JP2015122905A - Brake motor and hoist - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ブレーキモータ、および当該ブレーキモータを使用した巻上機に関する。 The present invention relates to a brake motor and a hoisting machine using the brake motor.
プルロータ式のブレーキを備えたブレーキモータは、互いに対向するプルロータの可動コア側の端面と、可動コアのプルロータ側の端面との距離がほぼ一定に構成される構造とされている(たとえば、特許文献1参照)。このようなブレーキモータでは、モータステータのコイルに電流を通電しないときには、ブレーキばねによってブレーキユニットを押動させてモータロータの回転を制動する。また、このブレーキモータは、モータステータのコイルに通電すると、モータステータに発生する磁束とプルロータの作用によってブレーキユニットの可動コアがプルロータに吸引されてブレーキが解放されると同時にモータ軸が回転可能となり、モータロータの制動が解除されてモータロータが回転するように構成されている。 A brake motor provided with a pull rotor type brake has a structure in which the distance between the end surface of the pull rotor facing each other on the movable core side and the end surface of the movable core on the pull rotor side is configured to be substantially constant (for example, Patent Documents). 1). In such a brake motor, when no current is supplied to the coil of the motor stator, the brake unit is pushed by the brake spring to brake the rotation of the motor rotor. Also, in this brake motor, when the coil of the motor stator is energized, the movable shaft of the brake unit is attracted to the pull rotor by the magnetic flux generated in the motor stator and the action of the pull rotor, so that the brake can be released and the motor shaft can rotate at the same time. The braking of the motor rotor is released, and the motor rotor is configured to rotate.
特許文献1のようなブレーキモータでは、モータステータのコイルに電流を通電するだけでブレーキを解放し、ブレーキモータを運転することできる。しかし、プルロータが可動コアを吸引する電磁力(磁気吸引力)は、可動コアとプルロータとのギャップ(空隙)の二乗に反比例することから、電磁力の大きさはこのギャップの大きさに影響される。可動コアをプルロータが磁気吸引するとき、可動コアとプルロータとのギャップが小さくなるに従い、電磁力(吸引力)が大きくなり、吸着される瞬間には大きな電磁力が発生し、プルロータに衝撃力を与えることになる。この衝撃力によって、大きな衝撃音が発生したり、プルロータが変形してしまうことがある。 In a brake motor like patent document 1, a brake is released only by supplying an electric current to the coil of a motor stator, and a brake motor can be operated. However, since the electromagnetic force (magnetic attractive force) that the pull rotor attracts the movable core is inversely proportional to the square of the gap (gap) between the movable core and the pull rotor, the magnitude of the electromagnetic force is affected by the size of the gap. The When the pull rotor magnetically attracts the movable core, the electromagnetic force (suction force) increases as the gap between the movable core and the pull rotor decreases, and a large electromagnetic force is generated at the moment of being attracted. Will give. This impact force may generate a large impact sound or the pull rotor may be deformed.
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プルロータが可動コアを吸着したときの衝撃を弱め、耐久性を高めることが可能なブレーキモータを提供しようとするものである。 The present invention has been made in view of such a problem, and an object of the present invention is to provide a brake motor capable of reducing the impact when the pull rotor adsorbs the movable core and increasing the durability. Is.
上記課題を解決するために、本発明は、モータステータと、モータステータの円筒中空部内に回転自在に配置されるモータロータと、円周方向に配置される複数の磁性体片と、磁性体片を保持する非磁性体製の保持部材とを有し、円筒中空部内に配置されるプルロータと、モータ軸と、プルロータに対し軸方向に対向すると共に、モータ軸の軸方向に移動可能に取り付けられる磁性体製の可動コアを有するブレーキユニット、を有するブレーキモータであって、可動コアの外周側には、可動コアのコア端面よりも円筒中空部内に入り込むように突出するコア凸部が設けられ、磁性体片の内周側には、磁性体片のロータ端面よりもコア端面に向かって突出する磁性凸部が設けられており、モータステータのコイルへの非通電状態では、第1のギャップと第2のギャップと第3のギャップとが存在しており、第1のギャップは、モータ軸の軸方向における磁性凸部とコア端面との間に存在していて、第2のギャップは、モータ軸の軸方向におけるコア凸部とロータ端面との間に存在していて、第3のギャップは、軸方向とは直交するラジアル方向におけるコア凸部と磁性凸部との間に存在している、こととする。 In order to solve the above-described problems, the present invention provides a motor stator, a motor rotor that is rotatably disposed in a cylindrical hollow portion of the motor stator, a plurality of magnetic body pieces that are circumferentially disposed, and a magnetic body piece. A holding member made of a non-magnetic material to hold, a pull rotor disposed in the hollow cylindrical portion, a motor shaft, and a magnet that is axially opposed to the pull rotor and is movably mounted in the axial direction of the motor shaft A brake motor having a body-made movable core, wherein a core convex portion is provided on the outer peripheral side of the movable core so as to protrude from the core end surface of the movable core so as to enter the hollow cylindrical portion. On the inner peripheral side of the body piece, a magnetic convex portion is provided that protrudes from the rotor end face of the magnetic piece toward the core end face. When the motor stator coil is not energized, the first gear is provided. , The second gap, and the third gap, and the first gap exists between the magnetic convex portion and the core end surface in the axial direction of the motor shaft, and the second gap Is present between the core convex portion and the rotor end surface in the axial direction of the motor shaft, and the third gap is present between the core convex portion and the magnetic convex portion in the radial direction orthogonal to the axial direction. I am doing it.
