JP2015188861A - マイクロチャネル内表面の真空乾燥ポリマー修飾方法 - Google Patents

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【課題】より簡便かつ迅速な分析を実現するために,簡便な修飾手順で高い耐久性を有し,チャネル内表面への生体試料の吸着を抑制できるマイクロチャネルの修飾法を提供する。
【解決手段】疎水性のマイクロチャネル内表面の修飾方法であって、マイクロチャネル内に親水性ポリマーの溶液を充填し、真空乾燥を行うことを特徴とする、マイクロチャネル内表面の修飾方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロチャネル内表面の修飾方法に関する。
マイクロチップ電気泳動 (MCE) やバイオチップに代表されるマイクロチャネル分析デバイスにおいては,特に生体試料を扱う場合,静電相互作用または疎水性相互作用によってチャネル内表面へ試料が吸着し,結果として分離分析性能および分析の再現性の低下が起こることが問題となる。この問題を解決するために,これまでに様々なチャネル内表面修飾法が開発されており,それらは主に物理吸着法と化学修飾法の二つに大別される。
物理吸着法による修飾は,修飾剤を分析前にチャネル内表面に吸着させることで行う最も簡便な表面修飾法であり,ポリエチレングリコール (PEG) などの中性ポリマーや硫酸ドデシルナトリウム (SDS) などの界面活性剤が修飾剤として用いられてきた。しかし,物理吸着法は,修飾操作は容易であるものの耐久性が低く,コーティングしたポリマーの剥離によって分析の再現性が低下するという欠点がある。また,ダイナミックコーティング(動的修飾)法は,物理吸着法で修飾した内表面に対して修飾剤を含む泳動液を用いて分析することで,分析の再現性を向上させる修飾法であるが,泳動液に修飾剤が含まれているために適用範囲が限定され,特に質量分析計などの検出器を用いることができなくなる。さらに,静電相互作用を利用してイオン性ポリマーを交互に重ねた修飾層を形成させるsuccessive multiple ionic layer (SMIL) コーティングなども報告されているが,多層コーティングのために複数回の溶液導入および洗浄操作が必要となるため,修飾操作が煩雑となる。
化学修飾法としては,反応活性部位を含むポリマーを共有結合を介してチャネル内表面に固定化する手法が開発されており,物理修飾法に比して安定な修飾層が得られるものの,チャネル内表面のシラン化などの修飾操作に加え,修飾剤への反応活性基導入のための合成操作が必要となる場合が多く,有機溶媒を反応溶媒や洗浄溶媒として使用するため,ポリマー製のチップデバイスには不向きである上に,修飾に長時間を要する例が多い。
非特許文献1は、PDMS製のマイクロチップにおいて,生体分子の吸着および電気浸透流(EOF)を抑制するために,チャネル内表面をPVAで修飾する技術を開示する。酸素プラズマで接合したPDMSチャネルチップに対し,1% PVA水溶液を注入し,10分間静置した後,PVA水溶液を吸い出してから,110℃で15分間乾燥する。この工程を計3回繰り返した後,最後に140℃で20分間乾燥させるという修飾法で,合計1時間30分以上の実験操作を要するものであった。PVAは加熱乾燥することにより結晶性の構造を形成するため,立体的な反発力による生体分子の吸着抑制効果を示すことが知られており,キャピラリー電気泳動 (CE) などにおいて吸着抑制用の修飾ポリマーとして用いられている。マイクロチップ分析デバイスにおいてもPVA修飾は有用であるが,これまでに報告された加熱乾燥法では,修飾操作に1時間30分以上もの時間と煩雑な操作を必要とすることに加え,チャネルが閉塞しやすく,修飾の歩留まりが悪い(40〜60%ほどの修飾成功率)ことが問題であった。
非特許文献2は、PDMS製のマイクロチップにおいて,生体分子の吸着およびEOFを抑制するために,チャネル内表面をキチンで修飾する技術を開発した。酸素プラズマで接合したPDMSチャネルチップに対し,カルシウム飽和メタノールにキチンを濃度0.7%になるよう溶かした溶液を注入し,3.0 × 10-2 Torr で30分間真空乾燥を行うだけでキチンが修飾される。しかしながら、この方法は水溶性の低いポリマーであるキチンの修飾技術として開発されたものであり,揮発性の高いメタノール溶媒にしか使えないことが問題であった。また,キチンを溶解させるために大量のカルシウムイオンを含むメタノール溶媒を用いていることも問題であり,修飾ポリマー層中に残存したカルシウムイオンが生体試料分析に悪影響を及ぼす可能性が否定できない。さらに,キチンはこれまでにCEならびにMCEで修飾ポリマーとして用いられた実績がほとんどなく,CEやMCEにおける修飾ポリマーには汎用性が求められることから考えると,PVAやセルロース系ポリマーに代表される水溶性ポリマーと比べて,今後の応用を目指した発展性に問題が残っている。
Dapeng Wu et al. Electrophoresis, 2005, 26, 211-218. Kenji Sueyoshi, Yusuke Hori, Koji Otsuka, Microfluid Nanofluid, 2013, 14, 933-941.
