JP2015170881A - スピーカー振動板及び動電型スピーカー - Google Patents

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Takeshi Fujitani
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Abstract

【課題】動電型スピーカーの振動板において、高音域における音圧特性や指向特性を改善することである。
【解決手段】振動板は、中心孔を有するコーン形状の振動板部とその中心孔を覆うように構成されるドーム形状のダストキャップ部を備え、振動板部は、その内周側に周方向をN(N:2以上の整数)等分する周期で剛性が変化する第1剛性変化部を有し、ダストキャップ部は、その外周側に周方向をN等分する周期で剛性が変化する第2剛性変化部を有し、ダストキャップ部の中心点を通過する中心軸を含む第1径方向断面において、第1剛性変化部の最大剛性部分と第2剛性変化部の最小剛性部分とが対向し、かつ、第1径方向断面から周方向に(180度/N)回転した第2径方向断面において、第1剛性変化部の最小剛性部分と第2剛性変化部の最大剛性部分とが対向する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピーカー振動板及びそのスピーカー振動板を用いる動電型スピーカーに関する。
スピーカーの振動板としては、紙、合成樹脂、金属等を材料とするものが用いられる。特に車載用スピーカーのように小型軽量化が要求されるものでは、紙、合成樹脂等を用いることが多く、強度不足により様々な振動が発生し、互いに干渉等を生じて高音域において特性に乱れが生じやすい。
振動板の強度補強のために、例えば 特許文献1には、スピーカー用振動板として、樹脂成形によって構成され、中心部から放射状に延びる複数本の厚肉部と、これらの厚肉部との間に設けられ外周から内方に向けて徐々に厚みが薄くなる準厚肉部と、準厚肉部の内包で厚肉部の間を水掻き状に繋ぐ薄肉部とを有する構成が開示されている。
また、特許文献2には、コーンとエッジとキャップを一体化したスピーカーにおいて、キャップに凹凸を設ける構成が開示されている。これによってキャップ自身の剛性が増して高音域の再生がより良好になると述べている。
特許第4407229号明細書 実登第3064300号明細書
コーン型振動板における高音域の特性改善のために、コーンのネック部の剛性を高め、また、コーンの中心孔の部分のダストキャップ部の剛性を高めることが行われる。この場合、コーンのネック部からの放射音とダストキャップ部からの放射音とが互いに干渉し、高音域の音圧特性や指向特性が劣化することが生じる。
本発明の目的は、高音域における音圧特性や指向特性を改善できるスピーカー振動板及びそのスピーカー振動板を用いる動電型スピーカーを提供することである。
本発明に係るスピーカー振動板は、中心孔を有するコーン形状の振動板部、及び中心孔を覆うように構成されるドーム形状のダストキャップ部を備えるスピーカー振動板であって、振動板部は、その内周側に周方向をN(N:2以上の整数)等分する周期で剛性が所定範囲内で変化する第1剛性変化部を有し、ダストキャップ部は、その外周側に周方向をN等分する周期で剛性が所定範囲内で変化する第2剛性変化部を有し、ダストキャップ部の中心点を通過する中心軸を含む第1径方向断面において、第1剛性変化部の最大剛性部分と第2剛性変化部の最小剛性部分とが対向し、かつ、第1径方向断面から周方向に(180度/N)回転した第2径方向断面において、第1剛性変化部の最小剛性部分と第2剛性変化部の最大剛性部分とが対向する。
本発明に係るスピーカー振動板において、厚み寸法の変化に基づいて、振動板部の剛性とダストキャップ部の剛性が変化するとしても好適である。
本発明に係るスピーカー振動板において、リブを所定の周期で設けることで、振動板部の剛性とダストキャップ部の剛性が変化するとしても好適である。
本発明に係るスピーカー振動板において、振動板部とダストキャップ部とが別部品で形成され接着剤で連結されて構成されるとしても好適である。
本発明に係るスピーカー振動板において、振動板部とダストキャップ部とが一体で構成されるとしても好適である。
本発明に係る動電型スピーカーは、上記スピーカー振動板と、スピーカー振動板の中心孔の周縁部に連結するボビンに巻回されるコイルを含むボイスコイルと、ボイスコイルのコイルが配置される磁気空隙を規定する磁気回路と、を備える。
