JP2015185691A - 半導体ウェハ加工用粘着テープ、該粘着テープの製造方法および半導体ウェハの加工方法 - Google Patents

半導体ウェハ加工用粘着テープ、該粘着テープの製造方法および半導体ウェハの加工方法 Download PDF

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祥文 岡
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雅人 大倉
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Abstract

【課題】半導体ウェハの加工、特に、シリコンウェハなどのハーフカットダイシング、又はステルスダイシングによる改質層形成、裏面研削工程を経た後にカーフシフト発生の抑制もしくはチップ側面のチッピングによる抗折強度低下が防止され、テープ剥離工程後のウェハ表面への糊残りが抑制された半導体ウェハ加工用粘着テープ、該粘着剤の製造方法及び半導体ウェハの加工方法を提供する。
【解決手段】基材フィルム1上に放射線硬化性の粘着剤層2を有する半導体ウェハ加工用粘着テープ10であって、該半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカットまたはレーザーにより改質層形成を行った半導体ウェハを、裏面研削し個片化する工程で用いられる半導体ウェハ加工用粘着テープであって、かつ、該粘着剤の紫外線照射後タック力の低下率が酸素介在下で60%以上である半導体ウェハ加工用粘着テープ、該粘着剤の製造方法及び半導体ウェハの加工方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンウェハ等の半導体装置を製造するにあたり、半導体ウェハの加工のために使用される半導体ウェハ加工用粘着テープ、該粘着テープの製造方法および半導体ウェハの加工方法に関するものである。
特に、本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープは、半導体ウェハ等を固定しバックグラインディングするために使用されるものである。
半導体ウェハなどを半導体チップに加工し、電子機器に実装するに至る工程は、例えば、半導体ウェハのパターン表面に半導体ウェハ加工用粘着テープ(半導体ウェハ表面保護用粘着テープとも称す)を貼り付ける工程、半導体ウェハの裏面を研削し、厚みを薄くする工程、該工程で研削し、厚みを薄くした半導体ウェハをダイシングテープへマウントする工程、半導体ウェハから前記の半導体ウェハ加工用粘着テープを剥離する工程、ダイシングにより半導体ウェハを分割する工程、分割された半導体チップをリードフレームへ接合するダイボンディング工程を経た後、半導体チップを外部保護のために樹脂で封止するモールド工程等により構成されている。
一方、半導体ウェハ加工用粘着テープは、大きく分けて、放射線硬化型と感圧型の2種存在する。放射線硬化型は、照射後に粘着力が著しく低下し、剥離を容易にするものであり、感圧型は、放射線によって粘着力は変化せず、半導体ウェハ裏面加工中・剥離時共に同様の粘着力であるものである。
この半導体ウェハ加工用粘着テープは、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン基材樹脂フィルム上に、アクリルポリマーを主成分とした粘着剤層が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
半導体ウェハ表面のパターンには、各種の電子回路や電極、それらを保護するポリイミドなどの保護膜、さらに半導体ウェハをチップに個片化するダイシング工程時にブレードが切り込む溝であるスクライブラインが存在する。上記のような構造により、半導体ウェハ表面は平滑ではなく数μm〜数十μmの段差・凹凸が存在している。
この段差は半導体ウェハやデバイスの種類によって様々であるが、半導体ウェハ加工用粘着テープを貼合することで半導体ウェハ表面の段差に密着して隙間を埋めることが期待される。しかし、半導体ウェハの段差が大きい場合や、半導体ウェハ加工用粘着テープが硬い場合は半導体ウェハ表面への追従性が不足する。これに起因してバックグラインド工程時に研削水が半導体ウェハと半導体ウェハ加工用粘着テープの隙間に浸入するシーページと呼ばれる現象が発生する。
このシーページが発生することで、半導体ウェハ加工用粘着テープが半導体ウェハから剥離し、その箇所を起点として半導体ウェハにクラックが発生し破損に繋がることや、浸入水による半導体ウェハ表面の汚染や糊の付着が発生し、歩留りを大きく悪化させる原因となる。
シーページの発生に対しては、例えば特許文献2に示されるように粘着剤を厚くする、粘着剤の弾性率を下げるといった方法で半導体ウェハ表面への密着性を向上させる方法が知られている。また、粘着剤の粘着力を高めることでも同様の効果が期待される。
しかし、上記のような方法では、粘着剤と半導体ウェハ表面が強く密着することから、半導体ウェハ加工用粘着テープ剥離時に粘着剤が凝集破壊すること、半導体ウェハ表面に粘着剤の一部が残ってしまう糊残りといわれる現象が発生しやすいことなどの問題がある。糊残りが発生する場合、後工程でのワイヤーボンディングや電気的接続において不具合を引き起こす原因となり得る。
半導体ウェハの薄膜化が進む近年は、特に半導体メモリー用途では100μm以下の薄膜研削が一般的であり、50μm以下の厚さでも量産が行われている。薄膜研削時には半導体ウェハの抗折強度が不足するため、バックグラインディング後、次工程へのハンドリングなどで半導体ウェハ割れが発生するリスクや、ダイシングによるチップ化後のチップ抗折強度が不足する問題がある。この問題に対してはバックグラインド時にドライポリッシュ・CMP・ウェットエッチング・ドライエッチングなどにより抗折強度を高めるプロセス改善がなされてきた。
しかし、バックグラインド時に上記ストレスリリーフ手法により研削面のマイクロクラックを完全に除去しても、ダイシング時に通常のブレードを用いたダイシング方法ではチップの側面のチッピングにより、チップの抗折強度が高められない問題がある。
バックグラインド時のストレスリリーフ工法においても、ストレスリリーフによって、半導体ウェハ研削面を完全に平滑にしたことによる、ゲッタリング層の消失という弊害が報告されている。これに対して、ウルトラポリグラインド・ゲッタリングドライポリッシュなど#8000より高番手の研削・研磨加工によりゲッタリング層を有したまま抗折強度を維持するプロセスが考案されている。
このような背景から、より高いチップ抗折強度を生み出す方式としてレーザーによるレーザーグルービングやレーザーフルカット加工方法・ステルスダイシング加工方法が提案されている。レーザーグルービング・レーザーフルカット法においてはレーザーにより発生するデブリが問題であることや、レーザーフルカット時の熱履歴によりチップ抗折強度が低下する問題がある。
ステルスダイシング方法は、バックグラインド後の半導体ウェハの厚さ方向に対して内部に改質層を形成し、そこを起点に劈開してチップ化する方式である。この工法においても内部に改質層が残りチップ側壁に改質されたエリアが存在することで抗折強度が不足する場合がある。
従来から行われている技術として、ハーフカットダイシングによる溝形成した後にバックグラインドしてチップ化する方法では、抗折強度を高めることができるが、これについてもハーフカットによる溝形成をブレードで実施しているためチップ側壁へのダメージは残る。この問題を解決する手段としてバックグラインド最終工程のストレスリリーフをCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって行うことで抗折強度を改善している事例もある。
ハーフカットによるダイシングで溝形成を行い、バックグラインド加工中にチップ化する工法においては、上述した半導体ウェハパターン表面の凹凸よりもはるかに大きい段差が存在するばかりか、半導体ウェハ加工用粘着テープを剥離する前の紫外線照射工程において、粘着剤は酸素介在下(すなわち、空気中)で硬化処理されることになる。一般的には酸素介在下では、酸素による硬化阻害が報告されており、完全硬化していない場合、ハーフカットダイシングにより形成した溝部への糊残りが懸念される。この改善策として窒素雰囲気下で紫外線照射する工程も提案されている。
これらの問題を解決する方法として、バックグラインド前にステルスダイシングによる改質層を半導体ウェハ内部に形成する方法が提案されている。改質層の形成方法については半導体ウェハ内部に厚み方向で数か所破線のように形成する方法も提案されており、ある程度仕上げ厚みが厚い半導体ウェハに対しても有効性が実証されている。
事前に改質層を形成する方法においては、改質層を起点にして研削加工中にチップ化され、抗折強度を維持するために改質層そのものを研削加工で完全に除去する方法や、研削加工後にブレーキングによって改質層を起点にしてチップ化する方法が提案されている。
