JP2015116254A - 被検体情報取得装置および音響波受信装置 - Google Patents

被検体情報取得装置および音響波受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ファブリペロー型探触子を用いた音響波受信において、測定光のずれを抑制するための技術を提供する。
【解決手段】出射端から測定光を照射する測定光源108と、音響波が入射する第1のミラーと、測定光が入射する第2のミラーを含むファブリペロー型干渉計106と、アレイ状に開口部を設けられたマスク107と、測定光がファブリペロー型干渉計で反射した反射光を検出する光センサ111と、励起光を照射する励起光源101と、励起光を照射された被検体から発生して第1のミラーに入射した光音響波による反射光の変化を光センサが検出した結果に基づき、被検体内の特性情報を取得する処理部112を有し、マスクは、第1のミラーのうち音響波が入射する面とは反対側の面よりも出射端の側に配置され、マスクは、測定光を吸収する素材からなる被検体情報取得装置を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検体情報取得装置および音響波受信装置に関する。
一般に、エックス線、超音波、MRI(核磁気共鳴法)を用いたイメージング装置が医療分野で多く使われている。一方、レーザなどの光源から照射した光を生体などの被検体内に伝播させ、その伝播光等を検知することで、生体内の情報を得る光イメージング装置の研究も医療分野で積極的に進められている。このような光イメージング技術の一つとして、光音響イメージング技術が提案されている。
光音響イメージングにおいては、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、被検体内で伝播・拡散した光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波(以降、光音響波とも呼ぶ)を複数の個所で検出する。それら音響波に基づく信号を解析処理することで、被検体内部の光学特性値に関連した情報が可視化される。その結果、被検体内の光学特性値分布、特に光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。
音響波の検出器としては、圧電現象を用いたトランスデューサーや容量の変化を用いたトランスデューサーが挙げられる。さらに近年、光の共振を用いた検出器が開発されている(非特許文献1)。
平行な2枚の反射板の間で光を共振させる構造をファブリペロー型干渉計という。ファブリペロー型干渉計を利用した音響波検出器はファブリペロー型探触子と呼ばれる。ファブリペロー型探触子は、二枚のミラー(以降、共振ミラーと呼ぶ)が高分子膜を挟んだ構造をとる。弾性波が入射した際に、弾性波が入射する側のミラーが高分子膜の膜厚方向に変形し、二枚のミラー間の距離(以降、キャビティー長と呼ぶ)が変化する。この際に生じる反射率の変化を検出することで、入射した弾性波を検出できる。
この際、反射率を測定するための測定光が照射されているエリアが受信領域となる。すなわち、ファブリペロー型探触子における受信領域は、圧電型探触子における1素子サイズに相当する。ファブリペロー型探触子は広帯域であり、さらに受信領域を小さくした際の感度の低下を抑制できるため、高分解能なイメージングが可能となる。
ところで、イメージング装置を実用化するにあたって、短時間にイメージングを行うことが重要である。特に医療現場などで生体を被検体とする場合、イメージングを短時間に行い被検者の負担を軽減することが、実用化に向けて必要となる。
イメージングを短時間に行うためには、短時間でのデータ取得を行う必要がある。しかし、光音響波の二次元分布データを取得するために、1つの探触子をラスタースキャンすると、データ取得に多大な時間を要する。
そこで、光の共振を用いた検出器においては、弾性波の二次元分布を一括に取得するために、二次元アレイ型センサとしてCCDカメラを用いてファブリペロー型干渉計に照射した超音波の音圧を検出した報告例もある(非特許文献2)。
ここで、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical−cavity Surface−emitting Laser:VCSEL)と呼ばれる半導体レーザについて説明する。通常の端面発光型の半導体レーザは、その基板の端面から光を出射するのに対して、VCSELは、基板に垂直方向に光を出射する(特許文献1)。また、これを半導体基
