[本実施形態の構成]
この発明に係るプログラム及びサーバについて、好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
本実施形態に係るサーバ10は、図1で概略的に図示した車両情報管理システム12(以下、システム12ともいう。)に適用される。システム12は、サーバ10、車両14及び携帯無線端末16を有している。
車両14としては、例えば、四輪車(自動車)、二輪車(オートバイ)、シニアカー、電動車いすを適用可能であり、図1では、セダンタイプの四輪車を図示している。なお、四輪車としては、セダン、ミニバン、ワンボックスカー、ワゴン等の各種の四輪車を適用可能である。
携帯無線端末16としては、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータの各種の携帯型の情報通信機器を適用可能であり、図1では、スマートフォンを図示している。
また、システム12において、車両14と携帯無線端末16との間は無線又は有線によって接続可能であると共に、車両14及び携帯無線端末16とサーバ10との間は無線通信網18を介して接続可能である。従って、車両14及び携帯無線端末16は、無線通信網18を介して、サーバ10との間で、双方向通信による各種情報の送受信が可能である。
次に、システム12を構成するサーバ10、車両14及び携帯無線端末16について、図2〜図4を参照しながら説明する。
図2に示すように、車両14の車室20内において、ダッシュボード22の幅方向略中央部には、表示装置として機能するディスプレイオーディオ装置24(以下、DA装置24ともいう。)が配設されている。DA装置24は、本体部26と、該本体部26の車室内を臨む面に取り付けられたタッチパネル28と、フロントドア30の両サイドのキックパネル等に取り付けられたスピーカ32とを有する。タッチパネル28は、運転席34に着座したドライバー(携帯無線端末16を所有するユーザ)がタッチ操作等を行うように構成されており、図3に示すように、各種の画像情報を表示する表示部28aと、表示部28a上でのドライバーの操作を反映する入力部28bとを有する。
この場合、表示部28aには、時刻、音楽の操作ボタン、後述するセンサ部50やサーバ10からのデータに基づく燃費や故障等の車両情報(走行情報)、携帯無線端末16からの映像情報(表示情報)等が表示される。なお、入力部28bは、タッチパネル方式に代えて、テンキーと呼ばれる物理スイッチで構成してもよい。
ダッシュボード22の幅方向右側であって、運転席34及びハンドル38の前方には、メータパネル40が配設されている。メータパネル40は、例えば、中央に配置されたスピードメータ40aと、左側に配置されたタコメータ40bと、車両14の燃費を表示する燃費表示部40cとを有する。
図2では、説明の容易化のため、実際のメータパネル40をデフォルメして図示している。すなわち、メータパネル40には、スピードメータ40a、タコメータ40b及び燃費表示部40cに加え、他の表示部を配置可能であることは勿論である。
ダッシュボード22の下部には、通信用コネクタであるデータリンクコネクタ42(以下、DLC42ともいう。)が設けられ、DLC42には、通信アダプタ44が接続可能である。通信アダプタ44は、携帯無線端末16との間でWi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離小電力無線通信機能を介して接続可能である。従って、図2の場合、車両14に備わるDA装置24は、DLC42及び通信アダプタ44を介して、携帯無線端末16との間で無線により接続可能である。
ハンドル38の近傍には、イグニッションスイッチとして機能するエンジンスイッチ46が設けられている。エンジンスイッチ46は、ドライバーに押される毎に、ハンドル38がロックされ且つ車両14内の全ての電源がオフになるオフモード、エンジンを始動させずにメータパネル40やDA装置24が使用可能となるアクセサリモード、エンジンが始動するオンモード、のいずれかのモードに切り替わる。
なお、図2に示す車内設備及びその配置は一例であり、本実施形態では、少なくとも、DA装置24が備わり、携帯無線端末16とDA装置24とが無線又は有線により接続可能であれば、どのような車内設備及び配置であってもよい。そのため、DA装置24は、DLC42及び通信アダプタ44に代えて、USB(Universal Serial Bus、登録商標)やHDMI(High−Definition Multimedia Interface、登録商標)等の有線によって携帯無線端末16と接続されてもよい。
図3に示すように、車両14には、上述したDA装置24及びメータパネル40に加え、車両14全体を統括して制御する制御部48、センサ部50、記憶部52及び無線部54をさらに有する。
センサ部50には、例えば、GPSセンサ50a、車速センサ50b、ジャイロセンサ50c及び燃費センサ50dを有する。GPSセンサ50aは、図示しない人工衛星(GPS衛星)から電波を受信して車両14の現在位置及び現在時刻を取得する。車速センサ50bは、車両14の車速を検出する。ジャイロセンサ50cは、車両14の前後方向及び上下の角速度を検出する。燃費センサ50dは、車速から所定時間内の車両14の走行距離を算出すると共に、所定時間内でのインジェクタの開弁情報から当該所定時間内の燃料消費量を算出し、当該燃料消費量と走行距離とから車両14の燃費を算出する。