ところで、半導体ウェハの薄膜化が進む近年は、特に半導体メモリー用途で100μm以下の薄膜研削が一般的である。上記デバイスウェハは、裏面研削により所定の厚みまで薄膜化された後にダイシング工程でチップ化され、複数のチップを積層、基板・チップ間でのワイヤー接続された後に樹脂で封止され製品となる。接着剤として、従来はペースト状の樹脂が半導体ウェハ裏面に塗工されていたが、チップの薄膜化・小チップ化や工程簡略化のため、あらかじめ基材上に粘着剤と接着剤(ダイボンド用の接着シート)が積層されたダイシングダイボンドシートが半導体ウェハ裏面(研削面)に貼合されてダイシング工程で半導体ウェハと一括して切断するプロセスが一般的となっている(例えば、特許文献3参照)。この方法では、均一な厚さの接着剤がチップと同サイズに切断されるため、接着剤塗布などの工程が不要であり、また従来のダイシングテープと同様の装置が使用できるため、作業性が良好である。
上記ダイシングダイボンドシート貼合の際には、半導体ウェハ表面に半導体ウェハ加工用粘着テープが貼合されたままチャックテーブルに吸着された状態であり、ダイシングダイボンドシート貼合後に半導体ウェハ加工用粘着テープが剥離される。このダイシングダイボンドシートを半導体ウェハに密着させるため貼合時に加熱が必要だが、近年ではより高温(〜80℃)での加熱が要求される場合がある。粘着剤が加温され、さらに半導体ウェハ表面の凹凸へ密着することになる。特にハーフカットダイシングにより大きな溝が形成されている場合、凹凸が大きいため、この場合、一層、糊残りのリスクが高まることになる。
上記問題に対応するため、放射線硬化型粘着剤を使用し、剥離時には放射線硬化によって粘着力を低下させると共に凝集力を高めることで糊残りの低減を行う方法も考えられる。しかしながら、放射線硬化時に粘着剤が硬化収縮を引き起こすため、薄化した半導体ウェハに対して応力がかかり、ダイシング後にチップ化した際のチップ抗折強度(チップ化したSiチップ単体での強度)の低下につながる場合もある。
ハーフカットダイシングにより溝を形成した後、バックグラインドによりチップ化する工法においては、加工中にチップ化されるため、半導体ウェハ加工用粘着テープ貼合時に発生したバックグラインドテープに対する残留応力や、粘着剤の弾性率不足によるチップズレにより、カーフと呼ばれるスクライブ開口部が均一に保てず、場合によってはチップ同士が接触することでチップ抗折強度が逆に低下する場合がある。
チップ同士が接触しなくとも、カーフの状態が均一ではないことで、後工程であるピックアップ工程で、チップが認識できずに不具合を起こすことがある。
ブレードによるハーフカットではなく、ステルスダイシングによる半導体ウェハ内部への改質層形成の場合、スクライブ部分のカーフが開口しないためバックグラインド中のチップ化後のチップ端部が隣接チップへ接触しているため、チップのズレが生じた場合その応力が全てチップ端部へかかることになり、チップ抗折強度が低下する恐れがある。
特開2000−8010号公報 特開2002−53819号公報 特開2007−53325号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、半導体ウェハの加工、さらに詳しくはシリコンウェハへハーフカットダイシングによる溝形成・あるいはステルスダイシングによる半導体ウェハ内部への改質層形成を経た後の裏面研削工程(研削加工中の個片化、研削加工後のブレーキングによる個片化を含む)、半導体ウェハ加工用粘着テープ剥離工程を経た後に半導体ウェハ表面への糊残りを抑制でき、半導体ウェハ薄膜研削を可能する半導体ウェハ加工用粘着テープ、該粘着テープの製造方法および半導体ウェハの加工方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した。その結果、放射線硬化性の粘着剤層を構成する粘着剤の、特定条件下における紫外線照射後のタック力の低下率を特定の値以上とすることで本発明の上記課題が解決できることを見出した。
本発明の上記課題は、下記の手段で達成された。
(1)基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープであって、
前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いられる半導体ウェハ加工用粘着テープであり、かつ、
酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であることを特徴とする半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(2)前記基材フィルムが、少なくともポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択された2種類の異なる材料を積層した基材フィルムであることを特徴とする(1)に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(3)前記基材フィルムが、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの3層からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(4)前記基材フィルムが、2軸延伸フィルムであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(5)前記基材フィルムが、少なくとも2種類の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、このうちの少なくとも1層のフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなり、かつ該フィルムが粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工により白色化されてなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(6)基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法であって、
前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いられる半導体ウェハ加工用粘着テープであり、
酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、かつ、
前記基材フィルムが、少なくとも2種類の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、このうちの少なくとも1層のフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなり、かつ該フィルムを粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工により白色化することを特徴とする半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法。
(7)基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープを使用する半導体ウェハの加工方法であって、
酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、かつ、
前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いることを特徴とする半導体ウェハの加工方法。
本発明において、「粘着剤層の表面」あるいは「粘着剤層表面」というときには、特に断わりのない限り、基材フィルムの貼合面とは反対側の表面を意味する。
本発明において、半導体ウェハに半導体加工用粘着テープを貼合するとは、粘着剤層表面を半導体ウェハ表面に向けて貼合することを意味する。
本願明細書において、「(メタ)アクリル」との用語は、アクリルおよびメタクリルのいずれか、または双方を含む意味に用いる。このことは、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリルアミド」との用語についても同様である。
本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープは、半導体ウェハの加工、さらに詳しくはシリコンウェハなどの裏面研削工程において、バックグラインド(BG)テープラミネート、半導体ウェハ裏面研削加工、半導体ウェハ加工用粘着テープ剥離工程において半導体ウェハ表面への糊残りや表面汚染(シーページ)を抑止しつつ、薄膜研削処理することを可能とする。さらに、このような優れた半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法および該半導体ウェハ加工用粘着テープを使用した半導体ウェハの加工方法を提供することが可能となった。
半導体ウェハのパターン表面に本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープが貼合された状態を示す模式的な断面図である。