また、上記発明に加えて、第1のギャップをG1とし、第2のギャップをG2とし、第3のギャップをG3としたとき、G3<G1<G2の関係を満たす、ことが好ましい。 In addition to the above invention, when the first gap is G1, the second gap is G2, and the third gap is G3, it is preferable that the relationship G3 <G1 <G2 is satisfied.
また、上記発明に加えて、磁性凸部のうちコア端面との接触面は、 プルロータが可動コアを磁気吸着したときに磁気飽和状態となる有効断面積を備える、ことが好ましい。 In addition to the above invention, it is preferable that the contact surface with the core end surface of the magnetic convex portion has an effective cross-sectional area that becomes magnetically saturated when the pull rotor magnetically attracts the movable core.
また、上記発明に加えて、磁性体片には、磁束の流れを磁性凸部 に導く斜面が形成されている、ことが好ましい。 In addition to the above invention, it is preferable that the magnetic piece is provided with a slope for guiding the flow of magnetic flux to the magnetic projection.
また、本発明の巻上機は、上記記載のブレーキモータを使用している、こととする。 The hoisting machine of the present invention uses the brake motor described above.
本発明によると、プルロータが可動コアを吸着したときの衝撃を低減し、プルロータの耐久性を高めたブレーキモータを提供することが可能となる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, it becomes possible to provide the brake motor which reduced the impact when a pull rotor adsorb | sucks a movable core, and improved durability of the pull rotor.
以下、本発明の実施の形態に係るブレーキモータ1について、図面を参照しながら説明する。 Hereinafter, a brake motor 1 according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
(ブレーキモータ1の構成)
図1(A)は、本発明の実施の形態に係るブレーキモータ1の全体構成を示す断面図であり、図1(B)は、磁性体片と可動コアとの対向面構造の詳細を拡大して示す部分断面図である。なお、以下で説明するブレーキモータ1は、ブレーキ付の三相交流誘導モータである。図1(A)に示すように、ブレーキモータ1は、円筒形状のモータステータ2と、モータステータ2の円筒中空部2a内に回転自在に配置された円柱状のモータロータ3と、円柱状のプルロータ4と、モータロータ3およびプルロータ4の中心を貫通するモータ軸5を備えている。プルロータ4を挟んでモータロータ3に対して反対側には、ブレーキユニット6が配置されている。プルロータ4とブレーキユニット6は、モータ軸5に形成された軸方向に伸びるスプライン5aとのスプライン結合によって円周方向に関し固定されている。モータロータ3の回転は、モータ軸5を介してプルロータ4とブレーキユニット6に伝達される。なお、ブレーキユニット6は、モータ軸5の軸方向に移動可能となっている。
(Configuration of brake motor 1)
FIG. 1A is a cross-sectional view showing the overall configuration of a brake motor 1 according to an embodiment of the present invention, and FIG. 1B is an enlarged view of the details of the opposing surface structure between a magnetic piece and a movable core. It is a fragmentary sectional view shown. The brake motor 1 described below is a three-phase AC induction motor with a brake. As shown in FIG. 1A, a brake motor 1 includes a
モータステータ2には、コイル2bが巻回されている。モータステータ2は、モータフレーム7の内筒部に固定されている。モータフレーム7は、モータステータ2、モータロータ3、プルロータ4、およびブレーキユニット6を収容した状態で、蓋状のブレーキブロック8と協働して内部空間を封止している。ブレーキブロック8の内周面は、ブレーキ制動面8aとなる。
A
モータ軸5の両先端部の各々は、モータフレーム7に配置された軸受9aと、ブレーキブロック8に配置された軸受9bとで回転可能に支持されている。図1では軸受としてのボールベアリングを例示している。モータ軸5は、中心軸Pを回転中心として回転する。その結果、モータロータ3、プルロータ4、およびブレーキユニット6は同様に、中心軸Pを回転中心として回転可能となっている。
Both ends of the
プルロータ4は、周方向に等間隔で配置される複数の磁性体片としての鉄片10と、鉄片10を保持する全体として略円筒形状の保持部材11と、保持部材11を保持するプルロータ芯部材12とで構成されている。ここでいう磁性体は、いわゆる強磁性体であって、鉄、またはコバルト、ニッケルなどの金属を含む合金等である。本実施の形態の磁性体片は、鉄を材料とする鉄片10を用いている。保持部材11は、鉄片10を中心軸Pから放射状に保持するものであり、鉄片10に加わる衝撃およびモータの発熱に耐えうるアルミニウムなどの非磁性の軽金属材料を用いる。プルロータ芯部材12の内筒部には軸方向に伸びるスプライン12aが形成されており、スプライン12aとモータ軸5に形成されたスプライン5aとを嵌合させることで、プルロータ4は、モータ軸5と一体となって回転可能となっている。プルロータ芯部材12のX1方向端部には、鍔12bが設けられており、鉄片10が受けるX1方向の衝撃を吸収可能となっている。プルロータ芯部材12の材質は特に限定されないが、機械的強度が高いものを用いることが好ましく、本実施の形態では鉄芯である。また、プルロータ芯部材12は、保持部材11と一体に形成したものとしてもよい。なお、プルロータ4の詳細な構成については、図2および図3を参照して詳しく説明する。
