JP2015145016A - メッシュプレートの孔明け製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微小孔の複数個同時抜きにより極薄プレートが矢に食い付くことを防ぎ、量産化が可能でコストの安い極薄のメッシュプレートであるバリアメンブレンを得ること。
【解決手段】 バリアメンブレンによる再生治療法に使用するメッシュプレートの孔明けの製造方法において、少なくとも複数の矢7を保持したパンチ6とダイ9を有するプレス機械1により製造するものであって、ダイ9に被加工物である極薄プレート8を位置決めする工程と、パンチ6を下降させる工程と、パンチ6又はダイ9の少なくとも一方に超音波発振機構10により超音波振動5aを付与する工程と、複数の矢7を極薄プレート8へ接触且つ押圧させて極薄プレート8へ複数の孔8aを同時に孔明けする工程と、複数の矢7を極薄プレート8から貫通させる工程とを有し、パンチ6又はダイ9の少なくとも一方に超音波振動5aを加えながら複数の孔8aを同時に孔明けする孔明け製造方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メッシュプレートの孔明け製造方法に関するもので、より詳しくは極薄のメッシュプレートへ複数の微細孔を孔明けする製造方法に関するものである。
近年、医学会における再生医療技術の発達は目覚しいものがある。即ち、メッシュプレートを作成し、このメッシュプレートを使用して顎骨の再建や眼窩底の再建、或いは歯科における再生治療などの研究が行われ、一部実用化されているものもある。
その中で歯科における硬組織再生治療の一つとして、歯周病により破壊された歯周組織を再生することの出来る歯周病治療技術の開発が進んでいる。歯周病は歯を支える歯槽骨が破壊される疾病で、日本人の歯の喪失をもたらす最大の原因と言われ成人の8割が罹患しているといわれている。そして、歯周病により歯を喪失した2次疾患として認知症の引き金にもなっている。
このような歯周病の治療として、人工生体膜(「バリアメンブレン」と呼ばれる)を用いた組織再生法が有効であるとして実用化されてきている。バリアメンブレンは10μm程度の薄い板材に数千〜数十万といわれる複数の微小孔が明けられたメッシュプレートである。以下に、歯周病及びバリアメンブレンについて説明する。
図5は歯周病を説明するための概略断面図である。(a)は歯周病に罹患した状態を表す断面図、(b)は歯周病が再生された状態を表す断面図である。歯周病とは細菌に犯された歯槽骨が次第に無くなって歯茎のところにスペース(空洞)が出来てしまうことである。そこで歯周病再生技術としては、バリアメンブレンを用いてこの歯槽骨を再生させスペースを埋めてしまう治療である。上記の再生方法を説明すると、図5(a)に示すように、歯周病になると歯31を包む歯槽骨32の一部が歯槽骨破壊域34に示すように破壊されて無くなってしまうものである。そして、それが高じると歯31が抜けてしまう結果となる。
そこで、歯槽骨破壊域34を覆うように微小孔の明いた極薄のメッシュプレートで出来たバリアメンブレン33で包み込むことによってバリアメンブレン33の微小孔から栄養分を吸収し、図5(b)に示すように、歯槽骨再生域35に歯槽骨32を再生させるものである。これは残存する骨組織から新生骨を誘導するスペースメイキングと呼ばれる手法である。
従来のバリアメンブレンは、ポリマー、主にはテフロン(登録商標)材を用いて多孔質の薄いプレートで形成されていた。この従来のバリアメンブレンはt=200μmの厚さで、孔径φ=100μm、ピッチp=500〜600μmのメッシュプレートが使用されていた。しかし材料がポリマーなので、使用している時に膨潤したり、人工生体膜として必要な生体親和性に乏しく、また厚さが厚いため組織内を占有して再生を阻害し、しばしば感染を招くため、バリアメンブレンとしては不十分のものであった。
そこで、近年は生体親和性が良く、強度を有し、極薄の板材とすることのできる「純チタン材」または「チタン合金材」をバリアメンブレンとして使用するための研究が進められている。チタン材は難加工材であるが、最近の技術進歩によりバリアメンブレンとして使用するための加工が可能となってきた。このチタン材をバリアメンブレンとして使用するためには、板厚をt=100μm以下、好ましくはt=50μm以下とし、微小孔の孔径をφ=50μm以下、好ましくはφ=30μm以下で、複数個(一般には数千〜数十万個といわれる)孔明けした極薄のマイクロメッシュプレートとする必要がある。