マイクロチャネル分析デバイスの最大の利点は,使い捨て可能,簡便,および短時間分析であるので,チップ作製やその修飾に長時間を要するのは望ましいことではない。
本発明は、より簡便かつ迅速な分析を実現するために,簡便な修飾手順で高い耐久性を有し,チャネル内表面への生体試料の吸着を抑制できるマイクロチャネルの修飾法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のマイクロチャネル内表面の修飾方法を提供するものである。
項1. 疎水性のマイクロチャネル内表面の修飾方法であって、マイクロチャネル内に親水性ポリマーの溶液を充填し、真空乾燥を行うことを特徴とする、マイクロチャネル内表面の修飾方法。
項2. 前記親水性ポリマーがポリビニルアルコール(PVA)である、項1に記載の修飾方法。
項3. 前記マイクロチャネルがポリジメチルシロキサン(PDMS)製である、項1又は2に記載の修飾方法。
項4. 疎水性のマイクロチャネル内表面を界面活性剤で親水化前処理工程を行い、その後親水性ポリマーの溶液を充填し、真空乾燥を行うことを特徴とする、マイクロチャネル内表面の修飾方法。
項5. 前記界面活性剤がアニオン界面活性剤である、項4に記載のマイクロチャネル内表面の修飾方法。
項6. 前記界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウム(SDS)である、項4又は5に記載のマイクロチャネル内表面の修飾方法。
本発明によれば、修飾操作の簡便化,修飾時間の短縮,修飾の歩留まりの向上が挙げられる。特にPVA修飾においては,従来法ではPVA溶液充填・吸引除去・加熱乾燥という一連の作業を3回繰り返す必要があるのに対し,真空乾燥法ではSDS溶液通液・PVA溶液充填・真空乾燥を一度だけ行えばよい。修飾時間も1時間30分以上から10分以内までに短縮できる。さらに,チャネル修飾成功の歩留まりの向上は特筆に値し,加熱乾燥法ではチャネル閉塞の影響が大きく,成功率は40〜60%程度であったのに対し,真空乾燥法の歩留まりは95%以上までに向上した。
また,従来法ではメタノールのような揮発性の高い溶媒に溶かしたポリマーにしか適用できなかった真空乾燥法を,SDS溶液を通液する親水化処理の導入によって,水溶液系ならびに水溶性ポリマーの修飾に利用できることになったことで,応用範囲が大幅に広がったことも優れた効果として挙げられる。得られた実験データより,真空乾燥法によっても加熱乾燥時と同様にPVAの結晶様構造が形成されていることが示唆されている。したがって,半永久的に安定なPVA修飾が短時間で得られるうえ,本発明の手法は従来法に比して大量生産に向いていることも,産業への活用を鑑みると優れた効果であると言える。
クロス型PDMSチップ チャネル断面像(a) SDS前処理なし,(b) SDS前処理後,真空乾燥PVA修飾 (a) SDS未処理,(b) SDS処理後にPVA修飾したチャネルの顕微鏡画像 電気浸透移動度の変化 (a) 加熱乾燥法, (b) 真空乾燥法によるPVA修飾チップにおけるエレクトロフェログラム pH7.0でのキトサン修飾チップにおける電気浸透移動度の変化 電気浸透移動度のpH依存性 (a) 未修飾チップ, (b) キトサン修飾チップにおけるエレクトロフェログラム. ストレート型PDMSチップ PVP修飾チップにおけるグルコースオリゴマーのエレクトロフェログラム PVP修飾チップにおけるAGP結合糖鎖のエレクトロフェログラム
本明細書において、マイクロチャネルは、マイクロチップ電気泳動 (MCE) やバイオチップに代表されるマイクロ分析デバイスに形成されるものである。
マイクロチャネルを構成する分析デバイスの材質としては、気体透過性ならびに透湿性の高いポリマーが挙げられ、 好ましくはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。このようなポリマー基板は上記のような利用可能な微細加工技術(例えばソフトリソグラフィー、フォトリソグラフィー、レーザーアブレーション、エアアブレーション技術)を使用するか、又は射出成形、エンボシング又はスタンピング等の周知成形技術を使用して微細加工原型から低コストで容易に製造され、処分も容易であるので好ましい。
