JP2015175039A - 厚肉熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

厚肉熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015175039A
JP2015175039A JP2014053255A JP2014053255A JP2015175039A JP 2015175039 A JP2015175039 A JP 2015175039A JP 2014053255 A JP2014053255 A JP 2014053255A JP 2014053255 A JP2014053255 A JP 2014053255A JP 2015175039 A JP2015175039 A JP 2015175039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel sheet
rolled steel
hot
thick
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014053255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6123713B2 (ja
Inventor
友彰 柴田
Tomoaki Shibata
友彰 柴田
聡太 後藤
Sota Goto
聡太 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2014053255A priority Critical patent/JP6123713B2/ja
Publication of JP2015175039A publication Critical patent/JP2015175039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6123713B2 publication Critical patent/JP6123713B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

【課題】X80級電縫鋼管用素材またはX80級スパイラル鋼管用素材として好適な、強度および靭性に優れ、低降伏伸びを有する厚肉熱延鋼板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】C、Nb、V、Tiを含有する組成とし、全添加Nb量に対する析出Nbの割合が5%以上35%未満であり、板厚中央位置におけるベイニティックフェライトの体積分率が95%以上であり、かつ、板厚表層1mm位置における焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトの体積分率が95%以上である組織とすることで、高強度でありかつ靭性に優れ、熱延鋼板長手方向の引張試験における降伏伸びが0.1%以上3.0%以下である低降伏伸びを有する厚肉熱延鋼板とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、地震などによって受ける圧縮荷重に対し、優れた耐座屈性能を示すAPI規格X80級電縫鋼管またはスパイラル鋼管の素材として好適な、高強度、高靭性であり且つ降伏伸びを低位に抑制した厚肉熱延鋼板およびその製造方法に関する。本厚肉熱延鋼板により製造された鋼管は、パイプライン、油井管および土木・建築用などに用いることができる。なお、本発明において厚肉熱延鋼板とは、板厚12mm以上30mm以下の熱延鋼板(熱延鋼帯)を意味する。
近年のエネルギー需要の高まりに対し、パイプラインや油井管の需要は高まっており、高効率輸送のために、高強度(特にAPI規格X80級)かつ厚肉鋼管(板厚12mm以上)が要求されるようになってきた。この要求に対し、従来、厚板を素材とするUOE鋼管が主に使用されている。しかし、最近では、パイプラインの施工コストの低減やUOE鋼管の供給能力不足などのために、鋼管の素材コスト低減の要求も強く、UOE鋼管よりも生産性が高くより安価な、熱延鋼板を素材とした電縫鋼管やスパイラル鋼管が用いられるようになってきた。
ここで、パイプラインは、例えば天然ガスの埋蔵量が豊富な寒冷地に敷設されることが多いため、ラインパイプ素材用鋼板には、高強度、厚肉であることは勿論のこと、低温靭性に優れることも要求される。
また、ラインパイプ等では、寒冷地における地盤の凍結・融解の繰り返しや、地震などの地殻変動による変形応力に対し、耐座屈性能を有することも要求される。したがって、ラインパイプ素材用鋼板には、耐座屈性能向上の観点から、圧延長手方向の降伏伸びが小さいことも必要となる。
このような状況下、昨今、ラインパイプ用の熱延素材に関し、様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1には、熱延鋼板の組成を、質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.10%、Nb:0.01〜0.10%、Ti:0.001〜0.05%を含み、かつC、Ti、Nbを([%Ti]+([%Nb]/2))/[%C]<4を満足するように含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成とし、熱延鋼板の組織を、鋼板表面から板厚方向に1mmの位置における主相であるフェライト相の平均結晶粒径と鋼板の板厚中央位置における主相であるフェライト相の平均結晶粒径との差ΔDが2μm以下で、かつ鋼板表面から板厚方向に1mmの位置における第二相の組織分率(体積%)と鋼板の板厚中央位置における第二相の組織分率(体積%)との差ΔVが2%以下である組織とし、さらに鋼板表面から板厚方向に1mmの位置におけるビッカース硬さHV1mmと鋼板の板厚中央位置におけるビッカース硬さHV1/2tとの差ΔHVを50ポイント以下とすることで、低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板とする技術が提案されている。
特許文献2には、質量%で、C:0.05〜0.12%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、Mo:0.05〜0.50%、Al:0.01〜0.08%、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼片を準備し、圧延終了温度:(Ar3−10)〜(Ar3+80)℃で熱間圧延後、空冷し、鋼板とし、冷間成形により鋼管とした後、拡管率:0.5〜1.5%の拡管を行うことで、冷間加工による耐座屈性能に優れた鋼管を製造する技術が提案されている。また、本特許文献には、鋼板の応力−歪曲線の降伏伸びが2.0%以下の場合、造管による冷間加工と造管最終工程での拡管によって降伏伸びが容易に消失するため、鋼管の耐座屈性能が向上することが記載されている。
特許文献3には、重量%で、C:0.05〜0.15%、Mn:1.0〜2.0%を含み、かつCu:0.05〜0.30%、Ni:0.05〜0.30%、Cr:0.05〜0.30%、Mo:0.05〜0.30%、Nb:0.005〜0.10%、V:0.005〜0.10%、Ti:0.005〜0.10%の1種または2種以上を含有する鋼片を、1050〜1180℃に加熱し、熱間圧延した後、その鋼の成分で定まる(Ar3+40)〜(Ar3−80)℃の温度域から4℃/sec以上の冷却速度で冷却した鋼板を冷間成形し、その後端部を溶接することで、X80以上級の高強度と高靭性、耐震性に優れたラインパイプを製造する技術が提案されている。
特開2010−196156号公報 特許第3937998号公報 特開平9−202922号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術では、鋼管の耐座屈性能について検討されていない。また、特許文献1で提案された技術では、その実施例が示すように、X80級の高強度鋼管を得るために、Cu、Ni、Mo、Crを多く添加している。これらの元素は希少金属であり、価格変動も大きな元素であることから、将来的な安定供給が難しいという難点がある。
