JP2015185620A - 有機半導体膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】均質性の高い単結晶性有機半導体膜を提供する。【解決手段】有機半導体を3−クロロチオフェンに溶かして有機半導体溶液を調製する工程1と、基板表面上に前記有機半導体溶液を付着する工程2と、基板表面上の前記有機半導体溶液から3−クロロチオフェンを蒸発させる工程3と、を含む有機半導体膜の製造方法をとることによって、1mm2当たりの面積中に存在するドメイン数が10以下である単結晶性有機半導体膜を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は有機半導体膜及びその製造方法に関する。また、本発明は有機半導体膜を備えた有機半導体デバイスに関する。
有機半導体は、これまでシリコンなどの無機半導体に比べて電気的特性が劣っていたが、最近では優れた電気的特性を有する材料も開発されつつあり、結晶状態やキャリア移動度などに関する研究が進んでいる。有機半導体は、無機半導体で従来用いられている真空技術と比較して、低コスト、低環境負荷及び大面積化が可能であるという利点を有する。また、室温近傍での製造が可能であるため、プラスチック基板への印刷技術による成膜も可能である。そのため、有機半導体はポストシリコン半導体として次世代型の電子デバイスへの応用が期待されている。
有機半導体膜を作製する方法としては、従来、蒸着法、分子線エピタキシャル法、溶媒蒸発法、融液法、ラングミュア−ブロジェット法など、材料の特性により種々の方法が検討されている。これらの方法のなかでも、溶媒蒸発法は、有機半導体溶液から溶媒を蒸発させて溶液を飽和状態にして結晶を析出させ、有機半導体膜を形成する方法であり、簡易な方法でありながら高性能の有機半導体薄膜が得られる点で優れている。
溶媒蒸発法の中でも特に、エッジキャスト法、ドロップキャスト法、スピンコーティング法、印刷法(インクジェット法やグラビア印刷法)のような溶液を用いた塗布法に基づく溶媒蒸発法のプロセスは、簡易で安価、室温近傍での製造が可能という観点から、非常に期待される方法である。とりわけエッジキャスト法はWO2011/040155号に記載されるように、単結晶膜が作製可能である点で有望な技術である。
溶媒蒸発法を用いた有機半導体の成膜工程においては有機半導体を溶剤に溶かすことが必要であるが、アセン誘導体やチオフェン誘導体等の代表的な有機半導体は一般に溶剤への溶解性が悪かったり、容易にゲル化したりするという問題がある。そこで、有機半導体材料の溶解性を高めるための研究が多数なされてきた。近年では特許文献1に記載されるように、特定の溶剤と特定の有機半導体を組み合わせることによって溶解性の問題を解決することも提案されている。
WO2011/040155号 特開2006−287224号公報
従来の有機半導体の成膜技術では、高品質の単結晶膜を得ることは困難であった。特許文献1に記載のエッジキャスト法は確かに単結晶膜を形成可能な技術として有望であるが、それでも改善の余地が残されている。これは有機半導体の材料開発や成膜技術が未成熟である点に加えて、有機半導体の溶剤への溶解性の問題をクリアできていなかったことに起因すると考えられる。
この問題は特許文献2に記載の技術によっても十分な解決が図られていない。特許文献2に記載の技術によればハロゲン含有芳香族化合物を溶剤とすることでポリチオフェン半導体の安定な溶液が作製できるとされている。しかしながら、特許文献2には溶液の安定性に関する具体的なデータはあるものの、実際にポリチオフェン半導体を基板上に成膜した具体例は記載されておらず、その結晶性に関しても何ら記載がない。本発明者の検討結果によれば、特許文献2に記載の技術によって基板上にポリチオフェン半導体を成膜しても、得られた薄膜に微細なクラックが入ってしまい、高品質の単結晶薄膜が得られないことが分かった。クラックの存在は半導体の重要な電気的特性であるキャリア移動度に悪影響を与えることから、クラックの抑制された有機半導体薄膜が提供されることが望ましい。また、得られた有機半導体膜のドメイン数は少ない方が単結晶としての品質が高いところ、従来技術では多数のドメインを有する有機半導体膜しか得られていない。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、クラックが抑制され、均質性の高い単結晶性有機半導体膜を提供することを課題の一つとする。また、本発明はそのような有機半導体膜を製造するのに好適な方法を提供することを別の課題の一つとする。また、本発明はそのような有機半導体の単結晶膜を備えた有機半導体デバイスに関する。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねたところ、3−クロロチオフェンを溶剤にして有機半導体の溶液を調製し、これを溶媒蒸発法により有機半導体膜を形成すると、クラック発生が抑制され、ドメイン数も抑制された均質性の高い有機半導体膜が得られることを見出した。特に、3−クロロチオフェンを溶剤にして有機半導体の溶液を調製し、これをエッジキャスト法によって有機半導体膜を形成すると、クラックの発生が顕著に抑制され、被覆率が高い単結晶膜が得られることを見出した。このような効果は、類似化合物の2−クロロチオフェンによっても得られず、更には、他のハロゲン系芳香族溶剤や非ハロゲン系芳香族溶剤によっても得られなかったことから、3−クロロチオフェンに特異的な効果であると考えられる。本発明は当該知見を基礎として完成したものである。
