JP2015117552A - フラップゲート - Google Patents

フラップゲート Download PDF

Info

Publication number
JP2015117552A
JP2015117552A JP2013263171A JP2013263171A JP2015117552A JP 2015117552 A JP2015117552 A JP 2015117552A JP 2013263171 A JP2013263171 A JP 2013263171A JP 2013263171 A JP2013263171 A JP 2013263171A JP 2015117552 A JP2015117552 A JP 2015117552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
door body
auxiliary
main
main weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013263171A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5503074B1 (ja
Inventor
山崎 和幸
Kazuyuki Yamazaki
和幸 山崎
光男 工藤
Mitsuo Kudo
光男 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Inovex Corp
Original Assignee
Asahi Inovex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Inovex Corp filed Critical Asahi Inovex Corp
Priority to JP2013263171A priority Critical patent/JP5503074B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5503074B1 publication Critical patent/JP5503074B1/ja
Publication of JP2015117552A publication Critical patent/JP2015117552A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Barrages (AREA)

Abstract

【課題】扉体の初期開度を大きく保ちつつも安定的なバランスを取ることができるフラップゲートを提供する。【解決手段】樋門等の構造物9における開口部91に対して扉体4を開閉させるフラップゲート1であって、前記扉体4の開閉バランスを調整するバランスウエイト5を主ウエイト6と補助ウエイト7とにより構成し、前記扉体4が全閉状態から所定の傾斜角度まで開放される範囲では前記主ウエイト6と前記補助ウエイト7とが一体的に回動し、前記扉体4が前記所定の傾斜角度以上に開放された範囲では前記補助ウエイト7を分離して前記主ウエイト6のみが回動する。【選択図】 図1