<<半導体ウェハ加工用粘着テープ>>
本発明の1つの実施形態を図1の模式的な断面図を参照して説明する。
図中、1は基材フィルム、2はその上に塗布した粘着剤層であり、10の半導体ウェハ加工用粘着テープが形成される。4は半導体ウェハのシリコン層であり、この表面に、3の半導体ウェハのパターン層(配線層)が設けられており、3の半導体ウェハのパターン層に粘着剤層2が粘着する。
<粘着剤のタック力の低下率>
本発明で使用する粘着剤は、酸素介在下での紫外線照射後のタック力の低下率が60%以上である。
ここで、酸素介在下とは、酸素が介在する雰囲気下のことであり、空気中と実質同一である。
また、タック力の低下率は500mJ/cmの紫外線照射量で得られた低下率であり、下記式(1)で求められる。
式(1)
[Tα − Tβ(O)] ÷ [Tα]×100
ここで、Tαは、紫外線照射前の粘着剤のタック力であり、Tβ(O)は、紫外線照射後の粘着剤のタック力である。
タック力は、応力緩和測定装置〔例えば、タック試験機(商品名:TACII、レスカ製)〕により、以下のようにして常温(25℃)で測定した値である。
具体的には、放射線照射前の半導体ウェハ加工用粘着テープから、幅25mm×長さ250mmの試験片を採取し、この試験片を試験機に設置し、圧子をこの試験片に接触させ、試験片の基材背面側(粘着剤塗工面と反対側)に、3mmφ円柱状プローブを30mm/minの速度で押し込み、停止荷重100gで1秒保持後に600mm/分の速度で引き上げる際の荷重(タック力 Tα)を測定する。一方、酸素介在下(すなわち、空気中)で紫外線を500mJ/cmの照射量で照射して硬化させた半導体ウェハ加工用粘着テープを放射線照射前の半導体ウェハ加工用粘着テープと同様にして、タック力 Tβ(O)を測定する。
なお、タック力の単位はkPaである。
タック力の低下率は、60%以上であるが、80%以上が好ましい。またタック力の低下率は、100%低下することが最も好ましいが、現実的には、95%以下が好ましい。
タック力の低下率を60%以上にするには、粘着剤を構成する樹脂組成物の樹脂の種類、樹脂を構成するモノマーの種類と量や、紫外線照射で重合反応することが可能な反応性の基を有したオリゴマーの種類と量、光開始剤の種類と量によって調節することができる。
<粘着剤もしくは粘着層>
一般に、粘着剤は樹脂組成物であるが、本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープにおける放射線硬化性の粘着剤層を構成する粘着剤としては、紫外線照射で硬化すれば特に制限はないが、該樹脂組成物のベース樹脂が、紫外線照射で重合反応することが可能な反応性の基を少なくとも1つ有するポリマー(以下、「紫外線硬化性ポリマー」という。)を主成分として含むことが好ましい。ここで、「主成分とする」とは、ベース樹脂中のポリマー樹脂の含有の割合が80〜100質量%であることを意味する。
上記の紫外線照射で重合反応することが可能な反応性の基としては、エチレン性不飽和基、すなわち、炭素−炭素二重結合を有する基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルロイルアミノ基などが挙げられる。
上記紫外線硬化性ポリマーに特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、エチレンもしくはスチレン共重合体、ポリウレタンが挙げられる。
本発明では、(メタ)アクリル共重合体が好ましい。
上記紫外線硬化性ポリマーの合成方法としては、例えば(a)エチレン性不飽和基を有するポリマーである場合、エチレン性不飽和基を有する化合物とポリマーとを反応させて、エチレン性不飽和基が導入されたポリマーを得る方法、(b)エチレン性不飽和基を有するオリゴマー〔例えば、架橋剤の一種であるウレタン(メタ)アクリルオリゴマー等〕を利用する方法、が簡便、かつ容易であり、好ましく、なかでも上記(a)の方法が好ましい。
上記(a)の方法では、エチレン性不飽和基を有する化合物として、該エチレン性不飽和基と異なる反応性の基(反応性基αと称す)を有する構造の化合物を用い、エチレン性不飽和基が導入されるポリマーとしては、該エチレン性不飽和基を有する化合物の反応性基αと反応する反応性基βを有する構造のポリマー(以下、「反応性基βを有するポリマー」という。)を用いて、反応性基αとβを反応させる。
このような反応性基α、βは、例えば、一方が、求核攻撃する基、他方が、求核攻撃を受ける基もしくは付加反応を受ける基とすることが好ましい。このような反応性基としては、例えば水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、環状の酸無水物を形成している基、ハロゲン原子、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基等が挙げられる。
ここで、反応性基αおよびβのいずれか一方が水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基である場合、他方の反応性基はエポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、環状の酸無水物を形成する基、ハロゲン原子、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基とすることができる。
エチレン性不飽和基を有する化合物が有する反応性基αは、求核攻撃を受ける基または付加反応を受ける基であることが好ましく、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、環状の酸無水物を形成する基、ハロゲン原子、アルコキシまたはアリールオキシカルボニル基が好ましく、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基または環状の酸無水物を形成する基がより好ましく、エポキシ基、オキセタニル基またはイソシアネート基がさらに好ましく、なかでもイソシアネート基が好ましい。
一方、エチレン性不飽和基が導入されるポリマーが有する反応性基βは、求核攻撃する基が好ましく、例えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基またはカルボキシ基が好ましく、水酸基、アミノ基またはメルカプト基がより好ましく、水酸基、アミノ基またはカルボキシ基がさらに好ましく、水酸基またはカルボキシ基がさらに好ましく、なかでも水酸基が好ましい。
エチレン性不飽和基と反応性基αを有する化合物、または、反応性基βを有するポリマーの合成に用いる反応性基βを有するモノマーとしては、以下の化合物が挙げられる。
−反応性基がカルボキシ基である化合物−
(メタ)アクリル酸、桂皮酸、イタコン酸、フマル酸等
−反応性基が水酸基である化合物−
アルコール部に水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、グリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート〕、アミン部に水酸基を有するアルキルアミンのN−(ヒドロキシアルキル)アルキル(メタ)アクリルアミド〔例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ビスメチロール(メタ)アクリルアミド〕、アリルアルコール等
−反応性基がアミノ基である化合物−
アルコール部にアミノ基を有するアミノアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、2−(アルキルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−(アルキルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート〕、(メタ)アクリルアミド等
−反応性基が環状の酸無水物である化合物−
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸等
−反応性基がエポキシ基もしくはオキセタニル基である化合物−
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等
−反応性基がイソシアネート基である化合物−
(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネート〔例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート〕、多価イソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を、水酸基もしくはカルボキシ基と、エチレン性不飽和基とを有する化合物でウレタン化したもの〔例えば、2〜10官能の(メタ)アクリルのウレタンアクリレートオリゴマー〕等