一方、特許文献2で提案された技術では、鋼管の耐座屈性能について検討されている。しかしながら、特許文献2で提案された技術では、鋼管強度がX80に達していない。また、低降伏伸びとするのに希少元素であるMoの添加を必須としている。Moは、将来的にその確保が困難となった場合の代替元素が存在せず、希少金属の削減といった観点からも必須添加元素としては好ましくない。更に、耐座屈性能に優れた鋼管を得るために、拡管工程が必要であるとしており、製造能率が大幅に低下するといった問題もある。
特許文献3で提案された技術においても、鋼管の耐座屈性能について検討されている。しかしながら、特許文献3で提案された技術では、C当量が高く、溶接金属を使用しない電縫鋼管として使用する場合には、溶接部靭性の劣化が起こり易い。また、その実施例が示すように、低降伏比とするためにNb含有量を抑制している。このようにNbの含有量が少ないと、オーステナイト粒径の粗大化に伴う靭性低下を防ぐ目的でスラブ加熱温度を1180℃以下と低くする必要があるため、圧延負荷が増大し、ロールおよび装置寿命が短くなるといった問題がある。
本発明は、従来技術が抱える上記の問題を解決するものであり、X80級電縫鋼管用、スパイラル鋼管用の素材として必要となる高強度、高靭性および低降伏伸びを兼ね備えた厚肉熱延鋼板を、複雑な冷却技術や設備、希少元素を用いず、また製造効率を落とすことなく、安定的に製造するための技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋼管の強度、靭性および降伏伸びにはその素材となる厚肉熱延鋼板の合金元素と熱延条件が大きく影響するとの知見をもとに、希少金属を低減したX80級鋼管用厚肉熱延鋼板の諸特性に及ぼす製造条件の影響について研究を行った。
まず、様々な組成の鋼塊を作製し、スラブ加熱温度、圧下率、冷却速度、巻取り温度等を変化させた熱延鋼板(板厚:12〜30mm)を作製した。作製した熱延コイルからサンプルを採取し、曲げ戻した後、全厚引張試験片を採取し、引張試験を行い、降伏伸び特性を測定した。そして、鋼組成および熱延条件と得られた熱延鋼板の降伏伸び特性に対し、重回帰分析を行った。しかしながら、鋼組成および熱延条件と、得られた熱延鋼板の降伏伸び特性との間に、有意な相関が得られなかった。
この問題に対し、本発明者らは、コイル曲げ戻し時の歪の影響により、バウシンガー効果が発現し、熱延鋼板の降伏伸び特性に変化を及ぼしたことで、鋼組成および熱延条件と降伏伸び特性との間に有意な相関関係が得られなかったことが原因であると考えた。
降伏伸びに及ぼす製造条件の寄与を正確に把握できないことには、耐座屈性能に優れた電縫鋼管やスパイラル鋼管の素材として好適な、降伏伸びを低位に抑制した高強度、高靭性熱延鋼板を得ることができない。そこで、本発明者らは、コイル曲げ戻しをしない湾曲したままの熱延鋼板から、丸棒引張試験片を板厚中央位置、コイル長手方向から採取して引張試験を行うことを考案した。丸棒引張試験より得られた応力−歪曲線から降伏伸び長さを測定し、製造条件との相関について調査を行った。
ここで、注意すべき点は、降伏伸びの絶対値が試験片形状に依存するという点である。調査の結果、曲げ戻した熱延コイルから採取した全厚平板引張試験片の方が、曲げ戻さない熱延コイルから採取した丸棒引張試験片に比べ、低い降伏伸び値となることが明らかになった。
これらの調査結果を踏まえ、本発明者らは、上記の如くコイル曲げ戻しをしない湾曲したままの熱延鋼板から採取した丸棒引張試験片を用いて引張試験を行い、得られた結果から重回帰分析により、熱延鋼板特性に対する製造条件(組成、熱延条件)および組織の影響度について評価を行い、コイル状の熱延鋼板を高強度、高靭性かつ低降伏伸びとするうえで有意となる製造条件を求めた。
次いで、上記で求めた製造条件にしたがい熱延鋼板(板厚:12〜30mm)を作製し、該熱延鋼板を素材として鋼管(電縫鋼管およびスパイラル鋼管)を作製した。そして、作製した鋼管を用いて耐座屈試験を行ったところ、所望の耐座屈性能を有する鋼管が得られた。
以上のように、本発明者らは、曲げ戻しをしない湾曲したままの熱延コイルから採取した引張試験片を用いて引張試験を行い、その試験結果に基づき熱延鋼板の組成や熱延条件および組織を特定することで、高強度、高靭性を維持したまま、熱延鋼板長手方向の降伏伸びを低位に抑制した熱延鋼板が得られ、これらの熱延鋼板を用いた鋼管は、耐座屈性能にも優れることを知見した。
そして、更に検討を進めた結果、Cu、Ni、Mo、Cr等の希少金属を添加することなく、析出強化元素であるNb、V、Tiを所定量添加した鋼素材を用い、仕上げ圧延時の未再結晶温度域における圧下率や、仕上げ圧延終了温度、およびこれに続く冷却の冷却速度や巻取り温度を規定することで、高靭性かつ低降伏伸びを有するX80級厚肉鋼管の素材として好適な厚肉熱延鋼板が得られることを知見した。
本発明は、以上の知見に基づき為されたものであり、その要旨は次のとおりである。
[1] 質量%で、C:0.04%以上0.15%以下、Si:0.01%以上0.55%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.003%以上0.1%以下、N:0.006%以下、Nb:0.035%以上0.1%以下、V:0.001%以上0.1%以下、Ti:0.001%以上0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である組成を有し、全添加Nb量に対する析出Nbの割合が5%以上35%未満であり、板厚中央位置におけるベイニティックフェライトの体積分率が95%以上であり、かつ、板厚表層1mm位置における焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトの体積分率が95%以上である組織を有し、熱延鋼板長手方向の引張試験における降伏伸びが0.1%以上3.0%以下であることを特徴とする厚肉熱延鋼板。
[2] 前記[1]において、前記組成が、下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする厚肉熱延鋼板。

Pcm=[%C]+[%Si]/30+([%Mn]+[%Cu]+[%Cr])/20
+[%Ni]/60+[%V]/10+[%Mo]/7+5×[%B]≦0.25 ・・・ (1)
Px=701×[%C]+85×[%Mn]≧181 ・・・ (2)
ここで、(1)式および(2)式において、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Cu]、[%Cr]、[%Ni]、[%V]、[%Mo]、[%B]は各元素の含有量(質量%)。
[3] 前記[1]または[2]において、前記組成に加えて更に、質量%でCa:0.0001%以上0.005%以下を含有することを特徴とする厚肉熱延鋼板。
[4] 前記[1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記組成に加えて更に、質量%で、Cu:0.001%以上0.5%以下、Ni:0.001%以上0.5%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Cr:0.001%以上0.5%以下、B :0.0001%以上0.004%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする厚肉熱延鋼板。