図3では、一例として、各種のセンサ50a〜50dを「センサ部50」として図示しているが、上記のセンサ以外のセンサをセンサ部50に付加してもよいことは勿論である。
制御部48は、マイクロプロセッサ等から構成され、記録媒体としての記憶部52に格納されたプログラムを実行することにより、車両14内の各部を制御する。この場合、記憶部52には、様々なアプリケーションソフトウェアをインストールすることが可能である。本実施形態では、例えば、車両14とサーバ10及び携帯無線端末16とを接続して、双方向でデータの送受信が可能なアプリケーションソフトウェアがインストールされている。
そして、制御部48は、センサ部50で検出されたセンサ情報(現在位置、現在時刻、車速、角速度、燃費)を表示部28aに表示させる。また、制御部48は、これらのセンサ情報を車両14の現在の状態を示す車両情報(走行情報)として、DLC42及び通信アダプタ44を含むインターフェース56(以下、I/F56ともいう。)を介して携帯無線端末16に供給する。さらに、制御部48は、無線部54から無線通信網18を通してサーバ10に車両情報(第2車両情報)をアップロードする。
制御部48は、エンジンスイッチ46がアクセサリモード又はオンモードであるときに、所定時間間隔で、センサ部50により検出されたセンサ情報を車両情報として携帯無線端末16及びサーバ10に送信し続けることが可能である。従って、制御部48は、エンジンがかかっている時間帯、すなわち、車両14の走行の開始時刻及び終了時刻と、開始時刻から終了時刻までの車両14の走行時間との1ドライブ分の時刻情報を、車両情報に含めてサーバ10にアップロードすることが可能となる。
なお、制御部48は、センサ情報に基づいて、車両14に故障や整備不良等の異常状態が発生しているか否かを判定し、異常状態が発生していると判定したときに、メータパネル40の図示しない警告灯を点灯又は点滅させる。この場合、制御部48は、判定した異常状態に対応する故障コード(DTC)を車両情報に含めてサーバ10及び携帯無線端末16に送信してもよい。また、制御部48は、車両14の目的位置を車両情報に含めてサーバ10及び携帯無線端末16に送信してもよい。さらに、制御部48は、車両14(又は携帯無線端末16)を示す固有のユーザIDを車両情報に含めてサーバ10及び携帯無線端末16に送信してもよい。
携帯無線端末16は、車両14のI/F56と無線又は有線により接続可能なI/F58と、タッチパネルを構成する表示部60及び入力部62と、無線通信網18を介してサーバ10に接続可能な無線部64と、センサ部66と、制御部68と、記憶部70とを有する。
表示部60は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL等のディスプレイであり、制御部68からの制御により、地図情報や車両14からの車両情報(車両14の燃費や故障)等を表示する。無線部64は、無線通信網18に接続され、図示しない無線基地局を通じて、サーバ10との間でデータの送受信を行う。この場合、サーバ10との間で送受信されるデータとしては、少なくとも、車両14から取得した車両情報が含まれる。なお、入力部62は、タッチパネル方式からテンキーと呼ばれる物理スイッチに代替してもよい。
センサ部66は、GPSセンサ66a及びジャイロセンサ66bを有する。GPSセンサ66aは、GPS衛星から電波を受信して携帯無線端末16の現在位置及び現在時刻を取得する。ジャイロセンサ66bは、携帯無線端末16の前後方向及び上下の角速度を検出する。従って、携帯無線端末16では、センサ部66の検出結果に基づいて、携帯無線端末16自身の現在位置を把握することが可能である。なお、現在位置は、無線部64から取得される無線通信網18の基地局情報に基づいて制御部68が算出することも可能である。
制御部68は、マイクロプロセッサ等から構成されるコンピュータであり、CPU(中央処理装置)が半導体メモリ等で構成される記憶部70に格納されたプログラムを実行することで各種機能部として動作する。
記憶部70に格納されているプログラムとしては、電話機能(電話による通話機能とデータ通信機能を含む。)、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の近距離小電力無線通信機能、該近距離小電力無線通信機能を用いたハンズフリー通話機能等の基本的なアプリケーションソフト(基本アプリ)やオペレーティングシステム(OS)がある。また、記憶部70には、地図情報や位置情報、車両14から取得したセンサ情報等の種々の情報も記憶される。
なお、基本アプリは、アプリケーションソフトのダウンロード供給元である図示しないウェブサーバから移動通信網・公衆通信網を介してドライバーが選択することで、携帯無線端末16にダウンロードされ、記憶部70に記憶される。あるいは、製品出荷時から携帯無線端末16にインストールし、又は、サービスパーツとしてDVD等の電子媒体を介して提供されてもよい。
この場合、制御部68は、ドライバーが入力部62を操作して、記憶部70に記憶されたプログラムを起動することにより、各種の処理を行う。
すなわち、携帯無線端末16が車両14からI/F56、58を介して車両情報を受信した場合、制御部68は、受信した車両情報を記憶部70に記憶する。また、制御部68は、記憶部70に記憶した車両情報(第1の車両情報、第1車両情報)を無線部64から無線通信網18を介してサーバ10に送信(アップロード)する。この場合、制御部68は、GPSセンサ66aで取得した現在時刻を車両情報に付加してサーバ10にアップロードする。さらに、制御部68は、記憶部70に記憶した車両情報や、サーバ10から取得した情報(車両14又はドライバー毎に統計処理された情報、故障に対するアドバイス情報)を表示部60に表示させる。なお、制御部68は、表示部60に表示される各種の情報を、I/F58、56を介して、DA装置24の表示部28aに表示させることも可能である。
