JP2015177963A - X線撮影装置及びティーチング装置 - Google Patents

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明敏 勝又
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政廣 辻田
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竜也 長野
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昌也 北尾
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【課題】撮影空間における部分的な焦点面の設定やX線パスの設定の自由度を上げ、且つ、的確に所望の精密撮影の範囲をティーチングする装置を提供する。【解決手段】パノラマ撮影装置において、X線管アームは、管収容部21Aと、第1の軸AXsの周りに回動可能に支持する管支持部21Lとを備え、検出器アームは、検出器24を収容した検出器収容部22Aと、第2の軸AXdの周りに回動可能に支持する検出器支持部22Lとを備え、検出器収容部22Aが検出器支持部22Lに対して第2の軸AXdの周りに回動し、X線管アーム及び検出器アームを互いに独立して同軸で回転させ、スキャン時には互いに独立して回動させる速度パターンに応じて第1、第2、及び第3の駆動手段が制御され、さらに、部分撮影の範囲をX線の実際の照射を模擬したアーム25からのレーザビームでティーチングでき、その結果を4軸制御動作に反映させる。【選択図】図7

Description

本発明は、X線を用いて被検体の画像を撮影するX線撮影装置及びそのティーチング装置に係り、特に、X線管と、このX線管から照射されるX線を検出する検出器とを被検者の撮影部位の周りに回転させる構造を備えたX線撮影装置、及び、撮影部位をティーチング(教示)可能なティーチング装置に関する。
近年、トモシンセシス法に依る被検者の断層撮影法が盛んに行われるようになっている。このトモシンセシス法の原理はかなり古くから知られているが(例えば特許文献1を参照)、近年では、そのトモシンセシス法に依る画像再構成の簡便さを享受しようとする断層撮影法も提案されている(例えば特許文献2及び特許文献3を参照)。また、歯科用でその例が多数見られるようになっている(例えば特許文献4、特許文献5を参照)。
トモシンセシス法の歯科への応用の一つとして、通常、湾曲した歯列を2次元平面状に展開したパノラマ画像を得るパノラマ撮影装置が実用化されている。このパノラマ撮影装置は、通常、被検者の口腔部の周囲にX線管と縦長の2次元配置の画素を有する検出器との対を、その回転中心が想定された歯列に沿った一定軌道を画くように、その回転中心を複雑に移動させながら回転させる機構を備える。X線管と検出器との間は一定値に保持される。上述の一定軌道は、標準の形状及びサイズと見做される歯列に沿って予め設定した基準断層面(3次元的に存在する断層面)に焦点を当てるための軌道である。この回転中に、一定間隔で、X線管から照射されたX線が被検者を透過して検出器によりデジタル量のフレームデータとして検出される。このため、基準断層面に焦点を絞ったフレームデータが一定間隔毎に収集される。このフレームデータをトモシンセシス法で再構成して、基準断層面のパノラマ画像を得る。
また、特許文献6には、X線管と検出器が同一中心点の周りに共に円軌道を描くように且つ互いに独立して回転可能な撮像系を持つパノラマ撮影装置の一例が開示されている。顎部はその円軌道の中に位置付けられる。X線管から照射されたX線は常に検出器の検出面に向くように、X線管及び検出器の速度パターンが制御される。
特開昭57−203430 特開平6−88790 特開平10−295680 米国特許公開 US2006/0203959 A1 特開2007−136163 国際公開WO2012/008492
しかしながら、上述した特許文献6に記載の装置の場合、X線管と検出器が同一軌道上に1つの回転中心を通る対応した両位置に取り付けられているため、撮影空間(オブジェクト空間)において焦点をあてる断層面(焦点面)の設定に未だ制約があった。つまり、被検者の歯列は個人によって違うので、所望の数歯を狙った部分的な焦点面の設定により高い自由度が望まれるが、そのような要望に応えきれていなかった。
この背景を要約すれば以下のように説明できる。医療の現場では、長年積み上げてきた経験や手法を踏襲した施術法は、術者にとって受け入れ易い。加えて、その施術法に立脚した上で、X線被ばく量が少なく且つ有用なデータが得られれば、それは非常に喜ばしいことである。このことは歯科の分野においても同じである。歯科の分野には、そのような施術の一つに、口内法X線撮影(Intraoral radiography)がある。これは口腔内の歯列上の撮影したい歯の部分に指や器具で固定したX線フィルムにX線を照射し、X線像を得るものである。3〜4歯の範囲の精密な画像が得られる反面、口腔内にフィルムを入れるため、患者の苦痛は小さくない。
この撮影をより精密に行うには、上述した各種引例に記載の装置の場合、到底、困難であった。理由は、ビーム状のX線を所望の角度で目的歯に入射させ、その透過X線を正確に受けるための、X線管及び検出器の位置及び姿勢制御が困難であるためである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、撮影空間における部分的な焦点面の設定やX線パスの設定の自由度を上げ、且つ、的確に所望の精密撮影範囲をティーチングする機能を備えたX線撮影装置、及び、そのような精密撮影範囲をティーチングできるティーチング装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るX線撮影装置は、点状の焦点を有し、この焦点から広がりを持ったX線を照射するX線管と、このX線管から照射される前記X線を検出して当該X線の量に対応したデータを出力する検出器と、を備え、前記X線管と前記検出器を予め定めた所定の回転中心を通る中心軸の周りに回動可能なX線撮影装置において、前記X線管を収容した管収容部と、この管収容部を前記中心軸に平行な第1の軸の周りに回動可能に支持する管支持部とを備えたX線管アームと、前記管収容部を前記管支持部に対して前記第1の軸の周りに回動させる第1の駆動手段と、前記X線を入射させるように前記検出器を収容した検出器収容部と、この検出器収容部を前記中心軸に平行な第2の軸の周りに回動可能に支持する検出器支持部とを備えた検出器アームと、前記検出器収容部を前記検出器支持部に対して前記第2の軸の周りに回動させる第2の駆動手段と、前記X線管アーム及び前記検出器アームを互いに独立して同軸で駆動可能に支持するともに、当該両アームを駆動して前記中心軸の周りを回動させる第3の駆動手段と、前記X線管アーム、前記検出器アーム、前記管収容部、及び前記検出器収容部を前記X線によるスキャンのために互いに独立して回動させる速度パターンに応じて前記第1、第2、及び第3の駆動手段を制御する制御手段と、前記X線の実際の照射を模擬したレーザビームを、前記管収容部と前記検出器収容部との間の撮影空間に位置する被検体の撮影部位に照射して当該撮影部位の部分的な撮影範囲を撮影前に指示可能なティーチング手段と、このティーチング手段により指示された前記部分的な撮影範囲を解読し、その解読結果に応じた前記速度パターンを設定する設定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、撮影空間における部分的な焦点面の設定やX線パスの設定の自由度を上げ、且つ、的確に所望の精密撮影範囲をティーチングする機能を備えたX線撮影装置、及び、そのような精密撮影範囲をティーチングできるティーチング装置を提供することができる。
添付図面において、
図1は、一実施形態に係るX線撮影装置としてのX線パノラマ撮影装置の正面側を示す斜視図である。 図2は、一実施形態に係るX線撮影装置としてのX線パノラマ撮影装置の背面を示す斜視図である。 図3は、X線パノラマ撮影装置と歯科用治療椅子との位置関係及び撮影時の被検者の位置を説明する斜視図である。 図4は、底面部の内蔵させた散乱線遮蔽板を説明する部分断面図である。 図5は、散乱線遮蔽カバーを説明する斜視図である。 図6は、上面及び両側面を覆う散乱線遮蔽カバーと底面部を覆う散乱線遮蔽板とによる4面の遮蔽構造を説明する図である。 図7は、X線パノラマ撮影装置の4軸独立駆動を説明する側面図である。 図8は、X線パノラマ撮影装置の4軸独立駆動を説明する正面図である。 図9は、X線パノラマ撮影装置の電気的な構成の一部を示すブロック図である。 図10は、標準的な歯列、3D基準断層面、及びX線パスの関係を説明する図である。 図11は、4軸独立制御のうちの2軸に係るX線管、検出器の部分的な公転を指示する速度パターンを例示するグラフである。 図12は、4軸独立制御のうちの残りの2軸に係るX線管、検出器の部分的な公転を指示する速度パターンを例示するグラフである。 図13は、パノラマ撮影の作業の手順を説明するフローチャートである。 図14は、パノラマ撮影時のX線管及び検出器の代表的な回転位置とレーザビームによる位置決めの様子とを説明する図である。 図15は、第1の変形例に係るパノラマ撮影装置に搭載される装置本体の内部構造を前方からみた斜視図である。 図15は、その第1の変形例に係る装置本体の内部構造を後方から見た斜視図である。 図17は、第2の変形例に係る散乱線遮蔽カバーを説明する斜視図である。 図18は、従来のデジタルレントゲンを説明する図である。 図19は、本願に係るティーチングを説明する図である。 図20は、本願に係るティーチング装置に該当する構成を説明する図である。 図21は、本願に係るティーチングを説明する図である。 図22は、本願に係るティーチングの処理を説明する図である。 図23は、本願に係るティーチングにおいて制御データの演算を説明する図である。 図24は、部分撮影の作業の手順を説明するフローチャートである。 図25は、標準軌道に沿って歯列があると仮定したときの、部分撮影に係る目的歯の速度パターンを例示するグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図14を参照して、本発明に係るX線撮影装置としてのX線パノラマ撮影装置の1つの実施形態を説明する。
このパノラマ撮影装置1は、被検者の顎部(歯列を含む)のパノラマ画像を撮像する歯科用の診断装置として構成されている。
なお、このパノラマ撮影装置1には、この装置1で精密撮影を行うときに、同装置1自身にその精密撮影を行うX線照射の角度及び範囲を教示し、その教示した角度及び範囲を反映した制御データを設定するティーチング装置を機能的に一体に備えている。
このパノラマ撮影装置1によれば、被検者の顎部の擬似的な3次元断層像(画像それ自体は2次元画像であるが、歯列などの撮影部位の形状に応じて3次元的に表示される断面像)を撮影できる。また、この装置1によれば、顎部の歯列のうちの部分的な領域をより精密に撮影する精密撮影を行うこともできる。