本発明は一側面において、1mm2当たりの面積中に存在するドメイン数が10以下である単結晶性有機半導体膜である。
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の一実施形態においては、被覆率が0.98以上である。
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の別の一実施形態においては、結晶軸の分布範囲が10°以内である。
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の更に別の一実施形態においては、クラックの角度の標準偏差が0.5rad以下である。
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の更に別の一実施形態においては、有機半導体がポリチオフェン又はチアノアセンである。
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の更に別の一実施形態においては、平均移動度が5cm2/Vs以上である。
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の更に別の一実施形態においては、移動度の変動係数が40以下である。
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の更に別の一実施形態においては、平均膜厚が1μm以下である。
本発明は別の一側面において、有機半導体を3−クロロチオフェンに溶かして有機半導体溶液を調製する工程1と、
基板表面上に前記有機半導体液を付着する工程2と、
基板表面上の前記有機半導体液から3−クロロチオフェンを蒸発させる工程3と、
を含む有機半導体膜の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、
有機半導体を3−クロロチオフェンに溶かして有機半導体溶液を調製する工程1と、
基板表面に対して起立する端面を有する接触部材が戴置された基板を準備する工程2と、
工程1で得られた溶液を前記基板に供給して、前記端面と前記基板表面に同時に接触する液滴を形成する工程2と、
工程2で得られた液滴から3−クロロチオフェンを蒸発させる工程3と、
を含む有機半導体膜の製造方法である。
本発明に係る有機半導体膜の製造方法の一実施形態においては、有機半導体がチオフェン誘導体である。
本発明に係る有機半導体膜の製造方法の別の一実施形態においては、有機半導体溶液中の有機半導体濃度が0.2質量%以下である。
本発明に係る有機半導体膜の製造方法の更に別の一実施形態においては、溶液は印刷法によって基板上に供給される。
本発明に係る有機半導体膜の製造方法の更に別の一実施形態においては、有機半導体膜が単結晶性である。
本発明は更に別の側面において、基板と、その表面上に形成された本発明に係る単結晶性有機半導体膜とを備えた有機半導体デバイスである。
本発明は更に別の側面において、本発明に係る単結晶性有機半導体膜を半導体チャンネルとして備えたトランジスタである。
本発明によれば、クラックのない、低ドメイン数の薄膜が形成され、高い被覆率をもつ有機半導体膜が提供される。これにより、品質安定性に優れ、高いキャリア移動度をもつ有機半導体デバイスを歩留まりよく作製することが可能となる。
エッジキャスト法の工程を説明するための模式的な斜視図である。 図1に続く工程を説明するための模式的な斜視図である。 エッジキャスト法の工程を説明するための模式的な断面図である。 エッジキャスト法の変形例を説明するための模式的な断面図である。 結晶軸を測定するための光学系を模式的に示す図である。 連続エッジキャスト法の工程を説明するための模式的な断面図である。 連続エッジキャスト法の工程を説明するための模式的な別の断面図である。 本発明に係る有機半導体膜の写真の一例である(実験番号1)。 比較例に係る有機半導体膜の写真の一例である(実験番号2)。
<1.被覆率>
本発明に係る単結晶性有機半導体膜は一実施形態において、膜のクラックが抑制され、膜の欠損した領域も抑制されることから基板上での膜の被覆率が高いという特徴を有する。膜内にクラックが生じたり、膜形成領域内に欠損領域が生じたりすると被覆率が低下する。被覆率が低下すると、歩留まり低下や有機半導体デバイスの品質安定性の低下につながる。本発明によれば、有機半導体膜の被覆率を0.98以上とすることができ、好ましくは0.99以上とすることができる。ここで、被覆率というのは膜が形成されている領域から任意に抽出した104μm2の範囲を複数箇所観察したときの膜が占める割合の平均値として定義される。
<2.ドメイン数>
また、本発明に係る単結晶性有機半導体膜は一実施形態において、単結晶性が高いため、結晶のドメイン数を極めて少なくすることができる。具体的には、1mm2当たりのドメイン数を10以下とすることができ、好ましくは5以下とすることができ、より好ましくは1とすることができる。ドメイン数が1というのはいわゆるシングルドメインの単結晶であることを指し、結晶配向が揃っていることを表している。
<3.クラックの角度>
