JP2015151511A - 水性エポキシ樹脂塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】初期乾燥性及び耐食性に優れる水性エポキシ樹脂塗料組成物を提供する。【解決手段】アクリル変性エポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と、縮合リン酸アルミニウム、カルシウムイオン交換シリカ及びバナジウム化合物を含む防錆顔料とを含み、前記バナジウム化合物がバナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする水性エポキシ樹脂塗料組成物である。【選択図】なし
Description
本発明は、水性エポキシ樹脂塗料組成物に関し、特には、初期乾燥性及び耐食性に優れる水性エポキシ樹脂塗料組成物に関するものである。
塗料は、様々な基材に塗装可能であると共に、塗装後に形成される塗膜の基材に対する付着性が良好であることも求められる。このため、基材追従性、塗膜硬度や耐食性の高い塗料が要求される。また、有機溶剤系塗料から水系塗料への転換が強く要望されるようにもなってきている。このような状況下、例えばバインダー樹脂としてエポキシ樹脂を含む水系塗料が使用され、該塗料に様々な防錆顔料を配合することが提案されている。
例えば、特開2012−67224号公報(特許文献1)には、カルボニル基含有アミン化合物とエポキシ樹脂とを反応させることにより得られるカルボニル基含有変性エポキシ樹脂、架橋剤及び防錆顔料を含む水性プライマー組成物が開示され、耐食性の観点から、バナジウム化合物、ケイ素含有化合物及びリン酸系化合物を含む防錆顔料の混合物の使用が好ましいと記載されている。
ところで、水系塗料、特には硬化剤を使用しない1液型水系塗料は、好ましい耐食性を確保する観点から、高温下での強制乾燥による成膜が行われるものの、被塗物が防振ゴムのようなゴム製品を構成する部品であると、ゴムが高温下にて溶融してしまうため、常温乾燥可能な水系塗料が望ましい。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、初期乾燥性及び耐食性に優れる水性エポキシ樹脂塗料組成物を提供することにある。
本発明者は、例えば特許文献1に記載されるようなバナジウム化合物、ケイ素含有化合物及びリン酸系化合物を含む防錆顔料を使用する場合、それらの組み合わせによって、水系塗料の初期乾燥性が大きく異なるため、塗料として取り扱うことが非常に困難になる組み合わせも存在することが分かった。
そこで、本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、アクリル変性エポキシ樹脂を含む水系塗料組成物中に、縮合リン酸アルミニウムと、カルシウムイオン交換シリカと、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択されるバナジウム化合物とを防錆顔料として配合することによって、優れた耐食性と共に良好な初期乾燥性を確保できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、アクリル変性エポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と、縮合リン酸アルミニウム、カルシウムイオン交換シリカ及びバナジウム化合物を含む防錆顔料とを含み、前記バナジウム化合物がバナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物の好適例においては、前記バナジウム化合物がバナジン酸カルシウムである。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物の他の好適例においては、前記バインダー樹脂100質量部に対して、縮合リン酸アルミニウムの含有量が10〜80質量部であり、カルシウムイオン交換シリカの含有量が0.5〜40質量部であり、バナジウム化合物の含有量が0.1〜30質量部である。
また、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、上塗り塗料用として好適である。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物の他の好適例においては、前記縮合リン酸アルミニウムがトリポリリン酸二水素アルミニウムである。
本発明によれば、アクリル変性エポキシ樹脂を含む水系塗料組成物中に、縮合リン酸アルミニウムと、カルシウムイオン交換シリカと、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択されるバナジウム化合物とを防錆顔料として配合することによって、初期乾燥性及び耐食性に優れる水性エポキシ樹脂塗料組成物を提供することができる。
