JP2015159665A - トルク推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機を含む装置全体の大型化、高コスト化を伴わない、簡単な構成により、電動機のトルクを精度よく推定する。
【解決手段】ステータとロータとを有する電動機のトルクを推定するトルク推定装置であって、ステータとロータとの間の空隙に配置した、ロータの半径方向および周方向の磁束密度を計測する磁束密度センサ3からの磁束密度計測値に基づいて、電動機のトルクを推定する。
【選択図】図1
【解決手段】ステータとロータとを有する電動機のトルクを推定するトルク推定装置であって、ステータとロータとの間の空隙に配置した、ロータの半径方向および周方向の磁束密度を計測する磁束密度センサ3からの磁束密度計測値に基づいて、電動機のトルクを推定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電動機のトルク推定装置に関する。
従来、回転電機に流れる電流に基づいて、回転電機のトルクを推定する技術が知られている(特許文献1参照)。また、回転軸上に配置した磁歪素子の信号を、固定子側に配置した励磁検出コイルで検出することにより、回転電機のトルクを検出する方法も知られている(特許文献2参照)。特許文献2に記載のトルク検出方法は、特許文献1に記載のトルク推定方法に比べて、トルクを求める精度が高い。
しかしながら、回転軸上に磁歪素子を配置するとともに、固定子側に励磁検出コイルを配置する特許文献2に記載の方法では、回転電機を含む装置全体が大型化し、高コスト化につながる。
本発明は、回転電機を含む装置全体の大型化、高コスト化につながらない、簡単な構成により、電動機のトルクを精度よく推定することを目的とする。
本発明によるトルク推定装置は、固定子(ステータ)と、回転子(ロータ)とを有する電動機(モータ)のトルクを推定するトルク推定装置であって、ステータとロータとの間の空隙に配置した、ロータの半径方向および周方向の磁束密度を計測する磁束密度計測手段の磁束密度計測値に基づいて、電動機のトルクを推定する。
本発明によれば、ステータとロータとの間の空隙に配置した磁束密度計測手段の磁束密度計測値に基づいて、電動機のトルクを推定するので、回転電機を含む装置全体の大型化、高コスト化につながることなく、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
《第1の実施形態》
図1は、第1の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図であって、電動機の回転軸方向における端面を表している。この電動機(モータ)は、円環形のステータ1と、このステータ1と同軸的に配置された円柱形のロータ2とを備え、ステータ1とロータ2との間の空隙(エアギャップ)に、後述する磁束密度センサ3が複数個取り付けられている。
図1は、第1の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図であって、電動機の回転軸方向における端面を表している。この電動機(モータ)は、円環形のステータ1と、このステータ1と同軸的に配置された円柱形のロータ2とを備え、ステータ1とロータ2との間の空隙(エアギャップ)に、後述する磁束密度センサ3が複数個取り付けられている。
ステータ1は、ステータコア11と、図示しない複数のコイルとを備える。コイルは、ステータコア11に、回転中心から同距離円周上に等角度間隔で形成されるスロット12に収設される。
ロータ2には、回転中心から同距離円周上に等角度間隔で複数の永久磁石22が埋め込まれている。
磁束密度センサ3は、例えばホール素子等で構成され、半径方向および周方向の磁束密度を計測することができる。磁束密度センサ3は、図1の右側の拡大図に示すように、ステータ1とロータ2との間のエアギャップに、ステータ1の内周(ロータ2の外周)に沿って複数配置されている。
電動機が駆動すると、すなわちロータ2が回転すると、ステータ1とロータ2との間の磁束密度センサ3の検出範囲における磁束密度が変化する。磁束密度センサ3は、それぞれの検出範囲における磁束密度を計測し、計測した磁束密度情報を、図示しないモータコントローラへと送信する。例えば、あるタイミングにおいて、ステータ1の内周に配置された複数の磁束密度センサ3のうち、ロータ2の1電気角周期分にわたって配置された磁束密度センサ3が計測した磁束密度情報に基づく半径方向磁束密度Brおよび周方向磁束密度Bθの磁束密度の分布は、図2、図3のようになる。