本発明に係る単結晶性有機半導体膜の一実施形態においては、クラックが生じたとしてもクラックの入る方向(角度)が移動度の高い結晶軸に揃っている。通常、電流はこの移動度が高い方向に沿って流すため、クラックはトランジスタの移動度又はトランジスタ特性にあまり影響を与えないという利点が得られる。具体的には、クラックの角度の標準偏差を0.5rad以下とすることができ、好ましくは0.3rad以下とすることができ、より好ましくは0.2rad以下とすることができ、更により好ましくは0.15rad以下とすることができ、例えば0.1〜0.5radとすることができる。
<4.結晶軸>
本発明に係る有機半導体膜は一実施形態において、結晶軸の均一性が高い単結晶膜である。具体的には、結晶軸の分布範囲を10°以内とすることができ、好ましくは8°以内とすることができ、更により好ましくは7°以内とすることができる。このような単結晶膜は、大面積の電子デバイスへ適用するに当たって有利である。
本発明においては、結晶軸の分布範囲を以下の手順により測定する。図5に示す光学系を構築し、低角入射X線回折(GIXD)測定を行う。具体的には、半導体膜の表面に垂直な軸φを中心に360度回転させながら、光源LからのX線(ビーム径は1.5cm程度)が有機半導体膜により回折された回折光を検出器Dによる検出する。これにより、薄膜をφ方向に回転したときの回折強度(y軸)の分布を測定する。2θ(x軸)は22.56度に設定する。得られた回折強度分布の標準偏差を結晶軸の分布範囲とする。
<5.キャリア移動度(平均値)>
移動度は半導体デバイスの応答速度を左右する重要な特性である。有機半導体は移動度が小さいことが実用化のために解決すべき課題であったが、本発明に係る有機半導体膜は一実施形態においてアモルファスシリコンを超える優れた移動度を有することができ、好ましい実施形態においては多結晶シリコンに匹敵する移動を有することができる。具体的には、本発明に係る有機半導体膜は一実施形態において、5cm2/Vs以上の平均移動度を有することができ、好ましくは7cm2/Vs以上の平均移動度を有することができ、より好ましくは8cm2/Vs以上の平均移動度を有することができ、更により好ましくは10cm2/Vs以上の平均移動度を有することができ、例えば、8〜12cm2/Vsの平均移動度を有することができる。
本発明において、移動度は一般的に行われるFETの移動度評価法(FET法)に基づいて算出する。即ち、FETの電流式
Id=(W/2L)・μ・Cox(Vg-Vt)^2 ・・・ 飽和領域の場合
(式中、Id:ドレイン電流、Vg:ゲート電圧、Vt:閾値電圧、μ:移動度、Cox:酸化膜容量、W:チャンネル幅、L:チャンネル長を表す。)
から移動度μに関する式に変形し、FETのIdVgの測定値から移動度を決定する。
<6.キャリア移動度(変動係数)>
有機半導体膜の均質性が高いことは、高い歩留まりを実現する上で重要な特性であるところ、移動度の変動係数が小さいというのは均質性の観点から有利である。この点、本発明に係る有機半導体膜は一実施形態において、制御された移動度の変動係数を有する。具体的には、本発明に係る有機半導体膜は一実施形態において、移動度の変動係数が40以下であり、好ましくは移動度の変動係数が35以下であり、より好ましくは移動度の変動係数が30以下であり、更により好ましくは移動度の変動係数が30以下であり、例えば移動度の変動係数が20〜30である。
本発明において、移動度の変動係数は、移動度の平均値を求める際に得られた移動度のデータから、次式により求める。
(移動度の変動係数)=(移動度の標準偏差)/(移動度の平均値)×100
<7.膜厚>
有機半導体膜に求められる膜厚は用途によって異なるので特に制限はないが、一般にはチャネル領域以外の抵抗を低減するために薄いのが望ましい。本発明に係る有機半導体膜は、一実施形態において平均膜厚を1μm以下とすることができ、別の一実施形態においては100nm以下とすることができ、更に別の一実施形態においては50nm以下とすることができる。本発明に係る有機半導体膜は好ましい一実施形態において平均膜厚を20nm以下とすることができ、別の一実施形態においては15nm以下とすることができ、更に別の一実施形態においては10nm以下とすることができる。
<8.有機半導体>
本発明に係る有機半導体膜を構成する有機半導体の種類については特に制限は無いが、自己凝縮機能の高い材料であることが望ましい。自己凝縮機能とは、分子が溶媒から析出する際に、自発的に凝集して、結晶化しやすい傾向を意味する。また、溶剤である3−クロロチオフェンに対する相性との兼ね合いから、チオフェン誘導体が好ましい。チオフェン誘導体としては、ポリチオフェンやチエノアセン(含チオフェン縮合多環芳香族化合物)が挙げられ、例えば以下の化学構造で示される化合物が挙げられる。単結晶を得る観点から、有機半導体は単独で使用することが必要であり、複数種類の有機半導体を混合して使用することは望ましくない。
(A.ポリチオフェン半導体)
ポリチオフェン半導体は、オン/オフ率(オフ状態の伝導度に対するオン状態の伝導度)が高く、また、移動度も高いことからトランジスタ等の半導体デバイスに好適に適用可能である。
Figure 2015185620

式(i)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数が4〜10のアルキル基である。アルキル基はヘテロ原子(典型的には酸素原子及び硫黄原子から選択される。)を含んでもよい。また、R1及びR2は一緒になって環を形成することもできる。自己凝集能の理由により、好ましくは、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数が5〜8のアルキル基である。より好ましくはR1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はヘキシル基である。