さらに、記憶部70には、ナビゲーション(ルート案内)機能を提供するアプリケーションソフトウェアがインストールされていてもよい。この場合、携帯無線端末16と車両14(のDA装置24)とが無線又は有線により接続されると、携帯無線端末16からDA装置24に、地図やルート案内、店舗やサービスエリア等の地点情報の映像信号が供給され、表示部28aは、当該映像信号に応じた画像を表示する。また、携帯無線端末16とDA装置24とが接続された場合、制御部68は、車両14のGPSセンサ50aが取得した車両14の現在位置及び現在時刻等を使用することにより、人工衛星からの電波を受信しにくい車両14内でも、表示部28a、60に対して、正確な現在位置やルート案内を表示させることが可能となる。
なお、携帯無線端末16と車両14(のDA装置24)との接続が遮断される場合とは、図2の例では、DLC42から通信アダプタ44が取り外されて、DA装置24と携帯無線端末16との間で、無線による情報の送受信が行えなくなった場合をいう。すなわち、ドライバーが任意のタイミングでDLC42から通信アダプタ44を取り外せば、携帯無線端末16とDA装置24との通信接続が遮断されることになる。
また、携帯無線端末16とDA装置24との間を有線で接続する場合、ドライバーが任意のタイミングで、携帯無線端末16とDA装置24とを結ぶ通信ケーブルを取り外せば、有線による情報の送受信が行えなくなる。
さらに、ドライバーがエンジンスイッチ46をオフにして(オフモードに切り替えて)、バッテリからDA装置24、制御部48及びセンサ部50等への電力供給を停止すると、車両14から携帯無線端末16への車両情報の送信が行えなくなるので、この場合でも、携帯無線端末16とDA装置24との通信接続が遮断される。
図4に示すように、サーバ10は、無線通信網18を介して車両14及び携帯無線端末16に接続可能な通信部72と、サーバ10全体を統括的に制御する制御部74と、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部76とを有する。記憶部76は、車両情報記憶部78、地図情報記憶部80、交通情報記憶部82及びプログラム記憶部84から構成される。車両情報記憶部78は、採用車両情報記憶部78a、第1車両情報記憶部78b(第1の記憶部)及び第2車両情報記憶部78c(第2の記憶部)を有する。
通信部72は、インターネット回線等を通して無線通信網18に接続され、車両14及び携帯無線端末16との間で各種のデータの送受信を行う。
制御部74は、マイクロプロセッサ等から構成されるコンピュータであり、CPU(中央処理装置)が半導体メモリやハードディスクドライブ等で構成される記憶部76のプログラム記憶部84に格納されたプログラム(オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフト)を実行することにより、サーバ10内の各部を制御する。
記憶部76の車両情報記憶部78には、通信部72が車両14及び携帯無線端末16から受信した車両情報が記憶される。すなわち、第1車両情報記憶部78bは、携帯無線端末16から無線通信網18を介して通信部72に受信された車両情報(第1車両情報)を記憶する。第2車両情報記憶部78cは、車両14から無線通信網18を介して通信部72に受信された車両情報(第2の車両情報、第2車両情報)を記憶する。
採用車両情報記憶部78aには、第1車両情報記憶部78bに記憶されている第1車両情報、又は、第2車両情報記憶部78cに記憶されている第2車両情報のうち、制御部74によって選択(採用)された車両情報が記憶される。
この場合、制御部74は、基本的に、第1車両情報記憶部78bに記憶された第1車両情報を採用し、採用車両情報記憶部78aに記憶する。また、制御部74は、第1車両情報記憶部78bに第1車両情報が記憶されていないか、又は、第1車両情報の一部が欠落し、且つ、第2車両情報記憶部78cに第2車両情報が記憶されている場合には、例外的に、第2車両情報を第1車両情報記憶部78bにコピーし(第2車両情報を第1車両情報として更新し)、当該第2車両情報(第1車両情報)を採用車両情報記憶部78aに記憶する。
なお、車両情報記憶部78(採用車両情報記憶部78a、第1車両情報記憶部78b、第2車両情報記憶部78c)は、車両毎又はユーザ毎に車両情報を記憶する。
地図情報記憶部80は、地形、道路、施設等が含まれた地図情報を記憶する。交通情報記憶部82は、車両14又は携帯無線端末16や、図示しない交通センターからの情報に基づく渋滞や通行止め等の交通情報を記憶する。
そして、制御部68は、採用車両情報記憶部78aに記憶された車両情報(基本的には第1車両情報)、地図情報記憶部80に記憶された地図情報、及び、交通情報記憶部82に記憶された交通情報に基づき、車両14又はドライバー毎に統計処理を行い、統計処理によって得られた情報(例えば、燃費情報、故障に対するアドバイス情報)を、通信部72から無線通信網18を介して車両14及び携帯無線端末16にそれぞれ配信する。統計処理後の情報は、車両14又はドライバー毎に採用車両情報記憶部78aに記憶される。
[本実施形態の動作]
