JP2015138148A - 投射光学系および画像投射装置および拡大画像変位調整方法 - Google Patents

投射光学系および画像投射装置および拡大画像変位調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】拡大画像の像質の劣化を抑制しつつ、スクリーン上の大きい範囲で、拡大画像の位置調整が可能な、屈折・反射型の投射光学系を実現する。
【解決手段】画像表示素子10に表示される画像を、被投射面S上に拡大画像として拡大投射するための投射光学系であって、縮小側から拡大側へ向かって順次、第1の屈折光学系21、第2の屈折光学系22、曲面ミラー23を配してなり、第1の屈折光学系は、画像表示素子に表示された画像の中間像Im1を、第1の屈折光学系と第2の屈折光学系の間に結像し、第2の屈折光学系と曲面ミラーは、中間像Im1を結像した光を、被投射面上に拡大投射して拡大画像として結像させる機能を有し、第1の屈折光学系21は、第1の屈折光学系を構成する各光学素子が光軸を共有する共軸光学系で、画像表示素子側および中間像側ともにテレセントリックな、両側テレセントリック光学系である。
【選択図】図4

Description

この発明は、投射光学系および画像投射装置および拡大画像変位調整方法に関する。
画像投射装置はプロジェクタとして実施できる。従って、画像投射装置を以下において「プロジェクタ」とも言う。
画像表示素子に表示される画像を、投射光学系により被投射面(以下、「スクリーン」とも言う。)上に拡大画像として拡大投射する画像投射装置は、従来から種々知られている(特許文献1〜6)。
近時、投射光学系を、屈折光学系(レンズ系)と曲面ミラーとの組み合わせにより構成するものが知られている(特許文献2〜6)。
以下、このような「屈折光学系と曲面ミラーを組み合わせた投射光学系」を、便宜上、屈折・反射型の投射光学系と呼ぶことにする。
図2と図3を参照して、屈折・反射型の投射光学系の2例を簡単に説明する。
図2は、屈折光学系Lと凸面ミラーMNとを組み合わせた投射光学系を説明するための図である。
符号0で示す画像表示素子に表示される画像を、屈折光学系Lと凸面ミラーMNとにより拡大して、スクリーンS上に拡大画像として結像させて拡大投射する。
図3は、屈折光学系Lと凹面ミラーMPとを組み合わせた投射光学系を説明するための図である。
画像表示素子0に表示される画像を、屈折光学系Lと凹面ミラーMPとにより拡大して、スクリーンS上に拡大画像として結像させて拡大投射する。
図2、図3に示す屈折・反射型の投射光学系は何れも、結像光束を「拡大機能を持つ曲面ミラーMN、MP」で折り返してスクリーンS上に結像させる。
このため、投射光学系を装荷した画像投射装置の配置を、スクリーンSに近接させることができ、所謂「超至近プロジェクタ」が可能になる。
ところで、プロジェクタにおいては「スクリーン上に拡大投射された拡大画像の位置」を、スクリーン上で変位調整する「拡大画像変位調整」が一般に望まれる。
屈折光学系のみで構成された投射光学系の場合には、屈折光学系をなすレンズ系を「光軸直交方向」に変位させることにより、この種の拡大画像変位調整が容易に可能である。
屈折・反射型の投射光学系で、拡大画像変位調整を行う最も単純な方法は、画像投射装置全体を変位させる方法である。
この方法の場合、画像投射装置全体を変位させるため、変位に必要なエネルギが大きく変位させるのが面倒である。
また、屈折・反射型の投射光学系を、画像投射装置のケーシング内で変位させるようにした場合には、投射光学系の変位のためのスペースがケーシング内に必要になる。
このため、ケーシングの大型化を招来してしまう。
別の方法として、屈折光学系のみを光軸直交方向に変位させる拡大画像変位調整方法も考えられる。
しかし、この方法では、屈折光学系の変位により、曲面ミラーに対する屈折光学系の位置関係が変化するため収差が発生し、投射される拡大画像の像質が劣化しやすい。
このため、屈折・反射型の投射光学系で屈折光学系のみを変位させる拡大画像変位調整方法では、拡大画像の変位量(以下「拡大画像シフト量」と呼ぶ。)は、拡大画像のサイズの4%程度が限界と考えられる。
この発明は、拡大画像の像質の劣化を抑制しつつ、スクリーン上の大きい範囲で、拡大画像の位置調整が可能な、屈折・反射型の投射光学系の実現を課題とする。
この発明の投射光学系は、画像表示素子に表示される画像を、被投射面上に拡大画像として拡大投射するための投射光学系であって、縮小側から拡大側へ向かって順次、第1の屈折光学系、第2の屈折光学系、曲面ミラーを配してなり、第1の屈折光学系は、画像表示素子に表示された画像の中間像を、第1の屈折光学系と第2の屈折光学系の間に結像し、第2の屈折光学系と曲面ミラーは、前記中間像を結像した光を、被投射面上に拡大投射して拡大画像として結像させる機能を有し、第1の屈折光学系は、該第1の屈折光学系を構成する各光学素子が光軸を共有する共軸光学系で、前記画像表示素子側および前記中間像側ともにテレセントリックな、両側テレセントリック光学系である。
この発明によれば、拡大画像の像質の劣化を抑制しつつ、スクリーン上の大きい範囲で、拡大画像の位置調整が可能な、屈折・反射型の投射光学系を実現できる。
