JP2015137866A - 漏水量推定装置及び方法並びにシステム - Google Patents

漏水量推定装置及び方法並びにシステム Download PDF

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Abstract

【課題】将来の急増漏水による漏水量を精度良く予測し得る漏水量推定装置及び方法並びにシステムを提案する。【解決手段】過去の第1の解析期間内に発生した急増漏水ごとに当該急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値をそれぞれ推定し、推定した第1の解析期間における個々の急増漏水の状態を表す各パラメータの値に基づいて、第1の解析期間よりも短い過去の直近の第2の解析期間における急増漏水の状態を表す各パラメータの値をそれぞれ推定し、推定結果に基づいて将来の急増漏水の漏水量を予測するようにした。【選択図】 図1

Description

本発明は、漏水量推定装置及び方法並びにシステムに関し、配水管網における漏水量を推定する漏水推定装置及びシステムに適用して好適なものである。
水道管は地中に埋設されるため、水道管網における漏水を検知し難い。このような水道管網における漏水を検知する方法として、従来、水道管網に設置されている流量計により測定された日最低流量に基づいて漏水の発生の有無を判断する方法が特許文献1に開示されている。また特許文献2には、計測データが予測データの統計的偏差から逸脱しているときに異常を検知し、漏水を含む事象を特定する計算方法が開示されている。
特開平7−167732号公報 米国特許第7920983号明細書
ところで、かかる特許文献1に開示された漏水検知方法によると、水道管の腐食などにより長い年月をかけて少しずつ増加する漏水(以下、これをベース漏水と呼ぶ)についてはある程度の精度で検知することができものの、数日以下の短期間で急増する漏水(以下、これを急増漏水と呼ぶ)については検知の精度が低く、急激漏水の漏水量が将来どれだけ増加するかを精度良く予測することができない問題があった。また特許文献2に開示された計算方法によると、将来、漏水量がどれだけ増えるかを想定できないという問題があった。
このように、特許文献1に開示された漏水検知方法及び特許文献2に開示された計算方法では、急増漏水への迅速な対処に有効な、急増漏水の将来の漏水量を精度良く予測することができない。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、急増漏水の将来の漏水量を精度良く予測し得る漏水量推定装置及び方法並びにシステムを提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、配水管網における漏水量を推定する漏水量推定装置において、前記配水管網に設置された流量計による流量の計測値と、前記配水管網に対して行われた漏水修理に関する情報である漏水修理履歴情報とに基づいて、過去の第1の解析期間における急増漏水の事例を抽出する長期トレンド解析部と、前記長期トレンド解析部により抽出された前記第1の解析期間における前記急増漏水の事例に基づいて、将来の急増漏水の漏水量を予測する短期トレンド解析部とを設け、前記長期トレンド解析部が、前記急増漏水の事例の抽出として、前記第1の解析期間内に発生した前記急増漏水ごとに当該急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値をそれぞれ推定し、前記短期トレンド解析部が、前記長期トレンド解析部により推定された前記第1の解析期間内における個々の前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値に基づいて、前記第1の解析期間よりも短い過去の直近の第2の解析期間における前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値をそれぞれ推定し、推定結果に基づいて将来の前記急増漏水の漏水量を予測するようにした。
また本発明においては、配水管網における漏水量を推定する漏水量推定方法において、前記配水管網に設置された流量計による流量の計測値と、前記配水管網に対して行われた漏水修理に関する情報である漏水修理履歴情報とに基づいて、過去の第1の解析期間における急増漏水の事例を抽出する第1のステップと、抽出した前記第1の解析期間における前記急増漏水の事例に基づいて、将来の急増漏水の漏水量を予測する第2のステップとを設け、前記第1のステップでは、前記急増漏水の事例の抽出として、前記第1の解析期間内に発生した前記急増漏水ごとに当該急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値をそれぞれ推定し、前記第2のステップでは、前記長期トレンド解析部により推定された前記第1の解析期間内における個々の前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値に基づいて、前記第1の解析期間よりも短い過去の直近の第2の解析期間における前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値をそれぞれ推定し、推定結果に基づいて将来の前記急増漏水の漏水量を予測するようにした。
さらに本発明においては、配水管網における漏水量を推定する漏水量推定システムにおいて、前記配水管網に設置された流量計と、前記流量計により計測された流量の計測値と、前記配水管網に対して行われた漏水修理に関する情報である漏水修理履歴情報とに基づいて前記配水管網における漏水量を推定する漏水量推定装置とを有し、前記漏水量推定装置は、前記計測値及び前記漏水修理履歴情報に基づいて、過去の第1の解析期間における急増漏水の事例を抽出する長期トレンド解析部と、前記長期トレンド解析部により抽出された前記第1の解析期間における前記急増漏水の事例に基づいて、将来の急増漏水の漏水量を予測する短期トレンド解析部とを備え、前記長期トレンド解析部が、前記急増漏水の事例の抽出として、前記第1の解析期間内に発生した前記急増漏水ごとに当該急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値をそれぞれ推定し、前記短期トレンド解析部が、前記長期トレンド解析部により推定された前記第1の解析期間内における個々の前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値に基づいて、前記第1の解析期間よりも短い過去の直近の第2の解析期間における前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値をそれぞれ推定し、推定結果に基づいて将来の前記急増漏水の漏水量を予測するようにした。
本発明によれば、急増漏水の将来の漏水量を精度良く予測し得る漏水量推定装置及び方法並びにシステムを実現できる。
水道管網の説明に供する略線図である。 第1〜第4の実施の形態による漏水量推定システムのハードウェア構成を示すブロック図である。 第1、第3及び第4の実施の形態による漏水量推定装置の論理構成を示すブロック図である。 漏水修理履歴情報管理テーブルの構成を示す概念図である。 一般的な急増漏水の漏水量の変化の様子を示す特性曲線図である。 急増漏水量管理テーブルの構成を示す概念図である。 長期トレンド解析処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)〜(C)は、日最低流量の計測値と、第1の実施の形態の長期トレンド解析部による解析結果とを示すグラフである。 短期トレンド解析処理の処理手順を示すフローチャートである。 短期急増漏水パラメータ推定処理の処理手順を示すフローチャートである。 事例類似度の説明に供する図である。 指標の説明に供するグラフである。 (A)〜(C)は、日最低流量の計測値と、第1の実施の形態の短期トレンド解析部による解析結果とを示すグラフである。 漏水急増アラート画面を画面構成例を略線的に示す略線図である。 第2の実施の形態による漏水量推定装置の論理構成を示すブロック図である。 (A)〜(C)は、時間流量の計測結果と、第3の実施の形態の短期トレンド解析部83による解析結果とを示すグラフである。 (A)〜(C)は、日最低流量の計測結果と、第4の実施の形態の短期トレンド解析部83による解析結果とを示すグラフである。 第4の実施の形態の短期トレンド解析処理の説明に供するグラフである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)配水管網の構成
まず、本実施の形態の漏水量推定システムにより実行される漏水量推定処理の対象となる配水管網の構成について、図1を参照して説明する。
一般的に、水道管網は、浄水場から配水池2まで水道水を送る送水管と、配水池2から水道利用者に向けて配水する配水管と、配水管から各戸に給水を行うための給水管となどから構成される。図1は、このうちの配水管から構成される配水管網1の構成を示す。配水管網1内には、配水管内の流量を計測するための流量計3や、配水管内の圧力を計測するための圧力計4などの計測装置が設置される。
通常、配水管網1は、複数の配水ブロック5に分けて管理される。配水ブロック5は、配水管網1を分割する領域として設定されているもののうち、当該領域に流入する水道水の全流量が流量計3により計測されている領域を指す。配水ブロック5は、DMA(District Metered Area)とも呼ばれる。図1の例では、配水ブロック5Aについては当該配水ブロック5Aへの流入管路に流量計3Aが設置されると共に、配水ブロック5Bについては当該配水ブロック5Bへの2つの流入管路にそれぞれ流量計3B及び流量計3Cが設置されており、各配水ブロック5A,5Bに流入する水道水の全流量をこれらの流量計3A〜3Cにより計測できるようになされている。なお、配水管網1全体を配水ブロックとみなしても良い。