本発明に係るスピーカー振動板は、コーン形状の振動板部と中心孔を覆うダストキャップ部を備え、振動板部もダストキャップ部もそれぞれの周方向をN等分する周期で剛性が変化し、それぞれの剛性の最大値の位置は、周方向に沿って(180度/N)だけずれる。つまり、振動板部の最大剛性となる位置は、ダストキャップ部の最小剛性となる位置に対向し、振動板部の最小剛性となる位置は、ダストキャップ部の最大剛性となる位置に対向する。これによって、振動板部からの放射音とダストキャップ部からの放射音が互いに干渉することが抑制され、高音域の音圧特性や指向特性が改善する。
本発明に係るスピーカー振動板において、厚み寸法の変化に基づいて、振動板部の剛性とダストキャップ部の剛性が変化する。また、リブを所定の周期で設けることで、振動板部の剛性とダストキャップ部の剛性が変化するようにしてもよい。このように、簡単な構成で、スピーカー振動板にける高音域の音圧特性や指向特性を改善することができる。
本発明に係るスピーカー振動板において、振動板部とダストキャップ部とが別部品で形成され接着剤で連結されて構成される。または、振動板部とダストキャップ部とを一体で構成してもよい。前者によれば精度よく組立てることができ、後者によれば、簡単な構造とできる。
本発明に係る動電型スピーカーは、上記スピーカー振動板を用いるので、高音域の音圧特性や指向特性を改善することができる。
本発明に係る実施の形態の動電型スピーカーの構成図である。 本発明に係る実施の形態のスピーカー振動板の構成図である。図2(a)は振動板部を示す斜視図、(b)はダストキャップ部を示す斜視図である。 本発明に係る実施の形態のスピーカー振動板において、振動板部の剛性の変化とダストキャップ部の剛性の変化の関係を示す図である。図3(a)は、振動板部の周方向に沿った剛性の変化を示す図であり、(b)は、ダストキャップ部の周方向に沿った剛性の変化を示す図である。 本発明に係る実施の形態のスピーカー振動板において、周方向に沿った剛性を変化させる例を示す図である。 本発明に係る実施の形態のスピーカー振動板の指向特性を比較例と共に示す図である。 図5に対し、指向特性の基準平面をスピーカー振動板の周方向に沿って180度/Nずらした場合における指向特性を比較例と共に示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下で述べる寸法、形状、材質等は説明のための例示であって、スピーカー振動板や動電型スピーカーの仕様に応じ適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、動電型スピーカー10を示す斜視図で、図2は、動電型スピーカー10に用いられるスピーカー振動板12を構成する振動板部32とダストキャップ部34を示す斜視図である。以下では、動電型スピーカー10を単にスピーカー10と呼び、スピーカー振動板12を単に振動板12と呼ぶ。この振動板12は、高音域特性を向上させるために、振動板部32とダストキャップ部34の剛性を周方向に沿って変化させる構成を有する。図1、図2では、振動板12の振動方向をZ軸方向とし、これに垂直な平面をXY平面とし、振動板12からの音波の指向方向を示す角度はZ軸方向を基準としてΨとし、振動板12の周方向に沿った角度はZ軸周りにθとして示した。なお、指向特性とは、振動板12の振動方向であるZ軸方向(Ψ=0度)を基準とした場合の音圧周波数特性の変化を示すものであり、任意の角度θでの基準平面における指向方向の角度Ψでの音圧周波数特性によって相対的に評価するものである。
スピーカー10は、コーン型の振動板12を有する略円盤状の電気音響変換器である。スピーカー10は、外形を形作るフレーム14を備える。また、スピーカー10は、フレーム14の内部空間において、振動板12の中心孔40の内周端42(図2参照)に連結するボビンに巻回されるコイルを含むボイスコイル16と、磁気回路18と、ボイスコイル16のコイルが配置される磁気空隙20を含む。また、振動板12のコーン型の外周端44(図2参照)に設けられるエッジ22と、エッジ22をフレーム14に取り付けるガスケット24と、ボイスコイル16のボビンとフレーム14との間に設けられるダンパー26を含んで構成される。振動板12については図2以下で詳述するので、それ以外の要素について先に説明する。