以下に、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物を詳細に説明する。本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、アクリル変性エポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と、縮合リン酸アルミニウム、カルシウムイオン交換シリカ及びバナジウム化合物を含む防錆顔料とを含み、前記バナジウム化合物がバナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。なお、水性エポキシ樹脂塗料組成物とは、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂と、主溶媒としての水とを含有する塗料組成物を意味する。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、縮合リン酸アルミニウム、カルシウムイオン交換シリカ及びバナジウム化合物を防錆顔料として含むため、耐食性に優れるが、更にバナジウム化合物がバナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択される少なくとも1種であるため、良好な初期乾燥性をも確保でき、常温(約10〜30℃)での乾燥が可能であり、例えば防振ゴム等のゴム製品を構成する金属部分にも好適に塗装可能である。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物に用いるバインダー樹脂は、アクリル変性エポキシ樹脂を含み、バインダー樹脂中におけるアクリル変性エポキシ樹脂の割合は少なくとも20質量%であることが好ましく、少なくとも40質量%であることが更に好ましい。アクリル変性エポキシ樹脂は、耐食性に優れる上、乾燥性が良好であり、初期の塗膜硬度も高い。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物において、アクリル変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂(a1)、グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)及びアミン類(a3)を反応させてなる変性エポキシ樹脂(A1)の存在下に、アクリレート系単量体(A2)及びカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(A3)を必須成分とする不飽和単量体を重合反応させて得られるものである。
変性エポキシ樹脂(A1)の製造におけるエポキシ樹脂(a1)としては、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒等の触媒の存在下に高分子量まで縮合させてなる樹脂や、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に応じてアルカリ触媒等の触媒の存在下に、縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分子量のエポキシ樹脂とビスフェノール類とを重付加反応させることにより得られた樹脂が挙げられる。
上記ビスフェノール類としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン等を挙げることができ、なかでもビスフェノールA、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記エポキシ樹脂(a1)の市販品としては、例えば三菱化学(株)製jER1007(エポキシ当量約1,700、数平均分子量(約2,900)、jER1009(エポキシ当量約3,500、数平均分子量約3,750)、jER1010(エポキシ当量約4,500、数平均分子量約5,500);旭化成イーマテリアルズ(株)製のアラルダイトAER6099(エポキシ当量約3,500、数平均分子量約3,800);及び三井化学(株)製のエポミックR−309(エポキシ当量約3,500、数平均分子量約3,800)などを挙げることができる。
本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量である。
エポキシ樹脂(a1)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂であることが好ましく、ここで、数平均分子量は2,000〜35,000が好ましく、4,000〜30,000が更に好ましく、また、エポキシ当量は、1,000〜12,000が好ましく、3,000〜10,000が更に好ましい。
グリシジル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
アミン類(a3)は、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン等のモノ−若しくはジ−アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、モノメチルアミノエタノール、モノエチルアミノエタノール等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアルキレンポリアミン;エチレンイミン、プロピレンイミン等のアルキレンイミン;ピペラジン、モルホリン、ピラジン等の環状アミン等が挙げられる。
また、変性エポキシ樹脂(A1)の製造には、必要に応じて、水分散性や防食性向上を目的として、1〜3価の有機酸、1〜4価のアルコール、イソシアネート化合物等を用いることができる。