板上に2次元に配置した例もある。以降、このように2次元もしくは1次元にアレイ化されたレーザの中の1つのレーザ(1つの発光点)を発光素子と呼ぶ。
ファブリペロー型探触子のキャビティー長にはばらつきがあるため、感度を最適に保つには、ファブリペロー型探触子上の位置に応じて測定光の波長を変化させる必要がある。
ここで、2次元に配置したVCSELは発光素子ごとに独立駆動させることが可能であるため、発光素子ごとに出射光の波長を制御できる。つまり、VCSELアレイと二次元アレイ型センサを用いることで、キャビティー長にあるばらつきを補正して、弾性波の二次元分布を一括に取得することが可能となる。
米国特許出願公開第2009/0135872号公報
ファブリペロー型探触子は光を媒体として音響波を検出するため、レーザや複数の光学部品や光センサを使用する。そのため、正確に音響波の分布を得るためには、これらの光学系が常に最適な位置に配置されている必要がある。
しかし、ファブリペロー型探触子を、臨床現場で使用されている超音波診断装置などに用いた場合、探触子のハンドリングの際に機械振動が発生する。また落下衝撃などが生じると非常に強い機械振動が生じる。光学部品等の位置が機械的振動によってずれてしまうと正確な音響波分布が得られず、画像が劣化してしまう。
特に、測定光のファブリペロー型探触子上での照射位置がずれると、被検体と受信素子位置との面内方向の相対的な位置関係がずれてしまうため、画像が劣化する。
また、各光スポットの間隔がずれると、受信素子の間隔が変化してしまうことになり、得られた信号から画像を構成する際に画質が劣化してしまう。
さらに、光学系のずれにより被検体と測定光のスポット位置の、垂直方向の相対的な位置関係がずれてしまうと、ファブリペロー型探触子上でのスポット径が一定に定まらなくなる。その結果、受信素子のサイズが変化し分解能の再現性が得られなくなる。また、受信素子のサイズ変化は音響波の受信に対する素子の指向性の変化を引き起こすことにもなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ファブリペロー型探触子を用いた音響波受信において、測定光のずれを抑制するための技術を提供することにある。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
出射端から測定光を照射する測定光源と、
音響波が入射する第1のミラーと、前記測定光が入射する第2のミラーにより構成されるファブリペロー型干渉計と、
アレイ状に開口部を設けられたマスクと、
前記測定光が前記ファブリペロー型干渉計で反射した反射光を検出する光センサと、
励起光を照射する励起光源と、
前記励起光を照射された被検体から発生して前記第1のミラーに入射した光音響波による前記反射光の変化を前記光センサが検出した結果に基づき、前記被検体内の特性情報を取得する処理部と、
を有し、
前記マスクは、前記第1のミラーのうち前記音響波が入射する面とは反対側の面よりも前記出射端の側に配置され、
前記マスクは、前記測定光を吸収する素材からなる
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
出射端から測定光を照射する測定光源と、
前記被検体に音響波を送信するトランスデューサーと、
音響波が入射する第1のミラーと、前記測定光が入射する第2のミラーにより構成されるファブリペロー型干渉計と、
アレイ状に開口部を設けられたマスクと、
前記測定光が前記ファブリペロー型干渉計で反射した反射光を検出する光センサと、
前記トランスデューサーから送信されたのち前記被検体内で反射して前記第1のミラーに入射した音響波による前記反射光の変化を前記光センサが検出した結果に基づき、前記被検体内の特性情報を取得する処理部と、
を有し、
前記マスクは、前記第1のミラーのうち前記音響波が入射する面とは反対側の面よりも前記出射端の側に配置され、
前記マスクは、前記測定光を吸収する素材からなる
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
出射端から測定光を照射する測定光源と、
音響波が入射する第1のミラーと、前記測定光が入射する第2のミラーにより構成されるファブリペロー型干渉計と、
アレイ状に開口部を設けられたマスクと、
前記測定光が前記ファブリペロー型干渉計で反射した反射光を検出する光センサと、