フレーム14は、振動板12の外周端44についてエッジ22を介して支持し、振動板12の内周端42におけるボビンとの接続箇所についてダンパー26を介して支持するスピーカー筐体である。かかるフレーム14としては、適当な強度を有する材料を所定の形状に成形したものを用いることができる。例えば、樹脂成形品を用いることができる。これに代えて金属板を所定の形状に成形したものを用いてもよい。金属板を用いるときは、アルミニウム板等の非磁性板を用いることが好ましいが、SPCC等の鋼板を用いてもよい。フレーム14の大きさは、スピーカー10の大きさを規定するが、その寸法の一例を挙げると、平面寸法で約100mm角である。これは一例であって、スピーカー10の仕様によって適宜変更される。
ボイスコイル16は、円環状形状に形成されるボビンと、ボビンの円環状形状に沿って巻回されるコイル等を含んで構成される。ボビンは、円環状形状に形成される薄い絶縁体の筒部材である。薄板としては、適当な強度と耐熱性を有する金属箔または樹脂フィルムを用いることができる。金属箔としては、アルミニウム箔を用いることができる。樹脂フィルムとしては、ポリイミド(PI)フィルム、ガラス入りポリエーテルイミド(TIL)等を用いることができる。コイルは、絶縁被覆付き導線をボビンの円環状形状の外周面に沿って所定の巻数で巻回して形成される。絶縁被覆付き導線としては、断面が円形の銅線を絶縁ワニスで被覆したものを用いることができる。ボイスコイル16の円環状の周囲長とコイルの巻き数はスピーカー10の音圧を規定するが、その寸法の一例を挙げると、円環状の直径が約20mm、巻き数が約40〜100ターンである。これは一例であって、スピーカー10の仕様によって適宜変更される。
磁気回路18は、円盤状のポールと、ポールと共に磁気空隙20を規定するヨークと、磁石とを含んで構成される内磁型形磁気回路である。ボイスコイル16のボビンの内周側の筒状空間には、磁気回路18のポールと、ポールを挟んで取り付けられる磁石が配置され、ボビンの円環状形状の外側には磁気回路18のヨークが配置される。磁石材料としては、アルミニウムニッケルコバルトの合金であるアルニコ系磁石、ネオジムを含む希土類磁石を用いることができる。
磁気空隙20は、磁気回路18における内側のポールおよび磁石と、外側のヨークとの間に形成される円環状の隙間空間である。この隙間空間にボイスコイル16のボビンが挿入されて配置される。なお、外磁型磁気回路を用いてもよい。
エッジ22は、振動板12の外周端44に沿って配置され、円環コルゲート状形状の可撓性薄板で、ガスケット24を介して振動板12をフレーム14に振動自在に支持する。エッジ22は、振動板12の外周端に取り付けられる部分である。かかるエッジ22としては、熱可塑性エラストマー樹脂を用い、柔軟性を有する所定の形状に成形したものを用いることができる。熱可塑性エラストマー樹脂としては、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエチレン系、ポリスチレン系を用いることができる。また、エッジ22の材料として、ゴムや発泡ゴムやコーティング布等を用いてもよい。
振動板12とエッジ22とガスケット24は、個別に製造されたものを接着剤によって接続して用いることができるが、これに代えて、異なる樹脂を一体化成形する二色成形法によって振動板12とエッジ22とガスケット24を一体化したものを用いてもよい。
ダンパー26は、円環状の形状を有し、ボイスコイル16を磁気空隙20の所定位置に配置するためのもので、円環状の内周端が振動板12の内周端42に固定され、外周端がフレーム14に固定される。かかるダンパー26としては、柔軟性を有する材料を所定の形状に成形したものを用いることができる。例えば、織布または不織布にフェノール樹脂を含浸させたものを材料として、これを所定の形状に成形して用いることができる。
以上が振動板12以外の要素の説明である。次に、振動板12の詳細について図2以下を用いて説明する。
振動板12は、中心孔40を有するコーン形状の振動板部32と、中心孔40を覆うように構成されるドーム形状のダストキャップ部34を備える。図2は、振動板12を分解して、振動板部32とダストキャップ部34とを分離して示した。図2(a)が振動板部32の斜視図で、(b)がダストキャップ部34の斜視図である。ダストキャップ部34は振動板部32に対し小型であるので、(a)と(b)とでは図示する上での尺度を変えて、ダストキャップ部34を相対的に大きく図示している。
振動板部32は、コーン型に成形され、コーン状に拡がる上面側の外周端44は、エッジ22とガスケット24を介してフレーム14に取り付けられ、コーン状に絞られる底面側の内周端42は、ボイスコイル16のボビンのコイルが巻回されていない上端側部と接続される。ボイスコイル16に音声に応じた電気信号を供給することで、振動板部32はボイスコイル16によって移動駆動され、それによって振動し、外部に音波を放射する。
