JP2015140737A - 密閉型圧縮機及びそれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な構造で簡便にシリンダ室における吸入性能を高めて圧縮効率を一層向上できる密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】本発明に係る密閉型圧縮機は、シリンダ(4)の底部側の側壁の一部に、コンロッドをシリンダに組み付ける際にコンロッドの先端部との干渉を避ける位置に形成した凹所(32)を設け、ピストンの圧縮工程では当該ピストンの側壁によって塞がれると共に、当該ピストンの吸入工程で前記シリンダ室内と密閉容器内とを連通させるための吸入部(34)を凹所と連続するように形成したことを特徴としている。
【選択図】図5

Description

本発明は、家電用冷凍システムに用いられる電動式の密閉型圧縮機及びそれを用いた冷蔵庫に関する。
一般に、この種の冷凍システムでは、冷媒ガスを密閉型圧縮機により圧縮して高圧ガスとして吐出側の凝縮器へ送り、凝縮器では高圧ガスを凝縮して減圧機構の膨張弁を経由して減圧させてから蒸発器へ送り、蒸発器では減圧された低圧ガスを蒸発させて密閉型圧縮機の吸入側に吸い込ませることで再び圧縮を繰り返すサイクル機能を持つ。
このような冷凍システムに適用される密閉型圧縮機としては、例えばシリンダ内に吸入される潤滑油量を低減するとともにピストン摺動面の潤滑性を向上させた「密閉型圧縮機およびこれを用いた冷蔵庫」(特許文献1参照)が挙げられる。
特開2012−36847号公報
上述した特許文献1に係る密閉型圧縮機における圧縮要素の要部は、シリンダの開口端が弁座によって閉塞されると共に、バルブカバーで覆われ、バルブカバーが内部の仕切部によって一方の空間を吸入室とし、他方の空間を吐出室とする他、弁座の吸入口、吐出口がそれぞれ吸入弁、吐出弁によって開閉されることで吸入室、吐出室と連通するもので、ピストンのシリンダ内における往復動時に密閉ケース内に導かれて充満した冷媒ガスがバルブカバーの吸入室に導かれ、ピストンの往復動に伴ってシリンダのシリンダ室に吸い込まれて圧縮された冷媒ガスを吐出する構造であり、更に実用上ではバルブカバーの吸入室と吐出室とをそれぞれ連通路を介して開口部を有する吸入サイレンサと吐出サイレンサとに繋げる構造としているが、低圧の冷媒ガスが吸入サイレンサの開口部から一つの連通路を通ってバルブカバーの吸入室を介してシリンダ室内に吸入されるガス流路構造であるため、シリンダ室における吸入性能には限界があり、圧縮効率をそれ以上向上させることが困難となっているという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、安価な構造で簡便にシリンダ室における吸入性能を高めて圧縮効率を一層向上できる家電用冷凍システムに適した密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫を提供することにある。
上記技術的課題を達成するために、本発明は、密閉容器内に収納された電動要素と、圧縮要素と、を有し、前記圧縮要素は、シリンダと当該シリンダ内を往復動するピストンとコンロッドとを有し、前記シリンダの頂部の開口端面に対して、吸入口、吐出口を有する弁座と、前記吸入口、前記吐出口における冷媒ガスの流入、流出をそれぞれ制御する吸入弁、吐出弁と、弁座カバーと、を装着してシリンダ室を形成した密閉型圧縮機であって、前記シリンダの底部側の側壁の一部に、前記コンロッドを前記シリンダに組み付ける際に前記コンロッドの先端部との干渉を避ける位置に形成した凹所を設け、前記ピストンの圧縮工程では当該ピストンの側壁によって塞がれると共に、当該ピストンの吸入工程で前記シリンダ室内と前記密閉容器内とを連通させるための吸入部を前記凹所と連続するように形成したことを特徴としている。
