JP2015189609A - 窒化ホウ素シートの製造方法 - Google Patents

窒化ホウ素シートの製造方法 Download PDF

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秀彦 小原
山崎 正典
Masanori Yamazaki
正典 山崎
健史 五十島
Takeshi Isojima
健史 五十島
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Abstract

【課題】高い熱伝導性を有した放熱シートを提供する。【解決手段】窒化ホウ素粒子(以下「BN粒子」と称す。)を含む窒化ホウ素シートの製造方法であって、沸点が150℃以上である有機化合物溶媒を用いてBN粒子含有スラリーを調製する工程、該スラリーを基材に塗布して乾燥させる工程、該塗布乾燥物を加圧して成形する工程、及び該成形物を熱硬化させる工程とを有し、該塗布乾燥物中の150℃以上を有する有機化合物量が0ppm超1800ppm以下であることを特徴とする窒化ホウ素シートの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は窒化ホウ素粒子を含む窒化ホウ素シートの製造方法に関する。
窒化ホウ素(BN)は、絶縁性のセラミックであり、ダイヤモンド構造を持つc−BN、黒鉛構造をもつh−BN、乱層構造を持つα−BN、β−BNなど様々な結晶型が知られている。
これらの中で、h−BNは、黒鉛と同じ層状構造を有し、合成が比較的容易でかつ熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を備えていることから、電気・電子材料分野で多く利用されている。
近年、特に電気・電子分野では集積回路の高密度化に伴う発熱が大きな問題となっており、いかに熱を放熱するかが緊急の課題となっている。h−BNは、絶縁性であるにもかかわらず、高い熱伝導性を有するという特徴を活かして、このような放熱部材用熱伝導性フィラーとして注目を集めている。このような高熱伝導性フィラーをエポキシ樹脂等の樹脂中に分散させて、パワーデバイス用などの放熱シートに用いることが検討されている。
窒化ホウ素粒子を含有する放熱シートを製造するには、例えば、特許文献1や2に記載のように、一般的には、窒化ホウ素とエポキシ樹脂を有機溶媒に溶かしスラリー化した後、シートに成形する。そして、そのシートに熱硬化処理を施し放熱シートを作製する方法が開示されている。
すなわち、特許文献1、2には、所定量の熱硬化性樹脂の主剤とこの主剤を硬化させるのに必要な量の硬化剤とからなる熱硬化性樹脂組成物と、例えばこの熱硬化性樹脂組成物と同重量の有機溶媒とを混合し、上記熱硬化性樹脂組成物の溶液とする。次に、上記熱硬化性樹脂組成物の溶液に、扁平状の充填剤(BN)と粒子状充填剤(アルミナ)との混合充填剤を添加して予備混合する。この予備混合物を例えば3本ロールやニーダーなどで混練し、熱伝導性樹脂シート用コンパウンドとする。次に、このコンパウンドを、離型処理された樹脂シートや金属板上に、ドクターブレード法により塗布する。次に、この塗布物を乾燥し、塗布物中の有機溶媒を揮発させ、熱伝導性樹脂シートを得る。この時、必要に応じて加熱をして、有機溶媒の揮発を促進させても良く、熱硬化性樹脂組成物の反応を進め、Bステージ化しても良い。その後、電気・電子機器の発熱部と放熱部材とで挟んで加熱硬化して、発熱部と放熱部材を接着するとともに電気絶縁する熱伝導性樹脂シート硬化物を形成させることが開示されている。
また、特許文献3では、無機質フィラー70〜95質量部と、少なくとも熱硬化樹脂、硬化剤、および硬化促進剤を含む樹脂組成物5〜30質量部からなる混合物シートにおいて、無機質フィラーおよび前記熱硬化樹脂組成物の合計量100質量部に対して、さらに150℃以上の沸点を有する有機溶媒0.1〜2質量部を含む熱伝導シート状物とすることで、無機フィラーを高濃度に充填することができ、放熱性に優れた熱伝導シート状物を提供することができ、可撓性と加工性に優れることが記載されている。
特許第4089636号公報 特開2011−178961号公報 特開平10−173097号公報
しかしながら、特許文献1〜2のように、窒化ホウ素粒子を含む窒化ホウ素シートを製造する際に、有機溶媒は窒化ホウ素粒子や樹脂をスラリー化するための一助材の役割に過ぎず、従来では特にシートの物性に影響を与えない因子であると考えられてきた。
また、特許文献3では、150℃以上の沸点を有する有機溶媒を0.1〜2質量部を含ませるとの記載があるが、このように多量の有機溶媒が含有されているシートでは、熱伝導度が1〜10W/mK 程度しか得られず、パワーデバイスに求められる10W/mKを
超えるような高い熱伝導度が得られないという問題点があった。
このように、有機溶媒の放熱シートに求められる物性に影響を与えるものとして、放熱シートの製造工程において有機溶媒の種類や量に焦点を当てた技術が今まで開発されてこなかったのが現状である。
そこで、窒化ホウ素シートの製造方法であって、沸点が150℃以上である有機化合物溶媒を用いてBN粒子含有スラリーを調製する工程、該スラリーを基材に塗布して乾燥させる工程、該塗布乾燥物を加圧して成形する工程、及び該成形物を熱硬化させる工程とを有し、該塗布乾燥物中の沸点が150℃以上である有機化合物量を0ppm超1800ppm以下に制御することにより、高い熱伝導度を持つシートを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、窒化ホウ素シートの製造方法において、該製造工程中の有機溶媒に着目し、窒化ホウ素粒子を有機化合物溶媒と混合、塗布、乾燥、そして加圧成形、熱硬化という通常放熱シートを製造する工程の中でも、最適である塗布乾燥条件を見つけ出すことにより、このように制御され製造された窒化ホウ素シートは熱伝導度が高いものであることを見出した。すなわち、塗布乾燥物中の沸点が150℃以上である有機化合物量を0ppm超1800ppm以下に制御することにより、シートにした際にクラック等が入りにくいために熱伝導度が向上すると考えられる。また、塗布乾燥物中の有機化合物が多すぎると、シートにした際にボイド内に溜まった溶媒を通って放電するため、耐電圧も低下すると推測される。窒化ホウ素粒子を含む熱硬化後の窒化ホウ素シートにおいて、乾燥条件を最適な条件とすることによって熱伝導性と耐電圧の高い窒化ホウ素シートを作製可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、窒化ホウ素粒子(以下「BN粒子」と称す。)を含む窒化ホウ素シートの製造方法であって、沸点が150℃以上である有機化合物溶媒を用いてBN粒子含有スラリーを調製する工程、該スラリーを基材に塗布して乾燥させる工程、該塗布乾燥物を加圧して成形する工程、及び該成形物を熱硬化させる工程とを有し、該塗布乾燥物中の沸点が150℃以上である有機化合物量が0ppm超1800ppm以下であることを特徴とする窒化ホウ素シートの製造方法に存する。
本発明の製造方法で得られた窒化ホウ素シートは、高い熱伝導性と耐電圧値を示し、好ましくはパワー半導体デバイスなどで必要とされる放熱シートに非常に有用なものである。
本発明で使用するh−BN凝集粒子のSEM写真である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定さ
れるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
[窒化ホウ素粒子]