振動板部32は、コーン状に絞られる底面側の部分であるネック部36の領域と、コーン状に拡がる上面側の部分であるコーン部38の領域とに分けることができる。ネック部36は、コーン部38に比較して剛性が高く設定されて、高音域の再生に大きく寄与する部分である。
ダストキャップ部34は、振動板部32の中心孔40を覆う部分で、ネック部36と同様に高音域の再生に大きく寄与する部分であり、剛性が高く設定される。ダストキャップ部34は、適当な接着剤で振動板部32と連結される。また、ダストキャップ部34は、ボイスコイル16のボビンの上端部分に連結されてもよい。また、これに代えて、振動板部32とダストキャップ部34とを一体成形してもよい。振動板部32とダストキャップ部34とを別体とするときは、振動板部32の底面側の内周端42とボイスコイル16との間を精度よく組立てる治具を用いることができる。振動板部32とダストキャップ部34とを一体成形するときは、振動板12を簡単な構造とできる。
かかる振動板部32とダストキャップ部34は、パルプ材からの抄紙をコーン状に成形したものの他、熱可塑性樹脂を所定の形状に成形したものを用いることで得ることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂を用いることができ、例えば、ガラス繊維入りポリプロピレン、炭素繊維入りポリプロピレン、マイカ入りポリプロピレン、発泡ポリプロピレンを用いることができる。抄紙についての成形法としては、型成形を用いることができる。熱可塑性樹脂についての成形法としては、シート状形状からの真空成型、プレス成形を用いることができる。また、所定の金型を用いた射出成形を用いることができる。
振動板12は、小型化に伴う高音域における音圧特性や指向特性を改善するために、振動板部32のネック部36の剛性を高め、またダストキャップ部34の剛性を高めるために、Z軸周りのθ方向に沿って周期的な剛性の強弱をつけた。剛性を周期的なものとするのは、一様に剛性を上げると、振動板12の質量が大きくなり軽量化が図れないためである。θ方向の一周あたりの剛性の強弱の周期数Nは、2以上の整数とすることができる。図1、図2では、放射状の線で剛性の最も高い箇所を示してある。この例では、Z軸周りのθ方向の一周の角度=360度を、剛性の周期数N=8で除して、(360度/8)=45度ごとに剛性の強弱がつけられている。
振動板12は、振動板部32とダストキャップ部34で構成されるので、お互いの振動領域が重複することがあると、同じ周波数帯においてお互いに強め合いまたは弱め合う干渉が生じ、全体としての音圧特性が平坦とならない。この干渉を抑制するために、振動板部32におけるθ方向に沿った剛性の周期的変化と、ダストキャップ部34におけるθ方向に沿った剛性の周期的変化をお互いに重複しないようにずらした。
図3は、振動板部32のネック部36におけるθ方向の一周線46に沿った剛性の変化と、ダストキャップ部34におけるθ方向の一周線46に沿った剛性の変化を示す図である。ネック部36における一周線46とダストキャップ部34における一周線48は、Z軸の原点から所定の距離離れたXY平面がネック部36に交わる断面線とダストキャップ部38に交わる断面線とに相当する。
図3(a)は、一周線46に沿ったθ方向の角度θを横軸に取り、振動板部32の剛性を縦軸に取った図である。(b)は、一周線48に沿ったθ方向の角度θを横軸に取り、ダストキャップ部34の剛性を縦軸に取った図である。図3(a)、(b)における横軸θの原点は、XY平面において任意にとったX軸の方向と一周線46、48との交点である。また、符号+は時計回り方向、符号−は反時計回り方向を示す。図1、図2の例では、周期数N=8であるので、45度が剛性の強弱の一周期で、半周期の22.5度が剛性の山と谷の間の角度間隔となる。剛性は、例えば、同じ音圧に対する振動の振幅の大きさで相対的に表すことができる。
図3(a)に示すように、振動板部32は、θ=0度を基準としてここから45度ごとに剛性が最大(MAX)となり、θ=22.5度を基準としてここから45度ごとに剛性が最小(MIN)となる。これに対し、ダストキャップ部34は、図3(b)に示すように、θ=0度を基準としてここから45度ごとに剛性が最小(MIN)となり、θ=22.5度を基準としてここから45度ごとに剛性が最大(MAX)となる。このように、振動板部32の剛性の変化とダストキャップ部34の剛性の変化は、剛性の変化の半周期分互いにずれていて、振動板部32の剛性の最大値とダストキャップ部34の剛性の最小値が対向し、振動板部32の剛性の最大値とダストキャップ部34の剛性の最小値が対向する。