マイクロチャネルの内表面の修飾は、親水性ポリマーの水溶液をマイクロチャネルに充填し、真空乾燥を行うことにより実施される。親水性ポリマーの濃度は0.0001〜30質量%程度、好ましくは0.001〜20質量%程度、より好ましくは0.01〜10質量%程度、さらに好ましくは0.1〜5質量%程度である。圧力は、0.0001〜1 Torr、好ましくは0.0005〜0.5 Torr、より好ましくは0.001〜0.1 Torrである。真空乾燥時の温度は、好ましくは10〜40℃程度、より好ましくは20〜30℃程度である。
親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、 メチルセルロース、キトサン、アガロースなどが挙げられ、好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA)が挙げられる。
マイクロチャネルは、親水性ポリマーによるコーティング/修飾の前に界面活性剤で処理して表面を親水性にしておくことが好ましい。界面活性剤による処理は、界面活性剤の水溶液をマイクロチャネル内で流動させればよい。流動させる界面活性剤溶液の濃度は、0.1〜100mM程度、好ましくは1〜50mM程度、さらに好ましくは5〜30mM程度である。
界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤 のいずれを使用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩 などが挙げられる。これらのアニオン界面活性剤の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩などを挙げることができる。なお、上述した種々の化合物のアルキル基もしくはアシル基は、10〜20の炭素原子を通常含有するものであることが好ましい。好ましいアニオン界面活性剤は、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)などのアルキル硫酸塩が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩 等が挙げられる。
本発明のマイクロチャネルの寸法(幅、深さ、高さ又は直径)は、通常約1〜約500μm、好ましくは10μm〜約200μm、より好ましくは約20μm〜約150μm、更に好ましくは約30μm〜約100μmである。本発明のマイクロチャネルを有するデバイスは、基板上に配置された少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個のマイクロチャネルを含む。マイクロチャネルの終端には試料、廃液、反応液、泳動液などの各種の液を溜めるリザーバーが配置され得る。このようなマイクロチャネルは個々に分離していてもよいし、あるいは、流体的に接続されていてもよい。マイクロチャネルの接続はチャネル交点、バルブ等により提供することができる。チャネル交点は多数のフォーマットで存在することができ、十字交点、「T」字交点、又は2本のチャネルを流体連通させる多数の他の構造が挙げられる。
マイクロチャネル内で流動する試料液としては、血清、血漿、組織抽出物、細胞抽出物、核抽出物、微生物培養抽出物、臨床サンプル、唾液検体、脳髄液、尿サンプル、環境サンプルなどが挙げられる。具体的には、体液(例えば血清、血漿、脳髄液、滑液、リンパ液等)、***物(例えば尿等)、生体由来検体(例えば喀出物、膿状物、皮膚剥離物等)、環境検体(例えば飲食物、水道水、海水、湖沼水、河川水、工場廃水、半導体洗浄液、医療器具洗浄液等)、並びに水、当分野で通常使用されるバッファー(例えばtris−バッファー、リン酸バッファー、硼酸バッファー、グッドバッファー等)及び有機溶媒に溶解することにより再構成されたそれらの処理物が例示される。本発明で得られる内表面が被覆されたマイクロチャネルを含むデバイスの測定対象物としては、これらのサンプル中に含まれるペプチド、酵素及びホルモンなどを含むタンパク質、核酸、糖鎖、細菌、ウイルス、真菌などの微生物、食物などのアレルギー性もしくは抗原性物質、環境ホルモンなどが挙げられる。本発明のコーティングによりこれらの測定対象物のマイクロチャネル表面への吸着が抑制される。