なお、上記のウレタンアクリレートオリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール トリ(メタ)アクリレート等のアルコール部に水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアナート、メチレンビスフェニルジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートや3官能以上のイソシアネートを反応させて得られる、イソシアネート基を少なくとも1つ有するオリゴマーが好ましい。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと多価イソシアネートに加えて、ポリオール化合物、ポリエーテルジオール化合物またはポリエステルジオール化合物を反応させて得られるオリゴマーでもよい。
−反応性基がハロゲン原子である化合物−
2、4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2、4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン等のハロゲン化トリアジン等
上記のエチレン性不飽和基と反応性基αを有する化合物としては、上記の反応性基がイソシアネート基である化合物が好ましく、一方、反応性基βを有するポリマーの合成に用いるモノマーとしては上記の反応性基がカルボキシ基である化合物または反応性基が水酸基である化合物が好ましく、反応性基が水酸基である化合物がより好ましい。
なかでも、本発明においては、(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネートが好ましく、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートが特に好ましい。
前記(b)の方法は、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用するもので(該オリゴマーは後述するように架橋剤の一種でもある)、(メタ)アクリル共重合体とウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとを共存させて紫外線硬化性の粘着剤層を構成することができる。(メタ)アクリル共重合体としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとを重合させて得られるものであることが好ましい。(メタ)アクリル共重合体を構成する(メタ)アクリル酸エステル成分の好ましい形態は、後述する反応性基βを有するポリマーにおける共重合成分として説明したものと同一である。
反応性基βを有するポリマーの合成に用いる反応性基βを有するモノマーは、アルコール部に水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記反応性基βを有するポリマーを構成する全モノマー成分に占める、上記反応性基βを有するモノマー成分の割合は、アルコール部に水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの場合、5〜50モル%が好ましく、20〜40モル%がより好ましく、20〜35モル%がさらに好ましく、50〜75モル%が特に好ましい。
一方、(メタ)アクリル酸の場合、全モノマー成分に占めるアクリル酸もしくはメタクリル酸は、0.1〜3モル%が好ましく、0.5〜2.5がより好ましく、0.5〜2がさらに好ましい。
また、エチレン性不飽和基と反応性基αとを有する化合物と、反応性基βを有するポリマーとを反応させて、反応性基βを有するポリマーにエチレン性不飽和基を導入するに際しては、反応性基αを有する化合物を、反応性基βを有するポリマー100質量部に対して、5〜40質量部反応させることが好ましく、10〜30質量部反応させることがより好ましく、10〜20質量部反応させることがさらに好ましい。
上記の反応性基αとβの反応後において、未反応の反応性基βを残すことにより、後述する架橋剤等で樹脂特性を調節することができる。
上記の反応性基βを有するポリマーは、その構成成分として前記の反応性基βを有するモノマー成分とともに、共重合成分として、(メタ)アクリル酸エステル成分を有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、1種または2種以上の(メタ)アクリ酸アルキルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルのアルコール部は前記反応性基βを有さない。好ましくは、上記(メタ)アクリル酸エステルのアルコール部は無置換である。
このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルコール部の炭素数は1〜12が好ましい。アルコール部の炭素数は、1〜10がより好ましく、4〜10がさらに好ましく、なかでもアルコール部が分岐アルキルのものが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、上記紫外性重合性ポリマーが構成成分として(メタ)アクリル酸エステル成分を複数種含む場合は、(メタ)アクリル酸エステル成分には、アルコール部の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸エステル成分が含まれることが好ましく、なかでも、メチル(メタ)アクリレート成分またはブチル(メタ)アクリレート成分が含まれることが好ましい。
以下に、上記共重合成分としてポリマー中に組み込まれるモノマーの具体例を挙げる。
−(メタ)アクリル酸のアルキルエステル−
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルとしては、アルコール部の炭素数が1〜12のものが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソデシルなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。2種以上を併用することで粘着剤としての種々の機能を発揮させることができ、さらに半導体ウェハ表面の段差への追従性および糊残り防止を含む非汚染性を両立できるようになる。
−(メタ)アクリル酸のアルキルエステル以外のモノマー−
(メタ)アクリル酸のアルキルエステル以外のモノマーとしては、酢酸ビニル、スチレンや(メタ)アクリル酸アミド、例えば、N,N−ジエチルアクリル酸アミド、N,N−ジエチルアクリル酸アミド、N−イソプロピルアクリル酸アミド、N−アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明では、反応性基βを有するモノマーと組み合わせる共重合成分のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸が好ましい。
上記反応性基βを有するポリマーを構成する全モノマー成分に占める上記共重合成分の割合は、5〜85モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、55〜75モル%がさらに好ましく、60〜75モル%が特に好ましい。
なお、紫外線硬化性ポリマー中に残存する反応性基βの量は、反応性基αを有する化合物の配合量にもよるが、後述する架橋剤の種類および配合量によっても調節することができる。
紫外線硬化性ポリマーの水酸基価は5〜70mgKOH/gが好ましく、酸価は、0〜10mgKOH/gが好ましく、ガラス転移温度(Tg)は、−40〜−10℃が好ましく、重量平均分子量は、15万〜130万が好ましい。
なお、酸価は、JIS K5601−2−1:1999に準拠して測定したものであり、水酸基価はJIS K 0070に準拠して測定したものである。
ここで、ガラス転移温度は、昇温速度0.1℃/分でDSC(示差走査熱量計)により測定されたガラス転移温度をいう。
また、重量平均分子量は、テトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウォーターズ社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の重量平均分子量として算出したものである。
(光重合開始剤)
本発明の粘着剤層は、光重合開始剤を含有することが特に好ましい。粘着剤層の光重合開始剤の配合量を調整することにより架橋後の粘着力を制御することができる。このような光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ベンジルメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパンなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、また併用して使用してもよい。