本実施形態に係るサーバ10が適用されたシステム12は、以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
前述のように、本実施形態において、サーバ10は、車両14及び携帯無線端末16から無線通信網18を介して、同一の車両14についての車両情報を受信する。しかしながら、同一の車両14の車両情報であっても、図5A及び図5Bに示すように、携帯無線端末16から無線通信網18を介して通信部72で受信される第1車両情報と、車両14から無線通信網18を介して通信部72で受信される第2車両情報との間では、後述するように、厳密には同一のデータにはならない。そのため、サーバ10としては、受信された2つのデータのうち、どちらのデータを選択すべきか判断する必要がある。
なお、図5Aは、第1車両情報よりも先に第2車両情報が通信部72で受信される場合を図示したものであり、図5Bは、第1車両情報が第2車両情報よりも先に通信部72で受信される場合を図示したものである。
この場合、第1車両情報は、車両14が走行を開始する開始時刻ts1及び走行を終了する終了時刻tf1の時刻情報を含む車両14の1ドライブ(エンジンがかかっている時間帯)の車両情報である。また、第2車両情報は、開始時刻ts2及び終了時刻tf2の時刻情報を含む1ドライブの車両情報である。
また、図5A及び図5Bにおいて、各開始時刻ts1、ts2の時間差をTs(Ts=|ts1−ts2|)、各終了時刻tf1、tf2の時間差をTf(Tf=|tf1−tf2|)、第1車両情報と第2車両情報とが重複する時間帯を重複時間Tdとする。
ここで、第1車両情報及び第2車両情報についてさらに詳しく説明する。
例えば、車両14においては、エンジンスイッチ46をオンにする(アクセサリモード又はオンモードにする)と、無線部54へ電源が供給され、センサ部50から取得した燃費等を含むセンサ情報が、その時点での時刻情報と共に、第2車両情報として、無線通信網18を介して、サーバ10に送信される。送信される第2車両情報には、車両14(又は携帯無線端末16)を示す固有のユーザIDも含まれる。第2車両情報を受信したサーバ10は、ドライバー毎に、第2車両情報記憶部78cに第2車両情報を保存する。保存する際には、最初に受信した時刻情報を1ドライブの開始時刻ts2として認識し、最後に受信した時刻情報を1ドライブの終了時刻tf2として認識する。
この場合、車両14から送信される第2車両情報は、ある一定時間に収集した分を1つの圧縮ファイルとして送信される。これは、常時、携帯電話機等の無線通信網18に接続していると、通信帯域を圧迫してしまうためであり、例えば、車両14内で5分間にわたって収集したデータを1つのファイルに圧縮した上で、第2車両情報としてサーバ10に送信される。
従って、サーバ10の制御部74は、通信部72が受信した第2車両情報の圧縮ファイルを解凍処理し、解凍処理後の第2車両情報を第2車両情報記憶部78cに記憶することにより、5分間分のデータを一度に入手することができる。このように、第2車両情報は一定期間毎に圧縮されることになるが、エンジンスイッチ46をオフにすると(エンジンを切ると)、無線部54への電源の供給も停止するため、車両14がそれまで取得していたセンサ情報(この場合、最大5分間分のデータ)がサーバ10へ送信されないことになる。
なお、携帯無線端末16についても同様の動作となるが、いくつかの違いがある。例えば、エンジンスイッチ46のオン及びオフの動作は、携帯無線端末16では、車両14との通信の接続又は切断の動作に置き換わる。また、携帯無線端末16は、図示しない独立したバッテリを備えているため、ドライバーによるエンジンスイッチ46の操作に左右されず常時電源が供給された状態となっている。従って、携帯無線端末16は、車両14と切断された後も、サーバ10へそれまでに取得したデータを第1車両情報として送信することが可能である。この場合も、携帯無線端末16は、第1車両情報を圧縮ファイルとして、無線通信網18を介して車両14に送信する。サーバ10の制御部74は、通信部72が受信した圧縮ファイルに対する解凍処理後、解凍処理後の第1車両情報を第1車両情報記憶部78bに記憶する。
ところで、第1車両情報及び第2車両情報が同一のデータとならない主な要因としては、下記(a)〜(d)のようなものがある。
(a)車両14のエンジンスイッチ46をオンにした後に、車両14のDA装置24と携帯無線端末16とを通信接続すると、携帯無線端末16が車両14から車両情報を取得するタイミングが遅くなる。
(b)車両14と携帯無線端末16とがそれぞれGPSセンサ50a、66aを有し、現在時刻を取得可能な時計機能を有しているため、取得した現在時刻にずれがあれば、お互いの現在時刻が合致しなくなる。
(c)エンジンスイッチ46がオンになった後(エンジンがかかっている間)、DA装置24と携帯無線端末16との間で通信の接続及び切断が行われる。例えば、DA装置24と携帯無線端末16とを接続するケーブルをドライバーが抜き差しする動作を行う場合。
(d)エンジンスイッチ46をオフにする前に、携帯無線端末16とDA装置24との通信接続を切断する。
これらの要因が複合すると、同一のドライブの車両情報であって、車両14及び携帯無線端末16の両者からサーバ10が車両情報(第1車両情報、第2車両情報)を受信しても、受信した各車両情報の乖離が顕著になるため、統計処理に用いるデータとして、どちらのデータを採用すべきかを、サーバ10側で判断することが一層困難になる可能性がある。