を有し、
前記マスクは、前記第1のミラーのうち前記音響波が入射する面とは反対側の面よりも前記出射端の側に配置され、
前記マスクは、前記測定光を吸収する素材からなる
ことを特徴とする音響波受信装置である。
本発明によれば、ファブリペロー型探触子を用いた音響波受信において、測定光のずれを抑制するための技術を提供できる。
イメージング装置の構成の一例を示す図 ファブリペロー型探触子とマスクの構成の一例を示す図 マスクの光学特性を示す図 マスクによる面内方向の光学ずれに対する効果を示した図 マスクによる垂直方向の光学ずれに対する効果を示した図 イメージング装置の構成の一例を示す図 イメージング装置の構成の一例を示す図 ファブリペロー型探触子とマスクの構成の一例を示す図
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明の音響波受信装置は、被検体に光(電磁波)を照射し、光音響効果に従って被検体内で発生して伝搬した音響波を受信(検出)する、光音響トモグラフィー技術を利用したイメージング装置を含む。本発明の音響波受信装置はまた、被検体に超音波等の音響波を送信し、被検体内部で反射し伝播した反射波(エコー波)を受信する、超音波エコー技術を利用したイメージング装置を含む。そして本発明の被検体情報取得装置は、上記の音響波受信装置を含み、その音響波を用いて被検体内の特性情報を取得する。
前者の光音響効果を利用した装置の場合、特性情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布を示す。組織を構成する物質とは、例えば、酸素飽和度分布や酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などの血液成分、あるいは脂肪、コラーゲン、水分などである。
後者の超音波エコー技術を利用した装置の場合、特性情報とは、被検体内部の組織の音響インピーダンスの違いを反映した情報である。
本発明の音響波受信装置では特に、光音響波を受信する受信素子(探触子、トランスデューサー)としてファブリペロー型干渉計を用いたものを好適に利用できる。以下の記載においては取得した情報に基づき画像データを生成し表示するイメージング装置について説明する。ただし本発明に係る装置は、必ずしも特性情報を表示する必要はなく、利用可能なデータとして保存しておいても良い。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。光音響効果により発生した音響波のことを、光音響波または光超音波と呼ぶ。探触子により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。本発明は音響波受信装置または被検体情報取得装置の作動方法、制御方法としても捉えられる。本発明はまた、作動方法や制御方法を情報処理装置等に実施させるプログラムとしても捉えられる。
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1について、図面を参照しながら説明する。
なお、本発明における測定光とは、ファブリペロー型干渉計に入射する入射光、およびファブリペロー型干渉計でフォトダイオードに導かれる反射光を含むものである。測定光は、光音響効果を利用して音響波を発生させるために被検体に照射する励起光とは区別される。
(装置構成)
図1は、本実施形態におけるイメージング装置の構成例を説明する図である。
本実施形態のイメージング装置は、励起光源101を備える。励起光源101は、被検体102に励起光103を照射する。その結果、被検体の内部もしくは表面における光吸収体104が光のエネルギーの一部を吸収することによって、光音響波105が発生する。被検体内部の光吸収体としては腫瘍、血管などが挙げられる。
本実施形態の音響波受信装置は、光音響波105を検出するためのファブリペロー型探触子106を備える。また、ファブリペロー型探触子106にはアレイ状に開口部を持つマスク107が配置されている。ファブリペロー型探触子106は、測定光源であるアレイ光源108の出射端から測定光109を照射することによって、マスク107の開口部における光音響波105の音圧を検出できる。
音響波受信装置はまた、アレイ光源108から出射する測定光109の波長を1素子または複数素子ごとに制御する制御部110を備える。