本発明の製造法で得られる内表面修飾マイクロチャネルを含むデバイスは、電気泳動、化学反応、免疫反応等の各種用途に使用できる。具体的には、電気泳動(例えば等電点電気泳動、ゲル電気泳動、ゾーン電気泳動、アフィニティー電気泳動)、ミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)、誘電泳動等の電気を利用する電気的分離法、カラム分析法(例えばゲル濾過カラム分析、イオン交換カラム分析、アフィニティーカラム分析)などが挙げられる。
本発明の製造法で得られる内表面修飾マイクロチャネルを含むデバイスは、吸光度検出器、蛍光検出器、電気化学検出器、電気伝導度検出器等の検出器を備えるのが好ましい。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
実施例1
1. PDMSマイクロチャネルのPVA修飾
1.1 実験方法
1.1.1 PDMSチップの作製
PDMSチップの作製は,一般的なフォトリソグラフィー技術により作製したSU-8製の鋳型を用いて行った。PDMS (SYLGARD(登録商標) 184 SILICONE ELASTOMER,東レ・ダウコーニング) プレポリマーと架橋剤を重量比10 : 1で混合し,SU-8鋳型とシリコンウエハそれぞれの上にPDMSを流し入れた後,110℃のオーブンで20 min加熱した。硬化後,SU-8鋳型からPDMSを剥離し,直径3 mmの穴を開けてリザーバーを作製した後,シリコンウエハと鋳型からそれぞれ剥離したPDMSが鋳型に接していた面を真空プラズマ装置 (O2 流量, 50 cc; 圧力, 0.5×10-2Torr; プラズマ照射時間, 2 min; 出力, 140 W) を用いて表面処理した。真空プラズマ装置からPDMSを取り出した直後に貼り合わせ,PDMSチップを作製した。
1.1.2 真空乾燥法によるチャネル内表面のPVA修飾
はじめにPDMSチップのチャネル内をメタノールで洗浄し,10 mM 硫酸ドデシルナトリウム(SDS) 水溶液をチャネル内に導入し,10 min静置した。SDS溶液を除去後,2% polyvinylalcohol (PVA, n=約2000, 80% hydrolyzed, 東京化成化学) 水溶液をチャネル内に充填し,リザーバー内のPVA溶液のみを除去後,真空乾燥 (5.0×10-2 Torr, 5 min) を行った。
1.2.3 加熱乾燥法によるチャネル内表面のPVA修飾
真空乾燥法によるPVA修飾法との比較のため, 従来の加熱乾燥法によってチャネル内表面にPVA修飾を施した。2% (w/v) PVA水溶液をチャネル内に満たし,10 min静置。PVA溶液を吸引し除去した後,110℃で15 min加熱乾燥を行った。以上の操作をさらに2回繰り返した後,140℃で20 min加熱乾燥を行って修飾を完成させた。
1.2.4 マイクロチップ電気泳動 (MCE) 分析(図1)
チップ: クロス型PDMSチップ (チャネル幅 80 μm, 深さ 50 μm)
(図1中、V1 試料, V2試料廃液, V3 泳動液, V4 廃液リザーバー)
試料導入法: pinched injection
検出方法: レーザー励起蛍光 (LIF) 検出 (ex 488 nm / em 520 nm)
検出部: クロス部からV4方向に25.0 mm
泳動液: 30 mM MES buffer (pH 7.0)
試料: 20 μM uranine, 500 ppm FITC-labeled bovine serum albumin (BSA)
印加電圧: (試料ロード) V1, 0.00 kV; V2, 0.60 kV; V3, 0.00 kV; V4, 0.00 kV (60 s)
(分離) V1, 0.60 kV; V2, 0.60 kV; V3, 0.00 kV; V4, 1.20 kV
1.2 結果と考察
1.2.1 真空乾燥法によるPVA修飾の修飾状態の検討(図2,3)
