以下、図面に基づいて、実施形態を説明する。
図1は、画像表示装置の一実施形態を示す。図1に示した画像表示装置10は、第1受付部11と、第1検出部12と、第2受付部13と、第2検出部14と、変換部15とを含んでいる。
第1受付部11および第2受付部13は、画像表示装置10の利用者U1からの入力を受ける機能を有している。また、変換部15は、画像表示装置10による表示処理の対象として、白色の地に黒色で表された文字または図形である第2パターンを含む第3画像IMG3の入力を受ける。
画像表示装置10は、例えば、変換部15への第3画像IMG3の入力に先立って、互いに異なる幅の白色の縁取りで輪郭を囲まれた文字などの第1パターンを、白色以外の第1色の背景上にそれぞれ表す複数の第1画像IMG1を表示する。これにより、複数の第1画像IMG1の各々が、利用者U1に提示される。なお、複数の第1画像IMG1は、図2を用いて後述される。また、以下では、利用者U1の視覚が、近視や遠視及び老眼などの目の屈折異常の影響を受けている場合について説明する。
第1受付部11は、利用者U1から、複数の第1画像IMG1のそれぞれにおいて第1パターンの輪郭を囲む縁取りが認識されたか否かを示す入力を受ける。そして、第1受付部11は、例えば、複数の第1画像IMG1のそれぞれについて受けた入力を示す情報を、第1検出部12に渡す。
第1検出部12は、例えば、第1受付部11から受けた情報に基づいて、縁取りが認識されないことが示された第1画像IMG1のうち、他の第1画像IMG1よりも広い幅で縁取られた第1パターンを含む第1画像IMG1を特定する。そして、第1検出部12は、特定した第1画像IMG1において、第1パターンを囲む縁取りの幅を第1幅として検出し、検出した第1幅を示す情報を、変換部15に渡す。
第1幅が検出された後に、画像表示装置10は、互いに異なる色の背景上に第1幅で縁取られた第1パターンを表す複数の第2画像のIMG2を表示することで、複数の第2画像IMG2のそれぞれを利用者U1に提示する。なお、複数の第2画像IMG2は、図3を用いて後述される。
第2受付部13は、利用者U1から、複数の第2画像IMG2のそれぞれにおいて、第1パターンの背景が白色として認識されたか否かを示す入力を受ける。そして、第2受付部13は、例えば、複数の第2画像IMG2のそれぞれについて受けた入力を示す情報を、第2検出部14に渡す。
第2検出部14は、例えば、第2受付部13から受けた情報に基づいて、背景が白色として認識されることが示された第2画像IMG2の背景の色のうち、他の第2画像IMG2の背景よりも明度が低い色を背景として含む第2画像IMG2を特定する。そして、第2検出部14は、特定した第2画像IMG2の背景の色を第2色として検出し、検出した第2色を変換部15に渡す。
変換部15は、例えば、受けた第3画像IMG3の地の色を第2色とするとともに、第3画像IMG3に含まれる第2パターンの輪郭に第1幅の白色の縁取りを付加することで、輪郭が強調された第2パターンを含む第4画像IMG4を生成する。変換部15によって生成された第4画像IMG4は、第3画像IMG3に代えて、利用者U1に提示される。
ここで、老眼等の屈折異常の影響を受けた視覚を持つ利用者U1には、図1に示した第3画像IMG3のような白色の地に黒色で文字等を表す画像を見た場合でも、文字等のパターンの輪郭がボケて見えることがある。一方、灰色の地に黒色で表された文字などのパターンの輪郭に適切な幅の白色の縁取りを付加した場合に、輪郭に付加された縁取りが利用者U1によって縁取りとして認識されず、文字などの輪郭を強調する効果が得られる場合がある。また、人間の視覚は、白色の縁取りで輪郭が囲まれた文字の背景の色と縁取りの白色との明度の差が小さい場合などに、背景の色を白色と認識することがある。
したがって、利用者U1により白色と認識される限界の色の背景上に、利用者U1により縁取りとして認識されずに輪郭を強調する効果が得られる限界の幅を持つ縁取りを付加した文字等を表すことで、元の画像よりも文字等の視認性を向上することができる。
次に、第1受付部11及び第1検出部12により、利用者U1により縁取りとして認識されずに輪郭を強調する効果が得られる限界の幅である第1幅を検出する方法について、図2を用いて説明する。
図2は、図1に示した第1画像IMG1の例を示す。図2(A)は、図1に示した利用者U1に提示される複数の第1画像IMG1の例と、白色の背景上に文字などの第1パターンPt1を黒色で表す別の画像G0の例を示す。なお、図2(A)に示した画像G0は、複数の第1画像IMG1(例えば、第1画像IMG1_1,IMG1_2,UMG1_3)との対比のために示したものであり、図1に示した画像表示装置10が利用者U1に対して提示する第1画像IMG1には含まれない。図2(B)は、図2(A)に示した画像G0及び複数の第1画像IMG1のそれぞれにおける明度の変化を示すグラフの例を示す。図2(B)に示したグラフGr0,Gr1,Gr2,Gr3のそれぞれおいて、横軸xは、図2(A)に示した画像G0及び第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3における位置を示し、縦軸Lは、明度の大きさを示す。
図2(A)に示した画像G0は、白色の背景上に文字「T」を示すパターンを第1Pt1として含んでいる。画像G0に含まれる第1パターンPt1を横切る線分L0上の各画素の明度は、図2(B)に示したグラフGr0において実線で示すように、線分L0が第1パターンPt1を横切る箇所で黒色を示す数値「0」となり、他の箇所では白色を示す値Wとなる。なお、図2(A)に示した線分L0は、説明のために図示した要素であり、画像G0には含まれない。
図2(B)のグラフGr0に示した破線は、屈折異常などの影響を受けた視覚を持つ利用者U1に対して図2(A)に示した画像G0が提示された場合に、利用者U1によって認識される線分L0上の各画素の明度を示す。図2(B)のグラフGr0に破線で示したように、図2(A)に示した画像G0に含まれるパターンPt1の輪郭を示すエッジは、屈折異常などの影響によって平滑化される場合がある。このため、図2(A)に示した画像G0に含まれるパターンPt1のように、明確な輪郭を持つパターンであっても、利用者U1の視覚には輪郭がボケた像として認識されることがある。
図2(A)に示した第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3のそれぞれは、互いに異なる幅を持つ白色の縁取りで輪郭が囲まれた黒色の文字「T」を示す第1パターンPt1を、白色よりも暗い色の背景上に表している。ここで、図2(A)に示した文字「T」を示す第1パターンPt1は、複数の第1画像IMG1に含まれる第1パターンの一例である。また、図2(A)の例は、第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3の順に、第1パターンPt1を囲む縁取りHm1,Hm2,Hm3の幅が大きくなる場合を示す。複数の第1画像IMG1のそれぞれに含まれる第1パターンPt1は、図2(A)に示した文字「T」などに限られず、予め設定された文字、記号および図形であれば、どのようなものでもよい。また、図1に示した利用者U1に提示される第1画像IMG1の数は、複数であればよく、例えば、3枚以上でもよい。なお、図2(A)の例では、第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3以外の第1画像の図示は省略されている。