この精密撮影のための回転動作の制御は、本パノラマ撮影装置1の場合、「4軸独立制御」と呼ばれる独自の制御法をベースにしている。また、この「4軸独立制御」は、装置が可搬可能であって歯科用治療椅子2のサイドで使用可能であるために独自の散乱線防止構造を採用している。このため、まず散乱線防止構造を含む装置全体の構成を説明し、それに続いて4軸独立制御の構成を説明したうえで、精密撮影のためのティーチング装置の構成を説明する。
なお、本実施形態では、本発明に係るX線撮影装置はパノラマ撮影装置として構成されているが、このX線撮影装置は、必ずしも歯科の分野に限られない。このX線撮影装置は、例えば、耳鼻咽喉撮影、手足の骨・関節部分など、他の様々な部位を撮影するように構成してもよい。さらに、このX線撮影装置はX線CT装置として実施してもよい。
図1及び図2に、本実施形態に係る歯科用のX線パノラマ撮影装置1の外観を前面側から、また背面側から示す。また、図3に、このパノラマ撮影装置1を歯科用治療椅子2のサイドに位置決めして使用する状態を示している。
このパノラマ撮影装置1は、図1及び図2から分かるように、4個のキャスタ11(移動手段)を装着した台座部12と、この台座部12に搭載された電源ボックス13と、台座部12に搭載され且つ上下方向に昇降可能な昇降機14と、制御及び画像処理を担うコンピュータを搭載したコンソール15とを備える。コンソール15は、ケーブルを介して又は無線通信を介して、装置1の本体BDに接続されている。なお、ここでは、本体BDとは、コンソール15及び後述するフロア固定部53(図3参照)を除いた装置部分を言う。
[装置の機構的な全体構成の概要]
最初に、このパノラマ撮影装置1の機構的な全体構成の概要を説明する。
キャスタ11は、台座部12の下面の四隅に設けられている。このため、歯科医又はオペレータは、このパノラマ撮影装置1を押して移動可能であり、部屋から部屋へ、又は、部屋の置き場と歯科用治療椅子2のサイドとの間で自由に移動させることができる。このキャスタ11は、ペダル11P(図2参照)を踏んだり上げたりするこことで、ロック及びアンロックできるようになっている。
昇降機14は、その内部に昇降機構(図示せず)を備え、台座部12(つまり床面、つまり歯科用治療椅子2)に対して電動で所定の高さ範囲(例えば10〜15cm)の任意高さの位置に上下動可能に構成されている。電源ボックス13はシステムの各部に必要な電力を供給する電源回路を備える。昇降機14は、その内側に、図3に示すように患者Pの頭部Hを位置させてX線スキャンを実施するための略直方体状の撮影空間Sを提供している。
この昇降機14の上下動方向をY軸とすると、図示のようなXYZ直交座標を設定できる。X線撮影のときには患者Pの頭部Hを撮影空間(オブジェクト空間)Sに図3に示すように位置させるので、Z軸の方向をその頭部Hの頭頂部から足先に向かう方向(正中線の方向)に一致させる。このため、Z軸の方向は体軸方向とも一致する。さらに、このZ軸の方向は、この装置1の前後の方向でもあるので、前後方向とも呼ぶことができる。本実施形態では、パノラマ撮影装置1の撮影空間Sに被検者Pの頭部Hを入れる側を前面(正面)と呼び、その反対側の面を後面(背面)と呼ぶ。
昇降機14は、その下側に位置する底面部14Aと、この底面部14Aの前記X軸方向における背面の側にて当該底面部14Aに当接して位置する背面部14Bとを備える。また、昇降機14はさらに、底面部14Aの横方向、即ちX軸方向の両サイドに一部オーバーラップして重なり且つ前後方向に手動でスライド可能な散乱線遮蔽カバー(遮蔽体の一部を成す)14Cを備える。この散乱線遮蔽カバー14Cは、底面部14Aの横方向の両外側が設けられたレールRLにより支持され且つ前後方向にスライド可能に係合している。このスライドを手動で行うために、散乱線遮蔽カバー14Cの上側で且つ後ろ側には取手16が取り付けられている。
この散乱線遮蔽カバー14Cは、後述するが、X線の散乱線を遮蔽する第1の遮蔽体の機能を担っている。
底面部14Aは、矩形状の樹脂製又は金属性の板材を折り返し且つその両端を接合して一定高さを持ち高さ方向、即ちY軸の方向の外側に向けて湾曲させた部材で構成される。この湾曲部材の内部は空洞になっている。この湾曲の理由は、撮影空間Sをなるべく広く確保し、かつデザイン性を考慮したためである。
この底面部14Aの内部の空洞の上側には、図4に示すように、鉛板からなる散乱線遮蔽板(第2の遮蔽体)20が貼られている。この散乱線遮蔽板20の横方向(X軸方向)の縁は、底面部14Aの高さ方向(Y軸方向)への折り返しに沿って、一部、折り返されている。この鉛板の厚さは0.3mmを有し、X線の散乱線を遮蔽する第2の遮蔽体の機能を担っている。
昇降機14の背面部14Bの内部には、モータ、動力伝達機構等を含む駆動系と、この駆動系の動作をモニタするエンコーダ(回転位置センサ)とを含む機構部分が内蔵されている。この機構部分として、2つの互いに独立して回転可能な電動モータに結合された2つのアーム21,22が背面部14Bから撮影空間Sに突設されている。これらのアーム21,22は、ファン状のX線を照射するX線管23を先端側に内蔵したL字状のX線管アーム21と、X線を検出する検出器24を先端側に内蔵したL字状の検出器アーム22である。両アーム21,22それぞれの他端は回転中心Oを中心に同軸状にリンクし且つ互いに独立して回転できるように(図1中の矢印T,D参照)、図示しない2つモータの回転軸に各別に結合されている。モータは例えばステッピングモータであり、図示しないエンコーダによりその回転位置が検出される。なお、上記回転中心Oを通るZ軸に平行な仮想的な直線を中心軸CAと呼ぶことにする。この中心軸CAは、アームの回転中心軸とも呼べる軸であり、物理的には、アームの回転中心Oとは異なるものであるが、Z軸方向に沿って観察する時には同一の位置に存在する。
さらに、X線管アーム21及び検出器アーム22は、それぞれ、その先端側の部分、即ち、X線管23、検出器24を内蔵した部分のみを、その支持側、即ち、背面部14Bに支持された支持部側に対して所定角度範囲内で独立して回転可能になっている。図1中の矢印T1,D1は、この回転を示している。つまり、X線管23及び検出器24は、背面部14Bに対して、全部で4軸の独立回転の自由度を持っている。
X線管23には図示しないコリメータが内蔵されている。このコリメータは、X線管23が照射したX線を検出器24のX線入射窓WDの形状に合わせてコリメートする。X線入射窓WDは細長い2次元の開口を呈している。このため、X線管23から照射されるX線は、X線入射窓WDの大きさに合わせた、断面が矩形状のファンビームXBに絞られている。
検出器24は、後述するが、本実施形態では、X線を直接に電気信号に変換する半導体素子を2次元の画素に配列したモジュールを複数個の縦列配置した構造を有する。
撮影時には、撮影空間Sには後述するように、被検者Pの頭部Hが位置する。このとき、X線管23と検出器24が顎部を挟んで互いにほぼ対向して位置する。装置が起動すると、X線管23と検出器24とが互いに独立して頭部Hの周りを例えば220°の角度範囲に渡り回転し(図3の矢印参照)、その回転中に、X線管23からX線が連続的に又はパルス状に照射される。このため、X線管23から照射されたX線XBは頭部Hの顎部を透過して検出器24により検出される。この検出器24から出力される電気信号は、フレームデータとして、一定レートでコンソール15の画像プロセッサに送られる。画像プロセッサは、それらのフレームデータにトモシンセシス法に基づくシフト&アッドの処理を施し、例えば顎部の歯列をその歯列面に沿って湾曲する断面に沿ったパノラマ画像を再構成する。
図1,図3に示すように、撮影空間Sには、Z軸方向から見た場合、1つの回転中心Oが設定されている。この回転中心Oの位置において、上記両アーム21,22の装置本体側の回転軸と同軸にL字状のティーチングアーム25が設けられている。このティーチングアーム25は、歯科医が特に精密に診たい歯列の一部(目的歯)の範囲を指定するために使用される。つまり、所謂、部分撮影又は精密撮影と呼ばれる、従来の口内撮影法による撮影において実施する位置指定機能を持っている。ティーチングアーム25の先端部からレーザビームを照射できるようになっている。このため、歯科医は、ティーチングアーム25の先端を保持して同アームを顎部の周りに手動で回転させながら、レーザビームが歯列に当たる位置を目視で確認する。この目視による確認作業を通して、実際にX線撮影を行ったときの、円周方向における目的歯の角度位置及び目的歯を透過する透過X線の角度を事前に模擬的に検証できる。ティーチングアーム25には図示しないエンコーダとスイッチが設けられている。このため、その角度位置及び透過X線の角度が決まると、歯科医はそのスイッチを押すことで、上記設定情報を記憶させることができる。この記憶情報は、実際の撮影のときに、コンソール15の制御部により使用され、その情報にしたがってX線管23及び検出器24のX線照射動作及び回転動作が制御される。
勿論、本実施形態においては、この部分撮影(精密撮影)を実施しない構成を採ることもできる。つまり、その場合には、ティーチングアーム25、これを駆動する機構、及び、部分撮影のためのソフトウェアが不要になるので、その分、構成も簡素化でき、また演算量も少なくすることができる。
一方、散乱線遮蔽カバー14Cは、図5に示すように、撮影空間Sの上面及び左右の側面の画成及びX線遮蔽を担う。このため、散乱線遮蔽カバー14Cは、その全体形状としては、一定幅のX線遮蔽機能を持つ板体を大略、逆U字状に曲げた形状を持つ。つまり、散乱線遮蔽カバー14Cは、平坦な上面部(天井体)14Uと、この上面部14Uから湾曲して一体に形成された両方の側面部(壁体)14L、14Rとを有する。
さらに、この散乱線遮蔽カバー14Cは、その全体はX線遮蔽機能を持つものの、光透過性に関する2種類の部材を結合して形成されている。具体的には、この散乱線遮蔽カバー14Cは、透光性を持たせた透光体部分14TRと、この透光体部分14TRと一体に結合された非透光性を持つ非透光体部分14NTとから成る。この透光体部分14TR及び非透光体部分14NTは共に、上面部14U及び両側面部14L、14Rを互いに部分的にカバーしている。
非透光体部分14NTは、上面部14U及び両側面部14L,14Rに跨って、その後面側の一部を担い且つ底面側に延びるように側面方向から見たときに逆L字状に形成されている。この非透光体部分14NTは、例えば厚さ0.3mmの鉛板を樹脂製又は金属性の板でサンドイッチ状に挟んだ積層体として形成されている。
一方、透光体部分14TRは、上面部14U及び両側面部14L,14Rに跨って、非透光体部分14NTの前面側をカバーするように、大略、逆U字状に形成されている。特に、この透光体部分14TRの左右両側の高さは、非透光体部分14NTのそれより短いため、透光体部分14TRの底面側の端部は非透光体部分14NTに支持されるようになっている。