本発明の密閉型圧縮機によれば、ピストン上死点側に設置する弁座の吸入口を通じてシリンダ室内に低圧の冷媒ガスを吸入する既存のガス吸入路以外に、吸入通路を開閉する弁が不要でピストンの吸入工程(例えば、ピストン下死点近傍)でシリンダ室と密閉容器内とが連通する吸入部を凹所と連続して設けたため、安価な構造で簡便にシリンダ室における吸入性能を高めて圧縮効率を一層向上させることができるようになる。また、その結果として、冷凍サイクルでの冷媒ガスの循環量が増えて熱交換性能が高められ、家電用冷凍システムへの適用が好適となり、係る家電用冷凍システムを具備する冷蔵庫での冷凍性能の向上に寄与できる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る密閉型圧縮機の概略構造を縦方向で断面にして示した側面図である。 家電用冷凍システムに組込まれた周知の密閉型圧縮機に係る圧縮要素の要部構造を示した模式図である。 家電用冷凍システムに組込まれた図1に示す密閉型圧縮機に係る圧縮要素の要部構造を示した模式図である。 図3に示す圧縮要素の要部構造における圧縮吸入動作の1サイクルに伴う冷媒ガスの流れの変化を示した模式図であり、(a)は上死点到達時の圧縮工程での吐出経路における吐出の様子を示した図、(b)は下死点側移動途中の吸入工程での既存の吸入経路における吸入の様子を示した図、(c)は下死点到達時の吸入工程での吸入部における吸入を合わせた吸入の様子を示した図、(d)上死点側移動途中の圧縮工程での吐出経路における吐出の様子を示した図である。 図3のシリンダ及び当該シリンダに設けられた凹所と吸入部の詳細を示す斜視図である。 図5のシリンダ、凹所、及び吸入部を側方から見た外観図である。 本発明の実施例2に係る密閉型圧縮機のシリンダ、凹所、及び吸入部の詳細を示す斜視図である。 本発明の実施例3に係る密閉型圧縮機のシリンダ、凹所、及び吸入部を側方から見た外観図である。 本発明の実施例4に係る密閉型圧縮機のシリンダ、凹所、及び吸入部を側方から見た外観図である。
以下に、本発明の密閉型圧縮機及びそれを用いた冷蔵庫の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る密閉型圧縮機50の概略構造を縦方向で断面にして示した側面図である。この密閉型電動圧縮機50は、概略構造上は特許文献1に開示されたものと共通するもので、密閉容器1内の中心部に縦軸にシャフト10を配置し、下部に配置した電動要素7が上部に配置した圧縮要素6を回転駆動する構成になっている。ここでの圧縮要素6は、フレーム3と一体的に成形されたシリンダ4内をピストン5が往復動するレシプロ式の圧縮機で構成される。シャフト10の回転中心から偏心した位置には、クランクピン11が設けられており、ピストン5を往復動させる。圧縮要素6の下部に配置される電動要素7は、固定子8及び回転子9を有している。
シャフト10は、フレーム3の中間部に保持された軸受部2を貫通してフレーム3の下方及び上方へ延在しており、フレーム3の上方側にクランクピン11が位置している。シャフト10の下部には回転子9が固定して取り付けられている。電動要素7の固定子8と回転子9との間で発生する動力によってシャフト10が回転する。クランクピン11とピストン5との間はコンロッド12で連結されており、クランクピン11の回転運動がコンロッド12を介してピストン5の往復動に変換される。