The
プルロータ4は、モータ軸5に取り付けられたリング状の支持部材14と、モータ軸5の段部に配置された皿ばね15によって挟まれ、皿ばね15によって支持部材14に押圧されている。このような構成によって、プルロータ4は、軸方向には容易に移動できないようになっている。皿ばね15は、ブレーキユニット6を磁気吸着したときにプルロータ4に加わる衝撃を緩和する機能も備える。すなわち、強い衝撃が加わった場合、皿ばね15がたわみ、プルロータ4は、図1で右方向にわずかに移動し、衝撃を緩和する。
The
ブレーキユニット6は、磁性体である鉄系材料で形成された略円柱状の可動コア16と、可動コア16のブレーキブロック8側の先端部に固定されたブレーキドラム17を有して構成されている。可動コア16の内周面には軸方向に伸びるスプライン16aが形成されており、スプライン16aとモータ軸5のスプライン5aとを嵌合させることで、ブレーキユニット6はモータ軸5と一体となって回転可能であり、かつ軸方向に移動可能となっている。ブレーキドラム17は、略椀形状をしており、ブレーキブロック8側の外周縁にはコーン形状のリング状のブレーキライニング18が固定されている。図1(A)は、ブレーキライニング18が、ブレーキドラム8のブレーキ制動面8aに押圧された状態(つまり、ブレーキ制動の状態)を表している。
The brake unit 6 includes a substantially cylindrical
可動コア16のプルロータ4側の端面にはブレーキドラム17側に向かって掘り込まれた円環状の溝16bが形成されている。そして、その溝16b内にブレーキばね19が配設されている。ブレーキばね19は、一方の端部がプルロータ4の可動コア16側端面に当接し、他方の端部は、溝16bの底面に当接して、ブレーキユニット6をブレーキブロック8側に押圧している。可動コア16のプルロータ4側の外周側端部は、モータステータ2の内筒中空部2a内に入り込んでいる。
An
図1(B)に示すように、可動コア16のプルロータ4側の外周側には、モータステータ2の円筒中空部2a内に入り込むようにプルロータ4に向かって突出するコア凸部16cが設けられている。そして、円筒中空部2aと可動コア16の間には、可動コア16が回転中にモータステータ2に接触しない程度の最小限のラジアル方向のギャップが設けられている。そして、コア凸部16cの内周側には、コア凸部16cよりも鉄片10から離れ、鉄片10の磁性凸部10bに対向するコア端面16dが設けられている。一方、鉄片10には、外周側のロータ端面10aと、可動コア16のコア凸部16cよりも内周側の端面に向かって突設された磁性凸部10bと、が設けられている。図1に示したプルロータ端面4aは、鉄片10のロータ端面10aと同じ平面内にあり、凸部4bの端面は、鉄片10の磁性凸部10bの端面と同じ平面内にある場合を例示している。
As shown in FIG. 1 (B), on the outer peripheral side of the
図1(B)に示すように、ブレーキ制動時では、鉄片10の磁性凸部10bの端面と、鉄片10の磁性凸部10bに対向する可動コア16のコア端面16dの間には軸方向の第1のギャップ(空隙)G1が設けられている。また、可動コア16のコア凸部16cの端面と、可動コア16のコア凸部16cに対向する鉄片10のロータ端面10aとのとの間には軸方向のギャップG2が設けられている。ギャップG1およびギャップG2の大きさは、G1<G2の関係にある。つまり、プルロータ4が可動コア16を磁気吸着して、G1=0となっても、ロータ端面10aとコア凸部16cの端面の間には(G2−G1>0)のギャップが存在する。そして、近接する(隣り合う)鉄片10の磁性凸部10bと可動コア16のコア凸部16cとは、相互に軸方向に交差し、軸方向に直角なラジアル方向にギャップG3が設けられている。ギャップG3の大きさは、ギャップG1よりも小さくなるように設定される。
As shown in FIG. 1B, during braking, an axial direction is provided between the end surface of the magnetic
(プルロータ4の構成)
図2は、ブレーキモータ1を構成するプルロータ4を示す断面斜視図である。なお、図2は、プルロータ4の中心軸Pを通り、中心軸Pに直角な平面で切断した断面斜視図を表し、モータロータ3側方向をX1とし、ブレーキユニット6側方向をX2とし説明する。プルロータ4の構成については図2を参照し、鉄片10の固定構造については図3を参照しながら、それぞれ説明する。
(Configuration of pull rotor 4)
FIG. 2 is a cross-sectional perspective view showing the
図2に示すように、プルロータ4は、周方向に等間隔で配置された複数の鉄片10と、鉄片10を保持する保持部材11と、保持部材11を保持する円筒形状のプルロータ芯部材12を有して構成されている。鉄片10は、保持部材11に埋め込まれるようにして固定されている。鉄片10の外周面20は、保持部材11の外周面11aと同じ円周面内で露出されている。なお、外周面20を外周面11aよりも突出させてもよく、またその逆でもよい。モータステータ2の円筒中空部2a(図1参照)と、外周面20(外周面11a)との間には、プルロータ4が回転中にモータステータ2に接触しない程度の最小限のギャップが設けられている。プルロータ4は、プルロータ芯部材12の外周に保持部材11を介して複数の鉄片10を等間隔で配置し、これらの部品を鋳造法にて一体的に形成して、その後、所望の形状に切削成形されている。なお、プルロータ芯部材12の筒内面には不図示のスプライン12a(図1参照)が形成されている。
As shown in FIG. 2, the