投射光学装置を説明するための図である。 凸面ミラーを用いる屈折・反射型の投射光学系を説明する説明図である。 凹面ミラーを用いる屈折・反射型の投射光学系を説明する説明図である。 投射光学系の実施の1形態を説明図として示す図である。 図4の投射光学系における拡大画像変位調整を説明するための図である。 第1の屈折光学系が両側テレセントリック光学系でない場合を比較例として示す図である。 図6に示す比較例で、第1の屈折光学系を変位させた状態を説明するための図である。 実施例の投射光学系の第1の屈折光学系を示す図である。 実施例の第1の屈折光学系のデータを示す図である。 実施例の投射光学系の第2の屈折光学系と曲面ミラーを示す図である。 実施例の第2の屈折光学系のデータを示す図である。 実施例の第2の屈折光学系における非球面のデータを示す図である。 実施例の曲面ミラーの自由曲面のデータを示す図である。 実施例の投射光学系を用いた画像投射装置の1例を説明するための図である。
以下、実施の形態を説明する。
先ず、図1を参照して、投射光学装置のあらましを説明する。
図1は、主として、画像表示素子とその照明光学系を説明するための図である。
図1において、符号10は「画像表示素子」を示している。
画像表示素子10としては、公知の適宜のもの、例えば、DMD(デジタル・マイクロミラーアレイ・デバイス テキサスインスツルメント社製)や液晶パネルを用い得る。
液晶パネルは、反射型・投射型ともに使用可能である。
DMDや液晶パネルは、自ら発光する「自発光機能」を持たないので、表示される画像を照明する照明光学系を必要とする。
しかし、画像表示素子としては、これらに限らず、LEDアレイ等のように、自発光機能を持つものを用いることもでき、その場合には、照明光学系は不要である。
説明の具体性のため、図1に示す形態例における画像表示素子10はDMDであるとするが、この発明の画像投射装置は勿論、画像表示素子の種類を問わない。
照明光学系による照明を説明する。
光源1は、ランプ1Aとリフレクタ1Bを有する。
ランプ1Aを発光させると、リフレクタ1Bは、ランプ1Aからの光を反射させて、インテグレータロッド3の入射部分に集光させる。
インテグレータロッド3は、4つの短冊状平面鏡をトンネル状に組み合わせたライトパイプである。
インテグレータロッド3の入射部分に集光した光は、ライトパイプ内で反射を繰り返しつつ導光され、射出部分から射出する。
このとき、射出部分は「均一な光強度の面」として機能する。インテグレータロッド3から射出した光は、レンズ系5を透過し、ミラー7により光路を屈曲される。
ミラー7により反射された光は、曲面ミラー9に入射して反射され、DMD10の画像表示面に照射される。
DMD10の画像表示面には、多数のマイクロミラーが2次元的にアレイ配列され、個々のマイクロミラーは、鏡面を+12度〜−12度の傾き角範囲で傾けることができる。
「拡大投射される画像」は、傾けられたマイクロミラーの2次元的な分布として表示される。
このようにして画像表示面に表示された画像は、曲面ミラー9による反射光により照明される。
インテグレータロッド3と画像表示面との間に配備された光学系であるレンズ系5、ミラー7、曲面ミラー9は「結像光学系」を構成する。
そして、この結像光学系は、インテグレータロッド3の射出部分における上記「均一な光強度の面」を物体として、その拡大像を画像表示面に結像させる。
従って、画像表示面は「均一な光強度(均一な照度分布)」で照明される。ミラー7は平面鏡でもよいし、パワーを持つ曲面ミラーでもよい。
DMD10の画像表示面におけるマイクロミラーの傾きは、例えば、−12度のときに反射光が投射光学系100に入射し、+12°のときは入射しないように設定される。
画像表示面により反射されて、投射光学系100に入射する光は、画像表示面に表示された画像により強度変調されている。
投射光学系100は、入射してくる光を、図示されないスクリーン上に結像させる。
結像する像は、画像表示面に表示された画像の拡大画像である。
以下に説明するように、この発明の投射光学系は、屈折光学系と、曲面ミラーを有し、屈折光学系は、第1および第2の屈折光学系を有する。
投射光学系の具体的な実施例を説明する前に、実施の形態を通じて説明する。
図4は、この発明の投射光学系の実施の1形態を、説明図として示す図である。
図4において、符号10は、図1におけると同じく画像表示素子(DMDを想定しているが、勿論、これに限らない。)を示している。
図4には、画像表示素子10の「画像表示面の部分」が示されている。以下の図においても同様である。
符号21は、第1の屈折光学系、符号22は第2の屈折光学系、符号23は曲面ミラーを示している。
第1の屈折光学系21と第2の屈折光学系22とは「屈折光学系」を構成し、この屈折光学系と曲面ミラー23とで、投射光学系が構成されている。
図4に図示されていないが、第1の屈折光学系22内には開口絞りが配設されている。
図4に示された矢印は、画像表示素子10の画像表示面からの光線であり、これらは全て「主光線」である。
「主光線」は、一般的に定義されているように、結像光学系の入射瞳(図示の例では、第1の屈折光学系内に位置する。)の中心を通る光線である。