この微小孔の孔明け加工技術としては、レーザーによる孔明け加工やプレスによる孔明け加工がある。このうちレーザー加工は熱加工なので、相手が純チタン材であると熱変性によって脆性化し物性が壊滅的に劣化してしまったり、孔を数千から数十万という数の複数個を明けるには加工時間が膨大にかかるという欠点を有している。そこで考えられるのがプレスによる孔明け加工技術である。プレス加工によると複数の微小孔を同時抜きが出来るので、加工時間を大幅に短縮することが出来る。
次にプレスによる孔明け加工技術について説明する。特許文献1には、板状のプレートとして金属、セラミック、プラスチック、ポリマーを用い、孔径がφ=1〜φ50μmでピッチがt=3〜300μmであって、板厚がt=2〜100μmのメッシュプレートをバリアメンブレンとして使用する点が記載されている。そしてその孔の加工法として特許文献1の図12〜図14に、1本のパンチPとダイスDを用いて被加工部材Wに孔を明けるのであるが、特許文献1の段落番号〔0046〕によれば、複数の孔を明ける時は、保持テーブル105をテーブル103の上面に沿って移動させることで、複数の貫通孔を明けることが出来る、と記載されている。言い換えれば被加工部材の移動によって複数の孔明けをする技術が開示されている。
一般にプレス機で複数の穴を同時抜きすることは知られているので、本発明者らは同時孔抜きの試験を行ってみた。図6は複数の微小孔を同時抜き加工が出来る従来のプレス加工装置の断面図を示す。プレス機械40は上型41と下型42と駆動源43を備えている。上型41にはパンチホルダー44と孔明け用の矢46を有し、パンチホルダー44に取り付けられたパンチ45が保持され、下型42には被加工材であるメッシュプレート(以下「極薄プレート」という)48のブランクを位置決め保持するダイ47を備えている。駆動源43としてはエアシリンダーまたはサーボモーターを使用する。
作用を説明すると、まず極薄プレート48のブランクをダイ47上に位置決めし、孔の個数だけ有する矢46を固定したパンチ45を、矢印49のようにパンチホルダー44によって駆動源43を用いて押圧力を掛けて孔明け加工を行う。図7は孔明け加工時の状態を示す断面図である。図7によるとパンチホルダー44に固定されたパンチ45に設けられた矢46は極薄プレート48を貫通し矢46がダイ47の図示しない穴に入り込むことで孔明け加工が成される。それによって、図3で後述するように、一定のピッチで多数の微小孔8aが同時加工で形成される。
特開2011−142831号公報
上述のように、孔明け加工を複数個同時に抜くために、図6のプレス機械を用いて図7のような方法で極薄プレートの孔明け製造を行ってみた。ところがここで大きな問題に直面した。即ち、図7のように孔抜きはきれいに出来るのであるが、矢46が極薄プレート48を貫通した後で、極薄プレート48を矢46から外そうとするとその矢46から外すことが出来ず、結局は手動で外すしか方法が無かった。
一般のプレス機械であれば、被加工物から矢を外すためにストリッパーを使用するのであるが、本願の極薄プレート48の孔明け加工の場合は、孔8a(図3参照)の径が30μm以下と非常に小さく且つピッチの間隔も非常に小さく、更には明ける孔の数が非常に多いために、ストリッパーを取り付ける場所または空間が無いのである。ストリッパーをパンチの周囲に取り付けたとしても極薄プレート48の厚さが50μm以下と薄いため極薄プレート48の中央部分を矢46から抜くことが出来ずに、中央部分は変形してしまうという結果となり、結局注意をしながらの手動外しとならざるを得ないため、量産には採用できないという課題が発生した。