そこで、本実施形態では、サーバ10において、同一のドライブであるか否かの判定処理と、どちらの車両情報を採用すべきかの判定処理とを実行する。
すなわち、本実施形態では、基本的に、重複時間Tdが存在し、且つ、2つの時間差Ts、Tfがいずれも所定時間内(例えば、5分以内)であれば、通信部72で受信される2つの車両情報は、同一の車両14についての同時期の車両情報(同一のドライブの車両情報)であると判断する。そして、第1車両情報を制御部74での統計処理に用いる車両情報として、採用車両情報記憶部78aに記憶する。
また、重複時間Tdが存在しない場合には、第1車両情報記憶部78b及び第2車両情報記憶部78cへの車両情報の記憶の有無に基づき、採用車両情報記憶部78aに記憶すべき車両情報を決定する。
[制御部74での判定処理の詳細]
ここで、上述した各判定処理の詳細について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。これらの判定処理は、サーバ10の制御部74によって実行される。
ステップS1において、サーバ10の通信部72における第2車両情報の受信が完了した場合(ステップS1:YES)、制御部74は、受信された第2車両情報の圧縮ファイルに対する解凍処理を行い、解凍処理後の第2車両情報を第2車両情報記憶部78cに記憶する。
次のステップS2において、制御部74は、第1車両情報と第2車両情報との間で、重複時間Tdが存在するか否かを判定する。
第1車両情報記憶部78bに第1車両情報が記憶されると共に、第2車両情報記憶部78cに第2車両情報が記憶され、且つ、第1車両情報と第2車両情報との間に重複時間Tdが存在する場合(ステップS2:YES)、次のステップS3において、制御部74は、各時間差Ts、Tfが所定時間内であるか否かを判定する。
各時間差Ts、Tfがいずれも所定時間内であれば(ステップS3:YES)、制御部74は、第1車両情報及び第2車両情報が同一の車両14の同時期の車両情報であると判断する。次のステップS4において、制御部74は、第1車両情報を統計処理で用いる車両情報として選択し、選択した第1車両情報を採用車両情報記憶部78aにコピーする。
一方、各時間差Ts、Tfのうち、少なくとも一方の時間差が所定時間を超えていれば(ステップS3:NO)、制御部74は、次のステップS5において、第1車両情報記憶部78bに記憶された第1車両情報が、第2車両情報記憶部78cに記憶された第2車両情報をコピーしたものであるか否かを判断する。
第2車両情報を第1車両情報記憶部78bに既にコピーしていた場合(ステップS5:YES)、制御部74は、第1車両情報記憶部78bに既にコピーされた第2車両情報を第1車両情報とみなし、当該第1車両情報を採用車両情報記憶部78aにコピーする。
一方、本来の第1車両情報が第1車両情報記憶部78bに既に記憶されており、第2車両情報のコピーが行われていない場合(ステップS5:NO)、制御部74は、ステップS4の処理を実行する。
また、ステップS2において、重複時間Tdが存在しない場合(ステップS2:NO)、例えば、通信部72が第2車両情報しか受信しなかった場合、又は、通信部72が第1車両情報及び第2車両情報を異なる時間帯に受信した場合、制御部74は、第1車両情報と第2車両情報とは、同一の車両14の情報であっても、同一時期の車両情報ではないと判断する。そして、次のステップS6において、制御部74は、第1車両情報が第1車両情報記憶部78bに記憶されているか否かを判断する。
第1車両情報が第1車両情報記憶部78bに既に記憶されている場合(ステップS6:YES)、制御部74は、ステップS4の処理を実行する。
一方、第1車両情報が第1車両情報記憶部78bに記憶されていない場合(ステップS6:NO)、制御部74は、次のステップS7において、第2車両情報記憶部78cに記憶されている第2車両情報を、第1車両情報記憶部78bにコピーする。この結果、制御部74は、第1車両情報記憶部78bにコピーした第2車両情報を第1車両情報とみなし、当該第1車両情報を採用車両情報記憶部78aにコピーすることができる。
なお、上記のステップS1〜S7の説明は、通信部72での第2車両情報の受信完了を契機とした制御部74の処理であった。
本実施形態では、通信部72での第2車両情報の受信完了(ステップS1:YES)と、第1車両情報の受信完了(ステップS8:NO)とを契機として、ステップS2〜S7の処理を実行してもよい。あるいは、通信部72での第1車両情報の受信完了(ステップS8:YES)を契機として、ステップS2〜S7の処理を実行してもよい。
[制御部74での判定処理の具体例]
次に、車両14及び携帯無線端末16の両方からサーバ10が車両情報を受信した際に、受信した各車両情報が同一のドライブの情報であるか否かを判定するための処理の具体例について説明する。
先ず、第1の基本パターンとして、サーバ10が車両14のみから車両情報(第2車両情報)を受信した場合について説明する。
これは、車両14のDA装置24に携帯無線端末16を接続しなかった場合である。この場合、携帯無線端末16からサーバ10に第1車両情報が送信されないため、制御部74は、車両14から受信した第2車両情報を採用する。すなわち、この場合には、第1車両情報記憶部78bに第1車両情報が記憶されず、一方で、第2車両情報記憶部78cに第2車両情報が記憶された状態となる。従って、制御部74は、第2車両情報記憶部78cに記憶された第2車両情報を第1車両情報記憶部78b及び採用車両情報記憶部78aにそれぞれ記憶する(第1車両情報とみなしてコピーする)。これにより、第2車両情報が統計処理に用いられる車両情報として採用される。そのため、第1の基本パターンにおいて、制御部74は、図6のステップS1、S2、S6、S7の処理を順に実行することになる。