音響波受信装置はまた、マスク107の開口部を通ってファブリペロー型探触子106の共振ミラーに入射した測定光109の反射光量を測定し、電気信号に変換するための光センサ111を備える。
以上が音響波受信装置の基本的な構成要素である。
上記音響波受信装置に、さらに処理部112と表示部113を追加することによって、イメージング装置(被検体情報取得装置)が構成される。処理部112は光センサ111で得られた電気信号に対し解析等の信号処理を施す。表示部113は処理部で得られた光学特性値分布等の被検体情報を表示する。
以上が本実施形態の音響波受信装置を含む、イメージング装置の基本的な構成である。
(光源と光出射)
アレイ光源108としては、光を出射する際に、1素子または複数素子ごとに波長を制御できる、波長可変レーザが好適に用いられる。また、音響波がファブリペロー型探触子106に入射した際の反射率変化を大きくするために、アレイ光源108はシングルモードで動作することが望ましい。アレイ光源は、本発明の測定光源に相当する。
また、アレイ光源108は少なくとも、ファブリペロー型探触子106のFSR(Free Spectol Range)以上の波長範囲で、波長を変化させられることが望ましい。FSRとは隣り合う、共振波長間の波長間隔のことである。
また、アレイ光源108は短時間に波長可変を行えることが好ましい。
また、アレイ光源108として一次元アレイレーザーもしくは二次元アレイレーザーを用いると、データ取得の短時間化などに効果がある。
上記のような要件に適したアレイ光源108として、面発光レーザ(VCSEL)アレイがある。
アレイ光源108で生成した測定光109は、光学系114を通って集光されてファブリペロー型探触子106に入射する。
光学系114によって、ファブリペロー型探触子106上での測定光109のスポットサイズや照射間隔が決まる。その際、測定光109がマスク107の開口の位置に照射されるような光学系を用いる。このような光学系114としてテレセントリックレンズを用いることができる。
(マスクおよび探触子)
図2(a)は、本実施形態におけるマスク107を備えたファブリペロー型探触子10
6を説明する図である。マスク107にはアレイ状に配置された開口201が設けられている。マスク107は第2のミラー203と基板205の間に配置されている。開口201は、本発明の開口部に相当する。
なお本発明の効果を得るために、ファブリペロー型干渉計におけるマスク107の形成位置は、音響波が入射する側の第1のミラー202の、共振ミラー内部側の面か、その面よりもアレイ光源の寄りの位置(すなわち出射端の側)とすることが好ましい。より好ましくは、マスク107を、測定光の入射する側の第2のミラー203のいずれかの面か、基板の共振ミラーとは反対側の面上に形成する。
第1のミラー202と第2のミラー203の材料としては、誘電多層膜や金属膜を使用できる。ミラーの間にはスペーサー膜204が存在する。スペーサー膜204としては、弾性波がファブリペロー型探触子に入射した際のひずみが大きいものが好ましく、例えば有機高分子膜が用いられる。有機高分子膜としてはパリレン、SU8、またはポリエチレンなどを使用できる。ただし、スペーサー膜204として、音波を受信したときに膜厚方向に変形する膜であれば、無機膜を用いても構わない。
しかし、有機高分子膜を成膜する際に、膜厚のばらつきが生じやすい。キャビティー長にばらつきが存在する場合、探触子面内の音響波の受信感度を一定に保つには、探触子面内において、キャビティー長のばらつきに対して、測定光の波長を位置ごとに調整する必要がある。さらに受信感度を上げるためには、各々の位置において探触子面内の音響波の受信感度が最大となるように測定光の波長を合わせることが好ましい。
ファブリペロー型探触子は、測定光が入射する側の面以外は保護膜で覆われていることが好ましい。保護膜としてはパリレンなどの有機高分子膜やSiOなどの無機膜を薄膜形成した物が用いられる。
基板205にはガラスやアクリルを使用できる。その際、基板205内での光の干渉による影響を減らすために、基板205は楔形であることが好ましい。さらに、基板205表面における光の反射を避けるために、測定光が入射する側の面にはARコート処理を施すことが好ましい。
図2(b)はマスク107を測定光109の入射する側から見た図である。アレイ状に開口201が設けられている。
本実施形態では図2(b)のようなマスクを図示した。しかし、開口の数や配置は、測定対象や測定範囲に応じて任意に形成すれば良い。