nは5〜100の整数を表す。nはポリチオフェン半導体中のチオフェンモノマー単位の平均数、すなわちポリチオフェン鎖の長さを示す。単結晶膜を形成する観点からは、nは50以下であることが好ましい。
ポリチオフェン半導体の一実施形態においては、上記式(i)中、R1は水素原子であり、R2は炭素数が4〜10のアルキル基である。自己凝集能の理由により、好ましくは、上記式(i)中、R1は水素原子であり、R2は炭素数が5〜8のアルキル基である。より好ましくは、上記式(i)中、R1は水素原子であり、R2はヘキシル基である。
好ましいポリチオフェンの具体例としては、P3HT(ポリ(3−ヘキシルチオフェン))、P3OT(ポリ(3−オクチルチオフェン))、P3DT(ポリ(3−デシルチオフェン))が挙げられる。
(B.チエノアセン)
次の式(ii)〜(ix)で表されるチエノアセンは大気安定性が高く、また、高移動度が得られることから好ましい。
Figure 2015185620

式(ii)中、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1〜14のアルキル基である。アルキル基はヘテロ原子(典型的には酸素原子及び硫黄原子から選択される。)を含んでもよく、アルキル基中の水素原子はハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。自己凝集能の理由により、R4=R5であることが好ましく、R3=R6であることが好ましい。溶解性の観点から、好ましくは、R4及びR5が水素原子であり、R3及びR6がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基であるか、又は、R3及びR6が水素原子であり、R4及びR5がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。より好ましくは、R3及びR6が水素原子であり、R4及びR5がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。自己凝集能の理由により、アルキル基の好ましい炭素数は4〜12であり、より好ましくは6〜10である。
式(ii)で表される好適な化合物の具体例としては、次式(iii)で表される3,9−ジデシルジナフト[2,3−b:2’,3’−d]チオフェンが挙げられる。
Figure 2015185620
Figure 2015185620
式(iv)中、R7、R8、R9及びR10はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1〜14のアルキル基である。アルキル基はヘテロ原子(典型的には酸素原子及び硫黄原子から選択される。)を含んでもよく、アルキル基中の水素原子はハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。自己凝集能の理由により、R7=R9であることが好ましく、R8=R10であることが好ましい。溶解性の観点から、好ましくは、R7及びR9が水素原子であり、R8及びR10がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基であるか、又は、R8及びR10が水素原子であり、R7及びR9がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。より好ましくは、R8及びR10が水素原子であり、R7及びR9がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。自己凝集能の理由により、アルキル基の好ましい炭素数は6〜13であり、より好ましくは8〜10である。
式(iv)で表される好適な化合物の具体例としては、次式(v)で表される2,9−ジデシルジナフト[2,3−b:2’,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェン(C10−DNTT)が挙げられる。
Figure 2015185620
Figure 2015185620
式(vi)中、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1〜14のアルキル基である。アルキル基はヘテロ原子(典型的には酸素原子及び硫黄原子から選択される。)を含んでもよく、アルキル基中の水素原子はハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。自己凝集能の理由により、R11=R13であることが好ましく、R12=R14であることが好ましい。溶解性の観点から、好ましくは、R11及びR13が水素原子であり、R12及びR14がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基であるか、又は、R12及びR14が水素原子であり、R11及びR13がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。より好ましくは、R12及びR14が水素原子であり、R11及びR13がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。自己凝集能の理由により、アルキル基の好ましい炭素数は5〜12であり、より好ましくは8〜10である。
