JP2015143501A - 燃料供給装置 - Google Patents

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智紀 谷内
Tomonori Yanai
智紀 谷内
中島 隆志
Takashi Nakajima
隆志 中島
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Abstract

【課題】コストの増大および燃料タンクの大型化を抑制しながら、燃料から鉄分を除去することができる、燃料供給装置を提供する。【解決手段】燃料ポンプ3に内蔵されるモータの固定子に、永久磁石23が用いられている。燃料ポンプ3のポンプハウジング21は、非磁性材料または薄肉の板金からなる。そのため、永久磁石23の磁力により、燃料中の鉄分がポンプハウジング21に捕捉される。燃料ポンプ3を支持するポンプ支持部8は、ポンプハウジング21の全周を取り囲む帯状に形成され、永久磁石23に対してポンプ支持部8からの燃料ポンプ3の抜き取り方向の下流側、つまり上方に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ポンプを燃料タンク内に配設するタイプの燃料供給装置に関する。
自動車などの車両には、燃料供給装置として、燃料ポンプやサクションフィルタなどを燃料タンク内に配設するタイプものが広く採用されている。
燃料ポンプ(インタンク式電動燃料ポンプ)は、燃料タンク内において、その吸入口が下端に位置するように配置される。サクションフィルタは、燃料ポンプの吸入口に取り付けられており、燃料タンク内において、燃料タンクの底面に沿って延びるように設けられる。燃料ポンプが駆動されると、燃料タンク内の燃料は、サクションフィルタを通過して、燃料ポンプの吸入口に吸入される。燃料がサクションフィルタを通過する際に、サクションフィルタにより、燃料に含まれる異物が除去される。
特開2002−303219号公報
地域(国)によっては、燃料に鉄分が含まれており、サクションフィルタなどのフィルタが鉄分で早期に目詰まりする。たとえば、燃料タンクの内面に磁石を貼り付けて、燃料に含まれる鉄分を磁石で捕捉して、燃料中から鉄分を除去することが考えられるが、コストの増大を招き、また、燃料タンクの容量を確保しようとすると、燃料タンクの大型化を招く。
本発明の目的は、コストの増大および燃料タンクの大型化を抑制しながら、燃料から鉄分を除去することができる、燃料供給装置を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る燃料供給装置は、燃料タンク内に配設される燃料ポンプと、燃料ポンプを支持するポンプ支持部とを含み、燃料ポンプは、永久磁石を用いた固定子と、固定子の内側に配置された回転子と、固定子の外側を取り囲み、永久磁石の磁力により燃料中の鉄分を捕捉可能に構成されたポンプハウジングとを備え、ポンプ支持部は、ポンプハウジングの全周を取り囲む帯状に形成され、永久磁石に対してポンプ支持部からの燃料ポンプの抜き取り方向の下流側に配置されるか、または、燃料ポンプを収容し、永久磁石と対向する位置に開口部が形成されたケースからなる。
この構成によれば、燃料ポンプに内蔵されるモータの固定子に、永久磁石が用いられている。燃料ポンプのポンプハウジングは、永久磁石の磁力により燃料中の鉄分を捕捉可能に構成されている。燃料中の鉄分がポンプハウジングに捕捉されることにより、燃料を浄化するためのフィルタの目詰まりの発生を抑制することができる。その結果、フィルタを長寿命化することができる。しかも、鉄分の捕捉に固定子の永久磁石を利用し、永久磁石を別途設けていないので、コストの増大および燃料タンクの大型化を抑制することができる。
そして、燃料ポンプを支持するポンプ支持部は、ポンプハウジングの全周を取り囲む帯状に形成され、永久磁石に対してポンプ支持部からの燃料ポンプの抜き取り方向の下流側に配置されてもよいし、燃料ポンプを収容し、永久磁石と対向する位置に開口部が形成されたケースで構成されてもよい。前者の場合、燃料ポンプがポンプ支持部から抜き取られる際に、ポンプハウジングに捕捉された鉄分がポンプ支持部のエッジで掻き取られる。後者の場合、燃料ポンプがケースから抜き取られる際に、ポンプハウジングに捕捉された鉄分が開口部のエッジで掻き取られる。よって、いずれの構成であっても、ポンプハウジングから鉄分を容易に除去することができ、燃料供給装置の整備にかかる手間を軽減することができる。