本実施形態では、この透光体部分14TRは、鉛成分を含む厚さ8.5mmの透明アクリル樹脂で形成されており、これにより鉛当量0.3mmPbのX線遮蔽能力を持たせている。したがって、透光体部分14TRはX線遮蔽機能を有する一方で、光透過性をも有する。アクリル樹脂自体は透明であるが、鉛成分を含んでいるため、実際には黄色みがかった色をしているが、透光性がある。このため、後述するように、撮影空間Sに患者Pの頭部Hが入ったときに、患者はカバー外側を見ることができる。勿論、オペレータも撮影空間Sの内部の様子を目視することができる。
透光体部分14TRを成す鉛入りアクリル樹脂の端部は、非透光体部分14NTの端部に差し込まれている。このため、このアクリル樹脂と非透光体部分14NTにサンドイッチされている鉛板とが相互に隙間無く連結している。したがって、透光体部分14TR及び非透光体部分14NTの双方で、即ち、散乱線遮蔽カバー14Cにより撮影空間Sの上面及び両側のX線遮蔽機能が確保される。本実施形態では、散乱線遮蔽カバー14C及び底面部14Cの散乱線遮蔽板20によりX線遮蔽装置が構成されている。
この散乱線遮蔽カバー14Cの見方を変えると、その全体で散乱線を遮蔽する機能を持つ一方で、その一部の部分、つまり、透光体部分14TRが光透過性を持つ、とも言える。
この結果、図6に示すように、撮影空間Sを画成する上面、両側面、及び、底面の4面にX線遮蔽機能が与えられたことになる。
なお、台座部12の正面側先端には、図1,3に示すように、固定用のピン50を内蔵したカバー部51が設けられている。このピン50は、図示しないワイヤー機構を介して、背面部14の上側の縁に設けた操作レバー52(図2参照)に連動して上下動するようになっている。一方で、歯科用治療椅子2の後面側の床面所定位置には、側面視で略三角形を成し且つ上記ピン50を挿入可能な穴を穿設したフロア固定部53が固設されている。このため、装置本体BDを移動させて、その先端位置を上記フロア固定部53に合わせた状態で、操作レバー52を操作すれば、ピン50を押し下げることができる。このピン50がフロア固定部53の穴に入ることで、装置本体BDは歯科用治療椅子2に対して位置決めされる(図3参照)。
さらに、装置本体BDを別の場所に移動するときにも、操作レバー52を操作することで、ピン50を引き上げ、フロア固定部53から解除される。これにより、装置本体BDを別の場所へ移動させることができる。
この装置本体BDを移動させるために、その背面部14Bの上端部に、操作レバー52の両サイドに移動用ハンドル54が固設されている。このため、オペレータはこの移動用ハンドル54を持って、装置本体BDをキャスタ11の自在回転と共に、楽に移動させることができる。なお、この移動用ハンドル54の位置や形状は、図2に締めした位置及び構造に限定されるものではなく、オペレータが手動で装置本体BDを押したり移動させたりことができれば、その数も含めて、自在に変形可能である。例えば、移動用ハンドル54は、背面部14Bの上端部の両角部にそれぞれ固設され、かつ水平部分と垂直部分とを一体に持つL字状のハンドルとして形成してもよい。
なお、この背面部14Bには、例えば2mの長さのコード55を介してX線照射及びX線管・検出器の回転を指令する照射スイッチ56が設けられている。この照射スイッチ56はデッドマンスイッチとして構成されている。つまり、この照射スイッチ56の押しボタンを押している間だけX線照射が行われるようになっている。この照射スイッチ56のスイッチ信号はコンソール15に送られる。
以上の構成のもとに、高さが100〜115cm程度、横幅が80〜95cm程度、さらに、奥行が75〜90cm程度の可搬型のパノラマ撮影装置1が提供されている。しかも、その撮影空間Sを画成する上面、両側面、及び、底面の4面にはX線遮蔽機能が与えられているため、この撮影空間Sを実質的なX線遮蔽室と見做すこともできる。これ故、本実施形態では、移動用ハンドル54を掴んで押すことで、X線遮蔽室(つまり、この装置1)をキャスタ11で任意の場所まで簡単に運んで、そこで使用可能になっている。
[撮影系の4軸独立駆動の構成及び制御]
ここで、図7〜図12を参照して、X線管23及び検出器24を備えた撮影系の4軸独立駆動のための構成及び制御を更に説明する。
このパノラマ撮影装置1は、前述したように、昇降機14の昇降部から横方向に伸びたX線管アーム21及び検出器アーム22を備える。この2つのアーム21,22は、図7に示すように、共に、略L字状に形成され、それらアーム21,22夫々の支持部(管支持部、検出器支持部)21L,22Lの端部が互いに重なるように重合され、昇降機14に取り付けられている。昇降機14の内部には、それら2つのアーム21,22を互いに独立して、すなわち互いに異なる速度で回転させることができる回転駆動機構83が装備されている。上記2つのアーム21,22の夫々の先端側の対向アーム部分21A,22Aには、前述したX線管23及び検出器24がそれぞれ装備されている。X線管23のX線照射側の前面には、X線をファン状に成形するスリット(絞り)84が配設される。このスリット84の開口の面積は可変になっており、この開口面積の大きさが後述するモータなどの開口駆動部85によって制御される。回転駆動機構83と両アーム21,22により、X線管23及び検出器24に対する,相互に独立して駆動可能に支持する支持手段が構成される。
X線管23はタングステン等の適宜な陽極材に用いた回転陽極型X線管として構成される。X線管23は点状の管焦点(X線焦点)(例えば径が0.1mm〜0.5mm:本実施形態では0.15mm)FPを有する。このX線管23は、後述する高電圧発生装置から供給される駆動電力に応答してX線を照射する。X線管23から照射されたX線は、スリット84で絞られてファン状のX線ビームに成形される。このX線ビームは、その後、被検者Pの顎部JWを透過して減衰し、その減衰状態を反映した透過X線が検出器24に入射する。
撮影時には、図8に示すように、X線管23と検出器24との間に画成される3次元の撮影空間Sの所定位置に被検者Pの顎部JWが位置決めされる。このため、X線管23と検出器24は顎部を挟んで互いに対向(正対)する。照射されたX線ビームはスリット84を通った後、顎部JW(歯列など)を透過し、検出器24により検出される。撮影時には回転駆動機構83により2つのアーム21,22が独立に回転駆動される。
Z軸方向、即ち前後方向からみた場合、X線管23及び検出器24は、図8に示すように、予めシステム側で定めた中心軸CA(回転中心O)を中心とする円形の軌道Tx,Tdに沿ってそれぞれ回転駆動される。この中心軸CAから円形軌道Tx,Tdまでの半径Dx、DdはX線被ばく、検出精度、装置の小形化、患者との機械的な干渉などを考慮して、互いに異なった値に設定されている。本実施形態では、Dx≠Ddであって、特にDx>Ddに設定されている。中心軸CAから検出器24までの距離(半径Dd)の方が、中心軸CAからX線管23までのそれ(半径Dx)よりも小さい理由は、検出器24の位置を極力、顎部JWに接近させ、X線の入射強度の減弱を少なくするためである。中心軸CAからX線管23までの距離(半径Dx)は、規格で定められたX線管・皮膚間距離を確保できる値に設定されている。これにより、中心軸CAを中心にX線管23と検出器24は顎部の周りを各々、所定の円形軌道Tx、Tdに沿って回転する。その回転中に所定間隔でX線ビームの照射及び検出が実行される。
このため、X線管23及び検出器24を常に互いに対向(正対)させ、且つ、顎部JW(歯列)に対する予め定めた複数の所望のX線パスに沿ったX線の照射及び検出を実行させるため、X線管23及び検出器24は互いに異なる角速度で且つ互いに独立して駆動される。
なお、上述した「互いに対向」とは、図8に示すように、Z軸方向に沿って見た場合、X線管23の点状の管焦点(焦点位置)FPから照射されてスリット84によりコーン状に成形されたX線ビームの照射範囲と、検出器24のX線検出面24Aとが一致している状態を言う。特に、そのX線ビームのXY面に沿った方向の中心線Tが、そのX線検出面の幅方向(XY面に沿った方向の幅)の検出中心位置Cに90°で交差する状態を「正対している状態」と呼ぶ(図8参照)。なお、図8において、機械的な回転中心OからX軸方向に伸びる直線位置を回転角θ=0とし、この回転位置から時計方向及び反時計方向に±の回転方向が設定されている。
このため、上述した「常に互いに対向(又は正対)」を実現するため、前記アーム21,22のうち、X線管23、検出器24を収容している対向アーム部分(管収容部、検出器収容部)21A,22Aは、第1の軸(即ち、X線管の首振り回転中心軸)AXs、第2の軸(即ち、検出器の首振り回転中心軸)AXdを中心にそれぞれ独立して回動(自転、すなわち姿勢)可能になっている(図7,8参照)。そのためのモータ等の回転駆動機構21B,22Bがアーム21,22にそれぞれ装備されている(図7参照)。この回転駆動機構21B,22Bの駆動制御は後述するコンソール15からの指令に応じて電源ボックス13に備えたコントローラにより実行される。
なお、本実施形態では、図8に示す円形軌道Tx,Tdは、それぞれ、XY面で見たときの前述した第1、第2の軸AXs、AXdの軌道を示している。本実施形態では、前述した回転駆動機構83によって互いに独立して回転駆動されるアーム2,22に2軸の回転自由度が与えられ、X線管23の自転(所謂、首振り回転)及び検出器24の自転(所謂、首振り回転)に2軸の回転自由度が与えられる。これにより、合計4軸の回転自由度が与えられている。
検出器24は、X線撮像素子を2次元に配列した、複数の検出モジュールを有する。複数の検出モジュールは互いに独立したブロックとして作成され、それらを基板上に所定の矩形状に実装して検出器24の全体が作成される。
この検出器24の構造及びその検出信号のサブピクセル法による処理は、例えば国際公開公報WO 2012/086648A1により知られている。
個々の検出モジュールはX線を直接、電気パルス信号に変換する半導体材料で作成される。このため、検出器24は、半導体による直接変換方式の光子計数型X線検出器である。
検出モジュールそれぞれの画素数は例えば40×40画素であり、各画素Sのサイズは例えば200μm×200μmである。この画素サイズは、入射するX線を多数の光子の集まりとして検出可能な値に設定されている。各画素は、X線の各光子の入射に反応し、各光子が持つエネルギに応じた振幅の電気パルスを出力する。つまり、各画素は、その画素に入射するX線を直接、電気信号に変換することができる。
このため、検出器24は、入射するX線の光子を、検出器24の検出面を構成する画素毎に計数して、その計数した値を反映させた電気量のデータを例えば300fpsの高いフレームレートで出力する。このデータはフレームデータとも呼ばれる。
半導体層、すなわち半導体セルの半導体材料としては、テルル化カドミウム半導体(CdTe半導体)、カドミュームジンクテルライド半導体(CdZnTe半導体(CZT半導体))、シリコン半導体(Si半導体)、臭化タリューム(T1Br)、ヨウ化水銀(HgI)などが用いられる。なお、この半導体セルを用いる検出器の代わりに、フォトダイオードとシンチレータの組合せ構造を持つ検出器を用いてもよい。