鉄片10は、保持部材11のX1方向端面11bからX2方向端面11cを貫通している。鉄片10のX1方向端面21は、保持部材11のX1方向端面11bおよびプルロータ芯部材12のX1方向端面12cと同じ平面内にある。鉄片10のX2方向端面には、ロータ端面10aに対してX2方向に突出された磁性凸部10bが形成されている。磁性凸部10bの端面23は、表面に露出している。そして、磁性凸部10bの形成範囲において、プルロータ4の軸方向(X1‐X2軸方向)に対して直角方向の断面積は、鉄片10の他の部分の直角方向の断面積よりも縮小されている。この断面積縮小部分は、鉄片10が可動コア6を磁気吸着したときに磁気飽和状態となる有効断面積に設定される。本実施の形態では、磁性凸部10bの可動コア16との接触面となる端面23が最小有効断面積となる。鉄片10の磁性凸部10bの端面23と保持部材11のX2方向端面11cとプルロータ芯部材12のX2方向端面12dは、同じ平面内にある。
The
図2に示すように、鉄片10には、磁性凸部10bからX1方向端面21に向かい、X1方向端面21側が薄くなる斜面24が形成されている。この斜面24は、モータステータ2からの磁束の流れを鉄片10の磁性凸部10bに有効に導くことを可能にする。
As shown in FIG. 2, the
図3は、プルロータ4を図2のX2方向から見た部分正面図である。図3に示すように、複数の鉄片10は、周方向に等間隔(等ピッチ)で中心軸Pから放射状に保持部材11にインサートされている。鉄片10には、保持部材11に食い込むような段部10eが形成されている。一方、保持部材11には、鉄片10の段部10eが食い込むような段部26が形成されている。鉄片10の段部10eと保持部材11の段部26とで、鉄片10がラジアル方向へ抜けてしまうことを防止している。
3 is a partial front view of the
(ブレーキ制動動作)
続いて、ブレーキ制動動作について図1を参照して説明する。既述したように、図1は、ブレーキ制動状態を表している。モータロータ3の回転動作中にモータステータ2への通電を遮断(非通電の状態)すると、モータステータ2には回転磁界は発生せず、鉄片10にも電磁力(電磁吸引力)は発生しない。つまり、プルロータ4に磁気吸引力が発生しないので、ブレーキユニット6は、ブレーキばね19の弾性力によってブレーキブロック8方向に押動される。そして、ブレーキライニング18がブレーキブロック8のブレーキ制動面8aを押圧し、ブレーキユニット6の回転が停止する。ブレーキユニット6とプルロータ4は、モータ軸5にスプライン結合されていることから、モータ軸5に固定されているモータロータ3が同時に回転を停止する。
(Brake braking operation)
Next, the brake braking operation will be described with reference to FIG. As described above, FIG. 1 shows the brake braking state. When energization to the
モータロータ3が制動されている状態で、モータステータ2に通電すると、モータロータ3は、モータステータ2に発生する回転磁界によって回転力が与えられると同時に、プルロータ4の鉄片10には電磁力(磁気吸引力)が発生して、可動コア16をブレーキばね19の弾性力に抗した電磁力で吸引する。すると、ブレーキユニット6は、ギャップG1の範囲でプルロータ4側に移動し、ブレーキライニング18がブレーキ制動面8aから離れ、ブレーキ制動が解除される。そして、モータロータ3とプルロータ4は共に回転を開始する。なお、ブレーキユニット6は、モータ軸5にスプライン結合されているので、モータロータ3およびプルロータ4と共に回転する。次に、ブレーキユニット6をプルロータ4によって磁気吸引するときの磁束の流れについて図4を参照して説明する。
When the
図4は、ブレーキユニット6をプルロータ4によって磁気吸引するときの磁束の流れを模式的に表す図である。(A)は通電直後を表し、(B)は吸引途中を表し、(C)は可動コア16が鉄片10に磁気吸着された瞬間を表している。図4(A),(B),(C)では、モータステータ2、鉄片10および可動コア16は簡略化して図示し、磁束の流れを矢印で表している。また、図4(D)は、磁束の流れに影響する部位を分かりやすく説明するために拡大して表した図である。図4(A)、図4(B)、および図4(C)の各状態を、図4(D)および図1を参照しながら説明する。
FIG. 4 is a diagram schematically showing the flow of magnetic flux when the brake unit 6 is magnetically attracted by the
図4(D)に示すように、鉄片10の磁性凸部10bと、可動コア16のコア端面16dとの間、鉄片10のロータ端面10aと、可動コア16のコア凸部16cの端面との間には、軸方向のギャップG1,G2が設けられ、鉄片10の磁性凸部10bと可動コア16のコア凸部16cとの間にはラジアル方向のギャップG3が設けられている。そして、各ギャップの大きさは、G3<G1<G2の関係を満たしている。
As shown in FIG. 4D, between the magnetic
図4(A)に示すように、モータステータ2に通電した直後では、ギャップがG3<G1となっていることと、モータステータ2の円筒中空部2aと可動コア16のコア凸部16cとの軸方向の交差量が小さいことから、磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16cに斜め上方に向かう磁束の流れと、モータステータ2から可動コア16のコア凸部16cに斜め下方に向かう磁束の流れが発生する。これらの磁束の流れによる電磁力(磁気吸引力)の軸方向成分によって可動コア16がプルロータ4に吸引される。鉄片10と可動コア16の間では、ギャップの大きさが、G3<G1となっているので、磁性凸部10bからコア凸部16cに向かう斜め上方の磁束の流れが支配的となる。また、可動コア16は、モータステータ2の内筒中空部2a内にわずかに入り込んでおり、しかも、モータステータ2と可動コア16とのラジアル方向のギャップが、この状態におけるギャップG1,G2よりはるかに小さいので、モータステータ2と可動コア16との間に斜め下方の磁束の流れがより強く発生し、モータステータ2から鉄片10を介さずに可動コア16に流れる磁束が存在する。この磁束による軸方向成分の電磁力によって可動コア16がプルロータ4側に吸引される。
As shown in FIG. 4A, immediately after the