式(vi)で表される好適な化合物の具体例としては、次式(vii)で表される2,7−ジオクチル[1]ベンゾチエノ[3,2-b][1]ベンゾチオフェン(C8−BTBT)が挙げられる。
Figure 2015185620
Figure 2015185620

式(viii)中、R15、R16、R17及びR18はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1〜14のアルキル基である。アルキル基はヘテロ原子(典型的には酸素原子及び硫黄原子から選択される。)を含んでもよく、アルキル基中の水素原子はハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。自己凝集能の理由により、R15=R17であることが好ましく、R16=R18であることが好ましい。溶解性の観点から、好ましくは、R16及びR18が水素原子であり、R15及びR17がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基であるか、又は、R15及びR17が水素原子であり、R16及びR18がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。より好ましくは、R16及びR18が水素原子であり、R15及びR17がそれぞれ独立に炭素数が1〜14のアルキル基である。自己凝集能の理由により、アルキル基の好ましい炭素数は5〜12であり、より好ましくは8〜10である。
式(viii)で表される好適な化合物の具体例としては、次式(ix)で表される3,11−ジデシルジナフト[2,3−d:2’,3’−d’]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(C10−DNBDT)が挙げられる。
Figure 2015185620
本発明に係る有機半導体膜は各種の有機半導体デバイスの半導体層として適用可能である。有機半導体デバイスの一実施形態においては、基板と、その上に、単結晶性有機半導体膜層、各種電極層、絶縁膜層などを備える。ここで、基板というのは、その表面上に半導体層を形成するための部材のことを指し、例えばガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、セラミック基板、金属基板等が挙げられ、更には、これらの基板上に、電極層や絶縁膜層など種々のデバイス構成要素を適宜形成した基板も挙げられる。基板は硬質(リジッド)でも軟質(フレキシブル)でもよい。半導体デバイスの種類としては、限定的ではないが、半導体素子(ダイオード、整流素子、トランジスタ、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ、光電変換素子等)、集積回路(リニアIC、デジタルIC等)が挙げられる。例えば、本発明に係る有機半導体デバイスは一実施形態において、本発明に係る有機半導体膜を半導体チャンネルとして備えたトランジスタとすることができる。
トランジスタを用いた製品としては、フレキシブルディスプレイの画素駆動用アクティブマトリクス素子やドライブ回路、プラスチック上に作製可能な論理回路、低コストのRF−IDタグ、フレキシブルセンサの信号処理素子、高速応答が可能な圧力センサ等が挙げられる。
<9.成膜方法>
本発明に係る有機半導体膜の好適な製造方法について説明する。高品質な単結晶性の有機半導体膜を製造する上では、有機半導体の溶液作製ステップが極めて重要である。有機半導体の溶剤としては、これまでハロゲン系溶剤であるクロロホルム、ハロゲン系芳香族溶剤であるクロロベンゼンやo−ジクロロベンゼン、非ハロゲン系芳香族溶剤であるトルエン、テトラリンなどが用いられてきたが、有機半導体は溶剤への溶解性が悪かったり容易にゲル化したりするという問題がある。これらの溶剤であっても、有機半導体を加熱することにより溶解することはできるが、温度による溶解度の差が大きいことから急速に結晶化が起こりやすく、均質な単結晶膜を作製することが困難であった。
本発明者は3−クロロチオフェンが他の溶剤よりも有機半導体に対して高溶解性を示すだけではなく、温度による溶解度の差が小さいことを発見した。そのため、比較的低温(60〜70℃)でも結晶化が起こりにくく、低温での塗布が可能であることを見出した。また、低温での塗布により、歩留まりの改善とデバイスの大面積化が可能となる。そして、もっとも驚くべきことは、3−クロロチオフェンを溶剤にして有機半導体の溶液を調製し、これを溶媒蒸発法、とりわけエッジキャスト法によって有機半導体膜を形成すると、クラックの発生が顕著に抑制され、ドメイン数が少なく極めて均質性の高単結晶膜が得られるという点である。
有機半導体溶液は加熱した溶剤中に有機半導体を投入することにより、又は、溶剤中に有機半導体を投入後に加熱することにより作製可能である。溶剤中に投入する有機半導体の形態に特に制限はないが、例えば粉末形態とすることができる。溶剤の加熱温度は化合物の安定性の観点から、沸点以下とするのが好ましく、沸点よりも10℃以下とするのがより好ましく、沸点よりも30℃以下とするのが更により好ましい。また、化合物の安定性かつ化合物の溶解性の観点から、室温〜135℃とするのが好ましく、50〜135℃とするのがより好ましく、70〜90℃とするのが更により好ましい。
また、有機半導体溶液中の有機半導体濃度は均質な薄膜を再現性よく得る観点から、0.2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、0.025〜0.05質量%であることが更により好ましい。