上記の極薄プレート48が矢46から抜けなくなる理由は下記のように考えられる。即ち、図8はその概念を説明するための断面図であるが、その理由を図8を用いて説明する。プレス機械40による孔明け加工の場合、矢46に上方より一定の押圧力49を掛けて孔8aを一気に抜くために、極薄プレート48の抜き終わった孔8aには孔の方向に働く弾性力が残っており、矢46の周囲に向かって、図8に示すように、矢印48aのような締め付ける力が働くものと推定できる。このために被加工物である極薄プレート48は矢46から簡単には外れなくなってしまうものと考えられる。しかも、本願のように数千〜数十万個の孔8aを明ける場合は、その締め付ける力の総和が大きくなり、極薄プレート48はしっかりと矢に固定されてしまうものである。
尚、特許文献1には、確かに、バリアメンブレンとして使用するために、孔径や板厚或いはピッチ等が記載されていると共に、孔加工の方法についても開示された板状プレートが記載されている。しかし、1本のパンチを用い被加工部材の移動によって複数個の孔明けをする方法であるので、パンチの周囲にストリッパーを設けることも出来るため、このような問題は解決できるかもしれないが、特許文献1のような方法では孔数が多い加工の場合には加工時間が膨大に掛かってしまうため、コストの非常に高いバリアメンブレンしか得ることができなくなり量産化が困難であるという欠点を有している。
本発明は、上記事情に鑑み成されたもので、プレス加工により微小孔を数千〜数十万という複数個を同時抜きしても極薄プレートの孔が矢に食い付くことが無く、容易に外すことのできる加工方法を提供することによって、量産化が可能でコストの安いバリアメンブレンとしての極薄のメッシュプレートを得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明におけるメッシュプレートの孔明け製造方法は、バリアメンブレンの設置手術による再生治療法に使用するメッシュプレートの孔明け製造方法において、少なくとも複数の矢を保持したパンチとダイを有するプレス機により製造するものであって、前記ダイに被加工物であるプレートを位置決めする工程と、前記パンチを下降させる工程と、前記パンチ又は前記ダイの少なくとも一方に超音波発振機構により超音波振動を付与する工程と、前記複数の矢を前記プレートへ接触且つ押圧させて前記プレートへ複数の孔を同時に孔明けする工程と、前記複数の矢を前記プレートから貫通させる工程とを有し、前記パンチ又は前記ダイの少なくとも一方に前記超音波振動を加えながら複数の孔を同時に孔明けすることを特徴とする。
また、前記メッシュプレートの材質はチタンであって、前記メッシュプレートは1μm以上100μm以下の板厚を有すると共に、前記メッシュプレートに形成する孔の最大径は1μm以上30μm以下であり、孔間距離のピッチは10μm以上200μm以下であることを特徴とする。
また、前記ダイは、孔明け時の抜きカスが沈み込む程度に柔らかい樹脂で形成されていることを特徴とする。
また、前記超音波発振機構は本体とホーンとを有し、前記超音波発振機構を横置きとすると共に、横置き状態で本体の横振動をホーンにおいては縦振動に変換可能な装置であり、前記超音波発振機構は、振動数が20kHz、振幅が1〜10μmであって、前記パンチ又は前記ダイに縦振動を付与するものであることを特徴とする。
また、前記パンチに超音波振動を加えながら前記パンチを上下動させつつ孔明け加工することを特徴とする。
本発明の効果は、孔を明ける時には超音波振動を与えながら加工をするので、薄板プレートに矢が食い付くことが無くなるため、薄板プレートをプレス機械より容易に排出できる。これによって、量産化を可能とすることが出来るようになったので、安価な極薄プレートであるバリアメンブレンを提供できるようになった。
本発明の第1実施の形態による加工工程を示す断面図で、極薄プレートと矢との関係を示すものであり、(a)工程は矢が薄板プレートに接触する前の状態を示し、(b)工程は矢が極薄プレートに接触した状態を示し、(c)工程は孔明け加工が進行した状態を示し、(d)工程は極薄プレートに貫通孔が形成された状態を示す。 極薄プレートに孔明けする時のプレス機械の概略断面図を示す。 完成した極薄プレートを示す平面図であり、(a)は極薄プレートの平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明の第2実施の形態による加工工程を示す断面図であり、パンチに超音波振動を付与しながらパンチを上下動させる孔明け加工を施すものであり、(a)工程は矢が極薄プレートに接触する直前の状態、(b)工程は押圧力と超音波振動を付与しつつ孔明け加工を開始した状態、(c)工程はパンチを一旦上昇させた状態、(d)工程は再び押圧力と超音波振動を付与しつつ更に孔明け加工を行っている状態、(e)工程は再びパンチを上昇させた状態、(f)工程は極薄プレートに貫通孔が形成された状態を示す。 