第1の屈折光学系21は、これを構成する各光学素子L11、L12が「光軸を共有」する共軸光学系である。
図4には、第1の屈折光学系21が2枚のレンズL11、L12で構成されるように描かれている。
これは説明の便宜性のためであり、第1の屈折光学系21を構成するレンズが2枚であることに限られる訳でないことは言うまでもない。
図4に示された状態では、第1の屈折光学系21と第2の屈折光学系22とは、光軸を共有している。
画像表示素子10の画像表示面からの光は、第1の屈折光学系21に入射すると、図示の如く、第1の屈折光学系の結像作用により、中間像Im1を結像する。
中間像Im1の結像位置は「第1の屈折光学系21と第2の屈折光学系22との間」である。
中間像Im1を結像した光は、第2の屈折光学系22に入射し、第1の中間像Im1を物体として第2の中間像Im2を、曲面ミラー23の手前に結像する。
曲面ミラー23は、この例において「凹面ミラー」であり、第2の中間像Im2を物体として、その拡大像を図示されないスクリーン上に結像させる。
即ち、第1の屈折光学系21は、画像表示素子10に表示された画像の中間像Im1を、第1の屈折光学系21と第2の屈折光学系22の間に結像させる機能を有する。
第2の屈折光学系22と曲面ミラー23は、中間像Im1を、図示されないスクリーン(被投射面)上に拡大投射して拡大画像として結像させる機能を有する。
さて、図4に示した全ての主光線は、第1の屈折光学系21の物体側(縮小側)および像側(拡大側)の何れにおいても「光軸に平行」である。
即ち、第1の屈折光学系21は、画像表示素子10側(縮小側)および中間像Im1側(拡大側)ともにテレセントリックな「両側テレセントリック光学系」である。
図4に示された状態は、屈折光学系を構成する第1の屈折光学系21と第2の屈折光学系22とが光軸を共有する。
そして、第2の屈折光学系22と曲面ミラー23とは「設計された位置関係」に位置関係を設定されている。
以下、この状態を投射光学系における「基準状態」と呼ぶ。
この基準状態において、スクリーン上に投射される拡大画像の位置を「基準の投射画像位置」と呼ぶ。
スクリーン上に投射された拡大画像の位置の「基準の投射画像位置に対する変位調整」を以下に説明する。
図5は、図4に示す基準状態から、第1の屈折光学系21のみを、屈折光学系の光軸に直交する方向(図において上方)へ変位させた状態を示している。
この変位における変位量を「シフト量」と呼び、「Δ」で表す。
即ち、図5の状態は、図4に示す基準状態から、第1の屈折光学系21のみを光軸直交方向にシフト量:Δだけ変位させた状態である。
この変位により、画像表示素子10と第1の屈折光学系21との位置関係は、光軸直交方向(図の上下方向)において相対的にずれることになる。
しかし、第1の屈折光学系21は「両側テレセントリック光学系」であるから、シフト量:Δの存在に拘わらず、全ての主光線は第1の屈折光学系21の光軸に平行である。
このとき、第1の屈折光学系21により結像される第1の中間像Im1Aは、基準状態における結像位置よりも、光軸直交方向(図の上方)へずれる。
第1の中間像Im1Aの「中間像Im1(図4)に対するずれ量」は、第1の屈折光学系21の横倍率:β1と、シフト量:Δとの積:Δ・β1になる。
第1の中間像Im1Aを結像した光は、ついで、第1の屈折光学系21により、第2の中間像Im2Aとして結像される。
このとき、第2の中間像Im2Aの「中間像Im2(図4)に対するずれ量」は、第2の屈折光学系22の横倍率:β2と、上記ずれ量:Δ・β1との積になる。
即ち、第2の中間像Im2Aのずれ量は「Δ・β1・β2」になる。
第2の中間像Im2Aを結像した光はついで、曲面ミラー23により、図示されないスクリーン上に、拡大画像として拡大投射される。
スクリーン上に拡大投射された拡大画像の「基準の投射画像位置に対する変位量」は、曲面ミラー23の横倍率:β3と前記ずれ量:Δ・β1・β2との積になる。
即ち、図4に示す基準状態から、第1の屈折光学系21が光軸直交方向にシフト量:Δだけ変位すると、スクリーン上の拡大画像は「Δ・β1・β2・β3」だけ変位する。
図5に示す如く、第1の屈折光学系21の「両側テレセントリック性」が成り立つ範囲のシフト量:Δ(≠0)に対しては、第1の中間像:Im1Aの結像に際しては「収差の劣化」が生じない。
また、第2の屈折光学系23は、第1の屈折光学系21の両側テレセントリック性により、シフト量:Δ(≠)の如何に拘わらず、常に平行な主光線を受けることになる。
従って、中間像:Im2Aの結像に際しても収差の劣化は生じない。
スクリーン上の拡大画像の変位量:Δ・β1・β2・β3は、シフト量:Δの最大値と横倍率:β1、β2、β3とにより定まるが、これらは何れも設計条件として定まる。
従って、これらを適宜に設定することにより、所望の大きさの変位を、スクリーン上の拡大画像に対して与えることができる。
上記のように、この発明の投射光学系では、第1の屈折光学系が拡大側・縮小側にテレセントリックである「両側テレセントリック光学系」である。
ここで、比較のために、第1の屈折光学系が「両側テレセントリック光学系」でない場合の例を「比較例」として、図6、図7を参照して説明する。