エッジキャスト法自体は、公知の有機半導体の成膜方法であり、例えばWO2011/040155号に記載されている(当該方法の全文を本明細書に援用する)。以下に好適な実施態様について図1〜4を参照しながら説明する。
有機半導体溶液(以下、「原料溶液」ともいう。)を、図1に示すように、接触部材2の端面及び基板1の表面に同時に接触するように、必要に応じて電極や絶縁膜が形成されている基板1上に供給して、液滴3を形成する。この状態で液滴3を乾燥させることにより、基板1上に有機半導体膜4を形成する。
接触部材2は、基板1の表面に戴置された状態でその表面から所定の角度で起立する端面2aを有する。端面2aは典型的には平面形状である。液滴3は、接触部材2の端面2aに接触するように供給される。接触部材2は、例えば樹脂により形成することができるが、以下に説明する機能を適切に果たすものであれば、樹脂以外のどのような材質を用いてもよい。
有機半導体膜の製造工程としてはまず、図1に示すように、接触部材2を、端面2aが基板1の所定のA方向を横切るように、望ましくは端面2aがA方向と直交するように基板1上に戴置する。基板1の材質としては、限定的ではないが、ガラス、プラスチック、セラミック、金属などが挙げられる。また、基板1の表面の濡れ性を高めるように、アルキル基、アリール基及びアミノ基に例示される官能基を含有する自己組織化単分子膜などによる処理を行っておくことが望ましい。結晶成長中、接触部材2に対する原料溶液の遠端部と基板1の接触角は小さい方が均質な単結晶膜が得られるからである。この接触角は10°以下とするのが好ましい。基板1は硬質(リジッド)でも軟質(フレキシブル)でもよい。軟質基板を使用すると曲面状の有機半導体膜を形成することも可能となる。この状態で、原料溶液を、端面2aに接触するように基板1の表面上に供給する。供給された原料溶液の液滴3は、端面2aにより保持されて、一定の力が作用する状態になる。この状態の断面形状を、図3に示す。
端面2aにより液滴3が保持された状態で乾燥プロセスを行って、液滴3中の溶媒を蒸発させる。それにより、液滴3中では図3に示すように、A方向における端面2aからの遠端縁の部分で順次、溶媒の蒸発により原料溶液が飽和状態になり有機半導体の結晶が析出し始める。溶媒の蒸発に伴う液滴3の遠端縁の移動を、破線e1、e2で示す。溶媒の蒸発とともに有機半導体材料の結晶化が進展し、図2に示すように、有機半導体膜4が成長する。すなわち、基板1のA方向に沿って端面2aに向かって結晶の成長が進み、有機半導体膜4が漸次形成されてゆく。
この乾燥プロセスにおいては、原料溶液の液滴3が端面2aに付着した状態によって、端面2aとの接触を介して結晶成長方向を規定する作用が働く。これにより、結晶性の制御効果が得られ、有機半導体の分子の配列の規則性が良好になり、電子伝導性(移動度)の向上に寄与するものと考えられる。
乾燥プロセスは、有機半導体の種類にもよるが、基板温度を60〜90℃、典型的には70〜80℃として大気中で実施することができる。成膜速度は有機半導体の種類にもよるが15〜25μm/s程度とすることができる。また、基板温度や溶液中の有機半導体濃度を変化させることにより膜厚を調整可能である。更に後述する連続エッジキャスト法の場合は、接触部材の移動速度によっても膜厚が変化する。
以上の製造方法の変形例として、図4に示すように、基板1を所定角度に傾斜させて維持し、接触部材2を、端面2aが基板1の傾斜方向を横切るように、望ましくは端面2aが傾斜方向と直交するように基板1上に戴置する。この状態で、端面2aに接触するように、原料溶液を基板1の表面上に供給する。供給された原料溶液の液滴3は、端面2aにより保持されて、基板1の傾斜方向に懸架された状態になる。基板1を傾斜させることにより、液滴3による濡れ面の大きさを制御し、所望の特性の有機半導体膜を得ることが容易になる。
なお、液滴3を形成する方法は、上述の方法に限られない。例えば、接触部材2とともに基板1を原料溶液に浸した状態から取り出すことにより、端面2aに付着した液滴を形成することもできる。
その他の変形例としては、連続エッジキャスト法による方法が挙げられる。連続エッジキャスト法は(“Inch-Size Solution-Processed Single-Crystaline Films of High-Mobility Organic Semiconductors”,Junshi Soeda et al., Applied Physics Express 6, The Japan Society of Applied Physics, 2013, 076503)に紹介されている方法であり、単結晶膜の大面積化を図る上で有利な方法である。連続エッジキャスト法では、図6A及び図6Bに記載するように、基板1の表面に平行な方向であって液滴3から接触部材2が離間する向き(図中の矢印X1及びX2の向き)に基板1と接触部材2とを相対移動させながら前記原料溶液5の供給を連続的に行うことで、前記液滴3中の前記溶媒を蒸発させて接触部材2が移動した後の基板1上に連続的に有機半導体膜4を形成することを含む。原料溶液5の供給は、例えば溶液供給ノズル6を用いて行うことができる。図6A及び図6Bに示すように、接触部材2を基板1の表面と接触部材2の底面に若干の隙間を設け、ノズル6の先端を接触部材の端面2aの反対側の面に配置して、当該隙間に向かって原料溶液5を供給することができる。