測定光109はマスク107の開口201の位置に照射される。開口201における測定光109のビーム径は、開口201のサイズよりも大きいことが好ましい。この際、開口を通ってファブリペロー型探触子106の共振ミラーに照射される測定光109のスポット径は開口201のサイズによって決まるため、開口201のサイズによりファブリペロー型探触子106の1つの受信素子の受信面積が決まる。よって必要な分解能によって開口201のサイズを決める必要がある。
図3(a)に示したように、測定光109はマスク107の開口201以外の部分は透過しない。また、マスク107の開口201以外の部分で測定光109が反射してしまうと、ファブリペロー型探触子106で反射した測定光109の検出を妨げるため、マスク107の材料は測定光109を吸収するものを用いる。なお、マスク107の材料は、測定光109に対する透過率が1.0%以下になるものを用いることが好ましい。マスク107の材料は、測定光109に対する透過率が0.5%以下になるものを用いることがさらに好ましい。このような材料として染料や顔料などの色素が使用できる。
また本実施形態では、図3(b)に示したように、被検体102に励起光103をファブリペロー型探触子106側から照射するため、マスク107には励起光103を透過する材料を用いる。なお、マスク107の材料は、励起光103に対する透過率が90%以上になるものを用いることが好ましい。また、マスク107の材料は、励起光103に対する透過率が95%以上になるものを用いることがさらに好ましい。
しかし、本実施形態とは異なり被検体102に対してファブリペロー型探触子106と反対側から励起光103を照射する場合など、ファブリペロー型探触子106を通さずに励起光103を被検体102に照射することも可能である。その場合はマスク107に励起光103を透過する材料を用いる必要はない。
マスク107を第2のミラー203と基板205の間に設けるために、ファブリペロー型探触子106の基板205上にマスクを成膜する手法が利用できる。このような手法として、公知の表示素子用カラーフィルタパターニング技術を利用できる。例えばスピンコート法もしくは印刷法を用いて基板上に光感光性を有する色素材料を形成し、その後開口部がパターニングされているフォトマスクを用いて紫外線を照射することにより、色素膜上に開口部を作製できる。
この他、インクジェット技術を用いてファブリペロー型探触子106に色素をパターニングする手法も使用できる。
これらの手法により基板上にマスクを形成したのち、第2のミラー203、スペーサー膜204、第1のミラー202さらには保護膜(図示せず)の順に成膜する。これにより、図2(a)に示すような、マスク107を備えたファブリペロー型探触子106を作製できる。
(動作および効果)
図4は、面内方向の光学的な位置ずれを、本実施形態のマスクを用いて抑制する手法を説明する図である。
図4(a)には比較例として、マスクを持たないファブリペロー型探触子を示す。診断の際、探触子に機械的振動を与えることにより、点線で示した測定光401が測定光402の位置にずれたとする。符号403は、この際の、ミラー203上での光スポットの面内方向の位置ずれを表している。
このように、光スポットの位置がずれることは、探触子の受信素子の位置がずれることを意味する。その結果として被検体と探触子の位置関係が測定中にずれてしまい、再構成した画像にブレなどの不具合が生じることになる。
また、光スポットの間隔がずれると、受信素子の間隔が変化してしまうことになり、得られた信号から画像を構成する際に画質が劣化してしまう。
また落下衝撃などにより光学系が歪んでも同様の問題が生じ、所望の画像が得られない。
一方、図4(b)は本実施形態の効果を示す図であり、マスク107を有するファブリペロー型探触子を用いている。測定光404が測定光405の位置にずれても、符号406に示すようにミラー203上での光スポットの面内方向の位置ずれは生じない。また、各光スポットの間隔も一定になる。これにより、機械振動などが取得データに与える影響を抑制し、画像の劣化を防ぐことが可能となる。
図5は、測定光の入射方向の光学的な位置ずれ(受信面に交差する方向でのずれ)を、本実施形態のマスクを用いてよく制する手法を説明する図である。
図5(a)には比較例として、マスクを持たないファブリペロー型探触子を示す。点線で示した測定光501が測定光502の位置にずれたとする。符号503は、この際に、ミラー203上で光スポットのスポット径が変化したことを示している。