[5] 質量%で、C:0.04%以上0.15%以下、Si:0.01%以上0.55%以下、Mn:1.0%以上3.0%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.003%以上0.1%以下、N:0.006%以下、Nb:0.035%以上0.1%以下、V:0.001%以上0.1%以下、Ti:0.001%以上0.1%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼片を、1000℃以上1250℃以下の温度域に再加熱し、粗圧延および該粗圧延に続き未再結晶温度域での圧下率を20%以上85%以下、仕上げ圧延終了温度を(Ar3−50℃)以上(Ar3+100℃)以下の温度域とする仕上げ圧延を施し、該仕上げ圧延終了後、板厚中央位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度を5℃/s以上50℃/s未満、板厚表層1mm位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度を50℃/s以上300℃/s以下で冷却し、200℃以上550℃以下の巻取り温度で巻き取ることを特徴とする厚肉熱延鋼板の製造方法。
[6] 前記[5]において、前記組成が下記(1)式、(2)式を満足し、前記巻取り温度が下記(3)式を満足することを特徴とする厚肉熱延鋼板の製造方法。

Pcm=[%C]+[%Si]/30+([%Mn]+[%Cu]+[%Cr])/20
+[%Ni]/60+[%V]/10+[%Mo]/7+5×[%B]≦0.25 ・・・ (1)
Px=701×[%C]+85×[%Mn]≧181 ・・・ (2)
0.0≦7.09×[%C]−1.31×[%Mn]+0.00910×CT≦3.3 ・・・ (3)
ここで、(1)式、(2)式および(3)式において、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Cu]、[%Cr]、[%Ni]、[%V]、[%Mo]、[%B]は各元素の含有量(質量%)。
(3)式において、CTは巻取り温度(℃)。
[7] 前記[5]または[6]において、前記組成に加えて更に、質量%でCa:0.0001%以上0.005%以下を含有することを特徴とする厚肉熱延鋼板の製造方法。
[8] 前記[5]ないし[7]のいずれかにおいて、前記組成に加えて更に、質量%で、Cu:0.001%以上0.5%以下、Ni:0.001%以上0.5%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Cr:0.001%以上0.5%以下、B :0.0001%以上0.004%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする厚肉熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、ラインパイプ、油井管、土木・建築用鋼管などに適用されるX80級電縫鋼管素材やX80級スパイラル鋼管素材として必要となる高強度、高靭性および低降伏伸び特性を兼ね備えた厚肉熱延鋼板を、希少元素を殆ど用いず、製造効率を落とすことなく、安定的に製造することができ、工業的に極めて有用である。
以下に、本発明の詳細を説明する。
まず、本発明における厚肉熱延鋼板の成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C :0.04%以上0.15%以下
Cは、Nb、V、Ti等と炭化物を形成することで熱延鋼板強度を確保するために重要な元素であり、所望の強度を満足するためには、C含有量を0.04%以上とする必要がある。一方、C含有量が0.15%を超えると、炭素当量が高くなり、このような熱延鋼板を造管・溶接すると、溶接部の靭性が劣化する。また、析出物の過剰生成に伴い降伏比が上昇し、更には熱延鋼板長手方向の降伏伸びが増大する。したがって、C含有量は0.04%以上0.15%以下とする。
Si:0.01%以上0.55%以下
Siの含有量が増加すると、Mn−Si系の非金属介在物を形成して溶接部靭性を劣化させる原因となる。したがって、Si含有量は0.55%を上限とする。一方、Si含有量の下限は、脱酸効果と製鋼技術限界から0.01%に定める。
Mn:1.0%以上3.0%以下
Mnは、強度低下と靭性低下の要因となるポリゴナルフェライトとパーライトの生成を抑制することで強度と靭性を確保できる元素であるとともに、熱延鋼板長手方向の降伏伸びを低位に抑制する効果を有する元素でもある。これらの効果を発現させるためには、Mn含有量を1.0%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が3.0%を超えると、炭素当量の増加に伴い溶接部靭性が劣化する可能性がある。したがって、Mn含有量は1.0%以上3.0%以下とする。
P:0.03%以下、S:0.01%以下、N:0.006%以下
Pは、鋼中に不純物として存在するが、偏析し易い元素で鋼の靭性劣化をもたらす。したがって、P含有量は0.03%を上限とする。
SおよびNも、P同様、鋼の靭性を劣化させるため、S含有量は0.01%を上限とし、N含有量は0.006%を上限とする。
なお、P、S、Nはいずれも現実的に可能な製鋼制御能力限界のため、それぞれの含有量をP:0.001%以上、S:0.0001%以上、N:0.001%以上とすることが好ましい。
Al:0.003%以上0.1%以下
Alは、鋼の脱酸剤として有用であり、Al含有量は脱酸効果の発現する0.003%以上とする。但し、Al含有量が過剰になると、アルミナ系介在物が生成し、溶接部欠陥の原因となる。したがって、Al含有量は0.003%以上0.1%以下とする。
Nb:0.035%以上0.1%以下
Nbは、結晶粒の微細化に有効でかつ析出強化元素であり、その効果の発現にはNb含有量を0.035%以上とする必要がある。一方、Nb含有量が過剰になると、溶接性が劣化する。したがって、Nb含有量は0.035%以上0.1%以下とする。
V :0.001%以上0.1%以下
Vは、析出強化元素であり、これを有効に作用させるためにはV含有量を0.001%以上とする必要がある。一方、V含有量が過剰になると、溶接性が劣化する。したがって、V含有量は0.001%以上0.1%以下とする。
Ti:0.001%以上0.1%以下
Tiは、結晶粒の微細化に有効でかつ析出強化元素であり、その効果の発現にはTi含有量を0.001%以上とする必要がある。一方、Ti含有量が過剰になると溶接性が劣化する。したがって、Ti含有量は0.001%以上0.1%以下とする。
本発明の厚肉熱延鋼板は、上記の成分組成に加えて更に、Ca:0.0001%以上0.005%以下を含有することが好ましい。
Ca:0.0001%以上0.005%以下
Caは、Sを固定し、MnSの生成を抑制することで靭性を向上させる効果がある。このような効果を発現させるためには、Ca含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、Ca含有量が過剰になると、Ca系酸化物の形成により靭性が低下するため、Ca含有量は0.005%以下とすることが好ましい。
また、本発明の厚肉熱延鋼板は、上記の成分組成に加えて更に、Cu:0.001%以上0.5%以下、Ni:0.001%以上0.5%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Cr:0.001%以上0.5%以下、B:0.0001%以上0.004%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有してもよい。
Cu:0.001%以上0.5%以下
Cuは、鋼の変態を制御するとともに、熱延鋼板の強度向上に有効な元素である。このような効果を発現させるためには、Cu含有量を0.001%以上とすることが好ましい。但し、Cuは、熱間加工性を低下させるため、その含有量を0.5%以下にすることが好ましい。
Ni:0.001%以上0.5%以下
Niは、鋼の変態を制御するとともに、熱延鋼板の強度向上に有効な元素である。このような効果を発現させるためには、Ni含有量を0.001%以上とすることが好ましい。但し、Niは、熱間加工性を低下させるため、その含有量を0.5%以下にすることが好ましい。