図4(B)に示すように、吸引途中では、可動コア16が鉄片10に近づくので、ギャップG1,G2は、図4(A)の状態よりも小さくなる。図4(B)の状態では、ギャップの大きさは、G3<G1となっている。そのため、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16cに向かう斜め上方の磁束の流れと、モータステータ2から可動コア16のコア凸部16cに向かう斜め下方の磁束の流れが存在する。ただし、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16cに向かう磁束の流れと、モータステータ2から可動コア16のコア凸部16cに向かう磁束の流れは、可動コア16がプルロータ4に近づくに従い、図4(A)の状態のときよりも軸方向に対して傾斜角が大きくなり、電磁力の軸方向成分が減少し、斜め方向の磁束による電磁力(吸引力)は、(A)のときよりも小さくなる。したがって、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16に向かう軸方向の磁束と、斜め方向の磁束によって発生する電磁力の総和は、(A)の状態に比較して大きな変化はなく、ほぼ同程度となる。
As shown in FIG. 4B, during the suction, the
図4(C)は、可動コア16が鉄片10に磁気吸着された(G1=0)状態を表している。この状態では、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア端面16dに向かう軸方向の磁束の流れが支配的となる。このとき、モータステータ2から可動コア16のコア凸部16cに向かう斜め下方の磁束の流れと、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16cに向かう斜め上方の磁束の流れも存在する。しかし、これら斜め方向の磁束の流れは、図4(B)の状態よりも軸方向に対してさらに直角に近い傾きとなり、電磁力の軸方向成分が減少する。吸着時には軸方向に大きな電磁力が働くことになるが、本実施の形態では、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16cに向かう斜め上方の磁束の流れと、モータステータ2から可動コア16に向かう斜め下方向の磁束の流れによる電磁力の軸方向成分は極端に減少することから、軸方向に働く電磁力(吸引力)の総和は、図4(A),(B)の状態に比べ極端には、増加しない。
FIG. 4C shows a state in which the
なお、モータステータ2に加えられる電圧、周波数、および起磁力が一定の場合、鉄片10を通ることが可能な磁束数(最大磁束密度)は、鉄片10の有効断面積に比例する。本実施の形態では、鉄片10の磁性凸部10bの最小断面積(可動コア16と接触する端面23の面積)が、他の部分の断面積よりも縮小されている。したがって、磁性凸部10bでは、モータステータ2の回転磁界によって鉄片10に流れる総磁束数に対する最大磁束密度が小さくなることから、磁性凸部10bで磁気飽和状態となる。鉄片10が磁気飽和状態になると、磁束漏れが発生し、電磁力はギャップG1が0になっても計算上の最大電磁力に達しない。
When the voltage, frequency, and magnetomotive force applied to the
なお、図4(D)に示すように、鉄片10には、磁性凸部10bからX1方向端面21に向かって肉厚が薄くなるような斜面24が形成されている。この斜面24は、鉄片10内の磁束の流れを磁性凸部10bに向かって導く機能を備えている。
As shown in FIG. 4D, the
(ブレーキモータ1の起動時の電磁力変化)
図5は、ブレーキモータ1を起動したときの可動コア16に作用する電磁力(軸方向の吸引力)の変化を示す図で、実線は本発明の構造を備えるブレーキモータ1の場合を示し、破線は従来技術による構造の場合を示している。また、二点鎖線はブレーキばね19のブレーキ制動時の抗力(ばね力)を示している。なお、モータステータ2に入力する電圧および周波数は一定とする。モータステータ2に通電した直後(図4(A)の状態に相当する)のギャップG1=1.2mmのとき、従来形状と本実施の形態の形状を比較すると、可動コア16に作用する電磁力は、ほぼ同じである。ただし、この電磁力は、ブレーキばね19の抗力(弾性力)よりは大きいので、可動コア16の吸引は可能である。
(Electromagnetic force change when the brake motor 1 is started)
FIG. 5 is a diagram showing a change in electromagnetic force (axial attractive force) acting on the
ギャップG1が徐々に小さくなるに従い、従来形状の場合にはギャップG1の変化に対応して電磁力は大きくなる。一方、本発明の形状の場合には、ギャップG1が0.4mm付近(図4(B)の状態に相当)まで移動する間において、電磁力(吸引力)はほとんど増加しない。ギャップG1が0.5mm付近では、従来形状の場合の電磁力に対して本発明の形状の場合の電磁力は約65%である。そして、従来形状の場合の電磁力は、起動段階から増加し続け、ギャップG1が0.5mm付近から電磁力の増加率が上昇する。 As the gap G1 gradually decreases, the electromagnetic force increases corresponding to the change of the gap G1 in the case of the conventional shape. On the other hand, in the case of the shape of the present invention, the electromagnetic force (attraction force) hardly increases while the gap G1 moves to around 0.4 mm (corresponding to the state shown in FIG. 4B). When the gap G1 is around 0.5 mm, the electromagnetic force in the shape of the present invention is about 65% of the electromagnetic force in the conventional shape. Then, the electromagnetic force in the case of the conventional shape continues to increase from the starting stage, and the increase rate of the electromagnetic force increases from the gap G1 of around 0.5 mm.
プルロータ4が可動コア16を吸着するギャップG1=0のとき(図4(C)の状態に相当)、従来形状の電磁力に対する本発明の電磁力の大きさは約65%である。そして、本発明の形状の場合の電磁力は、ブレーキばね19の抗力に対して十分な大きさが得られている。電磁力が高くなると、ブレーキユニット6は、プルロータ4に近づくに従い移動速度が高くなり、プルロータ4に衝突することになるが、本発明の形状による電磁力は、ブレーキばね19の抗力に対して約2倍に抑えられている。
When the gap G1 = 0 where the
以上説明した本実施の形態に係るブレーキモータ1は、ブレーキ制動時(非通電時)では、鉄片10に形成された磁性凸部10bと、可動コア16に形成されたコア端面16dとの間にはギャップG1が設けられ、鉄片10のロータ端面10aと、可動コア16のコア凸部16cの端面との間にはギャップG2が設けられている。また、鉄片10の磁性凸部10bと、可動コア16のコア凸部16cの間には、ラジアル方向のギャップG3が設けられている。そして、これらのギャップの大きさは、G3<G1<G2の関係を満たしている。ギャップG3の大きさは、吸引状態にかかわらず一定である。このような構造によれば、ギャップG1が大きいときには、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16cに向かう斜め上方に働く電磁力と、モータステータ2から可動コア16のコア凸部16cに向かう斜め下方に直接働く電磁力の軸方向成分によって可動コア16が吸引される。そして、ギャップG1が小さくなるに従い、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16に向かう軸方向の磁束が徐々に増してくるが、斜め方向の磁束による電磁力の軸方向成分が減少するため、電磁力(吸引力)の総和は、プルロータ4の起動時に対して増加せず、ほぼ同程度となる。プルロータ4が可動コア16を吸着したとき(G1=0)には、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16に向かう軸方向の磁束が最大となるが、斜め方向の磁束による電磁力の軸方向成分がさらに減少するため、電磁力(吸引力)の総和を、プルロータ4の起動時に対して極端に増加させずに抑えることが可能となる。したがって、ブレーキユニット6がプルロータ4に衝突したときの衝撃力を弱め、耐久性の高いブレーキモータ1を実現できる。また、衝撃音も低減できる。
The brake motor 1 according to the present embodiment described above is provided between the magnetic
また、本実施の形態では、鉄片10の磁性凸部10bの可動コア16と接触する端面23の面積を、鉄片10の他の部分の断面積よりも縮小して、総磁束数に対する有効断面積を小さくしている。このことから、鉄片10が可動コア16を磁気吸着するときや、時には吸着直前において磁性凸部10bは磁気飽和の状態となり、ギャップG1が0になっても電磁力は計算上の最大電磁力(磁気飽和していない場合の最大電磁力)に達しないことから、可動コア16をプルロータ4に吸着するときの電磁力(吸引力)の増加を抑えて、衝撃を緩和することができる。
Moreover, in this Embodiment, the area of the
また、本実施の形態では、鉄片10には、磁性凸部10bから外周面20側に向かって薄くなる斜面24が形成されている。この斜面24を設けることによって、鉄片10からの磁束漏れを抑制し、鉄片10内の磁束の流れを磁性凸部10bに効率よく導くことが可能となる。
In the present embodiment, the
(変形例)
プルロータ4と可動コア16との対向面の構造は、前述した実施の形態に示す構造に限らず、様々に変更可能である。そのことについて、変形例をあげ説明する。
(Modification)
The structure of the opposing surface of the
図6は、磁性体片10(プルロータ4)と可動コア16との対向面構造の変形例を示す断面図であり、(A)は第1変形例、(B)は第2変形例、(C)は第3変形例である。これらの変形例は、プルロータ4と可動コア16の対向面の構造以外は、既述した実施の形態(図1〜図4に図示)と同じであるため、説明を省略する。また、図6は、モータステータ2に通電した直後の状態を表し、図中の矢印は磁束の流れを表している。
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a modification of the opposed surface structure between the magnetic piece 10 (pull rotor 4) and the
第1変形例は図6(A)に示すように、プルロータ4は、図1に示す構成とほぼ同じであって、鉄片10には、可動コア16に向かって突出する磁性凸部10bと、ロータ端面10aが形成されている。また、可動コア16には、プルロータ4に向かって突出するコア凸部16f、16gが形成され、コア凸部16fとコア凸部16gの間にはコア端面16eが形成され、コア凸部16gの内周側にはコア端面16dが形成されている。そして、鉄片10の磁性凸部10bが、可動コア16のコア端面16dに近づくように配置されている。可動コア16のコア凸部16fは、モータステータ2の円筒中空部2aに入り込んでいる。鉄片10の磁性凸部10bと可動コア16のコア端面16dの端面間のギャップをG1、鉄片10のロータ端面10aと可動コア16のコア凸部16f、16gの端面間のギャップをG2、鉄片10の磁性凸部10bと可動コア16のコア凸部16gとのラジアル方向のギャップをG3とする。各ギャップの大きさは、G3<G1<G2の関係を満たし、それぞれ、既述した実施の形態(図4(D))に示すギャップG1,G2,G3に相当する。
As shown in FIG. 6A, the first modification is substantially the same as the configuration shown in FIG. 1, and the
モータステータ2に通電した直後では、図6(A)に示すように、モータステータ2から可動コア16に向かう斜め下方の磁束の流れと、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16gに向かう斜め上方の磁束の流れが発生し、それらの電磁力の軸方向成分によって可動コア16がプルロータ4側に吸引される。通電してからプルロータ4が可動コア16を吸着するブレーキ制動解除までの作用は、図4(A)〜(C)と同様に説明できるので、説明を省略する。
Immediately after energizing the