次に、第2の基本パターンとして、車両14からの第1車両情報と、携帯無線端末16からの第2車両情報とについて、その一部又は全部が時間的に重複し、且つ、時間差Ts、Tfがいずれも一定期間内(例えば、5分以内)である場合について説明する。
この場合、制御部74は、2つの車両情報が同一のドライブで得られた車両情報であると判断し、第1車両情報を統計処理に用いる車両情報として採用する。従って、第2の基本パターンにおいて、制御部74は、図6のステップS1、S8、S2、S3、S4の処理を順に実行することになる。
ここで、ステップS3での所定時間を「5分以内」に採用した理由(第1及び第2の理由)について説明する。
第1の理由としては、前述のように、車両14及び携帯無線端末16では、一定期間(5分)毎にデータを圧縮してサーバ10に送信するため、同一のドライブのデータであれば、最大で5分の時刻ずれが生じていると考えられるためである。
第2の理由としては、携帯無線端末16の車両14に対する通信接続及び切断の動作のタイミングが、ドライバーによって異なるためである。例えば、携帯無線端末16を車両14にケーブルで接続した上でエンジンスイッチ46をオンにするドライバーもいれば、エンジンスイッチ46をオンにした後に携帯無線端末16を車両14にケーブルを介して接続するドライバーもいることが考えられる。また、通信を切断する場合も同様である。
このように、ドライバーによる車両14と携帯無線端末16との間の通信の接続及び切断の動作のばらつきに関して、本出願人の研究結果によれば、最大で5分間の許容時間を設けることによって、制御部74での車両情報の採用に対する誤判定を防ぐことが可能となる。
また、携帯無線端末16からサーバ10に受信される第1車両情報を統計処理に用いる車両情報として採用する理由は、第1車両情報を採用すれば、統計処理によって得られた情報を車両14及び携帯無線端末16に配信し、表示部28a、60に当該情報を表示させた場合に、当該情報を視認するドライバーにとって、不自然さを感じさせないことができるためである。
すなわち、通常、ドライバーは、携帯無線端末16を所持しており、携帯無線端末16の表示部60と、DA装置24の表示部28aとでは、閲覧頻度としては、携帯無線端末16の表示部60の方が高い傾向にある。そのため、ドライバーにとっては、携帯無線端末16の表示部60の画面内容が、閲覧するタイミングで変わってしまうと戸惑ってしまう。
より具体的に説明すると、サーバ10が車両14からの第2車両情報を統計処理に用いる車両情報として常に採用する場合、携帯無線端末16の表示部60に表示された数値(例えば、燃費)が、サーバ10から送信される第2車両情報に基づく情報によって書き換わると、ドライバーの閲覧のタイミングで数値が変わる可能性がある。ドライバーにとっては、閲覧頻度の高い表示部60の画面の数値が、なるべく変更されないことが自然に感じるため、本実施形態では、携帯無線端末16からの第1車両情報を統計処理に用いる車両情報として優先的に採用することにしている。
次に、携帯無線端末16からの第1車両情報と、車両14からの第2車両情報との一部が重複し、且つ、時間差Ts、Tfの少なくとも一方が一定期間を超過している場合(例えば、5分を超えている場合)について説明する。
この場合、制御部74は、第2車両情報記憶部78cに記憶された第2車両情報が、採用車両情報記憶部78aに既にコピーされたか否かを判断する。
既にコピーされている場合、制御部74は、統計処理に用いる車両情報が決定済みであるとして処理を終了する。すなわち、制御部74は、図6のステップS1、S2、S3、S5の処理を順に実行することになる。
一方、第2車両情報がまだコピーされていない場合、制御部74は、第1車両情報記憶部78bに記憶された第1車両情報を第2車両情報記憶部78c及び採用車両情報記憶部78aにコピーして処理を終了する。すなわち、制御部74は、図6のステップS1、S2、S3、S5、S4の処理を順に実行することになる。
図7〜図12Bは、第1車両情報と第2車両情報とが同一のドライブの車両情報であるか否かを判定するための具体例(パターンA〜パターンE)を図示したタイミングチャートである。なお、パターンA〜Eでは、いずれも、携帯無線端末16からの第1車両情報と、車両14からの第2車両情報との一部が重複しているが、時間差Ts、Tfが一定期間を超過している場合を示している。
図7のパターンAは、第1車両情報よりも先に第2車両情報が通信部72での受信を完了し、第2車両情報記憶部78cに記憶されたことから、当該第2車両情報を採用車両情報記憶部78aにコピーしたものである。この場合、制御部74は、第2車両情報を第1車両情報記憶部78b及び採用車両情報記憶部78aにコピーする。従って、第1車両情報記憶部78bには、第2車両情報が第1車両情報として記憶されるので、その後、第1車両情報が通信部72で受信され、且つ、受信された本来の第1車両情報が同一のドライブの車両情報であっても、制御部74は、当該第1車両情報を第1車両情報記憶部78bに記憶させないようにする(スキップする)。従って、パターンAにおいて、制御部74は、図6のステップS1、(S8、)S2、S3、S5を順に実行する。