歯周病を説明するための概略断面図で、(a)は歯周病に罹患した状態を表す断面図、(b)は歯周病が再生された状態を表す断面図である。 複数の微小孔を同時抜き加工が出来る従来のプレス加工装置の断面図を示す。 孔明け加工時の状態を示す断面図である。 極薄プレートが矢から抜けなくなる理由を概念的に説明するための断面図である。
本発明は、複数の孔を同時に孔明けする加工において、少なくとも極薄プレートに矢が接触した瞬間から矢が極薄プレートを貫通し終わるまで、矢またはダイに縦方向の超音波振動を与えながら加工するものである。
(第1実施の形態)
図1は本発明の第1実施の形態による加工工程を示す断面図で、極薄プレートと矢との関係を示すものであり、図2は極薄プレートに孔明けする時のプレス機械の概略断面図を示している。また、図3は完成した極薄プレートを示す(a)は平面図、(b)は断面図であり、孔はその一部のみを示している。
まず図2によりプレス機械について簡単に説明する。1はプレス機械であり、上型2と下型3と駆動装置4及び制御部13とより構成されている。上型2にはパンチホルダー5とこのパンチホルダー5に保持された複数の矢7を備えたパンチ6を有し、下型3には平板状のダイ9を有している。そして、ダイ9の上には被加工部材としての極薄プレート8が位置決めされて載置されている。駆動装置4は本実施例ではサーボモーターを使用してパンチホルダー5に押圧部4aにより矢印4b方向の押圧力を加える装置である。また、制御部13は矢7が一定位置まで下降したら後述の超音波発振機構10を駆動させるものである。
プレス機械1には更に、本体11とホーン12よりなる超音波発振機構10が備えられている。この超音波発振機構10は本願では横置きタイプとしたので、本体11には横振動11aが発生し、ホーン12では縦振動12aに変換される振動形態を有する装置である。このように横置きタイプの構成の超音波発振機構10を用いると装置を小型化できる利点がある。本実施形態では、この超音波発振機構10をパンチ6に接続している。
プレス機械1の作用について説明する。上型2にはパンチホルダー5に矢7を取り付けたパンチ6を保持し、下型3にはダイ9に被加工物の極薄プレート8を載置し位置決めする。そして、超音波発振機構10の本体11の横振動11aをホーン12の縦振動12aに変換して付与することで、パンチホルダー5に縦振動5bを起させてパンチ6に縦振動を誘起させる。この誘起された状態で駆動装置4の押圧部4aによりパンチ6に押圧力4bを加えながら矢7で極薄プレート8に孔明け加工を行う。
本実施例ではこの時の超音波振動は、振動数が20kHz、振幅は6μmのものを使用した。また、矢7は数千〜数十万個の孔明けが可能となる数を有するが、本実施例では20万本の矢を有しているものとする。矢としては、1枚のプレートに砥石を用いて縦方向及び横方向に研削して所定の大きさの突起を孔の数だけ形成したもの(以下に「剣山パンチ」と称す)を使用している。
本実施の形態に用いる極薄プレート8を図3に示す。図3(a)は極薄プレート8の平面図、(b)は(a)のAA断面図である。図3に示すように、その板厚がt=10μmのものを使用し、孔8aの直径はφ=20μmの大きさの孔を20万個同時孔明けするものとする。また、孔間のピッチはp=30μmである。孔の形状は円形状で説明するが、角形状でも適用は可能である。孔の形が角形状のほうが上記の剣山パンチを使用できるので製造は容易である。尚、角孔の場合は対角線の長さが20μmであることが好ましい。更に言えば、楕円形の場合でも良いがこの場合は長辺が20μmであることが好ましい。要は、孔の形状は特に限定するものでは無く、基本的には孔の最大寸法部分が20μmであることが好ましい。
次に図1を用いて本発明の孔明け加工の工程を説明する。尚、図の簡略化のため矢は5本のみを図示している。