繁雑を避けるため、混同の恐れがないと思われるものについては、比較例を示す図6、図7において、図4、5と符号を共通化する。
従って、図6、図7においても、符号10は画像表示素子、符号21は第1の屈折光学系、符号22は第2の屈折光学系、符号23は曲面ミラーを示す。
図6、図7の例では、第1の屈折光学系21は、物体側(縮小側)、像側(拡大側)ともにテレセントリックでない。
図6は、第1の屈折光学系21の光軸と第2の屈折光学系22の光軸が合致している状態(図4の場合に倣って、この場合も「基準状態」と呼ぶ。)を示している。
この基準状態において第1の屈折光学系21により結像する中間像を、第1の中間像Im10とする。
図4の場合の第1の中間像Im1と区別するために符号をIm10としている。
この場合、第1の中間像Im10を結像する主光線は、互いに平行ではない。
第1の中間像Im10を結像した光は、第2の屈折光学系22により第2の中間像Im20として、結像する。
そして、第2の中間像Im20の、曲面ミラー23による拡大像が「画像表示素子10に表示された画像の拡大画像」として、図示されないスクリーン上に拡大投射される。
図4、図5の場合に倣い、この場合にスクリーン上に投射される拡大画像の位置も「基準の投射画像位置」と呼ぶ。
このとき「基準の投射画像位置」に投射される拡大画像が良好になるように、第1、第2の屈折光学系、曲面ミラーを設計することは勿論可能である。
図7は、図6の示す基準状態から、第1の屈折光学系21のみを、光軸直交方向にシフト量:Δだけ変位させた状態を示している。
第1の屈折光学系21はテレセントリックでないので、第1の屈折光学系21が図7のように変位した場合も、第1の屈折光学系21から射出する主光線は、互いに平行とならない。
このため、第1の中間像Im10Aの結像に関しても「収差の劣化」が生じやすい。
また、第1の中間像Im10Aを結像した主光線が互いに平行でないため、第2の屈折光学系22に入射する光線の角度が、レンズ面上の入射位置ごとに変化する。
このため、第2の屈折光学系22による第2の中間像(図示されず)の結像に際しても収差の大幅な劣化が生じる。
従って、図6、図7のような投射光学系の場合には「第1の屈折光学系のみの変位による拡大画像変位調整」を、拡大画像の像質劣化を伴わずに良好に行うことは困難である。
図4、図5に即して説明したように、スクリーン上の拡大画像の変位量は「Δ・β1・β2・β3」である。
Δは第1の屈折光学系の変位の大きさ(シフト量)であり、β1、β2、β3はそれぞれ、第1、第2の屈折光学系および曲面ミラーの横倍率である。
これら、Δ、β1〜β3は設計条件として適宜に設定できる。
しかし、投射光学系、延いては画像投射装置のコンパクト性や、画像品質のばらつきの抑制といった観点からすると、横倍率:β1は、以下の条件を満足するのが良い。
即ち、第1の屈折光学系(両側テレセントリック光学系である。)の横倍率:β1は、0.9〜4.0の範囲であることが好ましい。
第1の屈折光学系の横倍率:β1が上記範囲であると、第1の中間像Im1、Im1Aや、第2の中間像Im2、Im2Aのサイズ、曲面ミラーのサイズを小さく抑制できる。
上に言う中間像や曲面ミラーの「サイズ」は、図4、図5における上下方向のサイズである。
中間像や曲面ミラーのサイズを小さく押さえることができると、第2の屈折光学系のレンズサイズや、曲面ミラーのサイズを小さく抑えることができる。
従って、横倍率:β1を、上記範囲に抑えることは、投射光学系、延いては画像投射装置の小型化(コンパクト性)に資するところが大きい。
第1の屈折光学系の横倍率:β1は、上記範囲のうちで「略等倍(即ち1倍近傍)」であることがより好ましい。
第1の屈折光学系の横倍率が略等倍であると、縦倍率(=β1)も略1に等しい。
従って、第1の屈折光学系と画像表示素子の位置関係が、画像表示面の法線方向に多少ずれても、第1の中間像の結像位置は第1の屈折光学系の光軸方向に大きく変化しない。
図4、図5の場合に即して説明する。
例えば、第1の屈折光学系の横倍率:β1=1であるとすると、縦倍率もβ1となる。
このとき、画像表示面と第1の屈折光学系との位置関係が、第2の屈折光学系22の光軸方向において微少量:ΔZだけ、ずれたとする。
このように「画像表示面と第1の屈折光学系21との位置関係」が微小量:ΔZだけずれた場合、第1の中間像Im1やIm1Aの結像位置の上記方向の変化もΔZである。
ΔZは微小であるから、第1の中間像と第2の屈折光学系との位置関係のずれも微小となり、第2の中間像Im2やIm2Aの結像に際しての収差の劣化も大きくならない。
即ち、横倍率:β1を1近傍に設定することにより、投射光学系の組み付け精度に対する要求が有効に緩和され、投射光学系や投射光学系の組み付け作業が容易化される。
逆に、例えば、β1=10のように大きな横倍率の場合に、第1の屈折光学系21が画像表示素子10に対して「ΔZの位置ずれ」をもって組みつけられた場合を考える。
この場合、第1の中間像Im1、Im1A1の結像位置の「ずれ量」は、100ΔZとなり、第1の中間像と第2の屈折光学系22の位置関係が大幅にずれる。
このため、スクリーン上ではピントが合わなくなることが考えられる。