本発明によれば、コストの増大および燃料タンクの大型化を抑制しながら、燃料から鉄分を除去することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料供給装置の断面図である。 燃料ポンプの断面図である。 他の実施形態に係るポンプ支持部の側面図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料供給装置1の断面図である。
燃料供給装置1は、たとえば、内燃機関(図示せず)を備える車両に搭載され、燃料タンク2から内燃機関に燃料を供給する装置である。燃料供給装置1は、燃料ポンプ3、サクションフィルタ(ストレーナ)4およびブラケット5を備えている。
燃料ポンプ3は、インタンク式電動燃料ポンプである。燃料ポンプ3は、ブラケット5に取り付けられて、その吸入口31および吐出口33がそれぞれ下端および上端に位置するように、燃料タンク2内に配置される。
サクションフィルタ4は、燃料ポンプ3の下方において、ブラケット5に取り付けられている。
ブラケット5は、合成樹脂からなり、蓋部6、垂下部7、ポンプ支持部8およびフィルタ支持部9を備えている。
燃料タンク2の上壁10には、タンク開口部11が貫通して形成されている。蓋部6は、タンク開口部11に対応した形状(たとえば、略円形板状)に形成され、平面視においてタンク開口部11よりも大きいサイズを有している。蓋部6は、燃料タンク2の外側からタンク開口部11を閉塞するように、燃料タンク2に取り付けられる。蓋部6と上壁10との間には、タンク開口部11の周囲を取り囲む環状のシール材12が設けられている。
垂下部7は、蓋部6の下面に接続され、上下方向に延在している。垂下部7の上下方向の寸法は、燃料タンク2内の上下方向の寸法(高さ)よりも少し小さい。
ポンプ支持部8は、たとえば、垂下部7の上下方向の中央よりも少し下方に位置し、垂下部7に固定されている。ポンプ支持部8は、上下方向に幅を有する環状に形成されている。燃料ポンプ3は、ポンプ支持部8の内側に挿通されて、フィルタ支持部9が下方から当接することにより、ブラケット5に支持される。
フィルタ支持部9は、垂下部7の下端部に連結されている。フィルタ支持部9における垂下部7側と反対側の端部には、嵌合部14が形成されている。サクションフィルタ4は、その一端部が嵌合部14に嵌合されることにより、ブラケット5に支持され、ブラケット5(フィルタ支持部9)から延出する。
燃料ポンプ3、サクションフィルタ4およびブラケット5は、燃料タンク2のタンク開口部11から燃料タンク2内に入れられる。そして、蓋部6が燃料タンク2に取り付けられた状態では、フィルタ支持部9が燃料タンク2の底面に当接するか、または、フィルタ支持部9が燃料タンク2の底面から僅かに離間した位置に配置され、サクションフィルタ4がフィルタ支持部9の嵌合部14から燃料タンク2の底面に沿うように延びる姿勢をなす。
燃料ポンプ3が駆動されると、燃料タンク2内の燃料は、サクションフィルタ4を通して、燃料ポンプ3の吸入口31に吸入される。燃料がサクションフィルタ4を通過する際に、サクションフィルタ4により、燃料に含まれる異物が除去されて、燃料が浄化される。
サクションフィルタ4の目詰まりによる交換など、燃料供給装置1の整備の際には、蓋部6が燃料タンク2から取り外され、燃料供給装置1が引き上げられる。そして、燃料ポンプ3、サクションフィルタ4およびブラケット5は、タンク開口部11から燃料タンク2外に抜き出されて分解される。その際、燃料ポンプ3は、ポンプ支持部8から上方(フィルタ支持部9と反対側)に抜き取られる。
なお、燃料供給装置1には、図示されないが、燃料タンク2内の燃料のレベルを検出するためのセンダゲージ、燃料ポンプ3から内燃機関に向けて供給される燃料を浄化するための燃料フィルタ、燃料ポンプ3から内燃機関に向けて供給される燃料の圧力(燃圧)を調整するプレッシャレギュレータなどを備えている。
図2は、燃料ポンプ3の断面図である。
燃料ポンプ3は、ポンプハウジング21を備えている。ポンプハウジング21は、非磁性材料または薄肉の板金からなる。非磁性材料としては、たとえば、SUS304などのオーステナイト系ステンレス鋼を用いることができる。ポンプハウジング21は、ポンプ支持部8(図示せず)の内径とほぼ同じ外径を有する円筒状に形成されている。
ポンプハウジング21内には、モータ22が収容されている。モータ22は、ブラシ付きDCモータであり、環状に配設された複数の永久磁石23を用いた固定子と、固定子の内側に配設された電機子24とからなる。電機子24の内部には、コイルが収納されており、その表面には、コア25の端面が露出している。電機子24の上端部には、整流子26が配設されており、ブラシ27から整流子26を介して電機子24内のコイルに直流電力が供給される。
ポンプ支持部8は、図1に示されるように、永久磁石23と対向する位置よりも上方に位置している。