密閉容器1内の底部には、潤滑油14が貯留されている。潤滑油14は、シャフト10が回転すると、シャフト10の下端部に取り付けられた給油ピース20のポンプ作用により、給油ピース20の上端部からシャフト10内に形成された潤滑油通路22を通ってシャフト10の外周部に導かれる。その後、シャフト10の外周部に形成された外周螺旋溝21から再びシャフト内10に入り、シャフト10の上端部から矢印23で示されるような潤滑油14の流れとして噴出する。
この潤滑油14の流れの一部がシリンダ4の内部に流入する。シリンダ4の頂部(ピストン5の上死点側)の開口端面は、弁座15によって閉塞されると共に、バルブカバー(弁座カバー)16で覆われている。電動要素7に通電してシャフト10を回転駆動すると、コンロッド12とボールジョイント機構部12eとを介してピストン5がシリンダ4内を往復動する仕組みになっている。
その他、実施例1に係る密閉型圧縮機50では、シリンダ4のシリンダ室内を往復動するピストン5の圧縮工程ではピストン5の本体の側壁によって塞がれると共に、ピストン5の吸入工程でシリンダ室内と密閉容器1内とを連通させるために、シリンダ4(ブロック)には、吸入部34が設けられている。より詳細には、シリンダ4の底部側(ピストン5の下死点側)の側壁の一部に凹所32が形成され、この凹所32と連続した貫通孔を形成するように吸入部34が設けられている(図5参照)。
なお、圧縮機の組立構造上、コンロッド12とピストン5とを連結組立する際には、シリンダ4の側壁に、コンロッド12の小端部(先端部)が当該側壁と干渉するのを回避するための凹所を設けておく必要があるが、上記した凹所32は、この目的のために設けられるものである。
図2は、比較として一般的な家電用冷凍システムに組込まれた周知の密閉型圧縮機50′に係る圧縮要素6′の要部構造を示した模式図である。ここでの冷凍システムは、シリンダ4の側壁を貫通する吸入部を持たない周知の密閉型圧縮機50′を用いており、その吐出側に凝縮器100を配備すると共に、吸入側に蒸発器110を配備し、凝縮器100及び蒸発器110の間に減圧機構の膨張弁120を介在させて冷媒ガスを封入した上で各部を配管で接続して構成される。
また、密閉型圧縮機50′における圧縮要素6′の要部構造について、弁座15はシリンダ4の開口端面に設置されてシリンダ室を閉じるもので、弁座15自体には吸入口15a、吐出口15bが設けられ、これらの吸入口15a、吐出口15bはそれぞれ吸入弁15c、吐出弁15dの開閉動作によって開状態、閉塞状態となる。
バルブカバー16には、内部を二分する仕切部が設けられ、その一方の空間は吸入室16aを成し、他方の空間は吐出室16bを成している。即ち、バルブカバー16は、吸入室16aと吐出室16bとを区画して形成した構造を持って弁座15を覆う。弁座15では、吸入弁15cの開状態で吸入口15aが吸入室16aと連通し、吐出弁15dの開状態で吐出口15bが吐出室16bと連通する。バルブカバー16の吸入室16a、吐出室16bは、それぞれ連通路31a、31bを介して開口部33を有する吸入サイレンサ30、吐出サイレンサ35に繋がる構造となっている。
この密閉型圧縮機50′では、電動要素7に通電してシャフト10を回転駆動すると、ピストン5がシリンダ4室を往復運し、蒸発器100から吸入配管28を経由して密閉容器1内に導かれて充満した低圧の冷媒ガスは、開口部33から吸入サイレンサ30内及び連通路31aを経由してバルブカバー16内の吸入室16a内に導かれ、ピストン5の往復動に伴ってシリンダ4のシリンダ室に吸い込まれて圧縮された後、高圧となった冷媒ガスがバルブカバー16内の吐出室16bに吐出されてから連通路31b及び吐出サイレンサ35内を経由して吐出配管29を通して凝縮器100に導かれる。
但し、この密閉型圧縮機50′によれば、低圧の冷媒ガスが吸入サイレンサ30の開口部33から一つの連通路31aを通ってバルブカバー16の吸入室16aを介してシリンダ室内に吸入されるガス流路構造であるため、シリンダ室における吸入性能に限界があり、圧縮効率をそれ以上向上させることが困難になっている。そこで、本願発明の実施例1に係る密閉型圧縮機50では、安価な構造で簡便にシリンダ室における吸入性能を高めて圧縮効率を一層向上させる課題に着目した。