光重合開始剤は、通常はエチレン性不飽和基を有するポリマーおよびエチレン性不飽和基を有する化合物の総量100質量部に対し、0.1〜10質量部の割合で用いられる。また、粘着剤層を構成するベース樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜6質量部がより好ましい。
このようにして形成される紫外線硬化性の粘着剤層に対して紫外線を照射することにより、接着力を大きく低下させることができ、容易に被着体から該粘着テープを剥離することができる。
(架橋剤)
本発明では、粘着剤層に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤の架橋性基である反応性基は、反応性基βを有するポリマーの反応性基βと反応する架橋剤が好ましい。
例えば、反応性基βを有する樹脂の反応性基βが、カルボキシ基や水酸基の場合、架橋剤の架橋性基である反応性基は環状の酸無水物、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、イソシアネート基またはエポキシ基であることがより好ましい。
このような架橋剤を使用することで、その配合量により、反応性基βを有するポリマーの反応性基βの残存量を調節でき、タック力も制御することができる。
また、架橋剤を使用することで、粘着剤層の凝集力を制御することもできる。
上記粘着剤層に好ましく用いられる架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等を挙げることができる。多価イソシアネート化合物としては、具体的にはトルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのアダクトタイプ等を挙げることができる。
多価エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等を挙げることができる。多価アジリジン化合物は、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等を挙げることができる。またキレート化合物としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等を挙げることができる。
また、本発明で用いられる粘着剤に、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個以上有する架橋剤、好ましくはオリゴマーもしくはポリマーの架橋剤を用いて、架橋剤自体を紫外線硬化性樹脂として用いてもよい。
分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個以上有する低分子化合物として、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート等を挙げることができる。
この他にも、ウレタンアクリレートオリゴマーも用いることができ、具体的にはポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物〔例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネートなど)を反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート〕を反応させて得られるものが広く適用可能である。
架橋剤の含有量は、粘着剤の粘着力、タック力が所望の範囲となるよう調整すればよく、上記のベース樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.6〜5質量部がさらに好ましく、0.7〜3質量部が特に好ましい。
(添加剤)
本発明において、粘着剤層は、上記以外に添加剤を含有していてもよい。
このような添加剤としては、例えば、濡れ防止もしくはスリップ性高上のための添加剤として、シリコーンアクリレート(例えば、シリコーンジアクリレート、シリコーンヘキサアクリレート)、紫外線硬化促進剤が挙げられる。また、添加剤として耐水剤としてのアミノアクリレートを含んでもよい。また、添加剤として可塑剤を含んでもよい。また、ポリマーの重合の際に用いられる界面活性剤を含んでいてもよい。
(粘着剤層の厚み)
粘着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、10〜300μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、30〜100μmがさらに好ましい。
また粘着剤層は、目的により、基材フィルムの両面に設けても構わない。
基材フィルム上に粘着剤層を形成するためには、上記のように、基材フィルムの少なくとも片面に、少なくとも1種類の粘着剤を常法により塗布することができる。
(その他の層)
本発明においては、基材フィルムと粘着剤層の間に、必要に応じてプライマー層などの中間層を設けてもよい。
<剥離ライナー>
本発明の粘着テープは、粘着剤層上に剥離ライナーを有してもよい。剥離ライナーとしては、シリコーン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。また必要に応じて、シリコーン離型処理をしないポリプロピレンフィルムなども用いられる。
<基材フィルム>
本発明に用いられる基材フィルムの材質としては、半導体ウエハの裏面を研削加工するときの衝撃からの保護を主目的とするものであって、特に水洗浄等に対する耐水性と加工部品の保持性を有することが重要である。このような基材フィルムとしては、例えば、特開2004−186429号公報に記載のものを挙げることができる。
なお、本発明で使用する基材フィルムは、通常、粘着テープで用いられるものを使用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体等の熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらの群から選ばれる2種以上が混合されたものであっても構わない。
本発明において、基材フィルムは、少なくとも2層のフィルムが積層された基材フィルムが好ましく、少なくともポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択された2種類の異なる材料を積層した基材フィルムがより好ましい。
また、基材フィルムが3層のフィルムで積層されている場合は、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの3層からなるものが好ましい。
本発明において、基材フィルムは、2軸延伸フィルムであることが好ましい。
熱可塑性フィルムを高温化で縦横2方向へ延ばすことにより、2軸延伸フィルムとすることができ、積層されている場合は、各フィルムのうち少なくとも1層のフィルムが2軸延伸フィルムであっても、全てのフィルムが2軸延伸フィルムであってもよく、積層された基材フィルムを2軸延伸しても構わない。
基材フィルムは、粘着剤層側のフィルム(1層の場合は、基材フィルム自身)がマット化され、白色化されているものが好ましい。
マット化、白色化は、粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工が好ましい。
粒子練りこみとは、具体的には、平均粒径が、1〜10μmの粒子で、素材が無機フィラーからなる粒子が好ましく、該粒子を、フィルム樹脂100質量部に対し、30〜50質量部練りこむものである。
粒子塗布とは、具体的には、平均粒径が、1〜10μmの粒子で、素材が無機フィラーからなる粒子が好ましく、該粒子を、溶媒希釈したものをフィルム樹脂に対し、グラビアコーターで塗布するものである。
サンドブラストとは、具体的には、ブラスト処理用の細かい砂を対象とするフィルムに高速でたたきつけることで凹凸化処理するものである。
ケミカル処理とは、具体的には、エッチャント(薬剤)によりフィルムを浸食することで凹凸化処理するものである。
エンボス加工とは、具体的には、あらかじめ所望の凹凸を有した版を準備し、その版を加熱しながら押し付けることでフィルムに凹凸化処理するものである。
本発明では、これらのうち、粒子練りこみ、粒子塗布が好ましく、粒子練りこみがより好ましい。
本発明では、基材フィルムの波長800〜1200nmにおける透過率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
ここで、透過率は分光光度計〔例えば、(株)島津製作所製:UV−3600〕で測定できる。
基材フィルムの厚さは50〜200μmが好ましい。
(半導体ウェハ加工用粘着テープの用途)
本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープは、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いられる半導体ウェハ加工用粘着テープとして用いられる。
<<半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法>>
半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法は、粘着剤が、酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、基材フィルムが、少なくとも2種類の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、このうちの少なくとも1層のフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなり、しかも該フィルムを粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工により白色化した基材フィルムを使用して製造するものである。
<<半導体ウェハと半導体ウェハの加工方法>>
本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープを適用する半導体ェハに特に制限はなく、あらゆる形態の半導体ウェハに適用可能である。
本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープを用いた半導体ウェハの加工方法(以下、「本発明の加工方法」という。)は、本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープを、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合し、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
これとは別に、異種フィルム間の接着用として、重量平均分子量30万、ガラス転移温度−44℃のアクリル系共重合体とアダクト系イソシアネート系硬化剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を4質量部配合し、塗工しやすい粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物Aを得た。
25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータ上に、接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが40μmのポリプロピレン(PP)フィルムおよび厚みが38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例2>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合し、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが40μmのポリプロピレンフィルムおよび厚みが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例3>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合し、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが40μmのポリプロピレンフィルムおよび厚みが50μmの粒子練り込みでマット化されたポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例4>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが40μmのポリプロピレンフィルムおよび厚みが25μmの粒子練り込みでマット化されたポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例5>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが60μmのポリプロピレンフィルムおよび厚みが25μmの粒子練り込みでマット化されたポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例6>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため酢酸エチルで調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが60μmのポリプロピレンフィルムおよび厚みが50μmの粒子練り込みでマット化されたポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例7>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムおよび厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例8>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが100μmの低密度ポリエチレンフィルムおよび厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例9>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが40μmの低密度ポリエチレン(PE)フィルムおよび厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムおよび厚み40μmの低密度ポリエチレンフィルムの3層複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例10>
2−エチルヘキシルアクリレート80質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部およびメタクリル酸1質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.9質量部および光重合開始剤を5質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが25μmの粒子練り込みでマット化されたポリプロピレン(PP)フィルムおよび厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの2軸延伸された複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<実施例11>
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが40μmの無延伸ポリプロピレン(PP)フィルムおよび厚みが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの無延伸の複合フィルム上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、膜厚30μmの実施例1と同様の粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<比較例1>
2−エチルヘキシルアクリレート69質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート29質量部およびメタクリル酸2質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.5質量部および光重合開始剤を1質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に上記粘着剤組成物を塗布し、乾燥させて、厚みが100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム上に貼り合わせることで、該エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム上に、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<比較例2>
2−エチルヘキシルアクリレート69質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート29質量部およびメタクリル酸2質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.5質量部および光重合開始剤を1質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に上記粘着剤組成物を塗布し、乾燥させて、厚みが100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に貼り合わせることで、該ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<比較例3>