次に、電動機のトルクの算出方法を説明する。図示しないモータコントローラでは、上述した半径方向磁束密度Brおよび周方向磁束密度Bθと、真空透磁率μ0と、電動機および磁束密度センサ3の寸法緒元とに基づいて、電動機のトルクの推定値を算出する。具体的には、図4に示すように、マクスウェル応力の式に基づいて、ステータ1の内周に配置された複数の磁束密度センサ3のうちの一つより受信した半径方向磁束密度Brと周方向磁束密度Bθとの積に、磁束密度センサ3のセンサ有効面積Sを乗じ、得た値を真空透磁率μ0で除することで、センサ1個分が検出した周方向の電磁力を算出する。そして、磁束密度センサ1個分の電磁力算出値に、回転中心から磁束密度センサ3の取り付け位置までの半径距離rを乗じた値を、ステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置された磁束密度センサ3の全周の個数分加算する。最後に、加算して得た値を軸長換算することで電動機のトルクが算出できる。なお、ここでの軸長換算は、電磁力算出値に半径距離rを乗じた値を磁束密度センサ3の全周の個数分加算して得た値と、モータ軸長との積を、センサ軸長で除することをいう。
図5は、電気角毎のトルク値を表したトルク波形図であって、電気角30°分のトルク波形を表している。一点鎖線で表すFEM(Finite Element Method:有限要素法)により解析したトルク(FEMトルク)に対して、実線で表す磁束密度センサ3の計測情報に基づく推定トルクはほぼ一致しており、本実施形態におけるトルク算出方法によって、電動機のトルクを精度よく推定できていることが分かる。
以上、第1の実施形態によれば、ステータ1とロータ2とを有する電動機のトルクを推定するトルク推定装置であって、ステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置されたロータ2の半径方向および周方向の磁束密度を計測する磁束密度センサ3が計測した磁束密度計測値に基づいて、電動機のトルクを推定する。これにより、ロータ1側に磁歪素子等で構成されたセンサ等を配置することなく、ステータ側のみに設置した磁束密度センサ3からの磁束密度情報に基づいて電動機のトルクを推定することが可能となるため、電動機の大型化、高コスト化につながることなく、簡単な構成で、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
特に、第1の実施形態によれば、磁束密度センサからの磁束密度情報と、真空透磁率μ0、および電動機の寸法緒元に基づいて、電動機のトルクを推定する。これにより、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
《第2の実施形態》
図6は、第2の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図であって、電動機の回転軸方向における端面を表している。第1の実施形態では、磁束密度センサ3の配置が、ステータ1とロータ2との間のエアギャップ全周にわたっていたのに対して、本実施形態においては、磁束密度センサ3の配置が、ステータ1とロータ2との間のエアギャップ1電気角周期分にわたることを特徴とする。
図6は、第2の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図であって、電動機の回転軸方向における端面を表している。第1の実施形態では、磁束密度センサ3の配置が、ステータ1とロータ2との間のエアギャップ全周にわたっていたのに対して、本実施形態においては、磁束密度センサ3の配置が、ステータ1とロータ2との間のエアギャップ1電気角周期分にわたることを特徴とする。
1電気角ごとに回転対称構造であるモータにおいては、1電気角周期分にわたって配置された磁束密度センサ3からの磁束密度計測値に基づいて、第1の実施形態において述べた電動機のトルクの算出方法と同様に演算することで、サンプリングごとに、1電気角周期分のトルク波形(図5参照)を検出することが出来る。また、図6で示すとおり、3回回転対称構造であるモータの場合は、得られた1電気角周期分のトルク推定値を3倍することで、電動機のトルクを推定することができる。なお、ロータ2の回転に伴い、1電気角周期ごとに3回サンプリングすることで、全周分の磁束密度を計測し、電動機のトルクを推定することも可能である。
以上、第2の実施形態によれば、磁束密度センサ3は、ロータ2の周方向に隣接するように、ロータの2の1電気角周期分にわたって複数配置される。これにより、ステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置する磁束密度センサの個数を、第1の実施形態と比べて減らすことができる。
《第3の実施形態》
図7は、第3の実施形態における磁束密度センサ3の配列の態様を説明する図であって、電動機の回転軸方向における端面の一部を表している。図7(a)が、第1の実施形態における磁束密度センサ3の配列を示しているのに対して、図7(b)および図7(c)は、本実施形態における配列の態様を示している。図7(b)はステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置する磁束密度センサ3の個数を、第1の実施形態に比べて1/2に減らした場合、図7(c)は、磁束密度センサ3の個数を、第1の実施形態に比べて1/3に減らした場合の配列を表している。本実施形態では、磁束密度センサ3が、周方向に一定の空隙を有して配置されていることが分かる。
図7は、第3の実施形態における磁束密度センサ3の配列の態様を説明する図であって、電動機の回転軸方向における端面の一部を表している。図7(a)が、第1の実施形態における磁束密度センサ3の配列を示しているのに対して、図7(b)および図7(c)は、本実施形態における配列の態様を示している。図7(b)はステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置する磁束密度センサ3の個数を、第1の実施形態に比べて1/2に減らした場合、図7(c)は、磁束密度センサ3の個数を、第1の実施形態に比べて1/3に減らした場合の配列を表している。本実施形態では、磁束密度センサ3が、周方向に一定の空隙を有して配置されていることが分かる。
図8は、図7(a)〜(c)で表した配列態様において計測した磁束密度情報に基づいて算出したトルク推定値と、実トルク値とを比較した図である。配置する磁束密度センサ3の個数を少なくするほど精度は低下するものの、実トルク値に類似したトルク推定値を検出できていることが分かる。これにより、第1の実施形態と同様に、サンプリングごとの電動機のトルク瞬時値、およびトルク波形を検出することができる。
以上、第3の実施形態によれば、磁束密度センサ3は、ロータ2の周方向に、一定の空隙を有して複数配置される。これにより、ステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置する磁束密度センサ3の個数を減らすことができる。
《第4の実施形態》
図9は、第4の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図であって、電動機の回転軸方向における端面を表している。図9(a)、(b)における、黒太線90は、本実施形態における磁束密度センサ3の配置幅を表しており、磁束密度センサ3の配置が1スロット間角度にわたることを示している。図9(b)は、図9(a)の状態からロータ2が1電気角周期分回転した状態である。
図9は、第4の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図であって、電動機の回転軸方向における端面を表している。図9(a)、(b)における、黒太線90は、本実施形態における磁束密度センサ3の配置幅を表しており、磁束密度センサ3の配置が1スロット間角度にわたることを示している。図9(b)は、図9(a)の状態からロータ2が1電気角周期分回転した状態である。
本実施形態における配列態様では、サンプリングごとの電動機のトルク瞬時値は取得できないものの、ロータ2の回転に応じてサンプリングを重ねることで、所望の周長における磁束密度計測値を得ることができる。例えば、ロータ2が電気角1周期分回転する間に複数回(本実施形態においては例えば12回)サンプリングして得た磁束密度情報は、図2、図3と同等となり、これに基づいて、電気角1周期分のトルク波形(図5参照)を検出することができる。また、ロータ2の回転に応じて、1スロット間毎に全周分サンプリングすることで、全周分の磁束密度を計測し、電動機のトルクを推定することも可能である。なお、磁束密度センサ3は、少なくとも一つ以上配置されていればよく、配置幅に応じてサンプリング回数を調整することで、所望の周長における磁束密度計測値を得ることができる。
以上、第4の実施形態によれば、磁束密度センサ3は、ロータ2の周方向に、ステータ2の少なくとも1スロット間にわたって複数配置される。これにより、ステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置する磁束密度センサ3の個数を、第1の実施形態と比べて大幅に減らすことができる。
また、第4の実施形態によれば、磁束密度センサ3が、ロータ2の回転に応じて、少なくとも1電気角周期分サンプリングした計測値に基づいて、電動機のトルクを推定する。これにより、ステータ1とロータ2との間のエアギャップに配置する磁束密度センサを大幅に減らすことが出来るとともに、ロータ2外周の所望の周長における磁束密度を計測し、トルク波形を検出することができる。
《第5の実施形態》
図10は、第5の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図である。図10(a)は、電動機の回転軸方向と平行な平面による断面略図である。図10(b)は、図10(a)のA−A断面図であって、この軸方向位置におけるスタータ1とロータ2との間のエアギャップに、半径方向の磁束密度を検出する半径方向磁束密度センサ4が配置されていることを示している。図10(c)は、図10(a)のB−B断面図であって、この軸方向位置におけるスタータ1とロータ2との間のエアギャップに、周方向の磁束密度を検出する周方向磁束密度センサ5が配置されていることを示している。すなわち、本実施形態では、第1から第4の実施形態とは異なり、一方向のみの磁束密度を検出可能な一軸の磁束密度センサを用いる。
図10は、第5の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図である。図10(a)は、電動機の回転軸方向と平行な平面による断面略図である。図10(b)は、図10(a)のA−A断面図であって、この軸方向位置におけるスタータ1とロータ2との間のエアギャップに、半径方向の磁束密度を検出する半径方向磁束密度センサ4が配置されていることを示している。図10(c)は、図10(a)のB−B断面図であって、この軸方向位置におけるスタータ1とロータ2との間のエアギャップに、周方向の磁束密度を検出する周方向磁束密度センサ5が配置されていることを示している。すなわち、本実施形態では、第1から第4の実施形態とは異なり、一方向のみの磁束密度を検出可能な一軸の磁束密度センサを用いる。
一軸の磁束密度センサを二つ用いる場合、同一の位置に重ねて配置することはできないため、異なる位置に配置する必要がある。本実施形態では、図10(a)〜図10(c)に示すように、一軸の磁束密度センサである半径方向磁束密度センサ4と、同じく一軸の磁束密度センサである周方向磁束密度センサ5を、モータの軸方向における中心付近であって、回転軸方向における位置は異なるが、周方向における位置が同じとなるように配置する。
一般的に、モータの軸方向中心付近では、周方向の位置が同じであれば、回転軸方向における位置が異なっていても、磁束密度分布は同等である。従って、半径方向磁束密度センサ4と周方向磁束密度センサ5の配置を、モータの軸方向中心付近において、周方向位置は同じであるが、軸方向に異なる位置に配置しても、周方向および軸方向の位置が同じ位置に配置した場合と同等の磁束密度を検出することができる。これにより、一軸の磁束密度センサを二つ用いて異なる位置に配置する場合でも、二軸(半径方向および周方向)の磁束密度センサによって検出される磁束密度と同等な計測値を得ることができる。
一般的に、モータの軸方向中心付近では、周方向の位置が同じであれば、回転軸方向における位置が異なっていても、磁束密度分布は同等である。従って、半径方向磁束密度センサ4と周方向磁束密度センサ5の配置を、モータの軸方向中心付近において、周方向位置は同じであるが、軸方向に異なる位置に配置しても、周方向および軸方向の位置が同じ位置に配置した場合と同等の磁束密度を検出することができる。これにより、一軸の磁束密度センサを二つ用いて異なる位置に配置する場合でも、二軸(半径方向および周方向)の磁束密度センサによって検出される磁束密度と同等な計測値を得ることができる。
以上、第5の実施形態によれば、半径方向磁束密度センサ4と周方向磁束密度センサ5とを備え、半径方向磁束密度センサ4は、周方向磁束密度センサ5とは、ロータ2の周方向の位置は同一で、回転軸方向の位置が一定の距離をもってずらして配置される。これにより、一軸の磁束密度センサの組み合わせによっても、同一周方向位置に配置した2軸の磁束密度センサから得られる計測値と、等価的に同等な計測値が測定可能となり、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
《第6の実施形態》
図11は、第6の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図である。図11(a)は、電動機の回転軸方向と平行な平面による断面略図(右側の図)と、そのA−A断面図(左側の図)である。図11(b)は、図11(a)のA−A断面図中の、点線四角枠の拡大図であり、図11(a)の太点線110で示す、ロータ2の1電気角分にわたるステータ1とロータ2との間のエアギャップに、半径方向の磁束密度を検出する半径方向磁束密度センサ4が配置されていることを示している。図11(c)は、図11(a)のA−A断面図中の、実線四角枠の拡大図であり、図11(a)の太実線111で示す、ロータ2の1電気角分にわたるステータ1とロータ2との間のエアギャップに、周方向の磁束密度を検出する周方向磁束密度センサ5が配置されていることを示している。すなわち、本実施形態における磁束密度センサの配置は、半径方向磁束密度を検出する磁束密度センサと、周方向磁束密度を検出する磁束密度センサとが、軸方向位置は同一で、周方向位置を1電気角単位でずらして、別個に配置されていることを特徴とする。
図11は、第6の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図である。図11(a)は、電動機の回転軸方向と平行な平面による断面略図(右側の図)と、そのA−A断面図(左側の図)である。図11(b)は、図11(a)のA−A断面図中の、点線四角枠の拡大図であり、図11(a)の太点線110で示す、ロータ2の1電気角分にわたるステータ1とロータ2との間のエアギャップに、半径方向の磁束密度を検出する半径方向磁束密度センサ4が配置されていることを示している。図11(c)は、図11(a)のA−A断面図中の、実線四角枠の拡大図であり、図11(a)の太実線111で示す、ロータ2の1電気角分にわたるステータ1とロータ2との間のエアギャップに、周方向の磁束密度を検出する周方向磁束密度センサ5が配置されていることを示している。すなわち、本実施形態における磁束密度センサの配置は、半径方向磁束密度を検出する磁束密度センサと、周方向磁束密度を検出する磁束密度センサとが、軸方向位置は同一で、周方向位置を1電気角単位でずらして、別個に配置されていることを特徴とする。
1電気角ごとに回転対称構造であるモータにおいては、回転対称に位置するセンサは、基点となるセンサから離れた電気角分オフセットすることで、等価的に同一位置での磁束密度の測定が可能となる。したがって、一軸の磁束密度センサを用いる場合であっても、半径方向磁束密度センサ4と周方向磁束密度センサ5とを、一方のセンサを基点とし、他方のセンサを、基点から周方向に少なくとも1電気角分ずらして配置することで、2軸の磁束密度センサを上記基点に配置した場合に得られる磁束密度の計測値と同等な計測値を得ることができる。
また、本実施形態における半径方向磁束密度センサ4と、周方向磁束密度センサ5の軸方向位置は同一であるため、第4の実施形態と比べて、軸方向ずれに起因する磁束変化の影響は小さい。したがって、本実施形態にかかるセンサ配置は、軸方向位置のずれによる磁束の変化が大きいモータ(例えば扁平モータ)に適用する際は特に有効である。
また、本実施形態における半径方向磁束密度センサ4と、周方向磁束密度センサ5の軸方向位置は同一であるため、第4の実施形態と比べて、軸方向ずれに起因する磁束変化の影響は小さい。したがって、本実施形態にかかるセンサ配置は、軸方向位置のずれによる磁束の変化が大きいモータ(例えば扁平モータ)に適用する際は特に有効である。
以上、第6の実施形態によれば、半径方向磁束密度センサ4と、周方向磁束密度センサ5とを備え、半径方向磁束密度センサ4は、周方向磁束密度センサ5と、周方向にロータ2の電気角の整数倍離れた位置に配置される。これにより、一軸の磁束密度センサの組み合わせによっても、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
《第7の実施形態》
図12(a)は、磁束密度センサ3の構造の一例を表した略図である。本実施形態における磁束密度センサ3は、例えばプリント基板等の基板部7上に、磁束を検出する、例えばホール素子等の検出部6を載置して構成される。上側の図は磁束密度センサ3の側面を表し、下側の図は平面を表している。図から分かるように、磁束密度センサ3は、構造上、基板部7の幅>検出部6の幅となる。したがって、磁束密度センサ3を隙間なく配列しても、検出部6の間隙8(図12(b)参照)が生じるため、磁束密度センサの検出部6を、隙間なく隣接させるのは困難である。本実施形態では、磁束密度センサ3を後述する配列の態様とすることで、検出部6を周方向に隙間なく敷き詰めた時と、等価的に同等の計測値を得ることが可能となる。以下、その例を説明する。