初期検討として,作製したPDMSチップのチャネル内にPVA溶液だけをチャネル内に充填し,真空乾燥を行ったが,チャネルの閉塞や試料が泳動しないなどの現象が観察されたことから,チャネル内表面が不均一に修飾されていることが示唆された。そこでPVAを用いるチャネル内表面修飾の均一性を検証するために,PVA溶液に蛍光試薬のウラニンを添加して修飾操作を行い,チャネル断面の蛍光を観察することで修飾状態を評価した。ウラニンを添加したPVA溶液をチャネル内に充填後,30 min 真空乾燥した結果を図2aに示したが,チャネルの下半分にのみウラニンの蛍光が観測され,修飾が均一に施せていないことがわかった。これは,PDMS表面の疎水性が高いために,親水性ポリマー水溶液のみでは乾燥する際に形成される液滴がはじかれてしまうことから,重力の影響を受けて下方に偏るように膜が形成されてしまったことに起因すると推測される。そこで,SDS溶液を用いたチャネル内表面の改質がPVA修飾に与える影響について検討を行ったところ,図2bの結果が得られ,SDS溶液を用いてチャネル内表面を親水化することで,均一な修飾が可能となることが確認された。以上の結果から,SDS溶液を通液してチャネル内表面を親水化した後に,ポリマー溶液をチャネル内に充填し真空乾燥を行うことで,親水性ポリマーの水溶液でもチャネル内表面を均一に修飾することが可能であることが示された。
より詳細な検証のため,SDS溶液による親水化処理を行ったチャネルと行っていないチャネルにPVA修飾を施し,その比較を行った。図3より,チャネル内表面がSDS溶液によって親水化されることで,接触角が低下し,チャネル内のメニスカスの形状がより凹になる様子が観察された。このことから,チャネル内の親水化処理によって,濡れ性が向上して液滴形成が防止され,均一な薄膜形成が可能となったうえに,メニスカスの湾曲による比表面積が増大するために,乾燥の進行が促進し,チャネル内表面に短時間で均一な修飾が施されたものと推測される。
1.2.2 PVA修飾チップにおける電気浸透流 (EOF) 測定(図4)
泳動液のpHが7.0の条件で電気浸透移動度の値を測定し,耐久性,再現性の検討を行った結果を図4に示す。従来の加熱乾燥法と今回の真空乾燥法では,どちらもほぼ同じ電気浸透移動度の値が得られることがわかった。また,破線で示した未修飾チップでの電気浸透移動度の値と比較して,それぞれの修飾手順で作製したチップにおいて電気浸透移動度の値が小さくなっていることから,PVA薄膜がチャネル内表面に形成されることで,EOFを効果的に抑制できることが確認された。なお,加熱乾燥法・真空乾燥法ともに,30回の連続測定において安定したEOFが観測され,形成された薄膜の耐久性の高さが確認された。さらに,どちらのチップにおいても電気浸透移動度のRSDの値は5.3% および8.4% (n = 30) と良好な値を示すことがわかった。以上の結果から,簡便な真空乾燥法を用いて短時間で作製したチップにおいても,従来法により作製したチップ同様にチャネル内表面にPVA薄膜が形成されていることが示された。
1.2.3 PVA修飾におけるチップ間再現性(表1,2)
加熱乾燥法によって作製したチップにおける電気浸透移動度のチップ間RSD値は11.2% であったの対し,真空乾燥法によって作製したチップにおいては4.90% となり, 10% 以内の良好な再現性が得られた。なお,チャネルの閉塞などにより測定に用いることができなかったチップは加熱乾燥法の方が多く,チャネル修飾成功の歩留まりは,加熱乾燥法で40〜60%程度であったのに対し,真空乾燥法では95%以上までに向上した。
1.2.4 PVA修飾チップにおけるタンパク質のMCE分析(図5,表3)
PVA修飾チップにおいて,蛍光ラベルしたBSAをMCE分析したところ,どちらの修飾チップにおいても対称性が高く,鋭いピークが観察された。これはPVA修飾によって,タンパク質試料のチャネル内表面への非特異的吸着が抑制されていることを示している。また,検出時間,段高,非対称性パラメーター(AS) に修飾手順の違いによる差は見られなかった。なお,既報(Electrophoresis 2005, 26, 211-218) ではBSAの段数がおよそ40 μmであったのに対し,真空乾燥法では10 μmほどと優れていることからも,真空乾燥法の優位性が明らかとなった。以上の結果から,真空乾燥法による修飾チップにおいても,従来法の加熱乾燥法による修飾チップと同程度のEOF抑制効果およびタンパク質試料の吸着抑制効果ならに分離性能を有することがわかった。