このように、スポット径が変化することは、探触子の受信素子のサイズが変化することを意味する。その結果として測定中に画像の分解能が変化してしまう。また、受信素子のサイズ変化は音響波の受信に対する素子の指向性の変化を引き起こすことにもなる。
一方、図5(b)は本実施形態の効果を示す図であり、マスク107を有するファブリペロー型探触子を用いている。測定光504が測定光505の位置にずれても、506に示すようにミラー203上での光スポットのスポット径は変化しない。これにより、機械振動などによるスポット径の変化を抑え、画像の分解能の再現性が向上する。
また、スポット径の変化が抑えられて受信素子のサイズが一定に保たれることにより、素子指向性の変化を抑制できる。
このように、ファブリペロー型探触子106にマスク107を設けることにより、光学系などに起因する測定光のずれを抑制できるようになる。その結果、分解能の再現性を向上させると共に、画像のブレを低減できる。
本実施形態では、図2(a)のように、マスク107は第2のミラー203と基板205の間に配置した構成を示した。ただし、マスク107は必ずしもこの位置にある必要はない。たとえば、図8に示すように、基板205の共振ミラーとは反対側(測定光が入射する側)の面上にマスク107を配置しても、同様の効果を得ることが可能である。この場合も表示素子用カラーフィルタパターニング技術を利用することでマスク107を作製できる。
ファブリペロー型探触子に第1のミラー202の側から音響波が入射すると、第1のミラー202は変形し、この際の膜厚方向への変形により、第1のミラー202と第2のミラー203とのキャビティー長が変化する。
(好ましい構成の例)
アレイ型光センサ111としては、二次元アレイ型、一次元アレイ型の光センサ、フォトダイオードを使用できる。アレイ型の光センサとしては、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等がある。ただし、ファブリペロー型探触子106に光音響波105が入射した際の、測定光109の反射光量を測定し電気信号に変換できるものであれば、これ以外の光センサでも構わない。
なお、マスク107の開口を通過して共振ミラーによって反射した測定光109を、光センサ111に導くための光学系として、ハーフミラー115が用いられる。これらは、ファブリペロー型探触子106における反射光量を測定できるような構成であれば良い。例えば、ハーフミラー115の代わりに偏光ミラーと波長板を用いる構成を採ることもできる。
被検体102へ照射する励起光103は、被検体102を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特性の波長の光を用いる。励起光103にはパルス光を利用できる。パルス光は、数ピコから数百ナノ秒オーダーのものが好適であり、被検体が生体の場合には数ナノから数十ナノ秒のパルス光を採用することが特に好ましい。励起光103を発生する励起光源101としてはレーザが好ましいが、レーザの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプなどを用いても良い。
レーザとしては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なレーザを使用できる。発振する波長の変換可能な色素レーザやOPO(Optical Parametric Oscillators)レーザ、またはチタンサファイヤレーザ、アレキサンドライトレーザなどを用いれば、光学特性値分布の波長による違いを測定可能になる。
使用する光源の波長に関しては、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの領域が好ましい。しかし上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば200nmから1600nmの紫外から中赤外に至る波長領域、さらにはテラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
被検体102から生じる光音響波105を効率的にファブリペロー型探触子106で検出するために、被検体102とファブリペロー型探触子106との間には音響結合媒体を使うことが望ましい。例えば、被検体102とファブリペロー型探触子106との間に、音響インピーダンスマッチングジェルを塗る。また、音響結合媒体として水を用いることも可能である。またマッチングジェルや水を塗布する代わりに、被検体を入れた容器中に満たす構成を採用し得る。