Mo:0.001%以上0.5%以下
Moは、鋼の変態を制御するとともに、熱延鋼板の強度向上に有効な元素である。このような効果を発現させるためには、Mo含有量を0.001%以上とすることが好ましい。但し、Moは、マルテンサイトの生成を促進し、靭性を低下させるため、その含有量を0.5%以下にすることが好ましい。
Cr:0.001%以上0.5%以下
Crは、パーライト変態の遅延効果と粒界セメンタイトの低減効果により、靭性劣化を抑制する有効な元素である。これらの効果を発現させるためにはCr含有量を0.001%以上とすることが好ましい。一方、Cr含有量が過剰になると、溶接部に焼入れ組織を形成して溶接部靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Cr含有量は0.001%以上0.5%以下とすることが好ましい。
なお、Cu、Ni、MoおよびCrは、いずれも希少金属であり、安定的な確保が困難であるとともに、高価な元素でもある。それゆえ、原料の安定確保、生産コスト等の観点からは、これらの元素の添加を極力避けることが好ましく、それぞれの含有量を0.1%以下とすることが望ましい。
B :0.0001%以上0.004%以下
Bは、熱延鋼板製造時、仕上げ圧延終了後の冷却過程において高温でのフェライト変態を抑制して、フェライトの硬度低下に起因する熱延鋼板の強度低下を防止する効果がある。このような効果を発現させるためには、B含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、B含有量が過剰になると、溶接部に焼入れ組織を形成するおそれがある。したがって、B含有量は0.0001%以上0.004%以下とすることが好ましい。
本発明の厚肉熱延鋼板は、以下(1)式および(2)式に示す成分指標を満足する組成とすることが好ましい。これらの式を満足することで、更なる高強度、高靭性化と溶接性の向上が可能となる。
Pcm=[%C]+[%Si]/30+([%Mn]+[%Cu]+[%Cr])/20+[%Ni]/60
+[%V]/10+[%Mo]/7+5×[%B]≦0.25 ・・・ (1)
Px=701×[%C]+85×[%Mn]≧181 ・・・ (2)
ここで、(1)式および(2)式において、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Cu]、[%Cr]、[%Ni]、[%V]、[%Mo]、[%B]は各元素の含有量(質量%)である。また、鋼板がCuを含有しない場合、(1)式中の[%Cu]をゼロとしてPcm値を算出するものとする。 [%Cr]、[%Ni]、[%V]、[%Mo]、[%B]についても同様である。
(1)式に示すPcmは、溶接部靱性の指標である。Pcm値が一定値を超えると、例えば熱延鋼板を造管・溶接する際、溶接部靱性が低下する傾向にある。したがって、Pcm値は0.25以下とすることが好ましい。
一方、(2)式に示すPxは、強度の指標であり、Cu、Ni、Mo、Crなどの希少元素を用いることなくX80級鋼管用の素材として十分な熱延鋼板強度を確保するためには、Px値を181以上とすることが好ましい。但し、Px値が過剰に高くなると、伸び特性が低下し、造管加工が困難になるとともに、地震などの地殻変動に伴う強制的な変形に対する変形能が低下することが懸念されるため、300以下とすることが好ましい。
なお、本発明の厚肉熱延鋼板において、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えばCo、W、Pb、Sn等が挙げられる。
次に、本発明の厚肉熱延鋼板の組織について説明する。
本発明の厚肉熱延鋼板は、全添加Nb量に対する析出Nbの割合が5%以上35%未満であり、板厚中央位置におけるベイニティックフェライトの体積分率が95%以上であり、かつ、板厚表層1mm位置における焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトの体積分率が95%以上である組織を有する。
全添加Nb量に対する析出Nbの割合:5%以上35%未満
本発明の厚肉熱延鋼板は、全Nb量に対する析出Nbの割合を5%以上35%未満とする。Nbの析出割合が5%未満では、熱延鋼板の強度不足が発生し易く、X80級の鋼管強度特性を満足することが困難となる場合がある。一方、35%以上になると析出強化が過剰となり、降伏比が高くなることで耐座屈特性が劣化する傾向にある。したがって、全Nb量に対する析出Nbの割合は、5%以上35%未満とする。
ここで、鋼板中に析出したNbの割合(質量比)は、抽出残渣分析により鋼板中に析出したNbの質量を測定し、この測定値の全Nb含有量に対する割合(質量%)として求めることができる。なお、抽出残渣分析では、鋼板を10%アセチルアセトン−1%テトラメチルアンモニウム−メタノール中で定電流電解(約20mA/cm2)し、溶解残渣をメンブランフィルター(孔径:0.2μmφ)で捕集し、硫酸、硝酸および過塩素酸の混合融剤を用いて融解し、ICP発光分析法により析出量を定量化することができる。
厚肉熱延鋼板の主相
高強度、高靱性且つ低降伏伸び特性を有する厚肉熱延鋼板とするためには、厚肉熱延鋼板の組織を板厚全域に亘りベイニティックフェライトとすることが好ましい。しかしながら、板厚が例えば12mm以上である厚肉熱延鋼板を製造する場合において、熱間圧延終了後、板厚中央位置でベイニティックフェライトが生成するように冷却速度を調整すると、板厚表層部での冷却速度が極端に大きくなる。それゆえ、厚肉熱延鋼板の場合、板厚全域に亘りベイニティックフェライト主相組織とすることは極めて困難である。
そこで、本発明の厚肉熱延鋼板では、板厚表層部(鋼板表面から板厚方向1mmまでの領域)の主相を焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトとし、上記表層部以外の領域の主相をベイニティックフェライトとする。
焼戻しマルテンサイトや焼戻しベイナイトは、ベイニティックフェライトには劣るものの、焼入れままのマルテンサイトやベイナイトよりも伸び特性や靱性がはるかに優れている。したがって、板厚表層部のみを焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイト主相とし、その他の領域をベイニティックフェライト主相とすることで、板厚表層部における特性劣化を最小限とし、鋼板全体としては高強度、高靭性且つ低降伏伸びを有する厚肉熱延鋼板とすることができる。
主相の体積分率:95%以上
板厚表層1mm位置(鋼板表面から板厚方向1.0mmの位置)において、焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトの体積分率の合計が95%未満になると、板厚全厚の靭性が大きく低下する。また、板厚中央位置において、ベイニティックフェライトの体積分率が95%未満になる場合、靭性が大幅に低下する。したがって、本発明では、各々の位置における主相の体積分率を95%以上とする。
なお、板厚表層部において、焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイト以外の組織としては、ベイニティックフェライト、パーライト、マルテンサイト、残留オーステナイト等が挙げられ、これらの体積分率は合計で5%以下とすることが好ましい。また、板厚表層部以外の領域において、ベイニティックフェライト以外の組織としては、焼戻しマルテンサイト、焼戻しベイナイト、パーライト、マルテンサイト、残留オーステナイト等が挙げられ、これらの体積分率は合計で5%以下とすることが好ましい。
本発明の厚肉熱延鋼板は、上記した組成および組織を有し、熱延鋼板長手方向の引張試験における降伏伸びが0.1%以上3.0%以下であることを特徴とする。なお、上記降伏伸びは、コイル状の熱延鋼板(コイル曲げ戻しをしない湾曲したままの熱延鋼板)から採取した丸棒試験片を用い、引張試験を実施することで測定される降伏伸びの値である。