また、ポンプハウジング21内には、インペラケース28が収容されている。インペラケース28内には、インペラ29が収容されている。インペラケース28には、電機子24の回転軸30が挿通され、インペラケース28内において、その回転軸30がインペラ29の中心に連結されている。また、インペラケース28の下端部には、インペラケース28内に燃料を吸入するための吸入口31が形成されている。
電機子24内のコイルに直流電力が供給されると、電機子24が回転し、インペラ29が回転軸30と一体回転する。インペラ29が回転すると、吸入口31からインペラケース28内に燃料が吸入される。そして、燃料は、燃料流路32を通して、燃料ポンプ3の上端部に形成された吐出口33から吐出される。
以上のように、燃料ポンプ3に内蔵されるモータ22の固定子に、永久磁石23が用いられている。燃料ポンプ3のポンプハウジング21が非磁性材料または薄肉の板金からなるので、永久磁石23の磁力により、燃料中の鉄分がポンプハウジング21に捕捉される。燃料中の鉄分がポンプハウジング21に捕捉されることにより、燃料を浄化するためのサクションフィルタ4および燃料フィルタなどのフィルタの目詰まりの発生を抑制することができる。その結果、フィルタを長寿命化することができる。しかも、鉄分の捕捉に固定子の永久磁石23を利用し、永久磁石を別途設けていないので、コストの増大および燃料タンクの大型化を抑制することができる。
そして、燃料ポンプ3を支持するポンプ支持部8は、ポンプハウジング21の全周を取り囲む帯状に形成され、永久磁石23に対してポンプ支持部8からの燃料ポンプ3の抜き取り方向の下流側、つまり上方に配置されている。そのため、燃料ポンプ3がポンプ支持部8から抜き取られる際に、ポンプハウジング21に捕捉された鉄分がポンプ支持部8の下端のエッジで掻き取られる。よって、ポンプハウジング21から鉄分を容易に除去することができ、燃料供給装置1の整備にかかる手間を軽減することができる。
図3は、他の実施形態に係るポンプ支持部41の側面図である。
図1に示されるポンプ支持部8に代えて、図3に示されるポンプ支持部41が採用されてもよい。
ポンプ支持部41は、燃料ポンプ3を収容可能なケースからなる。ポンプ支持部41は、ポンプハウジング21の外径とほぼ等しい内径を有する周壁42と、周壁42の下端を閉塞する底壁43とを備えている。
周壁42には、燃料ポンプ3に内蔵された複数の永久磁石23(図2参照)とそれぞれ対向する位置(上下方向および周方向において同じ位置)に、上下方向に長い矩形状の開口部44が形成されている。
底壁43には、燃料ポンプ3の吸入口31が嵌合される嵌合孔45が形成されている。燃料ポンプ3の吸入口31が嵌合孔45に嵌合されることにより、燃料ポンプ3がポンプハウジング21に対して位置決めされる。この位置決めにより、永久磁石23と開口部44とが燃料ポンプ3のポンプハウジング21互いに対向する。
燃料タンク2内において、燃料が開口部44を介してポンプハウジング21に接触する。開口部44が永久磁石23と対向しているので、永久磁石23の磁力により、燃料中の鉄分が開口部44内でポンプハウジング21に捕捉される。そして、燃料ポンプ3がポンプ支持部41から抜き取られる際に、ポンプハウジング21に捕捉された鉄分が開口部44の上端のエッジで掻き取られる。よって、ポンプ支持部41が採用されても、ポンプ支持部8が採用された構成と同様に、ポンプハウジング21から鉄分を容易に除去することができ、燃料供給装置1の整備にかかる手間を軽減することができる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 燃料供給装置
2 燃料タンク
3 燃料ポンプ
8 ポンプ支持部
21 ポンプハウジング
23 永久磁石
24 電機子
41 ポンプ支持部
44 開口部

Claims (1)

  1. 燃料タンク内に配設される燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプを支持するポンプ支持部とを含み、
    前記燃料ポンプは、
    永久磁石を用いた固定子と、
    前記固定子の内側に配置された回転子と、
    前記固定子の外側を取り囲み、前記永久磁石の磁力により燃料中の鉄分を捕捉可能に構成されたポンプハウジングとを備え、
    前記ポンプ支持部は、前記ポンプハウジングの全周を取り囲む帯状に形成され、前記永久磁石に対して当該ポンプ支持部からの前記燃料ポンプの抜き取り方向の下流側に配置されるか、または、前記燃料ポンプを収容し、前記永久磁石と対向する位置に開口部が形成されたケースからなる、燃料供給装置。
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