Description

本発明は、樋門や水門等の構造物の開口部を水流に応じて自動的に開閉するフラップゲートに関するものである。
従来、樋門や水門等は、排水を行うために河川や湖、海岸等に向けて開口部が設けられているとともに、その開口部には、洪水や高潮等による逆流防止を目的としたゲートが設けられている。このゲートには、管理人の手動により開閉するものも多いが、人件費等の管理コストが高いという問題や開閉作業が危険な場合もあった。
そこで、このような問題を解決するために、水流の変動に応じて自動的に開閉を行うゲートが提案されている。例えば、特開2012−57322号公報には、内水側と外水側の合流点の水路の開口端に内外水圧差により揺動する扉体を備えるフラップゲートであって、前記開口端の外側上部に設けられた回転軸と、前記回転軸の下部に設けられた揺動アームと、前記揺動アームに対して所定の角度を持って傾いて該揺動アームに取り付けられた前記扉体と、前記回転軸を挟んで扉体の反対側に設けられ、前記扉体の揺動を調整するためのバランスウェイトと、前記回転軸の外水側に設けられた調整アームと、前記調整アームに移動可能に設けられ、前記扉体の回転モーメントを調整するための調整ウェイトと、前記扉体の内側下部に設けられ、浮心が該扉体の重心に対して内側となるフロートからなるフラップゲートが開示されている(特許文献1)。
このフラップゲートによれば、ゲート全体のモーメントのバランスを微調整でき、扉体が開口端との間に十分な隙間を持つように支持され、低水位の状態でも水位の変動への反応の良好なフラップゲートを提供することができるとされている。
特開2012−57322号公報
ところで、既存のゲートは、老朽化等から交換時期に来ているものが多く、上述のとおり、人件費の問題や作業の危険を回避するため、これまでのゲートに代えて新たに自動開閉式のフラップゲートを設置したいというニーズがある。
ただし、特許文献1に記載のフラップゲートを含め、従来のフラップゲートは、図9に示すように、扉体4が上部の回転軸2を中心に前後に揺動して開口部91を閉塞する構造のため、開口部91下方の水路底部には、敷き段差10と呼ばれる段差が必要となる。この敷き段差10があれば、扉体4の開度(初期開度)がわずかでも、水路と扉体4との隙間が確保され、内水側からのわずかな排水を阻害しない。
しかし、図10に示すように、敷き段差10のない既存の水路や、新設であっても水理上の制約により敷き段差10を設けられない水路では、内水側から外水側への水の流れを阻害しないために、扉体4の初期開度を大きくとる必要がある。
また、強風により扉体とバランスウエイト5とのバランスが崩れ、前記扉体4が前記水路の出口端部にある戸当たりに衝突し、その衝撃によって騒音が生じることや前記扉体4等が破壊してしまうおそれがあり、前記扉体4が戸当たりに強く衝突しないようにできるだけ前記扉体4の初期開度を大きくしたいというニーズもある。
しかし、初期開度を大きくするために単純にバランスウエイト5を内水側に大きく傾けると、図11に示すように、前記扉体4を全開したくても前記バランスウエイト5が前記水路等の構造物9に当接してしまい充分に開放することができない。また、図12に示すように、バランスウエイト5を内水側に傾ける量を減らして扉体4等の全体の重心位置と回転軸2の中心位置とを近接させることで、扉体4の初期角度を大きくする位置でバランスを取ることも可能であるが、このバランス状態では、扉体4の動作が不安定となり、風などの外力による影響に左右されやすいという問題がある。また、河川側の水位が徐々に上昇するような場合には、図13に示すように、水圧により扉体4を閉じる力よりも、前記扉体4開く方向の浮力が大きくなり、開放された状態となって逆流を止められないという問題もある。
本発明は、以上のようなニーズおよびそれに対する問題点を解決するためになされたものであって、扉体の初期開度を大きく保ちつつも安定的なバランスを取ることができるフラップゲートを提供することを目的としている。
本発明に係るフラップゲートは、樋門等の構造物における開口部に対して扉体を開閉させるフラップゲートであって、前記扉体の開閉バランスを調整するバランスウエイトを主ウエイトと補助ウエイトとにより構成し、前記扉体が全閉状態から所定の傾斜角度まで開放される範囲では前記主ウエイトと前記補助ウエイトとが一体的に回動し、前記扉体が前記所定の傾斜角度以上に開放された範囲では前記補助ウエイトを分離して前記主ウエイトのみが回動する。
また、本発明の一様態として、前記主ウエイトが、前記扉体を支持する回転軸に設置される主ウエイト支持アームと、この主ウエイト支持アームの先端に支持される主ウエイト本体とから構成されているとともに、前記補助ウエイトが、前記回転軸に対して回動可能に設置される補助ウエイト支持アームと、この補助ウエイト支持アームの先端に支持される補助ウエイト本体とから構成されており、前記主ウエイトと前記補助ウエイトとは、前記補助ウエイト支持アームに設けられた補助ウエイト溝部と、前記主ウエイト支持アームに設けられた前記補助ウエイト溝部に嵌合可能な主ウエイト嵌合部とを嵌め合わせることで一体的に回動可能となり、前記扉体が前記所定の傾斜角度まで開放したときには前記構造物に設けられた補助ウエイトストッパーにより前記補助ウエイトのみの回動を止めることで、前記補助ウエイト溝部と前記主ウエイト嵌合部とを分離させ、前記扉体が前記所定の傾斜角度以上に開放された範囲では前記主ウエイトのみが回動するようにしてもよい。
さらに、本発明の一様態として、前記主ウエイトが前記補助ウエイトを分離する所定の傾斜角度として、前記扉体の重心の閉方向における回転モーメントと、前記主ウエイトおよび前記補助ウエイトの重心の開方向における回転モーメントとが釣り合って静止する前記扉体の初期開度に設定していてもよい。
また、本発明の一様態として、前記主ウエイトが前記補助ウエイトを分離する所定の傾斜角度を前記扉体の初期開度に設定し、前記扉体が全閉状態から前記初期開度まで開放される範囲では、前記主ウエイトおよび前記補助ウエイトを合計した重心の開方向における回転モーメントが前記扉体の重心の閉方向における回転モーメントより大きくなり、前記扉体が前記初期開度以上に開放された範囲では、前記主ウエイトのみの重心の開方向における回転モーメントが前記扉体の重心の閉方向における回転モーメントより小さくなるように設定してもよい。
さらに、本発明の一様態として、前記扉体が、揺動アームを介して回転軸に固定されているとともに、前記主ウエイト支持アームが、前記回転軸に対して回動可能に設置されており、前記扉体と前記主ウエイトとは、前記主ウエイト支持アームに設けられた主ウエイト溝部と、前記揺動アームに設けられた前記主ウエイト溝部に嵌合可能な扉体嵌合部とを嵌め合わせることで一体的に回動可能となり、前記扉体が主ウエイトのみを伴って開放されて全開よりも小さい所定の傾斜角度まで開放されたときには前記構造物に設けられた主ウエイトストッパーにより前記主ウエイトの回動を止めて前記主ウエイト溝部と前記扉体嵌合部とを分離させ、前記扉体が前記バランスウエイトによる負荷を受けずに回動するようにしてもよい。
さらにまた、本発明の一様態として、前記補助ウエイトが複数個設けられており、前記扉体が各補助ウエイト毎に設定された傾斜角度を越えて開放されると、順次、前記各補助ウエイトが前記主ウエイトから分離されて、残りの前記補助ウエイトと前記主ウエイトとにより回動するようにしてもよい。
本発明によれば、扉体の初期開度を大きく保ちつつも安定的なバランスを取ることができる。
本発明に係るフラップゲートの第一実施形態を示す側面図である。 本第一実施形態のフラップゲートを示す正面図である。 本第一実施形態のフラップゲートが全閉した状態を示す側面図である。 他の実施形態において補助ウエイトが2個設けられており、扉体が各補助ウエイト毎に設定された傾斜角度を越えて開放されると、順次、前記各補助ウエイトが前記主ウエイトから分離される状態を示す側面図である。 本第一実施形態において扉体が初期開度(第一の傾斜角度)以上に傾斜した状態を示す側面図である。 本発明に係るフラップゲートの第二実施形態を示す側面図である。 本第二実施形態のフラップゲートを示す正面図である。 本第二実施形態のフラップゲートが全開した状態を示す側面図である。 従来のフラップゲートを敷き段差のある水路に設けた状態を示す側面図である。 従来のフラップゲートを敷き段差のない水路に設けた状態を示す側面図である。 従来のフラップゲートの初期開度を大きくしたために、バランスウエイトが構造物に当接して扉体が全開しない状態を示す側面図である。 従来のフラップゲートの扉体およびバランスウエイトの全体重心位置と回転軸とを近接させ不安定なバランスになった状態を示す側面図である。 従来のフラップゲートにおいて外水側から内水側へ水流があるにもかかわらず浮力により扉体が開放している状態を示す側面図である。
以下、本発明に係るフラップゲートの第一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明に係るフラップゲートは、樋門や水門のほか、バルブや防災設備などのように、水路の開閉が必要な開口部を有する全ての構造物に適用しうるものである。また、本第一実施形態ではフラップゲート1Aを敷き段差10のない水路に適用しているが、この構成に限定されるものではなく、敷き段差10のある水路にも適用しうるものである。
本第一実施形態のフラップゲート1Aは、樋門等の構造物9における開口部91に対して扉体4を開閉させるものであって、図1および図2に示すように、主として、扉体4上方に回転自在に支持される回転軸2と、この回転軸2に固定されて揺動自在に支持される一対の揺動アーム3,3と、構造物9の開口部91を開閉可能な扉体4と、この扉体4の開閉バランスを調整するバランスウエイト5と、このバランスウエイト5を構成する補助ウエイト7の回動を停止させる補助ウエイトストッパー8とから構成されている。以下、各構成について詳細に説明する。
回転軸2は、図1および図2に示すように、一対の揺動アーム3,3を介して扉体4を揺動自在に支持するためのものである。本第一実施形態において、回転軸2は、円柱状に形成されており、構造物9の上部に設置された一対の軸受21,21によって、略水平方向に回転自在に支持されている。また、回転軸2には、一対の揺動アーム3,3が貫通された状態で固定されている。なお、一対の軸受21,21は、図1および図2に示すように、回転軸の両端近傍に設けられ、軸受固定具22を介して構造物に固定される。