降伏伸びが0.1%未満の場合、応力−ひずみ曲線がラウンドハウス型となり、降伏強度YSが極端に低下する恐れがある。一方、降伏伸びが3.0%を超えると、造管歪を加えても降伏伸びが消失せず、造管後の耐座屈特性が低下する。したがって、熱延鋼板長手方向の引張試験における降伏伸びは0.1%以上3.0%以下とする。
次に、本発明の厚肉熱延鋼板の製造方法について説明する。
本発明の厚肉熱延鋼板は、上記組成を有するスラブ(鋼片)を、再加熱後、粗圧延、仕上げ圧延を行ったのち、所定の条件にて加速冷却を行い、所定温度で巻き取ることにより製造することができる。
なお、本発明に用いる鋼の溶製は、転炉法や電炉等、公知の溶製方法のいずれによっても可能である。溶製した鋼は、連続鋳造または造塊・分塊圧延によりスラブ(鋼片)とすることができる。
スラブ加熱温度:1000℃以上1250℃以下
スラブ(鋼片)再加熱温度が1000℃未満では、析出強化元素であるNb、V、Tiが十分固溶せず、仕上げ圧延終了後の冷却・巻取り過程においてCとの析出物を形成しない。その結果、最終的に得られる熱延鋼板に含まれる固溶C量が増大し、降伏伸びが増大するとともに、強度が低下する。一方、1250℃を超えると、オーステナイトが粗大化して最終的に得られる熱延鋼板の靭性が劣化するとともに、析出物の析出形態が変化することで、X80級の鋼管強度を確保できなくなる。したがって、スラブ(鋼片)再加熱温度は1000℃以上1250℃以下とする。
なお、スラブ(鋼片)に熱間圧延を施すに際し、鋳造後のスラブが1000℃以上1250℃以下の温度となっている場合には、スラブを加熱することなく直送圧延してもよい。再加熱後のスラブは、粗圧延および仕上げ圧延が施されて任意の板厚に調整されるが、本発明において粗圧延の条件は特に限定されない。
仕上げ圧延時における未再結晶温度域での圧下率:20%以上85%以下
未再結晶温度域(本発明の鋼組成の場合、約940℃以下)で仕上げ圧延を行うことにより、オーステナイト相の再結晶が遅延して歪が蓄積し、γ/α変態時にベイニティックフェライトが微細化して強度及び靭性が向上する。ここで、仕上げ圧延時における未再結晶温度域での圧下率が20%未満では、これらの効果が十分に発現しない。一方、上記圧下率が85%を超えると、変形抵抗が増大して圧延に支障をきたす。したがって、本発明では上記圧下率を20%以上85%以下とする。好ましくは35%以上75%以下である。
仕上げ圧延終了温度:(Ar3−50℃)以上(Ar3+100℃)以下
均質な粒径および組織で圧延を終了するためには、仕上げ圧延終了温度を(Ar3−50℃)以上とする必要がある。仕上げ圧延終了温度が(Ar3−50℃)を下回ると、仕上げ圧延中に鋼板内部でフェライト変態が生じ、組織が不均一になって、所望の特性が得られない。一方、仕上げ圧延終了温度が(Ar3+100℃)を超えると、結晶粒が粗大化し、靱性が劣化する。従って、仕上げ圧延終了温度を(Ar3−50℃)以上(Ar3+100℃)以下の範囲内とする。
なお、仕上げ圧延終了温度は、仕上圧延機の出側での鋼板表面の測定温度値である。
板厚中央位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度:5℃/s以上50℃/s未満
パーライト変態及びポリゴナルフェライトの生成を抑制し、強度又は靱性を確保するためには、仕上げ圧延終了後の鋼板を強制冷却し、板厚中央部の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度を5℃/s以上とすることが必要である。一方、上記温度域における板厚中央部の冷却速度が大きくなり過ぎると、板厚中央部にマルテンサイトまたはベイナイトが形成されて靱性が劣化するため、上記温度域における板厚中央位置の平均冷却速度は50℃/s未満とする必要がある。好ましくは5℃/s以上40℃/s以下である。
なお、板厚中央位置の650℃以下の温度域における冷却条件は特に限定されない。例えば、板厚中央位置が650℃まで冷却された後は、650℃以下の所定の温度で強制冷却を停止し、後述する巻取り温度まで放冷してもよい。また、板厚中央位置が650℃まで冷却された後も巻取り温度まで強制冷却を続け、650℃から巻取り温度までの温度域を5℃/s以上50℃/s未満の平均冷却速度で冷却してもよい。
板厚表層1mm位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度:50℃/s以上300℃/s以下
板厚表層1mm位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度が50℃/s未満では、板厚が例えば12mm以上30mm以下であるような厚肉熱延鋼板の板厚中央位置における冷却速度が不十分となり、パーライトおよびポリゴナルフェライトが生成し、厚肉熱延鋼板の強度、靭性が劣化する。一方、板厚表層1mm位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度が300℃/sを超えると、表層硬度が上昇し、伸び特性が劣化するため、上限は300℃/sとする必要がある。好ましくは50℃/s以上200℃/s以下である。
巻取り温度:200℃以上550℃以下
本発明において、巻取り温度を所定の温度域とすることは、低降伏伸びを確保するうえで極めて重要である。巻取り温度が550℃を超えると、降伏伸びが極端に上昇して耐座屈性能が低下するとともに、析出強化が過剰となり降伏比が上昇する。したがって、巻取り温度は550℃以下とする。特に優れた耐座屈性能を発揮するためには、400℃以下とすることが望ましい。一方、巻取り温度を低くし過ぎると、熱延の巻取りに支障をきたすため、巻取り温度の下限を200℃とする。ここで、上記巻取り温度は、巻き取り直前の鋼板表面温度であるが、これは板厚表層1mm位置における温度とほぼ同じである。
なお、例えば仕上げ圧延終了後の鋼板を水冷し、板厚中央位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度が5℃/s以上50℃/s未満となるように水量を調整し、板厚中央位置が650℃〜巻取り温度の任意の温度まで冷却された時点で水冷を停止すれば、板厚表層1mm位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度はおのずと50℃/s以上となる。また、上記のように水冷すれば、板厚表層1mm位置は一旦Ms点以下或いはBs点以下の温度まで冷却された後、巻取り工程以降に復熱して焼戻される。
また、本発明では、降伏伸びを低位に抑制し、耐座屈性能を向上させるために、以下の(3)式を満足することが好ましい。
0.0≦7.09×[%C]−1.31×[%Mn]+0.00910×CT≦3.3 ・・・ (3)
ここで、 (3)式において、[%C]および[%Mn]は各元素の含有量(質量%)、
CTは巻取り温度(℃)である。
上記(3)式の7.09×[%C]−1.31×[%Mn]+0.00910×CT(=YE)は、降伏伸びの指標である。YEの値が小さいほど熱延鋼板の降伏伸びが低位となり、鋼管の耐座屈性能が向上する傾向にある。十分な耐座屈性能を確保するうえでは、YE値を3.3以下とすることが好ましい。一方、熱延鋼板の降伏伸びが極端に小さくなると、応力−ひずみ曲線がラウンドハウス型となり、降伏強度YSが極端に低下する恐れがある。したがって、YE値は0.0以上とすることが好ましい。
表1に示す組成のスラブ(鋼片)(肉厚:215mm)を用いて、表2に示す熱間圧延条件で熱間圧延を施し、熱間圧延終了後、表2に示す冷却条件で冷却し、表2に示す巻取り温度でコイル状に巻取り、表2に示す板厚の熱延鋼板(鋼帯)とした。更に、これら熱延鋼板を素材として、冷間でのロール連続成形によりオープン管とし、該オープン管の端面同士を電縫溶接して、電縫鋼管(外径610mmφ)とした。なお、表2に記載の仕上げ圧延終了温度は仕上圧延機の出側での鋼板表面における温度(実測値)であり、表2に記載の巻取り温度は巻き取り直前の鋼板表面における温度(実測値)である。また、熱間圧延終了後の冷却は水冷により行い、板厚中央位置が、目標の巻取り温度近くまで冷却された時点で水冷を停止した。また、板厚中央位置の温度および、冷却速度は伝熱計算による計算値である。