(1−2)本実施の形態による漏水量推定システムの論理構成
図2は、本実施の形態による漏水量推定システム10の論理構成を示す。この図2に示すように、漏水量推定システム10は、配水管網1(図1)における将来の漏水量を配水ブロック単位で推定する機能を有する漏水量推定装置11と、当該漏水量推定装置11に通信ネットワーク12を介して接続された調査端末13、計測装置14及び検針端末15とを備えて構成されている。
調査端末13は、漏水調査の調査員や管修繕作業の作業員が使用する通信端末装置であり、これら調査員や作業員により行われた漏水修理に関する情報(以下、これを漏水修理履歴情報と呼ぶ)が入力される。そして調査端末13は、入力された漏水修理履歴情報を通信ネットワーク12を介して漏水量推定装置11に送信する。なおこれら調査端末13は、図2のように漏水量推定装置11に直接接続されていなくても良く、各種情報システムを介して接続されていても良い。
計測装置14は、図1について上述した流量計3及び圧力計4などから構成される。これら計測装置14は、それぞれ通信ネットワーク12を介して定期的(例えば1分ごと)に計測値を漏水量推定装置11に送信する。なお計測装置14は、図2のように漏水量推定装置11に直接接続されていなくても良く、監視制御システムや、SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)システムを介して接続されていても良い。
検針端末15は、課金のための水道メータの検針を行う検針員が使用する通信端末装置であり、例えばPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末から構成される。上述のように水道利用者は配水管から給水管を介して水道水を引き入れており、その引入れ点に料金徴収のための水道メータが設置される。そして水道メータにより計測されたその水道利用者の水消費量は、検針員により定期的に読み取られて検針端末15に入力される。検針端末15は、このようにして入力された水道利用者ごとの水道メータの読取り値を水消費量情報として漏水量推定装置11に送信する。なお、自動検針システムの場合には、水道メータが検針端末15として機能し、計測値を漏水量推定装置11に定期的に送信する。
漏水量推定装置11は、パーソナルコンピュータや、ワークステーション又はメインフレームなどから構成されるコンピュータ装置であり、内部バス20を介して相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、メディア入出力部23、通信制御部24、周辺機器インタフェース部25、入力部26及び表示部27を備えて構成される。
CPU21は、漏水量推定装置11全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ22は、例えば半導体メモリから構成され、各種プログラムやデータを一時的に保持するために利用される。メディア入出力部23は、例えば半導体メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード又はDVD(Digital Versatile Disk)等の大容量の記憶媒体から構成され、各種プログラムやデータを長期的に保存するために利用される。漏水量推定装置11の起動時や必要時にメディア入出力部23に格納されたプログラム等がメモリ22に読み出され、当該プログラムがCPU21により実行されることにより、後述のような漏水量推定装置11全体としての各種処理が行われる。
通信制御部24は、通信ネットワーク12に対するインタフェース装置であり、調査端末13、計測装置14及び検針端末15との通信時におけるプロトコル制御を行う。また周辺機器インタフェース部25は、プリンタ等の周辺機器に対するインタフェース装置である。
入力部26は、例えばキーボード及びマウスなどから構成され、ユーザが漏水量推定装置11に対する各種の操作入力を行う際に利用される。また表示部27は、液晶ディスプレイなどから構成され、例えば図14について後述する漏水急増アラート画面60等の各種画面や各種情報を表示する。
図3は、漏水量推定装置11の論理構成を示す。この図3からも明らかなように、漏水量推定装置11は、調査端末インタフェース部30、計測装置インタフェース部31及び検針端末インタフェース部32と、漏水修理履歴記憶部33、計測値記憶部34及び水消費量記憶部35と、長期トレンド解析部36と、需要推定情報記憶部37、ベース漏水量情報記憶部38、急増漏水量情報記憶部39及び漏水低減量記憶部40と、短期トレンド解析部41と、短期推定情報記憶部42と、画面表示部43とを備えて構成される。
調査端末インタフェース部30、計測装置インタフェース部31及び検針端末インタフェース部32は、それぞれ調査端末13、計測装置14又は検針端末15に対するインタフェースであり、図2について上述した通信制御部24の機能の一部として具現化される。
調査端末インタフェース部30は、調査端末13から送信される漏水修理履歴情報を漏水修理履歴記憶部33に格納し、又は、漏水修理履歴記憶部33に格納されている漏水修理履歴情報を調査端末13から送信される漏水修理履歴情報に基づいて更新する。また検針端末インタフェース部32は、検針端末15から送信される水消費量情報を水消費量記憶部35に格納し、又は、水消費量記憶部35に格納されている水消費量情報を検針端末15から送信される水消費量情報に基づいて更新する。
計測装置インタフェース部31は、各計測装置14から計測値をそれぞれ定期的に収集し、収集した計測値を計測値情報として時系列に計測値記憶部34に格納する。また計測装置インタフェース部31は、計測装置14から収集した計測値に対する加工処理やクレンジング処理を行う。例えば、計測装置インタフェース部31は、1日内の最も小さい計測値である日最低流量と、1日の総流量である日総流量とを配水ブロックごとに抽出又は算出し、抽出又は算出結果を計測値記憶部34に格納する。
漏水修理履歴記憶部33、計測値記憶部34及び水消費量記憶部35は、それぞれ図2について上述したメモリ22が提供する記憶領域の一部により構成される。
漏水修理履歴記憶部33には、図4に示す漏水修理履歴管理テーブル44が格納される。この漏水修理履歴管理テーブル44は、調査端末13から送信される漏水修理履歴情報を保持及び管理するためのテーブルであり、修理ID欄44A、種別欄44B、管ID欄44C、配水ブロック欄44D、原因欄44E、防止漏水量欄44F、修理日時欄44G及び通報日時欄44Iから構成される。漏水修理履歴管理テーブル44では、1行が1件の漏水修理履歴情報に対応する。
そして修理ID欄44Aには、対応する漏水修理に対して付与された固有のID(修理ID)が格納され、種別欄44Bには、その漏水修理を行った管の種類(送水管、配水管又は給水管)が格納される。また管ID欄44Cには、その管に付与された固有のID(管ID)が格納され、配水ブロック欄44Dには、その管が属する配水ブロックに付与されたIDが格納される。
さらに原因欄44Eには、修理した漏水の推測される原因が格納され、防止漏水量欄44Fには、その漏水の修理時に計測又は推定された単位時間当たりの漏水量が格納される。さらに修理日時欄44Gには、その漏水修理を行った日時が格納され、通報日時欄44Hには、その漏水に関する通報があった場合に、その通報を受けた日時が格納される。
また計測値記憶部34には、各計測装置14から収集した計測値情報が時系列に格納される。さらに計測値記憶部34には、計測装置インタフェース部31により行われた上述の計測値に対する加工処理やクレンジング処理の処理結果も格納される。
水消費量記憶部35には、検針端末15から送信される水消費量情報に基づいて、水道利用者ごとの水使用量(水消費量)が時系列に格納される。また水消費量記憶部35には、各水道利用者がそれぞれ属する配水ブロックを表す情報も格納される。
長期トレンド解析部36は、図2について上述したメモリ22に格納された対応するプログラムをCPU21(図2)が実行することにより具現化される機能である。この長期トレンド解析部36は、漏水修理履歴記憶部33に格納された漏水修理履歴情報と、計測値記憶部34に格納された計測値情報と、水消費量記憶部35に格納された水消費量情報とに基づいて、解析時点よりも過去の第1の解析期間(例えば1年であり、以下、これを長期トレンド解析期間と呼ぶ)内における需要量及び漏水量と、漏水修理による漏水の低減量(以下、これを漏水低減量と呼ぶ)とを配水ブロックごとに日単位で推定する。
具体的に、長期トレンド解析部36は、かかる需要量として、水道水の1日の最低の需要量(以下、これを日最低需要量と呼ぶ)と、水道水の1日の総需要量(以下、これを日総需要量と呼ぶ)とを配水ブロックごとに日単位で推定する。また長期トレンド解析部は、かかる漏水量として、長期トレンド解析期間の開始時点における漏水量(以下、これを漏水量初期値と呼ぶ)と、日々のベース漏水の漏水量(以下、これをベース漏水量と呼ぶ)とを配水ブロックごとに推定する。
そして長期トレンド解析部36は、推定した配水ブロックごとの日単位の各需要量(日最低需要量及び日総需要量)を需要推定情報記憶部37に時系列に格納し、推定した配水ブロックごとの漏水量初期値及び日単位のベース漏水量(急増漏水以外の漏水量)をベース漏水量情報記憶部38に格納し、推定した配水ブロックごとの日単位の漏水低減量を時系列に漏水低減量記憶部40に格納する。
また長期トレンド解析部36は、かかる長期トレンド解析期間における急増漏水の事例を抽出するため、これら急増漏水について、その急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値を推定する。