上記1価〜3価の有機酸は、脂肪族、脂環族または芳香族の各種公知のカルボン酸が使用でき、例えばダイマー酸、トリメリット酸等があげられる。1価〜4価のアルコールとしては、脂肪族、脂環族または芳香族の各種公知のアルコールが使用でき、例えばネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等があげられる。イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のポリイソシアネートが使用でき、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらの1価〜3価の有機酸、1価〜4価のアルコール、イソシアネート化合物等は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて使用できる。
変性エポキシ樹脂(A1)の製造は、有機溶剤の存在下に、前述の各成分を加熱することにより容易に製造できる。反応温度、反応時間は、通常60〜200℃、好ましくは90〜150℃の温度で、1〜10時間、好ましくは1〜5時間行うことができる。
上記有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤、;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン等のケトン系溶剤;エチレングルコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;これらの混合物が挙げられる。
アクリル変性エポキシ樹脂は、上記のようにして得られた変性エポキシ樹脂(A1)の存在下に、アクリレート系単量体(A2)及びカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(A3)並びに必要に応じて、その他の重合性不飽和単量体(A4)とを重合させることにより製造できる。
アクリレート系単量体(A2)は、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を1つ以上有するモノマーであり、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−,i−又はt−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−,i−又はt−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル等の単量体が挙げられ、これらは単独若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。
カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(A3)は、得られたアクリル変性エポキシ樹脂の水性化(水分散又は溶解)のために使用されるが、具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸等の単量体が挙げられ、これらは単独若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。
その他の重合性不飽和単量体(A4)は、上記カルボキシル基含有重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体であればよく、求められる性能に応じて適宜選択して使用することができるものであり、例えば、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等の芳香族系ビニル単量体;N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のN−置換アクリルアミド系又はN−置換メタクリルアミド系モノマー等の1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。
ここで、変性エポキシ樹脂(A1)とアクリレート系単量体(A2)及びカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(A3)並びに必要に応じて配合されるその他の重合性不飽和単量体(A4)との共重合反応には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオクトエイト、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の公知各種の有機過酸化物やアゾ化合物を用いることができる。
また、当該共重合反応に際しては、重合様式には限定されないが、溶液重合法が好ましい。例えば、上述のような重合開始剤の存在下で60〜150℃の反応温度で重合できる。有機溶剤については、変性エポキシ樹脂(A1)の製造において用いたのと同様のものを使用できる。
アクリル変性エポキシ樹脂は、酸価が5〜100mgKOH/gであることが好ましく、10〜80mgKOH/gであることが更に好ましい。また、アクリル変性エポキシ樹脂の水酸基価は、10〜350mgKOH/gが好ましく、30〜330mgKOH/gが更に好ましい。更に、アクリル変性エポキシ樹脂の重量平均分子量は、10,000〜200,000が好ましく、30,000〜200,000が更に好ましく、70,000〜180,000が一層好ましい。
上記アクリル変性エポキシ樹脂は、初期乾燥性及び塗膜硬度を更に向上させる観点から、ガラス転移温度(Tg)が50〜100℃であることが好ましい。なお、ガラス転移温度は、例えば示差走査熱量計を用いて測定できる。