得られた造管前の熱延鋼板から試験片を採取し、抽出残渣分析、引張試験、衝撃試験、DWTT試験、組織観察、を実施した。なお、引張試験は、熱延コイルを曲げ戻した平板から採取した全厚引張試験片と、熱延コイルを曲げ戻さずに湾曲したままの鋼板から上述した丸棒試験片の2種類の試験片にて実施した。また、電縫鋼管については、DWTT試験を実施した。更に、電縫鋼管については、耐座屈試験も実施した。試験方法は次のとおりとした。
(1)抽出残渣分析(析出Nb割合の測定方法)
得られた熱延鋼板の板厚中央位置と板厚表層1mm位置より試験片を採取し、マレイン酸系電解液を利用した電解抽出法で抽出した析出物について、ICP発光分析法により析出物中のNb量を測定して、試験片全Nb質量に対する質量%で表示したものを「全Nb量に対する析出Nbの割合(%)」とした。なお、マレイン酸系電解液の組成は、10%マレイン酸−2%アセチルアセトン−5%テトラメチルアンモニウムクロライド−メタノールとした。また、電解抽出にあたっては、定電流電解(約20mA)し、残渣をメンブレンフィルターで捕集するものとする。その後、フィルターおよび残渣を圧下したのち、ホウ酸リチウムと過酸化ナトリウムの混合融剤を用いて融解し、融生物を塩酸で溶解し、水で一定量に希釈し、ICP発光分析法で板厚中央位置と板厚表層1mm位置のNb析出割合を定量化するものとする。Nb析出割合が5%以上35%未満の範囲内である場合を「耐座屈特性に優れたNb析出割合」と評価した。
(2)引張試験
引張試験は、次の2種類の試験片にて実施した。
(A) 得られた熱延コイルを矯正加工し、圧延方向(L方向)が長手方向となるように採取した、板状の全厚試験片(平行部幅:25mm、標点間距離:50mm、板厚:全厚)
(B) 湾曲したままの熱延コイル板厚中央部から圧延方向(L方向)が長手方向となるように採取した丸棒試験片(ASTM規格記載の平行部30mm、ゲージ長さ25mm、ゲージ部径6mmφ)
上記2種類の引張試験片を用い、ASTM E8M−04の規定に準拠して、室温で引張試験を実施し、降伏強度YS(MPa)、引張強さTS(MPa)、降伏伸び(%)を求めた。降伏強度が550MPa以上、引張強さが650MPa以上である場合を「引張特性が良好である」と評価した。但し、強度が高くなり過ぎると、伸び特性が低下するため、降伏強度は690MPa以下、引張強さは760MPa以下とすることが望ましい。また、丸棒引張試験片における降伏伸びが0.1%以上3.0%以下である場合を「低降伏伸び特性が良好である」と評価した。
(3)シャルピー衝撃試験
得られた熱延鋼板の板厚中央部から、圧延方向に直交する方向(C方向)が長手方向となるようにVノッチ試験片を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、試験温度:−60℃での吸収エネルギーvE-60(J)と延性−脆性破面遷移温度vTrs(℃)を求めた。なお、試験温度は、−60℃を含む複数温度条件とし、試験片は各試験温度で3本ずつとした。得られた−60℃における吸収エネルギー値の算術平均を求め、その鋼板の吸収エネルギー値vE-60とした。また、各試験温度での脆性破面率の平均値も求め、これらをグラフ(横軸:試験温度、縦軸:脆性破面率)にプロットすることでvTrsを求めた。vE-60が100 J以上、vTrsが−80℃以下である場合を「靭性が良好である」と評価した。
(4)DWTT試験
得られた熱延鋼板および電縫鋼管の母材部から、圧延方向に直交する方向(C方向)がサンプル長辺方向となるようにDWTT試験片(大きさ:板厚全厚×幅3in.×長さ12in.)を採取し、ASTM E 436の規定に準拠して、DWTT試験を行い、延性破面率が85%となる最低温度(DWTT SA85%TT)を求めた。DWTT SA85%TTが、熱延鋼板:−30℃以下、電縫鋼管:−10℃以下の場合を「優れたDWTT特性」を有すると評価した。なお、電縫鋼管の母材部から試験片を採取する場合は、試験片長手方向が管周方向となるように採取し、鋼板と同様に試験を実施した。
(5)管軸圧縮試験(耐座屈試験)
得られた電縫鋼管(鋼管長1,800mm)の両端に耐圧板をつけ、大型圧縮試験装置によって軸方向圧縮試験を行い、圧縮荷重が最大になる点の歪量を限界座屈歪とした。限界座屈歪が0.5%以上である場合を「耐座屈性能が良好である」と評価した。
(6)組織観察
得られた熱延鋼板から、板厚方向全ての位置が観察できるようなブロック状試験片を採取し、走査型電子顕微鏡(倍率:2000〜5000倍)を用いて、L断面観察(熱延鋼板幅方向が観察面に垂直)を実施した。組織の平均的な情報を得るため、板厚1/2(中央)位置、板厚表層1mm位置について板厚位置毎に3視野以上観察し、各構成組織の体積分率はこれらの平均値として求めた。板厚中央位置でのベイニティックフェライトの体積分率が95%以上で、板厚表層1mm位置での焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトの体積分率が95%以上である組織を、「靭性に優れた組織」と評価した。
上記(1)〜(6)の結果を、表3に示す。
Figure 2015175039
Figure 2015175039
Figure 2015175039
表3に示すように、発明例の熱延鋼板は、引張特性(強度、低降伏伸び)および靭性(低温靭性)がいずれも良好であった。また、発明例の熱延鋼板を素材とした電縫鋼管はいすれも、靭性(低温靭性)が良好であり、且つ優れた耐座屈性能を示した。これに対し、比較例の熱延鋼板は、引張特性および靭性(低温靭性)のいずれか一方、或いは双方において、十分な特性が得られなかった。また、比較例の熱延鋼板を素材とした電縫鋼管は、靭性(低温靭性)および耐座屈性能のいずれかにおいて、十分な特性が得られなかった。

Claims (8)

  1. 質量%で、
    C :0.04%以上0.15%以下、 Si:0.01%以上0.55%以下、
    Mn:1.0%以上3.0%以下、 P :0.03%以下、
    S :0.01%以下、 Al:0.003%以上0.1%以下、
    N :0.006%以下、 Nb:0.035%以上0.1%以下、
    V :0.001%以上0.1%以下、 Ti:0.001%以上0.1%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である組成を有し、全添加Nb量に対する析出Nbの割合が5%以上35%未満であり、板厚中央位置におけるベイニティックフェライトの体積分率が95%以上であり、かつ、板厚表層1mm位置における焼戻しマルテンサイトおよび/または焼戻しベイナイトの体積分率が95%以上である組織を有し、熱延鋼板長手方向の引張試験における降伏伸びが0.1%以上3.0%以下であることを特徴とする厚肉熱延鋼板。
  2. 前記組成が、下記(1)式および(2)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の厚肉熱延鋼板。

    Pcm=[%C]+[%Si]/30+([%Mn]+[%Cu]+[%Cr])/20
    +[%Ni]/60+[%V]/10+[%Mo]/7+5×[%B]≦0.25 ・・・ (1)
    Px=701×[%C]+85×[%Mn]≧181 ・・・ (2)
    ここで、(1)式および(2)式において、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Cu]、[%Cr]、[%Ni]、[%V]、[%Mo]、[%B]は各元素の含有量(質量%)。
  3. 前記組成に加えて更に、質量%でCa:0.0001%以上0.005%以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の厚肉熱延鋼板。