図8のパターンBは、第2車両情報が第1車両情報よりも先に通信部72での受信が完了しても、その後、第1車両情報記憶部78bに第1車両情報が記憶されたため、当該第1車両情報が採用車両情報記憶部78aにコピーされた場合を図示したものである。この場合、制御部74は、図6のステップS1、S8、S2、S3、S5、S4を順に実行する。
図9のパターンCは、第2車両情報よりも先に第1車両情報が通信部72での受信を完了し、当該第1車両情報が第1車両情報記憶部78bに記憶されたため、第1車両情報が採用車両情報記憶部78aにコピーされた場合を図示したものである。この場合、制御部74は、図6のステップS8、S2、S3、S5、S4を順に実行する。
図10のパターンDは、第2車両情報の受信完了後に第1車両情報の受信が完了した場合でも、第1車両情報に第1車両情報記憶部78bが記憶されていたため、当該第1車両情報を採用車両情報記憶部78aにコピーした場合を図示したものである。この場合も、制御部74は、図6のステップS1、S8、S2、S3、S5、S4を経由することになる。
図11A〜図12BのパターンEは、いずれも、通信部72での第2車両情報の受信中又は受信の前後で、第1車両情報が断続的に受信された場合を図示したものである。この場合、第1車両情報記憶部78bには、断続的に受信された第1車両情報が記憶されるので、制御部74は、当該第1車両情報を採用車両情報記憶部78aにコピーする。この場合も、制御部74は、図6のステップ(S1、)S8、S2、S3、S5、S4を順に実行する。
[統計処理後の情報の表示例]
上述のように採用車両情報記憶部78aに車両情報が記憶されると、制御部74は、当該車両情報等を用いて統計処理を実行する。統計処理後の情報は、通信部72から無線通信網18を介して車両14及び携帯無線端末16に配信され、表示部28a、60に表示される。
ここで、サーバ10から配信される統計処理後の情報に関し、表示部28a、60での表示例を、図13〜図17を参照しながら説明する。ここでは、一例として、燃費情報を含む統計処理後の情報が、携帯無線端末16の表示部60に表示される場合について説明する。
前述した統計処理後の情報は、採用車両情報記憶部78aに記憶された車両情報等を統計的に処理することにより得られ、採用車両情報記憶部78aに記憶される。統計処理後の情報には、例えば、車両14毎の情報であって、燃費情報や、車両14の走行距離及び走行日時が含まれる。また、採用車両情報記憶部78aに記憶された車両情報が、携帯無線端末16から通信部72が受信したデータ(第1車両情報)であった場合、当該携帯無線端末16はドライバーが所有しているため、制御部74は、ドライバー毎に、統計処理後の情報を採用車両情報記憶部78aに記憶する。従って、サーバ10から車両14及び携帯無線端末16に統計処理後の情報を配信することにより、表示部28a、60では、1台の車両14の燃費、走行距離及び走行日時を、ドライバーの属性毎に一覧して閲覧可能に表示させることができる。
具体的に、表示部60に図13のトップ画面86が表示されている場合、トップ画面86の車両表示88の周囲には、ドライバー(ユーザ)が車両14に付けた愛称「My BABY」を示す車両名表示90、他の画面を表示させるための選択ボタン92、現在時刻を示す時刻表示94が表示されている。
このトップ画面86において、ドライバーが選択ボタン92をタッチ操作すると、表示部60は、トップ画面86に代えて、図14の通信情報画面96を表示する。通信情報画面96には、サーバ10から配信された統計処理後の情報の一部が表示される。
すなわち、通信情報画面96には、車両14の走行日時を示す走行日時表示98、走行時間を示す走行時間表示100、走行時間内での走行距離を示す走行距離表示102、走行時間内での平均車速を示す車速表示104、走行時間内での平均燃費量を示す燃費表示106が表示されている。
なお、走行日時表示98に表示されている走行日時は、採用車両情報記憶部78aに記憶された車両情報に含まれる車両14の1ドライブにおける開始時刻ts1、ts2及び終了時刻tf1、tf2である。また、走行時間は、開始時刻ts1、ts2から終了時刻tf1、tf2までの車両14の1ドライブの時間をいう。
また、通信情報画面96には、車両14の燃料タンクの残燃料を示す残燃料表示108aと、バッテリの残容量を示す残容量表示108bとが表示されている。さらに、通信情報画面96には、ドライバーの運転技能(スキル)のレベルを示すスキル表示110も表示されている。
そして、ドライバーが通信情報画面96の選択ボタン112を選択すると、表示部60は、通信情報画面96に代えて、図15のログ情報画面114を表示する。ログ情報画面114にも、サーバ10から配信された統計処理後の情報の一部が表示される。すなわち、ログ情報画面114には、時間軸表示116に沿って、どのドライバーが車両14をいつ走行等させたのかを示すドライバー表示118、120が時系列で表示されている。
ドライバー表示118には、ドライバー「Kelly」が3月20日に車両14を43分間走行させ、その際の走行距離が37km、平均車速が58km/h(58kmph)であったことが表示されている。一方、ドライバー表示120には、ドライバー「Roy」が8月29日に車両14に8.36lの燃料を給油したことが表示されている。
また、ドライバーがログ情報画面114の選択ボタン122を選択すると、表示部60は、ログ情報画面114に代えて、図16の統計処理結果画面124を表示する。統計処理結果画面124には、サーバ10から配信された統計処理後の情報のうち、主要なデータの詳細内容が表示される。