本発明で用いる窒化ホウ素粒子(「BN粒子」)の形態は、特に制限はないが、好ましくは図1に示すような球状の形態が特徴であり、また、BN粒子の形態は走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。BN粒子としては窒化ホウ素の一次粒子が凝集したBN凝集粒子であることが好ましいが、具体的なBN凝集粒子の一次粒子が凝集する構造は、板状面と端面部が接触している構造、一般的にはカードハウス構造と呼ばれる構造を呈すること(セラミックス 43 2008 No.2参照)が好ましく、より好ましくは小板状の板状面と端面部が接触しているカードハウス構造、更に好ましくは多角形状の板状面と端面部が接触しているカードハウス構造を主としてもつ形態と表現することもできる(図1参照)。なお、「球状」とは、アスペクト比(長径と短径の比)が1以上2以下、好ましくは1以上1.5以下であることをさす。本発明のBN凝集粒子のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された画像から200個以上の粒子を任意に選択し、それぞれの長径と短径の比を求めて平均値を算出することにより決定する。またカードハウス構造は、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影された粒子表面や断面の画像から観察することができる。この形態を物性にて表現すると、例えば粉末X線回折測定による(100)面と(004)面の強度比((100)/(004))が3以上であり、かつBN凝集粒子の粉末X線回折測定における(002)面ピークから求めた平均結晶子径が375Å以上であるであること特徴とするBN凝集粒子とも表現することができる。
つまり、本発明で用いる好ましい窒化ホウ素粒子は、平均結晶子径が大きいこと、つまり375Å以上であることにより、BN凝集粒子を構成する一次粒子中の結晶粒界を減少させるため、熱伝導性に優れるので好ましい。さらに、特定の結晶面が配向していること、つまり粉末X線回折測定による(100)面と(004)面の強度比((100)/(004))が3以上に保ったまま、平均結晶子径を大きくすることができるため、凝集粒子としての高熱伝導性はもちろんのこと、樹脂と複合化した際の成形体においても高熱伝導性を示すという効果を奏するものであると考えられる。
(窒化ホウ素粒子の特性)
以下に、本発明で用いる窒化ホウ素粒子、特に窒化ホウ素凝集粒子の代表的な特性を記載するが、本発明で用いる窒化ホウ素粒子は下記特性に限定されるものではない。
・一次粒子の大きさ
窒化ホウ素凝集粒子(BN凝集粒子)の例としては、BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の長軸が通常0.5〜10μmに成長し、凝集粒子の中心側から表面側へ向けて放射状に成長したカードハウス構造の外観を形成している(図1参照)。BN凝集粒子を構成するBN一次粒子の長軸は、好ましくは0.6〜5μmであり、より好ましくは0.8〜3μmであり、更に好ましくは1〜3μmのBN一次粒子が凝集した粒子である。
尚、長軸とは走査型電子顕微鏡(SEM)測定により得られた粒子1粒を拡大し、1粒の粒子を構成している一次粒子について、画像上で観察できる一次粒子の最大長を平均した値である。
・BN凝集粒子の結晶構造
BN凝集粒子の結晶構造は特に制限はないが、例えば、立方晶系、斜方晶系、六方晶系、が挙げられるが、合成の容易さと熱伝導性の点で六方晶系のh−BNを主成分として含むものが好ましい。また、バインダーとしてh−BN以外の無機成分が含まれる場合、熱処理の過程でそれらが結晶化するが、六方晶系のh−BNが主成分として含まれていればよい。なお、BN凝集粒子の結晶構造は、粉末X線回折測定により確認することができる。
・BN凝集粒子の平均結晶子径
BN凝集粒子の粉末X線回折測定による(002)面ピークから求めた平均結晶子径は、通常375Å以上であり、好ましくは380Å以上、より好ましくは390Å以上、更に好ましくは400Å以上であり、通常5000Å以下、好ましくは2000Å以下、更に好ましくは1000Å以下である。上記上限より大きいと、凝集粒子を構成するBN一次粒子が成長しすぎるため、凝集粒子内の間隙が多くなるため成形体とした際の成形性が悪化するとともに、間隙が多くなることにより熱伝導性が向上しなくなる傾向があり、上記下限未満だと、凝集粒子を構成するBN一次粒子内の粒界が増えるため、フォノン散乱が結晶粒界で発生し、低熱伝導になる傾向がある。
なお、ここで、「平均結晶子径」とは、粉末X線回折測定によって得られる(002)面ピークからScherrer式にて求められる結晶子径をさす。なお、測定に供する試料は、BN凝集粒子紛体でもよいし、BN凝集粒子が含有した成形体でもよい。
BN凝集粒子の平均結晶子径は、粉末X線回折測定により確認することができる。
・BN凝集粒子のピーク強度比
BN凝集粒子の(100)面と(004)面のピーク強度比は通常3以上、好ましくは3.2以上、より好ましくは3.4以上、更に好ましくは3.5以上であり、通常10以下、好ましくは8以下、更に好ましくは7以下である。上記上限より大きいと、成形体とした際に粒子が崩壊しやすくなる傾向があり、上記下限未満だと、厚み方向の熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、ピーク強度比は粉末X線回折測定により測定された該当するピーク強度の強度比から計算することができる。なお、測定に供する試料は、BN凝集粒子紛体でもよいし、BN凝集粒子が含有した成形体でもよい。
・BN凝集粒子の平均粒子径(D50
平均粒子径(D50)は、通常20μm以上、好ましくは26μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは40μm以上、特に好ましくは51μm以上であり、通常200μm以下、好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。上記上限より大きいと成形体とした際に表面の平滑性がなくなったり、凝集粒子間の間隙が多くなるため、熱伝導性が逆に向上しなくなる傾向があり、上記下限未満だと成形体とした際に凝集粒子間の接触抵抗が大きくなったり、凝集粒子自体の熱伝導性が低くなる傾向がある。なお、一次粒子が凝集しているということは、体積基準の平均粒子径(D50)で表現することができる。
なお、D50の測定方法は、分散安定剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを含有する純水媒体中にBN凝集粒子を分散させた試料に対して、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定することができる。
・破壊強度
BN凝集粒子の破壊強度は、通常2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは3.5MPa以上、更に好ましくは4.0MPa以上であり、通常20MPa以下、好ましくは15MPa以下、更に好ましくは10MPa以下である。上記上限より大きいと、粒子の強度が強すぎるため、成形体とした際に表面平滑性が失われ、熱伝導性が低下する傾向があり、上記下限未満だと、成形体を作製する際の圧力で粒子が変形しやすくなり、熱伝導性が向上しない傾向がある。
なお、破壊強度は、粒子1粒をJIS R 1639−5に従って圧縮試験し、下記式
により算出できる。通常、粒子は5点以上測定し、その平均値を採用する。
式:Cs=2.48P/πd2
Cs:破壊強度(MPa)
P:破壊試験力(N)
d:粒子径(mm)
ただし、粒子が変形したりして破壊強度が算出できず、10%強度で表す場合があるが、この場合は破壊強度という概念を適用しない。
・全細孔容積
BN凝集粒子の全細孔容積は、通常2.2cm/g以下である。全細孔容積が小さいものは、BN凝集粒子内が密になっているために、熱伝導を阻害する境界面を少なくすることが可能となり、より熱伝導性の高いBN凝集粒子となる。BN凝集粒子の全細孔容積が2.2cm/gよりも大きいと、組成物中のフィラーとして用いた場合に、細孔に樹脂が取り込まれ、見かけの粘度が上昇して、組成物の成形加工或いは塗布液の塗布が困難となる。
BN凝集粒子の全細孔容積の下限値は特に制限はないが、通常0.01cm/gである。本発明の全細孔容積は、好ましくは0.01cm/g以上2cm/g以下、より好ましくは0.02cm/g以上1.5cm/g以下である。
・比表面積
BN凝集粒子の比表面積は通常1m/g以上であるが、好ましくは3m/g以上50m/g以下、より好ましくは5m/g以上40m/g以下である。
なお、凝集BN粉末の全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができ、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
・バルク密度