なお、アクリル変性エポキシ樹脂の市販品としては、モデピクス301、モデピクス302、モデピクス303、KA−1828(以上、荒川化学株式会社製)等が挙げられる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、上記アクリル変性エポキシ樹脂以外の樹脂をバインダー樹脂として含んでいてもよく、例えば、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂等の、塗料業界において通常使用されるバインダー樹脂が挙げられる。
なお、上記バインダー樹脂は、塗料組成物の調製時、エマルションの形態で使用されてもよいし、溶液の形態で使用されてもよい。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物に用いる防錆顔料は、耐食性に加えて、初期乾燥性を向上させる観点から、縮合リン酸アルミニウムと、カルシウムイオン交換シリカと、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択される少なくとも1種のバナジウム化合物とを含むことを要する。
また、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物においては、初期乾燥性を更に向上させる観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、縮合リン酸アルミニウムの含有量が10〜80質量部であり、カルシウムイオン交換シリカの含有量が0.5〜40質量部であり、バナジウム化合物の含有量が0.1〜30質量部であることが好ましい。更に、バインダー樹脂100質量部に対する縮合リン酸アルミニウムの含有量は、20〜70質量部であることが好ましく、30〜60質量部であることが一層好ましい。バインダー樹脂100質量部に対するカルシウムイオン交換シリカの含有量は、1〜30質量部であることが更に好ましく、5〜20質量部であることが一層好ましい。バインダー樹脂100質量部に対するバナジウム化合物の含有量は、1〜20質量部であることが更に好ましく、3〜10質量部であることが一層好ましい。
上記縮合リン酸アルミニウムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、トリポリリン酸二水素アルミニウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム等が挙げられ、これらの中でも、トリポリリン酸二水素アルミニウムが好ましい。
上記カルシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によってカルシウムイオンが導入されたシリカ微粒子であり、市販品を好適に使用できる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物において、バナジウム化合物は、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択される少なくとも1種である。これらバナジウム化合物であれば、良好な初期乾燥性を確保することができる。また、これらバナジウム化合物は、塗膜の耐水性をも向上させることができる。これらの中でも、バナジン酸カルシウムが最も好ましく、初期乾燥性及び耐水性を大幅に向上させることができる。なお、メタバナジン酸塩として例えばメタバナジン酸ナトリウム等も知られているが、メタバナジン酸ナトリウムは、水への溶解性が高いことから耐食性を十分に発揮できず、防錆顔料として望ましくない。
これに対して、上述のバナジウム化合物以外のバナジウム化合物を用いると、良好な初期乾燥性が得られず、塗料として取り扱うことが困難になる。例えばバナジウム化合物が五酸化バナジウムであると、水系塗料の初期乾燥性が高くなりすぎるため、塗装作業性が悪くなり、塗装手段(例えばスプレーガン)で詰まりの起こるおそれがある。また、水系塗料の初期乾燥性が高すぎると、貯蔵安定性も悪くなる。一方、初期乾燥性が低すぎると、常温での乾燥が困難になる。
なお、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物に用いる防錆顔料は、縮合リン酸アルミニウム、カルシウムイオン交換シリカ、バナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウム以外の防錆顔料を、本発明の目的を害しない範囲内で含んでもよい。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、主溶媒として水を含む水系塗料であるが、該塗料組成物中における水の含有量は、20〜60質量%であることが好ましい。また、本発明においては、水と有機溶剤の混合物を用いてもよく、有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のカルビトール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物には、バインダー樹脂、防錆顔料及び水の他に、塗料業界で通常使用される添加剤、例えば、着色顔料、体質顔料、表面調整剤、湿潤剤、顔料分散剤、乳化剤、増粘剤、沈降防止剤、皮張り防止剤、たれ防止剤、消泡剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、乾燥剤、可塑剤、防カビ剤、抗菌剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、導電性付与剤及び中和剤等を目的に応じて適宜配合することができる。