一対の揺動アーム3,3は、図1および図2に示すように、同一形状に形成されており、上端部分に貫通された回転軸2に対して同じ姿勢で固定されている。このため、一対の揺動アーム3,3は、回転軸周りに揺動自在に支持されることとなる。また、各揺動アーム3の下端には、扉体4が取り付けられている。なお、揺動アーム3は、一対のものに限定されるものではなく、揺動アーム3の長さや扉体の重量等に応じて適宜選択されるものである。
扉体4は、構造物9の開口部91を開閉するためのものであり、図1および図2に示すように、開口部91を閉塞可能な寸法に形成されている。また、扉体4は、一対の揺動アーム3,3の各下端に固定され、回転軸周りに揺動自在に支持されている。さらに、扉体4の内水側面には、開口部91に設けられた戸当たり金物と水路下面との水密状態を保持するとともに、前記扉体4が閉じるときの衝撃を緩衝させるための水密ゴム41が前記扉体4の周縁部に沿って設けられている。
なお、本第一実施形態では、扉体4と揺動アーム3とを別体として形成し、溶接により一体的に固定しているが、この構成に限定されるものではなく、ボルト等によって一体的に固定してもよく、鋳造や鍛造等により一体成形してもよい。
次に、バランスウェイト5は、扉体4の開閉バランスを調整するものであり、主ウエイト6および補助ウエイト7から構成されている。
主ウエイト6は、回転軸2に設置される一対の主ウエイト支持アーム61,61と、この一対の主ウエイト支持アーム61,61の先端に支持される主ウエイト本体62とから構成されている。
一対の主ウエイト支持アーム61,61は、図1および図2に示すように、同一形状に形成されており、下端部分に貫通された回転軸2に対して同じ姿勢で固定されている。このため、一対の主ウエイト支持アーム61,61は、回転軸2周りに揺動自在に支持されることとなる。よって、本第一実施形態における主ウエイト6と、扉体4とは一体的に回動するようになっている。
また、主ウエイト支持アーム61には、後述する補助ウエイト支持アーム71に設けられた補助ウエイト溝部73とを嵌め合わせられることで、補助ウエイト7と一体的な回動を可能とする主ウエイト嵌合部63が設けられている。本第一実施形態では、図1および図2に示すように、一対の主ウエイト支持アーム61,61の上下略中央に貫通するように設けられた棒材により構成されている。
なお、主ウエイト支持アーム61は、一対のものに限定されるものではなく、主ウエイト支持アーム61の長さや主ウエイト本体62の重量等に応じて適宜選択されるものである。また、主ウエイト嵌合部63の形状は、棒材によるものに限定されるものではなく、所定の作用効果を奏するものであれば突起物等であってもよい。
主ウエイト本体62は、円柱状に形成された金属により形成されており、その両端にリング状に形成された複数枚の金属片64を設けることで、重さの調節ができるようになっている。本第一実施形態では、扉体4が所定の傾斜角度以上に開放された範囲において、主ウエイト6全体の重心による回転モーメントが、前記扉体4の重心による回転モーメントより小さくなる重さに調節されている。なお、主ウエイト本体62の素材や形状は、特に限定されるものではなく、任意の形状でよく、コンクリート製のものや水を貯留させたタンク等から構成されていてもよい。
補助ウエイト7は、図2に示すように、一対の補助ウエイト支持アーム71,71と、各々の補助ウエイト支持アーム71,71に設けられる一対の補助ウエイト本体72,72とから構成されている。また、補助ウエイト7は、扉体4が閉鎖された状態から所定の傾斜角度まで開放される範囲では、主ウエイト6と一体的に回動し、扉体4が前記所定の傾斜角度以上に開放された範囲では、主ウエイト6から分離されるようになっている。
各々の補助ウエイト支持アーム71は、その下端の軸受75によって回転軸2に対して回動自在に設けられている。このため、補助ウエイト支持アーム71は、回転軸2周りに自由に回動することができるようになっている。また、補助ウエイト支持アーム71の上下略中央には、主ウエイト支持アーム61の主ウエイト嵌合部63に嵌合しうる補助ウエイト溝部73が形成されている。補助ウエイト溝部73に主ウエイト嵌合部63が嵌め合わされることによって、補助ウエイト7が主ウエイト6の回動動作に追従し、一体的に回動できるようになっている。なお、補助ウエイト溝部73および主ウエイト嵌合部63の形状は、特に限定されるものではなく、適宜選択してよい。
補助ウエイト本体72は、主ウエイト本体62と同様に、円柱状に形成された金属により形成されており、リング状に形成された複数枚の金属片74を設けることで、重さの調節ができるようになっている。本第一実施形態では、扉体4が全閉状態から所定の傾斜角度まで開放される範囲において、主ウエイト6と補助ウエイト7とを合計した重心による回転モーメントが、前記扉体4の重心による回転モーメントより大きくなる重さに調節されている。なお、補助ウエイト本体72の形状や素材は、特に限定されるものではなく、任意の形状でよく、コンクリート製のものや水を貯留させたタンク等から構成されていてもよい。
次に、補助ウエイトストッパー8は、扉体4が所定の傾斜角度まで開放されたときに補助ウエイト7の回動を停止させるものであり、図1および図2に示すように、樋門等の構造物9に設けられている。このときの傾斜角度を以下、第一実施形態では「第一の傾斜角度」という。
本第一実施形態における第一の傾斜角度は、前記扉体4の重心の閉方向における回転モーメントと、前記主ウエイト6および前記補助ウエイト7の重心の開方向における回転モーメントとが釣り合って静止する前記扉体4の初期開度に設定されている。よって、補助ウエイトストッパー8は、扉体4が初期開度まで傾斜したときに、左右それぞれの補助ウエイト7,7と係止して、それ以上前記各補助ウエイト7,7が回動しないようになっている。
なお、初期開度の位置は、扉体4の重心の閉方向における回転モーメントが、主ウエイト6および補助ウエイト7の重心の開方向における回転モーメント以下になるように調節されていれば、各回転モーメントが釣り合って静止する位置に限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、補助ウエイト7の回動を停止させる扉体4の第一の傾斜角度と、扉体4の初期開度の位置とは、異なっていてもよい。
また、本第一実施形態における構造物9には、図3に示すように、補助ウエイト7が扉体4の開閉による反動で主ウエイト6から分離されて前方側へ転じて回動し、転倒するのを防止するため、扉体4が全閉状態の位置で前記補助ウエイト7に当接する転倒防止ストッパー11が設けられている。
また、本第一実施形態では、左右の補助ウエイト7,7が一対のウエイトとして主ウエイト6と一体的に回動し、第一の傾斜角度のときに主ウエイト6から分離されるように構成されているが、これに限定されるものではなく、分離するタイミングをずらしてもよい。例えば、図4に示すように、左右の補助ウエイトストッパー8,8の設置位置を回動方向にずらして各補助ウエイト7,7毎に主ウエイト6から離れる所定の傾斜角度を設定してもよい。これにより、前記扉体4が各補助ウエイト7,7毎に設定された傾斜角度を越えて開放されると、順次、前記各補助ウエイト7,7が前記主ウエイト6から分離されて、残りの前記補助ウエイト7と前記主ウエイト6とにより回動するようになる。
なお、補助ウエイト7の回動を停止させる第一の傾斜角度は、初期開度に限定されるものではなく、任意の傾斜角度にすることができる。また、補助ウエイト7および補助ウエイトストッパー8の数等は、2つに限定されるものではなく、1つでもよく、3つ以上であってもよい。
次に、本第一実施形態のフラップゲート1Aにおける各構成の作用について説明する。
まず、扉体4が水流の影響を受けない状態では、図1に示すように、回転軸2に対して、扉体4等の重心の閉方向における回転モーメントと、主ウエイト6および補助ウエイト7からなるバランスウェイト5の重心の開方向における回転モーメントとが釣り合う、いわゆる初期開度の位置で、扉体4が静止している。この初期開度が、主ウエイト6および補助ウエイト7の両方の重量によって大きく開口できているため、扉体4と水路底面との隙間を大きく保つことができる。これにより、水深の浅い場合であっても、水流が扉体4に干渉することなく外水側へ排水することができる。
また、初期開度でバランスしている状態において、外水側から風が吹いた場合、扉体4は風力により閉まろうとする。しかし、この初期開度から全閉になるまでは、主ウエイト6と補助ウエイト7とが一体的に回動するため、前記主ウエイト6および前記補助ウエイト7を合計した重心の開方向における回転モーメントが前記扉体4の重心の閉方向における回転モーメントより大きくなり、前記扉体4は簡単には閉まらず、所望の初期開度を保つことができる。
次に、図5に示すように、内水側から外水側へと水が流れて水位が上昇し、扉体4が水圧と浮力を受けると、扉体4は回転モーメントにより第一の傾斜角度よりも大きく傾斜する。このとき、構造物9に設けられた補助ウエイトストッパー8が補助ウエイト7に当接して回動を停止させることにより、補助ウエイト溝部73から主ウエイト嵌合部63が離れる。
つまり、扉体4が第一の傾斜角度以上に開放される範囲では、補助ウエイト7が分離されて主ウエイト6のみが扉体4と一緒に回動する。扉体4は主ウエイト6のみの開方向の回転モーメントを受けるため、バランスウエイト5全体の場合よりも開方向の回転モーメントが小さくなる。よって、主ウエイト6の開方向の回転角度が小さくなるため、主ウエイト6が構造物9に当接することを抑制することができる。また、河川側の水位が徐々に上昇するような場合においても、扉体4による閉方向の回転モーメントが大きく、前記扉体4開く方向の浮力で開放された状態になりづらくなり、逆流を止め易くなる。
なお、内水側から外水側へと水が流れる水量が減って扉体4が初期開度まで閉まると、主ウエイト嵌合部63が補助ウエイト溝部73に嵌合し、主ウエイト6と補助ウエイト7とは、再び、一体的に回動する。
次に、外水側から内水側へと水が流れて扉体4を押圧する場合、当該扉体4は、閉まる方向へ回動し、その傾斜角度は初期開度よりも小さくなる。このような扉体4が初期開度(第一の傾斜角度)から全閉する範囲までは、主ウエイト6と補助ウエイト7とは一体的に回動する。よって、主ウエイト6だけの場合よりも補助ウエイト7が加わる荷重により扉体4はゆっくり閉鎖方向へ回動し、一方、扉体4が閉まるにつれてバランスウエイト5による開放方向の回転モーメントが小さくなるので、図3に示すように当該扉体4を全閉することができる。
以上のような本第一実施形態のフラップゲート1Aによれば、以下の効果を得ることができる。
1.バランスウエイト5として主ウエイト6とともに補助ウエイト7を設けることにより扉体4の初期開度を大きくすることができるため、敷き段差10のない樋門等においても充分に大きな開口を確保できて流水することができる。
2.バランスウエイト5として主ウエイト6に補助ウエイト7を加えたため、初期開度を保持する力が強く、突風や高波によって扉体4が開口部91に衝突するのを抑制することができる。
3.扉体4の開閉位置に応じてバランスウエイト5の重さを自動的に変更できるので、前記扉体4の開閉速度や開閉力を適宜調整することが可能となり、開閉動作をスムーズに行うことができる。
次に、本発明に係るフラップゲートの第二実施形態について図面を用いて説明する。なお、本第二実施形態のフラップゲート1Bのうち、上述した第一実施形態の構成と同等または相当する構成については、再度の説明を省略する。
本第二実施形態のフラップゲート1Bの特徴は、第一実施形態の構成のうち、扉体4が全開に近い所定の傾斜角度に開いたときに、扉体4から主ウエイト6を分離して当該扉体4のみにより回動する点にある。具体的には、本第二実施形態のフラップゲート1Bにおける一対の主ウエイト支持アーム61,61は、その下端の軸受66によって回転軸2に対して回動可能に設置されている。また、図6および図7に示すように、揺動アーム3および主ウエイト支持アーム61,61には、後述する扉体嵌合部31と嵌合可能な主ウエイト溝部65が設けられている。
また、本第二実施形態における扉体4を支持している揺動アーム3,3には、図7に示すように、各揺動アーム3,3に架設されるように設けられた棒材からなる扉体嵌合部31が設けられており、前記主ウエイト溝部65と嵌合可能な寸法に形成されている。なお、扉体嵌合部31および主ウエイト溝部65の形状は、特に限定されるものではなく、適宜選択してよい。
さらに、本第二実施形態における構造物9には、図6に示すように、所定の開度において主ウエイト6を伴う回動を停止するための主ウエイトストッパー12が設けられている。この主ウエイトストッパー12は、扉体4が主ウエイト6のみを伴って回動し、全開よりも小さい所定の傾斜角度まで前記扉体4が開放されたとき、主ウエイト6に当接してそれ以上回動しないように支持する。このときの扉体4の傾斜角度を本第二実施形態では第二の傾斜角度と呼ぶ。よって、扉体4が第二の傾斜角度まで開放されたときに、扉体嵌合部31を主ウエイト溝部65から分離させる。第二の傾斜角度をどの位置に設定するかは、特に限定されるものではないが、本第二実施形態では、扉体4が全開する手前に設けることが好ましく、これにより主ウエイト6が構造物9に当接するのを防止できる。
次に、本第二実施形態のフラップゲート1Bにおける各構成の作用について説明する。
本第二実施形態のフラップゲート1Bでは、扉体4が全閉位置から第一の傾斜角度(初期開度)まで開く範囲においては、主ウエイト6および補助ウエイト7とともに一体的に回動する。次に、扉体4が第一の傾斜角度(初期開度)から第二の傾斜角度まで開く範囲においては、補助ウエイト7が分離されており、主ウエイト6のみの重量によって扉体4は回動する。したがって、全閉位置から前記第二の傾斜角度までは、扉体嵌合部31が主ウエイト溝部65に嵌った状態にあり、扉体4は主ウエイト6と一体的に回動する。
次に、扉体4が第二の傾斜角度から全開位置までの範囲で回動する場合、図8に示すように、主ウエイトストッパー12が主ウエイト6に当接してその回動を止め、扉体嵌合部31が主ウエイト溝部65から離れる。したがって、前記扉体4が内水側からの排水による水圧で第二の傾斜角度以上まで開放されても、前記バランスウエイト5に水圧による過負荷を及ぼさない。
以上、本第二実施形態のフラップゲート1Bによれば、扉体4が全開する手前である第二の傾斜角度を越えて開いたときに、前記扉体4から主ウエイト6を分離させて当該主ウエイト6が構造物9に当接しないように保持し、前記扉体4のみで全開することができる。
なお、本発明に係るフラップゲートは、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、図示しないが、扉体4に任意の浮力を生じさせるフロートを設けて、扉体4にかかる浮力を調節するようにしてもよい。
1A,1B フラップゲート
2 回転軸
3 揺動アーム
4 扉体
5 バランスウェイト
6 主ウエイト
7 補助ウエイト
8 補助ウエイトストッパー
9 構造物
10 敷き段差
11 転倒防止ストッパー
12 主ウエイトストッパー
21 軸受
22 軸受固定具
31 扉体嵌合部
41 水密ゴム
61 主ウエイト支持アーム
62 主ウエイト本体
63 主ウエイト嵌合部
64 金属片
65 主ウエイト溝部
66 軸受
71 補助ウエイト支持アーム
72 補助ウエイト本体
73 補助ウエイト溝部
74 金属片
75 軸受
91 開口部