一方、このパノラマ撮影装置1では、その4本のレーザビームを位置決め手段として使用している。具体的には、背面部14Bの撮影空間Sの側の上部に設けた正中レーザ211、及び、検出器アーム22の対向アーム部分22Bの側面の所定位置それぞれに設けた水平レーザ212、咬合平面レーザ213、及び犬歯レーザ214を備える(図7参照)。これらのレーザ211〜214は、位置決めのときに線状のレーザマーカを被検体Pの頭部に投影させるもので、コンソール15を介してその駆動が制御される。正中レーザ211は、被検体Pの頭部Hの正中線を、水平レーザ212はフランクフルト平面を、咬合平面レーザ213は咬合平面を、犬歯レーザ214は歯列の中の犬歯をそれぞれ位置合わせするためのものである(図14、(B´)参照)。
さらに、フェイルセーフ用のセンサとして、衝撃を検知するショックセンサ215,216がX線管アーム21及び検出器アーム22の対向アーム部分21B、22Bにそれぞれ設置されている(図7参照)。これは万が一、例えば、それらのアーム21,22に何か物が当たったときに、それを感知してスキャンを中止させるもので、それらショックセンサ215,216の出力信号はコンソール15も送られる。
コンソール15は、図9に示すように、信号の入出力を担うインターフェース(I/F)131を備え、このインターフェース131にバス132を介して通信可能に接続されたコントローラ133、第1の記憶部134、データプロセッサ(CPU)135、表示器136、入力器137、キャリブレーション演算器138、第2の記憶部139、第1〜第4のROM140A〜140D、及び閾値付与器140Eを備えている。
コントローラ133は、第1のROM140Aに予め与えられたプログラムに沿ってパノラマ撮影装置1の駆動を制御する。この制御には、X線管23に高電圧を供給する高電圧発生装置140Fへの指令値の送出、スリット84の開口面積を変更するために開口駆動部85への指令値の送出、及びキャリブレーション演算器138への駆動指令も含まれる。第1の記憶部134は、検出器24からインターフェース131を介して送られてきた計数値であるフレームデータ、及び、画像データを保管する。また、コントローラ133は、照射スイッチ56のスイッチ信号をインターフェース131を介して受信し、後述するようにスキャンを制御する。同様に、コントローラ133は、ショックセンサ215,216の信号もインターフェース131を介して受信し、後述するスキャンの継続・中止を制御する。さらに、コントローラ133はインターフェースを131を介して、位置決め用のレーザ151〜154に接続され、位置決めが指令が出されたときに、それらのレーザ151〜154を駆動するように構成されている。
データプロセッサ135は、コントローラ133の管理の下に、第2のROM140Bに予め与えられたプログラムに基づいて動作する。また、パノラマ撮影のときに、データプロセッサ135は、その動作により、第1の記憶部134に保管されたフレームデータに、公知のシフト・アンド・アッド(shift and add)と呼ばれる演算法に基づくトモシンセシス法を実施する。これにより、被検者Pの口腔部のある断層面のパノラマ画像が得られる。表示器136は、作成される画像の表示や、装置の動作状況を示す情報及び入力器137を介して与えられるオペレータの操作情報の表示を担う。入力器137は、オペレータが撮像に必要な情報を装置に与えるために使用される。
また、キャリブレーション演算器138は、コントローラ133の管理の下に、第3のROM140Cに予め内蔵されているプログラムの下で動作し、データ計数回路における画素毎のエネルギ弁別回路毎に与える、X線エネルギ弁別のためのデジタル量の閾値をキャリブレーションする。
閾値付与器140Eは、コントローラ133の制御の下で、撮像時に第2の記憶部139に格納されているデジタル量の閾値を画素毎に且つ弁別回路毎に呼び出して、その閾値を指令値としてインターフェース131を介して検出器24の光子計数回路に送信する。この処理を実行するため、閾値付与器140Eは第4のROM140Dに予め格納されたプログラムを実行する。
コントローラ133、データプロセッサ135、キャリブレーション演算器138、閾値付与器140Eは共に、与えられたプログラムで稼動するCPU(中央処理装置)を備えている。それらのプログラムは、第1〜第4のROM140A〜140Dのそれぞれに事前に格納されている。
また、本実施形態では、国際公開公報WO2011/142343(国際出願番号PCT/JP2011/060731)により知られるように、ファントムを使って撮影空間Sの構造が解析され、検出器24の収集チャンネルがキャリブレートされる。このキャリブレーションは撮像前、保守点検時などの適宜なタイミングで実行される。
図10に、標準的な歯列TR、この歯列TRの馬蹄形の3D基準断層面のXY面への投影の軌跡SS(標準軌道と呼ぶ)、頸椎CSの位置、及び、被検者Pの顎部JWの周方向CRにおける各回転角θの位置におけるX線ビームのパスXBを例示する。なお、このパスXBは、X線管23のX線焦点FPと検出器24の検出面24A(図8参照)の横幅方向(Y軸方向)の中心位置Cとを結ぶ経路を示す。
なお、図7,8から分かるように、X線管23の管焦点FPは第1の軸(即ち、X線管の首振り回転中心軸)AXsの線上に位置し、検出器24の検出面24Aの横幅方向の中心位置Cは第2の軸(即ち、検出器の首振り回転中心軸)AXdの線上に位置する。これにより、X線管23及び検出器24の自転(回動)とX線パスの幾何学的な位置関係が簡単になり、X線管23及び検出器24の姿勢制御の設計がより容易になる。
この3D基準断層面の軌跡SS(標準軌道)に対して、例えば標準撮影及び直交撮影と呼ばれる2種類の撮影法(共にパノラマ撮影)を実施するための速度パターンを設定できる。標準撮影は、この軌跡SSに対して左右の顎骨をなるべく回避するようにX線を照射する撮影法である。直交撮影はこの軌跡SSに対して常になるべくパスが直交するようにX線を照射する撮影法である。なお、図10は、標準撮影におけるスキャン範囲θ=220°(所定の折返し位置をθ=0°にすれば±110°の範囲)の半分におけるX線パスを模式的に示している。
更に、同じ標準撮影であっても、3D基準断層面の軌跡SS(標準軌道)の大きさが大人、子供等の違いによって異なる。直交撮影も同様である。このため、予め、標準撮影及び/又は直交撮影のための複数種類の速度パターンが、X線管23の中心軸CAの周りの周方向の部分的な範囲の回転(ここでは部分的な公転)、X線管23の軸AXsを中心とした部分的な範囲の回転(ここでは部分的な自転)、検出器24の中心軸CAの周りの周方向の部分的な範囲の回転(部分的な公転)、及び検出器24の軸AXdを中心とした部分的な範囲の回転(部分的な自転)に伴うって用意されている。
この速度パターンは、横軸にスキャン時間(例えば12秒)を採り、縦軸に公転又は自転の角度を採ったものである。なお、本実施形態において、公転とは、X線管23及び検出器24が中心軸CAから所定距離離れた軌道Tx,Tdのそれぞれに沿って周方向に回転又は回動することであり、自転とはX線管23及び検出器24それ自体がそれぞれの回転軸AXs、AXdの周りに回転又は回動することである。また、部分的とは周方向全体の一部の範囲を回転することであり、また360の自転範囲のうちの一部の角度範囲を指す。
図11及び図12に、標準撮影及び直交撮影を行うときのX線管23の公転及び自転を示す速度パターン及び検出器24の公転及び自転を示す速度パターンを例示する。例えば、図11、12それぞれの曲線A,Bは図10に示すように周方向の角度θを設定したときの約220°の範囲におけるX線管23及び検出器24の大人用の直交撮影向けの公転及び自転の速度パターンをそれぞれ示す。この速度パターンA,Bから分かるように、左右の顎骨の部分はなるべく粗くスキャンするように、それらの部分で回転速度を上げ、歯列TRの部分で密になるように速度が設定されている。同様に、図11,12それぞれの曲線A´、B´は、かかる約220°の範囲におけるX線管23及び検出器24の大人用の標準撮影向けの公転及び自転の速度パターンをそれぞれ示す。
なお、子供用の直交撮影及び標準撮影向けの公転及び自転の速度パターンは、図11及び図12における横軸1〜11秒に部分を利用している。つまり、公転及び自転の角度範囲は同じであるが、収集時間を短縮することによって、収集範囲が小さめの子供用の標準軌道を確保している。これは、子供と大人の歯列の違いは、大人になるほど奥歯側の顎部が発達するが、前歯側の大きさはそれほど変わらないという統計に依る。
また、図12の曲線A,BはX線管23及び検出器24の部分的な自転、所謂、一定角度内の首振りの速度パターンを示す。この一定角度として、約±15°が設定されている。なお、この角度は、X線管23及び検出器24が互いに正対している状態のときに角度=0°と設定されている。この首振りは、上述した図11に示すように、X線管23及び検出器24それ自体の公転速度が一定でないため、X線パスXBが常に中心軸CAを通るパスにはならず、むしろ中心軸CAを外したX線パスXBの方が遥かに多い。これは、図10の矢印YJで示す如く、X線パスXBの設計の自由度を上げるためである。X線パスXBが中心軸CAを通らないときには、何もしないとX線管23と検出器24は互いに正対状態からずれて検出感度が低下する。このため、X線パスが中心軸CAを通らない場合、そのX線パスXBの中心軸CAからのずれ量に応じてX線管23及び検出器24の首振りを協働的に行う必要がある。勿論、検出器24の内の一方の首振りでもよいが、その場合、X線パスXBの設定の自由度が下がるので、両者の首振りを併用した方がよい。このような速度パターンは、メーカ側で装置に事前にインストールしている。
つまり、本実施形態において用意されている速度パターンの種類は、
・大人用標準撮影の速度パターン(図11の曲線A´,B´及び図12の曲線A´,B´から成る速度パターン群)、
・大人用直交撮影の速度パターン(図11の曲線A,B及び図12の曲線A,Bから成る速度パターン群)、
・子供用標準撮影の速度パターン(図11における時間短縮された曲線A´,B´及び図12における時間短縮された曲線A´,B´から成る速度パターン群)、
・大人用直交撮影の速度パターン(図11における時間短縮された曲線A,B及び図12における時間短縮された曲線A,Bから成る速度パターン群)、
である。
さらに、X線管23及び検出器24の速度パターンについては、上述したような標準的な3D基準断層面に対するものとは限らない。これは、任意形状の3D基準断層面に対する速度パターンであってもよい。例えば、前述した図10に示す3D基準断層面のXY面への投影軌跡(標準軌道)SSの形状が、前歯付近がより狭まったり或いは広くなったりした馬蹄形であることもある。逆に奥歯付近がより狭い或いは広い馬蹄形を成すこともある。そのような変形した投影軌跡SSを持つ3D基準断層面に対する標準撮影及び/又は直交撮影を行う上記4種類の速度パターンを設定することもできる。そのような変形形状に係る速度パターンは、システム側で事前に準備しておくこともできるし、医療現場又は研究の場でコンピュータに計算させて記憶させておくこともできる。