具体的には、急増漏水の漏水量は、図5に示すように、横軸に時間、縦軸に漏水量をとった座標平面上においてS字状のカーブを描く曲線L1として表すことができるため、日時tにおける急増漏水の漏水量s(t)を、急増漏水の増加速度をA、漏水規模をB、発生日時をCとして、次式
で与えられるシグモイド関数により近似することができる。ここで、発生日時は、その漏水が発生した日時であり、漏水規模は、その急増漏水の漏水量の収束値である。また増加速度は、その急増漏水が発生してから当該急増漏水による漏水量が当該漏水量の収束値に近付くまでの速度である。
そこで本実施の形態の場合、長期トレンド解析部36は、長期トレンド解析期間における急増漏水の事例の抽出として、個々の急増漏水について、その発生日時、漏水規模及び漏水量の増加速度をその急増漏水の状態を表すパラメータ(以下、これらをそれぞれ発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3と呼ぶ)として、これら発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値をそれぞれ推定する。
そして長期トレンド解析部36は、このようにして推定した長期トレンド解析期間における急増漏水ごとの発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値を急増漏水量情報記憶部39に格納する。
需要推定情報記憶部37、ベース漏水量情報記憶部38、急増漏水量情報記憶部39及び漏水低減量記憶部40は、いずれも図2について上述したメモリ22が提供する記憶領域の一部から構成される。
そして、需要推定情報記憶部37には、長期トレンド解析部36により推定された長期トレンド解析期間内における配水ブロックごとの日単位の水道水の需要量が長期需要量情報として格納され、ベース漏水量情報記憶部38には、長期トレンド解析部36により推定された長期トレンド解析期間内における配水ブロックごとの日単位のベース漏水量及び漏水量初期値(急増漏水による漏水以外の漏水量)が長期ベース漏水量情報として格納される。
また急増漏水量情報記憶部39には、図6に示す急増漏水量情報管理テーブル45が格納される。この急増漏水量情報管理テーブル45は、長期トレンド解析部36により推定された長期トレンド解析期間内に発生した個々の急増漏水についての発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3等の情報(以下、これを急増漏水量情報と呼ぶ)を保持及び管理するためのテーブルであり、漏水ID欄45A、修理ID欄45B、発生日時パラメータ欄45C、漏水規模パラメータ欄45D及び増加速度パラメータ欄45Eから構成される。急増漏水量情報管理テーブル45の1行が1つの急増漏水に対応する。
そして漏水ID欄45Aには、対応する急増漏水に対して付与されたその急増漏水に固有のID(漏水ID)が格納され、修理ID欄45Bには、対応する急増漏水に対する漏水修理が特定できる場合に、図4について上述した修理IDのうちのその漏水修理に付与された修理IDが格納される。また発生日時パラメータ欄45C、漏水規模パラメータ欄45D及び増加速度パラメータ欄45Eには、長期トレンド解析部36により推定された対応する急増漏水についての発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値がそれぞれ格納される。
さらに漏水低減量記憶部40には、長期トレンド解析部36により推定された長期トレンド解析期間内における配水ブロックごとの漏水低減量が長期漏水低減量情報として格納される。
短期トレンド解析部41は、図2について上述したメモリ22に格納された対応するプログラムをCPU21(図2)が実行することにより具現化される機能であり、短期需要量計算部50、短期ベース漏水量計算部51、短期急増漏水パラメータ推定部52及び短期急増漏水量計算部53を備えて構成される。
短期需要量計算部50は、需要推定情報記憶部37に格納された上述の長期需要量情報に基づいて、解析時点よりも過去の直近の第2の解析期間(例えば直近の1ヶ月又は1週間であり、以下、これを短期トレンド解析期間と呼ぶ)における需要量(ここでは日最低需要量)を配水ブロックごとに日単位で計算し、計算結果を短期需要量情報として短期急増漏水パラメータ推定部52及び短期推定情報記憶部42にそれぞれ送信する。
また短期ベース漏水量計算部51は、ベース漏水量情報記憶部38に格納された上述の長期ベース漏水量情報に基づいて、短期トレンド解析期間におけるベース漏水量を配水ブロックごとに日単位で計算し、計算結果を短期ベース漏水量情報として短期急増漏水パラメータ推定部52及び短期推定情報記憶部42にそれぞれ送信する。
短期急増漏水パラメータ推定部52は、計測値記憶部34に格納された計測値情報のうちの短期トレンド解析期間内の計測値情報と、短期需要量計算部50から与えられる短期需要量情報と、短期ベース漏水量計算部51から与えられる短期ベース漏水量情報と、急増漏水量情報記憶部39に格納されている上述の長期急増漏水量情報とに基づいて、配水ブロックごとに、短期トレンド解析期間における急増漏水の発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値をそれぞれ推定し、推定結果を短期急増漏水パラメータ情報として短期急増漏水量計算部53に送信する。
短期急増漏水量計算部53は、短期急増漏水パラメータ推定部52から与えられる短期急増漏水パラメータ情報に基づいて、配水ブロックごとに、短期トレンド解析期間における急増漏水の漏水量を推定すると共に、将来の急増漏水の漏水量を予測し、推定結果及び予測結果を短期急増漏水量情報として短期推定情報記憶部42に送信する。
短期推定情報記憶部42は、図2について上述したメモリ22が提供する記憶領域の一部から構成される。この短期推定情報記憶部42には、上述のように短期需要量計算部50から送信された短期需要量情報と、短期ベース漏水量計算部51から送信された短期ベース漏水量情報と、短期急増漏水量計算部53から送信された短期急増漏水量情報とが格納される。
画面表示部43は、図2について上述したメモリ22に格納された対応するプログラムをCPU21が実行することにより具現化される機能であり、入力部26(図2)を介して入力されたユーザの所定操作等に応じて、短期推定情報記憶部42に格納されている短期需要量情報、短期ベース漏水量情報及び短期急増漏水量情報に基づいて、短期トレンド解析部41の解析結果等を図2について上述した表示部27に表示する。
(1−3)本実施の形態による漏水量推定処理に関連する各種処理
次に、上述の長期トレンド解析部36及び短期トレンド解析部41によりそれぞれ実行される処理の処理内容についてより具体的に説明する。
(1−3−1)長期トレンド解析処理
図7は、長期トレンド解析部36により定期的(例えば検針期間と同じ2ヶ月ごと)に実行される長期トレンド解析処理の処理手順を示す。長期トレンド解析部36は、この図7に示す処理手順に従って、上述のように長期トレンド解析期間内における水道水の需要量(日最低需要量及び日総需要量)及びベース漏水量と、長期トレンド解析期間内における漏水低減量とを配水ブロックごとに日単位で推定すると共に、漏水量初期値と、長期トレンド解析期間内に発生した個々の急増漏水の発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3とを配水ブロックごとに推定する。
実際上、長期トレンド解析部36は、この長期トレンド解析処理を開始すると、まず、漏水修理履歴記憶部33に格納された漏水修理履歴情報と、計測値記憶部34に格納された計測値情報と、水消費量記憶部35に格納された水消費情報とを取得する(SP1)。また長期トレンド解析部36は、この後、管理対象の配水管網を構成する配水ブロックの中から解析対象となる配水ブロックを1つ選択する(SP2)。
続いて、長期トレンド解析部36は、ステップSP2において選択した配水ブロックについて、長期トレンド解析期間内における急増漏水の発生回数を仮定(初期値は「0」)し、ステップSP1において取得した計測値情報及び水消費情報との誤差が最小(又は尤度が最大)となる需要量(日最低需要量及び日総需要量)、ベース漏水量及び漏水低減量を日単位で推定すると共に、漏水量初期値と、長期トレンド解析期間に発生した急増漏水ごとの発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値とをそれぞれ推定する推定処理を実行する(SP3)。
この推定処理の具体的な内容について説明する。図8は、ある配水ブロックについて、長期トレンド解析期間における日最低流量の計測結果と、長期トレンド解析部36による漏水量(漏水量初期値、ベース漏水量及び急増漏水による漏水量)及び漏水低減量の推定結果と、当該長期トレンド解析部36による日最低需要量の推定結果とを示す。
具体的に、図8(A)において、点列L10は日最低流量の計測値を表し、期間T1〜T4は水道メータの検針が行われる検針期間(ここでは2ヶ月)を表す。また8図(B)において、直線L11は、長期トレンド解析部36により推定された漏水量の初期値、直線L12は、長期トレンド解析部36により推定されたベース漏水量、曲線L13は、長期トレンド解析部36により推定された急増漏水による漏水量、曲線L14は、長期トレンド解析部36により推定された漏水低減量をそれぞれ表す。さらに図8(C)において、直線L15は、長期トレンド解析部36により推定された日最低需要量を表す。なお図8(A)〜図8(C)において、期間T5は、漏水修理履歴情報から認識される漏水修理が行われた期間を表す。
ある配水ブロックにおける日々の日最低流量の推定値m_tは、日最低需要量の推定値をd_t、漏水量の推定値をL_tとして次式
により算出することができる。またその配水ブロックにおける日々の漏水量の推定値L_tは、漏水量の初期値(漏水量初期値)の推定値をi、ベース漏水量の推定値をb_t、急増漏水量の推定値をs_t、漏水低減量の推定値をr_tとして、次式
により算出することができる。
ここで、漏水量初期値の推定値iは、長期トレンド解析期間で常に一定値をとる。またベース漏水量の推定値b_tは、長期トレンド解析期間の開始時は「0」であるが、その後の長期トレンド解析期間中は等号を含めて単調に増加し、減少しないものとする。同様に急増漏水量の推定値s_tは、長期トレンド解析期間の開始時はほぼ「0」であるが、その後の長期トレンド解析期間中は等号を含めて単調に増加し、減少しないものとする。急増漏水量の推定値s_tは、図5について上述した(1)式を用いて算出することができる。このような漏水量の変化(増加)に対する制約は、漏水は一旦発生すると修理しない限りなくならないことを表現している。この制約を設けることで、漏水量の精緻な推定を行うことができる。
なお、長期トレンド解析期間内で配水圧力を下げるように配水所ポンプの運用を変更した場合などは、以上のような漏水量の変化の制限が満たされないことがある。こうした場合のために、長期トレンド解析部36が、かかる変更の時期の情報を入力とし、当該変更後のみに長期トレンド解析期間が短縮されたものとして、短縮された長期トレンド解析期間内の漏水修理履歴情報や、計測値情報及び水消費量情報のみを利用して漏水量等を推定するようにしても良い。
漏水低減量の推定値r_tは、長期トレンド解析期間の初めは「0」であり、その後、長期トレンド解析期間中の漏水修理期間内のみ等号を含めて単調に増加し、その他の期間では値が変化しないものとする。また日最低需要量の推定値d_tは、常に正の値をとる。単純な近似として、日最低需要量を正の一定値と推定することができる。また日総需要量は、正の値をとる。
一方、日総流量の推定値M_tは、日需要量の推定値をD_t、漏水量の時間変化係数をβとして、次式
により算出することができる。
また検針期間におけるある配水ブロックにおける水消費量の推定値c_Tは、次式
により算出することができる。なお(5)式において、時間tに関する和は、検針期間Tに属する日tについて計算する。
長期トレンド解析部36は、図7のステップSP6において、長期トレンド解析期間内における需要量(日最低需要量及び日総需要量)と、漏水量(漏水量初期値及びベース漏水量)と、急増漏水の各パラメータと、漏水低減量とについて、それぞれ乱数を発生させながら(2)式による日最低流量の推定値m_t及び日最低流量の計測値の誤差と、(4)式による日総流量の推定値M_t及び日総流量の計測値の誤差と、(5)式による検針期間T1〜T4における水消費量の推定値c_T及び当該検針期間T1〜T4における水消費量の計測値の誤差とをそれぞれ計算し、これらの誤差が近似的に最小となる需要量(日最低需要量及び日総需要量)、漏水量(漏水量初期値及びベース漏水量)、急増漏水の各パラメータ及び漏水低減量の値をそれぞれ求める。
具体的に、長期トレンド解析部36は、上述の制約を満たすという条件のもとで、日最低流量、日総流量及び水消費量の各推定値m_t,M_t,c_Tと、対応する日最低流量、日総流量及び水消費量の計測値との誤差の二乗和を最小化することで、長期トレンド解析期間内における需要量(日最低需要量及び日総需要量)と、漏水量(漏水量初期値及びベース漏水量)と、急増漏水の各パラメータと、漏水低減量との推定を行う。最小化には、各種公知の最適化技術を適用することができる。
ただし、このような最小二乗法ではなく、計測装置14(図2)の特性等をより精緻に考慮した推定法を用いてかかる推定を行うようにしても良い。例えば、流量計3(図1)の最小計測単位が1〔m3/h〕である場合、日最低流量の計測値には1〔m3/h〕周期への丸め誤差が生じる。このような誤差を考慮するための公知の確率・統計モデルを利用することもできる。
以上の推定処理を実行し終えると、長期トレンド解析部36は、ステップSP3において仮定した長期トレンド解析期間内における急増漏水の発生回数が適切であるか否かを判定する(SP4)。具体的に、長期トレンド解析部36は、ステップSP3において推定した急増漏水の各パラメータ等による尤度と、急増漏水の発生回数とから計算される例えば赤池情報量基準などの指標が最小(又は局所的に最小)となっているか否かを判定する。
長期トレンド解析部36は、この判断で否定結果を得ると、急増漏水の発生回数の仮定値を1つ増加させた後(SP5)、ステップSP3に戻る。そして長期トレンド解析部36は、この後ステップSP3〜ステップSP5の処理を繰り返す。
そして長期トレンド解析部36は、やがてステップSP4において肯定結果を得ると、直前のステップSP3において推定した、そのとき対象としている配水ブロックにおける需要量(日最低需要量及び日総需要量)と、漏水量(漏水量初期値及びベース漏水量)と、急増漏水の各パラメータの値と、漏水低減量とをそれぞれ推定値として確定し、確定結果を需要推定情報記憶部37、ベース漏水量情報記憶部38、急増漏水量情報記憶部39及び漏水低減量記憶部40にそれぞれ保存する(SP7)。
具体的に、長期トレンド解析部36は、ステップSP3において推定した長期トレンド解析期間内の日々の需要量(日最低需要量及び日総需要量)を需要推定情報として需要推定情報記憶部37に格納する。また長期トレンド解析部36は、ステップSP3において推定した長期トレンド解析期間内の日々のベース漏水量及び漏水量初期値をベース漏水量情報としてベース漏水量情報記憶部38に格納する。さらに長期トレンド解析部36は、ステップSP3において推定した長期トレンド期間内に発生した個々の急増漏水の各パラメータ(発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3)の値を急増漏水量情報記憶部39に格納する。さらに長期トレンド解析部36は、ステップSP3において推定した長期トレンド解析期間内の日々の漏水低減量を漏水低減量情報として漏水低減量記憶部40に格納する。
続いて、長期トレンド解析部36は、管理対象の配水管網1を構成するすべての配水ブロックについてステップSP3〜ステップSP6の処理を実行し終えたか否かを判断する(SP7)。そして長期トレンド解析部36は、この判断で否定結果を得るとステップSP2に戻り、この後ステップSP2で選択する配水ブロックを未処理の他の配水ブロックに順次切り替えながら、ステップSP2〜ステップSP7の処理を繰り返す。
そして長期トレンド解析部36は、やがて管理対象の配水管網1を構成するすべての配水ブロックについてステップSP3〜ステップSP6の処理を実行し終えることによりステップSP7で肯定結果を得ると、この長期トレンド解析処理を終了する。
なお図8では、長期トレンド解析期間における急増漏水の回数が1回である場合について示しているが、長期トレンド解析期間における急増漏水の回数が2回以上である場合についても同様にステップSP6の推定処理を行うことができる。この場合、急増漏水ごとに1つのシグモイド関数をそれぞれ割り当て、(3)式による漏水量の推定値L_tの計算では、急増漏水量の推定値s_tとして、すべての急増漏水の漏水量s_tの合計値を利用すれば良い。
また以上の説明では、長期トレンド解析部36が流量計の計測値のみを用いて長期トレンド解析期間内における需要量等を推定する推定方式について説明したが、計測装置14として設置された圧力計や音響センサ等の計測値をも利用してかかる需要量等を推定する推定方式を採用するようにしても良い。例えば、長期トレンド解析部36が、ステップSP4において、急増漏水を追加する際の発生日時パラメータP1の初期値として、音響センサにおいて漏水を原因とするノイズの増加が観測された日時を設定するようにしても良い。
さらに長期トレンド解析部36が、日総需要量の計測値及び推定値の比較と、検針期間T1〜T4における水消費量の計測値及び推定値の比較とを行わず、日需要量の推定を行わないようにしても良い。
(1−3−2)短期トレンド解析処理
図9は、短期トレンド解析部41により定期的(例えば1日又は1時間ごと)に実行される短期トレンド解析処理の処理手順を示す。短期トレンド解析部41は、この図9に示す処理手順に従って、上述のように短期トレンド解析期間内における需要量(日最低需要量)と、ベース漏水量と、急増漏水量とを配水ブロックごとに日単位で推定すると共に、短期トレンド解析期間及び将来の急増漏水の漏水量を推定及び予測する。
実際上、短期トレンド解析部41は、この短期トレンド解析処理を開始すると、まず、需要推定情報記憶部37から短期トレンド解析期間分の需要推定情報、ベース漏水量情報記憶部38から短期トレンド解析期間分のベース漏水量情報、急増漏水量情報記憶部39から急増漏水量情報、計測値記憶部34から短期トレンド解析期間分の計測値をそれぞれ取得する(SP10)。
続いて、短期トレンド解析部41は、ステップSP10で取得した短期トレンド解析期間分の需要推定情報を短期需要量計算部50に与える。かくして短期需要量計算部50は、この需要推定情報に基づいて、短期トレンド解析期間内における需要量(日最低需要量)を配水ブロックごとに日単位で計算する。本実施の形態の場合、短期需要量計算部50は、配水ブロックごとに、例えば短期トレンド解析期間の開始時点における日最低需要量の値を、その短期トレンド解析期間における日々の需要量(日最低需要量)として推定する(SP11)。
次いで、短期トレンド解析部41は、ステップSP10で取得した短期トレンド解析期間分のベース漏水量情報を短期ベース漏水量計算部51に与える。かくして短期ベース漏水量計算部51は、このベース漏水量情報に基づいて、短期トレンド解析期間内におけるベース漏水量を配水ブロックごとに日単位で推定する。本実施の形態の場合、短期ベース漏水量計算部51は、配水ブロックごとに、例えば短期トレンド解析期間の開始時におけるベース漏水量の傾き(増加速度)をそのまま延長する直線を利用して日単位のベース漏水量をそれぞれ計算し、計算結果をベース漏水量の推定値とする(SP12)。
この後、短期トレンド解析部41は、ステップSP10で取得した短期トレンド解析期間分の急増漏水量情報と、ステップSP10で取得した短期トレンド解析期間分の計測値情報と、ステップSP11で取得した短期トレンド解析期間内における日々の需要量(日最低需要量)の推定値と、ステップSP12で取得した短期トレンド解析期間内における日々のベース漏水量の推定値とを短期急増漏水パラメータ推定部52に与える。
かくして短期急増漏水パラメータ推定部52は、これらの情報に基づいて、短期トレンド解析期間に発生した急増漏水の発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の各値を配水ブロックごとにそれぞれ推定する(SP13)。なお、急速漏水の発生頻度は低いため、短期急増漏水パラメータ推定部52は、短期トレンド解析期間内における急増漏水の発生回数を1回と仮定して、その発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の各値をそれぞれ推定する。この処理の詳細については、図10を用いて後に説明する。
続いて、短期トレンド解析部41は、ステップSP13で推定された短期トレンド解析期間内における急増漏水についての発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の各値を短期急増漏水量計算部53に与える。かくして短期急増漏水量計算部53は、これら発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値に基づいて、短期トレンド解析期間内における急増漏水量を配水ブロックごとに日単位で推定すると共に、将来の急増漏水による漏水量を配水ブロックごとに日単位で予測する(SP14)。
さらに短期トレンド解析部41は、ステップSP11で取得した短期トレンド期間内における配水ブロックごとの日単位の需要量(日最低需要量)を短期需要量情報とし、ステップSP12で取得した短期トレンド期間内における配水ブロックごとの日単位のベース漏水量を短期ベース漏水量情報とし、ステップSP14で取得した短期トレンド解析期間内における急増漏水量と将来の急増漏水による漏水量とを短期急増漏水量情報として、これらの情報を短期推定情報記憶部42に格納する(SP15)。
そして短期トレンド解析部41は、この後、この短期トレンド解析処理を終了する。
ここで図10は、かかる短期トレンド解析処理のステップSP13で短期急増漏水パラメータ推定部52により実行される短期急増漏水パラメータ推定処理の具体的な処理内容を示す。
短期急増漏水パラメータ推定部52は、上述のように短期トレンド解析期間分の急増漏水量情報と、短期トレンド解析期間分の計測値情報と、短期トレンド解析期間内における日々の需要量(日最低需要量)の推定値と、短期トレンド解析期間内における日々のベース漏水量の推定値とが与えられると、この短期急増漏水パラメータ推定処理を開始し、まず、これらの情報を受信する(SP20)。
続いて、短期急増漏水パラメータ推定部52は、ステップSP20において受信した急増漏水量情報の中から1組の発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3を選択し、選択したこれら発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値を以降のステップSP22〜ステップSP25で利用するパラメータ値として設定する(SP21)。
次いで、短期急増漏水パラメータ推定部52は、ステップSP20で受信した短期トレンド解析期間内における日々の需要量の推定値及びベース漏水量の推定値と、ステップSP21で設定した発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の各値を用いて計算される短期トレンド解析期間内における日々の急増漏水量とに基づいて、短期トレンド解析期間内における日々の日最低流量の推定値を算出し、算出した日々の日最低流量の推定値と、ステップSP20において受信した実際の日々の日最低流量の計測値(以下、実際の計測値を実計測値と呼ぶ)との誤差Eを計算する(SP22)。
この場合、短期トレンド解析期間内における日最低流量の推定値m_tは、日最低需要量の推定値をd_t、漏水量の推定値をL_tとして、次式
により算出することができる。また短期トレンド解析期間内における漏水量の推定値L_tは、ベース漏水量の推定値をb_t、急増漏水量をs_tとして、次式
により算出することができる。なお急増漏水による漏水量をs_tは(1)式により算出することができる。
さらに日最低流量の推定値m_tと、日最低流量の実計測値との誤差Eは、誤差最小二乗和により求めることができる。具体的には、時刻tにおける日最低流量の実計測値をe_tとして、次式
により誤差Eを求めることができる。
なお、かかる誤差Eを最小二乗法でなく、計測装置14の特性等をより精緻に考慮した推定法を利用して誤差Eを求めるようにしても良い。例えば流量計の最小計測単位が1〔m3/h〕である場合、日最低流量の計測値は1〔m3/h〕周期への丸め誤差が生じる。こうした誤差を考慮するための公知の確率・統計モデルを利用することもできる。
この後、短期急増漏水パラメータ推定部52は、ステップSP22において算出した誤差Eを用いて、急増漏水量情報に基づき認識される過去の急増漏水の事例に対するステップSP21で設定した各パラメータの類似度(以下、これを事例類似度と呼ぶ)Sを計算する(SP23)。本実施の形態の場合、事例類似度Sは、ステップSP21で設定した漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3が事例と近い(類似した)値であるほど大きな値をとるものとする。
ここで図11は、急増漏水量情報に基づき認識される過去の急増漏水の事例がどのような値に多く分散しているかを可視化したものである。図11において、横軸は増加速度パラメータP3の値、縦軸は漏水規模パラメータP2の値を表す。図中の丸点WCは、急増漏水の事例をそれぞれの値に応じてプロットしたものである。また図中の破線L20,L21は、事例類似度の等高線を示す。
短期急増漏水パラメータ推定部52が計算する事例類似度Sは、急増漏水の事例が近くに多数ある漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の組合せで大きな値をとり、事例が近くに少ない漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の組合せで小さな値(「0」に近い正の値)となる。このような事例類似度Sは、例えば二次元正規分布の確率密度関数を用いて計算することができる。平均値ベクトルや共分散行列といたった正規分布のパラメータは、急増漏水の事例を用いて最尤推定により求めることができる。
なお、かかる事例類似度Sは、二次元正規分布の確率密度関数以外でも、例えば急増漏水の事例データよりカーネル密度推定により推定した確率密度関数を用いて計算することもできる。さらに何らかの確率密度関数の対数値を用いて事例類似度Sを計算することもできる。
続いて、短期急増漏水パラメータ推定部52は、ステップSP22で算出した誤差Eと、ステップSP23で算出した事例類似度Sとを総合した指標Iを算出する(SP24)。この指標Iは、誤差Eが小さいほど小さくなり、事例類似度Sが大きいほど小さくなるパラメータであり、例えば次式
のように定義することができる。なお(9)式において、「α」は誤差E及び事例類似度Sの重み付けを定める係数であり、「log」は対数関数を表す。
次いで、短期急増漏水パラメータ推定部52は、ステップSP24において算出した指標Iが近似的に最小化されているか否かを判定する(SP25)。この判定は、例えば最急降下法等の公知の最適化アルゴリズムを利用することにより行うことができる。
そして短期急増漏水パラメータ推定部52は、この判定で否定結果を得るとステップSP21に戻り、この後、ステップSP25において肯定結果を得るまでステップSP21〜ステップSP25の処理を繰り返す。この際、短期急増漏水パラメータ推定部52は、ステップSP21において、例えば最急降下法等の公知の最適化アルゴリズムを用いて、上述の指標Iを最適化するように新たな発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の組を選択する。
ここで、図12は、(9)式のように定義された指標Iと、誤差E及び事例類似度Sとの関係を示す。図12において、横軸は値(例えば漏水規模パラメータP2や増加速度パラメータP3の値)、縦軸は指標Iの値を表す。図中、曲線L30は、(9)式における右辺第1項(誤差E)、曲線L31は、(9)式における右辺第2項(事例類似度Sの対数値のマイナス値)、曲線L32は、誤差E及び事例類似度Sに基づき(9)式により算出される指標Iをそれぞれ表す。
上述のように短期急増漏水パラメータ推定部52は、ステップSP21〜ステップSP25の処理を繰り返すことによって、曲線L30(誤差E)や曲線L31(事例類似度Sの対数値のマイナス値)が最小値をとる値でなく、曲線L32(指標I)を最小とする急増漏水の値V1を推定する。
これは、各計測装置14による計測値そのものの誤差などのために、計測値及び推定値間の誤差E((9)式における右辺第1項)だけを最小化する値では実際の急増漏水による漏水量の変化を正確に再現できない可能性があるからであり、このように過去の事例との類似度(事例類似度S)をも勘案して値の推定を行うことにより、値の推定精度と、急増漏水の予測精度を向上させることができる。
そして短期急増漏水パラメータ推定部52は、やがてステップSP25の判定で肯定結果を得ると、ステップSP21〜ステップSP25の処理により抽出した指標Iを最適化する発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の値を修正する修正処理を実行する(SP26)。
この修正処理は、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の一方又は両方が、その漏水規模パラメータP2又は増加速度パラメータP3について予め設定された閾値よりも小さい場合に漏水規模パラメータP2の値を「0」に変更することにより行われる。これは、漏水規模又は増加速度がある程度小さい場合、将来数日の期間における急増漏水量が無視できる程度に小さいからであり、このような修正処理により無視できる規模の急増漏水を切り捨て、アラート(警報)発報の意味ある急増漏水のみを抽出することができる。
続いて、短期急増漏水パラメータ推定部52は、以上のようにして推定した短期トレンド解析期間における急増漏水についての発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の各値を出力し(SP27)、この後、この短期急増漏水パラメータ推定処理を終了する。
なお上述の短期急増漏水パラメータ推定処理のステップSP26において、短期急増漏水パラメータ推定部52が、上述の修正処理に加えて、推定した急増漏水の誤検知可能性を判定する処理を実行するようにしても良い。
これは、例えば特定の配水ブロックにおいて、プールへの給水を行うために、夏季の朝方に一定規模(流量)で所定時間だけ大規模に水を消費する需要家がいるような場合、この水消費が継続中のときに短期急増漏水パラメータ推定部52がこの水消費を急増漏水と誤検知することがあるからである。
そこで、短期急増漏水パラメータ推定部52が、ステップSP26において、推定した急増漏水の各パラメータをこうした誤検知の事例と類似しているか否かをその事例の季節、時間帯、規模及び又は継続時間などの情報と比較して誤検知の可能性があるか否かを判定する処理を追加することにより、短期急増漏水パラメータ推定処理の信頼性を向上させることができる。
この場合、誤検知の可能性があると短期急増漏水パラメータ推定部52が判定したときには、ステップSP27において短期急増漏水パラメータ推定部52がこの情報を短期推定情報記憶部42に格納し、この情報に基づいて画面表示部43(図3)が誤検知の可能性があることを表示部27に表示させることにより、その旨をシステム管理者に通知するようにしても良い。
図13は、ある配水ブロックについて、短期トレンド解析期間内における日最低流量の計測結果と、短期トレンド解析部41による漏水量(ベース漏水量及び急増漏水量)の推定結果と、短期トレンド解析部41による日最低需要量の推定結果とを表す。
具体的に、図13(A)において点列L40は日最低流量の計測値を示し、図13(B)において、直線L41は、短期トレンド解析部41により推定された短期トレンド分析期間内のベース漏水量、直線L42は、短期トレンド解析部41により推定及び推定された短期トレンド分析期間内及び将来の急増漏水量をそれぞれ示す。また図13(C)において直線K32は、短期トレンド解析部により推定された日最低需要量を示す。
なお図13(A)〜図13(C)において、破線L44は解析時点を表す。従って、図13(A)〜図13(C)において、破線L44よりも左側は過去の短期トレンド解析期間を表し、右側は将来を表している。上述のように短期トレンド解析部41は、解析時点から将来の数日間における漏水量の予測値を算出する。
なお上述の説明では、説明を簡単化するため、短期トレンド解析期間内に漏水修理が行われないと仮定して短期トレンド解析部41が急増漏水の各パラメータの推定を行うようにした場合について述べたが、短期トレンド解析期間内に漏水修理が行われた場合には、長期トレンド解析部36について上述したように、漏水修理による漏水低減量を併せて推定するようにしても良い。
(1−4)漏水急増アラート画面
図14は、画面表示部43(図3)により表示部27に表示される漏水急増アラート画面60の画面構成例を示す。この漏水急増アラート画面60は、短期トレンド解析部41により推定及び予測された急増漏水の推定値及び予測値の少なくとも一方が、予め設定された閾値TH〔m3/h〕よりも大きくなった場合に画面表示部43が表示部27に表示させるシステム管理者への警告画面である。
図14において、曲線L50は、急増漏水量の変化を示し、破線L51は現在時刻、破線L52は急増漏水量が閾値TH〔m3/h〕よりも大きくなると予想される時間(時刻)をそれぞれ表している。
このような漏水急増アラート画面60を表示することにより、システム管理者に急増漏水による漏水量の推移を認識させ、漏水修理などの対処を迅速に行わせることができる。
(1−5)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態の漏水量推定システム10では、漏水をベース漏水及び急増漏に分け、長期トレンド解析期間における急増漏水の事例を抽出し、抽出した長期トレンド解析期間における急増漏水の事例に基づいて短期トレンド期間における急増漏水の発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増水速度パラメータP3の各値を推定し、推定結果に基づいて将来の急増漏水による漏水量を予測するため、将来の急増漏水による漏水量を精度良く予測することができる。
(2)第2の実施の形態
図3との対応部分に同一符号を付して示す図15は、第2の実施の形態による漏水量推定システム70の論理構成を示す。この漏水量推定システム70は、漏水量推定装置71に検針端末インタフェース部32(図3)、水消費量記憶部35(図3)、需要推定情報記憶部37(図3)及び短期需要量計算部50(図3)が設けられておらず、これに伴い長期トレンド解析部72により実行される長期トレンド解析処理の処理内容と、短期トレンド解析部73の短期急増漏水パラメータ推定部74により実行される短期急増漏水パラメータ推定処理の処理内容とが異なる点を除いて第1の実施の形態による漏水量推定システム10(図3)と同様に構成されている。
実際上、本実施の形態による長期トレンド解析部72は、図7について上述した長期トレンド解析処理のステップSP1において、漏水修理履歴記憶部33に格納された漏水修理履歴情報と、計測値記憶部34に格納された計測値情報とを取得する。
また長期トレンド解析部72は、かかる長期トレンド解析処理のステップSP3において、第1の実施の形態と同様にして、ステップSP2において選択した配水ブロックについて、長期トレンド解析期間内における急増漏水の発生回数を仮定(初期値は「0」)し、需要量を含むベース漏水量と漏水低減量とを日単位で推定すると共に、漏水量初期値と、長期トレンド解析期間内に発生した急増漏水ごとの発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の各値とをそれぞれ推定する推定処理を実行する。
さらに長期トレンド解析部72は、かかる長期トレンド解析処理のステップSP6において、直前のステップSP3において推定した、そのとき対象としている配水ブロックにおける需要量を含むベース漏水量と、急増漏水の各パラメータの値と、漏水低減量とをそれぞれ推定値として確定し、確定結果をベース漏水量情報記憶部38、急増漏水量情報記憶部39及び漏水低減量記憶部40に格納する。
具体的に、長期トレンド解析部72は、ステップSP3において推定した長期トレンド解析期間内の需要量を含む日々のベース漏水量及び漏水量初期値をベース漏水量情報としてベース漏水量情報記憶部38に格納する。また長期トレンド解析部72は、ステップSP3において推定した長期トレンド期間における個々の急増漏水の各パラメータ(発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3)の値を急増漏水量情報記憶部39に格納する。さらに長期トレンド解析部72は、ステップSP3において推定した長期トレンド解析期間内の日々の漏水低減量を漏水低減量情報として漏水低減量記憶部40に格納する。
なお本実施の形態の長期トレンド解析部72により実行される長期トレンド解析処理の他の処理内容は、図7について上述した第1の実施の形態による長期トレンド解析処理と同様である。
一方、本実施の形態による短期トレンド解析部73は、図9について上述した第1の実施の形態の短期トレンド解析処理のステップSP11が省略される点と、ステップSP12において短期トレンド解析期間の開始時点における需要量を含むベース漏水量を推定する点と、ステップSP13において短期急増漏水パラメータ推定部74により実行される短期急増漏水パラメータ推定処理の処理内容が異なる点とを除いて第1の実施の形態の短期トレンド解析処理と同様の短期トレンド解析処理を実行する。
この場合、短期トレンド解析部73の短期急増漏水パラメータ推定部74は、図10について上述した短期急増漏水パラメータ推定処理のステップSP22において、短期トレンド解析期間内のかかる需要量を含む日々のベース漏水量と、短期トレンド解析期間分の急増漏水量情報と、短期トレンド解析期間分の計測値情報とに基づいて短期トレンド解析期間内における日々の日最低流量の推定値を算出し、算出した日々の日最低流量の推定値と、実際の日々の日最低流量の実計測値との誤差Eを計算する。
なお本実施の形態の短期トレンド解析部73により実行される短期トレンド解析処理の他の処理内容は、図7について上述した第1の実施の形態による短期トレンド解析処理と同様である。
以上のような本実施の形態の漏水量推定システム70によれば、水消費量に関する情報(水消費量情報)を利用することなく過去及び将来の急増漏水の漏水量を推定及び予測することができる。従って、本実施の形態の漏水量推定システム70によれば、第1の実施の形態の漏水量推定システム10により得られる効果に加えて、水消費量記憶部35(図3)及び需要推定情報記憶部37(図3)のための記憶領域を不要とすることができ、さらに短期トレンド解析部41(図3)の短期需要量計算部50(図3)の処理を省略できる分、漏水量推定装置71の負荷を低減できるという効果をも得ることができる。
(3)第3の実施の形態
図3において、80は第3の実施の形態による漏水量推定システムを示す。この漏水量推定システム80は、漏水量推定装置81の長期トレンド解析部82及び短期トレンド解析部83が利用する計測値が日最低流量及び日総流量の計測値ではなく、日最低流量と、例えば1時間ごとの流量の平均値を表す時間流量とである点(つまり日総流量に代えて時間流量を利用する点)を除いて第1の実施の形態による漏水量推定システム10と同様に構成されている。
実際上、本実施の形態の漏水量推定システム80の場合、漏水量推定装置81の計測装置インタフェース部84(図3)は、上述した計測値に対する加工処理として、1日で最も小さい計測値のみを抽出した上述の日最低流量と、1時間ごとの流量の平均値である時間流量とをそれぞれ算出し、算出したこれら日最低流量及び時間流量を計測値記憶部34に格納する。
また長期トレンド解析部82は、図7について上述した長期トレンド解析処理のステップSP3において、日総流量の計測値及び推定値の比較に代えて、時間流量の計測値及び推定値を比較するようにして、1時間ごとの需要量の平均値である平均時間需要量を推定する。なお平均時間需要量は、上述の(4)式において、M_tを時間流量の推定値とすることで計算することができる(つまり日総需要量と同じ計算式で計算できる)。
なお平均時間需要量は、通常、夜間に少なく朝夕などに多い。またその変化の大部分は1日周期や1週間周期の周期性を有する。つまり、同じ曜日及び同じ時間の平均時間需要量は、ほぼ等しい。本実施の形態の長期トレンド解析部82は、このような平均時間需要量の性質を利用して、例えば平日、同曜日及び日曜日の1時間ごとの平均時間需要量をそれぞれ推定する。なお長期トレンド解析部82が、季節的な変動や、天候等の外部情報を利用して平均時間需要量を推定するようにしても良い。
図16は、ある配水ブロックについて、短期トレンド解析期間内における時間流量の計測結果と、本実施の形態の短期トレンド解析部83によるベース漏水及び急増漏水の推定結果と、短期トレンド解析部83による平均時間需要量の推定結果とを示す。
具体的に、図16(A)において、点列L60は時間流量の計測値を表す。また図16(B)において、直線L61は短期トレンド解析部83により推定されたベース漏水量、曲線L62は短期トレンド解析部83により推定された急増漏水量をそれぞれ表す。また図16(C)において、曲線L63は短期トレンド解析部83により推定された平均時間需要量を表す。なお図16(A)〜図16(C)において、破線L64は、短期トレンド解析期間の終わり(つまり解析時点)を表す。従って、図16(A)〜図16(C)では、破線L64の左側が過去を示し、右側が将来を表している。
本実施の形態の短期トレンド解析部83では、図9について上述した短期トレンド解析処理のステップSP11において、短期需要量計算部85(図3)が、日最低需要量と、平均時間需要量とをそれぞれ計算する。このような平均時間需要量の計算は、任意の公知の技術を利用することができる。またこの計算に際して、短期需要量計算部85が、長期トレンド解析部82と同様に、天候等の外部情報を用いて精緻な計算を行うようにしても良い。
また本実施の形態の短期トレンド解析部83では、かかる短期トレンド解析処理のステップSP13において、急増漏水パラメータ推定部86(図3)が、ステップSP11で計算した平均時間需要量を利用して、短期トレンド解析期間に発生した急増漏水の各パラメータ(発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3)の値をそれぞれ推定する。このような推定の手法は、図10について上述した第1の実施の形態による急増漏水パラメータ推定処理において、日総流量に代えて時間流量を利用する点を除いてすべて同様であるので、その詳細の説明は省略する。
以上のような本実施の形態の漏水量推定システム80によれば、日最低流量に加えて時間流量を利用して過去及び将来の急増漏水の漏水量を推定及び予測するため、第1の実施の形態の漏水量推定システム10により得られる効果に加えて、急増漏水の発生をより早期に検知できるという効果を得ることができる。
(4)第4の実施の形態
図3において、90は第4の実施の形態による漏水量推定システムを示す。この漏水量推定システム90は、漏水量推定装置91の短期トレンド解析部92が、急増漏水の変化を1つの推定値でなく、当該急増漏水が取り得る区間(範囲)として算出する点を除いて第1の実施の形態による漏水量推定システム10と同様に構成されている。
図17は、ある配水ブロックについて、短期トレンド解析期間内における日最低流量の計測結果と、本実施の形態による短期トレンド解析部92による漏水量(ベース漏水量及び急増漏水による漏水量)の推定結果と、当該短期トレンド解析部92による日最低需要量の推定結果とを示す。
具体的に、図17(A)において、点列L70は日最低流量の計測値を表す。また図17(B)において、直線L71は、短期トレンド解析部92により推定されたベース漏水量、曲線L72,L73は、それぞれ短期トレンド解析部92により推定及び予測された急増漏水量をそれぞれ表す。さらに図17(C)において、直線L74は、短期トレンド解析部92により推定された日最低需要量を表す。なお図17(A)〜図17(C)において、破線L75は、短期トレンド解析期間の終わり(つまり解析時点)を表す。
図17と図13との違いは、図13では急増漏水の変化を1つの推定値及び予測値として推定及び予測しているのに対して、図17では急増漏水の変化を2つの推定値又は予測値に挟まれる区間(曲線L72及び曲線L73により挟まれる区間)として推定及び予測している点である。
このように急増漏水の変化を区間として推定する手段として、本実施の形態による短期トレンド解析部92の短期急増漏水パラメータ推定部93(図3)は、図10について上述した短期急増漏水パラメータ推定処理のステップSP21〜ステップSP25において、(9)式により定義された指標Iを最小化する急増漏水の発生日時パラメータP1、漏水規模パラメータP2及び増加速度パラメータP3の組ではなく、図18に示すように、指標Iがその最小値から所定の値又は所定の割合だけ大きい値をとるような急増漏水の値の範囲Rを求める。
また短期トレンド解析部92の短期急増漏水量計算部94(図3)は、上述のように短期急増漏水パラメータ推定部93により求められた急増漏水の値の範囲Rに含まれる急増漏水の値ごとに急増漏水による漏水量をそれぞれ計算し、当該漏水量の最大値及び最小値を短期推定情報記憶部42(図3)に格納する。
そして画面表示部43(図3)は、短期推定情報記憶部42に格納された急増漏水による漏水量の最大値及び最小値に基づいて、図14について上述した漏水急増アラート画面60において、急増漏水の漏水量の推定結果として、図17(B)と同様に、当該漏水量の最大値及び最小値をそれぞれ表す曲線を表示する。
以上のような本実施の形態の漏水量推定システム90によれば、システム管理者が漏水急増アラート画面60に基づいて将来の急増漏水の漏水量を範囲として認識できるため、第1の実施の形態の漏水量推定システム10により得られる効果に加えて、急増漏水に対するより適切な対処を行うことができるという効果を得ることができる。
(5)他の実施の形態
なお上述の第1〜第4の実施の形態においては、長期トレンド解析部36,72,82及び短期トレンド解析部41,73,83,92をソフトウェア構成とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら長期トレンド解析部36,72,82及び短期トレンド解析部41,73,83,92の機能の一部又は全部をハードウェア構成とするようにしても良い。
また上述の第1〜第4の実施の形態においては、長期トレンド解析期間を1年とし、短期トレンド解析期間を1ヶ月とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら長期トレンド解析期間及び短期トレンド解析期間としてこれ以外の期間を適用するようにしても良い。
さらに上述の第1〜第4の実施の形態においては、長期トレンド解析部36,72,82が2ヶ月周期で長期トレンド解析処理を実行し、短期トレンド解析部41,73,83,92が1日又は1時間周期で短期トレンド解析処理を実行するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、長期トレンド解析部36,72,82や短期トレンド解析部41,73,83,92がこれ以外の周期で長期トレンド解析処理及び短期トレンド解析処理を実行するようにしても良い。
本発明は、配水管網等を監視する監視システムに適用することができる。
10,70,80,90……漏水量推定システム、11,71,81,91……漏水量推定装置、13……調査端末、14……計測装置、15……検針端末、21……CPU、27……表示部、33……漏水修理履歴記憶部、34……計測値記憶部、35……水消費量記憶部、36,72,82……長期トレンド解析部、37……需要推定情報記憶部、38……ベース漏水量情報記憶部、39……急増漏水量情報記憶部、41,73,83,92……短期トレンド解析部、42……短期推定情報記憶部、43……画面表示部、50,85……短期需要量計算部、51……短期ベース漏水量計算部、52,74,86,93……短期急増漏水パラメータ推定部、53,94……短期急増漏水量計算部、60……漏水急増アラート画面、P1……発生日時パラメータ、P2……漏水規模パラメータ、P3……増加速度パラメータ。

Claims (15)

  1. 配水管網における漏水量を推定する漏水量推定装置において、
