JP2015184430A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着処理時に定着ベルトから気化したワックスが、定着ベルトから拡散してしまうことを抑制する。
【解決手段】定着装置の加熱機構の保持部材と定着ベルトとの間を塞ぐようにシート状部材を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、シート上のトナー像を定着する定着装置に関する。この定着装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に搭載され得る。
従来より電子写真式の画像形成装置においては、離型剤(ワックス)が含有されたトナーを用いて用紙(シート)にトナー像を形成し、これを定着装置において加熱加圧することにより定着処理を行っている。
その定着処理の際に、トナーに含有されていたワックスが気化し、その直後、凝縮することが知られている。本発明者等の知見によれば、定着装置の定着部材付近に、凝縮後のワックス(数nm〜数百nm程度の微粒子、以下、ダストとも呼ぶ)の多くが存在、浮遊していることが分かっている。このような凝縮直後のワックスに対し何ら対処を行わないと、定着装置外にその多くが拡散し、画像に良くない影響を与えてしまう恐れがある。そこで、凝縮直後のワックスを大粒径化させて、定着装置外に拡散しないようにすることが求められている。
一方、特許文献1に記載の電磁誘導方式の定着装置では、ワックスがコイルホルダに固着し堆積してしまうのを防止すべく、コイルホルダの近傍に発熱体を設けている。詳細には、コイルホルダを発熱体により加熱することによりワックスを液化させて、コイルホルダに固着していたワックスを下方へ落下させるようにしている。
また、特許文献2に記載の定着装置では、定着ローラに付着した微粒子をクリーニングウェブにより除去するにあたり、クリーニングウェブに微粒子を捕捉するための捕捉材を含有させている。
特開2010−217580号公報 特開2011−112708号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の定着装置では、定着部材付近に多く存在するダストが定着装置外へ微粒子のまま拡散してしまうのを抑制することができないため、解決策にはなり得ない。
本発明の目的は、離型剤に起因する所定の粒径の粒子がそのまま定着装置外に拡散してしまうのを抑制することができる定着装置を提供することである。
本発明の他の目的は、離型剤に起因する所定の粒径の粒子の大粒径化を促進することができる定着装置を提供することである。
本発明の他の目的は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
上記の目的を達成するための本発明に係る定着装置の代表的な構成は、離型剤を含有するトナーを用いてシートに形成された未定着トナー像をその間のニップ部にて熱定着する第1及び第2の回転体と、前記第1の回転体の外側に対向して配置され、前記第1の回転体を電磁誘導加熱するための加熱機構と、前記加熱機構を保持する保持部材と、前記保持部材から延伸し前記保持部材と前記第1の回転体との間を塞ぐように配置された延伸部と、を有し、前記延伸部は、前記第1の回転体と前記保持部材の間の空間において気流の発生を抑制することにより、前記離型剤に起因する所定の粒径の粒子が前記第1の回転体の表面から拡散するのを抑制することを特徴とする。
本発明によれば、離型剤に起因する所定の粒径の粒子がそのまま定着装置外に拡散してしまうのを抑制することができる。離型剤に起因する所定の粒径の粒子の大粒径化を促進することができる。
(a)定着装置の概略断面図、(b)は定着装置の分解斜視図である。 定着ユニットの分解斜視図である。 画像形成装置の概略断面図である。 (a)は図1の(a)におけるニップ部分の拡大図、(b)は定着ベルトの層構成を示す図、(c)は加圧ローラの層構成を示す図である。 定着ベルトユニットの加圧機構を示す図である。 定着ベルトの加熱領域を示す図である。 定着ベルト上のワックス付着領域と、ダスト発生領域を示す図である。 シート状部材の設置に好適な箇所を示す図である。 (a)はダストの合体現象、(b)はダストの付着現象を説明する模式図である。 定着ベルトと加圧ローラの周辺の気流の流れを説明する図である。 定着装置の概略断面図である。 定着装置の概略断面図である。
以下、本発明に係る定着装置の例について詳細に説明する。なお、特段の断りがない限り、本発明の思想の範囲内において、各種機器の構成を他の公知の構成に置き換えることは可能である。
<実施例1>
(1)画像形成装置の全体構成
定着装置の説明をする前に、まず、画像形成装置の全体構成について説明する。図3は画像形成装置1の概略断面図である。この画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザービームプリンタ(カラー画像形成装置)である。即ち、画像形成装置は、パーソナルコンピュータやイメージリーダ等の外部ホスト装置Bから制御回路部(制御手段:CPU)Aに入力される電気的画像信号に基づいて、シート(記録材)Pに画像形成を行う。シートPは、用紙、OHPシート・コート紙、ラベル紙等である。以下、用紙と記す。
制御回路部Aは外部ホスト装置Bや操作部Cとの間で各種の電気的情報の授受を行うと共に、画像形成装置1の画像形成動作を所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
この画像形成装置1は画像形成部5として第1から第4の4つの画像形成ステーション(プロセスカートリッジ)5Y、5M、5C、5Kを備えている。第1から第4の画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kは装置本体1A内のほぼ中央部に図3において左側から右側にかけてほぼ水平方向に順次に平行に配列されている。
各画像形成ステーションは同様の電子写真プロセス機構を有している。本例の各画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kは、画像が形成される像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)6を有する。また、このドラム6に作用するプロセス手段としての帯電ローラ7、クリーニング部材41、現像ユニット9を有している。
第1の画像形成ステーション5Yは現像ユニット9のトナー収容室内にイエロー(Y)色の現像剤(以下、トナーと記す)が収容されている。第2の画像形成ステーション5Mは現像ユニット9のトナー収容室内にマゼンタ(M)色のトナーが収容されている。第3の画像形成ステーション5Cは現像ユニット9のトナー収容室内にシアン(C)色のトナーが収容されている。第4の画像形成ステーション5Kは現像ユニット9のトナー収容室内にブラック(K)色のトナーが収容されている。
装置本体1A内において、各画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kの下側には、それぞれのドラム6に対する画像情報露光手段としてのレーザースキャナユニット8が配置されている。また、装置本体1A内において、各画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kの上側には、中間転写ベルトユニット10が設けられている。
ユニット10は、図3において右側に配設した駆動ローラ10aと、左側に配設したテンションローラ10bと、この両ローラ間に懸回張設した中間転写体としての中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)10cと、を有する。また、ベルト10cの内側には各画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kのそれぞれのドラム6に対向する第1から第4の4つの一次転写ローラ11が平行に配設されている。各画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kのそれぞれのドラム6は上面部分が各一次転写ローラ11の位置においてベルト10cの下面に接している。その接触部が一次転写部である。
駆動ローラ10aのベルト屈曲部の外側には二次転写ローラ12が配設されている。ベルト10cと二次転写ローラ12との接触部が二次転写部である。テンションローラ10bのベルト屈曲部の外側には転写ベルトクリーニング装置10dが配設されている。装置本体1Aの下部には、用紙給送カセット2が配設されている。カセット2は所定の要領にて装置本体1Aに対して引き出しおよび挿入可能に構成されている。
図3において装置本体1A内の右側にはカセット2からピックアップされた用紙Pを上方へ搬送する上向きの用紙搬送路(縦パス)Dが配設されている。この用紙搬送路Dには下側から上側に順に、給送ローラ2aとリタードローラ2bとのローラ対、レジストローラ対4、二次転写ローラ12、定着装置103、両面フラッパ15a、排出ローラ対14が配設されている。装置本体1Aの上面は排出トレイ(排出用紙積載部)16となっている。
図3において装置本体1Aの右側面側には手差し給送部(マルチ・パーパス・トレイ)3が設けられている。この手差し給送部3は不使用時には装置本体1Aに対して2点鎖線示のようにたて起こして畳み込んだ閉状態(格納状態)にしておくことが出来る。使用時は実線示のように倒し開き状態にする。
(1−1)画像形成装置の画像形成シーケンス
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。制御回路部Aはプリント開始信号に基づいて画像形成装置の画像形成動作を開始させる。即ち、画像形成タイミングに合わせて第1から第4の各画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kのドラム6が矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。ベルト10cも矢印Rの反時計方向(ドラムの回転に順方向)にドラム6の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザースキャナユニット8も駆動される。
この駆動に同期して、各画像形成ステーション5Y、5M、5C、5Kにおいて、所定の帯電バイアスが印加された帯電ローラ7によりドラム6の表面が所定の極性・電位に均一に帯電される。レーザースキャナユニット8は各ドラム6の表面をY・M・C・Kの各色の画像情報信号に応じて変調されたレーザービームで走査露光する。これにより、各ドラム6の表面に対応色の画像情報信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像ユニット9が有する現像ローラ(現像部材)によりトナー像(現像剤像)として現像される。現像ローラには所定の現像バイアスが印加される。
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1の画像形成ステーション5Yのドラム6にはフルカラー画像のY色成分に対応するY色トナー像が形成される。そのトナー像が該画像形成ステーション5Yの一次転写部においてベルト10c上に一次転写される。第2の画像形成ステーション5Mのドラム6にはフルカラー画像のM色成分に対応するM色トナー像が形成される。そのトナー像が該画像形成ステーション5Mの一次転写部においてベルト10c上にすでに転写されているY色のトナー像に重畳されて一次転写される。
第3の画像形成ステーション5Cのドラム6にはフルカラー画像のC色成分に対応するC色トナー像が形成される。そのトナー像が該画像形成ステーション5Cの一次転写部においてベルト10c上にすでに転写されているY色+M色のトナー像に重畳されて一次転写される。第4の画像形成ステーション5Kのドラム6にはフルカラー画像のK色成分に対応するK色トナー像が形成される。そのトナー像が該画像形成ステーション5Kの一次転写部においてベルト10c上にすでに転写されているY色+M色+C色のトナー像に重畳されて一次転写される。
第1から第4の各一次転写ローラ11には、所定の制御タイミングにて、トナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の一次転写バイアスが印加される。このようにして、移動するベルト10c上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着トナー像が合成形成される。この未定着トナー像はベルト10cの引き続く回転により搬送されて二次転写部に至る。
各画像形成ステーション5において、ベルト10cに対するトナー像の一次転写後のドラム6の表面は一次転写残トナーがクリーニング部材(クリーニングブレード)41により拭掃除去されて、次の作像工程に供される
一方、カセット2内の用紙Pが所定の制御タイミングで給送ローラ2aとリタードローラ2bによって1枚分給送されてレジストローラ対4へ搬送される。手差し給送モードである場合は、手差しトレイ3上の用紙Pが給送ローラ3aで繰り出され、搬送ローラ対3bでレジストローラ対4へ搬送される。
用紙Pは、レジストローラ対4によって所定の制御タイミングで二次転写部へ搬送される。二次転写ローラ12には、所定の制御タイミングにて、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の二次転写バイアスが印加される。これにより、用紙Pが二次転写部を挟持搬送されていく過程において、ベルト10c上の4色重畳のトナー像が用紙Pの面に一括して二次転写される。
二次転写部を出た用紙Pはベルト10cから分離され、定着装置103へ搬送されてトナー像が用紙P上に熱定着される。定着装置103を出た用紙Pは排紙ローラ対118を経て実線示の第1の姿勢aに保持されている両面フラッパ15aの下側を通り、排出ローラ14によって排出トレイ16に排出される。用紙Pに対するトナー像の二次転写後にベルト10cの表面に残留した二次転写残トナーは転写ベルトクリーニング装置10dによりベルト表面から除去され、クリーニングされたベルト表面が次の作像工程に供される。
定着装置103を出た片面側画像形成済みの用紙Pを排紙トレイ16に排紙せず、用紙Pの2面目に印字するための再循環搬送経路15bに搬送して両面印字することもできる。この場合は、定着装置103を出た片面側画像形成済みの用紙Pが破線示の第2の姿勢bに切り換えられた両面フラッパ15aの上面側を通り、スイッチバックローラ15により排紙トレイ16の側に搬送される。
そして、用紙Pの搬送方向下流側の端部が両面フラッパ15aの上に到達すると、両面フラッパ15aが第1の姿勢aに戻されると共に、スイッチバックローラ15が逆転駆動される。これにより、用紙Pは再循環搬送経路15b内を下向きに反転搬送され、搬送ローラ対15c、3bを経由して再びレジストローラ対4へ搬送される。以後は、片面側画像形成モードの場合と同様に、二次転写部、定着装置103、排出ローラ対14の経路を搬送されて、両面印字済みの用紙Pが排紙トレイ16に排出される。
なお、本実施例では、画像形成装置1として、ドラム6を複数備えたフルカラーレーザービームプリンタを取り上げたが、ドラム6を一つ備えたモノクロの複写機やプリンタに搭載する定着装置にも本発明を適用することができる。したがって、本発明の定着装置を搭載する画像形成装置は、フルカラーレーザービームプリンタに限定されるものではない。
(2)定着装置103の構成
次に定着装置103について説明する。図1の(a)は定着装置103の概略断面図、(b)は定着装置103の分解斜視図である。本実施例における定着装置103は、第1の回転体である定着ベルト105を備えた定着ベルトユニット101と第2の回転体である加圧ローラ102、第1の回転体である定着ベルト105を電磁誘導加熱するための加熱機構300により構成される。定着装置103は定着ベルト105と加圧ローラ102のニップ部101bにおける用紙搬送路面内において、用紙Pの搬送方向(シート搬送方向)Xと直交する方向を長手方向(幅方向)とする横長の装置である。
用紙Pは、加熱機構300により非接触で加熱される定着ベルト105と加圧ローラ102のニップ部101bで挟持搬送される。用紙Pに形成された未定着トナー像Sは、ニップ部101bで定着ベルト105と接触するとこで、加熱されて溶融し、さらに圧接されて用紙に定着する。
(2−1)定着ベルトユニット101の構成
図2は定着ベルトユニット101の分解斜視図である。なお、図2には加圧ローラ102も描かれている。定着ベルトユニット101は、圧力付与部材104、加圧ステー104a、回転する加熱回転体(エンドレスベルト)である定着ベルト105、定着ベルトの幅方向一端側と他端側に位置するフランジ106L・106Rなどによる組立体である。
圧力付与部材104は横断面がほぼ半円弧状樋型の横長の部材であり、液晶ポリマー等の耐熱樹脂により形成されている。加圧ステー104aは横断面U字型で横長の剛性部材であり、鉄等の金属で形成されており、圧力付与部材104の内側に配設されている。定着ベルト105は、圧力付与部材104、加圧ステー104aの組立体に対してルーズに外嵌(外挿)されている。
フランジ106L・106Rはそれぞれ耐熱樹脂による対称形状の成形品であり、圧力付与部材104の長手方向一端側と他端側とに対称形状に装着されている。フランジ106L・106Rは定着ベルト105を保持しその回転をガイドする。定着ベルト105の幅方向両端部は、フランジ106L・106Rにより、幅方向への移動が規制される。
フランジ106L・106Rは、図2に示すように、それぞれ、フランジ部106aと棚部106bと被押圧部106cとを有する。フランジ部106aは定着ベルト105の端面を受け止めて定着ベルト105のスラスト方向への移動を規制する部材であり、定着ベルト105の外形形状より大きい外形形状をしている。
棚部106bはフランジ部106aに円弧状に設けられており、定着ベルト端部内面を保持して定着ベルト105の円筒形状を保持する。被押圧部106cはフランジ部106aの外面側に設けられており、図5に示すバネ108L・108Rによって押圧力を受け、圧力付与部材104を介して定着ベルト105を加圧ローラ102に圧接させる役目を果たす。
(2−1−1)定着ベルトの構成
図4の(a)は図1の(a)におけるニップ部101b部分の拡大図である。図4の(b)は本実施例における定着ベルト105の層構成を示す図である。定着ベルト105は、全体的に可撓性を有する薄肉の低熱容量の部材である。定着ベルト105は、内側から外側に順に、エンドレス(円筒状)の基層105aと、プライマ層105bと、弾性層105cと、離型層105dと、を積層した複合層部材である。
基層105aは内径が30mmで電気鋳造法によって製造した厚み40μmのニッケルからなる。弾性層105cは耐熱性シリコーンゴムであり、プライマ層105bを介して基層105aに接着されている。弾性層105cは、トナー画像を圧接する際に変形することによって、離型層105dをトナー画像に密着させる役目を果たす。
弾性層105cの厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。本実施例では、定着ベルト105の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、弾性層の厚みを300μmとしている。このシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。
更に、弾性層105cの外周には、離型層105dとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。離型層105dはトナーや紙粉の付着を防止するため、離型性と耐熱性に優れたフッ素樹脂を用いている。
(2−2)加熱機構300の構成
本実施例において、加熱機構300は、第1の回転体である定着ベルト105の外面に対向して配置され、定着ベルト105を非接触で電磁誘導加熱するための加熱手段である。より具体的には定着ベルト105の基層105aを誘導加熱する装置である。加熱機構300は、励磁コイル110と磁性体コア111を有する。
励磁コイル110は、リッツ線を横長・船底状にして巻き回して定着ベルト105の周面の一部に対向するように配置されている。励磁コイル110によって発生した磁界は、励磁コイル110を覆う外側磁性体コア111と定着ベルト105の基層105aを通過するので、外側に漏れることはない。励磁コイル110を覆う外側磁性体コア111は、電気絶縁性の樹脂からなる内側筐体112aと外側筐体112bによって支持される。内側筐体112aは、定着ベルト105の外周面に対して、所定のギャップ(隙間)を介して対向して配設されている。
本実施例において、上記の内側筐体112aと外側筐体112bが加熱機構300を構成するコイル110とコア111を保持する保持部材である。定着ベルト105の回転状態において、励磁コイル110は、不図示の電源装置(励磁回路)から20〜50kHzの高周波電流を印加される。励磁コイル110から発生した磁界は定着ベルト105の基層105aを誘導発熱させる。
(2−3)加圧ローラの構成
図4の(c)は加圧ローラ102の層構成を示す図である。加圧ローラ102は、金属(アルミや鉄)の芯金102aと、シリコンゴム等で形成された弾性層102b、弾性層102bを被覆する離型層102cを有する弾性ローラである。離型層102cはPFA等のフッ素系樹脂で、チューブを被覆させたものである。
図5に示すように、加圧ローラ102は側板107Lと側板107Rの間において、芯金102aが軸受113を介して回転可能に支持されている。一方で定着ベルトユニット101は側板107Lと側板107Rの間において、加圧ローラ102に対して平行に配列されている。
ここで、定着ベルトユニット101の一端側と他端側のフランジ106Lと106Rはそれぞれバネ108L・108Rによって加圧ローラ102に向かって所定の押圧力Tをもって押圧されている。バネ108L・108Rは、画像形成装置に設けた支持部109R・109Lに支持されている。
その結果、定着ベルト105は、不図示の駆動源によって回転駆動される加圧ローラ102の回転に従動回転することになる。つまり、本例では、加圧ローラ102は、定着ベルト105を回転駆動する駆動ローラ(駆動回転体)としての機能も担っている。
上記の押圧力により、フランジ106L・106R、加圧ステー104a、圧力付与部材104の全体が加圧ローラ102の方向に押圧される。その結果、定着ベルト105と加圧ローラ102との間に所定幅のニップ部101b(図1の(a)、図4の(a))が形成される。
(2−4)定着シーケンス
定着装置103の定着シーケンス(定着処理)の動作は次のとおりである。制御回路部A(図3)は、所定の制御タイミングで加圧ローラ102を図1の(a)における回転方向R102に所定の速度で回転駆動させる。加圧ローラ102の回転駆動は加圧ローラ102と一体の駆動ギアGA(図2、5)に駆動源(不図示)の駆動力が伝達されることでなされる。
加圧ローラ102が回転駆動されることで、ニップ部102bにおいて定着ベルト105に、加圧ローラ102との摩擦力で回転トルクが作用する。これにより、定着ベルト105はその内面を圧力付与部材104に密着させて摺動しながら、圧力付与部材104と加圧ステー104aの回りを加圧ローラ102の速度とほぼ対応した速度で回転方向R105に従動回転する。
また、制御回路部Aは電源部(不図示)から励磁コイル110に対する通電を開始するこの通電により励磁コイル110は定着ベルト105の一部領域(図6の114)に磁界を発生させ、加熱する。この領域が定着ベルト105の加熱領域である。加熱による昇温は、加圧ステー104aに設けられた温度検知手段としてのサーミスタTHによって検知される。制御回路部AはサーミスタTHで検知される定着ベルト105の裏面の温度に基づいて、それが目標設定温度に昇温して温調されるように励磁コイル110に対する供給電力を制御する。本実施例における目標設定温度は約170℃である。
上記の定着装置状態において、画像形成部の二次転写部側から未定着トナー画像Sを担持した用紙Pが定着装置103側に搬送される。そして用紙Pがニップ入口101c(図1の(a))に導入されニップ部101bで挟持搬送される。
用紙Pはニップ部101bを挟持搬送される過程で加熱された定着ベルト105を介して付与される。未定着トナー画像Sは定着ベルト105の熱によって溶融され、ニップ部101bにかかっている圧力によって用紙Pに定着される。ニップ部101bを出た用紙Pは定着排紙ローラ対118(図3)により定着装置103外へ送出される。
(3)トナーに内包される離型剤
次に、トナーSに内包(含有)される離型剤、本例ではワックスについて説明する。定着処理時にトナーSが定着ベルト105に転移してしまうオフセットと呼ばれる現象を生じる恐れがある。このようなオフセット現象は画像不良など問題を引き起こす要因となってしまう。
そこで、本例では、ワックスをトナーSに内包させている。つまり、定着処理時にトナーSからワックスが染み出るようにしている。その結果、加熱により溶融したワックスが定着ベルト105と用紙P上のトナー像との界面に介在することになり、オフセット現象を防止する(離型作用)ことが可能となる。
なお、ワックスの分子構造を含んだ化合物も、ここではワックスと呼ぶことにする。例えばトナーの樹脂分子に炭化水素鎖等のワックス分子構造を反応させたものである。また、離型剤として、ワックスの他に、シリコンオイル等の離型作用を有する他の物質を用いることも可能である。本例ではパラフィンワックスを用いており、ワックスの融点Tmは約75℃前後である。ニップ部101bを目標設定温度170℃に保った場合、トナーS中のワックスが瞬時に溶融してトナー像と定着ベルト105の界面に染み出るように融点Tmは設定されている。
用紙P上のトナー像から染み出したワックスは定着ベルト105とトナー像の界面に介在するわけであるが、ワックスの一部は定着ベルト105に移行した後に定着ベルト105上で加熱される。これは、ニップ部101bにて用紙Pに熱を奪われて温度を低下させた定着ベルト105の表面が、誘導加熱装置300によって再び加熱される為である。
そして、ワックス中の低分子量成分等、ワックスの一部は図6に示す加熱領域114で気化(揮発)する。ワックスは長鎖分子成分から構成されているが、その長さは均一でなく一定の分布があり、鎖が短く沸点の低い低分子成分と、鎖が長く沸点の高い高分子成分を含んでいる。加熱領域114でワックスが気化する際は、ワックスの一部である低分子成分が気化するものと考えられる。
気化したワックス成分は、空気中で冷やされて凝縮し、その直後では粒径が数nm〜数百nm程度の微粒子(ダスト)が存在し得る。但し、多くは、数nm〜数十nmの粒径の微粒子となっている。これは、ダストを測定することによって確認することができる。
なお、本発明の発明過程において、ダスト測定は米TSI社製の高速応答型パーティクルサイザー(FMPS)を用いて行った。このFMPSは、粒径分布と個数濃度(個/cm3)、重量濃度(μg/m3)を測定することができる。本発明では、FMPSで測定可能な粒径5.6nm以上560nm以下の微粒子をダストとしている。
(4)定着処理に伴い離型剤に起因する発生粒子(ダスト)について
(4−1)ダストの発生箇所
図7は定着ベルト105に付着したワックスが気化する過程を示す。なお、図7においては、加熱機構300の記載が省略されている。図7の(a)の状態では、トナー像の先端部分だけがニップ部101bを通過しているため、定着ベルト105上のワックス付着領域は図中に示す135aとなる。この段階ではワックスは気化しない。
図7の(b)の状態では、ワックス付着領域が図中に示す135bの範囲まで拡大し、図6に示す加熱領域114と一部重なる。重なった部分136ではワックスが気化し始めると同時にダストを生成する。図7の(c)の状態では、ワックス付着領域が図中に示す135cの範囲まで拡大し、より広い範囲138でワックスが気化してダストを生成する。
このダストはワックス成分であるため粘着性を有しており、画像形成装置1の内部の各所に付着して問題を起こす恐れがある。例えば、ダストが定着排紙ローラ対118(図3)や排出ローラ対14に固着、堆積して汚れを生じさせると、その汚れが用紙Pに移行して画像に影響してしまう恐れがある。また、定着装置周辺の雰囲気を排気する排気(排熱)機構に設置されたフィルタ600(図3)に付着して目詰まりを起こす恐れがある。
(4−2)ダストの性質について
本発明者等の研究によれば、定着ベルト105から発生するダストの粒径は、定着ベルト105近辺の空間温度に依存することがわかっている。
図9の(a)に示すように、加熱源20aの上に沸点150〜200℃の高沸点物質20を置き、200℃前後に加熱すると、高沸点物質20の揮発物21aが発生する。揮発物21aは常温空気に触れると直ちに沸点温度以下になるので、空気中で凝集し、数nm〜数十nm程度の粒径の微粒子(ダスト)21bに変化する。この現象は、水蒸気が露点温度を下回ると、微小水滴になって霧を発生させる現象と同じものである。
この時、気中におけるガスの凝集/粒子化は、気中温度が高いほど阻害される。これは気中温度が高いほどガスの蒸気圧が上がり、ガス分子は気体状態を維持し易い為である。その結果、気中温度が高くなるにつれてダストの生成個数は少なくなっていく。さらに気中に存在する余剰ガスは生成したダストの周りに集まってダスト上に凝集する。これは、ガス分子が凝集して新たにダストを生成するのに必要なエネルギーに比べて、ガス分子がダストの周囲に凝集するのに必要なエネルギーの方が、より低いためである。
上記のような過程で生成したダスト21bは、ブラウン運動により空気中を移動しているので、互いに衝突して合体し、より大きな粒径のダスト21cに成長することが知られている。この成長は、ダストが活発に移動すればするほど、言い換えると気中温度が高温状態にあればあるほど、促進される。結果として、定着ベルト105から発生するダストの粒径と個数は、定着ベルト105近辺の空間温度が高い程、粒径が大きくなって個数は減少する。
また、粒径の成長は、ダストが一定サイズ以上になると次第に鈍化し、止まる。これは、合体によってダストが大型化するとブラウン運動による空気中の移動が不活発になるためと推定される。
さらに離型剤(ワックス)に起因するダストの性質として、周囲の固形物に付着する性質が知られている。図9の(b)において、微小ダスト21bとより大きなダスト21cを含んだ空気αが、気流22に沿って壁23に向かう場合を考える。この時、微小ダスト21bよりも大きなダスト21cの方が壁23に付着しやすく、拡散され難い。
これは、ダスト21cは慣性力が大きく、壁23に勢いよく衝突するためと推定される。この現象は、気流の速度が風速計の計測限界を下回る0.2m/s以下の場合、つまり気流が非常に遅い場合であっても同様である。従って、ダスト21cを大粒径化すればするほど、特に、数百nm程度の微粒子は定着装置内に留まり易く(多くは定着ベルトに付着)、定着装置外への拡散を抑制し得ることが分かる。
このように、ダストは気中温度の上昇とともに大型化(大粒径化)する性質と、大型化(大粒径化)につれて周辺の物体に付着し易くなるという二つの性質を持っている。従って、気中温度を上げてダストを大粒径化すれば、ダストが微粒子(凝縮直後の粒径)のまま定着装置外に拡散されてしまうのを抑制できることが分かる。なおダストの合体のし易さは、ダストの成分と温度、濃度に依存する。例えば、粘着しやすい成分が高温になって柔らかくなり、さらに高濃度下でダスト同士の衝突確率が上がると、合体し易くなる。
(5)ダストの拡散抑制機構
以上で述べたダストの性質に基づいて画像形成装置1の内部におけるダストの拡散抑制策を検討すると、図7の(c)に波線で示すダスト発生箇所138の近傍の気中温度を上げると良いことがわかる。ダスト発生箇所を図6に基づいて説明すると、ダスト発生箇所は、定着ベルト105上の加熱領域114に、加熱領域114から定着ベルト105の回転方向R105方向に向かってニップ入口101cまでの領域を加えた領域になる。
(5−1−1)定着ベルト105の周辺気流
ダスト発生箇所138の近傍の気中温度を上げる方法を説明するにあたって、定着ベルト105近傍の気流を図10に示す熱気流シミュレーション結果に基づいて説明する。この熱と気流についての検証は、表面温度170℃の定着ベルト105が速度Vで反時計回りR105に回転し、加圧ローラ102が同じく速度Vで時計回りR102に回転し、用紙Pが速度Vで図中の上方に移動すると仮定している。
そのため、この検証においては、
・定着ベルト105の周辺に発生する自然対流による上昇気流(CD1)
・定着ベルト105の表面移動に伴い発生するベルト表面の気流(RD1)
・用紙Pの移動に伴って用紙Pに沿って発生する気流26a
が考慮されている。
図10に示すように、ニップ入口101cにおいて行き場を失いニップ入口101cから噴き出してくるように見える気流26cの存在が確認された。この気流26cは、用紙表面の移動に伴ってその表面に発生する気流26aと気流RD1がニップ入口101cで衝突した結果、行き場を失ったエアが噴き出したものと考えられる。
そして、気流26cは、気流RD1に合流して、気流RD1に隣接してそれとは逆方向に流れる気流CD1、つまり、定着ベルト105表面に沿って上昇する気流となる。
なお、気流26cは、図10に示すように定着ベルト105の表面に沿うように発生していたが、これは定着ベルト105の表面付近を上昇する自然対流に引き込まれた結果と推定される。
気流26cと気流RD1は、気温の低い気流26a(用紙に沿って定着装置の外から運ばれてくる気流なので、気温が低い)に起因する気流であるため、ダスト発生箇所138の近傍の気中温度を下げる作用を持つ。そのため、気流26cと気流RD1を遮蔽することが必要になる。
(5−1−2)延伸部であるシート状部材122
図1と図6に示す延伸部(抑制部、抑制部材)であるシート状部材122は、誘導加熱装置300の保持部材である内側筐体112aに設けられている。
延伸部であるシート状部材122は、保持部材である内側筐体112aから延伸し内側筐体112aと第1の回転体である定着ベルト105との間を塞ぐように配置されている。シート状部材122は、定着ベルト105と内側筐体112aの間の空間において気流の発生を抑制することにより、前記離型剤に起因する所定の粒径の粒子が定着ベルト105の表面から拡散するのを抑制する。
シート状部材122は、可撓性のシート状部材とされ、その先端付近の表面が定着ベルト105の外面と接触(所謂、腹当て)するように、内側筐体(カバー)112aから延在されている。さらに、このシート状部材122の内側筐体112aからの延在方向が、定着ベルト105の径方向(定着ベルトの回転軸線に直交する方向)に対し、定着ベルト105の回転方向(R105)下流側に向けて(ニップ入口101cに向けて)傾斜している。
つまり、シート状部材122のその先端領域122X(図1参照)が先端縁に向けて延在する向きが定着ベルト105の回転方向下流側を実質向くように、シート状部材122が定着ベルト105に接触配置されている。シート状部材122は、定着ベルト105に対し、所謂、順方向突き当ての構成となっている。このような構成にすることにより、シート状部材122の定着ベルト105との摺動抵抗が増大してしまうのを抑制している。
そして、シート状部材122は、耐熱性と摺動性と弾性を兼ね備えたフッ素樹脂からなり、その弾性力によって定着ベルト105に付勢され、内側筐体112aと定着ベルト105との間を塞ぐように構成されている。つまり、シート状部材122は、定着ベルト105と内側筐体112aの間を塞ぐことによって、図7の(c)に波線で示すダスト発生箇所138の近傍の気流(特に気流26cと気流RD1)を抑制する作用を持つ。シート状部材122は、気流を阻害することによってダスト発生箇所138の近傍の気中温度を上昇させ、ダストの拡散を抑制する作用を持つ。
また、シート状部材122の長手方向の幅W1は、図8の定着装置の要部斜視図に示すように(加熱機構300は省略されている)、用紙P上のトナー像121の通過領域の幅W2よりも幅が広くなるように設定するのが好ましい。なお、幅W2は、画像形成装置で使用可能な最大幅の用紙を使用したとき、最大幅の用紙に対して画像形成可能な領域の幅(最大画像幅)に相当する。その結果、シート状部材122は、定着ベルト105がトナー像121と接触し得る領域よりも幅方向両外側に延在する位置関係となる。
さらに、シート状部材122の先端は、用紙Pの先端が定着ベルト105の表面に接触し得る領域117の末端の箇所116(図6)の近傍まで延伸している。領域117とは、用紙Pの先端がカールしている時、若しくは折れている時に、用紙Pの先端が定着ベルト105に接触し得る領域を意味する。用紙の搬送を阻害しないようにするため、シート状部材122の先端は、領域117に入り込まないように配置されている。
係る構成において、リブ122は定着ベルト105近傍の気温を上げる役目を果たす。リブ122は気温上昇によってダストの粒径を大径化させ、画像形成装置1内部へのダスト拡散を抑制する。大径化したダストは、定着ベルト105の周辺に発生する上昇気流(熱対流)によって上昇し、定着ベルト105と内側筐体112aに付着する。定着ベルト105に付着したダストは用紙Pに転写するが、ダストサイズが小さいので画像に影響を与えることはない。
(5−1−3)ダスト拡散の抑制効果
ダスト拡散の抑制効果は、図1(又は図6)に示すポイントC1でダスト濃度を測定することによって判断することができる。ポイントC1は定着ベルト105から発生するダストが熱対流による上昇気流によって排出される経路上に、定着ベルト105から20mm程度離間した位置に設定されている。
このダスト濃度は高速応答型パーティクルサイザー(FMPS)で測定することができる。また、測定は、以下の条件下で行っている。具体的には、印字率が5%の標準原稿を基に、A4サイズの普通紙を横送りする条件で、定着処理を11分間に亘り連続して行う。そして、その定着処理の終了前1分間に亘り(10分〜11分の間の1分間)、ダスト濃度の測定を行う。測定値は、1分間のダスト濃度を平均処理することにより求めた。
また、本例では、ダスト濃度とは、粒径が所定の範囲の微粒子、つまり、粒径が5.6nm以上560nm以下の微粒子(所定の粒径の粒子)の個数濃度(個/cm3)のことを指す。なお、ダスト濃度として、個数濃度(個/cm3)の代わりに、重量濃度(μg/m3)としても構わない。
以上方法でポイントC1でダスト濃度を測定すると、シート状部材122を設置することによってダスト濃度を1/5に下げることができた。また定着装置外のワックス汚れを軽減できることができた。
<実施例2>
次に、実施例2の定着装置103を図11に基づいて説明する。実施例1の定着装置103と異なる部分は、シート状部材120に突起120aをシート状部材120の長手方向において離散的に複数設けた点である。即ち、シート状部材120には、定着ベルト105と対面する領域に、複数の突起(突出部)120aがその長手方向において離散的に設けられている。その他の点は、実施例1と同様の構成であり、同符号を付すことによりその詳細な説明を省略する。
先に述べた定着ベルト105へのオフセット現象はトナーSに離型剤(ワックス)を含有させても十分に防ぐことはできず、また、用紙の紙粉等が定着ベルト105に付着する恐れがある。つまり定着ベルト105に何らかの汚れ物質が付着する恐れがある。その場合、実施例1のシート状部材120と定着ベルト105の接触部に汚れ物質を堆積させてしまうことに繋がる。そして、この汚れ物質が一定量以上溜まって且つ接触部から剥がれた場合、用紙Pに汚れ物質を転移させてしまう恐れがある。
そこで、本例では、突起120aを設け、シート状部材120が定着ベルト105に対面する領域に、ダストの抑制効果を損なわない程度の隙間約0.2mmのギャップが確保されるようにしている。
その結果、このような汚れ物質の大半はこの隙間を通り抜け、用紙Pへの転移を抑制することが可能となる。なお、汚れ物質の一部は突起120aの近辺に堆積してしまうが、その堆積量は微量であり、実用上無視できるレベルとなる。
<実施例3>
次に、実施例3の定着装置103を図12に基づいて説明する。実施例1の定着装置103と異なる部分は、延伸部(抑制部材)を内側筐体112aに取り付けた回転部材123とした点である。その他の点は、実施例1と同様の構成であり、同符号を付すことによりその詳細な説明を省略する。
本例では、延伸部として機能する回転部材123が設けられている。そして、回転部材123は、その外周面が定着ベルト105の外周面に接触し、隙間なく取り付けられている。
回転部材123は、定着ベルト105が回転するとその回転に伴って従動回転可能に構成されている。また、回転部材123は、PFAチューブが被覆された耐熱シリコンゴム製のローラである。
このように、本例では、回転部材123と定着ベルト105との摺動摩擦が可及的に少なくなるため、定着ベルト105を傷付けることがなく、また、その接触部に汚れ物質が堆積することも抑制することが可能となる。
以上、本発明が適用できる定着装置として実施例1〜3を例に説明したが、以下のような構成としても構わない。
延伸部としては、加熱機構300の保持部材である内側筐体112aと定着ベルト105(加圧ローラ102)との隙間を封止してダストの移動を妨げるものであれば上述の例に限らない。即ち、その機能を果たすものであれば、例えば、耐熱スポンジを用いる構成としても構わない。
また、定着ベルト105は、加圧ローラ102により回転駆動される構成とせずに、例えば、複数の支持ローラにより懸回張設された構成としつつそのうちの1つの支持ローラによって回転駆動される構成としても構わない。さらに、定着ベルト105の代わりに定着ローラを用いる構成としても構わない。
さらに、上記実施例において、第1の回転体である定着ベルト105を電磁誘導加熱する加熱機構(励磁コイル、磁性コア)300の全体が、定着ベルト105の外面に対向して配置された例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、定着ベルト105の内側に電磁誘導加熱機構の一部である励磁コイルを設ける。これとともに、定着ベルトの外側に電磁誘導加熱機構の一部である磁性コアを設ける。この構成において、磁性コア外側に配置された磁性コアを支持する保持部材(筐体、ホルダー)に延伸部であるシート状部材120または回転部材123を設ける構成であっても良い。
加熱機構300の保持部材は、磁性コアの周囲全域を覆うものでなくても良い。保持部材は、実施例1の内側筐体112aのように、定着ベルトの外周の一部を覆う形状になっていれば良い。
このように、保持部材は加熱機構が有するコイルだけを保持する形態、或いはコアだけを保持する形態、或いはコイルとコアを保持する形態のものにすることができる。
さらに、本例の定着装置103は用紙Pを斜め上方に排出するようになっているが、本発明は、垂直方向に排出する定着装置、及び水平方向に排出する定着装置に対しても有効である。
1・・画像形成装置、100・・筐体、101b・・ニップ部、102・・加圧ローラ、103・・定着装置、105・・定着ベルト、121・・トナー像、120・123・・拡散抑制部材、P・・用紙、S・・トナー

Claims (17)

  1. 離型剤を含有するトナーを用いてシートに形成された未定着トナー像をその間のニップ部にて熱定着する第1及び第2の回転体と、
    前記第1の回転体の外側に対向して配置され、前記第1の回転体を電磁誘導加熱するための加熱機構と、
    前記加熱機構を保持する保持部材と、
    前記保持部材から延伸し前記保持部材と前記第1の回転体との間を塞ぐように配置された延伸部と、を有し、
    前記延伸部は、前記第1の回転体と前記保持部材の間の空間において気流の発生を抑制することにより、前記離型剤に起因する所定の粒径の粒子が前記第1の回転体の表面から拡散するのを抑制することを特徴とする定着装置。
  2. 前記延伸部は装置に使用可能な最大幅のシートの画像形成可能な領域が通過する領域よりも幅方向両外側へ延在していることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記延伸部は前記保持部材に取り付けられたシート状部材であり、前記シート状部材のその先端領域が延在する向きが前記第1の回転体の回転方向下流側を向くように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記シート状部材には、前記第1の回転体と対面する領域に、複数の突出部がその長手方向において離散的に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記延伸部は前記第1の回転体に従動回転可能な回転部材である請求項1または2に記載の定着装置。
  6. 前記離型剤はワックスであり、前記所定の粒径は5.6nm以上560nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着装置。
  7. 前記保持部材は前記加熱機構が有するコイルを保持することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置。
  8. 前記保持部材は前記加熱機構が有するコアを保持することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置。
  9. 前記保持部材は前記加熱機構が有するコイルとコアを保持することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置。
  10. 離型剤を含有するトナーを用いてシートに形成された未定着トナー像をその間のニップ部にて熱定着する第1及び第2の回転体と、
    前記第1の回転体の外面に対向して配置され、前記第1の回転体を電磁誘導加熱するための加熱機構と、
    前記加熱機構を保持する保持部材と、
    前記保持部材と前記第1の回転体との間を塞ぐように配置された延伸部と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  11. 前記延伸部は装置に使用可能な最大幅のシートの画像形成可能な領域が通過する領域よりも幅方向両外側へ延在していることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記延伸部は前記保持部材に取り付けられたシート状部材であり、前記シート状部材のその先端領域が延在する向きが前記第1の回転体の回転方向下流側を向くように配置されていることを特徴とする請求項10または11に記載の定着装置。
  13. 前記シート状部材には、前記第1の回転体と対面する領域に、複数の突出部がその長手方向において離散的に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記延伸部は前記第1の回転体に従動回転可能な回転部材である請求項10または11に記載の定着装置。
  15. 前記保持部材は前記加熱機構が有するコイルを保持することを特徴とする請求項10乃至14の何れか一項に記載の定着装置。
  16. 前記保持部材は前記加熱機構が有するコアを保持することを特徴とする請求項10乃至14の何れか一項に記載の定着装置。
  17. 前記保持部材は前記加熱機構が有するコイルとコアを保持することを特徴とする請求項10乃至14の何れか一項に記載の定着装置。
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