図3は、家電用冷凍システムに組込まれた実施例1の密閉型圧縮機50に係る圧縮要素6の要部構造を示した模式図である。この密閉型圧縮機50における圧縮要素6の要部構造は、図2に示した密閉型圧縮機50′における圧縮構造6の要部構造と比べ、ピストン5の圧縮工程ではピストン5の本体の側壁によって塞がれると共に、ピストン5の吸入工程でシリンダ室内と密閉容器1内とを連通させるためにシリンダ4(ブロック)の側壁の一部を切欠いた凹所32及び当該凹所32と連続するように形成される吸入部34を備えた点が相違している。吸入部34の形状等については図5、図6を用いて後で詳しく述べる。なお、その他の細部構成は同様であるので、同一な構成部分には同じ参照符号を付して説明を省略する。
以下は、図3に示される冷凍システムにおける密閉型圧縮機50の吸入経路について説明する。冷凍システムの吸入配管28は、密閉容器1に一端が接続されると共に、他端が蒸発器110に接続されており、上述したように蒸発器110で蒸発させた低圧の冷媒ガスが密閉容器1内に流入される。密閉容器1内に流入した冷媒ガスは、密閉容器1内に開口した吸入サイレンサ30の開口部33から吸入サイレンサ30内に流入し、その後に連通路31aを経由してバルブカバー16の吸入室16aと弁座15の吸入口15aとを通じてシリンダ4のシリンダ室内に吸入される。
また、密閉容器1内とシリンダ4のシリンダ室内とを直に連通する吸入部34は、シリンダ室内でピストン5が往復動する下死点近傍に開口するように設置されており、密閉容器1内の低圧な冷媒ガスは連通路31a以外に吸入部34を通してシリンダ4のシリンダ室内に吸入される構造となっている。
次に、密閉型圧縮機50の吐出経路について説明する。シリンダ4のシリンダ室内に流入した冷媒ガスは、ピストン5で高圧に圧縮されてシリンダ室から弁座15の吐出口15bを通じてバルブカバー16の吐出室16bへ吐出され、その後に連通路31bを経由して吐出サイレンサ35内部及び吐出配管29を通じて凝縮器100へ流れる。
実施例1の密閉型圧縮機50では、電動要素7が通電すると、電動要素7の固定子8と回転子9との間で発生する動力によってシャフト10が回転すると共に、シャフト10に設置したクランクピン11が偏心回転し、これに伴ってクランクピン11に連結するピストン5がシリンダ4のシリンダ室内を往復動する。
図4は、図3で説明した圧縮要素6の要部構造における圧縮吸入動作の1サイクルに伴う冷媒ガスの流れの変化を示した模式図であり、同図(a)は上死点到達時の圧縮工程での吐出経路における吐出の様子を示した図、同図(b)は下死点側移動途中の吸入工程での既存の吸入経路における吸入の様子を示した図、同図(c)は下死点到達時の吸入工程での吸入部34の経路における吸入を合わせた吸入の様子を示した図、同図(d)上死点側移動途中の圧縮工程での吐出経路における吐出の様子を示した図である。
シリンダ4のシリンダ室内を往復動するピストン5について、下死点から上死点に向かって移動する圧縮工程で上死点に到達した状態では、図4(a)を参照すれば、吸入弁15cが吸入口15aを閉じているのに対し、吐出弁15dが吐出口15bを開いている。そこで、ピストン5によって高圧に圧縮された冷媒ガスは、シリンダ4のシリンダ室内から吐出口15bを通して吐出室16bに吐出され、更に連通路32b及び吐出サイレンサ35内を経由して吐出配管29内へと流出される。