図1において、(a)工程は、未だ矢7が薄板プレート8に接触する前の状態を示しており、超音波振動は付与されていない。しかし、パンチ6には駆動装置4により一定の押圧力4bが働いてパンチ6は下降している。(b)工程は、駆動装置4の押圧力4bによりパンチ6が下降して矢7の先端が極薄プレート8に接触した状態を示す。矢7が極薄プレート8に接触する直前を制御部13が感知し超音波発振機構10が駆動する。すると、パンチ6に縦方向の超音波振動5aが付与されて矢7に超音波振動が伝達される。この時の超音波振動は、上述のように、振動数が20kHz、振幅は6μmである。これによって矢7による極薄プレート8への孔明け加工が開始する。
(c)工程は、孔明け加工がある程度進行した状態を示し、矢7に押圧力4bが加えられつつ振幅6μmで上下動5aを行いながら極薄プレート8に複数同時に微細な孔8aが明けられている状態を示す。(d)工程は、矢7が極薄プレート8の厚さを貫通して極薄プレート8に貫通孔8aが形成された状態を示す。孔数は上述のように20万個で同時孔明け加工される。ダイ9は樹脂の板材を使用することで、孔8aが貫通後矢7はダイ9に多少食い込むために、孔の抜きカスはダイ9に食い込んでダイ9に残る形となる。ダイ9の材料は薄いテフロン(登録商標)が最適であるが、これに限定されるものでは無い。
その後駆動装置4によりパンチ6を上昇させると、極薄プレート8は矢7から容易に外れてダイ9上に残る。従って、極薄プレート8の搬出作業が簡単に行えることとなる。これによって、図3に示すように、板厚t=10μm、孔径φ=20μm、ピッチp=30μmの微小孔が20万個明けられた極薄プレート8を容易に得ることができた。
ところで、極薄プレート8が矢7から容易に外れる理由は次のように考えられる。図10を用いて説明すると、孔明け加工の時矢7に超音波振動を付与しているので、孔明け速度がゆっくりとなると同時に超音波の振幅の分上下動しながら孔明けが実行される。このため、極薄プレート8に与える変形抵抗を大きく低減させることができる。従って、図10の従来技術で述べたように孔8aの周囲には弾性力48aは残っておらず、孔8aは完全に塑性変形させられた状態となる。それ故に矢7は孔8aからスムーズに抜くことが出来るものと考えられる。従って、量産加工が可能となり、これにより安価なバリアメンブレンを得ることができるようになった。
(第2実施の形態)
本発明の第2実施の形態について説明する。図4は、パンチ6に超音波振動5aを付与すると共に駆動装置4でもパンチ6を上下動させながら極薄プレート8に孔明け加工を施す断面図である。簡略化のため矢7は3本のみを示す。(a)工程は、矢7がダイ9上の極薄プレート8に接触する直前の状態で、このときに制御部13により6μmの振幅を有する超音波振動5aの縦振動がパンチ6に与えられる。(b)工程は、押圧力4bと共に超音波振動5aを付与しながら矢7が極薄プレート8に孔明け加工を開始した状態である。(c)工程は、駆動装置4により超音波振動5aを付与したままパンチ6を一旦上昇させた状態を示す。極薄プレート8には有底の孔8aaが明いている。
(d)工程は、再び押圧力4bを加え且つ超音波振動5aを付与しながら更に深い孔明け加工を行っている状態を示している。(e)工程は、もう一度パンチ6を上昇させた状態を示す。これによって、極薄プレート8には矢7により(c)図に図示の有底孔8aaよりも更に深い有底孔8abが板厚の2/3位まで明けられている。(f)工程は、矢7を貫通させて極薄プレート8に貫通孔8aが形成された状態を示す。即ち、第2の実施の形態は、超音波振動5aを与えながらパンチ6をも上下に動かしつつ孔明け加工を行うものである。この工程では、第1の実施形態に比べれば多少加工時間が掛かるが、矢7への負担を少なくして矢7の折れ等を極力少なくできる効果がある。矢7の上下動の動きの回数は適宜決定されるものである。
以上、本発明を第1実施の形態と第2実施の形態で説明したが、これに限定されるものではなく、請求の範囲内での変更は種々あり得る。例えば、超音波発振機構による超音波振動をパンチに付与することで説明をしてきたが、超音波振動をダイに付与しても構わない。この構成によれば、図4の加工を行う場合でも、駆動装置により上下動するパンチではなく、上下動しないダイに超音波振動が付与されるようになるので、装置がより簡略化される。