当該方法によれば、原料溶液5が連続的に供給されるので、原料溶液5からの溶媒の蒸発により結晶の成長が終了することはない。従って、形成される有機半導体膜4の大きさは、接触部材2の端面2aの幅、及び移動距離に応じて、所望の大面積に形成することが可能である。
上記相対移動の際、液滴3の大きさが所定の範囲に維持されるように原料溶液5を供給し続けることが、有機半導体膜4の膜厚を一定に保持する観点で望ましい。すなわち、原料溶液5を溶媒の蒸発速度と同等の速度で供給することにより、液滴3を同一寸法に維持する。原料溶液5からの結晶化の速度は、通常の設定によれば1mm/分〜数cm/分程度であるため、基板1と接触部材2の相対速度も同等の速度に調整すればよい。これらの操作により、図6Aに示す状態から例えば図6Bに示す状態に進行したとき、接触部材2が移動した後の基板1の表面に、有機半導体膜4が均一な膜厚で連続的に形成される。
以下に本発明の実施例(発明例)を比較例と共に示すが、これらは本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
<有機半導体>
有機半導体としては、以下の材料を用意した。
(1A) 3,11−ジデシルジナフト[2,3−d:2’,3’−d’]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン粉末(TM026)
(1B) 3,9−ジヘキシルジナフト[2,3−b:2’,3’−d]チオフェン粉末
(1C) 6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン粉末
<溶剤>
溶剤としては、以下を用意した。
(2A) 3−クロロチオフェン
(2D) 2−クロロチオフェン
(2E) 3−フェノキシトルエン
(2F) 1,2−ジメトキシベンゼン
(2G) 1,2−ジメトキシベンゼン
(2H) オルトジクロロベンゼン(ODCB)
(2I) テトラリン
(2J) ブトキシベンゼン
(2K) チオアニソール
<有機半導体膜の形成>
有機半導体粉末をビーカー中の溶剤に所定の濃度となるように投入し、ホットプレートで所定温度(溶解温度)まで加熱することにより完全に溶解させた。得られた有機半導体溶液をエッジキャスト法によりホットプレート上の薄膜電極付きガラス基板上に塗布し、所定温度(成膜温度)に加熱して溶媒を蒸発させ、有機半導体薄膜を形成した。有機半導体と溶剤の組み合わせ、有機半導体の溶解条件、及び有機半導体薄膜を形成する際のホットプレートの温度条件は表1に示す通りとした。
Figure 2015185620
Figure 2015185620
<有機半導体膜の評価>
作製された薄膜を以下の方法に従って評価した。
(1)被覆率
ニコン社製ECLIPSE LV100N POL型の顕微鏡を用いてクロスニコルな状態で薄膜を観察した。薄膜の大部分が最も明るくなる角度で、10倍の対物レンズとSONY社製NEX−5R型カメラを用いてISO感度200、露光時間1.3秒の条件で撮影を行った。偏光顕微鏡写真の色情報から結晶の被覆率を先述した定義に基づき、任意の104μm2の範囲を複数箇所観察してその平均値を算出した。
具体的には、上述した偏光顕微鏡写真において、膜厚と明るさの関係が最も顕著である緑色の明るさ情報を元に算出した。被覆率の低下は主に非常に細いクラックに由来するものである。この場合厚い膜に存在するクラックは、明るく写る膜の光がクラック部分に広がるため、薄い膜の色よりも明るく写る傾向にある。このため被覆率を求めるためには、ピクセルの明るさを周辺部分と相対的に比較する必要がある。まず写真から目測で平均的なクラック間隔の平均を計算する。縦方向にクラックが入っている写真の場合、それぞれのピクセルの左右それぞれクラック間隔の半分だけ緑の明るさの平均を計算する。対象のピクセルよりも左右の平均どちらとも3以上暗ければそのピクセルがクラックであると判断した。
なお、実験番号13の場合には、被覆率が目視でも明らかに低く、上記の判断手法が該当しないので別の方法で評価した。得られた写真において緑の明るさ情報は0から255までの256段階で記録されている。そこで、実験番号13の場合には緑色の明るさが基板と同じ30より小さい部分を基板部分、それより明るい部分を結晶とした。
(2)平均膜厚
先述した偏光顕微鏡写真において最も明るくなる角度で撮影された結晶におけるピクセルの色情報や反射型顕微鏡写真における色情報と原子間力顕微鏡により測定した結晶の厚みが高い相関を示していることを確認した。この関係を利用し、結晶方向が揃っている薄膜については偏光顕微鏡写真をヒストグラム解析することによって平均膜厚を見積もった。結晶方向が不揃いである薄膜については反射型顕微鏡の写真をヒストグラム解析することにより平均膜厚を見積もった。
(3)キャリア移動度
成膜された結晶を活性層として電界効果トランジスタを多数作製し、その伝達特性から移動度を見積もった。まず薄膜上にチャネル長が 50μmとなるように設計されたシャドウマスクを用いてアクセプタ分子である2,3,5,6−tetrafluoro−7,7,8,8−tetracyanoquinodimethane 2 nmと金30 nmを電極として蒸着した。チャネル外を電流が流れることを防ぐため、波長355 nmのパルスレーザーによってチャネル幅が正確に50μmになるようにエッチングした。絶縁層としては比誘電率3.9、厚さ200nmの二酸化シリコンを用いた。Keithley社製4200−SCS型半導体パラメータアナライザを用いて、ドレイン電圧−50Vの下でゲート電圧を+10Vから−50Vの範囲でスイープし伝達特性を測定した。得られた伝達特性においてゲート電圧が−25Vから−50Vの範囲をフィッティングすることにより、飽和領域におけるキャリア移動度を先述したFETのIdVgの測定値から求めた。なお、移動度の測定値は活性層に流す電流の方向によって変動するが、ここではそれぞれ最も移動度が高くなる方向に対して電流が流れるようにチャンネルの方向を設定した。
