JP2015154528A - 電気自動車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 永久磁石が減磁したときに即座に対応できて、減磁に起因する、左右の駆動輪のモータトルクのアンバランスにより、車両に意図しない挙動が発生することを防止する電気自動車の制御装置を提供する。【解決手段】 この電気自動車の制御装置は、永久磁石を有する同期型のモータ6と、ECU21と、パワー回路部28およびモータコントロール部29を有するインバータ装置22とを備える。モータ6を回転数制御する回転数制御手段を設ける。モータコントロール部29に、ECU21から与えられる加減速指令とモータ6の駆動状態の検出信号とから、永久磁石に減磁が生じたか否かを判定する減磁判定部34と、減磁判定部34で永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、トルク制御から回転数制御手段による回転数制御に切換える切換制御手段38とを設けた。【選択図】 図2

Description

この発明は、車両の複数の駆動輪を、複数の永久磁石式同期電動機で個別に駆動する電気自動車の制御装置に関し、永久磁石式同期電動機の永久磁石が減磁している場合、左右車輪トルクのアンバランスを無くして、安定した駆動を行うことができる制御技術に関する。
車両の複数の駆動輪を、複数の永久磁石式同期電動機で個別に駆動する独立車輪駆動電動車では、左右の駆動輪を駆動する電動機の間で出力トルクのアンバランスが生じると、意図しないヨーモーメントが発生して車両挙動に悪影響を与える。このため、左右の駆動輪の出力トルクのアンバランスを適切に是正することが求められる。
従来技術1
従来、いずれかの電動機が減磁状態となっている場合、減磁した電動機で実現可能なトルク範囲内で複数の電動機の出力トルクが一致するように、複数の電動機に対する電流指令値を各々演算する制御装置が開示されている(特許文献1)。
従来技術2
自動車走行時に減磁が生じた場合、電動モータのリラクタンストルクが増大するように、電動モータのロータの位相に対する最大電流を流すタイミングを変更する技術が提案されている(特許文献2)。これにより、電動モータの駆動力の低下を抑え、電気自動車を、修理工場や道路脇等に自走により移動させ得る。
特開2010−268566号公報 特開2013−110804号公報
従来技術1では、減磁状態となった場合、複数の電動機の出力トルクが一致するように、複数の電動機に対する電流指令値を各々演算する。このため演算時間がかかり、左右のトルク差が閾値より大きい場合は、直ちに、複数の電動機の出力トルクを一致することができず、意図しないヨーモーメントが発生して車両挙動に悪影響を与えることが懸念される。
従来技術2において、モータロータの位相に対する最大電流を流すタイミングを変更することは、トルク指令マップの調整が必要となり、その調整作業は容易ではない。さらに調整時間が必要となる。そのため、トルク指令マップを調整している間に、車両に意図しない挙動が発生する可能性がある。例えば、車両の走行時に、片輪だけが多く減磁した場合、ヨーモーメントが発生して車両挙動が不安定になるおそれがある。
この発明の目的は、永久磁石が減磁したときに即座に対応できて、減磁に起因する、左右の駆動輪のモータトルクのアンバランスにより、車両に意図しない挙動が発生することを防止する電気自動車の制御装置を提供することである。
この発明の電気自動車の制御装置は、
永久磁石を有し、車輪2を駆動する同期型のモータ6と、
操作部16,17の操作に応じて加減速指令を生成し出力するECU21と、
直流電力を交流電力に変換するインバータ31を含むパワー回路部28、および、前記ECU21から与えられる前記加減速指令に従って前記パワー回路部28を介し前記モータ6をトルク制御するモータコントロール部29を有するインバータ装置22とを備えた電気自動車の制御装置において、
前記モータ6を回転数制御する回転数制御手段40を設け、
前記モータコントロール部29に、
前記ECU21から与えられる加減速指令と前記モータ6の駆動状態の検出信号とから、定められた規則に従って、前記モータ6の前記永久磁石に減磁が生じたか否かを判定する減磁判定部34と、
この減磁判定部34で前記永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、前記モータコントロール部29による前記トルク制御から前記回転数制御手段40による回転数制御に切換える切換制御手段38と、
を設けたことを特徴とする。
前記定められた規則は、例えば、試験やシミュレーション等の結果に応じて適宜に定められる。
この構成によると、電気自動車が前記モータ6として、例えば、左右の駆動輪2,2を個別に駆動する左右のモータ6,6を有する場合において、車両走行時、減磁判定部34は、ECU21から与えられる加減速指令(加速・減速指令)とモータ6の駆動状態の検出信号とから、定められた規則に従って、モータ6の永久磁石に減磁が生じたか否かを判定する。前記モータ6の駆動状態の検出信号とは、例えば、モータ6の3相コイルの各相に流れる電流Iu,Iv,Iw、および、モータ回転数等である。永久磁石に減磁が生じていないとき、モータコントロール部29による前記トルク制御を行う。
減磁判定部34で永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、切換制御手段38は、前記トルク制御から回転数制御手段40による回転数制御に切換える。これにより運転者は、とりあえず路側帯などに車両を退避させ、必要な措置を施すことが可能となる。例えば、車両の走行時に片側の駆動輪2に減磁が生じた場合、前記トルク制御から回転数制御に即座に切換えるため、左右の駆動輪2,2のモータトルクにアンバランスが生じることを迅速に抑え、前記ヨーモーメントの発生を抑制して車両の挙動を迅速に安定化させることができる。
前記電気自動車は前記モータ6として、左右の駆動輪2,2を個別に駆動する左右のモータ6,6を有し、前記モータコントロール部29は、前記左右のモータ6,6毎に前記加減速指令となるトルク指令とモータ6の電流指令との関係を定めたトルク指令マップに従って、前記モータ6をトルク制御するものであり、所定の入力に応答して、前記左右のモータ6,6のトルクが一致するように、前記トルク指令マップを調整するトルク指令マップ自動調整部35を前記モータコントロール部29に設けても良い。
この場合、前記トルク制御から回転数制御手段40による回転数制御に切換えた後、運転者は、例えば路側帯などに車両を一時的に退避させる。その後、トルク指令マップ自動調整部35は、所定の入力、例えば、運転者によるスイッチ41等の外部の操作信号からの入力信号に応答して、左右のモータ6,6のトルクが一致するように、トルク指令マップを調整する。その後、モータコントロール部29は、調整したトルク指令マップに従って、モータ6をトルク制御する。このように左右のモータ6,6のトルクを一致させ、車両に意図しないヨーモーメントが発生することを抑制し得る。
前記トルク制御から回転数制御に切換えた後、この回転数制御のまま車両を例えば修理工場や自宅駐車場等の目的地まで自走することも可能であるが、減磁が大きい方のモータ6の性能維持を考慮すると前記回転数制御のままでは低速走行しかできない。この場合、目的地までの所要時間が長くかかるうえ、この車両と他の車両との速度差が大きくなり走行上支障がある。
そこで回転数制御にて車両を一時的に退避させた後、トルク指令マップ自動調整部35により、左右のモータ6,6のトルクが一致するように、トルク指令マップを調整して再度トルク制御に戻すため、ある程度の速度を出すことが可能となる。したがって、車両を、一時的に退避させた場所から目的地まで、回転数制御のままで低速走行するよりも短時間で走行上支障なく自走させることが可能となる。
前記トルク指令マップ自動調整部35は、前記左右のモータ6,6のうち、減磁が大きい方の前記モータ6の前記トルク指令マップについて、前記トルク指令に対応する前記電流指令を減磁率が零になるまで徐々に増大させることにより前記トルク指令マップを調整しても良い。
前記減磁率とは、永久磁石の減磁の程度を表す指標であり、例えば、次のように表される。
減磁率:1−K
1−K=(Vqm−Vqy)/ω×Ke×100%
Vqm:q軸目標補正電圧
Vqy:q軸実際電圧
ω:モータ角速度
Ke:誘起電圧定数
この場合、トルク指令マップ自動調整部35は、左右のモータ6,6のうち減磁が大きいモータ6を抽出し、このモータ6の前記トルク指令マップについて、前記トルク指令に対応する前記電流指令を減磁率が零になるまで徐々に増大させることによりトルク指令マップを調整する。これにより、q軸目標補正電圧Vqmとq軸実際電圧Vqyとの差がなくなり、この調整後のトルク指令マップに従って、モータ6はトルク制御される。
前記トルク指令マップは、前記モータ6の力行制御状態と回生制御状態とにそれぞれ設けられ、前記トルク指令マップ自動調整部35は、前記モータ6の力行制御状態と回生制御状態とに分けて、前記トルク指令マップを調整しても良い。このようにモータ6の力行制御状態と回生制御状態とに分けてモータ6を木目細かく制御することができる。
前記減磁判定部34は、減磁率が一定の閾値以上でかつ一定の時間以上継続したとき、前記永久磁石に減磁が生じたと判定しても良い。前記一定の閾値として、例えば、零よりも大きな値が、前記一定の時間として、例えば、数ミリ秒〜数十ミリ秒の時間が、試験やシミュレーション等により設定される。この場合、永久磁石の減磁を精度良く判定することができる。
前記減磁判定部34で前記永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、前記回転数制御手段40は、所定の入力に応答して、前記モータ6を定められた低速走行となる回転数で回転数制御しても良い。前記定められた低速走行となる回転数は、トルク指令マップを調整する調整モードに移行したときの回転数であり、車速が、例えば、数km/h以下となるモータ回転数である。
切換制御手段38がトルク制御から回転数制御に切換えた後、モータ6を高速回転状態で長時間運転すると永久磁石の減磁が進行するおそれがある。そこで、例えば、警告ランプ等により、異常を知らせる表示を出力させて運転者の注意を喚起し、運転者は、とりあえず路側帯などに車両を迅速に退避させることができる。その後、所定の入力、例えば、運転者によるスイッチ41等の外部の操作信号からの入力信号に応答して、トルク指令マップを調整する調整モードに移行することができる。この調整モードにおいて、調整側の一方のモータ6をトルク制御でこのモータ6のトルク指令マップを調整すると共に、非調整側の他方のモータ6を前記定められた低速走行となる回転数で回転数制御する。さらに他方のモータ6のトルク指令マップを調整する場合には、非調整側の一方のモータ6を前記定められた低速走行となる回転数で回転数制御すると共に、調整側の前記他方のモータ6をトルク制御でこのモータ6のトルク指令マップを調整する。
前記モータ6はインホイールモータ駆動装置8を構成するモータ6であって、このモータ6は、左右の前輪3,3および左右の後輪2,2のいずれか一方または両方に対して設けられたものであっても良い。
この発明の電気自動車の制御装置は、永久磁石を有し、車輪を駆動する同期型のモータと、操作部の操作に応じて加減速指令を生成し出力するECUと、直流電力を交流電力に変換するインバータを含むパワー回路部、および、前記ECUから与えられる前記加減速指令に従って前記パワー回路部を介し前記モータをトルク制御するモータコントロール部を有するインバータ装置とを備えた電気自動車の制御装置において、前記モータを回転数制御する回転数制御手段を設け、前記モータコントロール部に、前記ECUから与えられる加減速指令と前記モータの駆動状態の検出信号とから、定められた規則に従って、前記モータの前記永久磁石に減磁が生じたか否かを判定する減磁判定部と、この減磁判定部で前記永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、前記モータコントロール部による前記トルク制御から前記回転数制御手段による回転数制御に切換える切換制御手段とを設けた。このため、永久磁石が減磁したときに即座に対応できて、減磁に起因する、左右の駆動輪のモータトルクのアンバランスにより、車両に意図しない挙動が発生することを防止することができる。
この発明の実施形態に係る電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。 同電気自動車のインバータ装置等の概念構成のブロック図である。 同電気自動車のIPMモータの概念構成図である。 同電気自動車の制御装置におけるトルク指令マップを示す図である。 同制御装置における減磁判定部等を示す図である。 同減磁判定部による減磁判定のフローチャートである。 同制御装置におけるトルク・回転数制御系のブロック図である。
この発明の実施形態に係る電気自動車の制御装置を図1ないし図7と共に説明する。以下の説明は、電気自動車の制御方法についての説明も含む。図1は、この電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。この電気自動車は、車体1の左右の後輪となる車輪2が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪3が従動輪の操舵輪とされた4輪の自動車である。駆動輪および従動輪となる車輪2,3は、いずれもタイヤを有し、それぞれ車輪用軸受4,5を介して車体1に回転支持されている。
車輪用軸受4,5は、図1にてハブベアリングの略称「H/B」を付してある。駆動輪となる左右の車輪2,2は、それぞれ独立の走行用のモータ6,6により駆動される。モータ6の回転は、減速機7および車輪用軸受4を介して車輪2に伝達される。これらモータ6、減速機7、および車輪用軸受4は、互いに一つの組立部品であるインホイールモータ駆動装置8を構成しており、インホイールモータ駆動装置8は、一部または全体が車輪2内に配置される。
モータ6は、ロータのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータ(すなわちIPMモータ)である。前記永久磁石には、例えば、ネオジウム系磁石が用いられている。
減速機7は、例えば、サイクロイド減速機からなる。各車輪2,3には、電動式のブレーキ9,10が設けられている。また左右の前輪となる操舵輪である車輪3,3は、転舵機構11を介して転舵可能であり、ハンドル等の操舵手段12により操舵される。
図2は、同電気自動車のインバータ装置等の概念構成のブロック図である。
この電気自動車は、自動車全般の制御を行う電気制御ユニットであるECU21と、このECU21の加減速指令に従って走行用のモータ6の制御を行うインバータ装置22とを有する。ECU21は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、並びに各種の電子回路等で構成される。ECU21は、トルク/回転数制御指令部21aと、力行・回生制御指令部21bとを有する。
トルク/回転数制御指令部21aは、基本的には、トルク制御を行う手段であるが、永久磁石が減磁した場合の応急処置用の回転数制御を行うための回転数指令部21aaを有する。トルク/回転数制御指令部21aは、アクセル操作部16の出力する加速指令(駆動)と、ブレーキ操作部17の出力する減速指令(回生)と、操舵手段12からの旋回指令とから、左右輪の走行用のモータ6,6に与える加減速指令をトルク指令値として生成し、インバータ装置22へ出力する。トルク/回転数制御指令部21aは、前記の他に、出力する加減速指令を、各車輪2,3(図1)の例えば車輪用軸受4,5(図1)に設けられた回転センサ(図示せず)から得られるタイヤ回転数の情報や、車載の各センサの情報を用いて補正する機能を有していても良い。
力行・回生制御指令部21bは、力行・回生の切換えを行うための指令フラグを、後述するモータコントロール部29のモータ力行・回生制御部33に与える。
アクセル操作部16は、アクセルペダル16aと、このアクセルペダル16aの踏込み量を検出するセンサ16bとを有する。ブレーキ操作部17は、ブレーキペダル17aと、このブレーキペダル17aの踏込み量を検出するセンサ17bとを有する。
インバータ装置22は、各モータ6に対して設けられたパワー回路部28と、このパワー回路部28を制御するモータコントロール部29とを有する。インバータ装置22は、図示しないが、各モータ毎にそれぞれ設けられている。モータコントロール部29は、各パワー回路部28に対して共通して設けられていても、別々に設けられていても良い。モータコントロール部29が各パワー回路部28に対して共通して設けられた場合であっても、左右のモータ6,6のトルクが互いに異なるように独立して制御可能なものとされる。パワー回路部28は、バッテリ19の直流電力をモータ6の力行および回生に用いる3相の交流電力に変換するインバータ31と、このインバータ31を制御するPWMドライバ32とを有する。
モータ6は、3相の同期モータである。このモータ6には、同モータ6のロータの電気角としての回転角度を検出する回転角度センサ36が設けられている。インバータ31は、複数の半導体スイッチング素子で構成され、PWMドライバ32は、入力された電流指令をパルス幅変調し、前記各半導体スイッチング素子にオンオフ指令を与える。
モータコントロール部29は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成され、その基本となる制御部としてモータ駆動制御部30と、減磁判定部34と、トルクマップ自動調整部35と、制御パラメータ調整部37とを有する。モータ駆動制御部30は、上位制御手段であるECU21におけるトルク/回転数制御指令部21aから与えられるトルク指令または回転数指令による加減速指令、および、力行・回生制御指令部21bから与えられる力行・回生制御の指令フラグにより、予め設定したトルク指令マップを用いて、モータ6への指令電流を生成する。
モータ駆動制御部30は、モータ力行・回生制御部33と、切換制御手段38とを有する。モータ力行・回生制御部33は、力行制御手段と、回生制御手段とを有する。力行・回生制御指令部21bからの指令フラグにより、前記力行制御手段および前記回生制御手段のいずれか一方が選択される。前記指令フラグにより、力行制御手段が選択された場合において、この力行制御手段は、アクセルペダル16aの踏込み量が大きくなる程、力行指令トルクを増加させる。前記指令フラグにより、前記回生制御手段が選択された場合において、前記回生制御手段は、ブレーキペダル17aの踏込み量が大きくなる程、回生指令トルクを増加させる。
前記トルク指令マップは、左右のモータ6毎に、加減速指令となるトルク指令に対して、モータ回転速度範囲毎に電流指令を定めたものである。前記電流指令は、モータ6に流す一次電流Iaと、回転磁界とロータ永久磁石間の電流進角βとを有する。さらにトルク指令マップは、モータ6の力行制御状態と回生制御状態とに分けてそれぞれ設けられている。モータコントロール部29は、左右のモータ6毎で且つ力行制御状態・回生制御状態毎に設定されたトルク指令マップに従って、モータ6をトルク制御する。トルク指令マップは、この例では、モータコントロール部29内の記憶手段39に書換え可能に記憶されている。
記憶手段39として、不揮発性メモリ(例えば、EEPROM等)が適用される。なお記憶手段39は、インバータ装置22内の他の箇所に設けても良いし、インバータ装置22外に設けることも可能である。モータ駆動制御部30は、モータ6に印加する駆動電流を電流検出手段43で得た実際の検出値と、指令電流とを一致させるために、モータ6をPI制御で制御する。
切換制御手段38は、減磁判定部34で永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、モータコントロール部29によるトルク制御から後述する回転数制御手段40(図7)による回転数制御に切換える。
減磁判定部34(後述する)は、トルク/回転数制御指令部21aから与えられる加減速指令とモータ6の駆動状態の検出信号とから、定められた規則に従って、モータ6の永久磁石に減磁が生じたか否かを判定する。
トルク指令マップ自動調整部35は、所定の入力、例えば、運転者によるスイッチ41等の外部の操作信号からの入力信号に応答して、左右のモータ6,6のトルクが一致するように、トルク指令マップを調整する。前記スイッチ41は、例えば、インバータ装置22に入力信号を与えているが、ECU21に入力信号を与えるようにしても良い。このような入力信号に応答して、記憶手段39のトルク指令マップが書換えられる。その後、モータコントロール部29は、調整したトルク指令マップに従って、モータ6をトルク制御する。
制御パラメータ調整部37は、例えば、時々刻々と変化するモータ回転数およびトルクに応じて、PI制御ゲインを適宜に調整する。このPI制御ゲインの調整量は、例えば、台上試験および実車試験による結果に基づき定められる。
またモータコントロール部29は、異常報告手段42を有する。この異常報告手段42は、減磁判定部34で永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、ECU21に減磁が発生している旨の異常発生情報を出力する。ECU21は、異常報告手段42から出力された異常発生情報を受けて、例えば、コンソールパネル等に設置された警告ランプを点灯させたり、車両がディスプレイ装置を搭載する場合、同ディスプレイ装置に、異常を知らせる表示を行わせる。
図3は、この電気自動車のIPMモータの概念構成図である。
図3(c)に示すように、車輪を駆動するモータがIPMモータつまり埋込磁石型同期モータの場合、ロータ側の永久磁石とステータの相互作用で発生する磁石トルクTmと、ロータ側のコア部と前記ステータの間の吸引力に起因するリラクタンストルクTrとが発生し、2種類のトルクTm,Trで回転する。磁石トルクTmは、電流に比例し、回転磁界とロータ永久磁石間の電流進角βである位相が零のときに最大となる。一方、リラクタンストルクTrは、電流の2乗に比例し、前記位相が45°で最大となる。そのため、埋込磁石型同期モータでは、通常、両トルクTm,Trの和(Tm+Tr)が最大となる電流印加条件で駆動する。
図3(a)に示すように、車輪を駆動するモータが埋込磁石型同期モータの場合は、磁石軸であるd軸方向よりそれと直交するq軸方向の磁気抵抗が小さくなるため、突極構造となり、d軸インダクタンスLdよりq軸インダクタンスLqが大きくなる。この突極性により、磁石トルクTm以外にリラクタンストルクTrが併用でき、高トルクおよび高効率とすることもできる。
磁石トルクTm:回転子の永久磁石による磁界と巻線による回転子磁界と吸引反発して発生するトルクである。
リラクタンストルクTr:巻線による回転磁界に回転子の突極部が吸引されて発生するトルクである。
モータが発生する総トルクは下記のようになる。
T=p×{Ke×Iq+(Ld−Lq)×Id×Iq}=Tm+Tr
p:極対数
Ld:モータのd軸インダクタンス
Lq:モータのq軸インダクタンス
Ke:モータ誘起電圧定数実効値
図3(b)に示すように、IPMモータに流す1次電流Iaを、トルク生成電流q軸電流Iqと、磁束生成電流d軸電流Idとに分離し、それぞれ独立に制御できるベクトル制御手法が周知である。
Id=−Ia×sinβ
Iq=Ia×cosβ
(β:電流進角)
図4は、この電気自動車の制御装置におけるトルク指令マップを示す図である。
このトルク指令マップは、予めモータ台上試験により作成し、前記記憶手段39(図2)に書き込む。同図に示すように、トルク指令マップは、各々のトルク指令値Trq_0,Trq_1,…Trq_nに対して、モータ回転速度範囲Rot_0,Rot_1,…Rot_m毎に、電流指令(1次電流Ia,電流進角β)を定めている。
モータのトルク制御時、アクセル信号と速度の信号とに基づき、前記トルク指令マップから相応な1次電流(Ia)と電流進角(β)とを取り出して、モータを制御している。また、1次電流(Ia)と電流進角(β)から、トルク生成電流であるq軸電流Iqと磁束生成電流であるd軸電流Idを生成し、それぞれ独立に制御できるベクトル制御である。
Id=−Ia×sinβ
Iq=Ia×cosβ
この実施形態のように左右の後輪2輪をトルク制御により駆動する場合、左右のモータの個体差、または同一モータであっても、力行・回生時特性が異なる。このため、トルク指令マップは、左右のモータに分けて設け、且つ、モータの力行制御状態と回生制御状態とでそれぞれ個別に設けている。すなわち力行制御状態において、左右のモータに分けて2種類のトルク指令マップが設けられ、回生制御状態において、左右のモータに分けて2種類のトルク指令マップが設けられる。したがって合計4種類のトルク指令マップが設けられる。なお前後輪4輪を駆動する場合、合計8種類のトルク指令マップが設けられる。
図5は、減磁判定部等を示す図である。
図5(a)に示すように、減磁判定部34は、モータに搭載される永久磁石の減磁量を演算して、減磁の程度を判定する機能部である。この減磁判定部34は、q軸目標電圧取得部44と、q軸電圧補正部45と、q軸実際電圧補正部46と、減磁率演算部47と、減磁率判定部分48とを有する。q軸目標電圧取得部44は、q軸目標電圧マップ44a(図5(b))を有し、以下の電圧方程式等に基づいてq軸目標電圧Vqrを取得する。
Figure 2015154528
ω:モータ角速度
Ke:誘起電圧定数
Id:d軸電流
Iq:q軸電流
Ld:d軸インダクタンス
Lq:q軸インダクタンス
R:電機子抵抗
p:微分演算子
q軸電圧Vqは、次のように表される。
Vq=R×Iq+pLq×Iq+ω×Ld×Id+ω×Ke
前述のように左右の後輪2輪を駆動する場合、アクセル信号を指令トルクに変換し、力行制御状態と回生制御状態のいずれかのトルク指令マップ(図4)に基づき、左右のモータの指令電流(Ia,β)を生成する。なお同じ指令トルクであっても、左右のモータの指令電流は、必ずしも一致するものではない。
q軸目標電圧Vqrは、次のように表される。
Vqr=R×O_Iq+pLq×O_Iq+ω×Ld×O_Id+ω×Ke
O_Id:d軸目標電流
O_Iq:q軸目標電流
q軸目標電圧マップ(図5(b))は、モータ角速度ω、指令q軸電流O_Iq、指令d軸電流O_Idに応じて、力行制御状態と回生制御状態のそれぞれのマップが設けられる。
q軸電圧補正部45は、q軸目標電圧取得部44で取得されたq軸目標電圧Vqrを、q軸電圧補正マップ(図5(c))に従って補正する。
スイッチング素子が同時にオンすることを避けるためのデッドタイムを設けてスイッチング制御を行い、デッドタイムが一定の場合、直流電源電圧Vcが上がれば上がる程、デッドタイムが大きくなり、実際の駆動電圧は小さくなる。そこで、直流電源電圧Vcに応じてモータ電圧の補正が必要である。
また力行運転状態と回生運転状態は、直流電源電圧Vcが同じであっても、デッドタイムにより影響を受ける電力の大きさが異なる。このため、力行制御状態と回生制御状態それぞれのq軸電圧補正マップを設ける。
q軸実際電圧補正部46は、3相・2相変換部50で計算されたd軸実際電流Idy、q軸実際電流Iqyから、電圧方程式によりq軸実際電圧Vqyを出力する。
すなわち3相・2相変換部50は、モータの3相コイルの各相に流れる3相モータ電流Iu,Iv,Iwを、回転角度センサから得られる回転角Θを用いて、d軸およびq軸に流れる実際電流Idy,Iqyに変換する。
Figure 2015154528
前記電圧方程式は、次式のように表される。
Vqy=R×Iqy+pLq×Iqy+ω×Ld×Idy+ω×K×Ke
Vqy:q軸実際電圧
Idy:d軸実際電流
Iqy:q軸実際電流
K:磁束の残存率を表す。
よって、q軸実際電圧補正部46は、d軸実際電流Idy、q軸実際電流Iqyから、電圧方程式によりq軸実際電圧Vqyを出力する。
減磁率演算部47は、q軸電圧補正部45で補正されたq軸目標補正電圧Vqm、q軸実際電圧補正部46で出力されたq軸実際電圧Vqy、およびモータ角速度ω等から、次式に従って減磁率を演算する。
減磁率:1−K
1−K=(Vqm−Vqy)/ω×Ke×100%
Vqm:q軸目標補正電圧
Vqy:q軸実際電圧
ω:モータ角速度
Ke:誘起電圧定数
減磁率判定部分48は、減磁の判定を、力行制御状態と回生制御状態に応じて、左右のモータそれぞれについて判定する。減磁率判定部分48は、判定時において、例えば、(1−K)≧一定の閾値で、かつ、一定の時間以上継続したとき、永久磁石に減磁が生じたと判定する。ここで図6は、減磁判定部による減磁判定のフローチャートである。図5も参照しつつ説明する。
本減磁判定の処理開始後、減磁率判定部分48は、減磁率演算部47で演算した減磁率(1−K)が一定の閾値以上か否かを判定する(ステップS1)。否との判定で(ステップS1:NO)、リターンする。減磁率(1−K)が一定の閾値以上であるとの判定で(ステップS1:YES)、減磁率判定部分48は、その一定の閾値以上の減磁率が一定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS2)。否との判定で(ステップS2:NO)、ステップS1に戻る。
減磁率が一定時間以上継続しているとの判定で(ステップS2:YES)、減磁率判定部分48は、永久磁石に減磁が生じたと判定する(ステップS3)。その後本処理を終了する。なお減磁を判定するとき、左右のモータ共減磁している可能性があり、左右のモータのいずれか一方だけ減磁している可能性がある。減磁判定部34にて永久磁石に減磁が生じたと判定した後のモータ制御は、図7と共に説明する。
図7は、この制御装置におけるトルク・回転数制御系のブロック図である。図2も参照しつつ説明する。
モータコントロール部29のモータ駆動制御部30は電流指令部51を含み、この電流指令部51は、モータ6に印加する駆動電流を電流検出手段43で検出して得た検出値と、ECU21におけるトルク/回転数制御指令部21aで生成した加減速指令によるトルク指令値とから、前記インバータ装置22内に予め設定したトルク指令マップを用い、相応の指令電流を生成する。つまりECU21からのトルク指令値に応じて、インバータ内部に生成された指令電流値の偏差を無くすためのPIフィードバック制御を行う。前記指令電流の方向は、ECU21の力行・回生制御指令部21bから与えられる指令フラグにより切換えられる。
モータ力行・回生制御部33は、モータ6のロータの回転角を回転角度センサ36から得て、ベクトル制御を行う。ここで車体の左右の後輪2に設けられたモータ6は、力行時と回生時とでトルク発生方向が互いに異なる。つまり前記モータ6をこの出力軸の方向から見ると、左側のモータ6は時計回りのトルクを発生し、右側のモータ6は反時計回りのトルクが発生する(左、右側は車両後ろから見る方向で決定される)。左、右側のモータ6,6でそれぞれ発生したトルクは、減速機7および車輪用軸受4を介して、トルク方向を反転し、タイヤに伝達される。また左、右タイヤのモータ6における回生時のトルク発生方向は、力行時のトルク発生方向と異なっている。
電流指令部51は、算出された前記トルク指令値に基づき、モータ6の1次電流(Ia)と電流進角(β)を生成する。電流指令部51は、これら1次電流(Ia)と電流進角(β)の値に基づき、d軸電流(界磁成分)O_Idと、q軸電流O_Iqの二つの指令電流を生成する。
電流PI制御部52は、電流指令部51から出力されたd軸電流O_Id、q軸電流O_Iqの値と、モータ電流および回転子角度から3相・2相変換部50で計算された2相電流Id,Iqとから、PI制御による電圧値による制御量Vd,Vqを算出する。3相・2相変換部50では、電流検出手段43で検出されたモータ6のu相電流(Iu)とv相電流(Iv)の検出値から、次式Iw=−(Iu+Iv)で求められるw相電流(Iw)を算出し、Iu,Iv,Iwの3相電流からId,Iqの2相電流に変換する。この変換に使われるモータ6の回転子角度は、回転角度センサ36から取得する。検出された回転角度(位相)は、回転角度(位相)補正部53により補正され、モータ6を精度良く制御し得る。
2相・3相変換部54は、入力された2相の制御量Vd,Vqと、回転角度(位相)補正部53により補正された回転角度とから、3相のPWMデューティVu,Vv,Vwに変換する。電力変換部55は、PWMデューティVu,Vv,Vwに従ってインバータ31(図2)をPWM制御し、モータ6を駆動する。
モータの永久磁石が減磁状態となった場合、前記従来技術1のように、複数の電動機の出力トルクが一致するように、複数の電動機に対する電流指令値を各々演算する構成では、演算時間がかかる。さらに左右のトルク差が閾値より大きい場合は、直ちに、複数の電動機の出力トルクを一致することができず、意図しないヨーモーメントが発生して車両挙動に悪影響を与えることが懸念される。
そこで、本実施形態では、減磁判定部34にて、永久磁石に減磁が生じたと判定した場合、切換制御手段38がモータ6をトルク制御から回転数制御手段40による回転数制御に切換える。回転数制御手段40は、モータ6を回転数制御する手段であり、トルク/回転数制御指令部21aにおける回転数指令部21aaと、モータ駆動制御部30における回転数・トルク変換部56とを有する。
回転数指令部21aaは、回転数・トルク変換部56に回転数指令を与える。回転数・トルク変換部56は、入力された回転数指令を指令トルクに変換する。これにより運転者は、とりあえず路側帯などに車両を退避させ、トルク指令マップを調整するためのスイッチ41を操作し得る。
トルク指令マップ自動調整部35は、前記スイッチ41の操作信号からの入力信号に応答して、左右のモータ6,6のトルクが一致するように、トルク指令マップを調整する。トルク指令マップ自動調整部35は、スイッチ41からの入力信号に応答してトルク指令マップを調整する調整モードに移行する。
トルク指令マップ自動調整部35は、例えば、左右のモータ6,6のうち、減磁が大きい方のモータ6における減磁率が零になるまで徐々に増大させることによりトルク指令マップを調整する。例えば、右側のモータ6に減磁が生じたと判定された場合、前記右側のモータ6のトルク指令マップを調整する。このトルク指令マップを調整している調整モードにおいて、車速が、例えば、数km/h以下となるモータ回転数で非調整側の左側モータ6を回転数制御で実施すると共に、調整側の右側モータ6をトルク制御で実施する。調整モード終了後、左右のモータ6,6は、各々のトルク指令マップに従ってトルク制御される。
なお左右両側のモータ共に減磁が生じている場合、トルク指令マップを調整する調整モードにおいて、例えば、非調整側の一方のモータ6を低速走行で回転数制御すると共に、調整しようとする他方のモータ6をトルク制御しつつ、この他方のモータ6のトルク指令マップを調整する。次に、この調整後の他方のモータ6を低速走行で回転数制御すると共に、調整しようとする一方のモータ6をトルク制御しつつ、この一方のモータ6のトルク指令マップを調整する。
作用効果について説明する。
車両走行時、減磁判定部34は、モータ6の永久磁石に減磁が生じたか否かを判定する。永久磁石に減磁が生じていないとき、モータコントロール部29によるトルク制御を行う。 減磁判定部34で永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、切換制御手段38が、前記トルク制御から回転数制御手段40による回転数制御に切換えると共に、異常報告手段42がECU21に減磁が発生している旨の異常発生情報を出力する。
これにより運転者は、例えば、路側帯などに車両を退避させ、スイッチ41を操作する。トルク指令マップ自動調整部35は、スイッチ41の操作信号からの入力信号に応答して、左右のモータ6,6のトルクが一致するように、トルク指令マップを調整する。その後、モータコントロール部29は、調整したトルク指令マップに従って、モータ6をトルク制御する。このように左右のモータ6,6のトルクを一致させ、車両に意図しないヨーモーメントが発生することを抑制し得る。
前記トルク制御から回転数制御に切換えた後、この回転数制御のまま車両を例えば修理工場や自宅駐車場等の目的地まで自走することも可能であるが、モータ6の安全性を考慮すると前記回転数制御のままでは低速走行しかできない。この場合、目的地までの所要時間が長くかかるうえ、この車両と他の車両との速度差が大きくなり走行上支障がある。
そこで回転数制御にて車両を一時的に退避させた後、トルク指令マップ自動調整部35により、左右のモータ6,6のトルクが一致するように、トルク指令マップを調整して再度トルク制御に戻すため、ある程度の速度を出すことが可能となる。したがって、車両を、一時的に退避させた場所から目的地まで、回転数制御のままで低速走行するよりも短時間で走行上支障なく自走させることが可能となる。
モータ6は、減速機7を介さずに直接に車輪2を回転駆動するものであっても良い。
この実施形態では、永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータが適用されているが、ロータ表面に永久磁石を設けたいわゆるSPMモータを適用しても良い。
インホイールモータ駆動装置においては、サイクロイド式の減速機を採用した例を示したが、これに限ることなく、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。
2…車輪
6…モータ
8…インホイールモータ駆動装置
16…アクセル操作部
17…ブレーキ操作部
21…ECU
22…インバータ装置
28…パワー回路部
29…モータコントロール部
31…インバータ
34…減磁判定部
35…トルク指令マップ自動調整部
38…切換制御手段
40…回転数制御手段

Claims (7)

  1. 永久磁石を有し、車輪を駆動する同期型のモータと、
    操作部の操作に応じて加減速指令を生成し出力するECUと、
    直流電力を交流電力に変換するインバータを含むパワー回路部、および、前記ECUから与えられる前記加減速指令に従って前記パワー回路部を介し前記モータをトルク制御するモータコントロール部を有するインバータ装置とを備えた電気自動車の制御装置において、
    前記モータを回転数制御する回転数制御手段を設け、
    前記モータコントロール部に、
    前記ECUから与えられる加減速指令と前記モータの駆動状態の検出信号とから、定められた規則に従って、前記モータの前記永久磁石に減磁が生じたか否かを判定する減磁判定部と、
    この減磁判定部で前記永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、前記モータコントロール部による前記トルク制御から前記回転数制御手段による回転数制御に切換える切換制御手段と、
    を設けたことを特徴とする電気自動車の制御装置。
  2. 請求項1記載の電気自動車の制御装置において、前記電気自動車は前記モータとして、左右の駆動輪を個別に駆動する左右のモータを有し、前記モータコントロール部は、前記左右のモータ毎に前記加減速指令となるトルク指令とモータの電流指令との関係を定めたトルク指令マップに従って、前記モータをトルク制御するものであり、所定の入力に応答して、前記左右のモータのトルクが一致するように、前記トルク指令マップを調整するトルク指令マップ自動調整部を前記モータコントロール部に設けた電気自動車の制御装置。
  3. 請求項2記載の電気自動車の制御装置において、前記トルク指令マップ自動調整部は、前記左右のモータのうち、減磁が大きい方の前記モータの前記トルク指令マップについて、前記トルク指令に対応する前記電流指令を減磁率が零になるまで徐々に増大させることにより前記トルク指令マップを調整する電気自動車の制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電気自動車の制御装置において、前記トルク指令マップは、前記モータの力行制御状態と回生制御状態とにそれぞれ設けられ、前記トルク指令マップ自動調整部は、前記モータの力行制御状態と回生制御状態とに分けて、前記トルク指令マップを調整する電気自動車の制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電気自動車の制御装置において、前記減磁判定部は、減磁率が一定の閾値以上でかつ一定の時間以上継続したとき、前記永久磁石に減磁が生じたと判定する電気自動車の制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電気自動車の制御装置において、前記減磁判定部で前記永久磁石に減磁が生じたと判定したとき、前記回転数制御手段は、所定の入力に応答して、前記モータを定められた低速走行となる回転数で回転数制御する電気自動車の制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の電気自動車の制御装置において、前記モータはインホイールモータ駆動装置を構成するモータであって、このモータは、左右の前輪および左右の後輪のいずれか一方または両方に対して設けられた電気自動車の制御装置。
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WO2023068194A1 (ja) * 2021-10-22 2023-04-27 株式会社デンソー 移動体、制御装置、及びプログラム

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