また、超音波発振機構を横置きタイプとしたが、もちろん縦置きタイプとしてパンチやダイに縦振動を与える構成でも何ら差し支えは無い。但し、パンチは縦振動であることがより好ましい。また、パンチは剣山パンチを使用すれば角孔が加工できる点を説明したが、矢の高さは微小の寸法であるのでエッチングなどの加工法を用いれば円孔の加工はもちろん、種々の形状の孔明けが可能である。但し、エッチング加工の場合はパンチの角をシャープにする2次加工が必要となる。
また、極薄プレート8の板厚はt=1〜100μmの範囲での変更は可能であるが、好ましい範囲としてはバリアメンブレンの厚さとしてはt=1〜50μmの厚さが良く、より好ましくはt=5〜30μmである。また、孔径はφ=20μmで説明したが、φ=10〜50μmであるのが好ましい範囲である。更に孔数は20万個同時加工を行う説明をしたが、孔数は複数個であれば良く数千から数十万の範囲で形成される。これら数値の上限と下限はバリアメンブレンとして使用できる範囲により決定されるものである。
また、孔明け加工を一度の同時抜きで説明してきたが、順送り金型を用いれば、例えば20万個を4万個ずつの5回で形成するなどの方法も採用できる。即ち、複数回に分けて1枚の極薄プレートを加工することが可能である。この方法であると矢の生産が簡単になる。
本発明は歯周病の再生治療用の極薄プレート、即ちバリアメンブレンとして説明したが、他にもインプラントの治療用としても使用可能であるし、その他、顎骨の再建や眼窩底の再建の再生治療用など、種々の再生治療のためのメッシュプレートとしての使用に大きな効果を発揮するものである。
1、40:プレス機械
2、41:上型
3、42:下型
4:駆動装置
4a:押圧
5、44:パンチホルダー
6、45:パンチ
7、46:矢
8、48:極薄プレート
8a:孔
9、47:ダイ
10:超音波発振機構
11:本体
12:ホーン
13:制御部
31:歯
32:歯槽骨
33:バリアメンブレン
34:歯槽骨破壊域
35:歯槽骨再生域
43:駆動源
t:板厚
p:ピッチ
φ:孔径

Claims (5)

  1. バリアメンブレンの設置手術による再生治療法に使用するメッシュプレートの孔明けの製造方法において、
    少なくとも複数の矢を保持したパンチとダイを有するプレス機により製造するものであって、
    前記ダイに被加工物であるプレートを位置決めする工程と、
    前記パンチを下降させる工程と、
    前記パンチ又は前記ダイの少なくとも一方に超音波発振機構により超音波振動を付与する工程と、
    前記複数の矢を前記プレートへ接触且つ押圧させて前記プレートへ複数の孔を同時に孔明けする工程と、
    前記複数の矢を前記プレートから貫通させる工程と、を有し、
    前記パンチ又は前記ダイの少なくとも一方に前記超音波振動を加えながら複数の孔を同時に孔明けすることを特徴とするメッシュプレートの孔明け製造方法。
  2. 前記メッシュプレートの材質はチタンであって、前記メッシュプレートは1μm以上100μm以下の板厚を有すると共に、前記メッシュプレートに形成する孔の最大径は1μm以上30μm以下であり、孔間距離のピッチは10μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  3. 前記ダイは、孔明け時の抜きカスが沈み込む程度に柔らかい樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  4. 前記超音波発振機構は本体とホーンとを有し、前記超音波発振機構を横置きとすると共に、横置き状態で本体の横振動をホーンにおいては縦振動に変換可能な装置であり、前記超音波発振機構は、振動数が20kHz、振幅が1〜10μmであって、前記パンチ又は前記ダイに縦振動を付与するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
  5. 前記パンチに超音波振動を加えながら前記パンチを上下動させつつ孔明け加工することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のメッシュプレートの孔明け製造方法。
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