すなわち、統計処理結果画面124には、前述した走行時間内での車両14の平均燃費量を示す燃費表示126と、ドライバーが車両14を運転した日毎の燃料の給油記録及び走行距離を棒グラフで時系列表示させた給油記録表示128と、車両14の積算走行距離や当該積算走行距離が地球何周分に相当するのかを表示した走行距離表示130とが表示されている。
なお、図16の燃費表示126では、車両14のDA装置24と携帯無線端末16とが通信接続された状態において、携帯無線端末16が車両14から燃費を含む車両情報を自動的に取得し、取得した車両情報が携帯無線端末16から無線通信網18を介してサーバ10にアップロードされ、サーバ10の制御部74が採用車両情報記憶部78aに記憶された当該車両情報(第1車両情報)に基づいて統計処理することにより得られた燃費情報であることが、燃費表示126において「Estimated by DA」と表示されている。この場合、燃費表示126に表示される燃費は、給油記録表示128に表示された給油量や、走行距離表示130に表示された走行距離には比例しない。
一方、本実施形態では、ドライバーが入力部62を操作して燃料の給油量を入力し、携帯無線端末16の制御部68が、入力された給油量を含む車両情報を、無線部64から無線通信網18を介してサーバ10にアップロードすることも可能である。この場合、基本的に、サーバ10の通信部72で受信された当該車両情報は、第1車両情報記憶部78bに記憶され、採用車両情報記憶部78aにコピーされる。従って、制御部74は、ドライバーが入力した給油記録を含む車両情報を統計処理することにより、給油量及び走行距離から燃費を算出することができる。そして、制御部74は、統計処理後の情報を通信部72から無線通信網18を介して車両14及び携帯無線端末16に配信する。このような給油記録がドライバーによる手入力である場合には、図17に示すように、表示部60には、手入力による給油記録から得られた燃費情報であることを、燃費表示126において「Estimated on distance driven vs amount refueled.」として表示される。
このように、DA装置24と携帯無線端末16とを接続して、サーバ10との間でデータの送受信を行うことにより、図13〜図17のような画面表示が可能となり、この結果、ドライブ毎の車両14の記録が履歴として残り、ドライバーに対して、当該車両14やドライブに対する愛着を向上させることが期待できる。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、車両14及び携帯無線端末16からサーバ10にそれぞれ送信されてきた車両情報(第1車両情報、第2車両情報)に含まれる開始時刻ts1、ts2及び終了時刻tf1、tf2の時刻情報や、走行時間中の重複時間Tdに基づいて、サーバ10の制御部74は、どちらの車両情報を統計処理に用いる車両情報として採用すべきかを容易に判断することができる。従って、同一の車両14に関する車両情報が車両14及び携帯無線端末16の両方からサーバ10にアップロードされても、重複する車両情報をサーバ10側で容易に整理することができる。
また、制御部74は、第1車両情報及び第2車両情報が同一の車両14の同一のドライブの車両情報である場合に、第2車両情報記憶部78cから第1車両情報記憶部78bへの車両情報のコピーを禁止し、一方で、重複時間Tdが存在しない場合には、第2車両情報記憶部78cから第1車両情報記憶部78bへの車両情報のコピーを実行する。これにより、第1車両情報の一部が欠落していても、車両情報を確実に収集することができる。
また、携帯無線端末16を所有するドライバーは、主として、携帯無線端末16を確認する傾向にある。そのため、制御部74は、携帯無線端末16からの第1車両情報を優先して採用し、採用した第1車両情報に基づき所定の情報(ルート情報や給油及び修理に関する情報)を生成して、生成した情報を車両14及び携帯無線端末16に送信すれば、当該ドライバーは、違和感を持つことなく、送信された情報を携帯無線端末16の表示部60(又はDA装置24の表示部28a)で確認することができる。
すなわち、本実施形態では、開始時刻ts1、ts2及び終了時刻tf1、tf2の時刻情報に基づいて、採用する車両情報をサーバ10側で判断することにより、ドライバーに違和感を持たせないような車両情報の選択が可能となる。
また、制御部74は、第2車両情報記憶部78cから第1車両情報記憶部78b及び採用車両情報記憶部78aに第2車両情報のコピーを実行した後に、同一の車両14の同一ドライブの第1車両情報を通信部72が携帯無線端末16から受信しても、受信した第1車両情報を第1車両情報記憶部78bにコピーさせないようにしている。これにより、同じドライブの車両情報が重複登録されることを防止して、サーバ10の運用コストを低減することができると共に、車両情報の整合性を確保することができる。
さらに、制御部74は、採用車両情報記憶部78aに記憶された車両情報(第1車両情報記憶部78bに記憶された第1車両情報と同じ情報)を統計処理し、統計処理後の情報を、通信部72から無線通信網18を介して車両14及び携帯無線端末16にそれぞれ配信する。これにより、ドライバーは、表示部28a、60に表示された統計処理後の情報を視認した際、違和感を持つことなく、当該情報を確認することができる。
なお、この発明は、上記した実施形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることができる。