の高周波誘導結合プラズマを発生させるプラズマ発生部90をさらに備える。ステージ15は、チャンバー11の上部の内壁に、取り付け部材を介して設けられている。
また、プラズマ発生部90は、ターゲット60の側面に接触することなく当該側面に沿って配置された線状の高周波アンテナ(「プラズマ源」)80を備える。高周波アンテナ80は、金属製パイプ状導体から構成される。そして、プラズマ発生部90は、高周波アンテナ80によって、スパッタガスと反応性ガスとのそれぞれの高周波誘導結合プラズマを発生させる。また、石英やセラミックスなどの誘電体製の保護パイプによって、導体はプラズマ、スパッタガス、および反応性ガスには直接接触しないようになっている。
そして、スパッタリング装置10は、後述するマグネトロンスパッタ用磁石12が形成する静磁場によってターゲット60の表面部分に発生するプラズマ生成ガスのマグネトロンプラズマと、プラズマ発生部90が発生させたプラズマ生成ガスの高周波誘導結合プラズマとの混合プラズマによるターゲット60のスパッタリングによって基板74上の二次元領域に成膜を行う。
チャンバー11の側面には、開閉可能なゲート351、352が設けられている。ゲート351、352は、開状態と閉状態との間で切り替え可能となっている。また、ゲート351、352は、不図示のロードロックチャンバー、若しくはアンロードロックチャンバーなどの他のチャンバーの開口部が気密を保った形態で接続可能に構成されている。成膜対象の基板74はキャリア75に保持された状態で、ゲート351からチャンバー11内に搬入されて、スパッタリングによる成膜を施され、ゲート352からチャンバー11の外部に搬出される。基板74を保持するキャリア75がゲート351(352)からチャンバー11内に搬入(チャンバー11から搬出)されるときには、ロードロックチャンバー(アンロードロックチャンバー)は、真空状態に保持される。外部からロードロックチャンバーに基板74が搬入されるときには、ゲート351は閉じられ、アンロードロックチャンバーから基板74が外部に搬出されるときには、ゲート352が閉じられる。基板74が成膜されるときには、ゲート351、352が閉鎖されてチャンバー11内の気密が保たれる。成膜処理が開始される前にチャンバー11内の気密が保たれた状態で、不図示の真空ポンプによってチャンバー11の内部空間である処理室113が真空排気される。
そして、ゲート351、352が閉じられて処理室113が真空排気された状態で管状のスパッタガス導入部19のガス導入口20からスパッタガスがチャンバー11内に導入されるとともに、管状の反応性ガス導入部21から反応性ガスがチャンバー11内に導入されることにより、処理室113は、一定圧力下、一定のガス分圧下に維持される。ガス導入口20は、例えば、高周波アンテナ80とターゲット60との間の部分などに形成される。プラズマ発生部90が複数の高周波アンテナ80を備える場合には、ガス導入口20は、例えば、各高周波アンテナ80に対応する位置にそれぞれ設けられる。
スパッタガスとしては、例えば、不活性ガスであるアルゴン(Ar)ガスまたはキセノン(Xe)ガスなどが用いられ、反応性ガスとしては、例えば、酸素(O)、窒素(N)などが用いられる。また、反応性ガス導入部21は、配管を介して流量コントローラ193と接続され、流量コントローラ193は、貯留した反応性ガスを供給する反応性ガス供給部190と配管を介して接続されている。スパッタガス導入部19は、配管を介して流量コントローラ192と接続され、流量コントローラ192は、貯留したスパッタガスをチャンバー11内に供給するスパッタガス供給部191と配管を介して接続されている。また、チャンバー11の側壁には、チャンバー11内を密閉するとともにチャンバー11内のプラズマ発光を透過可能な窓部17が設けられており、窓部の近傍にはプラズマ発光が入射可能なように分光器111のプローブ112が設けられている。
分光器111は窓部17を介してプローブ112に入射するチャンバー11内のプラズマの発光を分光して、反応性ガスおよびターゲット材料(粒子)の少なくとも一方のプラズマ発光の輝線の波長を有する光の強度(スペクトル)を繰り返し検出可能に構成されている。分光器111は、検出した発光スペクトルをA/D変換して、制御部200に供給する。すなわち、分光器111は、プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを、繰り返し測定(「サンプリング」)し、測定結果を制御部200に供給する。なお、ターゲットがアルミニウムである場合において、スパッタされたアルミニウムの発光スペクトルを測定する場合には、分光器111は、396nmの波長の光を測定する。また、酸素の発光スペクトルを測定する場合には、777.19nmの波長の光が測定される。
分光器111が行う測定の測定間隔は、プラズマの発光スペクトルの変動周期(発光スペクトルが複数の変動周期で同時並行的に変動する場合には、最短の変動周期)よりも短い時間間隔に設定されている。より詳細には、当該測定間隔は、発光スペクトルの変動波形を再現可能な時間間隔である。具体的には、分光器111は、例えば、発光スペクトル信号の最大周波数の2倍以上のサンプリング周波数で測定を行う。また、マグネトロンスパッタ用磁石12の周期的な揺動などの既知の原因に起因するプラズマの発光スペクトルの変動は、原因となっている現象の周期が反映され、同一周期で繰り返し再現する。
制御部200は、分光器111が測定したチャンバー11内のプラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルに基づいて、プラズマエミッションモニター(PEM)法により流量コントローラ193を制御する。これにより、反応性ガス供給部190からチャンバー11内に供給される反応性ガスの導入量が制御される。当該制御については後述する。
チャンバー11の底部には、開口が設けられると共に、その開口を下側から塞ぐように、前述のベース板14及びマグネトロンスパッタ用磁石(永久磁石)12(併せてマグネトロンカソードという)、並びに高周波アンテナ80を収容するためのターゲット・アンテナ配置部18が取り付けられている。ターゲット・アンテナ配置部18とチャンバー11の底部との接続部はシール材により気密性が確保されている。従って、ターゲット・アンテナ配置部18の壁はチャンバー11の壁の一部としての役割を有する。ターゲット・アンテナ配置部18には、ステージ15の直下の位置にターゲット配置ブロック(ターゲット配置部)181が設けられている。それと共に、ターゲット・アンテナ配置部18の壁内(即ちチャンバー11の壁内)であってターゲット配置ブロック181の側方に、ターゲット配置ブロック181を挟むように1対のアンテナ固定ブロック182が設けられている。マグネトロンカソードは、ターゲット60の表面近傍に静磁場を形成する。
ターゲット配置ブロック181の上部にはチャンバー11の処理室113がある。ターゲット配置ブロック181内にはマグネトロンスパッタ用磁石12と、マグネトロンスパッタ用磁石12を支持し、マグネトロンスパッタ用磁石12をターゲット60に対して周期的に搬送方向X2に移動させる移動部13が載置されている。より詳細には、移動部13は、マグネトロンスパッタ用磁石12を搬送方向X2に沿って周期的に揺動させる。マグネトロンスパッタ用磁石12の上面にはベース板14が設けられるとともに、ベース板14に対向するステージ15がチャンバー11の上側内壁に設けられる。ステージ15は、アースされている。なお、ステージ15は、アースされていないフローティング状態でも良い。マグネトロンスパッタ用磁石12の上下方向の位置は、その上面に設けられたベース板14に載置されるターゲット60の上面がターゲット・アンテナ配置部18の上端付近(上端と同じ位置である必要はない)に配置されるように調整されている。また、ターゲット60は、ベース板14と、ターゲット保持部24とによってベース板14の上面(+Z側の面)に保持されている。このようにマグネトロンスパッタ用磁石12及びベース板14(併せて、マグネトロンカソード)が設けられることにより、ターゲット60はチャンバー11の処理室113と面した空間内に配置される。
マグネトロンスパッタ用磁石12は、ターゲット保持部24に保持されたターゲット60の表面を含む領域に静磁場(マグネトロン磁場)を形成して、ターゲット60の表面部分にプラズマを形成できるようにする。ターゲット60の表面部分におけるプラズマの広がり方は、チャンバー11に導入されたプラズマ生成ガスの分圧や、マグネトロンスパッタ用磁石12が発生させるマグネトロン磁場やターゲットに与える電圧の強度などによって変動する。また、マグネトロンスパッタ用磁石12が移動部13によって周期的に移動されることにより、チャンバー11内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する。
また、ターゲット配置ブロック181上端とチャンバー11の処理室113との境界には、ターゲット配置ブロック181の側壁から内側に向かって延び、ターゲット60の縁付近(縁を含む部分)に対して一定の距離を保つようにアノード189が設けられている。
アンテナ固定ブロック182内には高周波アンテナ80が挿入されている。また、スパッタリング装置10は、高周波アンテナ80に高周波電力を供給する高周波電源161を備えている。高周波電源161は整合回路163を介して高周波アンテナ80に接続されている。
高周波アンテナ80は、マグネトロンカソードスパッタによるプラズマ発生を支援するためのもので、例えば、図2に示されるように、金属製のパイプ状導体をU字形に曲げたものであり、2つのアンテナ固定ブロック182内に1個ずつ、「U」の字を上下逆向きにした状態で立設されている。なお、高周波アンテナ80の配置態様は、種々に変更可能である。高周波アンテナ80の形状として、例えば、円弧状の形状が採用されても良い。また、高周波アンテナ80の巻数は、一周未満である。定在波の発生を防止するために、高周波アンテナ80の長さは、好ましくは、高周波電源161が供給する電力の波長の1/4以下の長さに設定される。高周波アンテナの一端から高周波電力が供給され、他端は接地される。これにより誘導結合プラズマが生成される。このような高周波アンテナ80が採用されれば、コイル状(渦巻き状)のアンテナを用いて誘導結合プラズマを発生させる手法に比べて、アンテナのインダクタンスが低いためにアンテナの電圧を下げられるので、プラズマダメージを抑制できる。また、アンテナ長を、高周波の波長の1/4以下に短くすることで、定在波の影響によるプラズマのむらに起因したスパッタむら(不均一さ)を抑制することが出来る。また、アンテナをチャンバー内に収容できるのでプラズマ生成効率を向上できる。さらに、成膜対象の基板サイズに応じて、高周波アンテナ80の個数を増加させるとともに、ターゲットのサイズを大きくすることにより基板サイズが大きい場合でも、スパッタリング速度の向上を図ることが出来る。
U字形の高周波アンテナは巻数が1周未満の誘導結合アンテナに相当し、巻数が1周以上の誘導結合アンテナよりもインダクタンスが低いため、高周波アンテナの両端に発生する高周波電圧が低減され、生成するプラズマへの容量結合に伴うプラズマ電位の高周波揺動が抑制される。このため、対地電位へのプラズマ電位揺動に伴う過剰な電子損失が低減され、プラズマ電位が低減される。これにより、基板上での低イオンダメージの薄膜形成プロセスが可能となる。高周波アンテナ80を構成する金属製パイプ状導体は、スパッタリング装置10の使用時に水などの冷媒151をその内部に通過させることにより高周波アンテナ80を冷却する機能を有する。高周波アンテナ80の高さ方向の位置は、ターゲット60の表面近傍のプラズマ密度がより高くなるように、「U」の字の底部がターゲット60の上面が同程度の高さよりも数センチ程度高くなるように調整されている。なお、ターゲット60およびベース板14なども非常に高温になるため、好ましくは、高周波アンテナ80と同様に、冷媒151によって冷却される。
高周波アンテナ80の上端側の一部は、アンテナ固定ブロック182を貫通して、チャンバー11の内部側に突設されている。高周波アンテナ80の該突設部分は、石英などからなる誘電体の保護パイプ411により覆われている。
なお、マグネトロンスパッタ用磁石12によるターゲット60表面の水平磁束密度の最大値は、20乃至50mT(ミリテスラ)で、高周波誘導結合アンテナの支援がない場合の磁束密度(60乃至100mT)よりも低い磁束密度でも十分なプラズマを生成するこができる。なお、高周波誘導結合アンテナによるプラズマ発生の支援がされないとしても本発明の有用性を損なうものではない。また、高周波誘導結合アンテナによるプラズマ発生の支援がされる場合に於いて、巻数が一周以上の高周波誘導結合アンテナが使用されてもよい。また、高周波誘導結合アンテナがチャンバー11内ではなく外部に設けられてもよい。また、図1に示されるスパッタリング装置10の構成例では、ターゲット60、マグネトロンカソード、および高周波アンテナ80に対して基板74(キャリア75)が上方に設けられているが、下方に設けられた構成が採用されてもよい。
ステージ15は、ステージ15の下面に設けられた図示省略の爪状部材などによって基板74を保持することが出来る。キャリア75は、板状のトレーなどによって構成されており、基板74を着脱可能に保持する。基板74は、例えば、シリコンウエハなどにより構成される。
上記のように構成されたスパッタリング装置10は、チャンバー11に、スパッタガスを導入するとともに、PEM法によって導入量を制御しつつ反応性ガスを導入してターゲット60をスパッタし、当該ターゲット60に対向する基板74上にターゲットの材料と反応性ガスとの化合物を成膜する。
<2.制御部の構成>
図3は、図1の制御部200の構成のうち反応性ガスの導入量制御に関する構成の概要を示すブロック図である。制御部200は、メモリ(「記憶部」)31と、相関分析回路32と、演算回路33と、PIDコントローラ(「導入量制御部」)34とを備えて、反応性ガスの導入量を制御する。
メモリ31は、PEM法による反応性ガスの導入量制御に先立って、予め取得された第1信号(「基準波形信号」)41を記憶している。分光器111が測定した測定結果は、メモリ31に第1信号41として記憶できるようになっている。メモリ31は、外部から第1信号41を取り込む不図示のポートも備えている。
第1信号41は、スパッタリング装置10の成膜処理中の第1期間に分光器111が繰り返し測定するターゲット60の材料および反応性ガスの発光スペクトルの少なくとも一方の測定結果に基づいて予め取得された波形信号である。第1信号41は、分光器111が実際に測定を行うことによって得られた発光スペクトルの測定結果に基づいて取得されてもよいし、スパッタリング装置10の成膜プロセスのモデルに基づくシミュレーションによって得られた測定結果に基づいて取得されてもよい。すなわち、第1信号41は、分光器111による実測に基づくターゲット60の材料および反応性ガスの発光スペクトルの少なくとも一方の測定結果に基づいて取得された波形信号である。
第1期間は、スパッタリング装置10が、例えば、良質の膜を、所望の成膜レートで成膜している状態であるなど、スパッタリング装置10によって所望の成膜状態で成膜が行われている期間中における期間である。所望の成膜状態で成膜が行われているか否かは、例えば、スパッタリング装置10の操作者が、成膜状態を実際に確認することなどによって判断される。なお、第1期間の長さと、後述する第2期間の長さとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1期間が、例えば、発光スペクトルの波形を基に設定されてもよい。例えば、第1期間として、スパッタリング装置10が成膜処理を開始した時点からの一定期間などが採用されてもよい。
第1期間における発光スペクトルの測定結果(波形信号)には、移動部13によるマグネトロンスパッタ用磁石12の移動、および搬送部77によるキャリア75の移動に固有なチャンバー11内のプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形が含まれている。第1信号41は、第1期間における分光器111による測定結果がそのまま取得された信号であってもよいし、この測定結果に含まれる当該変動の波形を保存可能な信号処理がこの測定結果に施された信号であってもよい。この信号処理としては、例えば、ターゲット60の材料の発光スペクトルの測定結果と、反応性ガスの発光スペクトルの測定結果との、双方間での割算、引き算の結果を出力する処理などが採用される。なお、ターゲット60の材料と反応性ガスとのそれぞれの発光スペクトルは、通常、互いに振幅が異なるため、両者の変動周期が同じ場合において、両者の測定結果間で減算がされる場合でも、含まれている固有の変動の波形は残存する。このように、第1信号41は、移動部13によるマグネトロンスパッタ用磁石12の移動、および搬送部77によるキャリア75の移動に固有なチャンバー11内のプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含む信号である。
相関分析回路32と、演算回路33とは、それぞれ、第2信号(「プロセス波形信号」)42を取得する第2信号取得処理を繰り返す取得部37としても動作する。取得部37による第2信号42の取得は、分光器111による発光スペクトルの測定と並行して行われる。第2信号42は、第2期間におけるターゲット60の材料および反応性ガス少なくとも一方の発光スペクトルの分光器111による測定結果に基づいて取得される波形信号である。
第2期間は、スパッタリング装置10によって成膜が行われている期間中に分光器111が行う最新の測定時点を終期とする期間である。第2期間の長さは、制御部200が備えるメモリなどに記憶されている。第2信号取得処理が繰り返される過程で、分光器111による最新の測定値が入力されると、第2期間はこの最新の測定値を含む期間に更新される。
第2期間における発光スペクトルの測定結果(波形信号)には、第1期間における測定結果と同様に、移動部13によるマグネトロンスパッタ用磁石12の移動、および搬送部77によるキャリア75の移動に固有なチャンバー11内のプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形が含まれている。第1期間における分光器111による測定結果に対して、当該測定結果に含まれる変動波形を保持可能なように信号処理が施されることによって第1信号が取得される。同様に、第2期間における測定結果に対しても当該信号処理を施すことによって第2信号が取得される。当該信号処理は、測定結果に含まれる変動波形のうち少なくとも移動部13によるマグネトロンスパッタ用磁石12の移動、および搬送部77によるキャリア75の移動に固有な変動波形を保持可能な信号処理である。従って、第2信号42も、第1信号41と同様に、当該変動波形成分を含んでいる。
取得部37は、第2信号取得処理を繰り返し行う過程で、現在の第2信号取得処理において取得される第2信号42を、前回の第2信号取得処理で取得した第2信号にも基づいて取得する。すなわち、前回の第2信号取得処理で取得された第2信号は、現在の第2信号取得処理まで保持されてその一部は、現在の第2信号取得処理の第2期間において新たに測定された測定結果とともに、現在の第2信号取得処理についての第2信号42の取得に用いられる。これにより、第2信号42を高い頻度で取得できる。具体的には、例えば、発光スペクトルに含まれるマグネトロンスパッタ用磁石12等の移動に固有な波形の変動周期よりも短い時間間隔で、第2信号42を繰り返し取得することが可能となる。
なお、相関分析回路32、演算回路33が取得部37として動作することなく、別途、取得部37が設けられてもよい。すなわち、分光器111から相関分析回路32、演算回路33に測定結果が供給される経路途中に、別の取得部37が設けられてもよい。当該取得部37として、分光器111によるスペクトルの時間順次の各測定結果を逐次記憶していくメモリ、或はシフトレジスタなどが採用される。また、第2期間における測定結果に対して、測定結果に含まれるプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を保持可能な信号処理が施されて第2信号42が取得される場合には、分光器111による測定と並行して当該信号処理を行う演算回路と、その演算結果を逐次記憶していくメモリ若しくはシフトレジスタなどとの組み合わせなどが取得部37として採用される。当該メモリ等は、メモリ31と異なる記憶媒体であっても良いし、メモリ31における第1信号41の記憶場所とは異なる記憶場所によって実現されてもよい。
相関分析回路32は、メモリ31から読み出した第1信号41と、取得部37として生成した第2信号42の相関演算を行って、第1信号41と第2信号42との位相差を表現する位相差情報43を求める。相関分析回路32は、取得部37としての相関分析回路32が順次に生成する各第2信号42に対して、位相差情報43を求める。すなわち、相関分析回路32は、位相差情報43を繰り返し求める。相関分析回路32が行う相関演算の手法としては、例えば、公知のSAD(Sum of Absolute Difference)法や、NCC(Normalized Cross Correlation)法などが採用される。各位相差情報43は、演算回路33に順次供給される。
相関分析回路からの最大の相関係数が所定値よりも高い場合、すなわち、第1信号41と第2信号42の相関が高いと判定された場合には、演算回路33は、位相差情報43に基づいて、取得部37として取得した第2信号42と、第1信号41との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士を特定し、特定した信号部分同士の差を表現する差信号(「制御信号」、「偏差信号」とも称される)44を生成する。第1信号41と第2信号42の相関が高い場合には、演算回路33は、相関分析回路32から順次に供給される各位相差情報43に対して差信号44を順次に生成する。すなわち、演算回路33は、差信号44を繰り返し生成する。差信号44は、第1信号41が得られたときのプロセス状態に対する第2信号42が得られたときにプロセス状態の変動を表わす波形信号である。差信号44は、第1信号41と第2信号42とのうち互いに波形が対応する信号部分同士の差を表現する信号であるため、差信号44に含まれるプラズマの発光スペクトルの周期的な変動成分が抑制されている。
このように、相関分析回路32および演算回路33は、第1信号41と第2信号42とを比較して第1信号41と第2信号42との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号を生成する処理を繰り返す比較演算部38として動作する。より厳密には、差信号44は、特定された信号部分同士のうち第2信号42に含まれる信号部分から第1信号41に含まれる信号部分を引いた信号である。生成された差信号44は、PIDコントローラ34に供給される。
なお、演算回路33が、差信号44を得る際に、第1信号41、第2信号42を正規化してしまうと、生成される差信号44に含まれる成膜プロセスの変動による信号が正確ではなくなる。このため、演算回路33は、第1信号41、第2信号42を正規化することなく差信号44を生成する。一方、相関分析回路32は、位相差情報43を得るので、第1信号41、第2信号42をそれぞれ正規化した信号に基づいて位相差情報43を生成してもよい。
図4は、第1信号41と第2信号42との例を示す模式図である。図5は、図4に示される第1信号41の変形例を示す模式図である。図6は、第1信号と第2信号の他の例として、第1信号41a、第2信号42aを示す模式図である。図4〜図6において、横軸時間軸である。縦軸は、発光強度(発光スペクトル)である。
図4に示される第1信号41に関する第1期間W1は、発光スペクトルの変動周期Tに等しく、第2信号42に関する第2期間W2は、変動周期Tよりも十分に長く設定されている。第2期間W2は、分光器111による最新の測定時点t1を終期とする期間である。図4の例では、相関分析回路32は、第2信号42を基準に、第1信号41を第2信号42側に移動させて、互いに対応する信号部分同士を特定している。第1信号41が第1信号41Vにずらされたときに、相互の相関係数が所定の基準値よりも高くなっている。第1信号41と第2信号42との位相差が相関分析回路32により求められた後には、演算回路33は、第1信号と第2信号との差信号を生成する際に、当該位相差に基づいて第1信号41を第1信号41Vにずらし、第2信号42と第1信号41Vとの差信号を生成する。この場合に、演算回路33は、図5に示されるように、ずらされた第1信号41Vのうち最新の測定時点t1に対応する点P1よりも後の時間の部分を、第1信号41Vの最も古い時間側の点P0に接続することによって、第1信号41Vと第2信号42との対応部分同士を長くしてもよい。
図6の例では、第1信号41aの第1期間W1は、変動周期Tの2倍の期間である。一方、第2信号42aの第2期間W2は、最新の測定時点t1aを終期とする期間であり、その長さは、おおよそ変動終期Tと等しい。図6の例では、相関分析回路32は、第1信号41aを基準として、第2信号42aをずらすことにより位相差を求めている。図6の例では、第2信号42aが第2信号42aVにずらされたときに、第1信号41aと第2信号42aVとの相関係数が基準値以上に高くなっている。図4〜図6に示されるように、第1期間W1、第2期間W2は、何れも変動周期T以上に設定されることが好ましいが、第2期間W2については変動周期T未満であってもよい。また、第1期間W1と第2期間W2とは、同じ長さの期間である必要は無く、何れの期間の方がより長くてもよい。また、第1期間W1は、変動周期Tの整数倍に設定されることが好ましいが、整数倍に設定されなくてもよい。
また、相関分析回路32が行う相関演算の手法として、SAD法のように、波形信号同士のずれ量を徐々に変化させて、最も相関の高い信号部分同士を探索する手法が採用される場合には、対応する波形部分の探索を開始する際の初期ずれ量(初期位相差)として、前回の第2信号取得処理で取得された第2信号の第1信号41に対するずれ量を採用することが出来る。これにより、探索時間(演算時間)を短縮できる。
上述したメモリ31、相関分析回路32、および演算回路33は、PIDコントローラ34に供給される差信号(制御信号)44を生成する制御信号生成部210である。
図3に戻って、PIDコントローラ34は、演算回路33から供給される差信号44に応じた流量コントローラ193の制御信号45を生成して流量コントローラ193に供給することにより、チャンバー11内への反応性ガスの導入量を制御する。PIDコントローラ34は、当該制御を、演算回路33から順次に供給される各差信号44に対して、繰り返し行う。例えば、第1信号および第2信号として、酸素などの反応性ガスの発光スペクトルを用いる場合には、PIDコントローラ34では、第2信号が第1信号より大きい場合には、反応性ガスの供給量を絞り、逆に、第2信号が第1信号よりも小さい場合には、反応性ガスの供給量を増やして、反応性ガスの供給量が適切となるように制御する。PIDコントローラ34による制御内容は、第1信号、第2信号として用いられる発光スペクトルの種類に応じて予め適宜設定されている。
上述したように、スパッタリング装置10では、第2信号42と、予め取得された第1信号41との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号44が生成され、差信号44に基づいてチャンバー11内への反応性ガスの導入量が制御される。これにより、第1信号41、第2信号42に含まれているプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形の差信号44への残存を抑制できる。また、差信号44は、高い頻度で繰り返し取得される第2信号42によって、高い頻度で生成される。従って、スパッタリング装置10(制御部200)によれば、PEM法による反応性ガスの導入量を制御するための信頼性の高い制御信号としての差信号44を、高い頻度で得ることができる。
制御部200においては、制御信号生成部210の各構成要素は、ハードウェア回路によって実現されているが、制御信号生成部210の少なくとも一部が、記憶装置、CPUなどを備えたコンピューターでプログラムを実行することによって実現されてもよい。
図7は、反応性マグネトロンスパッタリングにおける、反応性ガスの発光スペクトルの時間的な変動の一例と、制御部200によって生成される差信号44の時間的な変動の一例をグラフ形式でそれぞれ示す図である。反応性ガスとして、酸素が用いられている。グラフG1は、初期状態(破線で囲まれたグラフG1の左側部分の信号が得られた成膜状態)においては、良好な膜質で成膜されており、その後、プロセスの変動によって反応性ガスの発光スペクトルが増加したときに測定された反応性ガスの発光スペクトルの測定結果の一例を示している。
グラフG2は、グラフG1に基づいて制御部200が取得する第1信号41と第2信号42との差信号44を示している。第1信号41として、成膜処理の初期状態に得られた信号部分(破線で囲まれたグラフG1の左側部分)のうち発光スペクトルの変動周期の一周期分が採用されている。第2信号として、グラフG1の一部の信号部分が採用されている。当該信号部分が、成膜の進行に伴ってグラフG1の右側(新しい時間側)に順次ずらされることにより、第2信号は、順次に変更されている。
グラフG1に示されるように、酸素の発光スペクトルは、マグネトロンスパッタ用磁石12の揺動に起因して大きな振幅で周期的に変動している、一方、グラフG2に示される差信号44は、周期的な変動が抑制されるとともに、振幅もグラフG1より小さくなっている。このように、スパッタリング装置10の制御部200によれば、酸素の発光スペクトルの変化を俊敏に検出して、発光スペクトルの周期的な変動が抑制された差信号(偏差信号)44をPIDコントローラ34へ供給することが可能となっている。
<3.制御部の動作>
図8は、スパッタリング装置10の制御部200の動作の一例を示すフローチャートである。
先ず、制御部200による反応性ガスの導入量の制御の開始に先立って、チャンバー11内のプラズマの発光スペクトルに含まれるターゲット60の材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルの測定が分光器111によって開始される(ステップS110)。分光器111は、制御部200による反応性ガスの導入量制御が行われる期間中、プラズマの発光スペクトルの変動周期(より詳細には、最短の変動周期)よりも短い時間間隔で繰り返し測定を行う。
次に、制御部200の相関分析回路32は、予め取得されてメモリ31に記憶されている第1信号41をメモリ31から読み出すことによって第1信号41を取得する(ステップS120)。
取得部37としての相関分析回路32、演算回路33が、分光器111が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間におけるターゲット60の材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて第2信号42を取得する(ステップS130)。
相関分析回路32は、相関演算を行うことで第1信号41と第2信号42との位相差を求めて位相差情報43を演算回路33に供給する。また、演算回路33は、第1信号41、第2信号42、および位相差情報43に基づいて、第1信号41と第2信号42との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士を特定するとともに、特定した信号部分同士の差で表現される差信号(制御信号)44を生成する。すなわち、比較演算部38としての相関分析回路32および演算回路33は、第1信号41と第2信号42とを比較して第1信号41と第2信号42との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号44を生成し(ステップS140)、差信号44をPIDコントローラ34に供給する。
PIDコントローラ34は、差信号44に基づいてチャンバー11内への反応性ガスの導入量を制御する(ステップS150)。次に、処理は、ステップS130に戻されて、ステップS130〜S150の処理が繰り返される。
ステップS130の処理が繰り返される際には、前回のステップS130において取得された第2信号42にも基づいて、現在のステップS130における最初の測定時点を終期とする第2期間の測定結果に対する第2信号42が取得される。すなわち、現在のステップS130においては、分光器111による最新の測定時点を終期とする第2期間におけるターゲット60の材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果と、前回のステップS130において取得された第2信号42とに基づいて第2信号42が新たに取得される。
<4.制御部の変形例1>
図9は、実施形態に係るスパッタリング装置10の制御部200の変形例として、制御部200Aの構成のうち反応性ガスの導入量制御に関する概略構成を示すブロック図である。
制御部200Aは、制御部200の相関分析回路32、演算回路33に代えて、相関分析回路32A、演算回路33Aを備えるとともに、ローパスフィルター35と選択回路36をさらに備えることを除いて、制御部200と同様の構成を備え、同様の動作を行う。また、相関分析回路32Aと演算回路33Aとは、それぞれ、制御部200の取得部37と同様に第2信号42を取得する取得部37Aとしても動作する。
相関分析回路32Aは、制御部200の相関分析回路32と同様に位相差情報43を取得して演算回路33Aに供給することに加えて、相関演算の際に求められる第1信号41と第2信号42の相関演算結果の信頼度(「相関係数」、「一致度」)46を、演算回路33A、選択回路36のそれぞれに供給する。
演算回路33Aは、制御部200の演算回路33と同様に第1信号41と第2信号42との差信号44を生成する。さらに、演算回路33Aは、差信号44の交流成分が抽出された交流信号44bと、差信号44の直流成分が抽出された直流信号44cとを差信号44に基づいてさらに生成する。差信号44、交流信号44b、直流信号44cは、選択回路36に供給されるとともに、差信号44は、ローパスフィルター35にも供給される。また、演算回路33Aは、生成した差信号44が大きい場合には、エラー信号47を選択回路36に供給する。
ローパスフィルター35は、差信号44の低周波成分を抽出した低周波信号44a生成し、低周波信号44aを選択回路36に供給する。ローパスフィルター35は、通常、予め設定された初期値のカットオフ周波数を使用するが、選択回路36から信頼度46に応じてカットオフ周波数が高くなるように制御するカットオフ周波数の制御信号48を供給された場合は、制御信号48に応じたカットオフ周波数を使用する。この場合、信頼度46が低い程、カットオフ周波数も低く設定される。
選択回路36は、差信号44、低周波信号44a、交流信号44b、および直流信号44cに基づいて、これらの信号の1つを選択すること、あるいは、これらの信号の一部を選択して合成することなどによって、差信号44から派生した派生差信号44Aを取得してPIDコントローラ34に供給する。派生差信号44Aとして差信号44自身が取得されてもよい。PIDコントローラ34は、派生差信号44Aに基づいてチャンバー11内への反応性ガスの導入量を制御する。また、選択回路36は、相関分析回路32Aから供給された信頼度46に応じて、ローパスフィルター35のカットオフ周波数が高くなるように制御する制御信号48をローパスフィルター35に供給する。
演算回路33A、ローパスフィルター35、および選択回路36は、差信号44、ならびに差信号44からそれぞれ抽出される低周波信号44a、交流信号44b、および直流信号44cの少なくとも1つの信号から派生する派生差信号44Aを、差信号44に基づいて取得する信号処理部39である。
図10は、反応性マグネトロンスパッタリングにおける、反応性ガスの発光スペクトルの時間的な変動の他の一例と、図3の制御部200によって生成される差信号44の時間的な変動の他の一例を図7と同様にグラフ形式でそれぞれ示す図である。反応性ガスとして、酸素が用いられている。反応性ガスの発光スペクトルの測定結果は、グラフG3に示され、制御部200によって生成された差信号44は、グラフG4に示されている。差信号44を生成する際の第1信号41、第2信号42も、図7の設定と同様に設定されている。
何らかの要因により発光スペクトルが大きく変わった場合、例えば、良質の膜が得られていた成膜の初期状態に対してプロセスの変動が過大となって、酸素ラジカルの密度が過剰になった場合には、図10のグラフG3の右寄り部分に示すように、発光スペクトルの測定波形は、グラフG3の左寄り部分に示される初期状態の発光スペクトルに対して、発光スペクトルの平均値が増加するだけでなく、マグネトロンスパッタ用磁石12の揺動に伴って発光スペクトルに含まれる周期的な変動の振幅も増加する。
これに対して、制御部200では、第1信号41の平均強度と振幅とが相関分析に用いられるので、グラフG4に示されるように、大きな振幅で周期的に変動する成分を多く含む差信号44が演算回路33から出力されてしまう。
一般に、マグネトロンスパッタリングの制御系では、プロセスの制御範囲を狭く抑えるため、強いフィードバック制御を用いる場合が多い。
このため、グラフG4に示される差信号のように、周期的な変動成分が大きい差信号をPIDコントローラ34に出力して、反応性ガスの導入量制御系にフィードバックすることは望ましくない。また、グラフG4に示される差信号のように、細かな周期の偏差成分をフィードバックすると、系の安定性が悪くなったり、収束に時間がかかったりする。このような状態では、過大となっているプロセス変動を早期に元のレベルに戻すことが優先されるので、細かな変動の差信号44をフィードバックする必要性が低い。そこで、このような場合には、例えば、一点鎖線のグラフG5で示す直流信号のように、グラフG4で示される差信号44から直流成分が抽出された直流信号または、交流成分が低減された交流信号をフィードバックすることが望ましい。
そこで、制御部200Aでは、このように差信号44が大きく、相関分析の精度が低下するような場合、信号処理部39が、差信号44の細かな変化を取り除いた主要な波形の信号(派生差信号44A)をPIDコントローラ34に供給する。より詳細には、信号処理部39は、相関分析回路32による相関分析で判定された信頼度46や差信号44の絶対値をもとに、プロセス状態に最適な派生差信号44AをPIDコントローラ34に供給する。これにより、スムーズに所定のプロセス状態へ制御することが可能となる。
図11、図13は、制御部200Aが、相関分析で判定された信頼度46に基づいて派生差信号44Aを取得し、PIDコントローラ34に供給する動作の一例をそれぞれ示すフローチャートである。図12は、制御部200Aが、信頼度46に基づいて、ローパスフィルター35のカットオフ周波数(カットオフ特性)を変更する動作を説明するための模式図である。
図11に示される動作においては、先ず、選択回路36は、演算回路33Aから供給される相関分析の信頼度46が基準値よりも高いか否かを判定し(ステップS210)、高い場合には、演算回路33Aから供給される複数の信号、すなわち、差信号44、低周波信号44a、交流信号44b、および直流信号44cの各信号のうち差信号44自身を派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給(帰還)する(ステップS220)。
ステップS210において、信頼度46が高くないと判定された場合には、選択回路36は、信頼度46が、高い所定範囲と、低い所定範囲の中間の範囲にあるか否かを判定する(ステップS230)。信頼度46が中間の範囲であると判定された場合には、選択回路36は、演算回路33Aから供給される複数の信号のうちローパスフィルター35を経た差信号44、すなわち、低周波信号44aを派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給する(ステップS240)。ステップS230において、信頼度46が中間の範囲でもないと判定された場合、すなわち、信頼度46が低い場合には、選択回路36は、直流信号44cを派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給する(ステップS250)。
図12の左側のグラフは、相関分析回路32Aが取得した相関分析の信頼度46に対するローパスフィルター35のカットオフ周波数の設定特性を示している。信頼度46が高い程、ローパスフィルター35のカットオフ周波数は高く設定される。図12では、信頼度46に応じて連続的に変動するカットオフ周波数のうち、点Pa〜点Pdで示される4種類のカットオフ周波数によってローパスフィルター35が生成する低周波信号44aの例が、低周波信号44aa〜44adとして示されている。
選択回路36は、相関分析回路32Aから供給される信頼度46に応じて、信頼度46が高くなるほど高いカットオフ周波数をローパスフィルター35が使用するように制御する制御信号48をローパスフィルター35に供給する。ローパスフィルター35は、制御信号48に応じて使用するカットオフ周波数を設定し、当該カットオフ周波数が差信号44に適用された低周波信号44aを選択回路36に供給する。選択回路36は、当該低周波信号44aをそのまま派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給してもよいし、当該低周波信号44aを、演算回路33Aから供給される他の信号と合成した信号を派生差信号44Aとしてもよい。
図13に示される動作においては、先ず、選択回路36は、信頼度46が、基準値よりも高いか否かを判定し(ステップS310)、高い場合には、演算回路33Aから供給される複数の信号、すなわち、差信号44、低周波信号44a、交流信号44b、および直流信号44cの各信号のうち差信号44自身を派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給(帰還)する(ステップS320)。
ステップS310において、信頼度46が高くないと判定された場合には、選択回路36は、信頼度46が、高い所定範囲と、低い所定範囲の中間の範囲にあるか否かを判定する(ステップS330)。信頼度46が中間の範囲であると判定された場合には、選択回路36は、交流信号44bを0.5倍した信号と、直流信号44cとを合成した信号を派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給する(ステップS340)。
ステップS330において、信頼度46が中間の範囲でもないと判定された場合、すなわち、信頼度46が低い場合には、選択回路36は、信頼度46が低い範囲のうち高い側の所定範囲であるか否かを判定する(ステップS350)。信頼度46が低い範囲のうち高い側であると判定された場合には、選択回路36は、交流信号44bを0.2倍した信号と、直流信号44cとを合成した信号を派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給する(ステップS360)。
ステップS350において、信頼度46が、低い範囲のうち高い側ではないと判定された場合、すなわち、信頼度46が低い範囲のうち低い側の範囲である場合には、選択回路36は、直流信号44cを派生差信号44AとしてPIDコントローラ34に供給する(ステップS370)。
図11〜図13に示される制御においては、相関分析結果の信頼度46が低下するにつれて、差信号44のうちPIDコントローラ34に供給される派生差信号44Aに含まれる交流成分の割合が減少する。これらの制御のように、相関分析結果の信頼度46が低い場合には、差信号44の波形や直流成分をPIDコントローラ34に供給する方法が適している。なお、信頼度46に代えて、差信号44の絶対値を判定に使用してもよい。
なお、選択回路36は、信頼度46、あるいはエラー信号47を判定基準として、演算回路33Aおよびローパスフィルター35から供給される差信号44、低周波信号44a、交流信号44b、直流信号44cを選択してもよい。また、信頼度46、あるいはエラー信号47についてのメンバーシップ関数を用いるファジー制御などを用いて演算回路33Aおよびローパスフィルター35から供給される各信号から派生差信号44Aを生成してもよい。
<5.制御部の変形例2>
図14は、実施形態に係るスパッタリング装置10の制御部200の変形例として、制御部200Bの構成のうち反応性ガスの導入量制御に関する概略構成を示すブロック図である。図3の制御部200は、制御信号生成部210を1つ備えているのに対して、制御部200Bは、分光器111とPIDコントローラ34との間に直列に接続された2つの制御信号生成部210を備えている。各制御信号生成部210は、制御部200の制御信号生成部210と同様の構成を有し、同様の動作を行う。
2つの制御信号生成部210のうち前段側(分光器111側)の制御信号生成部210のメモリ31は、制御部200のメモリ31と同様に第1信号41を記憶している。後段側の制御信号生成部210のメモリ31は、第1信号41とは異なる第1信号41Bを記憶している。
第1信号41は、マグネトロンスパッタ用磁石12の周期的な揺動に固有な波形を含んでいる。第1信号41Bは、複数のキャリア75が搬送部77によって搬送される際に、各キャリア75の互いに対向する各対の端部76がターゲット60の上方を通過することによる固有な波形を含んでいる。
従って、分光器111から供給されるターゲット60の材料と反応性ガスの発光スペクトルのうち少なくとも一方の測定結果に、マグネトロンスパッタ用磁石12の揺動に固有な波形と、キャリア75の移動に固有な波形との双方が含まれている場合においても、前段の制御信号生成部210の演算回路33からは、マグネトロンスパッタ用磁石12の周期的な揺動に固有な波形が抑制された差信号44B1が後段の制御信号生成部210に供給され、後段の制御信号生成部210の演算回路33からは、双方の波形が抑制された差信号44B2がPIDコントローラ34に供給される。これにより、制御部200Bは、双方の波形が抑制された信頼性の高い反応性ガスの導入量制御を行うことが出来る。
図15は、反応性マグネトロンスパッタリングにおける、反応性ガスの発光スペクトルの時間的な変動(グラフG12)と、制御部200Bによって生成される差信号44の時間的な変動、すなわち前段の制御信号生成部210の演算回路33から出力する差信号44B1(グラフG13)をグラフ形式でそれぞれ示す図である。また、図15は、キャリア75の移動に固有な波形を含む反応性ガスの発光スペクトルの時間的な変動(グラフG11)と、制御部200Bの後段の制御信号生成部210が出力する差信号44B2(グラフG14)をさらにグラフ形式で示している。
キャリア75の移動に起因して発光スペクトルの測定結果に含まれる波形は、マグネトロンスパッタ用磁石12の揺動に固有な波形に比べて、長周期であるため、後段の制御信号生成部210に関する第1信号、第2信号は、前段の制御信号生成部210に関する第1信号、第2信号に比べて長い期間にわたる信号が採用される。
グラフG13に示されるように、制御部200Bの前段の制御信号生成部210が出力する差信号44B1においては、マグネトロンスパッタ用磁石12の揺動に固有な波形が抑制されている。グラフG14に示されるように、制御部200Bの後段の制御信号生成部210が出力する差信号44B2においては、キャリア75の移動に固有な波形がさらに抑制されている。
このように、制御部200Bによれば、互いに周期の異なる波形が、発光スペクトルの測定結果に含まれている場合においても、これらの波形が抑制された信頼性の高い制御信号をPIDコントローラ34に供給することができる。
上記のような実施形態に係るスパッタリング装置10の制御部200(200A、200B)によれば、第2信号42は、分光器111による最新の測定時点を終期とする第2期間のターゲット60の材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果と、前回の第2信号取得処理で取得された第2信号42とに基づいて取得される。これにより、第2信号42を高い頻度で取得できる。そして、予め取得された第1信号41と、第2信号42との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号44が生成され、差信号44に基づいて真空チャンバー11内への反応性ガスの導入量が制御される。これにより、第1信号41、第2信号42に含まれているプラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形の差信号44への残存を抑制できる。従って、信頼性の高い制御信号としての差信号44を高い頻度で得ることができる。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての態様において例示であって限定的ではない。したがって、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
10 スパッタリング装置
200,200A,200B 制御部
111 分光器
31 メモリ
32 相関分析回路
33 演算回路
34 PIDコントローラ
193 流量コントローラ
35 ローパスフィルター
36 選択回路

Claims (8)

  1. プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置であって、
    前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部と、
    第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含むように予め取得された第1信号を記憶する記憶部と、
    前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す取得部と、
    前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号を生成する比較演算部と、
    前記差信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御する導入量制御部と、
    を備え、
    前記取得部は、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行う、成膜装置。
  2. 請求項1に記載の成膜装置であって、
    マグネトロンスパッタ用磁石と、
    前記マグネトロンスパッタ用磁石を前記ターゲットに対して周期的に移動させる移動部と、
    をさらに備え、
    前記マグネトロンスパッタ用磁石が前記移動部によって周期的に移動されることにより、前記真空チャンバー内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する、成膜装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の成膜装置であって、
    それぞれ成膜対象の基板を保持する複数のキャリアと、
    前記複数のキャリアを前記ターゲットに対向する所定の搬送経路に沿って直列に配列して搬送する搬送部と、
    をさらに備え、
    前記搬送部は、
    配列された前記複数のキャリアの互いに対向する各対の端部が、前記所定の搬送経路のうち前記ターゲットに対向する部分を所定の時間間隔で順次に通過するように前記複数のキャリアを搬送し、
    前記複数のキャリアが前記搬送部によって搬送されることにより、前記真空チャンバー内のプラズマの発光スペクトルが周期的に変動する、成膜装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の成膜装置であって、
    前記差信号、ならびに前記差信号からそれぞれ抽出される低周波信号、交流信号、および直流信号の少なくとも1つの信号から派生する派生差信号を、前記差信号に基づいて取得する信号処理部をさらに備え、
    前記導入量制御部は、
    前記派生差信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御する、成膜装置。
  5. プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置による成膜方法であって、
    前記成膜装置は、
    前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部、
    を備え、
    当該成膜方法は、
    第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含む第1信号を取得する第1ステップと、
    前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す第2ステップと、
    前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差信号を生成する第3ステップと、
    前記差信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御する第4ステップと、
    を備え、
    前記第2ステップは、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行うステップである、成膜方法。
  6. 請求項5に記載の成膜方法であって、
    前記第3ステップの後であって、前記第4ステップの前に、前記差信号、または前記差信号からそれぞれ抽出される低周波信号、交流信号、若しくは直流信号を前記差信号に基づいて取得する信号処理ステップをさらに備え、
    前記第4ステップは、
    前記信号処理ステップにおいて取得された信号に基づいて前記真空チャンバー内への前記反応性ガスの導入量を制御するステップである、成膜方法。
  7. プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置の制御信号の生成装置であって、
    前記成膜装置は、
    前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部、
    を備え、
    当該制御信号の生成装置は、
    第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含むように予め取得された第1信号を記憶する記憶部と、
    前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す取得部と、
    前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士の差で表現される制御信号を生成する比較演算部と、
    を備え、
    前記取得部は、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行う、制御信号の生成装置。
  8. プラズマの発光スペクトルが周期的に変動する真空チャンバー内への反応性ガスの導入量をプラズマエミッションモニター(PEM)法により制御して反応性スパッタによって成膜する成膜装置の制御信号の生成方法であって、
    前記成膜装置は、
    前記プラズマの発光スペクトルに含まれるターゲットの材料および反応性ガスの少なくとも一方の発光スペクトルを前記プラズマの発光スペクトルの変動周期よりも短い時間間隔で繰り返し測定する測定部、
    を備え、
    当該制御信号の生成方法は、
    第1期間における前記測定部による実測に基づく前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記プラズマの発光スペクトルの周期的な変動の波形を含む第1信号を取得する第1ステップと、
    前記測定部が行う測定の最新の測定時点を終期とする第2期間における前記少なくとも一方の発光スペクトルの測定結果に基づいて前記波形を含む第2信号を取得する第2信号取得処理を繰り返す第2ステップと、
    前記第1信号と前記第2信号とを比較して前記第1信号と前記第2信号との相互間で互いに波形が対応する信号部分同士を特定するとともに、特定した信号部分同士の差で表現される制御信号を生成する第3ステップと、
    を備え、
    前記第2ステップは、前回の前記第2信号取得処理で取得した前記第2信号にも基づいて、現在の前記第2信号取得処理を行うステップである、制御信号の生成方法。
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