このように高い自由度を以って設定された複数の速度パターンは、第1の記憶部134(記憶手段:図9参照)にテーブルとして格納されている。このため、コントローラ133は、この第1の記憶部134から、オペレータとのインターラクティブなやり取りを介して、所望の速度パターンをそのワークエリアに読み出す。スキャンが開始されると、コントローラ133は読み出されている速度パターンに従って図9に示す回転駆動機構83、21B、22Bを制御する。これにより、X線管23から照射され、被検体Pの顎部JWを通って検出器24に入射するX線は、周方向の回転角θ毎に、所望の標準撮影又は直交撮影で指定されているパスXBを通る。このため、検出器24は常にX線管23に正対した姿勢を維持しつつ、検出したフレームデータを出力する。このフレームデータは、データプロセッサ135によりパノラマ画像に再構成される。
次いで、図13をも参照しながら、本実施形態に係るX線パノラマ撮影装置1によるX線パノラマ撮影の手順の一例を説明する。
このX線パノラマ撮影装置1を使用するときには、まず、この装置1を歯科用治療椅子2の後ろ側の所定位置に位置付け、床面に固定する。このときに、前述した操作レバー52を操作してピン50を押し下げ、そのピン50をフロア固定部53に係合させる。これにより、X線パノラマ撮影装置1の本体BDの歯科用治療椅子2に対する位置付け及び固定が達成される。これにより、歯科用治療椅子2に座った状態でその背もたれを倒したときに、患者Pの頭部Hに対するX線パノラマ撮影装置1のスキャンの位置決めが容易になる。
このX線パノラマ撮影装置1の位置付けが終わると、オペレータ(又は歯科医)は装置の電源をオンにする。これにより、コンソール15のコントローラ133が起動して以下の処理をインターラクティブに実行する。まず、コントローラ133は、表示器136にログイン画面を表示させるので、ログインを行う(図13、ステップS1)。これが済むと、コントローラ133は表示器136にパノラマ撮影用のGUI(graphical user interface)(図示せず)を表示させる。このため、このGUIが提供する患者情報入力画面から、歯科医は患者情報(撮影日時、患者ID,患者名など)を入力する(ステップS2)。
次いで、同様に、表示器136のGUI画面上で撮影種別の選択が行われる(ステップS3)。この撮影種別は、本実施形態においては、デフォルトで設定されている、大人用の標準撮影、大人用の直交撮影、子供用の標準撮影、子供用の直交撮影の4種類の中から1種類が選択される。勿論、カスタマイズされたサイズの軌道を持つ撮影法が設定されていれば、それを選択してもよい。この選択に応じて、コントローラ133は、第1の記憶部134のテーブルから、選択された撮影法を実施するための速度パターンがそのワークエリアに読み出される。例えば、大人用の標準撮影が選択された場合、図11,12に記載の速度パターンA´、B´の4種類のパターンデータが読み出される。
次いで、撮影条件が設定される(ステップS4)。この設定は、管電圧及び管電流を設定するものであり、上述のように撮影種別が選択されると、コントローラ133は自動的に推奨撮影条件を設定するが、これをカスタマイズできるGUIがこのステップである。
この撮影条件の設定が済むと、コントローラ133は歯科医による患者Pの位置付けを行うように画面表示し、その間待機する(ステップS5)。
そこで、歯科医は、患者P及び介添者にX線防護衣を着用させ、患者Pを歯科用治療椅子2に座らせる。次いで、散乱線遮蔽カバー14Cを手動で後ろ側に退避させる(図3の仮想線「退避位置」参照)。この段階では、X線管アーム21及び検出器アーム22はそれぞれの待機位置に位置付けられている(図14(A)参照)。
さらに、患者Pの頭部Hをその治療椅子2のヘッドレストHRに付けたまま、その背もたれを倒して頭部Hを撮影空間Sに導入する。このとき、前述したように、パノラマ撮影装置1の本体BDと歯科用治療椅子2とは床面を介し互いに固定された状態にある。それ故、歯科用治療椅子2のヘッドレストHR(図3参照)は、撮影空間Sのほぼ中央に位置する。つまり、患者Pの頭部Hも撮影空間Sにおいて待機しているX線管アーム21及び検出器アーム22の相互のほぼ中間部に案内される。
この導入が終わると、歯科医は表示器136のGUIのレーザ照射ボタン(図示せず)を押して位置決めの照射ボタンを押す。これに応答して、コントローラ133は、検出器アーム22のみを回転させて位置決め用の位置、即ち、患者の頭部Hの真横の位置に移動させる(図14(B)参照)。さらに、コントローラ133は正中レーザ211、水平レーザ212、咬合平面レーザ213、及び犬歯レーザ214を駆動させる(ステップS6)。この4種類のレーザビームは患者Pの顔に投影される(図14(B´)参照)。
次いで、表示器136のGUIは歯科医に患者Pの顔の位置決めを行うように指示する(ステップS7)。まず、歯科医は、犬歯レーザ214からの線状のビームBM1が患者Pの犬歯に合うように、昇降機14の高さをコントローラ133を介して調整する。次いで、残りのレーザ211〜213からのビームを見ながら、患者の顔の位置を微調整する。具体的には、咬合平面レーザ213からの線状のビームBM2が患者Pの咬合平面に合うように患者の体軸方向の位置を調整する。また、頭部Hの正中矢状面が正中レーザ211からの線状のビームBM3に重なるように合わせる。さらに、フランクフルト平面が水平レーザ212から照射された線状のビームBM4に重なるように合わせる。
位置決め後、散乱線遮蔽カバー14Cを前方向の撮影位置まで移動させる(図3の実線「撮影位置」参照)。これにより、図3の実線で示すように、画成された撮影空間Sに被検者Pの頭部Hが位置した状態になる。なお、X線遮蔽をより確実に行うため、この位置決めの後、散乱線遮蔽カバー14Cの前面を鉛入りのX線防護掛布で覆ってもよい。これは、例えば、カバー14Cの前面上部の縁に形成したヒンジ等の着脱自在に掛けることで容易に行える。
そこで、表示器136のGUIは準備完了の表示を行うので、GUI上のセットアップボタンを押す(ステップS8)。これに応答して、コントローラ133はX線管アーム21及び検出器アーム22を所定のセットアップ位置まで回転移動させる(図14(C)参照)。歯科医は、このセットアップ状態を最終確認する。このとき、患者Pの状態やアーム位置等、散乱線遮蔽カバー14Cの内部の状況を、その透光体部分14TRによる窓部分越しに観察して確認することができる。
この確認で問題が無ければ、歯科医はスキャンを実行する。このスキャンは、歯科医が照射スイッチ56を持って少し離れた場所からそのスイッチ56を押し、且つ押し続けることで実行される(ステップS9)。これにより、前述したように、選択した撮影種別に沿った速度パターンに沿って、X線管アーム21及び検出器アーム22の互いに独立した公転運動、並びに、対向アーム部分21A,22A、即ち、X線管23及び検出器24の自転運動が互いに独立して制御される。つまり、前述した4軸独立制御によるスキャンによってフレームデータの収集が行われる。図14(D)の符号Ks,Kdは、X線管アーム21及び検出器アーム22の公転運動によるX線管23及び検出器24の移動の軌跡を模式的に示している。この符号Ks,Kdで示すように、X線管23は頭部Hの後側を回り、検出器24はその反対に頭部Hの前側を回る。この回転中、X線管23及び検出器24の姿勢は互いに正対するように制御され、X線スキャンが行われる。
このスキャン中に、歯科医は散乱線遮蔽カバー14Cの透光体部分14TRから内部を見ながら患者の様子を観察している。このため、コントローラ133はスキャン中に、照射スイッチ56のオフ、即ち、歯科医が何等かの不都合を感じて照射スイッチ56の押しボタンを離したか(つまり、スイッチOFF)どうかを監視する(ステップS10)。異常が無ければ、ステップS10の判断はNOとなるので、そのままスキャンを継続させるが、YESの判断の場合、即座にスキャンの中止を各駆動部に指示する(ステップS11)。この監視は、ショックセンサについても同様である(ステップS12、S11)。歯科医は異常が無ければ、照射スイッチ56を押し続けられ、回転角が所定角度範囲の終点に達すると、スキャンが自動的に終了する(ステップS13)。即ち、X線管アーム21及び検出器アーム22は、動作パターンで指令されたスキャン範囲θ(例えば約220°)を移動しながらスキャンし、スキャンが終わると、自動的に初期の待機位置に戻る(図14(D)参照)。
この後、散乱線遮蔽カバー14Cを後ろ側に退避させ、患者を解放する(ステップS13)。
これにより一連のパノラマ撮影が終わる。このスキャンによって収集されたフレームデータは第1の記憶部134に保管される。このため、データプロセッサ135は、シフト&アッド処理のための所定のプロファイルカーブ(フレームデータ同士の重ね合わせ量を規定する曲線)を用いて、このフレームデータから歯列TRの断層像を再構成することができる。この再構成には、具体的には、例えばUS-2012-0230467 A1公報に記載の手法を採用できる。
[第1の変形例]
ここで、上述した実施形態に係る変形例(第1の変形例)を図15及び図16を参照して説明する。ここで、前述したパノラマ撮影装置1の構成要素と同一又は同等の機能を発揮する構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
図15及び図16には、前述したパノラマ撮影装置1に、前述した駆動機構に代えて搭載可能な本体BDの内部構造の一例を示すもので、外側を覆うカバー等を取り外した状態を示している。
この例の場合、その構造は至ってシンプル化されており、床面を介して歯科用治療椅子2に位置決めされるベース部BSと、このベース部BSから立脚する高さ調整可能なタワー部TWと、このタワー部TWの上部に設けた駆動部DVと、その上部の位置で当該タワー部TWに横向き取り付けられると共に駆動部DVにリンクするアーム部AMとを備える。
このうち、ベース部BSは前述した実施形態と同様に台座部12を有し、その上にテレスコピック型の昇降機141が取り付けられている。この昇降機141は前述した実施形態で説明した昇降機14の機能を担う。この昇降機141は、高さ方向に例えば270mmのストロークを以って、内側の固定支柱に対して外側の可動支柱142が上下動可能に構成されている。この昇降機141にはDCモータ及び高さセンサ等の駆動機構が内蔵されている。
この可動支柱142には、前述した回転駆動機構83と同様の回転機構を持つ駆動部DVが設けられている。この駆動部DVは、可動支柱142の上部の両側面から突設させた支持板143,144と、それらの支持板143,144にそれぞれ配設した電磁ブレーキ付きでギアボックス付の電動モータ145,146とを備える。また、駆動部DVは、可動支柱142の上部を、支持板143,144の突設方向に直交する前後方向(Z軸方向)に貫通して設けられた回転駆動機構147を備える。この回転駆動機構147の前面側の端部は可動支柱142から突設しており、この突設した部分に、前述したX線管アーム21の支持部21L及び検出器アーム22の支持部22Lが同軸状に取り付けられている。また、この回転駆動機構147の後面側の端部も可動支柱142から突設しており、この突設した部分に、2つの減速機148,149が同軸状に取り付けられている。モータ145,146はそれぞれ、ステッピングモータであり、出力軸側にギアボックス145A,146Aを備えており、これらのギアボックス145A,146Aがベルト150,151を介して減速機148,149にリンクしている。