これら添加剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、例えば、バインダー樹脂、防錆顔料及び水と、必要に応じて適宜選択される各種添加剤とを混合することにより調製できる。本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、一液型でも二液型でもよいが、初期乾燥性が良好であり、常温乾燥が可能であるため、一液型塗料として好適に使用できる。また、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物は、耐水性にも優れており、上塗り塗料として好適に使用できる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物を塗布する方法としては、特に制限されず、公知の塗布方法、例えば、ディッピング法、スピンコート法、フローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、ブレードコート法及びエアーナイフコート法等が挙げられる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物の塗布量は、塗布される基材の種類や用途に応じて変えることができるが、通常、10〜300g/m2であり、15〜200g/m2であることが好ましい。なお、基材表面に形成される塗膜の膜厚は、該塗料組成物の塗布量に依存する。本発明において、基材はゴム製品を構成する金属部分であることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1〜18及び比較例1〜10>
表1〜3に示す配合処方の塗料組成物を常法に従って調製し、得られた塗料組成物に対し、初期乾燥性、仕上がり性、耐水性、耐食性、付着性、塗膜加工性及び塗料安定性を下記の方法により評価した。結果を表1〜3に示す。
表1〜3に示す配合処方の塗料組成物を常法に従って調製し、得られた塗料組成物に対し、初期乾燥性、仕上がり性、耐水性、耐食性、付着性、塗膜加工性及び塗料安定性を下記の方法により評価した。結果を表1〜3に示す。
(1)初期乾燥性
4ミルアプリケーターを用いてSPCC−SD(ボンデライト処理N144、150×70×0.8mm、TP技研製)上に塗料組成物を塗布し、膜厚20〜30μmの試験板を作製した。これを23℃及び50%RHの雰囲気下に放置した。ここで、試験板上の塗膜が半硬化状態に至るまでの時間を指触により測定し、塗料組成物の初期乾燥性を以下の基準により評価した。なお、半硬化状態とは、塗膜表面の中央部分を指先で軽く擦っても該中央部分に擦り跡がつかない状態をいう。
○: 12時間から24時間の間で半硬化状態に至る。塗装に適した乾燥性を有する。
△: 24時間を超えるが48時間以内に半硬化状態に至る。塗装作業性が困難にならない程度の乾燥性を有する。
×: 乾燥が早過ぎ、4時間以内に半硬化状態に至るか又は48時間を超えて半硬化状態に至る。塗装が困難であるか又は塗装作業性が悪い。
4ミルアプリケーターを用いてSPCC−SD(ボンデライト処理N144、150×70×0.8mm、TP技研製)上に塗料組成物を塗布し、膜厚20〜30μmの試験板を作製した。これを23℃及び50%RHの雰囲気下に放置した。ここで、試験板上の塗膜が半硬化状態に至るまでの時間を指触により測定し、塗料組成物の初期乾燥性を以下の基準により評価した。なお、半硬化状態とは、塗膜表面の中央部分を指先で軽く擦っても該中央部分に擦り跡がつかない状態をいう。
○: 12時間から24時間の間で半硬化状態に至る。塗装に適した乾燥性を有する。
△: 24時間を超えるが48時間以内に半硬化状態に至る。塗装作業性が困難にならない程度の乾燥性を有する。
×: 乾燥が早過ぎ、4時間以内に半硬化状態に至るか又は48時間を超えて半硬化状態に至る。塗装が困難であるか又は塗装作業性が悪い。
(2)仕上がり性
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板について、塗膜外観を目視で観察し、塗膜の仕上がり性を以下の基準により評価した。
○:塗膜表面が平らで滑らかである。
△:塗膜表面にハジキ、凹み、曇りのいずれかが観察される。
×:塗膜表面にハジキ、凹み、曇りのいずれかが観察され、その程度が著しい。
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板について、塗膜外観を目視で観察し、塗膜の仕上がり性を以下の基準により評価した。
○:塗膜表面が平らで滑らかである。
△:塗膜表面にハジキ、凹み、曇りのいずれかが観察される。
×:塗膜表面にハジキ、凹み、曇りのいずれかが観察され、その程度が著しい。
(3)耐水性
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板を40℃の温水に240時間浸漬して、乾燥させた。その後、塗膜外観を目視で観察し、塗膜の耐水性を以下の基準により評価した。
◎:良好である。
○:やや艶引けが見られるが製品として問題ないレベル。
△:フクレ、色落ちのいずれかが見られる。
×:フクレ、色落ちのいずれかが見られ、その程度が著しい。
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板を40℃の温水に240時間浸漬して、乾燥させた。その後、塗膜外観を目視で観察し、塗膜の耐水性を以下の基準により評価した。