評価結果を表2に示す。表2から、本発明に係る有機半導体膜は被覆率の高い均質な単結晶膜である。また、本発明に係る有機半導体膜は高い移動度を安定して示すことも分かる。すなわち、本発明に係る有機半導体膜を用いることで高性能有機半導体デバイスを歩留よく作製することが可能であることが理解されよう。
Figure 2015185620
Figure 2015185620
(4)ドメイン数
実験番号1(溶剤:3−クロロチオフェン)及び実験番号2(溶剤:2−クロロチオフェン)については、被覆率の測定と同様の手法で薄膜を複数箇所観察し(1視野当たり104μm2の範囲)、緑の色情報を元にWeveMetrics社製Igor Proのパーティクル解析機能を用いて1mm2当たりに存在する結晶のドメイン数を測定した。連続して緑色の明るさが60よりも大きい領域を1ドメインとした。その結果、実験番号1においては、1ドメイン/mm2であったのに対し、実験番号2においては5000ドメイン/mm2であった。
(5)クラックの角度
実験番号1(溶剤:3−クロロチオフェン)及び実験番号2(溶剤:2−クロロチオフェン)については、被覆率の測定と同様の手法で薄膜を観察し(任意の104μm2の範囲)、各クラックの角度を測定した。図7に実験番号1で得られた偏光顕微鏡写真を、図8に実験番号2で得られた偏光顕微鏡写真をそれぞれ示す。筋状の箇所がクラックであり、Adobe社製Photoshopのものさしツールによってクラック上をなぞることによってクラックの長さおよび角度を測定した。クラックの角度をクラックの長さで重み付けて標準偏差を計算した。その結果、実験番号1においては、0.15radであったのに対し、実験番号2においては0.83radであった。なお、図7及び図8の偏光顕微鏡写真において、薄膜の色が変化している様子がうかがえるが、これは薄膜の厚みの変化を表しているのであって、クラックではない。
(6)結晶軸の分布
実験番号1(溶剤:3−クロロチオフェン)については、先述した方法に従って、Rigaku社製型式SartLabGIXD装置を用いて結晶軸の分布範囲を調べた。光源はCuKα線(1.5418Å)を用いた。測定された強度分布にガウシアン曲線をフィッティングすることにより、回折強度分布の標準偏差を得た。その結果、結晶軸の分布範囲が7°であった。
1 基板
2 接触部材
2a 端面
3 液滴
4 有機半導体膜
5 原料溶液
6 溶液供給ノズル
L 光源
D 検出器

Claims (16)

  1. 1mm2当たりの面積中に存在するドメイン数が10以下である単結晶性有機半導体膜。
  2. 被覆率が0.98以上である請求項1に記載の単結晶性有機半導体膜。
  3. 結晶軸の分布範囲が10°以内である請求項1又は2に記載の単結晶性有機半導体膜。
  4. クラックの角度の標準偏差が0.5rad以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の単結晶性有機半導体膜。
  5. 有機半導体がポリチオフェン又はチアノアセンである請求項1〜4の何れか一項に記載の単結晶性有機半導体膜。
  6. 平均移動度が5cm2/Vs以上である請求項1〜5の何れか一項に記載の単結晶性有機半導体膜。
  7. 移動度の変動係数が40以下である請求項1〜6の何れか一項に記載の単結晶性有機半導体膜。
  8. 平均膜厚が1μm以下である請求項1〜7の何れか一項に記載の単結晶性有機半導体膜。
  9. 有機半導体を3−クロロチオフェンに溶かして有機半導体溶液を調製する工程1と、
    基板表面上に前記有機半導体液を付着する工程2と、
    基板表面上の前記有機半導体液から3−クロロチオフェンを蒸発させる工程3と、
    を含む有機半導体膜の製造方法。
  10. 有機半導体を3−クロロチオフェンに溶かして有機半導体溶液を調製する工程1と、
    基板表面に対して起立する端面を有する接触部材が戴置された基板を準備する工程2と、
    工程1で得られた溶液を前記基板に供給して、前記端面と前記基板表面に同時に接触する液滴を形成する工程2と、
    工程2で得られた液滴から3−クロロチオフェンを蒸発させる工程3と、
    を含む有機半導体膜の製造方法。
  11. 有機半導体がチオフェン誘導体である請求項9又は10に記載の有機半導体膜の製造方法。
  12. 有機半導体溶液中の有機半導体濃度が0.2質量%以下である請求項9〜11の何れか一項に記載の有機半導体膜の製造方法。
  13. 溶液は印刷法によって基板上に供給される請求項9〜12の何れか一項に記載の有機半導体膜の製造方法。
  14. 有機半導体膜が単結晶性である請求項9〜13の何れか一項に記載の有機半導体膜の製造方法。
  15. 基板と、その表面上に形成された請求項1〜8の何れか一項に記載の単結晶性有機半導体膜とを備えた有機半導体デバイス。
  16. 請求項1〜8の何れか一項に記載の単結晶性有機半導体膜を半導体チャンネルとして備えたトランジスタ。
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