図2(B)に示したグラフGr1,Gr2,Gr3の実線は、図2(A)に示した第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3のそれぞれに含まれる第1パターンを横切る線分L1,L2,L3上にある各画素の明度を示す。グラフGr1の実線で示した明度は、図2(A)に示した第1画像IMG1_1の第1パターンPt1に対応する箇所で黒色を示す数値「0」となり、第1パターンPt1の輪郭を囲む縁取りHm1に対応する箇所で白色を示す値「W」となる。同様に、グラフGr2の実線で示した明度は、図2(A)に示した第1画像IMG1_2の第1パターンPt1に対応する箇所で黒色を示す数値「0」となり、第1パターンPt1の輪郭を囲む縁取りHm2に対応する箇所で白色を示す値「W」となる。また、グラフGr3の実線で示した明度は、図2(A)に示した第1画像IMG1_3の第1パターンPt1に対応する箇所で黒色を示す数値「0」となり、第1パターンPt1の輪郭を囲む縁取りHm3に対応する箇所で白色を示す値「W」となる。図2(B)の例では、グラフGr1,Gr2,Gr3の順に、実線で示された明度が白色を示す値「W」となっている箇所の幅が大きくなっている。なお、図2(B)において、明度L1は、図2(A)に示した第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3のそれぞれに含まれる第1パターンPt1の背景の色の明度を示している。明度L1は、例えば、人間の視覚により、白色とは異なる色として認識される色の明るさを示す値に予め設定されることが望ましい。
一方、図2(B)のグラフGr1に示した破線は、屈折異常などの影響を受けた視覚を持つ利用者U1に対して図2(A)に示した第1画像IMG1_1が提示された場合に、利用者U1によって認識される線分L1上の各画素の明度の例を示す。同様に、図2(B)のグラフGr2、Gr3に示した破線は、同じ利用者U1に対して図2(A)に示した第1画像IMG1_2,IMG1_3が提示された場合に、利用者U1によって認識される線分L2,L3上の各画素の明度の例を示す。
グラフGr1,Gr2、Gr3のそれぞれに破線で示した明度を互いに比べれば、グラフGr3において縁取りHm3に対応して明度が増大したことが示された箇所に比べて、グラフGr1,Gr2では明度が増大した箇所が小さいことが分かる。
したがって、例えば、図2(A)に示した第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3が順次に利用者U1に提示された場合に、利用者U1は、第1画像IMG1_3が提示されたときに、第1パターンPt1を囲む縁取りHm3を認識する可能性が高い。この場合に、図1に示した第1受付部11は、第1画像IMG1_3の第1パターンPt1を囲む縁取りHm3以上の幅を持つ縁取りで囲まれた第1パターンPt1を含む他の第1画像IMG1について、縁取りが認識されたことを示す入力を受けることになる。一方、第1受付部11は、図2(A)に示した縁取りHm3よりも小さい幅を持つ縁取りで囲まれた第1パターンPt1を含む他の第1画像IMG1について、縁取りが認識されないことを示す入力を受けることになる。
また、図2(B)に示したグラフGr1,Gr2,Gr3のそれぞれに破線で示した明度の変化から分かるように、第1パターンPt1の輪郭を囲む縁取りの幅の増大に応じて、第1パターンPt1の輪郭を強調する効果は増大している。例えば、グラフGr1に破線で示した明度の変化では第1パターンPt1の輪郭に対応するエッジが鈍っているのに対して、グラフGr2に破線で示した明度の変化ではグラフGr1に比べてエッジの鈍りが少なくなっていることが分かる。この場合に、縁取りが認識されないとされた第1画像IMG1_1,IMG1_2の各々に含まれる縁取りHm1,Hm2のうち、広い方の縁取りHm2の幅d1は、利用者U1により縁取りとして認識されずに輪郭を強調する効果が得られる限界の幅である。
即ち、図1に示した第1検出部12は、第1受付部11で受けた入力に基づいて、利用者U1により縁取りとして認識されずに輪郭を強調する効果が得られる限界の幅を、第1幅として検出することができる。例えば、図2(B)の例では、図2(B)のグラフGr2において第1画像IMG1_2における縁取りHm2の幅に相当する幅d1が、図1に示した第1検出部12により、第1幅として検出される。
次に、図1に示した第2受付部13及び第2検出部14により、利用者U1により白色と認識される限界の色である第2色を検出する方法について、図3を用いて説明する。
図3は、図1に示した第2画像IMG2の例を示す。図3(A)は、図1に示した利用者U1に提示される複数の第2画像IMG2の例として第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3を示す。また、図3(B)は、図3(A)に示した第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3における明度の位置による変化を示すグラフの例を示す。図3(B)に示したグラフGp1,Gp2,Gp3のそれぞれにおいて、横軸xは、図3(A)に示した第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3における位置を示し、縦軸Lは、明度を示す。なお、図3に示した要素のうち、図2に示した要素と同等の要素については、同一の符号で示すとともに要素の説明を省略する場合がある。
図3(A)に示した第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3のそれぞれは、図1に示した第1検出部12で検出された第1幅d1を持つ白色の縁取りHm2で輪郭が囲まれた第1パターンPt1を、互いに異なる色の地を背景として表している。ここで、図3(A)に示した文字「T」は、複数の第2画像IMG2に含まれる第1パターンの一例である。また、図3(A)の例は、第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3の順に、第1パターンPt1の背景の色が暗くなる場合を示す。複数の第2画像IMG2のそれぞれに含まれる第1パターンPt1は、図3(A)に示した文字「T」などに限られず、予め設定された文字、記号および図形であれば、どのようなものでもよい。また、図1に示した利用者U1に提示される第2画像IMG2の数は、複数であればよく、例えば、3枚以上でもよい。なお、図3(A)の例では、第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3以外の第2画像IMG2の図示は省略されている。