このため、X線管回転用のモータ145が回転すると、その回転力はギアボックス145A及び減速機148により減速されて回転駆動機構147に伝わる。同様に、検出器回転用のモータ146が回転すると、その回転力はギアボックス146A及び減速機149により減速されて回転駆動機構147に伝わる。回転駆動機構147は、その内部に、ベアリング等のよってその内側及び外側で互いに独立して回転を伝える公知のシャフト機構を内蔵する。このため、シャフト機構の内外の2つの軸がX線管アーム21の支持部21L及び検出器アーム22の支持部22Lにそれぞれリンクしている。したがって、X線管回転用のモータ145の回転によってX線管アーム21が前述したように周方向に回転し、また検出器回転用のモータ146の回転によって検出器アーム22が同様に周方向に回転する。それらの回転方向、回転速度、及び回転範囲は、2つのモータ145,146の駆動を別々に制御することで、互いに独立して制御できる。
また、アーム部AMとして設けられた、X線管用の支持部21L及び検出器用の支持部22Lの先端部には、対向アーム部分21A、22Aの自転運動をさせるためのギアボックス付の電動モータ152,153がそれぞれ設けられている。これらの電動モータ152,153はステッピングモータであり、それらの出力軸は、X線管側及び検出器側の対向アーム部分21A,22Aにそれぞれリンクしている。このため、電動モータ152,153の回転によってX線管側及び検出器側の対向アーム部分21A,22A、即ち、X線管23及び検出器24の前述した自転運動を互いに独立して制御できるようになっている。
以上のように、この変形例に係る機構によっても前述した4軸の回転動作を独立して制御でき、前述したスキャン制御を行うことができる。
このように、上述した実施形態及びその変形例に係るパノラマ撮影装置1によれば、X線管23と検出器24が別々の円形軌道上を独立して動く中で、常に正対状態なるように4軸(即ちX線管23の部分的な公転、自転、及び検出器24の部分的な公転、自転)の姿勢制御が行われる。このため、装置の小型化を図ることができるとともに、X線パスの軌道設計の自由度は極めて高い。しかも、X線パスの軌道を任意に決めて思惑通りの画像が撮像できるようにする。
具体的には、1つの回転中心Oを通る同一の中心軸CAの周りに、その中心軸CAからの距離(径)が異なる円状の2つの軌道に沿って、X線管23と検出器24を互いに独立して回動(公転)させる。その上で、X線管23及び検出器24がそれぞれの回転位置において、回転軸CAに平行な第1及び第2の軸AXs、AXdの周りに回動(自転、又は首振り)させることができる。つまり、X線管23及び検出器24は共にそれぞれが自転(姿勢制御)可能であるので、両者は常に正対した状態を維持できる。これにより、X線管23及び検出器24がそれぞれの円軌道上を回転するという比較的簡単で小型化が可能な構成でありながら、スキャン中には、X線管23から検出器24に向かうファンビーム状のX線のパスを、撮影空間Sに多様な角度から描かせることができ、また容易に変更できる。このため、撮影空間Sに多様な焦点面を設定することができる。
加えて、中心軸CAからX線管23及び検出器24までの距離が異なる。つまり、検出器24を被検者Pの撮影部位JWになるべく接近した位置で回転させることができる。これにより、X線管23の焦点サイズ(本実施形態では0.15mm)が同じあれば、検出器24が被検者Pに接近するほど拡大率が上がり、分解能が上がる分、検出器24の検出精度も向上する。
このように本パノラマ撮影装置1では、X線管23から照射されるX線XBは常に検出器24のX線入射窓WDの大きさに絞られている。しかも、X線管23と検出器24は4軸独立で駆動制御され、且つ、スキャン中、両者は常に被検者Pの顎部を介して対向している。このため、X線管から照射されるX線XBは検出器24に入射する。したがって、撮影空間Sから漏れ出る散乱線の量は少ない。特に、矩形状の開口を持つファンビーム状に絞られたX線が中心軸CAの周りに回転するため、撮影空間Sの前後方向に漏れる散乱線の量は更に少ない。
特に、図15及び図16にて説明した回転駆動機構を備えたパノラマ撮影装置の場合、ベース部BSからタワー部TWを立設し、そのタワー部TWの上部に、公転運動をさせる2つの電動モータ145,146を設けた。このため、これらの駆動源をベース部BSに配置する構造に比べて、回転伝達ベルトの引き回しが簡素化される。
さらに、この変形例では、図9に示すコンソール15の回路を実装する制御基板(図示せず)は、タワー部TWの上面のスペースUSに配置するようにしている。このため、ベース部BSを成す電源ボックス13には、交流100Vから直流24Vの電圧変換するコンバータだけを搭載し、その直流出力を制御基板や電動モータに送るケーブルだけを引き回せばよい。このため、かかる制御基板を電源ボックス13に置く場合に比べて、配線の引き回しも簡素になる。
さらに、X線管アーム21及び検出器アーム22を中心軸CAの周りに回転させる際、これらのアームの反対側、すなわち、回転駆動機構147の背面側にはカウンターウェイトを設けてはいない。これらのアーム21,22の回転は速度パターンに沿って精密に制御することによって制御している。通常、このようなアームを、その回転径方向が高さ方向であるように回転させる場合、その重力に起因した回転ムラを抑制するカウンターウェイトを設けることが多い。しかし、本変形例ではカウンターウェイトを設けていないので、その分、構造が簡単になり、また軽量化される。
[第2の変形例]
さらに、上述した実施形態に係るパノラマ撮影装置1に搭載可能な散乱線遮蔽カバー14Cに係る変形例を説明する。
このカバー14Cに形成する透光体部分14TRは、前述した図5の形状に代えて、図17に示すように、両側面に設ける適宜な矩形状の透光体窓14TR´としてもよい。この透光体窓14TR´、鉛を含有した樹脂材料で形成するが、これ以外の非透光体部分14NTは金属性の板材で形成している。これによっても散乱線遮蔽の効果は期待でき、且つ、鉛含有の部分を減らすことで全体の重量を軽減させることができる。
この透光体窓14TR´は、スキャンに歯科医が患者の様子を観察できることが第一であり、閉所が苦手な患者の不快感軽減ができれば尚良い。このため、透光体窓14TR´の形状は矩形に限定されず、スリット状、円形、三角形でもよい。さらに、この透光体窓14TR´は、カバー14Cの一方の側面だけに設けもよい。透光体窓14TR´の高さ方向の位置は、通常、立位でスキャン操作を行う歯科医が中の患者の頭部を透光体窓14TR´を通して観察可能に設定される。
[第2の実施形態]
次に、図18〜図23を参照して、本発明に係るX線撮影装置としてのX線パノラマ撮影装置の第2の実施形態を説明する。
なお、この第2の実施形態及びこれ以降の実施形態において、前述した第1の実施形態及びその変形例(第1の変形例)と同一又は同等の作用を成す構成要素には同一符号を用いて、それらの説明を省略又は簡略化する。
この第2の実施形態に係るX線パノラマ撮影装置は、第1の実施形態で概説したティーチング機能をより具体的にした構成を備える。このティーチング機能は、第1の実施形態に係るX線パノラマ撮影装置の構成に加えて、即ち、3D基準断層面の軌跡である歯列TR上の標準軌道SSに沿った標準撮影法及び直交撮影法に加えて、又は、単独で実施することができる。
そこで、図19〜図24を参照して、このパノラマ撮影装置1に機能的に一体に搭載されているティーチング装置を説明する。
最初に、このティーチング装置が目指しているデンタルレントゲンと呼ばれる従来の撮影法を図13に基づき説明する。図13には、被検者の口内にフィルムFMを挿入し、これに外からX線を照射するときの幾何学的な関係が示されている。口内には、22×35mm程度の小児用のものから31×41mm程度の大人用のものまで幾つかの種類のサイズのフィルムFMが挿入される。このフィルムFMは目的歯が写る位置に置かれ、これを指等で抑えた状態で撮影される。この撮影に際し、歯科医は外部のX線照射機のコーンCNの方向を調整しながら、撮影時のX線照射角度をイメージする。つまり、目的歯を撮影するための最適なX線入射角を模擬的に確認する。勿論、SID(X線焦点とフィルムとの間の距離)は約300〜400mm、確保される。
しかし、このデンタルレントゲンは患者にとっても歯科医にとっても面倒で手間の掛かる撮影法である。患者は自分の口内に入れたフィルムFMを自分の指等で押えている必要があり、歯科医も最適なX線照射角度を想定しながらコーンCNの角度を調整しなければならない。X線被ばくの観点からなるべく撮り直しは避けたいので、コーンCNの角度調整に時間が掛かり、作業性も良くないばかりか、撮影されたフィルム写真が目的歯を最適に捉えているかどうかは撮影結果を見ないと判らない。
このような背景から、本実施形態に係るパノラマ撮影装置1は、このデンタルレントゲンの撮影機能を前述した4軸独立制御をベースに達成しよとするものである。このときに必要となるのがティーチング機能である。
この本実施形態に係る精密撮影を、図14を参照して説明する。同図に示すように、例えば右奥歯2番目が目的歯であるとすると、この奥歯を含む領域50mm(25mm+25mm)が撮影範囲となる。勿論、実際の撮影画像は50×50mm程度の矩形状である。そのために、右頬の外側に検出器24が位置して、その反対側の左側頬の外側にX線管23が位置する。さらに、検出器24の横幅方向の画素数は少なく、実質的に縦長のラインセンサと見做されるので、前述した2つの軌道Tx、Tdに沿いながらもX線管23及び検出器24を擬似的に互いに反対方向に平行移動させる。この平行移動の間に検出器24から出力されるフレームデータをトモシンセシス法で合成して、50×50mm程度の精密撮影画像が得られる。この部分撮影画像は従来のデンタルレントゲンにより得られる画像にとって代わるものである。
この精密撮影時には、図15に示すように、前述したティーチングアーム25を用いて事前に目的歯に対して最適なX線照射角度のティーチングを行う。歯科医は、このティーチングを介して、目的歯を透過するX線照射角度を模擬的に確認しながら、撮影時のX線照射角度を設定することができる。なお、図15ではX線管アーム21、検出器アーム22の図示を省略した説明図にしている。
具体的には、図15に示すように、ティーチングアーム25は、L字形で略丸棒状を成し、その基部が回動機構170に固定されている。このため、このティーチングアーム25を被検者Pの顔の周りに回転(回動)させることができる(図中の矢印F1参照)。この回動機構170にはエンコーダ171が併設されており、ティーチングアーム25全体の回動角度(以下、アーム回転角θ1と呼ぶ)を検出し、その検出信号がコンソール15のコントローラ133のCPUに出力される。