◎:良好である。
○:やや艶引けが見られるが製品として問題ないレベル。
△:フクレ、色落ちのいずれかが見られる。
×:フクレ、色落ちのいずれかが見られ、その程度が著しい。
(4)耐食性
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板の塗膜にカッターナイフでクロスカット傷を入れ、カット部を作製し、この試験板について840時間耐塩水噴霧試験を行った。試験後、カット部からの錆及びふくれの幅によって以下の基準で評価した。なお、耐塩水噴霧試験は、JIS K5600−7−1に準じて実施される耐中性塩水噴霧性の試験である。
◎:錆及びふくれの幅がカット部から最大2mm未満
○:錆及びふくれの幅がカット部から最大2mm以上でかつ3mm未満
△:錆及びふくれの幅がカット部から最大3mm以上でかつ4mm未満
×:錆及びふくれの幅がカット部から最大4mm以上
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板の塗膜にカッターナイフでクロスカット傷を入れ、カット部を作製し、この試験板について840時間耐塩水噴霧試験を行った。試験後、カット部からの錆及びふくれの幅によって以下の基準で評価した。なお、耐塩水噴霧試験は、JIS K5600−7−1に準じて実施される耐中性塩水噴霧性の試験である。
◎:錆及びふくれの幅がカット部から最大2mm未満
○:錆及びふくれの幅がカット部から最大2mm以上でかつ3mm未満
△:錆及びふくれの幅がカット部から最大3mm以上でかつ4mm未満
×:錆及びふくれの幅がカット部から最大4mm以上
(5)付着性
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板の塗膜をカッターナイフで切り込み、1mm幅の碁盤目を100個作製し、その後、碁盤目部分に粘着テープを貼り、23℃にて引き剥がし、塗膜が残っている碁盤目の数を観察した。
○:残存個数100個
△:残存個数90〜99個
×:残存個数89個以下
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板の塗膜をカッターナイフで切り込み、1mm幅の碁盤目を100個作製し、その後、碁盤目部分に粘着テープを貼り、23℃にて引き剥がし、塗膜が残っている碁盤目の数を観察した。
○:残存個数100個
△:残存個数90〜99個
×:残存個数89個以下
(6)塗膜加工性
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板に対して、23℃にて、4T折り曲げ加工を施した。4T折り曲げ加工とは、塗膜を外側にして試験板を折り曲げ、その内側に試験板と同じ厚さの板を4枚挟み、万力を用いて試験板を180度折り曲げる加工である。加工後、折り曲げた部分の塗膜を目視で観察し、塗膜の加工性を以下の基準で評価した。
○:折り曲げた部分において、塗膜の異常が全く認められない。
△:折り曲げた部分において、塗膜のワレ及び塗膜の剥がれの両方又は一方がわずかに認められる。
×:折り曲げた部分において、塗膜のワレ及び塗膜の剥がれの両方又は一方が認められ、その程度が著しい。
「(1)初期乾燥性」において作製した試験板に対して、23℃にて、4T折り曲げ加工を施した。4T折り曲げ加工とは、塗膜を外側にして試験板を折り曲げ、その内側に試験板と同じ厚さの板を4枚挟み、万力を用いて試験板を180度折り曲げる加工である。加工後、折り曲げた部分の塗膜を目視で観察し、塗膜の加工性を以下の基準で評価した。
○:折り曲げた部分において、塗膜の異常が全く認められない。
△:折り曲げた部分において、塗膜のワレ及び塗膜の剥がれの両方又は一方がわずかに認められる。
×:折り曲げた部分において、塗膜のワレ及び塗膜の剥がれの両方又は一方が認められ、その程度が著しい。
(7)塗料安定性
塗料組成物を250mlのポリ容器に入れ、該ポリ容器を暗所で恒温槽内に置き、40℃にて4週間放置した。その後、塗料組成物を目視で観察し、塗料安定性を以下の基準により評価した。
○:塗料組成物中においてゲル化及び相分離のいずれも認められない。
△:塗料組成物中においてゲル化及び相分離のうち少なくとも一方がわずかに認められる。
×:塗料組成物中においてゲル化及び相分離のうち少なくとも一方が認められ、その程度が著しい。
塗料組成物を250mlのポリ容器に入れ、該ポリ容器を暗所で恒温槽内に置き、40℃にて4週間放置した。その後、塗料組成物を目視で観察し、塗料安定性を以下の基準により評価した。
○:塗料組成物中においてゲル化及び相分離のいずれも認められない。
△:塗料組成物中においてゲル化及び相分離のうち少なくとも一方がわずかに認められる。
×:塗料組成物中においてゲル化及び相分離のうち少なくとも一方が認められ、その程度が著しい。
表1〜3に示される配合剤の詳細は、以下の通りである。
*1 シールデックスC303,W.R.Grace&Co.社製
*2 K−WhiteG105,テイカ社製
*3 トリポリリン酸カリウム,太平化学産業株式会社製
*4 トリポリリン酸ナトリウム,太平化学産業株式会社製
*5 防錆顔料
*6 体質顔料
*7 着色顔料
*8 モデピクス302,荒川化学株式会社製,アクリル変性エポキシ樹脂,不揮発分33質量%,ガラス転移温度62℃,酸価23mgKOH/g,水酸基価220mgKOH/g,重量平均分子量90,000