図3(B)に示したグラフGp1,Gp2,Gp3の実線は、図3(A)に示した第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3のそれぞれに含まれる第1パターンPt1を横切る線分L1,L2,L3上にある各画素の明度を示す。なお、図3(B)に示したグラフGp1,Gp2,Gp3の縦軸Lにおいて、数値「0」は黒色を示し、値「W」は白色を示す。
グラフGp1,Gp2,Gp3に実線で示した明度は、図3(A)の第1画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3の第1パターンPt1を線分L1,L2,L3が横切る箇所で黒色を示す。一方、グラフGp1,Gp2,Gp3に実線で示した明度は、図3(A)に示した線分L1,L2,L3が第1画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3の第1パターンPt1を囲む縁取りHm2を横切る箇所で白色を示す。また、グラフGp1、Gp2,Gp3において、明度Lb1,Lb2,Lb3は、図3(A)に示した第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3のそれぞれにおいて、第1パターンPt1として示した文字「T」の背景の色の明度を示す。第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3の背景の明度Lb1,Lb2,Lb3は、第1幅として検出された幅d1を用いて設定された基準値から順次に小さくなる値に設定されることが望ましい。なお、明度Lb1,Lb2,Lb3の設定に用いる基準値は、例えば、幅d1の白色の線が識別される限界の明度の差を計測する実験などで得られた計測結果に基づいて、予め設定されることが望ましい。
例えば、図3(A)に示した第2画像IMG2_1,IMG2_2,IMG2_3を提示された利用者U1により、第2画像IMG2_1,IMG2_2の背景が白色と認識され、第2画像IMG2_3の背景が白色以外と認識される場合を考える。この場合に、図1に示した第2検出部14は、第2画像IMG2_1,IMG2_2の背景は利用者U1により白色と認識されたことを示す情報を第2受付部13から受けることになる。そして、第2検出部14は、受けた情報に基づいて、第2画像IMG2_1の背景の色の明度Lb1と第2画像IMG2_2の背景の色の明度Lb2とを比較し、比較の結果から、第2画像IMG2_2の背景の色を第2色として検出する。
ここで、利用者U1により、第2画像IMG2_3の背景が白色以外と認識された場合に、利用者U1が白色と白色以外とを判別する明度の差は、図3(B)に示した明度Lb3と白色を示す明度Wとの差よりも小さい。一方、利用者U1により、第2画像IMG2_1,IMG2_2の背景が白色と認識されたことから、図3(B)に示した明度Lb1及び明度Lb2のそれぞれを持つ色は、いずれも利用者U1により白色と判断されることが分かる。したがって、明度Lb1と明度Lb2とのうち小さい方である明度Lb2は、利用者U1により白色と認識される限界の色を示している。即ち、図1に示した第2検出部14は、第2受付部13から受けた情報に基づいて第2色を検出することで、利用者U1により白色と認識される限界の色を検出することができる。
以上に説明した第1幅は、利用者U1に縁取りとして認識されることなく輪郭を強調する効果が得られる限界の幅であり、第2色は、利用者U1に白色として認識される限界の色である。したがって、図1に示した変換部15により、以上に説明した第1幅及び第2色を用いた変換を第3画像IMG3に対して行うことで、図4に示すように、第3画像IMG3に含まれる文字などを、利用者U1にとって見やすくすることができる。
図4は、図1に示した第3画像IMG3及び第4画像IMG4の例を示す。図4(A)は、第3画像IMG3の例を示し、図4(B)は、屈折異常などの影響を受けた視覚を持つ利用者U1に第3画像IMG3を提示した場合に認識される画像IMGaの例を示す。また、図4(C)は、第4画像IMG4の例を示し、図4(D)は、同じ利用者U1に第4画像IMG4を提示した場合に認識される画像IMGbの例を示す。
図4(A)に示した第3画像IMG3は、白色の地を背景として、文字「A」を表すパターンを第2パターンPt2として含んでいる。なお、第3画像IMG3に含まれる第2パターンPt2は、図4(A)に示した文字「A」に限らず、黒色で描かれた線分や曲線などを組み合わせることで表されるパターンであればよい。例えば、第3画像IMG3は、ワードプロセッサによって生成された文書を表す画像や電子書籍に含まれる各ページを表す画像でもよい。
一方、図4(B)に示した画像IMGaは、図4(A)に示した第3画像IMG3の提示を受けた場合に、利用者U1により認識される画像の例を示している。図4(A)に示した第3画像IMG3と、図4(B)に示した画像IMGaとを比べれば、屈折異常などの影響を受ける利用者U1には、第3画像IMG3の第2パターンPt2は、輪郭がボケた像として認識されることが分かる。
図4(C)に示した第4画像IMG4は、図1に示した第2検出部14によって検出された第2色の地を背景として、図1に示した第1検出部12によって検出された第1幅の縁取りHm2で囲まれた第2パターンPt2を含んでいる。
そして、図4(D)に示した矩形IMGbは、図4(C)に示した第4画像IMG4の提示を受けた場合に、利用者U1により認識される画像の例を示している。図4(B)の画像IMGaと図4(D)の画像IMGbとの比較から、第4画像IMG4を利用者U1に提示した場合の方が、第3画像IMGを提示した場合よりも、第2パターンPt2の輪郭が明確に認識されることが分かる。
更に、図4(C)に示した第4画像IMG4において、第2パターンPt2(図4の場合は文字「A」)は、利用者U1により白色として認識される限界の色である第2色を背景として表される。したがって、図4(C)に示したような第4画像IMG4を見た利用者U1が、第2パターンの背景を白色以外の色として認識することはない。即ち、図4(C)に示した第4画像IMG4は、利用者U1により、図4(A)に示した第3画像IMG3と同様の、白色の地に文字などのパターンを表示する画像として認識される。つまり、図1に示した画像表示装置10は、第3画像IMG3が利用者U1に提示された場合の印象を維持しつつ、第3画像IMG3に含まれる文字などを利用者U1にとって見やすく表示することが可能である。