2−エチルヘキシルアクリレート69質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート29質量部およびメタクリル酸2質量部からなるアクリル系共重合体を調整し、その後、ポリマー側鎖である2−ヒドロキシエチルアクリレートから得られた繰返し単位中のヒドロキシ基と2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させ、該ポリマー側鎖に放射線硬化性の炭素−炭素二重結合として作用するメタクリロイル基を導入したアクリル系共重合体を得た。得られたアクリル系共重合体に、該共重合体の固形分100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)を0.5質量部および光重合開始剤を1質量部配合、塗工し易い粘度に調整するため、酢酸エチルで粘度調整を行い、粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に、実施例1で調製した接着用粘着剤組成物Aを塗布し、乾燥させて、厚みが100μmのポリエチ(PE)フィルム/エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム積層体上に貼り合わせることで積層し、この積層基材フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚30μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
<比較例4>
脱イオンを行った純水中に界面活性剤としてアリル基を付加させたポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル化合物およびポリプロピレングリコール化合物を加え、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを加えて加熱しながら撹拌した。次いでメチルメタクリレート17質量部、ブチルアクリレート40質量部、2−エチルヘキシルアクリレート41質量部およびメタクリル酸グリシジル2質量部を撹拌下に反応溶液に滴下し、さらに撹拌を続け重合することにより、アクリルエマルション粘着剤組成物を得た。
25μmのポリエチレンテレフタレートセパレータ上に上記粘着剤組成物を塗布し、110℃で5分間乾燥させて、厚みが165μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム上に貼り合わせることで、該エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム上に、上記粘着剤組成物を塗布して、膜厚40μmの粘着剤層を設けて半導体ウェハ加工用粘着テープを作製した。
[特性評価試験]
実施例1〜11、比較例1〜4の半導体ウェハ加工用粘着テープに対して、特性評価試験を下記のように行った。
(ステルスダイシングによる改質層の形成)
ディスコ製ステルスダイサーを用いて、シリコン(Si)ウェハ内部にウェハの仕上げの厚みより厚い領域に改質層を形成し、半導体ウェハを劈開しやすい状態とした。
(ハーフカット加工)
ディスコ製ハーフカットダイサーを用いて、シリコンウェハの仕上げの厚みよりも深くブレードによる切り込みを実施した。バックグラインド時に溝を露出させチップを個辺化できるように前加工した。
(半導体ウェハ加工用粘着テープの貼合)
作製した半導体ウェハ加工用粘着テープの貼合は、自動ラミネータ(日東精機株式会社製DR−3000III)でハーフカットダイシング(DC)済、およびステルスダイシング(DC)済8インチ(inch)のシリコンウェハへ貼合・カットを行った。
(バックグラインド加工および装置内搬送テスト)
半導体ウェハ裏面研削後の装置内搬送は、株式会社ディスコ製フルオートグラインダDGP8760+ウェハマウンタDFM2700を用いて、バックグラインド加工行い、吸着エラーが発生しないか、マウンタへの自動搬送が可能か確認した。
(i)先ダイシング(DC)後のカーフシフト量確認による評価
グラインダーによるバックグラインド加工後、チップへと個辺化した各チップ間のカーフをキーエンス社製レーザー顕微鏡で測定し、カーフシフト量についての比較評価を行った。
評価は下記基準で評価した。
評価基準
◎:X、Y方向のカーフ幅比が1.5以下、かつ隣接チップ同士の端部ズレ量が5μm以下、チップ回転5°以下
○:X、Yのカーフ幅比率が2.0以下
△:隣接チップ同士のX、Y方向いずれかが接触
×:隣接チップ同士がX、Y方向ともに接触
(ii)酸素介在下でのタック力の低下率の測定
タック力は、応力緩和測定装置の「タック試験機(商品名:TACII、レスカ製)」により、以下のようにして常温(25℃)で測定した。
上記のようにして作製した各実施例および各比較例の放射線照射前の半導体ウェハ加工用粘着テープから、幅25mm×長さ250mmの試験片を採取し、この試験片を試験機に設置し、圧子をこの試験片に接触させ、試験片の基材背面側(粘着剤塗工面と反対側)に、3mmφ円柱状プローブを30mm/minの速度で押し込み、停止荷重100gで1秒保持後に600mm/分の速度で引き上げる際の荷重(タック力 Tα)を測定した。一方、上記各実施例および各比較例を酸素介在下(すなわち、空気中)で紫外線を500mJ/cmの照射量で照射して硬化させた半導体ウェハ加工用粘着テープを各々作製し、放射線照射前の半導体ウェハ加工用粘着テープと同様にして、タック力 Tβ(O)を測定した。なお、タック力の単位はkPaである。得られた各タック力の値を用いて、下記式(1)により、タック力の低下率を求めた。
式(1)
[Tα − Tβ(O)] ÷ [Tα]×100
得られたタック力の低下率を、下記基準で評価した。
評価基準
◎:低下率が70%以上
○:低下率が60%以上70%未満
△:低下率が50%以上60%未満
×:低下率が50%未満
(ダスト浸入)
先ダイシング(DC)・ステルスダイシング後の半導体ウェハをバックグラインド加工、カーフシフト量観察後にダイシングテープへとマウントし、バックグラインドテープを剥離、その後テープ剥離した表面を観察しダスト侵入量について比較した。
具体的には、以下の方法で評価した。
(iii)ダスト侵入(シーページ)評価
表面の全面に亘って幅50μm、深さ30μmの溝が5mm間隔で形成された直径8インチのシリコンウェハの、溝を形成した面にラミネータ(商品名:DR−8500II、日東精機株式会社製)を用いて半導体ウェハ加工用粘着テープを貼合した。該粘着テープが貼合された半導体ウェハを、グラインダー(商品名:DGP8760、株式会社ディスコ製)で厚み50μmまで裏面研削を行い、研削後の半導体ウェハ加工用粘着ウェハ外周部から溝への切削水の浸入を調査した。
この結果を、以下の基準で評価した。
評価基準
○:5回上記調査を繰り返して行い、切削水の侵入が5回とも全くなかった
△:5回上記調査を繰り返して行い、切削水の侵入が少なくとも1回観測された
×:5回上記調査を繰り返して行い、切削水の侵入が5回とも観測された
(iv)薄膜研削性の評価
上記のダスト侵入と同様に厚み50μmまで、半導体ウェハの裏面研削を行い、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:研削後の半導体ウェハに割れがなかった
○:ウェハエッジ部に1ヶ所のクラックを確認した
△:ウェハエッジ部に2〜3ヶ所のクラックを確認した
×:ウェハエッジ部に4ヶ所以上のクラックを確認した
それぞれの実施例、比較例における先DC後のカーフシフト・酸素介在下でのタック力低下率・先ダイシング(DC)時のダスト侵入・薄膜研削性を、下記の表1〜3にまとめた。
Figure 2015185691
Figure 2015185691
Figure 2015185691
表1〜3に示すように、比較例1〜3では基材フィルムが、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはポリエチレンテレフタレートのポリオレフィン樹脂のみからなることによって、先DC後のカーフシフト量が大きい結果となった。また、放射線硬化型粘着剤組成に起因して紫外線(UV)照射後のタック力の低下率が60%を超えなかった。比較例4では感圧型粘着剤を適用したことによって、先DC後のダスト侵入が大きい結果となった。
これに対して実施例1〜11では粘着剤組成中の光重合開始剤の配合量をコントロールすることで、紫外線照射後のタック力低下率を確保し、糊残りの誘発を防止、基材フィルムの設計によりカーフシフトの抑制と薄膜研削性を両立した。
このように、本発明の半導体ウェハ加工用粘着テープは、半導体ウェハをバックグラインドする際にパターン表面を保護する用途で用いることができ、バックグラインド前にハーフカットダイシングやステルスダイシング加工がなされていても貼合から剥離までを処理することが可能であり、研削加工に用いるのに好適であることがわかる。
10 半導体加工用粘着テープ
1 基材フィルム
2 粘着剤層
3 半導体ウェハのパターン層(配線層)
4 半導体ウェハのシリコン層