さらに、このティーチングアーム25は、その全体がL字状に形成された棒状のアームであり、基部側アーム部25Aと先端側アーム部25Bとを備える。基部側アーム部25AはZ軸方向の一部まで伸び、このアーム部の端部に、先端側アーム部25Bが回動可能に連結されている。先端側アーム部25BはZ軸方向に延び、その先端側の端部が被検者Pの顎部JWの上まで到達している。
基部側アーム部25Aの先端部には、この先端部に先端側アーム部25Bを回動可能に支持する回動機構172と、これに併設されたエンコーダ173が内蔵されている。このため、先端側アーム部25Bを捻ると、その基部側アーム部25Aに対して回転(回動)させることができる。この回転量もエンコーダ173により検出され、その検出信号がコントローラ133のCPUに送られる。
加えて、この先端側アーム部25Bの更に先端側の所定位置に、小型のレーザ発振器181と、押しボタンスイッチ182とが設けられている。レーザ発振器181は、アーム先端側の側面からレーザビームLBを被検者Pの歯列TRに向けて照射できる。押しボタンスイッチ182は先端側アーム部25Bの先端に設けられ、歯科医が押すことができる。このスイッチ信号はコントローラ133のCPUに送られる。
歯科医は、このティーチングアーム25の先端側アーム部25Bを把持して、それを回動させることで、歯列TRの所望位置にビームを照射し、その位置を確認できる。さらに、先端側アーム部25Bを捻って(回転させて)、レーザビームの照射角度を変更することできる。これにより、ティーチングアーム25の同じ回転位置であっても、先端側アーム部25Bの捻り角度を変えることで、レーザビームLBの入射角度、即ち、実際に照射されるX線ビームXBの照射角度(即ち、首振り角度θ2)を変更することできる(図16参照)。
なお、レーザ発振器181のレーザ発振点PTは、前述したX線管23のX線焦点FPと同じ円形軌道を回動できるように構成されている。このため、レーザ発振器181から出射されるレーザビームLBが、実際の撮影時のX線ビームXBを模擬できる。このため、ティーチングのときには、X線管アーム21及び検出器アーム22はそれらの待機位置に位置決めされており、歯科医の手動によるティーチング動作を邪魔しないようになっている。この退避位置は、ティーチングの範囲外である、被検者Pの頭部の斜め下それぞれの位置に設定されている。
次に、コントローラ133の(実際には、CPU)で実行されるティーチングに関わる処理を説明する。
コントローラ133は、図17に示すように、初期化後(ステップS11),まず、両エンコーダ171、173からその出力信号の読み込みを試み、アーム回転角θ1が入力したか否かを判断する(ステップS12,S13)。歯科医が所望のアーム回転角θ1及び首振り角度θ2を決め、押しボタンスイッチ182を押す。これに応じて、コントローラ133はそのアーム回転角θ1、θ2が決定したと見做すことできる(ステップS14,YES)。この判断がNOの場合、歯科医まだアーム回転角θ1を決めるために試行錯誤している段階であるので、処理はステップS2に戻り、ステップS12〜S14の処理を繰り返しながら待機する。
次いで、コントローラ133は、ステップ15に移行して模擬的に決めたアーム回転角θ1及び首振り角度θ2を表示器136(又は手元においたポータブルモニタ)に表示する。歯科医が、その表示結果に同意しない場合、その処理はステップS12に戻され、アーム回転角θ1及び首振り角度θ2が再度、設定し直される(ステップS16、NO)。
これに対して、歯科医が設定した角度θ1及びθ2に同意すると(ステップS16、YES)、それらの角度θ1、θ2に基づくX線管23及び検出器24の反対方向の平行移動のための速度パターンが制御データとして演算される(ステップS17)。この演算された制御データは、例えば第1の記憶部134に送られ記憶される(ステップS18)。
ここで、上記ステップS17で実行される速度パターン(制御データ)の演算のアルゴリズムを、図18を参照して説明する。同図において、いま歯列TRのうちの歯番3が目的歯であるとする。
・まず、歯番3の位置の斜線におけるX線管焦点と検出器表面とを結ぶ線の中点と、その斜線と歯列楕円TRとの交点を演算する。この交点は2点求められるが、検出器24に近い方の交点を採用する。ここで、斜線はレーザビームで模擬したアーム回転角θ1における首振り角度θ2のラインを示す。検出器24は常に被検者の正面を移動するものとする。
・この交点を通り斜線と直交する線を引き、その垂直線上の交点から前後に25mmの2点を演算する。
・次いで、この2点と中点を通る直線を2本作成する。
・この2本のラインとX線管23及び検出器24の軌道円Ts,Tdとの交点をそれぞれ演算する。
・X線管23及び検出器24が互いに対向するように、それぞれの開始位置(アーム角度及び首振り角度)を決める。
・X線管23及び検出器24の軌道円Ts,Td上の撮影軌道制御中の位置は、開始位置からティーチング位置までの範囲、及び、そのティーチング位置から終了位置までの範囲をそれぞれ10分割した位置をX線管23及び検出器24の双方に対して演算し、それぞれの位置でX線管23及び検出器24が互いに正対した状態になるように前述した速度パターンを演算する。
このように設定されたX線管23及び検出器24の4軸独立制御の速度パターンは制御データとして出力される。
なお、本実施形態においては、コントローラ133の処理、第1の記憶部134、回動機構170、172、エンコーダ171,173、レーザ発振器181、及び押しボタンスイッチ182を主要部としてティーチング装置が構成されており、パノラマ撮影装置1に一体に組み込まれている。本実施形態の場合、ティーチング装置がパノラマ撮影装置1に一体に組込まれていることで、ティーチングした制御データをそのままパノラマ撮影装置1が使用できる点で有利である。
本実施形態に係るパノラマ撮影装置1の使用するときには、まず、このパノラマ撮影装置1を歯科用治療椅子2の後ろ側の所定位置に位置付け、床面に固定する。このときに、前述した操作レバー52を操作してピン50を押し下げ、そのピン50をフロア固定部53に係合させる。これにより、パノラマ撮影装置1の本体BDの歯科用治療椅子2に対する位置付け及び固定が達成される。
次いで、散乱線遮蔽カバー14Cを後ろ側に退避させる(図3の仮想線「退避位置」参照)。この段階では、X線管アーム21及び検出器アーム22はそれぞれの初期位置に位置付けられている。そこで、歯科医は、歯科用治療椅子2の背もたれを倒しながら、患者Pの頭部Hを撮影空間Sの所定位置に位置決めする。この位置決めは昇降機14の高さ方向の調節、及び、図示しない3本のレーザビームによる正中線、フランクフルト、犬歯の位置決めにより行われる。
位置決め後、散乱線遮蔽カバー14Cを前方向の撮影位置まで移動させる(図3の実線「撮影位置」参照)。これにより、図3の実線で示すように、画成された撮影空間Sに被検者Pの頭部Hが位置した状態になる。この状態で、歯科医は少し離れた位置から照射スイッチ56を押すことで、前述したパノラマ撮影が起動し、前述した4軸独立制御に係るフレームデータの収集が行われる。
次に、必要に応じて、精密撮影を説明する。この場合、上述したと同様に被検者Pの頭部Hを撮影空間Sに位置付けした後(散乱線遮蔽カバー14Cは空いており、さらにX線管アーム21及び検出器アーム22が退避している状態)、前述したティーチングを行って、所望の撮像範囲を精密撮影するための制御データを設定する。その後、散乱線遮蔽カバー14Cを閉じて同様に装置1を稼働させる。
この場合、制御データとして設定されている速度パターンはX線管23、検出器24それぞれの軌道Tx,Tdのうちの一部の指定範囲において、互いに、両者が正対した状態でスキャンをする姿勢制御データである。このため、スキャン中に、それら指定範囲においてのみ、X線照射が実行され、部分的な指定範囲でのデータ収集が実行される。この収集したフレームデータを、トモシンセシス法を用いて合成して、従来のデンタルレントゲンと同様の精密撮影画像を得る。したがって、従来のデンタルレントゲンを使用するときの患者、歯科医双方の不快さ、不便さを解消できる。
このように本実施形態によれば、数歯を狙った部分X線撮影ができるようになる。そのために、撮影範囲の中心位置を指定し、かつ、その領域における歯同士の重なりを極力排除したX線ビームの入射方向を指定する。中心位置を指定することで歯列の撮影範囲を予め定めた長さから決めることができる。このX線撮影の範囲及びX線ビームの入射角の指令値を、実際のスキャン前に予めレーザビームで模擬して、それらの指令値(制御データ)を的確に設定できる。この指令値は実際のX線撮影に反映される。この結果、画像の精度を向上し、精密撮影のやり直しを極力防止でき、X線被ばく量の低減、患者の苦痛および負担軽減、操作者の労力軽減、患者スループットの向上に寄与できる。
[第3の変形例]
続いて、図25を参照して、上述した第2の実施形態に係るティーチングの1つの変形例を第3の変形例として説明する。
この第3の変形例に係るティーチングは、必ずしもティーチングアーム25を使用しなくてもよい簡便的な手法である。この手法は、図10に示すように、被検体Pの歯列TRが標準軌道SSを描くものと仮定すれば、その歯列TRを成す各歯(目的歯)の、周方向における回転角θの位置は決まっている。そこで、目的歯毎に前述した図18のアルゴリズムに基づいて予め速度パターンを演算して記憶しておくことができる。この場合、標準軌道SSに沿って並ぶ上顎、下顎の歯毎に、その対応する回転角θを決め、その歯に例えば直交する方向を決めて、その角度及び方向から速度パターンを演算するものである。つまり、歯毎にその歯を中心に50×50mm程度の領域を部分的にスキャンできるようにする。この歯の番号と速度パターンとを対応付けたテーブルを例えば第1の記憶部134に保持させておけばよい。1組の速度パターンは、前述したように、X線管23及び検出器24の公転、自転で4つの速度パターンから成る。さらに、歯の番号、各歯への複数のX線入射角、及び、各歯及び各X線入射角に対応した複数組の速度パターンを用意しておいてもよい。
図25には、実際に演算した、大人用の部分撮影のための速度パターンの組を例示する。同図(A)には、「左、下顎、3番」の歯に対するX線管23の回転(公転の一部)の速度パターン(曲線A)、検出器24の回転(公転の一部)の速度パターン(曲線B)、X線管23の自転の速度パターン(曲線A´)、及び検出器24の速度パターン(部分的な回転を示す曲線B´)を示す。同図(B)には、「左、下顎、7番」の歯に対する同様の速度パターンの組を示す。
上述の速度パターンのデータは、部分撮影のときに歯科医が診断したい目的歯を表示器136のGUI画面上で指定するだけでよい。例えば、前述した図24のステップS3において「左、下顎、3番」の歯と指定すれば、コントローラ133は図25(A)に示す1組の動作パターンを第1の記憶部134から読み出し、前述した図24に示す手順にしたがって目的歯の部分撮影を行うことができる。この部分撮影、つまり、目的歯を中心とする部分的な領域をスキャン(部分スキャン)し、これにより収集されたフレームデータをシフト&アッド量の所定のプロファイルにより再構成すればよい。これにより、従来のデンタルレントゲンと同様の部分撮影画像を得ることができる。