このような事態を避けるためには「画像表示素子と第1の屈折光学系」を、極めて高い精度で組み付ける必要がある。
この発明の投射光学系は、前述の如く、第1の屈折光学系は「両側テレセントリック光学系」であるが、第2の屈折光学系にはテレセントリック性は特に要求されない。
しかし、第2の屈折光学系も「第1の屈折光学系が形成する中間像に対してテレセントリックな光学系」であることが好ましい。
このようにすると、第1の中間像Im1Aを結像した全ての主光線が「光軸に平行」に第2の屈折光学系に入射する。
従って、第2の屈折光学系による第2の中間像Im2Aの結像の際の収差の劣化を有効に抑制でき、拡大画像変位調整された拡大画像の像質を「より良好」に保てる。
以下、投射光学系の具体的な実施例を説明する。
図8は、投射光学系の実施例における「第1の屈折光学系」を示す図である。
図の如く、第1の光学系の光軸方向に「Z方向」をとり、図の上下方向を「Y方向」とし、図面に直交する方向は「X方向」とする。
混同の恐れは無いと思われるので、図4、図5におけると同じく、符号21により第1の屈折光学系を表し、符号10により画像表示素子を表す。
また、符号Im1により「第1の中間像」を表す。
第1の屈折光学系21は、光軸に対する回転対称である。
画像表示素子10の画像表示面に表示された画像は、第1の屈折光学系21により、第1の中間画像Im1として結像される。
第1の屈折光学系21は、図示の如く10枚のレンズと開口絞りSで構成され、開口絞りSは物体側(縮小側)から数えて5枚目と6枚目のレンズの間に配置されている。
開口絞りSよりも画像表示素子10側にある「5枚のレンズの組み」をレンズ群L1Aとし、拡大側にある「5枚のレンズの組み」をレンズ群L1Bとする。
画像表示素子10から第1の屈折光学系21に入射する光線は、開口絞りSによってその光束幅を規制される。
図8において、レンズ群L1Aは、図の左から右に向けて「光軸に平行な平行光束」が入射した場合に、その焦点位置が開口絞りSの中心位置となるように構成されている。
この構成により、レンズ群L1Aは「物体側、即ち縮小側にテレセントリック」となっている。
また、レンズ群L1Bは、図の右方、即ち拡大側から「光軸に平行な平行光束」を入射させた場合に、その焦点位置が開口絞りSの中心位置となるように構成されている。
この構成により、レンズ群L1Bは「拡大側、即ち第1の中間像Im1側にテレセントリック」となっている。
従って、レンズ群L1A、L1Bと開口絞りSで構成される第1の屈折光学系21は、縮小側及び拡大側にテレセントリックな「両側テレセントリック光学系」となっている。
図8には、画像表示素子10の画素表示面上の3画素を光源とする光線を「これらの画素ごとに3本ずつ」描いている。
各画素からの3本の光線のうち、開口絞りSの中心を通る主光線は、画像表示面に対しても第1の中間像Im1の像面に対しても直交し、且つ、互いに平行である。
即ち、第1の屈折光学系21を、画像表示面に対して平行(図8のY方向)に変位させても、第1の中間像Im1に入る主光線は常に第1の中間像Im1の像面に垂直である。
なお、第1の屈折光学系21の横倍率は1.0である。
画像表示素子10に対する第1の屈折光学系21の位置関係は、例えば、出荷工場での組み付け誤差等により、正規の位置関係からずれることがあり得る。
このように、画像表示素子10に対して第1の屈折光学系21がZ方向にずれても、第1の中間像Im1の「Z方向のずれ量」は第1の屈折光学系21のずれ量と同一である。
もともと、組み付け誤差等によるずれは「微小」であるので、第1の中間像Im1のZ方向への「ずれ量」も微小となる。
従って、この「ずれ」に起因して「スクリーン上での拡大画像」に大きなピントずれが生じることは無い。
画像投射装置のコンパクト性や、画像品質のばらつきの抑制といった観点からすると、第1の屈折光学系の横倍率の好適な範囲は、前述の如く0.9〜4.0の範囲である。
第1の屈折光学系の横倍率が4倍を超えると、画像表示素子10に対する第1の屈折光学系のZ方向のずれ量が、第1の中間像Im1のずれ量として16倍以上に拡大される。
このため、スクリーン上の「拡大画像のピントのずれ量」が、許容レベルを超える虞がある。
また、第2の屈折光学系のレンズ径が増大し、投射光学系、延いては画像投射装置の大型化を招来しやすくなる。
図8に示す第1の屈折光学系21は「シフト調整機構」によって保持され、プロジェクタ内部で、図8のY方向に変位されるようになっている。
図8に示す第1の屈折光学系21のデータを、図9に示す。図9において「面番号」とあるのは、縮小側から数えた面の番号である。
画像表示素子は画像表示面に接して平行平板状のカバーガラスが設けられ、このカバーガラスの画像表示面側が面番号:0、第1の屈折光学系側の面が面番号1である。
これら面番号:0、1の曲率半径を表す「1.0E+18」は「1.0×1018」を意味し、以下に示す非球面や自由曲面等でも用いる表記である。
なお、「1.0E+18」は実質的に無限大である。
図10には、実施例の「第2の屈折光学系」と、曲面ミラーを示す。
混同の虞は無いと思われるので、図10においても図3におけると同じく、第2の屈折光学系を符号22により、曲面ミラーを符号23により現す。