(1)基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープであって、
前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いられ、半導体ウェハのブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成が行われ、かつ該半導体ウェハの表面に段差を有する面に貼合する半導体ウェハ加工用粘着テープであり、かつ、
酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、
前記基材フィルムが、少なくともポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択された2種類以上の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、そのうち少なくとも1層のフィルムがポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンを含むことを特徴とする半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(2)前記積層した基材フィルムを構成する樹脂の内、少なくとも1層以上が、2軸延伸された基材フィルムであることを特徴とする(1)に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(3)前記積層した基材フィルムが、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの3層からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(4)前記積層した基材フィルムの粘着剤層側が、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンであり、テープ背面側が、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(5)前記積層した基材フィルムの少なくとも1層のフィルムが、少なくとも2種類の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、このうちの少なくとも1層のフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなり、かつ該フィルムが粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工により白色化されてなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
(6)基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法であって、
前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いられ、半導体ウェハのブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成が行われ、かつ該半導体ウェハの表面に段差を有する面に貼合する半導体ウェハ加工用粘着テープであり、
酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、かつ、
前記基材フィルムが、少なくともポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択された2種類の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、このうちの少なくとも1層のフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなり、かつ該フィルムを粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工により白色化することを特徴とする半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法。
(7)基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープを使用する半導体ウェハの加工方法であって、
前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、かつ前記基材フィルムが、少なくともポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択された2種類以上の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、そのうち少なくとも1層のフィルムがポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンを含み、
半導体ウェハをブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成と半導体ウェハの表面段差を有する面への前記半導体ウェハ加工用粘着テープの貼合を行った後、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程を行うことを特徴とする半導体ウェハの加工方法。

Claims (7)

  1. 基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープであって、
    前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いられる半導体ウェハ加工用粘着テープであり、かつ、
    酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であることを特徴とする半導体ウェハ加工用粘着テープ。
  2. 前記基材フィルムが、少なくともポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体から選択された2種類の異なる材料を積層した基材フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
  3. 前記基材フィルムが、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの3層からなることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
  4. 前記基材フィルムが、無延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
  5. 前記基材フィルムが、少なくとも2種類の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、このうちの少なくとも1層のフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなり、かつ該フィルムが粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工により白色化されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体ウェハ加工用粘着テープ。
  6. 基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法であって、
    前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いられる半導体ウェハ加工用粘着テープであり、
    酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、かつ、
    前記基材フィルムが、少なくとも2種類の異なる材料のフィルムを積層した基材フィルムであって、このうちの少なくとも1層のフィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンからなり、かつ該フィルムを粒子練りこみ、粒子塗布、サンドブラスト、ケミカル処理またはエンボス加工により白色化することを特徴とする半導体ウェハ加工用粘着テープの製造方法。
  7. 基材フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層を有する半導体ウェハ加工用粘着テープを使用する半導体ウェハの加工方法であって、
    酸素介在下における紫外線照射量500mJ/cmの紫外線照射後の前記粘着剤のタック力の低下率が60%以上であり、かつ、
    前記半導体ウェハ加工用粘着テープが、ブレードによるハーフカット、またはレーザーにより改質層形成を行った、半導体ウェハを裏面研削し個片化する工程で用いることを特徴とする半導体ウェハの加工方法。
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