図12(a)は、磁束密度センサ3の構造の一例を表した略図である。本実施形態における磁束密度センサ3は、例えばプリント基板等の基板部7上に、磁束を検出する、例えばホール素子等の検出部6を載置して構成される。上側の図は磁束密度センサ3の側面を表し、下側の図は平面を表している。図から分かるように、磁束密度センサ3は、構造上、基板部7の幅>検出部6の幅となる。したがって、磁束密度センサ3を隙間なく配列しても、検出部6の間隙8(図12(b)参照)が生じるため、磁束密度センサの検出部6を、隙間なく隣接させるのは困難である。本実施形態では、磁束密度センサ3を後述する配列の態様とすることで、検出部6を周方向に隙間なく敷き詰めた時と、等価的に同等の計測値を得ることが可能となる。以下、その例を説明する。
図13は、第7の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図である。図13(a)は、電動機の回転軸方向と平行な平面による断面略図である。図13(b)は、図13(a)のA−A部分断面図であって、特に、磁束密度センサ3を配置した際における磁束密度センサの検出部6の位置を示している。図13(c)は、図13(a)のB−B部分断面図であって、特に、磁束密度センサ3を配置した際における磁束密度センサの検出部6の位置を示している。図13(b)と図13(c)とを比較すると、A−A部分断面図における磁束密度センサの検出部6は、B−B部分断面図における間隙8に相当する位置に配置され、B−B部分断面図における磁束密度センサの検出部6は、A−A部分断面図における間隙8に相当する位置に配置されているのが分かる。
すなわち、第7の実施形態における磁束密度センサ3は、軸方向位置をずらして配列し、かつ、異なる軸方向位置に配列した磁束密度センサ3の検出部6の相対的な周方向位置が磁気的に隣接するように配置することで(例えば図14のように配置)、検出部6を周方向に間隙なく敷き詰めた場合と、等価的に同等の計測値を得ることができる。なお、磁気的に隣接するとは、検出部6が磁束を有効に検出することができる範囲が隣接しているという意味であり、検出部6の物理的な構造幅が隣接している状態に限られない。
以上、第7の実施形態によれば、磁束密度センサ3は、磁束密度を検出する検出部6と、検出部6を載置する基板部7とを有し、ロータ2の周方向における検出部6の位置が磁気的に隣接するように、回転軸方向の位置をずらしながら複数配置される。これにより、磁束密度センサ3の検出部6を周方向に間隙なく敷き詰めた場合と、等価的に同等の計測値を得ることができ、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
《第8の実施形態》
第8の実施形態では、第7の実施形態とは別の構成により、検出部6を周方向に隙間なく敷き詰めた時と、等価的に同等の計測値を得ることができる例を説明する。
第8の実施形態では、第7の実施形態とは別の構成により、検出部6を周方向に隙間なく敷き詰めた時と、等価的に同等の計測値を得ることができる例を説明する。
図15は、第8の実施形態のトルク推定装置の構成を説明するための図であって、電動機の回転軸方向における端面を表している。図15において、点線151〜153と、ステータ1とロータ2との間のエアギャップとが交差する箇所は、電気角単位で3回回転対称構造であるロータ2の回転対称の位置であって、それぞれ周方向に電気角の整数倍離れた位置を表している。本実施形態では、複数の磁束密度センサ3の検出部141、142、143が、図で分かるように厳密に同一な回転対称位置ではなく、それぞれ周方向に電気角の整数倍離れた位置を基準として、周方向に磁気的に隣接するように配置する。
なお、本実施形態における磁束密度センサ3は、周方向に少なくとも1倍以上の電気角オフセットを有し、1もしくは2以上の組であって、トルク推定に必要な個数分配置すればよい。
また、本実施形態における磁束密度センサ3は、同軸上に配置されているので、軸方向ずれによる磁束変化の影響は、第7の実施形態と比べて小さい。したがって、軸方向位置のずれによる磁束の変化が大きいモータ(例えば扁平モータ)に適用する際は特に有効である。
以上、第8の実施形態によれば、磁束密度センサ3は、磁束密度を検出する検出部6と、検出部6を載置する基板部7とを有し、周方向にロータ2の電気角の整数倍離れた位置を基準として、ロータ2の周方向における検出部6の位置が磁気的に隣接するように、複数配置される。これにより、磁束密度センサ3の検出部6を周方向に間隙なく敷き詰めた場合と、等価的に同等の計測値を得ることができ、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
《第9の実施形態》
図16は、第9の実施形態における電動機のトルクの算出方法を示している。第9の実施形態におけるトルク推定装置は、予め取得した、電動機のトルクと磁束密度センサ3から得た磁束密度計測値との関係を記憶したテーブル160を格納しており、磁束密度センサ3から得た半径方向磁束密度Brおよび周方向磁束密度Bθとに基づいて、当該テーブル160を参照することにより電動機のトルクを推定することを特徴とする。
図16は、第9の実施形態における電動機のトルクの算出方法を示している。第9の実施形態におけるトルク推定装置は、予め取得した、電動機のトルクと磁束密度センサ3から得た磁束密度計測値との関係を記憶したテーブル160を格納しており、磁束密度センサ3から得た半径方向磁束密度Brおよび周方向磁束密度Bθとに基づいて、当該テーブル160を参照することにより電動機のトルクを推定することを特徴とする。
テーブル160は、図16に示すように、磁束密度センサ3からの半径方向磁束密度Brと周方向磁束密度Bθとを乗じた値(磁束密度積)を、配置した磁束密度センサの個数分加算して得た値と、その値に応じた、予め取得した電動機のトルクの実測値の平均値Tr_avgとの関係を定めたものである。図で示す通り、モータコントローラ内において、磁束密度センサ3が計測して得た半径方向磁束密度Brと周方向磁束密度Bθとの積値を、配置した磁束密度センサ3の全個数分加算した値を算出し、テーブル160を参照することによりトルクの推定値を得ることができる。
また、テーブル160を作成する為のデータ収集の際に、配置する磁束密度センサ3の個数を必要最小限に止めることで、実際のトルク推定装置においても、データ収集の際に配列した磁束密度センサ3の配置に相当する、必要最小限の配置でトルクの推定値を得ることができる。
以上、第9の実施形態によれば、電動機のトルクと磁束密度センサ3から得た計測値との関係を求めたテーブル160を備え、磁束密度センサ3からの磁束密度情報と、テーブル160とに基づいて、電動機のトルクを推定する。これにより、電動機の大型化、高コスト化につながることなく、簡単な構成で、電動機のトルクを精度よく推定することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることはない。例えば、第1の実施形態から第9の実施形態において述べた上記トルク検出を、軸方向に少なくとも2か所以上について実施してもよい。これにより、電動機の軸端部における漏れ磁束の影響等も加味した、より正確なトルク検出値を得ることができる。また、各実施形態は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせることができる。
1…ステータ(固定子)
2…ロータ(回転子)
3…磁束密度センサ(磁束密度計測手段)
4…半径方向磁束密度センサ(半径方向磁束密度計測手段)
5…周方向磁束密度センサ(周方向磁束密度計測手段)
6…検出部(センサ部)
7…基板部
12…スロット
2…ロータ(回転子)
3…磁束密度センサ(磁束密度計測手段)
4…半径方向磁束密度センサ(半径方向磁束密度計測手段)
5…周方向磁束密度センサ(周方向磁束密度計測手段)
6…検出部(センサ部)
7…基板部
12…スロット
Claims (12)
- 固定子と回転子とを有する電動機のトルクを推定するトルク推定装置であって、
前記固定子と前記回転子との空隙に配置され、前記回転子の半径方向および周方向の磁束密度を計測する磁束密度計測手段と、
前記磁束密度計測手段の計測値に基づいて前記電動機のトルクを推定するトルク推定手段と、
を備えることを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1に記載のトルク推定装置において、
前記トルク推定手段は、前記磁束密度計測手段の計測値と、さらに真空透磁率および電動機の寸法緒元に基づいて電動機のトルクを推定する、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1または2に記載のトルク推定装置において、
前記磁束密度計測手段は、前記回転子の周方向に隣接するように、前記回転子の一電気角分にわたって複数配置される、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1または2に記載のトルク推定装置において、
前記磁束密度計測手段は、前記回転子の周方向に、一定の空隙を有して複数配置される、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1または2に記載のトルク推定装置において、
前記固定子は、内周側に均等な間隔を有して形成された複数のスロットを有し、
前記磁束密度計測手段は、前記回転子の周方向に、前記固定子の少なくとも1スロット間にわたって複数配置される、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載のトルク推定装置において、
前記磁束密度計測手段は、前記回転子の半径方向の磁束密度を計測する半径方向磁束密度計測手段と、前記回転子の周方向の磁束密度を計測する周方向磁束密度計測手段と、を備え、
前記半径方向磁束密度計測手段と前記周方向磁束密度計測手段とは、前記固定子の周方向の位置は同一で、軸方向の位置が一定の距離をもってずらして配置される、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載のトルク推定装置において、
前記磁束密度計測手段は、前記回転子の半径方向の磁束密度を計測する半径方向磁束密度計測手段と、前記回転子の周方向の磁束密度を計測する周方向磁束密度計測手段と、を備え、
前記半径方向磁束密度計測手段は、前記周方向磁束密度計測手段と、周方向に電気角の整数倍離れた位置に配置される、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載のトルク推定装置において、
前記磁束密度計測手段は、磁束密度を検出するセンサ部と、前記センサ部を載置する基板部とを有し、回転子の周方向における前記センサ部の位置が磁気的に隣接するように、軸方向の位置をずらしながら複数の磁束密度検出手段が配置される、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載のトルク推定装置において、
前記磁束密度計測手段は、磁束密度を検出するセンサ部と、前記センサ部を載置する基板部とを有し、周方向に電気角の整数倍離れた位置を基準として、回転子の周方向における前記センサ部の位置が磁気的に隣接するように、複数の磁束密度計測手段が配置される、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1から9のいずれかに記載のトルク推定装置において、
前記トルク推定手段は、電動機のトルクと前記磁束密度計測手段の計測値との関係を求めたテーブルを備え、前記磁束密度計測手段の計測値と、前記テーブルに基づいて前記電動機のトルクを推定する、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1から10のいずれかに記載のトルク推定装置において、
前記トルク推定手段は、前記磁束密度計測手段が、前記回転子の回転に応じて、少なくとも1電気角周期分サンプリングした計測値に基づいて、前記電動機のトルクを推定する、
ことを特徴とするトルク推定装置。 - 請求項1から11のいずれかに記載のトルク推定装置において、
前記トルク推定手段は、軸方向に少なくとも2箇所以上について計測した前記磁束密度計測手段の計測値に基づいて前記電動機のトルクを推定する、
ことを特徴とするトルク推定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014033096A JP2015159665A (ja) | 2014-02-24 | 2014-02-24 | トルク推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014033096A JP2015159665A (ja) | 2014-02-24 | 2014-02-24 | トルク推定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015159665A true JP2015159665A (ja) | 2015-09-03 |
Family
ID=54183257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014033096A Pending JP2015159665A (ja) | 2014-02-24 | 2014-02-24 | トルク推定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015159665A (ja) |
-
2014
- 2014-02-24 JP JP2014033096A patent/JP2015159665A/ja active Pending
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