図10に示された第2の屈折光学系22が、図8に示す第1の屈折光学系21の拡大側に組み合わせられるのである。
第2の屈折光学系22は、第1の中間像Im1の側がテレセントリックな構成となっている。
第2の屈折光学系22は、15枚のレンズにより構成されている。
図10に示す第2の屈折光学系22と曲面ミラー23のデータを図11に示す。
前述の如く、図8に示す第1の屈折光学系21は、第2の屈折光学系22に対して、光軸直交方向(Y方向)へ変位可能である。
図11において、面番号1、2を有するレンズは「平行平板ガラス」である。
この平行平板ガラスの面番号1の面は、第1の中間像Im1(図11において「中間像1」と表記されている。)に対して間隔:1mmを介して位置している。
面番号2は、平行平板ガラスの拡大側の面である。
面番号9のレンズ面には、開口径:8.5mmの「光線絞り」が形成されている。
面番号1〜9のレンズ群に対して、図10の左から、光軸に平行な平行光線を入射するとき、その焦点位置が面9の「光線絞り位置の中心」に設定されている。
即ち、面番号1〜9によるレンズ群は、第1の中間像Im1側がテレセントリックであり、第1の屈折光学系21からの光を受けても、収差が劣化しない構成となっている。
図11に示すように、第2の屈折光学系22は非球面(面番号:3、4、23〜28)を含んでいる。
また、曲面ミラー23(図11には「凹面ミラー」と表記されている。)のミラー面形状は「自由曲面」である。
図12は、第2の屈折光学系の、上記非球面のデータを示している。
図12の下図は、非球面を表す「非球面形状式」を示している。
「非球面」は、周知の次の非球面形状式で表される。
「非球面形状式」
D=C・H/[1+√{1−(1+K)C・H}]
+E・H+E・H+E・H+E10・H10+E12・H12+・・
この非球面形状式において、「D」は非球面量、「H」は光軸からの距離、「C」は近軸曲率、「K」は楕円定数、「E、E、・・E12・・」は高次の非球面係数である。
図13には、曲面ミラー23のミラー面をなす自由曲面のデータを示す。
「自由曲面」は、周知の以下の「自由曲面形状式」で表す。
「自由曲面形状式」
z=c・h/[1+√{1−(1+k)c・h}]+ΣCjx
この自由曲面形状式において、右辺の「c」は、自由曲面のz方向の頂点近傍における曲率である。
また「k」は楕円定数、x、yは、z方向に直交し、互いに直交する2方向であり、自由曲面の位置を表す座標である。
また「h」は、前記頂点を通り、z方向に平行な軸からの距離を表す。
「h=√(x+y)」である。
曲面ミラー23は、図11に示すように「頂点位置」が、第2の屈折光学系の光軸に対してY方向へ「−0.7mm」ずらされ、z方向がYZ面に平行な面内で、上記光軸に対して時計方向に3.0度傾けて配置されている。
x方向は、YZ面に対して交わり、y方向はYZ面内にある。
上に説明した実施例の、第1の屈折光学系21、第2の屈折光学系22、曲面ミラー23を組み合わせてケーシングCSに組み込んだプロジェクタを、図14に示す。
図14において、符号CSで示す「画像投射装置のケーシング」内に、上に説明した投射光学系が、画像表示素子や、照明光学系等とともに配備されている。
画像表示素子は、例えばDMDであり、照明光学系は、例えば「図1に即して説明した如きもの」である。
図14の左図は、スクリーンS上における拡大画像の位置を「Y方向において最も下げた」ときの状態を示す。
図14の右図は、スクリーンS上における拡大画像の位置を「Y方向において最も上げた」ときの状態を示す。
画像表示素子の画像表示面は長方形形状であり、図8におけるY方向の辺の長さが8.64mmである。
第1の屈折光学系21は、その光軸が、基準状態において、画像表示面における「Y方向の上端位置」に対して一致するようにレイアウトされている。
従って、この基準状態においては、第1の結像光学系21により結像される第1の中間像は、Y方向の下端位置が、第1の屈折光学系の光軸位置に合致する。
第2の屈折光学系22は、基準状態において結像された第1の中間像の「Y方向の下端部」に対して、光軸がY方向に−4.0mmだけずれるようにレイアウトされている。
即ち、基準状態に置いて、第2の屈折光学系22の光軸は、第1の屈折光学系21の光軸に対してY方向のマイナス側へ4mmだけずれている。
先に、図4、図5に即して説明した例では、第1の屈折光学系21の光軸と、第2の屈折光学系の光軸とは「基準状態において合致」している。
しかし、説明中の実施例のように、第1、第2の屈折光学系の光軸が「基準状態において互いにY方向へずれた」レイアウトも可能である。
図14の左図は、上記「基準状態」に対し、第2の屈折光学系22、曲面ミラー23の画像表示素子10に対する相対位置はそのままにして、第1の屈折光学系21のみを、基準状態から「Y方向に−1mmだけ変位」させた状態を示している。
即ち、第1の屈折光学系のシフト量:Δ=−1mmである。
図14の右図は、上記「基準状態」に対し、第2の屈折光学系22、曲面ミラー23の画像表示素子10に対する相対位置はそのままにして、第1の屈折光学系21のみを、基準状態から「Y方向に+0.4mmだけ変位」させた状態を示している。
即ち、第1の屈折光学系のシフト量:Δ=+4mmである。
図14の左図の状態では、第1の屈折光学系の光軸は、画像表示面内に位置する。
しかし、第2の屈折光学系の光軸が、基準状態において画像表示面のY方向の課端部から−側へ4mmずれ、曲面ミラーも頂点位置が第2の屈折光学系の光軸上からずれ、z方向が、上記光軸に対して時計回りに傾いている。
従って、画像表示面において第1の屈折光学系21の光軸に最も近い画素からの光が、曲面ミラー23により反射されて画像表示面側に戻ることはない。
図14の「左右の図」に示された状態で、スクリーンS上で「拡大画像の位置の差」は、図に示されたように、228mmである。
また、スクリーンS上における拡大画像のY方向のサイズは753mmである。このサイズを「MS」で表す。
スクリーンS上で「拡大画像の位置の差」とMSとの比を「レンズシフト」と呼ぶ。
説明中の実施例では、レンズシフトは0.3であり、百分率で30%である。
即ち、図14に示す画像投射装置(プロジェクタ)は、スクリーンS上に投射される拡大画像の位置を、Y方向において「拡大画像サイズの30%」も変位調整できる。
レンズシフトが0.3であれば、拡大画像をスクリーン上で変位させうる大きさは「0.3×MS」となる。
かかる「拡大画像変位調整」は、投射光学系における第1の屈折光学系のみを、光軸に直交する方(上の説明でY方向)に変位量を調整変位させて行われる。
この変位は、図示されない「変位機構」によって行われる。
拡大画像変位調整に必要な第1の屈折光学系の変位は「平行移動による変位」である。
従って、変位機構は、従来から種々知られている「平行変位を調整的に行う機構」を適宜に用いて構成することができる。
このように、この発明による投射光学系を用いることにより、曲面ミラーを含む投射光学系全体を変位させるような大掛かりな構成を用いることなく、従来の「屈折光学系のみにより構成される投射光学系」の場合と同レベルの拡大画像変位調整を実現できる。
前述のように、屈折・反射型の投射光学系で「屈折光学系のみを変位」させる方法では、拡大画像の「シフト量」は、拡大画像のサイズの4%程度が限界と考えられている。
従って、レンズシフトが10%(0.1×MS)であっても、実用上十分な拡大画像変位調整が出来たと言える。
図14に示すように、ケーシングCSには防塵ガラスCGが設けられている。
防塵ガラスCGはケーシングCSの内部を防塵する機能を有するとともに、曲面ミラー23により反射された「結像光束」をスクリーンS側へ向かって射出させる。
この発明の画像投射装置では、第1の屈折光学系の変位により、拡大画像変位調整を行うので、曲面ミラー23により反射された結像光束の方向の変化範囲が大きい。
結像光束の方向の変化範囲が大きくなると、防塵ガラスCGの「光束射出面領域の幅」を大きく設定する必要がある。
防塵ガラスCGにおけるこの幅は、スクリーンS上での拡大画像の位置が下端に位置するとき(図14左図)と、上端のとき(図13右図)の光線経路で決定される。
特に、拡大画像が下端に位置するときが「光束射出面領域の幅」への影響が大きい。
これは、図14の左図のように、スクリーンSに対する光線角度が垂直に近くなるためであり、この角度が垂直から遠ければ、図14の右図のように、上記幅は小さくてよい。
防塵ガラスCGの光束射出面領域の幅が大きくなり過ぎないようにするには、スクリーンS上の拡大画像のY方向の最下端への光線の入射角は19度以上が好ましい。
なお、防塵ガラスCGは、図10に示すように、曲面ミラー23の「Y方向の上端部」に接触して設けられている。
防塵ガラスCGの中央部の「Y方向の位置」は、図11に示すように、基準状態における第1の屈折光学系の光軸から31mm(内側面)および34mm(外側面)であり、従って厚みは3mmである。
以上に説明したこの発明の投射光学系は、画像表示素子10に表示される画像を、被投射面S上に拡大画像として拡大投射するための投射光学系であって、縮小側から拡大側へ向かって順次、第1の屈折光学系21、第2の屈折光学系22、曲面ミラー23を配してなり、第1の屈折光学系21は、画像表示素子10に表示された画像の中間像Im1を、第1の屈折光学系21と第2の屈折光学系22の間に結像し、第2の屈折光学系22と曲面ミラー23は、前記中間像Im1を結像した光を、被投射面S上に拡大投射して拡大画像として結像させる機能を有し、第1の屈折光学系21は、該第1の屈折光学系を構成する各光学素子が光軸を共有する共軸光学系で、前記画像表示素子10側および前記中間像Im1側ともにテレセントリックな、両側テレセントリック光学系である。
中間像Im1の結像に対する第1の屈折光学系21の横倍率は0.9倍ないし4.0倍であることが好ましく、特に、略等倍であることが好ましい。実施例では等倍である。
また、実施例に示した投射光学系では、第2の屈折光学系22は、第1の屈折光学系21が形成する中間像Im1に対してテレセントリックな光学系である。
曲面ミラー23は凹面ミラーであるが、これに限らず、凸面鏡により曲面ミラーを構成することもできる。