第2変形例は、図6(B)に示すように、鉄片10には、ロータ端面10cとコア端面16dのラジアル方向の中間に、可動コア16に向かって突出する磁性凸部10bが形成されている。また、可動コア16には、磁性凸部10bに対向する位置にコア端面16eが形成され、コア端面16eのラジアル方向両側にコア凸部16f,16gが形成されている。そして、鉄片10の磁性凸部10bは、可動コア16のコア凸部16fとコア凸部16gの間に入り込んでいる。可動コア16のコア凸部16fは、モータステータ2の円筒中空部2a内に入り込んでいる。鉄片10の磁性凸部10bと、磁性凸部10bが対向する可動コア16のコア端面16eの端面間のギャップをG1、鉄片10のロータ端面10c,10dと可動コア16のコア凸部16f,16gの端面間のギャップをG2、鉄片10の磁性凸部10bと可動コア16のコア凸部16fとコア凸部16gとのラジアル方向のギャップをG3とする。各ギャップの大きさは、G3<G1<G2の関係を満たし、それぞれ、既述した実施の形態(図4(D))に示すギャップG1,G2,G3に相当する。
In the second modification, as shown in FIG. 6B, the
図6(B)に示すように、モータステータ2に通電した直後では、モータステータ2から可動コア16の外周側のコア凸部16fに斜め下方に向かう磁束の流れと、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16f,16g各々に向かう斜め方向の磁束の流れが発生し、これらの磁束による電磁力の軸方向成分によって可動コア16がプルロータ4側に吸引される。通電してからプルロータ4が可動コア16を吸着するブレーキ制動解除までの作用は、図4(A)〜(C)と同様に説明できるので、説明を省略する。ただし、第2変形例は、第1変形例に対し、起動時には磁束の流れが増加するため、磁束の流れによって生ずる電磁力(吸引力)は増す。
As shown in FIG. 6 (B), immediately after the
第3変形例は、図6(C)に示すように、鉄片10には、ロータ端面10c,10dと、ロータ端面10cとロータ端面10dの間に、可動コア16に向かって突出する磁性凸部10bと、ロータ端面10dの内周側で可動コア16に向かって突出する磁性凸部10eが形成されている。また、可動コア16は、第1変形例(図6(A)参照)と同様なコア凸部16f,16gとコア端面16d,16eが形成されている。鉄片10の磁性凸部10b,10eは、各々可動コア16のコア端面16e,16dに近づく方向に突出している。可動コア16のコア凸部16fは、モータステータ2の円筒中空部2aに入り込んでいる。鉄片10の磁性凸部10b,10eと可動コア16のコア端面16e,16dの各端面間のギャップをG1、鉄片10のロータ端面10c,10dと可動コア16のコア凸部16f,16gの各端面間のギャップをG2、鉄片10の磁性凸部10bと可動コア16のコア凸部16f,16g、鉄片10の磁性凸部10eと可動コア16のコア凸部16gとのラジアル方向のギャップをG3とする。各ギャップの大きさは、G3<G1<G2の関係を満たし、それぞれ、既述した実施の形態(図4(D))に示すギャップG1,G2,G3に相当する。
In the third modification, as shown in FIG. 6C, the
モータステータ2に通電した直後では、図6(C)に示すように、モータステータ2から可動コア16に向かう斜め下方の磁束の流れと、鉄片10の磁性凸部10bから可動コア16のコア凸部16f,16g各々に向かう斜め方向の磁束の流れと、鉄片10の磁性凸部10eから可動コア16のコア凸部16gに向かう斜め方向の磁束の流れが発生し、その電磁力の軸方向成分によって可動コア16がプルロータ4側に吸引される。通電してからプルロータ4が可動コア16を吸着するブレーキ制動解除までの作用は、図4(A)〜(C)と同様に説明できるので、説明を省略する。ただし、第3変形例は、第1変形例および第2変形例に対し起動時の磁束の流れが増加するため、電磁力(吸引力)は増す。
Immediately after energizing the
以上説明した第1変形例から第3変形例では、プルロータ4が可動コア16を吸着したとき(G1=0)には、鉄片10から可動コア16に向かう軸方向の磁束が最大となるが、斜め方向の磁束による電磁力の軸方向成分が減少するため、電磁力(吸引力)の総和を、プルロータ4の起動時(モータステータ2の通電時)に対して極端に増加させずに抑えることができる。なお、第1変形例から第3変形例の各構造においても、鉄片10の各凸部をプルロータ4(鉄片10)が可動コア16を磁気吸着するときや、時には吸着直前において磁気飽和する形状にすることが好ましい。
In the first to third modifications described above, when the
以上説明したプルロータ式のブレーキを備えたブレーキモータ1は、プルロータ4がブレーキユニット6を吸着したときの衝撃を緩和できる。このため、電気チェーンブロックや電気ホイストなどの巻上機として有効である。
The brake motor 1 equipped with the pull rotor type brake described above can alleviate the impact when the
なお、このブレーキモータ1は、三相交流誘導モータとしたが、単相交流誘電モータ、交流同期モータなど他のモータ構造のものも適用できる。また、モータ軸4とブレーキユニット5との間の取り付けは、スプライン構造ではなく、他の結合、たとえば軸方向にも周方向にも移動可能な結合としてもよい。また、鉄片10は、等間隔に配置されているが、一部を不等間隔にしたり、全てを不等間隔にしてもよい。
The brake motor 1 is a three-phase AC induction motor, but other motor structures such as a single-phase AC dielectric motor and an AC synchronous motor can also be applied. Further, the attachment between the
また、上述した実施の形態では、モータロータ3およびプルロータ4の中心を貫通するようにモータ軸5が設けられていたが、モータ軸5をモータロータ3の両端に何らかの固定手段で固定するようにしてもよい。また、可動コア16をモータ軸5の軸方向に移動可能に設けていたが、可動コア16を他の軸部材に軸方向に移動可能に取り付けてもよい。
In the above-described embodiment, the
1…ブレーキモータ
2…モータステータ
2a…円筒中空部
3…モータロータ
4…プルロータ
5…モータ軸
6…ブレーキユニット
10…鉄片
10b,10e…の磁性凸部
10c…ロータ端面(外周側)
10d…ロータ端面(内周側)
11…保持部材
16…可動コア
16c…コア凸部(外周側)
16d,16e…コア端面
16f、16g…コア凸部
24…斜面
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ...
10d ... Rotor end face (inner circumference side)
DESCRIPTION OF
16d, 16e ...
Claims (5)
前記モータステータの円筒中空部内に回転自在に配置されるモータロータと、
円周方向に配置される複数の磁性体片と、前記磁性体片を保持する非磁性体製の保持部材とを有し、前記円筒中空部内に配置されるプルロータと、
モータ軸と、
前記プルロータに対し軸方向に対向すると共に、前記モータ軸の軸方向に移動可能に取り付けられる磁性体製の可動コアを有するブレーキユニット、を有するブレーキモータであって、
前記可動コアの外周側には、当該可動コアのコア端面よりも前記円筒中空部内に入り込むように突出するコア凸部が設けられ、
前記磁性体片の内周側には、当該磁性体片のロータ端面よりも前記コア端面に向かって突出する磁性凸部が設けられており、
前記モータステータのコイルへの非通電状態では、第1のギャップと第2のギャップと第3のギャップとが存在しており、
前記第1のギャップは、前記モータ軸の軸方向における前記磁性凸部と前記コア端面との間に存在していて、
前記第2のギャップは、前記モータ軸の軸方向における前記コア凸部と前記ロータ端面との間に存在していて、
前記第3のギャップは、前記軸方向とは直交するラジアル方向における前記コア凸部と前記磁性凸部との間に存在している、
ことを特徴とするブレーキモータ。 A motor stator;
A motor rotor disposed rotatably in a hollow cylindrical portion of the motor stator;
A plurality of magnetic body pieces arranged in a circumferential direction; a nonmagnetic member holding member that holds the magnetic piece; and a pull rotor arranged in the hollow cylindrical portion;
A motor shaft;
A brake motor having a brake unit that is opposed to the pull rotor in the axial direction and has a movable core made of a magnetic material that is movably attached in the axial direction of the motor shaft,
On the outer peripheral side of the movable core, a core convex portion that protrudes so as to enter the cylindrical hollow portion from the core end surface of the movable core is provided,
On the inner peripheral side of the magnetic piece, a magnetic convex portion protruding toward the core end face from the rotor end face of the magnetic piece is provided,
In a non-energized state of the motor stator coil, there are a first gap, a second gap, and a third gap,
The first gap exists between the magnetic convex portion and the core end surface in the axial direction of the motor shaft,
The second gap exists between the core convex portion and the rotor end surface in the axial direction of the motor shaft,
The third gap exists between the core convex portion and the magnetic convex portion in a radial direction orthogonal to the axial direction.
Brake motor characterized by that.
前記第1のギャップをG1とし、前記第2のギャップをG2とし、前記第3のギャップをG3としたとき、
G3<G1<G2の関係を満たす、
ことを特徴とするブレーキモータ。 The brake motor according to claim 1, wherein
When the first gap is G1, the second gap is G2, and the third gap is G3,
Satisfies the relationship of G3 <G1 <G2.
Brake motor characterized by that.
前記磁性凸部のうち前記コア端面との接触面は、前記プルロータが前記可動コアを磁気吸着したときに磁気飽和状態となる有効断面積を備える、
ことを特徴とするブレーキモータ。 The brake motor according to claim 1 or 2,
The contact surface with the core end surface of the magnetic convex portion has an effective cross-sectional area that becomes a magnetic saturation state when the pull rotor magnetically attracts the movable core,
Brake motor characterized by that.
前記磁性体片には、磁束の流れを前記磁性凸部に導く斜面が形成されている、
ことを特徴とするブレーキモータ。 In the brake motor according to any one of claims 1 to 3,
In the magnetic piece, a slope that guides the flow of magnetic flux to the magnetic convex portion is formed.
Brake motor characterized by that.
ことを特徴とする巻上機。 The brake motor according to any one of claims 1 to 4 is used.
A hoisting machine characterized by that.
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