    前記配水管網に設置された流量計による流量の計測値と、前記配水管網に対して行われた漏水修理に関する情報である漏水修理履歴情報とに基づいて、過去の第1の解析期間における急増漏水の事例を抽出する長期トレンド解析部と、
    前記長期トレンド解析部により抽出された前記第1の解析期間における前記急増漏水の事例に基づいて、将来の急増漏水の漏水量を予測する短期トレンド解析部と
    を備え、
    前記長期トレンド解析部は、
    前記急増漏水の事例の抽出として、前記第1の解析期間内に発生した前記急増漏水ごとに当該急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値をそれぞれ推定し、
    前記短期トレンド解析部は、
    前記長期トレンド解析部により推定された前記第1の解析期間内における個々の前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値に基づいて、前記第1の解析期間よりも短い過去の直近の第2の解析期間における前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値をそれぞれ推定し、推定結果に基づいて将来の前記急増漏水の漏水量を予測する
    ことを特徴とする漏水量推定装置。
  2. 前記急増漏水の状態を表す前記パラメータは、
    当該急増漏水の発生日時を表す発生日時パラメータと、当該急増漏水の漏水規模を表す漏水規模パラメータと、当該急増漏水における漏水量の増加速度を表す増加速度パラメータとである
    ことを特徴とする請求項1に記載の漏水量推定装置。
  3. 前記長期トレンド解析部は、
    前記配水管網に設置された流量計による流量の計測値と、前記配水管網に対して行われた漏水修理に関する情報である漏水修理履歴情報と、前記第1の解析期間における水道利用者ごとの水消費量とに基づいて、前記第1の解析期間における需要量及び急増漏水以外の漏水量を推定し、
    前記短期トレンド解析部は、
    前記長期トレンド解析部により推定された前記需要量及び前記急増漏水以外の漏水量に基づいて、前記第2の解析期間における前記需要量及び前記急増漏水以外の漏水量を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の漏水量推定装置。
  4. 情報を表示する表示部と、
    前記短期トレンド解析部の解析結果を前記表示部に表示させる画面表示部と
    をさらに備え、
    前記画面表示部は、
    前記短期トレンド解析部により推定又は予測された前記第2の解析期間における前記急増漏水の漏水量又は将来の前記急増漏水の漏水量が予め設定された閾値よりも大きい場合に、所定の警告画面を前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の漏水量推定装置。
  5. 前記長期トレンド解析部は、
    シグモイド関数を利用して前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値をそれぞれ推定し、
    前記短期トレンド解析部は、
    シグモイド関数を利用して将来の前記急増漏水の漏水量を予測する
    ことを特徴とする請求項1に漏水量推定装置。
  6. 前記長期トレンド解析部は、
    前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値と、前記第1の解析期間内に発生した前記急増漏水の発生回数とを、前記流量計による流量の計測値と、当該計測値の推定値との誤差を含む指標に基づいて推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の漏水量推定装置。
  7. 前記短期トレンド解析部は、
    推定した前記解析時点における前記急増漏水の前記漏水規模パラメータ及び前記増加速度パラメータの少なくとも一方が、前記漏水規模パラメータ又は前記増加速度パラメータについて予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記漏水規模パラメータの値を零に修正する
    ことを特徴とする請求項2に記載の漏水量推定装置。
  8. 前記長期トレンド解析部は、
    1日内の最も小さい前記計測値である日最低流量と、1日の総流量である日総流量とに基づいて、1日の最低の需要量である日最低需要量と、1日の総需要量である日総需要量とを前記需要量として推定すると共に、前記第1の解析期間における個々の前記急増漏水の各前記パラメータの値を推定し、
    前記短期トレンド解析部は、
    前記長期トレンド解析部により推定された前記日最低需要量及び前記日総需要量と、前記急増漏水の各前記パラメータの値とに基づいて、将来の前記急増漏水の漏水量を予測する
    ことを特徴とする請求項3に記載の漏水量推定装置。
  9. 前記長期トレンド解析部は、
    日々の最も小さい前記計測値である日最低流量に基づいて前記急増漏水の各前記パラメータの値を推定し、
    前記短期トレンド解析部は、
    前記日最低流量に基づいて将来の前記急増漏水の漏水量を予測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の漏水量推定装置。
  10. 前記長期トレンド解析部は、
    1日内の最も小さい前記計測値である日最低流量と、前記計測値に基づき算出された1時間ごとの流量の平均値を表す時間流量とに基づいて、1日の最低の需要量である日最低需要量と、1時間ごとの需要量の平均値である平均時間需要量とを前記需要量として推定すると共に、前記第1の解析期間における個々の前記急増漏水の各前記パラメータの値を推定し、
    前記短期トレンド解析部は、
    前記長期トレンド解析部により推定された前記日最低需要量及び前記平均時間需要量と、前記急増漏水の各前記パラメータの値とに基づいて、将来の前記急増漏水の漏水量を予測する
    ことを特徴とする請求項3に記載の漏水量推定装置。
  11. 前記短期トレンド解析部は、
    将来の前記急増漏水の漏水量を範囲として予測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の漏水量推定装置。
  12. 配水管網における漏水量を推定する漏水量推定方法において、
    前記配水管網に設置された流量計による流量の計測値と、前記配水管網に対して行われた漏水修理に関する情報である漏水修理履歴情報とに基づいて、過去の第1の解析期間における急増漏水の事例を抽出する第1のステップと、
    抽出した前記第1の解析期間における前記急増漏水の事例に基づいて、将来の急増漏水の漏水量を予測する第2のステップと
    を備え、
    前記第1のステップでは、
    前記急増漏水の事例の抽出として、前記第1の解析期間内に発生した前記急増漏水ごとに当該急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値をそれぞれ推定し、
    前記第2のステップでは、
    前記長期トレンド解析部により推定された前記第1の解析期間内における個々の前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値に基づいて、前記第1の解析期間よりも短い過去の直近の第2の解析期間における前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値をそれぞれ推定し、推定結果に基づいて将来の前記急増漏水の漏水量を予測する
    ことを特徴とする漏水量推定方法。
  13. 前記急増漏水の状態を表す前記パラメータは、
    当該急増漏水の発生日時を表す発生日時パラメータと、当該急増漏水の漏水規模を表す漏水規模パラメータと、当該急増漏水における漏水量の増加速度を表す増加速度パラメータとである
    ことを特徴とする請求項12に記載の漏水量推定方法。
  14. 配水管網における漏水量を推定する漏水量推定システムにおいて、
    前記配水管網に設置された流量計と、
    前記流量計により計測された流量の計測値と、前記配水管網に対して行われた漏水修理に関する情報である漏水修理履歴情報とに基づいて前記配水管網における漏水量を推定する漏水量推定装置と
    を有し、
    前記漏水量推定装置は、
    前記計測値及び前記漏水修理履歴情報に基づいて、過去の第1の解析期間における急増漏水の事例を抽出する長期トレンド解析部と、
    前記長期トレンド解析部により抽出された前記第1の解析期間における前記急増漏水の事例に基づいて、将来の急増漏水の漏水量を予測する短期トレンド解析部と
    を備え、
    前記長期トレンド解析部は、
    前記急増漏水の事例の抽出として、前記第1の解析期間内に発生した前記急増漏水ごとに当該急増漏水の状態を表す複数のパラメータの値をそれぞれ推定し、
    前記短期トレンド解析部は、
    前記長期トレンド解析部により推定された前記第1の解析期間内における個々の前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値に基づいて、前記第1の解析期間よりも短い過去の直近の第2の解析期間における前記急増漏水の状態を表す各前記パラメータの値をそれぞれ推定し、推定結果に基づいて将来の前記急増漏水の漏水量を予測する
    ことを特徴とする漏水量推定システム。
  15. 前記急増漏水の状態を表す前記パラメータは、
    当該急増漏水の発生日時を表す発生日時パラメータと、当該急増漏水の漏水規模を表す漏水規模パラメータと、当該急増漏水における漏水量の増加速度を表す増加速度パラメータとである
    ことを特徴とする請求項14に記載の漏水量推定システム。
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