図14に即して説明した画像投射装置は、画像表示素子に表示される画像を、投射光学系によって、被投射面S上に拡大画像として拡大投射する画像投射装置であって、画像表示素子と、投射光学系と、を有し、投射光学系は上に説明したこの発明のものであり、第1の屈折光学系、第2の屈折光学系および曲面ミラーを有し、投射光学系の第1の屈折光学系と画像表示素子を、第1の屈折光学系21の光軸に直交する方向において相対的に変位させる変位機構を有する。
この変位機構は、投射光学系の第1の屈折光学系を、その光軸に直交する方向へ変位量調整可能に変位させるものである。
画像表示素子の画像が表示される有効領域の縦方向(Y方向)の幅:MSに対し、変位機構により変位可能な変位量が0.1×MS以上(実施例では0.3×MS)である。
また、被投射面Sに入射する光線角度が、被投射面の外向き法線に対して19度以上である。
上記変位機構を用いて、被投射面上における拡大画像の位置を、変位調整する拡大画像変位調整方法を実施できる。
上には、屈折光学系における第1の屈折光学系を光軸直交方向に変位させて、拡大画像の位置調整を行う場合を説明した。
しかし、この発明は、この場合に限らず、投射光学系に対して、画像表示素子10を屈折光学系の光軸に直交する方向に変位させて、拡大画像変位調整を行うこともできる。
この場合には、屈折光学系における第1の屈折光学系を光軸直交方向に変位させる必要は無い。
このような場合においても、第1の屈折光学系は、縮小側と拡大側に対しテレセントリックであるので、第2の屈折光学系の光軸に対する光軸間のずれが性能に影響しない。
従って、投射光学系の組み立てが容易である。
10 画像表示素子
21 第1の屈折光学系
22 第2の屈折光学系
23 曲面ミラー
Im1 第1の中間像
Im2 第2の中間像
Im1A 第1の屈折光学系21を変位させたときの第1の中間像
Im2A 第1の屈折光学系21を変位させたときの第2の中間像
特開2011−237482号公報 特表2013−532313号公報 特開2013− 15853号公報 特開2013− 33283号公報 特開2011−118548号公報 特許第5182440号公報

Claims (10)

  1. 画像表示素子に表示される画像を、被投射面上に拡大画像として拡大投射するための投射光学系であって、
    縮小側から拡大側へ向かって順次、第1の屈折光学系、第2の屈折光学系、曲面ミラーを配してなり、
    第1の屈折光学系は、画像表示素子に表示された画像の中間像を、第1の屈折光学系と第2の屈折光学系の間に結像し、
    第2の屈折光学系と曲面ミラーは、前記中間像を結像した光を、被投射面上に拡大投射して拡大画像として結像させる機能を有し、
    第1の屈折光学系は、該第1の屈折光学系を構成する各光学素子が光軸を共有する共軸光学系で、前記画像表示素子側および前記中間像側ともにテレセントリックな、両側テレセントリック光学系である投射光学系。
  2. 請求項1に記載の投射光学系において、
    中間像の結像に対する第1の屈折光学系の横倍率が0.9倍ないし4.0倍であることを特徴とする投射光学系。
  3. 請求項2に記載の投射光学系において、
    中間像の結像に対する第1の屈折光学系の横倍率が、略等倍であることを特徴とする投射光学系。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の投射光学系において、
    第2の屈折光学系が、第1の屈折光学系が形成する中間像に対してテレセントリックな光学系であることを特徴とする投射光学系。
  5. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の投射光学系において、
    曲面ミラーが凹面ミラーであることを特徴とする投射光学系。
  6. 画像表示素子に表示される画像を、投射光学系によって、被投射面上に拡大画像として拡大投射する画像投射装置であって、
    画像表示素子と、投射光学系と、を有し、
    投射光学系は、請求項1〜5の何れか1項に記載されたものであって、第1の屈折光学系、第2の屈折光学系および曲面ミラーを有し、
    前記投射光学系の第1の屈折光学系と画像表示素子を、第1の屈折光学系の光軸に直交する方向において相対的に変位させる変位機構を有することを特徴とする画像投射装置。
  7. 請求項6に記載の画像投射装置において、
    変位機構は、投射光学系の第1の屈折光学系を、その光軸に直交する方向へ変位量調整可能に変位させるものであることを特徴とする画像投射装置。
  8. 請求項6または7に記載の画像投射装置において、
    画像表示素子の画像が表示される有効領域の縦方向の幅:MSに対し、
    変位機構により変位可能な変位量が、0.1×MS以上であることを特徴とする画像投射装置。
  9. 請求項6ないし8の何れか1項に記載の画像投射装置において、
    被投射面に入射する光線角度が、被投射面の外向き法線に対して19度以上であることを特徴とする画像投射装置。
  10. 請求項6ないし9の何れか1項に記載の画像投射装置における変位機構を用いて、被投射面上における拡大画像の位置を、変位調整する拡大画像変位調整方法。
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