  4. 前記組成に加えて更に、質量%で、Cu:0.001%以上0.5%以下、Ni:0.001%以上0.5%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Cr:0.001%以上0.5%以下、B :0.0001%以上0.004%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の厚肉熱延鋼板。
  5. 質量%で、
    C :0.04%以上0.15%以下、 Si:0.01%以上0.55%以下、
    Mn:1.0%以上3.0%以下、 P :0.03%以下、
    S :0.01%以下、 Al:0.003%以上0.1%以下、
    N :0.006%以下、 Nb:0.035%以上0.1%以下、
    V :0.001%以上0.1%以下、 Ti:0.001%以上0.1%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼片を、1000℃以上1250℃以下の温度域に再加熱し、粗圧延および該粗圧延に続き未再結晶温度域での圧下率を20%以上85%以下、仕上げ圧延終了温度を(Ar3−50℃)以上(Ar3+100℃)以下の温度域とする仕上げ圧延を施し、該仕上げ圧延終了後、板厚中央位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度を5℃/s以上50℃/s未満、板厚表層1mm位置の750℃以下650℃以上の温度域における平均冷却速度を50℃/s以上300℃/s以下で冷却し、200℃以上550℃以下の巻取り温度で巻き取ることを特徴とする厚肉熱延鋼板の製造方法。
  6. 前記組成が下記(1)式、(2)式を満足し、前記巻取り温度が下記(3)式を満足することを特徴とする請求項5に記載の厚肉熱延鋼板の製造方法。

    Pcm=[%C]+[%Si]/30+([%Mn]+[%Cu]+[%Cr])/20
    +[%Ni]/60+[%V]/10+[%Mo]/7+5×[%B]≦0.25 ・・・ (1)
    Px=701×[%C]+85×[%Mn]≧181 ・・・ (2)
    0.0≦7.09×[%C]−1.31×[%Mn]+0.00910×CT≦3.3 ・・・ (3)
    ここで、(1)式、(2)式および(3)式において、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Cu]、[%Cr]、[%Ni]、[%V]、[%Mo]、[%B]は各元素の含有量(質量%)。
    (3)式において、CTは巻取り温度(℃)。
  7. 前記組成に加えて更に、質量%でCa:0.0001%以上0.005%以下を含有することを特徴とする請求項5または6に記載の厚肉熱延鋼板の製造方法。
  8. 前記組成に加えて更に、質量%で、Cu:0.001%以上0.5%以下、Ni:0.001%以上0.5%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Cr:0.001%以上0.5%以下、B:0.0001%以上0.004%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の厚肉熱延鋼板の製造方法。
JP2014053255A 2014-03-17 2014-03-17 厚肉熱延鋼帯およびその製造方法 Active JP6123713B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014053255A JP6123713B2 (ja) 2014-03-17 2014-03-17 厚肉熱延鋼帯およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014053255A JP6123713B2 (ja) 2014-03-17 2014-03-17 厚肉熱延鋼帯およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015175039A true JP2015175039A (ja) 2015-10-05
JP6123713B2 JP6123713B2 (ja) 2017-05-10

Family

ID=54254509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014053255A Active JP6123713B2 (ja) 2014-03-17 2014-03-17 厚肉熱延鋼帯およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6123713B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104805375A (zh) * 2015-04-02 2015-07-29 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种超厚规格高韧性x80管线用钢板及其制造方法
WO2018042522A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 新日鐵住金株式会社 エクスパンダブルチューブラー用油井管
WO2019131100A1 (ja) * 2017-12-25 2019-07-04 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
CN110592360A (zh) * 2019-08-27 2019-12-20 西安理工大学 具有优异低温韧性的x80弯管焊接接头的热处理方法
JP2022513269A (ja) * 2018-12-19 2022-02-07 ポスコ 脆性破壊抵抗性に優れた構造用鋼材及びその製造方法
JP2022514018A (ja) * 2018-12-19 2022-02-09 ポスコ 冷間曲げ性に優れた高強度構造用鋼材及びその製造方法
CN114761595A (zh) * 2019-11-27 2022-07-15 杰富意钢铁株式会社 钢板及其制造方法
CN115702256A (zh) * 2020-10-28 2023-02-14 日本制铁株式会社 热轧钢板
CN116043104A (zh) * 2022-10-28 2023-05-02 南阳汉冶特钢有限公司 一种tmcp工艺生产低成本q550d钢及其生产方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005240051A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Jfe Steel Kk 溶接部の靭性に優れる耐サワー高強度電縫鋼管用熱延鋼板およびその製造方法
WO2010087511A1 (ja) * 2009-01-30 2010-08-05 Jfeスチール株式会社 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP2010174342A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP2010196164A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005240051A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Jfe Steel Kk 溶接部の靭性に優れる耐サワー高強度電縫鋼管用熱延鋼板およびその製造方法