ここでは、吸入弁15cが吸入口15aを閉じているためにシリンダ室中の高圧な冷媒ガスが吸入室16aへ逆流されるのを阻止すると共に、ピストン5が上死点に到達した位置ではシリンダ室内に繋がる吸入部34がピストン5の側壁によって塞がれているので、シリンダ室で圧縮された冷媒ガスが吸入部34を通して密閉容器1内へ逆流されることも阻止できる状態にある。
また、ピストン5が上死点から下死点に向かって移動するピストン吸入工程では、図4(b)を参照すれば、吐出弁15dが吐出口15bを閉じているのに対し、吸入弁15cが吸入口15aを開いている。そこで、シリンダ4のシリンダ室内には、吸入サイレンサ30の開口部33から低圧な冷媒ガスが連通路31a及び吸入室16aを経由して吸入口15aを通って流入される。
ここでは、シリンダ4のシリンダ室内中が負圧になり、その状態で吐出弁15dで吐出口15bを閉じて吐出室16bの高圧の冷媒ガスがシリンダ室内へ逆流されるのを阻止すると共に、吸入口15aを閉じていた吸入弁15cを開いて吸入室16aからシリンダ室中に低圧の冷媒ガスが流入するようにする。但し、ここではピストン5が上死点及び下死点の間の位置にあり、シリンダ室内に繋がる吸入部34は依然としてピストン5の側壁によって塞がれているので、吸入部34を通して冷媒ガスがシリンダ室中へ吸入されない状態にある。
更に、ピストン5の位置が下死点近傍になるとそれまでピストン5の側壁で閉じられていた吸入部34がシリンダ室内に覗き出し、ピストン5が下死点に到達したピストン吸入工程では、図4(c)を参照すれば、密閉容器1中の低圧な冷媒ガスが吸入部34を新たな吸入経路として別途に通してシリンダ室内に流入される状態となり、ガス吸入量が増大して吸入性能が向上する。
この後のピストン5が下死点から上死点に向かって移動する圧縮工程では、図4(d)を参照すれば、再度吸入弁15cが吸入口15aを閉じ、吐出弁15dが吐出口15bを開いた状態として、ピストン5によって高圧に圧縮された冷媒ガスをシリンダ4のシリンダ室内から吐出口15bを通して吐出室16bへ吐出し、更に連通路32b及び吐出サイレンサ35内を経由して吐出配管29内へと流出させる。
ここでは、ピストン5の位置が上死点に近付くに従ってシリンダ室内の冷媒ガスが昇圧して設計値の吐出圧力に到達すると、吐出口15bを閉じていた吐出弁15dを開いてシリンダ室内で圧縮された冷媒ガスを吐出室16bに吐出する。但し、ここではピストン5が下死点及び上死点の間の位置にあり、シリンダ室内に繋がる吸入部34が再度ピストン5の側壁によって塞がれるので、シリンダ室で圧縮された冷媒ガスが吸入部34を通して密閉容器1内へ逆流されない状態にある。
圧縮要素6の要部構造では、このようなピストン5の往復動に伴う圧縮による吐出、吸入の動作に係るサイクルを繰り返し、低圧の冷媒ガスを効率良く吸入してシリンダ4のシリンダ室における吸入性能を高めることにより、圧縮効率を向上させることができる。
実施例1に係る密閉型圧縮機50では、シリンダ4のシリンダ室への冷媒ガスの吸入制御において、ピストン5の上死点側に配置される弁座15の吸入口15aからの吸入は吸入弁15cの開閉で制御するのに対して、吸入部34からの吸入はピストン5自体の動きでその開口を露呈又は閉塞して冷媒ガスの制御を行う構造であり、シリンダ4の側壁を貫通する吸入部34の開口がピストン5の動きの速度が遅くなる下死点近傍に設けられている。
そのため、吸入部34の開口からシリンダ室内に吸入される冷媒ガス量が図2で説明した従来構造の場合よりも多くなり、シリンダ室への吸入性能が高められて、密閉型圧縮機50での圧縮効率を向上させることができる。この結果、冷凍システムで循環する冷凍サイクルでの冷媒ガスの循環量が増えて蒸発器110での熱交換による冷凍機能を向上させることができる。
また、吸入部34は、ピストン5自体の動きで露呈又は閉塞される構造であるため、弾性体の吸入弁15cの開閉制御の場合のような開き遅れや閉じ遅れ等のロスが発生しない構造と云えるもので、これも圧縮効率を向上させることになる。
次に図5のシリンダの斜視図と図6の外観図で吸入部34の構造について説明する。図5に示すように、凹所32はシリンダ4本体の側壁を後端からシリンダ長さの中央付近の範囲を一部切欠いて形成した構造である。凹所32の位置は、シリンダ4の底部側から見て左側である。なお、凹所32の形状や大きさは、シャフト10にコンロッド12を連結した状態で、シャフト10を軸受部2に上方から挿入する際に、コンロッド12の小端部(先端部)がシリンダ4の側壁と干渉しない程度の形状と大きさとなっている。
吸入部34は、凹所32の先端からシリンダ4の頂部側に連続して設けられている。なお、図5,6に示すように、吸入部34の幅(シリンダ4の周方向における幅)は凹所32の幅より狭い。即ち、吸入部34と凹所32とで形成される形状は、シリンダ4の頂部側(先端側)の幅が狭く、底部側(後端側)の幅が広い、略凸型である。従って、圧縮機の組立の際には、前述したようにコンロッド12の小端部が広く切欠いた部分に挿通してコンロッド12とピストン5とが連結組立が出来る構造になっている。
また、吸入部34は、ピストン5が吸込工程で下死点に位置したとき、密閉容器1内とシリンダのシリンダ室が連通して密閉容器1内に充満している冷媒ガスがシリンダ室に吸入する構造となっている。ここで、実施例1では、吸入部34を設置するために新たな工程を追加する必要がなく、鋳物素形材の段階で形成しておくことが出来るので容易に設置することができる。
因みに、吸入部34自体は、基本的にシリンダ4のシリンダ室内と密閉容器1内とを連通させて冷媒ガスに対する吸入を促進させる機能を持てば良いので、実施例1で開示した密閉容器1内とシリンダ室とを直に連通する形態とする他、吸込サイレンサ30内と吸入部34とを繋げるための連通路を設ける構造としても良い。
また、シリンダ4の上面に散布される潤滑油14が流下途中で僅かながら吸入部34から断続的かつ瞬間的にシリンダ室に取り込まれるのでピストン、シリンダ間の給油改善にも繋がり圧縮機の高信頼性にも寄与する。
何れにせよ、実施例1に係る密閉型圧縮機50によれば、ピストン5の上死点側に設置する弁座15の吸入口15aを通じてシリンダ室内に低圧の冷媒ガスを吸入する既存のガス吸入路以外に、ピストン5の下死点近傍にシリンダ4の側壁を貫通する開閉弁を持たない構造のピストン5の吸入工程で働く吸入部34を持つため、安価な構造で簡便にシリンダ室における吸入性能を高めて圧縮効率を一層向上させることができる。その結果として、家電用冷凍システムに適用すると冷凍サイクルでの冷媒ガスの循環量が増えて蒸発器110での熱交換性能が向上し、係る冷凍システムを具備する冷蔵庫での冷凍性能の向上に寄与できると共に圧縮機の高信頼性にも寄与できる。
尚、このような密閉型圧縮機50を含む冷凍システムを冷蔵庫へ搭載する場合には、例えば特許文献1で図3を参照して説明されている構成をそのまま適用できるので、ここでは詳述しない。
図7は、本発明の実施例2に係る密閉型圧縮機のシリンダ、凹所、及び吸入部の詳細を示す斜視図である。図7に示すように、実施例2では、凹所32及び吸入部34の位置が、シリンダ4の底部側から見て上側に設けられている点で実施例1と相違する。この構成であっても、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。しかも、実施例2によれば、シリンダ4の側壁のうち上部側に凹所32が形成されているため、コンロッド12を連結したシャフト10を上方から軸受部2に挿入する際に、コンロッド12の向きを変えずに済む。即ち、実施例1と比べて組立工程を1つ削減できるという利点がある。