すなわち、振動板部32の剛性が周期的に変化する部分を第1剛性変化部とし、ダストキャップ部34の剛性が周期的に変化する部分を第2剛性変化部とすると、ダストキャップ部34の中心点を通過する中心軸であるZ軸を含む第1径方向断面(θ=0度)において、第1剛性変化部の最大剛性部分と第2剛性変化部の最小剛性部分とが対向し、かつ、第1径方向断面から周方向に(180度/N)=22.5度回転した第2径方向断面(θ=22.5度)において、第1剛性変化部の最小剛性部分と第2剛性変化部の最大剛性部分とが対向する。
図4は、剛性の周期的変化を形成する方法の例を示す図である。剛性の周期的変化を形成する方法の1つは、板厚を周期的に変化させることである。もう1つの方法は、板厚を一定として、板に周期的な凹凸をつけて周期的なリブとすることである。図4(a)は、横軸にZ軸周りの角度θを取り、縦軸に剛性を取った図で、ここでは剛性の最大値が(360度/N)の周期で繰り返されることが示される。
図4(b)は、横軸を(a)と同じに取り、縦軸に振動板部32またはダストキャップ部34を構成する板材の厚み寸法tを取ったものである。ここでは、厚み寸法tの最大値tMAXが(360度/N)の周期で繰り返されることが示される。厚み寸法tの最小値tMINは、厚み寸法tが最大値となる角度位置から(180度/N)だけずれて、(360度/N)の周期で繰り返される。このように、板材の厚み寸法tを周期的に変化させることで、剛性を周期的に変化させることができる。厚み寸法tの変化の一例を挙げると、tMINが約0.2mm程度、tMAXが約0.5〜0.8mm程度である。これは一例であって、スピーカー10の仕様によって適宜変更される。
図4(c)は、横軸を(a)と同じに取り、縦軸に振動板部32またはダストキャップ部34を構成する板材の凹凸を取ったものである。厚み寸法tが一定値t0を有する板材に凹凸をつけると、凹凸のある部分が凹凸のない部分に比べ剛性が高くなる凹凸リブとして働く。ここでは、凹凸がある部分の角度位置が(360度/N)の周期で繰り返されることが示される。凹凸がなく平坦な部分の角度位置は、凹凸が設けられる角度位置から(180度/N)だけずれて、(360度/N)の周期で繰り返される。このように、板材の厚み寸法t0を一定として、凹凸をつける位置、すなわち凹凸リブを設ける位置を周期的に変化させることで、剛性を周期的に変化させることができる。凹凸の寸法の一例を挙げると、t0を約0.2mmとして、凹凸の上の頂点から下の頂点の間の距離が約0.5〜0.8mm程度である。これは一例であって、スピーカー10の仕様によって適宜変更される。
剛性を周期的に変化させる方法として、厚み寸法を周期的に変化させる方法と凹凸リブを周期的に設ける方法のいずれを用いてもよく、板材の厚み寸法を周期的に変化させながらその周期に合わせて凹凸リブを周期的に設けるものとしてもよい。振動板部32とダストキャップ部34の双方について同じ方法を用いてもよく、振動板部32とダストキャップ部34とで異なる方法を用いてもよい。例えば、振動板部32について板材の厚み寸法を変化させ、ダストキャップ部34について凹凸リブを周期的に設けるものとしてもよく、逆に、振動板部32について凹凸リブを周期的に設け、ダストキャップ部34について板材の厚み寸法を変化させるものとしてもよい。
ネック部36の厚み寸法を周期的に変化させた振動板部32について説明する。振動板部32のコーン部38は、裏面側が滑らかな平面で、裏面側に対する表面側の高さ寸法である厚み寸法が、コーン部38の外周端44から内周端42に向かって次第に厚くなるように設定される。すなわち、コーンが絞られるにつれて剛性が高くなるように設定される。ネック部36においては、このコーン部38における厚み寸法の変化がそのまま延長されたとしたときの厚み寸法をtMINとして、図4(b)で説明したように、(360度/N)の周期で厚み寸法がtMINよりも厚いtMAXの部分が設けられる。このように、振動板部32における厚み寸法は、径方向、周方向について、連続的になめらかに変化する。
上記構成の作用効果について、図5、図6を用いて説明する。図5、図6は、シミュレーションによって周波数−音圧特性について指向方向の角度Ψを変えて調べた結果を示すものである。シミュレーションの条件は、振動板12の外径を100mm、中心孔径を20mm、剛性の変化は厚み寸法の変化で行い、tMIN=0.22mm、tMAX=0.7mm、剛性変化の周期数をN=8とし、スピーカー10のZ軸方向に沿って離間距離1mを音圧評価の基準位置とした。
図5は、θ=0度、図6は、θ=(180度/N)=22.5度における特性である。つまり、図5は、指向特性の基準平面を、Z軸を含むθ=0度に設定する場合であり、一方、図6は、指向特性の基準平面を、Z軸を含むθ=(180度/N)=22.5度に設定する場合である。図5、図6のそれぞれにおいて、(a)はΨ=0度、(b)はΨ=30度、(c)はΨ=60度の場合である。各図の横軸は周波数で、1kHzから10kHzの範囲を示した。縦軸は規格化した音圧(dB)である。
図5、図6において、太い実線で示す特性は、図1から図3で説明した構造で、振動板部32の厚み寸法最大の位置がダストキャップ部34の厚み寸法最小の位置となるように設定したときの特性である。細い実線で示す特性は、従来技術の構造で、振動板部32の厚み寸法がθ方向に沿って一様で、ダストキャップ部34の厚み寸法もθ方向に沿って一様なものである。一様な厚み寸法は、tMINに合わせ0.22mmとした。図5における一点鎖線で示す特性は、比較例として、厚み寸法の変化はθ方向に沿って(360度/N)の周期で変化するが、振動板部32の厚み寸法最大の位置がダストキャップ部34の厚み寸法最大の位置となるように設定したときの特性である。
図5に示されるように、従来技術の振動板においては、高音域特性での音圧低下が大きい。図5、図6に示されるように、一点鎖線で示される比較例は、X=X0方向とX=(X0+22.5度)の方向における特性に差がみられ、前者の方向では高音域でも音圧低下が抑制されているが、後者の方向では高音域で音圧低下がみられる。これに対し、図1から図3の構造によるものは、指向方向のいずれの角度においても、X=X0方向とX=X0+22.5度の方向の間の特性差が少なく、音圧の低下が抑制され、高音域特性が伸びている。
このように、振動板12において、振動板部32のθ方向における剛性の周期的変化と、ダストキャップ部34のθ方向における剛性の周期的変化について、一方側の剛性最大の位置と他方側の剛性最小の位置を対向させることで、音圧特性、指向特性を改善することができる。
10 (動電型)スピーカー、12 (スピーカー)振動板、14 フレーム、16 ボイスコイル、18 磁気回路、20 磁気空隙、22 エッジ、24 ガスケット、
26 ダンパー、32 振動板部、34 ダストキャップ部、36 ネック部、38 コーン部、40 中心孔、42 内周端、44 外周端、46、48 一周線。

Claims (6)

  1. 中心孔を有するコーン形状の振動板部、及び該中心孔を覆うように構成されるドーム形状のダストキャップ部を備えるスピーカー振動板であって、
    該振動板部は、その内周側に周方向をN(N:2以上の整数)等分する周期で剛性が所定範囲内で変化する第1剛性変化部を有し、
    該ダストキャップ部は、その外周側に周方向を該N等分する周期で剛性が所定範囲内で変化する第2剛性変化部を有し、
    該ダストキャップ部の中心点を通過する中心軸を含む第1径方向断面において、該第1剛性変化部の最大剛性部分と該第2剛性変化部の最小剛性部分とが対向し、かつ、該第1径方向断面から周方向に(180度/N)回転した第2径方向断面において、該第1剛性変化部の最小剛性部分と該第2剛性変化部の最大剛性部分とが対向する、スピーカー振動板。
  2. 厚み寸法の変化に基づいて、前記振動板部の剛性と前記ダストキャップ部の剛性が変化する、請求項1に記載のスピーカー振動板。
  3. リブを所定の周期で設けることで、前記振動板部の剛性と前記ダストキャップ部の剛性が変化する、請求項1に記載のスピーカー振動板。
  4. 前記振動板部と前記ダストキャップ部とが別部品で形成され接着剤で連結されて構成される、請求項1から3のいずれか1に記載のスピーカー振動板。
  5. 前記振動板部と前記ダストキャップ部とが一体で構成される、請求項1から3のいずれか1に記載のスピーカー振動板。
  6. 請求項1から5のいずれか1に記載のスピーカー振動板と、
    該スピーカー振動板の前記中心孔の周縁部に連結するボビンに巻回されるコイルを含むボイスコイルと、
    該ボイスコイルの該コイルが配置される磁気空隙を規定する磁気回路と、
    を備える、動電型スピーカー。
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