図5は、図1に示した画像表示装置10の動作を示す。図5に示したステップS301〜ステップS306の処理は、図1に示した画像表示装置10の動作を示すとともに、画像表示方法および画像表示プログラムの例を示す。例えば、図5に示す処理は、画像表示装置10に搭載されたプロセッサが画像表示プログラムを実行することで実現される。なお、図5に示す処理は、画像表示装置10に搭載されるハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS301において、図1に示した第1受付部11は、複数の第1画像IMG1の各々について、第1パターンPt1の輪郭を囲む縁取り(例えば、図2(A)の縁取りHm1,Hm2,Hm3)が、利用者により認識されたか否かを示す入力を受ける。
ステップS302において、図1に示した第1検出部12は、ステップS301の処理で受けた入力に基づいて、図2を用いて説明した第1幅を検出する。例えば、図2の例では、図2(A)に示した第1画像IMG1_2に含まれる第1パターンPtの輪郭を囲む縁取りHm2の幅d1が、図1に示した第1検出部12により、第1幅として検出される。
ステップS303において、図1に示した第2受付部13は、複数の第2画像IMG2の各々において、第1パターンPt1の背景が、利用者U1により白色として認識されたか否かを示す入力を受ける。
ステップS304において、図1に示した第2検出部14は、ステップS303の処理で受けた入力に基づいて、図3を用いて説明した第2色を検出する。例えば、図3の例では、図3(A)に示した第2画像IMG2_2において、第1パターンPtが表された背景の色が、白色として認識される限界の色を示す第2色として検出される。
ステップS305において、図1に示した変換部15は、画像表示装置10による表示処理の対象として、白色の背景上に、第2パターンを黒色で表す第3画像IMG3を受ける。
ステップS306において、変換部15は、ステップS305で受けた第3画像IMG3を、第2パターンを囲む第1幅の白色の縁取りを有し第2色の背景を有する第4画像IMG4に変換する。
そして、ステップS306の処理で生成された第4画像IMG4は、第3画像IMG3の代わりに、利用者U1に対して表示される。
変換部15は、利用者U1に対して提示する画像を第3画像IMG3として受ける毎に、ステップS305及びステップS306の処理を実行することで、複数の第3画像の各々に対応する第4画像IMG4を生成し、生成した第4画像IMG4を表示してもよい。
以上に説明した画像表示装置10は、利用者U1により縁取りとして認識されずに輪郭を強調する効果が得られる限界の幅である第1幅と、利用者U1により白色として認識される限界の色である第2色とを検出する。そして、画像表示装置10は、表示の対象となる第3画像IMG3に対して、第2色の地を背景として、第3画像IMGに含まれる第2パターンを第1幅の縁取りで囲んで表すための変換処理を行う。
図4を用いて説明したように、図1に示した画像表示装置10の変換部15によって生成される第4画像IMG4が利用者U1に対して表示された場合に、利用者U1は、変換前の第3画像IMG3が表示された場合に比べて、第2パターンを認識しやすい。即ち、図1に示した画像表示装置10は、任意の文字や記号及び図形を含む第3画像IMG3を、図4(C)に示したような第4画像IMG4に変換することで、利用者U1にとって、第3画像に含まれるパターンを視認しやすくすることができる。
更に、図1に示した画像表示装置10の第2検出部14は、第1検出部12で検出された第1幅の縁取りで囲まれた第1パターンを互いに異なる色の地を背景として表す第2画像を用いて、利用者U1が白色として認識する限界の色である第2色を検出する。これにより、例えば、利用者U1が白色として認識する限界の色と、利用者U1により縁取りとして認識されずに輪郭を強調する効果が得られる限界の幅とを同時に調整する場合に比べて、第1幅と第2色とを高い精度で検出することができる。なぜなら、先に特定された第1幅を用いて第2色の特定を行う場合には、縁取りの幅と背景の色とを同時に調整する場合に比べて、白色の縁取りの背景が灰色に見えた記憶により、利用者U1の判断が影響を受ける可能性を抑制することが可能だからである。
図6は、画像表示装置の別実施形態を示す。なお、図6に示す構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものは、同一の符号で示すとともに構成要素の説明を省略する場合がある。
図6に示した画像表示装置10aは、第1受付部11aと、第1検出部12aと、第2受付部13aと、第2検出部14aと、変換部15aと、保持部MEMとを含んでいる。
第1受付部11aは、図1に示した第1受付部11に相当する構成要素であり、第1提示部111と入力部112とを有する。第1提示部111は、例えば、図2(A)に示した第1画像IMG1に相当する複数の第1画像IMG1aを生成し、生成した複数の第1画像IMG1aを、画像表示装置10aに搭載された液晶表示部などにより表示する。第1提示部111は、生成した複数の第1画像IMG1aを、例えば、第1画像IMG1aの各々に含まれる第1パターンを囲む縁取りの幅が小さい順に液晶表示部などに渡すことで、利用者U1に複数の第1画像IMG1aを順次に提示する。なお、第1提示部111によって提示される複数の第1画像IMG1aの例については、図7を用いて後述する。また、入力部112は、例えば、画像表示装置10aに搭載されたタッチパネルやキーボードあるいはマウスなどである。第1受付部11aに含まれる入力部112は、利用者U1に対して複数の第1画像IMG1aが提示された場合に、各第1画像IMG1aにおいて、第1パターンの輪郭を囲む縁取りを認識したか否かを利用者U1が入力するために用いられる。
第1検出部12aは、図1に示した第1検出部12に相当する構成要素であり、利用者U1が入力部112を操作することで入力した情報を、入力部112から受ける。第1検出部12aは、入力部112から受けた情報と、第1提示部111が複数の第1画像IMG1aの生成に用いた情報とに基づいて、利用者U1により縁取りとして認識されない限界の幅である第1幅を検出する。
第1検出部12aで検出された第1幅は、保持部MEMに保持されるとともに、第2受付部13aに渡される。
第2受付部13aは、図1に示した第2受付部13に相当する構成要素であり、入力部112と、第2提示部131とを含んでいる。第2提示部131は、第1検出部12aで検出された第1幅を用いて、図3(A)に示した複数の第2画像IMG2を生成し、生成した複数の第2画像IMG2を、例えば、画像表示装置10aに搭載された液晶表示部などを用いて表示させる。第2提示部131は、例えば、生成した複数の第2画像IMG2を、第2画像IMG2の各々において第1パターンの背景の色が明るい順に液晶表示部などに渡すことで、利用者U1に複数の第2画像IMG2を提示する。更に、第2提示部131は、複数の第2画像IMG2のそれぞれを液晶表示部などで表示させる際に、液晶表示部などでの画像の表示に用いるバックライトなどの光源の輝度を順次に下げることで、各第2画像IMG2を複数の異なる輝度で表示することが望ましい。そして、第2受付部13aに含まれる入力部112は、利用者U1に対して複数の第2画像IMG2が提示された場合に、各第2画像IMG2において、第1パターンPt1の背景を白色として認識したか否かを利用者U1が入力するために用いられる。