BN凝集粒子のバルク密度は、樹脂の取り込みを最小限とするためにBN凝集粒子のバルク密度は大きい方が良く、通常0.3g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは0.35g/cm以上、更に好ましくは0.4g/cm以上である。BN凝集粒子のバルク密度が0.3g/cm未満の場合、見かけの体積が大きくなり、組成物中の樹脂に対して、添加するBN凝集粒子の体積が多くなるとともに、樹脂の取り込みが大きくなり、また、BN凝集粒子の取り扱い性が著しく悪化する傾向がある。BN凝集粒子のバルク密度の上限については特に制限はないが、通常0.95g/cm以下、好ましくは0.9g/cm以下、より好ましくは0.85g/cm以下である。BN凝集粒子のバルク密度が大きすぎると組成物中で凝集BNの分散に偏りが出来てしまい、沈降しやすくなる傾向がある。
なお、BN凝集粒子のバルク密度は、粉体のバルク密度を測定する通常の装置や方法を用いて求めることができる。
[窒化ホウ素粒子の製造方法]
窒化ホウ素粒子を製造する方法は、何ら本発明の窒化ホウ素粒子に限定されるものではないが、製造方法の一例を以下に記載する。
<原料BN粉末>
・原料BN粉末の種類
本発明で用いる原料BN粉末としては、市販のh−BN、市販のαおよびβ−BN、ホウ素化合物とアンモニアの還元窒化法により作製されたBN、ホウ素化合物とメラミンなどの含窒素化合物から合成されたBNなど何れも制限なく使用できるが、特にh−BNが本発明の効果をより発揮する点で好ましく用いられる。
・原料BN粉末の形態
本発明で用いる原料BN粉末の形態としては、粉末X線回折測定によりえられるピークの半値幅が広く、結晶性が低い粉末状のBN粒子が好ましい。結晶性の目安として、粉末
X線回折測定から得られる(002)面のピーク半値幅が、2θの角度で、通常0.4°以上、好ましくは0.45°以上、より好ましくは0.5°以上である。また、通常2.0°以下、好ましくは1.5°以下、更に好ましくは1°以下である。上記上限より大きいと、結晶子が十分大きくならず、大きくするためには長時間を要するため、生産性が悪くなる傾向がある。上記下限未満だと、結晶性が高すぎて、十分な結晶成長が見込めず、また、スラリー作製時の分散安定性が悪くなる傾向がある。
・原料BN粉末の物性
BN結晶成長の観点からは、原料BN中に酸素原子がある程度存在することが好ましく、本発明では、原料BN粉末中の全酸素濃度は、通常1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。また、通常、10質量%以下、更に好ましくは9質量%以下である。上記上限より大きいと、熱処理後も酸素が残存しやすくなるため、熱伝導性の改善効果が小さくなる傾向がある。上記下限未満だと、結晶性が高すぎて、結晶成長が見込めず、粉末X線回折測定から確認できるピーク強度比が所望の範囲から外れる傾向がある。
なお、原料BN粉末の全酸素濃度を上記範囲に調製する方法としては、例えばBN合成時の合成温度を1500℃以下の低温で行う方法、500℃〜900℃の低温の酸化雰囲気中で原料BN粉末を熱処理する方法などが挙げられる。
なお、原料BN粉末の全酸素濃度は、不活性ガス融解−赤外線吸収法により、株式会社堀場製作所製の酸素・窒素分析計を用いて測定することができる。
また、原料BN粉末の他の物性としては、例えば、原料BN粉末の全細孔容積は通常1.0cm/g以下であるが、好ましくは0.3cm/g以上1.0cm/g以下、より好ましくは0.5cm/g以上1.0cm/g以下である。
また、原料BN粉末の比表面積は通常20m/g以上であるが、好ましくは20m/g以上500m/g以下、より好ましくは50m/g以上200m/g以下である。
全細孔容積が1.0cm/g以下であることにより、原料BN粉末が密になっているためにBN凝集粒子を構成する一次粒子として用いた場合に、球形度の高い造粒が可能となる。また、比表面積が50m/g以上であることにより、造粒による球形化の際に用いるBNスラリー中の分散粒子径を小さくすることができるため好ましい。
なお、原料BN粉末の全細孔容積は、窒素吸着法および水銀圧入法で測定することができ、比表面積は、BET1点法(吸着ガス:窒素)で測定することができる。
原料BN粉末の全細孔容積及び比表面積は、具体的には後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
<BNスラリーの調製>
BNスラリーの調製に用いる媒体としては特に制限はなく、水及び/又は各種の有機溶媒を用いることができるが、噴霧乾燥の容易さ、装置の簡素化などの観点から、水を用いることが好ましく、純水がより好ましい。
BNスラリーの調製に用いる媒体の使用量は、BNスラリーの粘度が200〜5000mPa・sとなる量を加えることが好ましい。
つまり、原料BN粉末のスラリー((以下「BNスラリー」とも称す。)の粘度が通常200〜5000mPa・sであるようなBNスラリーを造粒し、加熱処理をすることによって、その造粒粒子の大きさを保持したままBNの結晶子を成長させて、本発明の窒化ホウ素粒子を製造することが好ましく、より好ましくは300mPa・s以上、更に好ましくは500mPa・s以上、特に好ましくは700mPa・s以上、とりわけ好ましくは
1000mPa・s以上であり、好ましくは4000mPa・s以下、より好ましくは3000mPa・s以下である。
すなわち、粘度が200〜5000mPa・sのBNスラリーと200mPa・s未満のBNスラリーでは、得られる窒化ホウ素粒子の体積基準の平均粒子径が大きく異なるとともに、平均結晶子径も大きく異なってしまう傾向がある。一方BNスラリーの粘度が5000mPa・sより高い粘度では、造粒自体が困難になる傾向がある。
BNスラリーの調製に用いる媒体の使用量は、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、通常、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。媒体の使用量が上記上限より大きいと、スラリー粘度が低くなりすぎるため、沈降などによるBNスラリーの均一性が損なわれ、所望の結晶子径範囲から外れる傾向がある。下限未満であるとスラリー粘度が高すぎるため、造粒が困難になる傾向がある。すなわち、凝集粒子の大きさと凝集粒子を構成するBN一次粒子の結晶性とBN一次粒子中の結晶粒界の低減を同時に満足することが困難になる。なお、BNスラリーの粘度とは、FUNGILAB社の回転粘度計「VISCO BASIC Plus R」を用い、ブレード回転数100rpmにて測定した粘度のことである。
<界面活性剤>
BNスラリーには、スラリーの粘度を調節すると共に、BN粒子の分散安定性(凝集抑制)の観点から、種々の界面活性剤を添加するのが好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
一般に、界面活性剤はスラリーの粘度を変化させることが可能である。従って、BNスラリーに界面活性剤を添加する場合、その量は、BNスラリーの粘度が200〜5000mPa・sとなるような量に調整することが好ましい。例えば、原料BNとして、粉末X線回折測定によりえられる(002)面ピークの半値幅2θが0.67°、酸素濃度が7.5質量%であるBNを用いて固形分50質量%のスラリーを調整する場合、通常、陰イオン性界面活性剤の有効成分として、スラリー全量に対し、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、通常10質量%以下、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。上記上限より大きいと、スラリー粘度が下がりすぎるとともに、界面活性剤の量が多すぎて炭素成分が残りやすくなる傾向がある。上記下限未満だと、スラリー粘度が高くなりすぎ、造粒自体が困難になる傾向がある。
<バインダー>
BNスラリーは、原料BN粉末を効果的に粒子状に造粒するために、バインダーを含んでもよい。バインダーは、元来粒子同士接着性のないBNを強固に結びつけ、造粒粒子を安定化するために作用する。
BNスラリーに用いるバインダーとしては、BN粒子同士の接着性を高めることができるものであればよいが、造粒粒子は粒子化後に通常加熱処理されるため、この加熱処理工程における高温条件に対する耐熱性を有するものが好ましい。