*9 モデピクス301,荒川化学株式会社製,アクリル変性エポキシ樹脂,不揮発分33質量%,ガラス転移温度70℃,酸価23mgKOH/g,水酸基価235mgKOH/g,重量平均分子量90,000
*10 特開2011−84663号公報の「製造例3 水性脂肪酸変性アクリル樹脂の製造」に従って調製された水性脂肪酸変性アクリル樹脂No.1(不揮発分40質量%)
*11 アクリセットEX−41,日本触媒社製,アクリル樹脂エマルション,不揮発分43質量%
*12 増粘剤,アデカノールUH420,株式会社ADEKA製
*13 顔料分散剤,ノイゲンEA−157,第一工業製薬株式会社製
*14 中和剤,トリエチルアミン
*1 シールデックスC303,W.R.Grace&Co.社製
*2 K−WhiteG105,テイカ社製
*3 トリポリリン酸カリウム,太平化学産業株式会社製
*4 トリポリリン酸ナトリウム,太平化学産業株式会社製
*5 防錆顔料
*6 体質顔料
*7 着色顔料
*8 モデピクス302,荒川化学株式会社製,アクリル変性エポキシ樹脂,不揮発分33質量%,ガラス転移温度62℃,酸価23mgKOH/g,水酸基価220mgKOH/g,重量平均分子量90,000
*9 モデピクス301,荒川化学株式会社製,アクリル変性エポキシ樹脂,不揮発分33質量%,ガラス転移温度70℃,酸価23mgKOH/g,水酸基価235mgKOH/g,重量平均分子量90,000
*10 特開2011−84663号公報の「製造例3 水性脂肪酸変性アクリル樹脂の製造」に従って調製された水性脂肪酸変性アクリル樹脂No.1(不揮発分40質量%)
*11 アクリセットEX−41,日本触媒社製,アクリル樹脂エマルション,不揮発分43質量%
*12 増粘剤,アデカノールUH420,株式会社ADEKA製
*13 顔料分散剤,ノイゲンEA−157,第一工業製薬株式会社製
*14 中和剤,トリエチルアミン
Claims (5)
- アクリル変性エポキシ樹脂を含むバインダー樹脂と、縮合リン酸アルミニウム、カルシウムイオン交換シリカ及びバナジウム化合物を含む防錆顔料とを含み、前記バナジウム化合物がバナジン酸カルシウム、メタバナジン酸カリウム及びメタバナジン酸アンモニウムよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする水性エポキシ樹脂塗料組成物。
- 前記バナジウム化合物がバナジン酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の水性エポキシ樹脂塗料組成物。
- 前記バインダー樹脂100質量部に対して、縮合リン酸アルミニウムの含有量が10〜80質量部であり、カルシウムイオン交換シリカの含有量が0.5〜40質量部であり、バナジウム化合物の含有量が0.1〜30質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性エポキシ樹脂塗料組成物。
- 上塗り塗料用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性エポキシ樹脂塗料組成物。
- 前記縮合リン酸アルミニウムがトリポリリン酸二水素アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性エポキシ樹脂塗料組成物。
Priority Applications (1)
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JP2014028316A JP2015151511A (ja) | 2014-02-18 | 2014-02-18 | 水性エポキシ樹脂塗料組成物 |
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JP2014028316A JP2015151511A (ja) | 2014-02-18 | 2014-02-18 | 水性エポキシ樹脂塗料組成物 |
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JP (1) | JP2015151511A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018025448A1 (ja) * | 2016-08-04 | 2018-02-08 | 株式会社青山製作所 | ねじ部品用防錆処理液、防錆処理されたねじ部品の製造方法及び防錆処理されたねじ部品 |
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-
2014
- 2014-02-18 JP JP2014028316A patent/JP2015151511A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11111946B2 (en) | 2016-08-04 | 2021-09-07 | Aoyama Seisakusho Co., Ltd. | Rust proofing treatment liquid for threaded part, method for producing rust-proofed threaded part, and rust-proofed threaded part |
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