したがって、この第3の変形例によって、簡便的ではあるが、目的歯だけを指定することで部分撮影画像が得られるので、歯科医の労力が軽減するとともに、X線被ばくも少なくなる。このような簡便的な部分撮影を採用できる理由は、患者の歯列は、勿論、個人差があるものの、標準軌道SSに沿っていることが多いからである。
前述した各実施形態、及び、その各変形例によれば、前述した以外に様々な作用効果をもたらす。第1に、撮影空間Sを画成する上面、両側面、及び、底面の4面は、前述した散乱線遮蔽カバー14C及び底面部14Cの散乱線遮蔽板20により囲まれ、X線遮蔽がなされている。このため、パノラマ撮影又は部分撮影時において撮影空間Sから外部に漏れるX線を確実に減少させ、又は、遮蔽することができる。これにより、X線管23が駆動するパノラマ撮影や部分撮影が行われても、撮影空間Sの外側に与えるX線の影響を殆ど無視できるようになる。
このパノラマ撮影装置1は移動可能である。したがって、「可搬型の歯科用のX線遮蔽室」とでも呼ぶべきX線遮蔽がなされた空間を持ったパノラマ撮影装置を提供できる。これにより、患者が歯科用治療椅子に仰向けに寝た状態のまま顎部のX線撮影を行うことができる。その撮影時に顎部周辺の極めて局所化された小さな撮影空間から外部に漏れることを大幅に軽減することができる。
また、被検者にとって、散乱線遮蔽カバー14Cの中に頭部Hを入れるのであるが、そのカバー14Cには透光体部分14TRが設けられている。このため、常に外部を見ることができ、閉所が苦手は患者にも対応できている。
一方、上述した実施形態及び変形例では、装置1の本体BD(コンソールを除く)を移動させる移動手段としてキャスタ11を設けている。しかしながら、この移動手段は、キャスタに限定されない。装置1の本体に把持部を設け、この把持部を持って手持ちで移動させてもよい。また、台座部12の下面に、電動で回転する車輪を設けてもよい。本願に係る装置1の本体BDを歯科用治療椅子2のサイドまで自在に移動させることができる手段であればよい。
なお、本発明は上述した実施形態及び変形例で示した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の主旨を逸脱しない限り、更に様々に変形して実施可能なものである。
1 歯科用パノラマ撮影装置(X線撮影装置)
11 キャスタ(移動手段)
12 台座部
14 昇降機
14B 背面部
14C 散乱線遮蔽カバー
14L、14R 側面部
14U 上面部
15 コンソール(読出し手段、制御手段)
21 X線管アーム
21A 対向アーム部分
21L 支持部
22 検出器アーム
22A 対向アーム部分
22L 支持部
23 X線管
24 検出器
21B、22B、83;145、146、147、148、149、170、171、175、173(回転駆動部(駆動手段))
133 コントローラ
134 第1の記憶部
135 データプロセッサ
25 ティーチングアーム(ティーチング装置の一部を成す)
25A 基部側アーム部(第1のアーム部)
25B 先端側アーム部(アーム把持部を含む第2のアーム部)
133 コントローラ(ティーチング装置の一部を成す)
134 第1の記憶部(ティーチング装置の一部を成す)
135 データプロセッサ
170 回動機構(ティーチング装置の一部を成す)
171 エンコーダ(ティーチング装置の一部を成す)
172 回動機構(ティーチング装置の一部を成す)
173 エンコーダ(ティーチング装置の一部を成す)
181 レーザ発振器(ティーチング装置の一部を成す)
182 押しボタンスイッチ(ティーチング装置の一部を成す)
O 回転中心(アームの回転中心)
CA 中心軸(アームの回転中心軸)
AXs 第1の軸(X線管の首振り回転中心軸)
AXd 第2の軸(検出器の首振り回転中心軸)
C 検出器の横幅方向の中心位置(検出中心位置)
FP X線管のX線焦点(X線焦点位置)

Claims (9)

  1. 点状の焦点を有し、この焦点から広がりを持ったX線を照射するX線管と、
    このX線管から照射される前記X線を検出して当該X線の量に対応したデータを出力する検出器と、を備え、前記X線管と前記検出器を予め定めた所定の回転中心を通る中心軸の周りに回動可能なX線撮影装置において、
    前記X線管を収容した管収容部と、この管収容部を前記中心軸に平行な第1の軸の周りに回動可能に支持する管支持部とを備えたX線管アームと、
    前記管収容部を前記管支持部に対して前記第1の軸の周りに回動させる第1の駆動手段と、
    前記X線を入射させるように前記検出器を収容した検出器収容部と、この検出器収容部を前記中心軸に平行な第2の軸の周りに回動可能に支持する検出器支持部とを備えた検出器アームと、
    前記検出器収容部を前記検出器支持部に対して前記第2の軸の周りに回動させる第2の駆動手段と、
    前記X線管アーム及び前記検出器アームを互いに独立して同軸で駆動可能に支持するともに、当該両アームを駆動して前記中心軸の周りを回動させる第3の駆動手段と、
    前記X線管アーム、前記検出器アーム、前記管収容部、及び前記検出器収容部を前記X線によるスキャンのために互いに独立して回動させる速度パターンに応じて前記第1、第2、及び第3の駆動手段を制御する制御手段と、
    前記X線の実際の照射を模擬したレーザビームを、前記管収容部と前記検出器収容部との間の撮影空間に位置する被検体の撮影部位に照射して当該撮影部位の部分的な撮影範囲を撮影前に指示可能なティーチング手段と、
    このティーチング手段により指示された前記部分的な撮影範囲を解読し、その解読結果に応じた前記速度パターンを設定する設定手段と、
    を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
  2. 前記ティーチング手段は、前記中心軸と同軸に支持されたティーチングアームと、このティーチングアームの前記中心軸の周りの回転角を示す角度情報を検出する第1の回転角センサとを備え、
    前記ティーチングアームは、前記中心軸の周りに径方向に伸びる第1のアーム部と、この第1のアーム部から前記中心軸と並行な方向に延設され且つ前記レーザビームを出力する第2のアーム部とを備え、
    前記第2のアーム部は、その先端側のアーム部分と、この先端側のアーム部分に連結し且つ当該先端側のアーム部分を自転可能に保持する残りのアーム部分と、当該先端側のアーム部分の、当該残りのアーム部分に対する自転角度を示す角度情報を検出する第2の回転角センサを備え、
    前記設定手段は、前記第1及び第2の回転角センサが検出した前記角度情報を読み込む角度情報読込み手段と、この角度情報読込み手段が読み込んだ前記角度情報に基づいて前記速度パターンを演算する速度パターン演算手段とを、備えたことを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記第2のアーム部は、前記先端側のアーム部分に前記レーザビームを出力するレーザ出力手段を備え、
    このレーザ出力手段の出力点は前記X線管のX焦点の位置を模した空間位置に設定されている、ことを特徴とする請求項2に記載のX線撮影装置。
  4. 前記X線管アーム及び前記検出器アームは、前記中心軸に直交する断面に沿った径方向において前記X線の散乱線を遮蔽する散乱線遮蔽体で覆われた撮影空間に配置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のX線撮影装置。
  5. 前記速度パターンは、前記X線管アームを前記中心軸の周りに回動させる第1の速度パターンと、前記検出器アームを前記中心軸の周りに回動させる第2の速度パターンと、前記管収容部を前記第1の軸の周りに回動させる第3の速度パターンと、前記検出器収容部を前記第2の軸の周りに回動させる第4の速度パターンとを含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のX線撮影装置。
  6. 前記X線撮影装置は歯科用のX線パノラマ撮影装置であり、
    前記第1、第2、第3、及び第4の速度パターンは、被検者の歯列に対して予め設定されている基準断層面に最適焦点化するように前記X線をスキャンさせる速度パターンであることを特徴とする請求項5に記載のX線撮影装置。
  7. 前記X線撮影装置は歯科用のX線パノラマ撮影装置であり、
    前記第1、第2、第3、及び第4の速度パターンは、被検者の歯列に対して予め設定されている基準断層面に直交するように前記X線ビームを照射し且つ当該基準断層面を最適焦点化するように前記X線をスキャンさせる速度パターンであることを特徴とする請求項5に記載のX線撮影装置。
  8. 前記速度パターンは、前記中心軸の周りの所定角度範囲をスキャンするときの時間を横軸に採り、その所定角度範囲の角度を縦軸に採ったパターンであり、
    前記速度パターンを予め設定して記憶している記憶手段と、
    前記スキャン時に前記記憶手段から前記速度パターンの情報を読み出して前記制御手段に提供する読出し手段と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のX線撮影装置。
  9. 点状の焦点を有し、この焦点から広がりを持ったX線を照射するX線管と、
    このX線管から照射される前記X線を検出して当該X線の量に対応したデータを出力する検出器と、を備え、前記X線管と前記検出器を予め定めた所定の回転中心を通る中心軸の周りに回動可能なX線撮影装置において、
    前記X線管がX線の照射するように前記X線管を収容した管収容部と、この管収容部を前記中心軸に平行な第1の軸の周りに回動可能に支持する管支持部とを備えたX線管アームと、
    前記管収容部を前記管支持部に対して前記第1の軸の周りに回動させる第1の駆動手段と、
    前記X線を入射させるように前記検出器を収容した検出器収容部と、この検出器収容部を前記中心軸に平行な第2の軸の周りに回動可能に支持する検出器支持部とを備えた検出器アームと、
    前記検出器収容部を前記検出器支持部に対して前記第2の軸の周りに回動させる第2の駆動手段と、
    前記X線管アーム及び前記検出器アームを互いに独立して同軸で駆動可能に支持するともに、当該両アームを駆動して前記中心軸の周りを回動させる第3の駆動手段と、
    前記X線管アーム、前記検出器アーム、前記管収容部、及び前記検出器収容部を前記X線によるスキャンのために互いに独立して回動させる速度パターンに応じて前記第1、第2、及び第3の駆動手段を制御する制御手段と、を備えたX線撮影装置のティーチング装置であって、
    前記X線の実際の照射を模擬したレーザビームを、前記管収容部と前記検出器収容部との間の撮影空間に位置する被検体の撮影部位に照射して当該撮影部位の部分的な撮影範囲を撮影前に指示可能なティーチング手段と、
    このティーチング手段により指示された前記部分的な撮影範囲を解読し、その解読結果に応じた前記速度パターンを設定する設定手段と、
    を備えたことを特徴とするティーチング装置。
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