このようなバインダーとしては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化珪素、酸化ホウ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの金属の酸化物などが好ましく用いられる。これらの中でも、酸化物としての熱伝導性と耐熱性、BN粒子同士を結合する結合力などの観点から、酸化アルミニウム、酸化イットリウムが好適である。なお、バインダーはアルミナゾルのような液状バインダ
ーを用いてもよく、加熱処理中に反応して、他の無機成分に変換されるものであってもよい。これらのバインダーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーの使用量(液状バインダーの場合は、固形分としての使用量)は、BNスラリー中の原料BN粉末に対して、通常0質量%以上30質量%以下であり、好ましくは0質量%以上20質量%以下、より好ましくは0質量%以上15質量%以下である。上記上限を超えると造粒粒子中のBNの含有量が少なくなり、結晶成長に影響するばかりか熱伝導性のフィラーとして用いた場合に熱伝導性改善効果が小さくなる。
<造粒>
BNスラリーから造粒粒子を得るには、スプレードライ法、転動法、流動層法、そして撹拌法などの一般的な造粒方法を用いることができ、この中でもスプレードライ法が好ましい。
スプレードライ法では、原料となるスラリーの濃度、装置に導入する単位時間当たりの送液量と送液したスラリーを噴霧する際の圧空圧力及び圧空量により、所望の大きさの造粒粒子を製造することが可能であって、球状の造粒粒子を得ることも可能である。球状化に際して使用するスプレードライ装置に制限はないが、より大きな球状BN造粒粒子とするためには、回転式ディスクによるものが最適である。このような装置としては、大川原化工機社製スプレードライヤーFシリーズ、藤崎電機社製スプレードライヤー「MDL−050M」などが挙げられる。
造粒により得られた造粒粒子の最大粒子径は、体積基準の平均粒子径D50で通常15μm以上150μm以下、好ましくは、20μm以上100μm以下であることが好ましい。ここで、造粒粒子の体積基準の平均粒子径D50は、例えば、日機装社製「マイクロトラックHRA」で測定することができる。
<加熱処理>
上述にて製造されたBN造粒粒子は、更に非酸化性ガス雰囲気下に加熱処理することで窒化ホウ素粒子を製造することができる。
ここで、非酸化性ガス雰囲気とは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、アンモニアガス、水素ガス、メタンガス、プロパンガス、一酸化炭素ガスなどの雰囲気のことである。ここで用いる雰囲気ガスの種類により凝集BN粒子の結晶化速度が異なるものとなり、例えばアルゴンガスでは、結晶化の速度が遅くなり、加熱処理時間が長時間に及ぶ。結晶化を短時間で行うためには特に窒素ガス、もしくは窒素ガスと他のガスを併用した混合ガスが好適に用いられる。 加熱処理温度は通常1800〜2300℃であるが、好ましくは1900〜2300℃、更に好ましくは1900〜2200℃である。加熱処理温度が上記下限未満では、h−BNの平均結晶子の成長が不十分となり、樹脂と複合化した場合の熱伝導率が小さくなる。加熱処理温度が上記上限を超えると、BNの分解などが生じてしまうおそれがある。
加熱処理時間は、通常5時間以上20時間以下であり、好ましくは5時間以上15時間以下である。加熱処理時間が上記下限未満の場合、結晶成長が不十分となり、上記上限を超えるとBNが一部分解するおそれがある。
加熱処理は、非酸化性ガス雰囲気下で行うために、好ましくは、通常、炉内を真空ポンプで引き、排気を行った後、非酸化性ガスを導入しながら、所望の温度まで加熱して昇温する。加熱処理を施す焼成炉は、マッフル炉、管状炉、雰囲気炉などのバッチ式炉やロータリーキルン、スクリューコンベヤ炉、トンネル炉、ベルト炉、プッシャー炉、竪型連続炉などの連続炉が挙げられ、目的に応じて使い分けられる。
<分級>
上記加熱処理後の窒化ホウ素粒子は、粒子径分布を小さくし、BN粒子含有樹脂組成物に配合したときの粘度上昇を抑制するために、好ましくは分級処理する。この分級は、通常、造粒粒子の加熱処理後に行われるが、加熱処理前の造粒粒子について行い、その後加熱処理に供してもよい。
分級は湿式、乾式のいずれでも良いが、h−BNの分解を抑制するという観点からは、乾式の分級が好ましい。特に、バインダーが水溶性を有する場合には、特に乾式分級が好ましく用いられる。
乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うこともできる。これらの中で、サブミクロンからシングルミクロン領域の小さな微粒子を分級するには旋回気流式分級機を、それ以上の比較的大きな粒子を分級するには半自由渦遠心式分級機など、分級する粒子の粒子径に応じて適宜使い分ければよい。
[BN粒子含有樹脂組成物]
本発明の窒化ホウ素シートを製造する際に少なくともBN粒子と樹脂とを含有したBN粒子含有樹脂組成物を製造することでより高い熱伝導率を持つ放熱シートを製造することが可能となる。
BN粒子含有樹脂組成物中におけるBN粒子の含有割合(本明細書では、フィラー充填量ともいう)は、BN粒子と樹脂の合計を100質量%として、通常5〜95質量%、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜90質量%である。上記上限より大きいと、粘度が高くなりすぎて成形加工性が確保できなくなるとともに、逆にBN粒子の密な充填が阻害されるために熱伝導性が低下する傾向があり、上記下限未満だと、成形加工性は確保できるものの、BN粒子が少なすぎて熱伝導性が向上しない傾向がある。
<樹脂>
BN粒子含有樹脂組成物に用いる樹脂としては、特に制限はないが、好ましくは硬化性樹脂、熱可塑性樹脂である。例えば、硬化性樹脂としては、熱硬化性、光硬化性、電子線硬化性など重合可能なものであれば良いが、耐熱性、吸水性、寸法安定性などの点で、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂が好ましく、これらの中でもエポキシ樹脂がより好ましい。これらの樹脂は2種以上組わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は1種類の構造単位を有するエポキシ樹脂のみであってもよいが、構造単位の異なる複数のエポキシ樹脂を組み合わせてもよい。また、エポキシ樹脂は、必要に応じて、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤と共に用いられる。
ここで、塗膜性ないしは成膜性や接着性と併せて、硬化物中のボイドを低減して高熱伝導の硬化物を得るために、エポキシ樹脂として少なくとも後述するフェノキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂(A)」と称す。)を含むことが好ましく、特にエポキシ樹脂全量に対するエポキシ樹脂(A)の質量比率が、好ましくは5〜95質量%の範囲、より好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは20〜80質量%の範囲で含有されることが好ましいが、何らこのようなものに限定されるものではない。
フェノキシ樹脂とは、通常、エピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、または2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂を指すが、本発明においてはこれらのうち、特に質量平均分子量10000以上の高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂をエポキシ樹脂(A)という。
ここで、質量平均分子量とは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。