Claims (6)

  1. 樋門等の構造物における開口部に対して扉体を開閉させるフラップゲートであって、
    前記扉体の開閉バランスを調整するバランスウエイトを主ウエイトと補助ウエイトとにより構成し、前記扉体が全閉状態から所定の傾斜角度まで開放される範囲では前記主ウエイトと前記補助ウエイトとが一体的に回動し、前記扉体が前記所定の傾斜角度以上に開放された範囲では前記補助ウエイトを分離して前記主ウエイトのみが回動する、前記フラップゲート。
  2. 前記主ウエイトが、前記扉体を支持する回転軸に設置される主ウエイト支持アームと、この主ウエイト支持アームの先端に支持される主ウエイト本体とから構成されているとともに、
    前記補助ウエイトが、前記回転軸に対して回動可能に設置される補助ウエイト支持アームと、この補助ウエイト支持アームの先端に支持される補助ウエイト本体とから構成されており、
    前記主ウエイトと前記補助ウエイトとは、前記補助ウエイト支持アームに設けられた補助ウエイト溝部と、前記主ウエイト支持アームに設けられた前記補助ウエイト溝部に嵌合可能な主ウエイト嵌合部とを嵌め合わせることで一体的に回動可能となり、
    前記扉体が前記所定の傾斜角度まで開放したときには前記構造物に設けられた補助ウエイトストッパーにより前記補助ウエイトのみの回動を止めることで、前記補助ウエイト溝部と前記主ウエイト嵌合部とを分離させ、前記扉体が前記所定の傾斜角度以上に開放された範囲では前記主ウエイトのみが回動する、請求項1に記載のフラップゲート。
  3. 前記主ウエイトが前記補助ウエイトを分離する所定の傾斜角度として、前記扉体の重心の閉方向における回転モーメントと、前記主ウエイトおよび前記補助ウエイトの重心の開方向における回転モーメントとが釣り合って静止する前記扉体の初期開度に設定している、請求項1または請求項2に記載のフラップゲート。
  4. 前記主ウエイトが前記補助ウエイトを分離する所定の傾斜角度を前記扉体の初期開度に設定し、前記扉体が全閉状態から前記初期開度まで開放される範囲では、前記主ウエイトおよび前記補助ウエイトを合計した重心の開方向における回転モーメントが前記扉体の重心の閉方向における回転モーメントより大きくなり、前記扉体が前記初期開度以上に開放された範囲では、前記主ウエイトのみの重心の開方向における回転モーメントが前記扉体の重心の閉方向における回転モーメントより小さくなるように設定している、請求項1または請求項2に記載のフラップゲート。
  5. 前記扉体が、揺動アームを介して回転軸に固定されているとともに、前記主ウエイト支持アームが、前記回転軸に対して回動可能に設置されており、
    前記扉体と前記主ウエイトとは、前記主ウエイト支持アームに設けられた主ウエイト溝部と、前記揺動アームに設けられた前記主ウエイト溝部に嵌合可能な扉体嵌合部とを嵌め合わせることで一体的に回動可能となり、
    前記扉体が主ウエイトのみを伴って開放されて全開よりも小さい所定の傾斜角度まで開放されたときには前記構造物に設けられた主ウエイトストッパーにより前記主ウエイトの回動を止めて前記主ウエイト溝部と前記扉体嵌合部とを分離させ、前記扉体が前記バランスウエイトによる負荷を受けずに回動する、請求項1から請求項4のいずれかに記載のフラップゲート。
  6. 前記補助ウエイトが複数個設けられており、前記扉体が各補助ウエイト毎に設定された傾斜角度を越えて開放されると、順次、前記各補助ウエイトが前記主ウエイトから分離されて、残りの前記補助ウエイトと前記主ウエイトとにより回動する、請求項1から請求項5のいずれかに記載のフラップゲート。
JP2013263171A 2013-12-20 2013-12-20 フラップゲート Active JP5503074B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013263171A JP5503074B1 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 フラップゲート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013263171A JP5503074B1 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 フラップゲート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5503074B1 JP5503074B1 (ja) 2014-05-28
JP2015117552A true JP2015117552A (ja) 2015-06-25