1.3 結論
真空乾燥法によるPVA修飾は,簡便な手順で10 min以内に行うことができ,修飾時のチャネルの閉塞も発生しなかった。また,それぞれの修飾手順で得られたチップにおいて電気浸透移動度の値,タンパク質の吸着抑制効果,耐久性において大きな差がなく,チップ間再現性ならびに修飾の歩留まりについては,真空乾燥法が優位であることがわかった。
実施例2
2. 真空乾燥法によるキトサン修飾
2.1 実験方法
2.1.1 PDMSチップの作製・実験装置
チップの作製ならびに実験装置は1.1節と同様である。
2.1.2 真空乾燥法によるキトサン修飾チップの作製
キトサン溶液は,1% 酢酸溶液10 mLに10 mgキトサンを添加し,マグネチックスターラーで1 h撹拌することで得た。このキトサン溶液を用い,チャネルの修飾を1.1.2節と同様に行った。
2.1.3 MCE分析
MCE分析は1.2.4節と同様の装置・チップを用いて行った。
泳動液 : 30 mM MES buffer (pH 7.0), 30 mM phosphate buffer
試料 : 20 μM uranine, 1 μM Alexafluor 488, 1 ppm rhodamine 123
印加電圧 : (Loading) V1, 0.00 kV; V2, 0.60 kV; V3, 0.00 kV; V4, 0.00 kV (60 s)
(Injection and Separation) V1, 0.60 kV; V2, 0.60 kV; V3, 0.00 kV; V4, 1.20 kV
2.2 実験結果および考察
2.2.1 EOFの再現性(表4)
表4から,真空乾燥法により作製したキトサン修飾チップにおける電気浸透移動度の測定間の再現性は5%以下となり,良好な値であることがわかった。また,チップ間再現性も良好であり,再現よく修飾を施すことが可能であることが示された。
2.2.2キトサン修飾の耐久性の検討(図6)
図6に示すように15回の連続測定においても安定したEOFが観測され,RSDも10%以下となった。キトサンを真空乾燥法によるチャネル内表面修飾の修飾剤として用いることで,耐久性の高い修飾が得られることがわかった。
2.2.3キトサン修飾チップにおけるEOFのpH依存性(図7)
キトサン修飾チップにおける電気浸透移動度のpH依存性を図7に示す。また,比較のために未修飾チップおよびキチン修飾チップにおける電気浸透移動度の値も示した。
キトサン修飾チップにおいては,泳動液のpHが7.0以上の条件では未修飾チップと比較して陰極に向かうEOFが抑制されていることが明らかとなった。また,泳動液のpHが6.0以下の条件においては,キチン修飾チップと比較してより早い負のEOFが発生することが確認された。これは,修飾によりキトサン薄膜がチャネル内表面に形成されることでチャネル内表面の負のゼータ電位が減少していることや,キチン中のアミノ基の酸解離定数が6.0であるのに対してキトサン中のアミノ基の酸解離定数は6.4であることに加え,キトサン修飾チップでは,キチン修飾チップと比較してチャネル内表面にアミノ基が多く存在し,チャネル内表面がより正に帯電しやすいことに起因するものと考えられる。したがって,真空乾燥法を用いることで,PVAのようにEOFを抑制するポリマー材料のみならず,pHによりEOF速度を制御できる修飾ポリマー材料への応用も可能であることが確認された。
2.2.4キトサン修飾チップにおけるMCE分析(図8)
pH 3.0の条件において, カチオン性試料としてrhodamine 123を,アニオン性試料としてAlexafluor 488を用い,MCE分析を行った結果を以下の図8に示す。
pH 3.0の条件において未修飾チップで得られる正のEOF (μEOF = 0.24×10-4 cm2V-1s-1) はアニオンであるAlexafluor 488の電気泳動速度よりも遅く, rhodamine 123と泳動の向きが逆になってしまうため, 同時に分析することができなかった。一方, pH 3.0の条件では, キトサン修飾チップにおいては非常に速い負のEOF (μEOF = -3.33×10-4 cm2V-1s-1) が観察され, rhodamine 123とAlexafluor 488の同時分析が達成された。
2.3 結論
修飾剤としてキトサンを用いても,真空乾燥によるチャネル内表面の修飾が可能であることが明らかとなった。得られたキトサン修飾PDMS製マイクロチップでは,泳動液のpHに応じた安定なEOFが観察され,pH 3.0-9.0の幅広いpH条件において使用できることが確認されたことから,真空乾燥法によってキトサン修飾を施すことで,安定したEOFと高い耐久性を有するMCE分析用PDMS製マイクロチップを簡便に作製できた。
実施例3
3. 真空乾燥法によるメチルセルロース・アガロース修飾
3.1 実験方法
3.1.1 PDMSチップの作製・実験装置
チップの作製ならびに実験装置は1.1節と同様である。
3.1.2 真空乾燥法によるメチルセルロース・アガロース修飾チップの作製
0.1%メチルセルロース水溶液および0.1%アガロース水溶液を用い,チャネルの修飾を1.1.2節と同様に行った。
3.2.3 MCE分析
MCE分析は1.2.4節と同様の装置・チップを用いて行った。
泳動液 : 30 mM MES buffer (pH 7.0)
試料 : 20 μM uranine / 泳動液
印加電圧 : (Loading) V1, 0.00 kV; V2, 0.60 kV; V3, 0.00 kV; V4, 0.00 kV (60 s)
(Injection and Separation) V1, 0.60 - 0.65kV; V2, 0.60 - 0.65 kV; V3, 0.00 kV; V4, 1.20 kV
3.2 実験結果および考察
3.2.1メチルセルロース修飾(表5)
表5からメチルセルロース修飾をチャネル内表面に施すことによってEOFが抑制され,再現性も良好であることがわかった。これは,チャネル内表面にメチルセルロース薄膜が形成されたことでチャネル内表面の負のゼータ電位が減少したためだと考えられる。また,pH 7.0におけるPVA修飾チップでのEOFの値 (μEOF = 0.56 ×10-4 cm2V-1s-1) とほぼ同じ値を示すことがわかった。以上の結果から,真空乾燥法はメチルセルロース修飾にも適用可能であることが確認された。メチルセルロースは,古くからCEおよびMCEで修飾ポリマーとして用いられており,真空乾燥法をより汎用性の高い水溶性ポリマーの修飾にも応用できることが確認された。
3.2.2 アガロース修飾
表6の結果から,アガロース修飾をチャネル内表面に施すことによって抑制され,再現性も良好であることがわかった。しかし,メチルセルロース修飾チップにおけるEOFの値 (μEOF = 0.6 ×10-4 cm2V-1s-1) と比較して,EOFの抑制効果が小さいこともわかった。修飾に用いるアガロース溶液の濃度を高くすることで,EOF抑制効果が大きくなると考え,濃度のより高い1%アガロース水溶液を用いた修飾を試みたものの,熱水に溶解させたアガロース溶液を室温で放置するとゲル化してしまい,修飾に用いることはできなかった。アガロースではEOFの抑制は難しいことがわかったが,生体適合性が高いことから,バイオ分析チップなどへの応用が期待される。
3.3 結論
天然多糖類高分子材料を修飾剤として用いた真空乾燥法について検討し,メチルセルロースおよびアガロースをチャネル内表面修飾できることが確認された。
4. 真空乾燥法によるポリビニルピロリドン(PVP)修飾
4.1 実験方法
4.1.1 PDMSチップの作製・実験装置
チップの作製ならびに実験装置は1.1節と同様である。
4.1.2 真空乾燥法によるPVP修飾チップの作製
PVP溶液は,水10 mLに10 mg PVPを添加し,マグネチックスターラーで1 h撹拌することで得た。このPVP溶液を用い,チャネルの修飾を1.1.2節と同様に行った。
4.1.3 MCE分析
チップ: ストレート型PDMSチップ(図9) (チャネル長さ60 mm, 幅 100 μm, 深さ 50 μm)
試料導入法: 全量注入
検出方法: 蛍光検出 (ex 488 nm / em 520 nm)
検出部: 陽極側リザーバーから陰極方向に5.0 mm
泳動液: 50 mM HEPES (pH 6.83) 緩衝液
試料: 0.2 μMグルコースオリゴマー, 400 ppm α1-酸性糖タンパク質 (AGP) 結合糖鎖(8-アミノピレン-1,3,6-トリスルホネート (APTS) で誘導体化)
印加電圧: -6.0 kV
4.2 実験結果および考察
4.2.1 LVSEP法によるグルコースオリゴマー分析
分離チャネル全体に充填した試料を濃縮・分離できるlarge volume sample stacking with electroosmotic flow pump (LVSEP) と呼ばれるオンライン試料濃縮法は,高効率な濃縮に基づく高感度検出と反転泳動に基づく高分離性能を実現できる。ここでは,LVSEP法とMCEを組み合わせたLVSEP-MCEによる糖類の分析について検討を行った。
図10にPVP修飾チップを用いてLVSEP-MCEによりG3, G5, G7混合試料を分析した結果を示した。
1% PVPにより修飾したチップにおいては,PVAを真空乾燥修飾したチップと同等の抑制されたEOF特性を示し,糖類の鋭い分離ピークが得られたのに対し,0.1 % PVP修飾チップではグルコースオリゴマーが分離はされたが,ピークが大きく広がった。この結果は,0.1 % PVP修飾チップでは電気浸透移動度が2.3 × 10-4 cm2V-1s-1と大きく,EOFが抑制されていない結果を反映している。この電気浸透移動度はグルコースオリゴマーの電気泳動移動度に近い値であるため,試料成分がゆっくりと泳動し,ピークが広がったものと考えられる。このように真空乾燥PVP修飾チップでは,修飾ポリマーの濃度によりEOF速度を制御できることが示唆された。
4.2.2 糖タンパク質結合糖鎖のLVSEP-MCE分析(図11)
図11にPVP修飾チップを用いたLVSEP-MCEによりAGP結合糖鎖を分析した結果を示した。AGP結合糖鎖のAII, AIIIとAIV, AVの分離はなされていないが,3本のピークを検出することができた。糖タンパク質であるAGPから調製した試料にもかかわらず,ピークのテーリングが見られないことから,真空乾燥PVP修飾チップが糖試料の吸着抑制に有効であることも示された。
4.3 結論
修飾剤としてPVPを用いても,真空乾燥によるチャネル内表面の修飾が可能であることが明らかとなった。得られたPVP修飾PDMS製マイクロチップでは,修飾ポリマーの濃度でEOFを制御できることが確認され,糖試料の吸着も抑制できたことから,真空乾燥法によってPVP修飾を施すことで,MCE糖分析用PDMS製マイクロチップを簡便に作製できた。
マイクロチップ電気泳動用デバイス,マイクロ流体デバイス,バイオチップなど,特に微量な生体試料を分析するマイクロデバイスにおける内表面修飾法として有望であり,溶液を充填して真空チャンバーに入れるだけという簡便な修飾操作は,大量生産への応用が期待できる。

Claims (6)

  1. 疎水性のマイクロチャネル内表面の修飾方法であって、マイクロチャネル内に親水性ポリマーの溶液を充填し、真空乾燥を行うことを特徴とする、マイクロチャネル内表面の修飾方法。
  2. 前記親水性ポリマーがポリビニルアルコール(PVA)である、請求項1に記載の修飾方法。
  3. 前記マイクロチャネルがポリジメチルシロキサン(PDMS)製である、請求項1又は2に記載の修飾方法。
  4. 疎水性のマイクロチャネル内表面を界面活性剤で親水化前処理工程を行い、その後親水性ポリマーの溶液を充填し、真空乾燥を行うことを特徴とする、マイクロチャネル内表面の修飾方法。
  5. 前記界面活性剤がアニオン界面活性剤である、請求項4に記載のマイクロチャネル内表面の修飾方法。
  6. 前記界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウム(SDS)である、請求項4又は5に記載のマイクロチャネル内表面の修飾方法。
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