第2検出部14aは、図1に示した第2検出部14に相当する構成要素であり、利用者U1が入力部112を操作することで入力した情報を、入力部112から受ける。第2検出部14aは、第1パターンPt1の背景が白色以外と認識されたことを示す情報を入力部112から受けた場合に、第2提示部131が最後に提示した第2画像IMG2の背景に含まれる画素に設定された明度及び表示に用いた光源の輝度を特定する。そして、第2検出部14aは、特定した明度を示す情報と、特定した光源の輝度よりも一段階明るい輝度を示す情報とを、検出した第2色を示す情報として、保持部MEMに保持させる。つまり、第2検出部14aによって検出される第2色は、第1パターンの背景が白色として認識された第2画像IMG2の背景に含まれる画素に設定された明度を示す情報と、当該第2画像IMG2の表示に用いられた光源の輝度を示す情報とで表される。
変換部15aは、図1に示した変換部15に相当する構成要素であり、保持部MEMの保持された第1幅及び第2色を示す情報に基づいて、画像表示装置10aによる表示処理の対象として受けた第3画像IMG3を、図4で説明した第4画像IMG4に変換する。変換部15aは、例えば、第3画像IMG3を受ける毎に、受けた第3画像IMG3の背景の部分に含まれる各画素の明度を、保持部MEMから第2色を示す情報の一部として取得した明度に置き換える。次いで、変換部15aは、エッジを強調する作用を有するフィルタに、明度の置き換えを行った第3画像IMG3を通すことで、第3画像IMG3に含まれる第2パターンの輪郭に、第1幅の縁取りを文字などのパターンの輪郭に付加する。更に、変換部15aは、フィルタから出力された第4画像IMGを液晶表示部などに表示させる際に、保持部MEMから第2色を示す情報の一部として取得した輝度を液晶表示部の光源に設定する。
図6に示した画像表示装置10aは、図1に示した画像表示装置10と同様に、図4(A)に示したような第3画像IMG3を図4(C)に示したような第4画像IMG4に変換することで、表示された文字などを利用者U1にとって見やすくすることができる。
また、図6に示した画像表示装置10aに含まれる第1提示部111は、図7に示すような複数の第1画像IMG1aの各々を、縁取りの幅が小さい順に表示することで、いかに説明する効果を得ることができる。
図7は、図6に示した第1画像IMG1aの例を示す。なお、図7に示す要素のうち、図2に示した要素と同等のものは、同一の符号で示すとともに要素の説明を省略する場合がある。
図7に示した第1画像IMG1a_1,IMG1a_2,IMG1a_3は、図2に示した第1画像IMG1_1,IMG1_2,IMG1_3と同様に、互いに異なる幅の縁取りHm1,Hm2,Hm3で囲まれた第1パターンPt1を含んでいる。なお、図7の例では、複数の第1画像IMG1aのうち、第1画像IMG1a_1,IMG1a_2,IMG1a_3以外の第1画像IMG1aの図示は省略されている。
また、図7に示した第1画像IMG1a_1,IMG1a_2,IMG1a_3において、額縁に類似した形状の領域Rm1,Rm2,Rm3のそれぞれは、第1パターンPt1の背景に設けられた白色を示す領域の例である。なお、第1画像IMG1a_1,IMG1a_2,IMG1a_3の第1パターンPt1の背景に設けられる白色を示す領域Rm1,Rm2,Rm3は、図7に示したような額縁に類似した形状に限られない。領域Rm1,Rm2,Rm3の形状は、第1パターンPt1の背景の色との対比から領域Rm1,Rm2,Rm3が白色で示されることを利用者U1が認識可能な程度の大きさであれば、どのような形状でもよい。例えば、領域Rm1,Rm2,Rm3は、第1画像IMG1a_1,IMG1a_2,IMG1a_3にそれぞれ含まれる第1パターンPt1及び縁取りHm1,Hm2,Hm3から離れた箇所に設けられた矩形の領域であってもよい。
第1画像IMG1a_1,IMG1a_2,IMG1a_3のそれぞれの提示を受けた利用者U1は、領域Rm1,Rm2,Rm3の色と背景の色との対比から、領域Rm1,Rm2,Rm3がない場合に比べて、背景の色が白色以外であることを認識しやすい。このため、背景の色が白色以外であるか否かが明確に認識されていない状態で、様々な幅を持つ縁取りで囲んだ第1パターンPt1が提示される場合に比べて、利用者U1は、第1パターンPt1を囲む白色の縁取りが見えるか否かを判断しやすくなる。つまり、図6に示した第1提示部111により、図7に示した複数の第1画像IMG1aを利用者U1に提示することで、図2(A)に示した第1画像IMG1を提示した場合に比べて、利用者U1の判断を容易にすることができる。また、第1画像IMG1に白色を示す領域Rm1,Rm2,Rm3を設けたことで、第1画像IMG1の平均的な輝度を、第3画像IMG3に対応して画像表示装置10aにより表示される第4画像IMG4の平均的な輝度に近づけることができる。これにより、利用者U1の瞳孔の大きさにより、第1検出部12aによって検出される第1幅が影響を受ける度合いを、白色の領域Rm1,Rm2,Rm3を設けない場合に比べて小さくすることができるので、高い精度で第1幅を特定できる。
また、第1提示部111により、縁取りの幅が小さい順に複数の第1画像IMG1aの各々を利用者U1に提示することで、逆の順序で提示する場合に比べて、利用者U1の判断が記憶の影響を受ける可能性を低減することができる。ここで、記憶の影響とは、順次に提示される第1画像IMG1のいずれかで第1パターンPt1を囲む縁取りを認識すると、以降に提示される第1画像IMG1の第1パターンPt1を囲む縁取りが見えるとの先入観を利用者U1に与える心理的な作用である。
つまり、第1提示部111は、図7に示した複数の第1画像IMG1aを縁取りの幅の小さい順に提示することで、図2(A)に示した第1画像IMG1の各々をランダムに提示した場合に比べて、利用者U1の判断が先入観等の影響を受け難くすることができる。したがって、第1提示部111を有する第1受付部11aは、先入観等の影響を考慮しない場合に比べて、利用者U1から、複数の第1画像IMG1aのそれぞれで第1パターンPt1を囲む縁取りが認識されたか否かを高い精度で示す入力を受けることができる。
ところで、利用者U1が、複数の第2画像IMG2のそれぞれに含まれる第1パターンPt1の背景を白色と認識するか否かを判断する際に、図7で説明した記憶の影響に類似した心理的な作用を受ける場合がある。例えば、図3(A)に示した第2画像IMG2_3の第1パターンPt1を囲む縁取りHm2との対比で背景の色を灰色と認識した後に第2画像IMG2_1を見た場合などに、利用者U1の判断は、第1パターンPtの背景は灰色であるとの先入観の影響を受ける。
そこで、図6に示した第2提示部131は、第1パターンPt1の背景の色が明るい順に複数の第2画像IMG2を利用者U1に提示する。これにより、例えば、逆の順序で提示する場合に比べて、先に提示された第2画像IMG2において背景の色を灰色と認識したことによる先入観が利用者U1の判断に与える影響を低減することができる。
したがって、第2提示部131を有する第2受付部13aは、先入観の影響を考慮しない場合に比べて、利用者U1から、複数の第2画像IMG2のそれぞれにつき、地の色が白色として認識されたか否かを高い精度で示す入力を受けることができる。
また、第2提示部131により、背景の色が異なる第2画像IMG2のそれぞれを、光源の輝度を変えつつ表示することで、表示に用いられる光源の輝度により、利用者U1が白色と認識する色が変化することの影響を考慮して、第2色の検出を行うことができる。そして、第2検出部14aにより、第2色を示す情報として、第2画像IMG2の背景の明度ととともに、画像の表示に用いる光源の輝度を特定することで、利用者U1が白色として認識する限界の色で第2画像IMG2の背景を表示するための情報を特定できる。これにより、例えば、光源の輝度を抑制しつつ、利用者U1に白色と認識される色の画像を表示するための情報を特定することが可能となるので、スマートホンなどの携帯端末装置に画像表示装置10aを実装する場合に有用である。
以上に説明した第1受付部11a及び第2受付部13aは、複数の第1画像IMG1a及び複数の第2画像IMG2aのそれぞれを利用者U1に提示する順序にかかわる先入観が利用者U1の判断に与える影響を低減可能である。したがって、図6に示した第1検出部12aは、第1受付部11aから受けた情報に基づいて、先入観の影響を考慮しない場合に比べて第1幅を高い精度で特定し、特定した第1幅を示す情報を保持部MEMに保持させることができる。同様に、図6に示した第2検出部14aは、第2受付部13aから受けた情報に基づいて、先入観の影響を考慮しない場合に比べて第2色を高い精度で特定し、特定した第2色を示す情報を保持部MEMに保持させることができる。これにより、図6に示した変換部15aは、先入観の影響を考慮しない場合に比べて高い精度で特定された第1幅及び第2色を用いて、第3画像IMG3から第4画像IMG4への変換を行うことができる。
以上に説明した本件開示の画像表示装置10は、例えば、スマートホンやタブレット型端末などの携帯端末装置やコンピュータ装置を用いて実現することができる。
図8は、図6に示した画像表示装置10aのハードウェア構成例を示す。図8の例は、スマートホン、タブレット型端末あるいは電子ブックリーダなどの携帯端末装置に搭載されたハードウェアを用いて画像表示装置10aを実現する場合を示す。なお、図6に示した画像表示装置10aは、図8の例に限らず、例えば、デスクトップ型のコンピュータ装置に搭載されたハードウェアを用いて実現することも可能である。
図8に示した携帯端末装置UEは、プロセッサ21と、メモリ22と、入力装置23と、表示装置24と、ネットワークインタフェース25と、メモリカードスロット26とを含んでいる。図8に示したプロセッサ21と、メモリ22と、入力装置23と、表示装置24と、ネットワークインタフェース25と、メモリカードスロット26とは、バスを介して互いに接続されている。また、プロセッサ21とメモリ22と入力装置23及び表示装置24は、画像表示装置10aに含まれる。
携帯端末装置UEは、ネットワークインタフェース25を介して、インターネットなどのネットワークNWに接続されており、ネットワークNWを介して、サーバ装置SVとの間で情報の授受が可能である。
図8に示した入力装置23は、例えば、携帯端末装置UEに搭載されたタッチパネルに含まれるタッチセンサなどである。また、表示装置24は、例えば、携帯端末装置UEに搭載されたタッチパネルに含まれるディスプレイなどである。
携帯端末装置UEの利用者U1は、表示装置24で複数の第1画像IMG1aのそれぞれが表示された場合に、入力装置23を操作することで、例えば、第1画像IMG1aの各々において、第1パターンPtが縁取りで囲まれていると認識したか否かを入力する。また、利用者U1は、表示装置24により複数の第2画像IMG2のそれぞれが表示された場合に、入力装置23を操作することで、例えば、第2画像IMG2のそれぞれに含まれる第1パターンPtの背景を白色と認識したか否かを入力する。即ち、入力装置23は、図6に示した入力部112の機能を果たす。
また、図8に示したメモリカードスロット26は、メモリカード27を装着可能であり、装着したメモリカード27に記録された情報の読出および記録を行う。
図8に示したメモリ22は、携帯端末装置UEのオペレーティングシステムとともに、プロセッサ21が図5に示した画像表示処理を実行するためのアプリケーションプログラムを格納している。なお、図5に示した画像表示処理を実行するためのアプリケーションプログラムは、例えば、メモリカード27に記録して頒布することができる。そして、メモリカード27をメモリカードスロット26に装着して読み込み処理を行うことにより、図5に示した画像表示処理を実行するためのアプリケーションプログラムを、メモリ22に格納させてもよい。また、画像表示処理のためのアプリケーションプログラムは、ネットワークインタフェース25を介して、ネットワークNWに接続されたサーバ装置SVからダウンロードされてもよい。そして、ダウンロードされたプログラムをメモリ22に格納させることで、プロセッサ21は、画像表示処理のためのアプリケーションプログラムの実行が可能となる。
プロセッサ21は、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムに基づいて表示装置24の動作を制御することにより、図6に示した第1提示部111及び第2提示部131の機能を果たす。また、プロセッサ21は、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムを実行することにより、図6に示した第1検出部12a,第2検出部14a及び変換部15aの機能を果たす。また、プロセッサ21は、第1検出部12a及び第2検出部14aの機能を果たすための処理を実行した際に得られる情報を、例えば、メモリ22の記憶領域の一部を用いて保持することで、メモリ22の記憶領域の一部により図6に示した保持部MEMを実現する。そして、プロセッサ21は、変換部15aの機能を果たすための処理に、メモリ22に保持した情報を用いる。
つまり、図6に示した画像表示装置10aは、例えば、図8に示した携帯端末装置UEに含まれるプロセッサ21とメモリ22と入力装置23及び表示装置24と、メモリ22に格納されたアプリケーションプログラムとの協働によって実現することができる。
画像表示処理のためのアプリケーションプログラムは、図2で説明した第1幅及び図3で説明した第2色を検出する処理と、図4で説明した輪郭強調処理とのそれぞれをプロセッサ21に実行させるためのアプリケーションプログラムを含んでいる。プロセッサ21は、例えば、第1幅及び第2色を検出する処理のためのアプリケーションプログラムと、輪郭強調処理のためのアプリケーションプログラムとを、異なるタイミングで実行してもよい。例えば、プロセッサ21は、携帯端末装置UEの初期設定などを行う際に、第1幅及び第2色を検出する処理のためのアプリケーションプログラムを実行する。一方、プロセッサ21は、例えば、白色の背景上に文字等のパターンを黒色で表す文書などを表示の対象として受ける毎に、輪郭強調処理のためのアプリケーションプログラムを実行する。
図9及び図10は、図8に示した画像表示装置10aの動作を示す。図9に示したステップS311〜ステップS316の処理は、画像表示処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる、第1幅及び第2色を検出する処理の一例である。また、図10に示したステップS321〜ステップS326の処理は、画像表示処理のためのアプリケーションプログラムに含まれる輪郭強調処理の一例である。
図9に示したステップS311〜ステップS316の各処理は、図8に示したプロセッサ21により、例えば、携帯端末装置UEの初期設定の際などに実行される。
ステップS311において、プロセッサ21は、図7に示した複数の第1画像IMG1aを縁取りの幅が小さい順に生成し、生成した第1画像IMG1aを表示装置24に表示させる。
ステップS312において、プロセッサ21は、図8に示した入力装置23からの情報に基づいて、ステップS311の処理で表示された第1画像IMG1aを見た利用者U1により、第1パターンPt1を囲む縁取りが認識されたか否かを判定する。
入力装置23からの情報により、利用者U1が縁取りを認識しなかったことが示された場合に(ステップS312の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS311の処理に戻る。そして、プロセッサ21は、次に小さい幅の縁取りで囲まれた第1パターンPt1を含む第1画像IMG1aを生成し、生成した第1画像IMG1aを表示する。
ステップS311,S312の処理を繰り返す過程で、入力装置23からの情報により、利用者U1が縁取りを認識したことが示された場合に(ステップS312の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS313の処理に進む。
ステップS313において、プロセッサ21は、縁取りが認識されなかったことが示された第1画像IMG1aのうち、最後に利用者U1に提示された第1画像IMG1aの第1パターンPt1を囲む縁取りの幅を第1幅として特定する。そして、プロセッサ21は、特定した第1幅を示す情報を、メモリ22に設けた保持部MEMに保持させる。その後、プロセッサ21は、ステップS314の処理に進む。
ステップS314において、プロセッサ21は、図3に示した複数の第2画像IMG2を背景の明度が高い順に生成し、生成した第2画像IMG2を表示装置24に表示させる。更に、プロセッサ21は、図6を用いて説明したように、各第2画像IMG2を表示装置24に表示させる際の光源の輝度を順次に低下させることで、個々の第2画像IMG2を複数の異なる輝度で表示させることが望ましい。
ステップS315において、プロセッサ21は、入力装置23からの情報に基づいて、ステップS314の処理で表示された第2画像IMG2を見た利用者U1により、第1パターンPt1の背景が白色として認識されたか否かを判定する。
入力装置23からの情報により、利用者U1が背景を白色と認識したことが示された場合に(ステップS315の肯定判定(YES))、プロセッサ21は、ステップS314の処理に戻る。そして、プロセッサ21は、ステップS314の処理で表示された第2画像IMG2の背景よりも明度の低い背景上に、第1幅の縁取りで囲まれた第1パターンPtを黒色で表す新たな第2画像IMG2を生成し、生成した第2画像IMG2を表示する。又は、プロセッサ21は、ステップS314の処理で第2画像IMG2を表示した際に用いた輝度よりも低い輝度を表示装置24に設定し、前よりも低い輝度で同じ第2画像IMG2を表示させる。
ステップS314,S315の処理を繰り返す過程で、入力装置23からの情報により、利用者U1が背景を白色でないと認識したことが示された場合に(ステップS315の否定判定(NO))、プロセッサ21は、ステップS316の処理に進む。
ステップS316において、プロセッサ21は、白色として認識されたことが示された第2画像IMG2のうち、最後に利用者U1に提示された第2画像IMG2の背景の明度と第2画像IMG2の表示に用いた光源の輝度とから、第2色を示す情報を特定する。例えば、プロセッサ21は、第2色を示す情報の一部として、最後に利用者U1に提示された第2画像IMG2の表示に用いた光源の輝度よりも一段階高い輝度を特定する。そして、プロセッサ21は、特定した輝度と特定した明度とを含む第2色を示す情報を、メモリ22に設けた保持部MEMに保持させる。その後、プロセッサ21は、第1幅及び第2色を検出する処理を終了する。
即ち、プロセッサ21は、例えば、携帯端末装置UEの初期設定処理の一つとして、以上に説明した処理を実行することで、利用者U1ごとに、縁取りとして認識されない限界の幅である第1幅と白色として認識される限界の色である第2色とを特定できる。
以上に説明した処理で特定された第1幅及び第2色は、図10に示したステップS321〜ステップS327の各処理において、表示装置24で表示する画像に含まれる文字などの輪郭を強調する処理に用いられる。
図10に示したステップS321〜ステップS326の各処理は、例えば、図8に示した表示装置24に文字や図形などのパターンを含む画像を表示させる毎に、プロセッサ21によって実行される。
ステップS321において、プロセッサ21は、表示装置24に表示させる画像に含まれる文字などのパターンと背景とのコントラストを求める。プロセッサ21は、例えば、テキストや図表を表す画像を表示させる場合に、画像に含まれる文字や線及び図形に設定された色と背景に設定された色とを比較することで、文字などのパターンと背景とのコントラストを求める。
ステップS322において、プロセッサ21は、ステップS322の処理で求められたコントラストが、表示装置24で表示が可能な最大のコントラストであるか否かを判定する。
ステップS321の処理で求められたコントラストを示す値が、例えば、白色の背景と黒色で表された文字とのコントラストと同程度である場合に、プロセッサ21は、文字などのパターンと背景とのコントラストは最大であると判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS322の肯定判定(YES)ルートの処理として、ステップS323及びステップS324の処理を実行する。
ステップS323において、プロセッサ21は、メモリ22に設けられた保持部MEMから、保持部MEMに保持された第1幅及び第2色を示す情報を読み出す。
ステップS324において、プロセッサ21は、ステップS321の処理でコントラストを求めた画像を第3画像とし、図4で説明した処理を行うことで、第1幅の縁取りと第2色の背景とを用いて文字などの輪郭が強調された第4画像を生成する。
一方、ステップS321の処理で求められたコントラストを示す値が、例えば、白色の背景と黒色で表された文字とのコントラストよりも小さい場合に、プロセッサ21は、文字などのパターンの輪郭は従来の輪郭を強調する技術で強調できると判断する。この場合に、プロセッサ21は、ステップS322の否定判定(NO)ルートの処理として、ステップS325の処理を実行する。
ステップS325において、プロセッサ21は、ステップS321の処理でコントラストを求めた画像を、例えば、微分フィルタなどに通すことで、画像に含まれる文字などのパターンの輪郭を強調し、輪郭が強調されたパターンを含む画像を生成する。
ステップS322の肯定判定ルートの処理とステップS322の否定判定ルートの処理とは、ステップS326において合流する。
ステップS326において、プロセッサ21は、ステップS324の処理で生成された画像あるいはステップS325の処理で生成された画像を表示装置24に渡すことで、表示装置24に、輪郭が強調されたパターンを含む画像を表示させる。
即ち、プロセッサ21は、画像を表示する処理の過程で、ステップS321〜ステップS326の処理を実行することで、表示の対象となる画像における文字等と背景とのコントラストに応じた輪郭強調を実現することができる。
ここで、利用者U1が受ける目の屈折異常等による影響は、利用者U1ごとに異なっている。したがって、ステップS321〜ステップS326の処理の過程で、利用者U1ごとに設定された第1幅及び第2色を用いることで、利用者U1の視覚の特徴に合わせて文字等の輪郭を強調することができる。
つまり、図8に示した画像表示装置10aを有する携帯端末装置UEは、表示装置24で表示可能な最大のコントラストで文字などを表す画像についても、文字等の輪郭を強調可能であり、屈折異常などの影響を受ける利用者U1にも文字等を見やすく表示できる。
図8に示した画像表示装置10aが有する、利用者U1の視覚の特徴にあった輪郭強調を実現可能であるという特徴は、スマートホンやタブレット型端末装置及び電子ブックリーダなどの利用する人物が特定される携帯端末装置UEにおいて有用である。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点及び利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲が、その精神および権利範囲を逸脱しない範囲で、前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更を容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。
以上の説明に関して、更に、以下の各項を開示する。
(付記1)
互いに異なる幅の白色の縁取りで輪郭を囲まれた文字または図形である第1パターンを、白色以外の第1色の背景上にそれぞれ表す複数の第1画像の各々において、前記第1パターンの輪郭を囲む縁取りが、利用者により認識されたか否かを示す入力を受ける第1受付部と、
前記第1受付部で受けた入力により、前記縁取りが認識されないことが示された前記第1画像に含まれる縁取りのうち、他の第1画像に含まれる縁取りよりも広い縁取りの幅を第1幅として検出する第1検出部と、
前記第1幅で縁取られた前記第1パターンを互いに異なる色の背景上に表す複数の第2画像の各々において、前記第1パターンの背景が、前記利用者により白色として認識されたか否かを示す入力を受ける第2受付部と、
前記第2受付部で受けた入力により、前記背景が白色として認識されることが示された前記第2画像の背景のうち、他の第2画像の背景よりも明度が小さい背景の色を第2色として検出する第2検出部と、
白色の背景上に、黒色で文字または図形である第2パターンを表した第3画像を受け、前記第3画像を、前記第2パターンの輪郭を囲む前記第1幅の白色の縁取りを有し、前記第2色の背景を有する第4画像に変換する変換部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
(付記2)
付記1に記載の画像表示装置において、
前記第1受付部は、前記複数の第1画像を、前記第1パターンの輪郭を囲む縁取りの幅が小さい順に前記利用者に提示する第1提示部を有する
ことを特徴とする画像表示装置。
(付記3)
付記2に記載の画像表示装置において、
前記第1提示部は、前記第1パターンの背景の一部に白色を示す領域を含む画像を前記第1画像として提示する
ことを特徴とする画像表示装置。
(付記4)
付記1又は付記2に記載の画像表示装置において、
前記第2受付部は、前記複数の第2画像を、前記背景の明度が大きい順に前記利用者に提示する第2提示部を有する
ことを特徴とする画像表示装置。
(付記5)
互いに異なる幅の白色の縁取りで輪郭を囲まれた文字または図形である第1パターンを、白色以外の第1色の背景上にそれぞれ表す複数の第1画像の各々において、前記第1パターンの輪郭を囲む縁取りが、利用者により認識されたか否かを示す入力を受け、
前記受けた入力により、前記縁取りが認識されないことが示された前記第1画像に含まれる縁取りのうち、他の第1画像に含まれる縁取りよりも広い縁取りの幅を第1幅として検出し、
前記第1幅で縁取られた前記第1パターンを互いに異なる色の背景上に表す複数の第2画像の各々において、前記第1パターンの背景が、前記利用者により白色として認識されたか否かを示す入力を受け、
前記受けた入力により、前記背景が白色として認識されることが示された前記第2画像の背景のうち、他の第2画像の背景よりも明度が小さい背景の色を第2色として検出し、
白色の背景上に、黒色で文字または図形である第2パターンを表した第3画像を受け、前記第3画像を、前記第2パターンの輪郭を囲む前記第1幅の白色の縁取りを有し、前記第2色の背景を有する第4画像に変換する、
ことを特徴とする画像表示方法。
(付記6)
互いに異なる幅の白色の縁取りで輪郭を囲まれた文字または図形である第1パターンを、白色以外の第1色の背景上にそれぞれ表す複数の第1画像の各々において、前記第1パターンの輪郭を囲む縁取りが、利用者により認識されたか否かを示す入力を受け、
前記受けた入力により、前記縁取りが認識されないことが示された前記第1画像に含まれる縁取りのうち、他の第1画像に含まれる縁取りよりも広い縁取りの幅を第1幅として検出し、
前記第1幅で縁取られた前記第1パターンを互いに異なる色の背景上に表す複数の第2画像の各々において、前記第1パターンの背景が、前記利用者により白色として認識されたか否かを示す入力を受け、
前記受けた入力により、前記背景が白色として認識されることが示された前記第2画像の背景のうち、他の第2画像の背景よりも明度が小さい背景の色を第2色として検出し、
白色の背景上に、黒色で文字または図形である第2パターンを表した第3画像を受け、前記第3画像を、前記第2パターンの輪郭を囲む前記第1幅の白色の縁取りを有し、前記第2色の背景を有する第4画像に変換する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする画像表示プログラム。