Family

ID=50941811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013263171A Active JP5503074B1 (ja) 2013-12-20 2013-12-20 フラップゲート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5503074B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105200963A (zh) * 2015-10-13 2015-12-30 浙江水利水电学院 弧形闸门配重调节启闭装置及闸门启闭方法
WO2019116677A1 (ja) * 2017-12-13 2019-06-20 日立造船株式会社 起伏ゲート
WO2020196290A1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 旭イノベックス株式会社 フラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲート

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109252779A (zh) * 2018-10-18 2019-01-22 上海东富龙制药设备制造有限公司 一种新型小门传动机构

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000328545A (ja) * 1999-05-19 2000-11-28 Asahi Tekkosho:Kk オートゲート
JP2012057322A (ja) * 2010-09-07 2012-03-22 Myuuron:Kk フラップゲート

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105200963A (zh) * 2015-10-13 2015-12-30 浙江水利水电学院 弧形闸门配重调节启闭装置及闸门启闭方法
WO2019116677A1 (ja) * 2017-12-13 2019-06-20 日立造船株式会社 起伏ゲート
WO2020196290A1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 旭イノベックス株式会社 フラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲート
JP6775268B1 (ja) * 2019-03-22 2020-10-28 旭イノベックス株式会社 フラップゲート用水密構造体およびこれを備えたフラップゲート

Also Published As

Publication number Publication date
JP5503074B1 (ja) 2014-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5905152B1 (ja) フラップゲート
JP5503074B1 (ja) フラップゲート
JP5503072B1 (ja) フラップゲート
WO2017159212A1 (ja) フラップゲート及びゲート設備
JP4486162B1 (ja) フラップゲート
KR101475379B1 (ko) 조류와 파도를 이용한 모래 이동장치
JP2010265618A (ja) 起伏式防波装置
JP5697695B2 (ja) 引上げ式フラップインゲート
AU2020246272B2 (en) Watertight structure for flap gate and flap gate comprising same
JP2017119983A (ja) フラップゲート
JP2012057322A (ja) フラップゲート
JP5203536B1 (ja) フラップゲート
JP5980387B2 (ja) 防波扉および防波扉設置方法
JP2002285533A (ja) 無動力式ゲート
JP5503075B1 (ja) フラップゲート
GB2466978A (en) Gate for controlling the flow of water through a flood defence
JP4496487B2 (ja) ハイストローク・ラジアルゲート
JP5611806B2 (ja) ゲートの軸受け構造
JP2010185183A (ja) 簡易チェックゲート
JP7053060B2 (ja) フラップゲート
KR100778151B1 (ko) 부력식 어도
JP7256533B2 (ja) フラップゲート用ヒンジ装置
KR20090123666A (ko) 자동회전 수문장치
JP6382094B2 (ja) 陸上型浮体式フラップゲート
JP3188933U (ja) フラップゲート

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5503074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250