WO2010087511A1 (ja) * 2009-01-30 2010-08-05 Jfeスチール株式会社 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP2010174342A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP2010196164A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Jfe Steel Corp 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JISハンドブック 1 鉄鋼I, JPN6016035997, 19 January 2007 (2007-01-19), pages 172 - 180, ISSN: 0003509724 *

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104805375A (zh) * 2015-04-02 2015-07-29 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种超厚规格高韧性x80管线用钢板及其制造方法
WO2018042522A1 (ja) * 2016-08-30 2018-03-08 新日鐵住金株式会社 エクスパンダブルチューブラー用油井管
JPWO2018042522A1 (ja) * 2016-08-30 2019-03-28 新日鐵住金株式会社 エクスパンダブルチューブラー用油井管
US11390931B2 (en) 2017-12-25 2022-07-19 Jfe Steel Corporation Hot-rolled steel plate and method for manufacturing same
JP2019112676A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
WO2019131100A1 (ja) * 2017-12-25 2019-07-04 Jfeスチール株式会社 熱延鋼板およびその製造方法
EP3715494A4 (en) * 2017-12-25 2020-10-14 JFE Steel Corporation HOT ROLLED STEEL SHEET AND METHOD FOR MANUFACTURING ITSELF
RU2740067C1 (ru) * 2017-12-25 2020-12-31 ДжФЕ СТИЛ КОРПОРЕЙШН Горячекатаная толстолистовая сталь и способ ее изготовления
JP2022514018A (ja) * 2018-12-19 2022-02-09 ポスコ 冷間曲げ性に優れた高強度構造用鋼材及びその製造方法
JP2022513269A (ja) * 2018-12-19 2022-02-07 ポスコ 脆性破壊抵抗性に優れた構造用鋼材及びその製造方法
JP7348947B2 (ja) 2018-12-19 2023-09-21 ポスコ カンパニー リミテッド 脆性破壊抵抗性に優れた構造用鋼材及びその製造方法
JP7348948B2 (ja) 2018-12-19 2023-09-21 ポスコ カンパニー リミテッド 冷間曲げ性に優れた高強度構造用鋼材及びその製造方法
CN110592360B (zh) * 2019-08-27 2021-09-10 西安理工大学 具有优异低温韧性的x80弯管焊接接头的热处理方法
CN110592360A (zh) * 2019-08-27 2019-12-20 西安理工大学 具有优异低温韧性的x80弯管焊接接头的热处理方法
CN114761595A (zh) * 2019-11-27 2022-07-15 杰富意钢铁株式会社 钢板及其制造方法
CN115702256A (zh) * 2020-10-28 2023-02-14 日本制铁株式会社 热轧钢板
CN115702256B (zh) * 2020-10-28 2023-10-17 日本制铁株式会社 热轧钢板
CN116043104A (zh) * 2022-10-28 2023-05-02 南阳汉冶特钢有限公司 一种tmcp工艺生产低成本q550d钢及其生产方法
WO2024088056A1 (zh) * 2022-10-28 2024-05-02 南阳汉冶特钢有限公司 一种tmcp工艺生产低成本q550d钢及其生产方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6123713B2 (ja) 2017-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5679091B1 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JP6123713B2 (ja) 厚肉熱延鋼帯およびその製造方法
CA2851325C (en) High-strength hot rolled steel sheet with excellent bendability and low-temperature toughness, and method for manufacturing the same
KR101333854B1 (ko) 저온 인성이 우수한 후육 고장력 열연 강판 및 그 제조 방법
JP5499733B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP4341396B2 (ja) 低温靱性および溶接性に優れた高強度電縫管用熱延鋼帯
JP5679114B2 (ja) 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6354910B2 (ja) 厚肉高強度ラインパイプ用熱延鋼板、ならびに、厚肉高強度ラインパイプ用溶接鋼管およびその製造方法
JP6015602B2 (ja) 高靭性高延性高強度熱延鋼板及びその製造方法
JP5481976B2 (ja) 高強度溶接鋼管用高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP6572963B2 (ja) 熱延鋼板およびその製造方法
JPWO2015151469A1 (ja) 耐歪時効特性及び耐hic特性に優れた高変形能ラインパイプ用鋼材およびその製造方法ならびに溶接鋼管
JP6149776B2 (ja) 高靭性高延性高強度熱延鋼板及びその製造方法
WO2013099192A1 (ja) 高張力熱延鋼板及びその製造方法
JP5401863B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板の製造方法
JP2008274355A (ja) 表面品質、破壊靱性および耐サワー性に優れる熱延鋼板の製造方法
JP2015190026A (ja) ラインパイプ用厚肉高強度電縫鋼管およびその製造方法
JP5742123B2 (ja) ラインパイプ用高強度溶接鋼管向け高張力熱延鋼板およびその製造方法
WO2014115548A1 (ja) 引張強さ540MPa以上の高強度ラインパイプ用熱延鋼板
JP5521482B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法
JP6128042B2 (ja) 低降伏比高強度スパイラル鋼管杭およびその製造方法
JP2020066747A (ja) ラインパイプ用電縫鋼管、及び、ラインパイプ用熱延鋼板
JP4900260B2 (ja) 延性亀裂伝播特性および耐サワー性に優れる熱延鋼板の製造方法
JP2004143500A (ja) 耐座屈特性に優れた高強度鋼管およびその製造方法
JP5521484B2 (ja) 低温靭性に優れた厚肉高張力熱延鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170320

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6123713

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250