図8は、本発明の実施例3に係る密閉型圧縮機のシリンダ、凹所、及び吸入部を側方から見た外観図である。図8に示すように、実施例3では、吸入部134と凹所34とを同じ幅で形成している。この例によれば、第1実施例と同様の作用効果を得ることができることに加えて、吸入部134の製造が容易になるといった利点がある。
図9は、本発明の実施例4に係る密閉型圧縮機のシリンダ、凹所、及び吸入部を側方から見た外観図である。図9に示すように、実施例4では、吸入部234の幅を凹所34の幅より広くしている点に特徴がある。この例によれば、第1実施例と同様の作用効果を得ることができることに加えて、吸入部234の開口面積が実施例1〜3と比べて大きいため、吸入容量を大きくしたい場合により一層効果的である。
以上説明したように、上記した各実施例によれば、吸入部からも冷媒ガスを吸入できるため、圧縮効率が高まる。しかも、吸入部を設けるだけの簡単な構成で密閉型圧縮機の性能を向上させることができる。その結果、各実施例に係る密閉型圧縮機を搭載した冷蔵庫の冷凍性能の向上にも貢献することができる。
なお、上述した実施例は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
1 密閉容器
4 シリンダ
5 ピストン
6、6′ 圧縮要素
7 電動要素
8 固定子
9 回転子
10 シャフト
11 クランクピン
12 コンロッド
15 弁座
15a 吸入口
15b 吐出口
15c 吸入弁
15d 吐出弁
16 バルブカバー(弁座カバー)
16a 吸入室
16b 吐出室
32 凹所
33 開口部
34,134,234 吸入部
50、50′ 密閉型圧縮機

Claims (6)

  1. 密閉容器内に収納された電動要素と、圧縮要素と、を有し、前記圧縮要素は、シリンダと当該シリンダ内を往復動するピストンとコンロッドとを有し、前記シリンダの頂部の開口端面に対して、吸入口、吐出口を有する弁座と、前記吸入口、前記吐出口における冷媒ガスの流入、流出をそれぞれ制御する吸入弁、吐出弁と、弁座カバーと、を装着してシリンダ室を形成した密閉型圧縮機であって、
    前記シリンダの底部側の側壁の一部に、前記コンロッドを前記シリンダに組み付ける際に前記コンロッドの先端部との干渉を避ける位置に形成した凹所を設け、
    前記ピストンの圧縮工程では当該ピストンの側壁によって塞がれると共に、当該ピストンの吸入工程で前記シリンダ室内と前記密閉容器内とを連通させるための吸入部を前記凹所と連続するように形成したことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 請求項1記載の密閉型圧縮機において、
    前記ピストンが下死点近傍に位置しているときに、前記シリンダ室内と前記密閉容器内とが前記吸入部を介して連通する構成としたことを特徴とする密閉型圧縮機。
  3. 請求項1または2記載の密閉型圧縮機において、
    前記吸入部は、前記凹所より前記シリンダの周方向における幅が狭いことを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. 請求項1または2記載の密閉型圧縮機において、
    前記吸入部は、前記凹所と前記シリンダの周方向における幅が略同一であることを特徴とする密閉型圧縮機。
  5. 請求項1または2記載の密閉型圧縮機において、
    前記吸入部は、前記凹所より前記シリンダの周方向における幅が広いことを特徴とする密閉型圧縮機。
  6. 冷凍サイクルを有する冷蔵庫であって、前記冷凍サイクルの圧縮機として、請求項1〜5の何れか1項記載の密閉型圧縮機を用いたことを特徴とする冷蔵庫。

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