エポキシ樹脂(A)としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格およびジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有するフェノキシ樹脂が好ましい。中でも、耐熱性がより一層高められるので、フルオレン骨格および/またはビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂が特に好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記エポキシ樹脂(A)以外のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(以下「エポキシ樹脂(B)」と称す場合がある。)であることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ樹脂(B)は、溶融粘度制御の観点から、その質量平均分子量が、好ましくは100〜5000であり、より好ましくは200〜2000である。質量平均分子量が100より低いものでは、耐熱性が劣る傾向にあり、5000より高いと、エポキシ樹脂の融点が高くなり、作業性が低下する傾向がある。
またエポキシ樹脂は、その目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)以外のエポキシ樹脂(以下、「他のエポキシ樹脂」)を含んでいてもよい。他のエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計に対して、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下である。
本発明のBN粒子含有樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂中のエポキシ樹脂(A)の割合は、その合計を100質量%として、前述の如く、好ましくは5〜95質量%、好ましくは10〜90質量%、更に好ましくは20〜80質量%である。なお、「エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂」とは、本発明のBN粒子含有樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が、エポキシ樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)のみの場合には、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計を意味し、さらに他のエポキシ樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び他のエポキシ樹脂の合計を意味する。
エポキシ樹脂(A)の割合が上記下限以上であることにより、エポキシ樹脂(A)を配合することによる熱伝導性の向上効果を十分に得ることができ、所望の高熱伝導性を得ることができる。エポキシ樹脂(A)の割合が上記上限以下で、特にエポキシ樹脂(B)が全エポキシ樹脂の10質量%以上であることにより、エポキシ樹脂(B)の配合効果が発揮され、硬化性、硬化物の物性が十分なものとなる。
エポキシ樹脂用硬化剤は、用いられる樹脂の種類に応じて適宜に選ばれる。例えば、酸無水物系硬化剤やアミン系硬化剤が挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、及びベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物が挙げられる。アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン及びジシアンジアミドが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい
。これらのエポキシ樹脂用硬化剤は、通常、エポキシ樹脂に対して当量比で、0.3〜1.5の範囲で配合される。
硬化促進剤は、用いられる樹脂や硬化剤の種類に応じて適宜に選ばれる。例えば前記酸無水系硬化剤用の硬化促進剤としては、例えば三フッ化ホウ素モノエチルアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの硬化促進剤は、通常、エポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
また、BN粒子含有樹脂組成物の樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルアミドイミド樹脂、ポリエーテルアミド樹脂及びポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。また、それらのブロック共重合体、グラフト共重合体等の共重合体も含まれる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、樹脂は、ゴム成分であってもよく、ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロ・スルホン化ポリエチレン、ポリウレタンゴムなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<その他の成分>
本発明の窒化ホウ素シートは、本発明の効果が得られる範囲において、さらなる成分を含有していてもよい。このようなさらなる成分としては、例えば、液晶性エポキシ樹脂等の、前記の樹脂に機能性を付与した機能性樹脂、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、繊維状窒化ホウ素等の窒化物粒子、アルミナ、繊維状アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の絶縁性金属酸化物、ダイヤモンド、フラーレン等の絶縁性炭素成分、樹脂硬化剤、樹脂硬化促進剤、粘度調整剤、分散安定剤が挙げられる。
[BN粒子含有スラリー]
BN粒子又は上述したBN粒子含有樹脂組成物から本発明の放熱シートを製造するためのBN粒子含有スラリー(本明細書では塗布用スラリーともいう)は、沸点が150℃以上である有機化合物溶媒(本明細書では有機溶媒(F)ともいう)を少なくとも含み、更に沸点が100℃以下の有機溶媒(Fa)を含有させることが好ましい。
<有機溶媒(F)>
有機溶媒(F)としては、沸点が150℃以上である有機化合物であれば特に制限はないが、好ましくはケトン系化合物の中から、150℃以上の沸点のものを選択して用いることができる。これらの中でも環状ケトンであるケトン化合物が好ましい。
(ケトン系溶媒)
メチルn−アミルケトン(沸点152℃)、エチルブチルケトン(沸点149℃)、エチルsec−アミルケトン(沸点159℃)、アセチルアセトン(沸点140℃)、ジア
セトンアルコール(沸点166℃)、ジiso−ブチルケトン(沸点169℃)、シクロヘキサノン(以下「CHN」と略記する。)(沸点157℃)、シクロヘキシルシクロヘキサノン(沸点261℃)等が挙げられる。
これらの中でも、メチルn−アミルケトン(沸点152℃)、エチルブチルケトン(沸点149℃)、エチルsec−アミルケトン(沸点159℃)、アセチルアセトン(沸点140℃)CHN(沸点157℃)が好ましく、メチルn−アミルケトン(沸点152℃)、エチルブチルケトン(沸点149℃)、シクロヘキサノン(沸点157℃)がエポキシ樹脂の溶解性、有機溶媒の揮発速度、低沸点有機溶媒との混和性などの観点でより好ましい。
<有機溶媒(Fa)>
上述した沸点が150℃以上である有機化合物溶媒の他、沸点が100℃以下の有機溶媒(Fa)も併せて用いることにより、樹脂を溶解させて、組成物全体に均一に分散させることができ、また、放熱シート製造時の有機溶媒の蒸発効率を高めることができるので併せて用いることが好ましい。ただし、この有機溶媒(Fa)の沸点が過度に低いと、蒸発荒れの問題が生じるため、有機溶媒(Fa)の沸点は60℃以上であることが好ましく、65℃以上がより好ましい。また上限の沸点は95℃以下であることが好ましい。
このような有機溶媒(Fa)としては、上記の各種の有機溶媒のうち、特に制限はないが沸点が100℃以下の有機化合物を選択使用すればよい。中でも、有機溶媒(Fa)との均一混合性や、樹脂の溶解性が良好であることから、アセトン(沸点56℃)、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略記する。)(沸点80℃)、この中でも、メチルエチルケトンがエポキシ樹脂の溶解性、蒸発速度、高沸点ケトン系有機溶媒の蒸発速度を制御しやすいという観点でより好ましい。
<混合割合>
有機溶媒(F)と有機溶媒(Fa)を併用する場合、これらの混合割合は、有機溶媒(F)と有機溶媒(Fa)との併用による相乗効果を得るために、質量%として、有機溶媒(F):有機溶媒(Fa)=95〜50:5〜50、特に90〜60:10〜40の割合(有機溶媒(F)と有機溶媒(Fa)との合計で100質量%とする。)で用いることが好ましい。前記有機溶媒(Fa)の量が下限未満の場合、放熱シートに残存する高沸点の有機溶媒(F)の量が多くなりすぎ、シート化工程における高温加圧処理で蒸発し、残留溶媒の蒸発跡がボイドとなって、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成し得ない。逆に、前記範囲の上限以上の場合、低沸点である有機溶媒(Fa)が多くなりすぎ、有機溶媒蒸発が短時間で起こってしまうため、樹脂が乾燥しすぎて、良好な強度の塗布膜が得られないばかりか、シート化工程における樹脂の可塑化によっても十分な流動性が得られず、シート内に存在するボイドに十分樹脂が浸透できなくなって、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成できない傾向がある。すなわち、有機溶媒(F)と有機溶媒(Fa)を併用し、有機溶媒(F)を0ppm超750ppm以下とするためには、両溶媒が共沸させることが好ましい。
[BN粒子含有スラリーの調製方法]
窒化ホウ素粒子のBN粒子含有スラリーする際の調製方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。なお、その際、塗布液の均一性の向上、脱泡等を目的として、ペイントシェーカーやビーズミル、プラネタリミキサ、攪拌型分散機、自公転攪拌混合機、三本ロール、ニーダー、単軸又は二軸混練機等の一般的な混練装置などを用いて混合・撹拌することが好ましい。
各配合成分の混合順序も、反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であ
るが、例えば樹脂を有機溶媒(Fa)(例えば、MEK)に混合・溶解させて樹脂液を作成し、得られた樹脂液に、BN粒子及び後述するその他の成分(例えば、PTX60)とを十分混合したものを加えて混合し、その後、粘度調製用の有機溶媒(F)を加えて混合した後に、更に、樹脂硬化剤や硬化促進剤、或いは、分散剤等の添加剤を加えて混合する方法が挙げられる。
[放熱シートの製造方法]
以下、窒化ホウ素粒子のBN粒子含有スラリーを用いて本発明の放熱シートを製造する方法を具体的に説明する。本発明の窒化ホウ素シートの製造方法は、上述した沸点が150℃以上である有機化合物溶媒を用いてBN粒子含有スラリーを調製する工程の他、後述する該スラリーを基材に塗布して(塗布工程)、乾燥させる工程(乾燥工程)、該塗布乾燥物を加圧して成形する工程(シート化工程)、及び該成形物を熱硬化させる工程(熱硬化工程)を少なくとも有する。
<塗布工程>
まず基板の表面に、窒化ホウ素粒子のBN粒子含有スラリーを用いて塗膜を形成する。
即ち、BN粒子含有スラリーを用いて、ディップ法、スピンコート法、スプレーコート法、ブレード法、その他の任意の方法で塗膜を形成する。組成物塗布液の塗布には、スピンコーター、スリットコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの塗布装置を用いることにより、基板上に所定の膜厚の塗膜を均一に形成することが可能であり、ギャップを調製可能なブレードコーターが好ましい。
なお、基板としては、後述の厚さの銅箔が一般的に用いられるが、何ら銅基板に限定されるものではない。また、基板の表面には凹凸があったり、また、表面処理が為されていてもよい。
<乾燥工程>
次に、基板に塗布されたBN粒子含有スラリーを乾燥させ塗布乾燥物を得る。乾燥温度は、通常15℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは23℃であり、通常100℃以下、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
この乾燥の加熱温度が低過ぎたり、加熱時間が短過ぎたりすると、塗膜中の有機溶媒を十分に除去し得ず、得られる乾燥膜中に有機溶媒が残留し、残留した有機溶媒が次のシート化工程における高温加圧処理で蒸発し、残留溶媒の蒸発跡がボイドとなって、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成し得ない。逆に、乾燥の加熱温度が高過ぎたり、加熱時間が長過ぎたりすると、樹脂の硬化が進行し、良好な乾燥膜とすることができない。
また乾燥時間は、通常1時間以上、好ましくは2時間以上、より好ましくは3時間以上、更に好ましくは4時間以上であり、通常、168時間以下、好ましくは144時間以下、より好ましくは120時間以下、更に好ましくは96時間以下である。
この乾燥の時間が下限未満の場合、塗膜中の有機溶媒を十分に除去し得ず、得られる乾燥膜中に有機溶媒が残留し、残留した有機溶媒が次のシート化工程における高温加圧処理で蒸発し、残留溶媒の蒸発跡がボイドとなって、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成し得ない。逆に、乾燥の時間が上限を超えると、樹脂が乾燥しすぎて、良好な強度の塗布膜が得られないばかりか、シート化工程における樹脂の可塑化によっても十分な流動性が得られず、シート内に存在するボイドに十分樹脂が浸透できなくなって、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成できない傾向がある。
乾燥させる前のシートの膜厚は通常100μm以上、好ましくは150μm以上、より
好ましくは200μm以上、更に好ましくは300μm以上であり、通常、800μm以下、好ましくは700μm以下、より好ましくは600μm以下、更に好ましくは500μm以下である。膜厚が上記上限を超えると、有機溶媒の蒸発速度を膜内部で制御することが難しくなり、残存有機溶媒量が多くなって、シート化工程における高温加圧処理で蒸発し、残留溶媒の蒸発跡がボイドとなって、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成し得ない。逆に、前記下限未満の場合、有機溶媒蒸発が短時間で起こってしまうため、樹脂が乾燥しすぎて、良好な強度の塗布膜が得られないばかりか、シート化工程における樹脂の可塑化によっても十分な流動性が得られず、シート内に存在するボイドに十分樹脂が浸透できなくなって、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成できない傾向がある。
この際、一定の温度において加熱処理を行ってもよいが、塗布液中の有機溶媒等の揮発成分の除去を円滑に進めるために、減圧条件下にて加熱処理を行ってもよい。また、樹脂の硬化が進行しない範囲で、段階的な昇温による加熱処理を行っても良い。例えば、初めに25〜40℃、例えば30℃で、次に40〜90℃、例えば50℃で、各30分〜60分程度の加熱処理を実施することができる。
この乾燥工程において得られた塗布乾燥物中の150℃以上を有する有機化合物量は、0ppm超、好ましくは0.001ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上、更に好ましくは1ppm以上であり、1800ppm以下、好ましくは1500ppm以下、より好ましくは1300ppm以下である。この範囲内であると、本製造方法で得られた窒化ホウ素シートは、高い熱伝導性と耐電圧値を示す。
また、塗布乾燥物中の沸点が100℃以下である有機化合物量は、通常0ppm超、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは1ppm以上、更に好ましくは5ppm以上であり、特に好ましくは7ppm以上であり、通常50ppm以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは19ppm以下、更に好ましくは18ppm以下である。上記範囲であると、本発明の効果をより効果的に発揮することが可能である。なお、塗布乾燥物中の上述した有機化合物の含有量はヘッドスペースガスクロマトグラフィーにて測定できる。
<シート化工程>
乾燥工程の後には、塗布乾燥物を加圧、成形する工程(シート化工程)を行う。シート化工程では、通常、銅基板に塗布、乾燥した塗布乾燥物を所定の大きさにカットする。
シート化をする際の加熱温度(プレス温度)は、通常80℃以上、好ましくは90℃以上、より好ましくは、100℃以上、更に好ましくは110℃以上であり、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
この加熱温度が上記下限未満の場合、熱硬化反応が十分進行せず、BN粒子同士の接触やBN粒子と樹脂界面の接触も不十分となるため高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成し得ない。逆に、前記範囲の上限を超える場合、樹脂の分解が生じやすくなり、該分解によるボイドや分子量の低下により、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成できない傾向がある。
また加熱時間は、通常0.5時間以上、好ましくは1.0時間以上、より好ましくは1.5時間以上、更に好ましくは2.0時間以上であり、通常5.0時間以下、好ましくは4.5時間以下、より好ましくは4.0時間以下、更に好ましくは3.5時間以下である。加熱時間が短すぎると、BN粒子同士の接触やBN粒子と樹脂界面の接触も不十分となるため高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成しにくい傾向がある。逆に、加熱時間が前記上限を超える場合、樹脂の酸化分解が生じやすくなり、該分
解によるボイドや分子量の低下により、高熱伝導性、高絶縁性、所定の物理的強度等を有するシートを形成できなくなる傾向がある。
上記銅基板への接着を促進するために行う加圧工程(プレス処理ともいう)におけるプレス圧力は、銅基板上の乾燥膜に、通常10kgf/cm以上、好ましくは150gf/cm以上、より好ましくは200gf/cm以上、更に好ましくは250gf/cm以上であり、通常、2000Kgf/cm以下、好ましくは1000kgf/cm以下、より好ましくは900gf/cm以下、更に好ましくは800gf/cm以下を加圧する。この加圧時の加重を上記上限以下とすることにより、凝集BN粒子が破壊することなく、シート中に空隙などがない高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る。また、加重を上記下限以上とすることにより、凝集BN粒子間の接触が良好となり、熱伝導パスを形成しやすくなるため、高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る。
特に熱硬化工程を経るシート化工程においては、上記の範囲の加重をかけて、加圧、硬化を行うことが好ましい。
熱硬化工程では、銅基板に塗布、乾燥した組成物膜を通常80℃以上、好ましくは100℃以上、例えば100〜140℃の温度で1〜5分程度所定の加重をかけて加圧することにより、塗布・乾燥膜中の樹脂の溶融粘度を低下させると同時に、ある程度硬化反応を進めて、銅基板への接着を促進する加圧工程と、その後、樹脂膜を完全に硬化させるために、所望の硬化温度、例えば150℃以上で2〜4時間程度、オーブンなどで加熱することにより硬化反応を行わせてシートを作製する硬化工程とが行われる。硬化工程において完全硬化させる際の加熱温度の上限は、使用する樹脂が分解、変質しない温度であり、樹脂の種類、グレードにより適宜決定されるが、通常300℃以下で行われる。
<放熱シート>
上述したような製造方法で得られた窒化ホウ素シートは、該シート中に沸点が150℃以上である有機化合物を通常0ppm超、好ましくは10ppm以上、より好ましくは30ppm以上、更に好ましくは50ppm以上であり、通常750ppm以下、好ましくは730ppm以下、より好ましくは700ppm以下、更に好ましくは650ppm以下である。
150℃以上である有機化合物の含有量が0ppm(すなわち、150℃以上であるケトン系化合物が検出されない)では、シートの靱性が低下してクラック等の生成により熱伝導度が低下し、750ppm以上では、溶媒により放電が起こりやすくなり、耐電圧が低下する傾向があるため好ましくない。また、溶媒量が多いと、揮発後にボイドが残り、熱伝導度も低下する傾向にある。
更に、窒化ホウ素シート中に有機溶媒(Fa)を含有する場合、有機溶媒(Fa)に対する有機溶媒(F)の割合は、有機溶媒の全量(F+Fa)を100質量%として、通常0質量%超100質量%未満である。有機溶媒の全量を100質量%とした場合、有機溶媒(Fa)に対する有機溶媒(F)の割合が0質量%では、シートの靱性が低下してクラック等の生成により熱伝導度が低下し、100質量%では、高沸点である残存した有機溶媒(F)が、長期の使用中および温度上昇などによって、徐々に蒸発・揮発し、シート内の極小さいボイド部分に滞留するなどして放電が起こりやすくなり、耐電圧および熱伝導性が低下する傾向にある。
すなわち、該シート中に沸点が100℃以下である有機化合物の含有量は、通常0ppm超、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは1ppm以上、更に好ましくは5ppm以上であり、特に好ましくは7ppm以上であり、通常50ppm以下、好ましくは20ppm以下、より好ましくは12ppm以下、更に好ましくは10ppm以下であ
る。上記範囲であると、本発明の効果をより効果的に発揮することが可能である。
なお、上述した有機化合物のシート中の含有量はヘッドスペースガスクロマトグラフィーにて測定できる。
また、本発明の窒化ホウ素シートは、上述のように大きな加重下でシート化を行って製造してもよいが、特に加重をかける前の硬化前シート厚みと加重をかけて完全に硬化させた後の硬化シート厚みの比((硬化シート厚み)/(硬化前シート厚み))から計算される圧縮率(1−(硬化シート厚み)/(硬化前シート厚み))が0.2以上0.8以下の圧縮率の時に、厚み方向に10W/mK以上50W/mK以下の高熱伝導性が発現する。この圧縮率は、より好ましくは0.3以上0.7以下、更に好ましくは0.4以上0.7以下、特に好ましくは0.5以上0.7以下である。圧縮率を上記上限以下とすることにより、BN粒子が破壊することなく、シート中に空隙などがない高い熱伝導性を有するシートを得ることが出来る。また、圧縮率を上記下限以上とすることにより、凝集BN粒子間の接触が良好となり、熱伝導パスを形成しやすくなるため、高い熱伝導性を有する放熱シートを得ることが出来る。
また、このような圧縮率で硬化させて得られる本発明の放熱シートの厚み方向の熱伝導率は、通常10〜70W/mK、好ましくは10〜40W/mK、より好ましくは15〜40W/mKである。
<銅張り合わせ放熱シート>
本発明の銅張り合わせ放熱シートは、例えば、上述の放熱シートの製造方法により製造される銅基板としての銅箔が積層一体化されたものである。
本発明の放熱シート又は本発明の銅張り合わせ放熱シートに銅箔と積層された放熱シートの厚さについては特に制限はないが、通常100〜1000μm、特に150〜500μmであることが好ましい。放熱シートの厚さが上記下限未満では、硬化膜の厚さが薄すぎて、耐電圧特性が悪化し、絶縁破壊電圧が低くなるため好ましくなく、上記上限を超えるとパワー半導体デバイスの小型化や薄型化が達成できなくなるため好ましくない。
また、銅箔の厚さは通常、十分な放熱性を確保するという理由から、30〜200μm、特に30〜150μmであることが好ましい。
〔パワーデバイス装置〕
本発明のパワーデバイス装置は、本発明の放熱シート又は本発明の銅張り合わせ放熱シートが放熱基板として実装されたものであり、その高い熱伝導性による放熱効果で、高い信頼性のもとに、高出力、高密度化が可能である。パワー半導体デバイス装置において、本発明の放熱シート以外のアルミ配線、封止材、パッケージ材、ヒートシンク、サーマルペースト、はんだというような部材は従来公知の部材を適宜採用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記の実施例における各種の条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と下記実施例の値または実施例同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
(測定条件)
本発明における物性や特性は以下に記載の方法にて測定した。
・粘度:
FUNGILAB社の回転粘度計「VISCO BASIC Plus R」を用い、ブレード回転数100rpmにて測定した。
・成形体の厚み方向熱伝導率
成形体を株式会社アイフェイズ製の熱拡散率測定装置「ai―Phase Mobile 1u」で熱拡散率を測定し、これと成形体の比重および比熱を乗じることにより求めた。
・塗布乾燥物中のケトン系化合物の量
ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにて測定した。
(実施例1)
以下に記載される方法で、BN凝集粒子、BN凝集粒子を含むBN粒子含有樹脂組成物、該BN粒子含有樹脂組成物を成形した成形体を作製した。BN―A凝集粒子を作製するためには、原料として、粉末X線回折測定によりえられる(002)面ピークの半値幅が2θ=0.67°、酸素濃度が7.5質量%であるh−BN(以下原料h−BN粉末と記載)を用いた。
・BNスラリーからの凝集粒子の作製
[スラリーA]
以下の配合で粘度が810mPa・sのスラリーAを調製した。
スラリーA配合
原料h−BN粉末:10000g
純水:0g
バインダー(多木化学(株)製「タキセラムM160L」、固形分濃度21質量%):11496g
界面活性剤(花王(株)製界面活性剤「アンモニウムラウリルサルフェート」:固形分濃度14質量%):250g
[スラリーの調製]
原料h−BN粉末を樹脂製のボトルに所定量計量し、次いで純水、バインダーの順に所定量添加した。さらに、界面活性剤を所定量添加した後、ジルコニア性のセラミックボールを添加して、ポットミル回転台で撹拌した。撹拌は、1〜5時間所望の粘度になるまで実施した。
[造粒]
BNスラリーからの造粒は、大河原化工機株式会社製FOC−20を用いて造粒した。ディスク回転数20000〜23000rpm、乾燥温度80℃で実施した。
[BN凝集粒子の作製]
上記BN造粒粒子を、2000℃にて、窒素ガス流通下に加熱処理し、その後、室温まで冷却し、図1に代表されるBN凝集粒子を得た。
[BN粒子含有樹脂組成物の製造]
上記で得られたBN凝集粒子をフィラーとして用い、フィラーとエポキシ樹脂とからなるBN粒子含有樹脂組成物を調製した。
樹脂組成物としては、以下の樹脂を用いた。
エポキシ樹脂は、いずれも三菱化学社製のエポキシ樹脂を用いた。主剤としては多官能エポキシ樹脂157S70を用い、BPA液状エポキシ樹脂828US、及び4275を、157S70 : 828US : 4275= 4 : 1 : 1の重量比で混合した。更に
、エポキシ樹脂混合物と溶媒メチルエチルケトン(MEK)とを66:34重量比で撹拌・混合して所望のエポキシ樹脂液を得た。
(放熱シートの調製及び評価)
[BN粒子含有スラリーの調製]
上記エポキシ樹脂液1.4gを50cc軟膏瓶にとり、上記で製造されたBN凝集粒子7.3gと液粘度調整のための溶媒としてシクロヘキサノン(CHN)6.3gとを混合して、それぞれ手撹拌した後、自公転攪拌機「泡取り錬太郎」AR−250を用いて二分間攪拌を行った。
更に、硬化剤として、四国化成製イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤《キュアゾール》C11Z− CN(1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール)0.06g、及び分散剤として、ビッグケミー・ジャパン社のBYK-2155 0.4gとを加えて手攪拌した後、自公転攪拌機「泡取り錬太郎」AR-250を用いて二分間攪拌を行い塗布用塗布
スラリーとした。
[スラリーの塗布によるシート成形]
次に、ドクターブレードを用いて、ギャップ400μmで福田金属箔粉製Cu箔(厚み
105μm、表面処理あり)上に塗布後、一昼夜風乾しシートを得た。風乾後、4cm角
にカットし、チャック付ビニール袋内にて二日間保管し塗布乾燥物を得た。そして、この塗布三日後の塗布乾燥物について、塗布乾燥物中の有機化合物量を測定した。結果、CHNは1200ppm、MEKは18ppmであった。
次に、シートのボイドを低減化するために、金型と全圧10tonの小型プレス機を用いてホットプレスを行った。プレス前に金型をプレス温度(120℃)よりも10℃高い温度で予熱しておき、プレスの直前に金型内部(4cm角)に剥離PETフィルムで挟んだサンプルシートを入れて上蓋をセットした後、素早く所定温度のプレス機にセットして500kg/cmで3分間プレス処理を行った。
[熱硬化処理]
熱硬化処理は、プレス処理後のシートを約1cm厚みの剥離性ガラス板に挟んだ状態で熱風乾燥機内に投入し、150度,2hr熱硬化させた。
次いで、この硬化物サンプルについて、厚み方向の熱伝導度を測定した。得られた放熱シートの熱伝導度は18.2W/mKであった。
(比較例1)
一昼夜風乾後のビニール袋内での二日間保管を行なわない以外は、実施例1と同法により塗布シートを作成し、塗布一日後の塗布乾燥物について、塗布乾燥物中の有機化合物量を測定した。結果、CHNは1900ppm、MEKは20ppmであった。次いで、この硬化前サンプルを実施例1と同法によりプレスし、熱硬化処理後に厚み方向の熱伝導度と耐電圧を測定した。得られた放熱シートの熱伝導度は11.5W/mKであった。
本発明の製造方法で得られたBN凝集粒子を用いることにより、例えばパワー半導体デバイスで必要とされる熱伝導性と耐電圧の高い、高品質の放熱シートを形成することができる。該放熱シートを有するパワー半導体デバイスは、次世代のSiC、GaNなど、高温動作が可能な高効率基板を用いたパワー半導体デバイスの作製に有用である。

Claims (10)

  1. 窒化ホウ素粒子(以下「BN粒子」と称す。)を含む窒化ホウ素シートの製造方法であって、沸点が150℃以上である有機化合物溶媒を用いてBN粒子含有スラリーを調製する工程、該スラリーを基材に塗布して乾燥させる工程、該塗布乾燥物を加圧して成形する工程、及び該成形物を熱硬化させる工程とを有し、該塗布乾燥物中の150℃以上を有する有機化合物量が0ppm超1800ppm以下であることを特徴とする窒化ホウ素シートの製造方法。
  2. BN粒子が、窒化ホウ素粒子が凝集したものである請求項1に記載の窒化ホウ素シートの製造方法。
  3. BN粒子が、球状である請求項1又は2に記載の窒化ホウ素シートの製造方法。
  4. BN粒子の形態が、カードハウス構造である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の窒化ホウ素シートの製造方法。
  5. BN粒子が、粉末X線回折測定による(100)面と(004)面の強度比((100)/(004))が3以上であり、かつBN凝集粒子の粉末X線回折測定における(002)面ピークから求めた平均結晶子径が375Å以上である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の窒化ホウ素シートの製造方法。
  6. 沸点が150℃以上である有機化合物がケトン系化合物である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の窒化ホウ素シートの製造方法。
  7. 沸点が150℃以上である有機化合物が、環状ケトンである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の窒化ホウ素シートの製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の製造方法で得られた窒化ホウ素シート。
  9. 請求項8に記載のシートと銅箔とを積層一体化してなる銅張り合わせ放熱シート。
  10. 請求項9に記載の放熱シートを含むパワーデバイス装置。
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