人体の一部を被検体とする測定など、装置を医療用途に用いる際は、被検体である患部に音響インピーダンスマッチングジェルを塗り、その上にファブリペロー型探触子106を接するように配置してイメージングを行う。なお音響結合媒体はマッチングジェルに限らない。
ファブリペロー型探触子106は、光音響波105を、マスク107の開口を通過した測定光109の反射光の光量変化として検出する。光センサ111はこの光量変化を電気信号に変換する。
処理部112は得られた電気信号を、アレイ光源108から出射される測定光109のビームごとの光量もしくは光量変化量を用いて規格化することが好ましい。これにより、ファブリペロー型探触子106の面内における受信感度のばらつきを抑制できる。
処理部112は、得られた電気信号の分布から光学特性値分布等の被検体情報を得るために画像再構成を行う。再構成アルゴリズムとしては、ユニバーサルバックプロジェクションや整相加算などを採用できる。
再構成を行う際は、マスク107の開口パターンの情報を用いる。例えば開口の位置情報を音響波105の受信位置として用いて計算を行う。本実施例のようなマスクを用いることで、画像再構成を行う際に必要となる受信素子間隔や指向性などのパラメータが、変化せずに一定に保たれる。したがって、これらのパラメータが再構成での入力値と実際の値が異なる場合に生じる画像の劣化を防ぐことができる。
処理部112は、光音響波105の強度を表す電気信号の時間変化の分布と測定光の光量を用いた演算により、光学特性値分布等の特性情報を求める。さらに表示部に表示するための画像データを生成することが好ましい。処理部112としては、情報処理回路やプログラムにしたがって動作する演算装置など、任意のものを利用できる。
励起光101として複数の波長の光を用いた場合は、それぞれの波長に関して、生体内の光学係数を算出し、それらの値と生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)固有の波長依存性とを比較する。これによって、生体を構成する物質の濃度分布を画像化することも可能である。
また、被検体情報取得装置は、信号処理により得られた画像情報を表示する表示部113を備えることが望ましい。表示部としてはモニター等、任意のディスプレイを利用できる。
以上のようなイメージング装置を用いることで、ファブリペロー型探触子を用いた音響波受信において、測定光のずれを抑制できるようになる。したがって、ファブリペロー型探触子106を用いたイメージングにおいて、分解能の再現性を向上すると共に、画像のブレを低減することが可能となる。
[実施形態2]
図6は、本実施形態におけるイメージング装置の構成例を説明する図である。
本実施形態のイメージング装置は、アレイ光源ではない光源と、前記光源で生成される測定光をファブリペロー型探触子上で走査するするスキャン機構を用いて音響波の受信を行う。実施形態1と同様の構成については、詳細な説明は省略する。
(装置構成)
本実施形態のイメージング装置は、励起光源601を備える。励起光源601は、被検体602に励起光603を照射する。その結果、被検体の内部もしくは表面における光吸収体604が光のエネルギーの一部を吸収することによって、光音響波605が発生する。被検体内部の光吸収体としては腫瘍、血管などが挙げられる。
本実施形態の音響波受信装置は、光音響波605を検出するためのファブリペロー型探触子606を備える。また、ファブリペロー型探触子606にはアレイ状に開口部を持つマスク607が配置されている。ファブリペロー型探触子606は、測定光源である光源608の出射端から測定光609を照射することによって、マスク607の開口部における光音響波605の音圧を検出できる。
音響波受信装置はまた、スキャン機構610を備える。スキャン機構610が、測定光609をファブリペロー型探触子606上で走査することで、各開口部における光音響波605の音圧が検出される。スキャン機構は、本発明の走査手段に対応する。
音響波受信装置はまた、光源608から出射する測定光609の波長を制御する制御部611を備える。
音響波受信装置はまた、マスク607の開口を通ってファブリペロー型探触子606の共振ミラーに入射した測定光609の反射光量を測定し、電気信号に変換するための光センサ612を備える。
以上が音響波受信装置の基本的な構成要素である。
上記音響波受信装置に、さらに処理部613と表示部614を追加することによって、イメージング装置(被検体情報取得装置)が構成される。処理部613は光センサ612で得られた電気信号に対し解析等の信号処理を施す。表示部614は処理部で得られた光学特性値分布等の被検体情報を表示する。
以上が本実施形態の音響波受信装置を含む、イメージング装置の基本的な構成である。
(光源と光出射)
光源608としては、波長可変レーザを使用できる。光源608は少なくとも、ファブリペロー型探触子606のFSR(Free Spectol Range)以上の波長範囲で、波長を変化させられることが望ましい。
また、光源608は短時間に波長可変を行えることが好ましい。
上記のような要件に適した光源608として、External Cavity Laser(ECL)、分布帰還型(DFB)レーザおよび分布反射型(DBR)レーザ、面発光レーザ(VCSEL)などがある。
光源608で生成された測定光609は、スキャン機構610と光学系615を通って、ファブリペロー型探触子606に入射する。
スキャン機構610は、測定光609がマスク607の開口に照射されるように、測定光609を走査する。このようなスキャン機構610としてガルバノメーターやMEMSミラーを使用できる。スキャン機構610は制御部611によって走査位置を制御する。
また、光学系615はスキャン機構610により導かれた測定光609を集光してファブリペロー型探触子606に照射する。この際、測定光609はミラー面に対して垂直に照射されることが好ましい。このような光学系615としてアクロマティックレンズを用いることができる。
このように本実施形態では、スキャン機構610と光学系615により、測定光609の照射位置を走査して、アレイ状に配置されたマスク607の開口のそれぞれに順次入射させる。これにより、各開口位置においてファブリペロー型探触子606に入射する音響波605を検出できる。
本実施形態でも実施形態1と同様に、図2に示したようなファブリペロー型探触子とマスクを用いる。しかし、開口の数や配置は、測定対象や測定範囲に応じて任意に形成すれば良い。また、図8に示したようなファブリペロー型探触子とマスクを用いることも可能である。
測定光609はマスク607の開口の位置に照射される。開口における測定光609のビーム径は、開口のサイズよりも大きいことが好ましい。この際、開口を通ってファブリペロー型探触子606の共振ミラーに照射される測定光609のスポット径は開口のサイズによって決まるため、開口のサイズによりファブリペロー型探触子606の1つの受信素子の受信面積が決まる。よって必要な分解能によって開口のサイズを決める必要がある。
光センサ612としては、フォトダイオードを使用できる。ただし、ファブリペロー型探触子606に光音響波605が入射した際の、測定光609の反射光量を測定し電気信号に変換できるものであれば、これ以外の光センサでも構わない。光センサ612で得られた電気信号はアンプにより増幅させることが好ましい。
なお、マスク607の開口を通過してファブリペロー型探触子606の共振ミラーによって反射した測定光609を、光センサ612に導くための光学系として、ハーフミラー616が用いられる。これらは、ファブリペロー型探触子606における反射光量を測定できるような構成であれば良い。例えば、ハーフミラー616の代わりに偏光ミラーと波長板を用いる構成を採ることもできる。
(スキャン制御)
制御部611は、アレイ状に配置されたマスク607の開口の内の1つをスタート位置に設定し、始めにこの開口に測定光609が照射されるようにスキャン機構610を制御する。
次に、制御部611はファブリペロー型探触子606の受信感度が最大となるように光源608の波長を設定する。各開口位置での受信感度が最大となるような最適波長の求め
方として、波長を掃引した際の反射率の変化が最大となる波長を最適波長とするという方法が考えられる。最適波長は音響波の測定前に事前に求めておいてもよいし、音響波の測定を行いながら求めてもよい。
この状態で、励起光603から被検体602への光照射と、発生する音響波605の受信が行われる。
その後、制御部611は、次の開口の位置に測定光609が照射されるようにスキャン機構610を制御し、次の開口の位置での測定光609の最適波長を設定し、同様に音響波605を受信する。これを繰り返すことで、アレイ状に配置された開口の位置における、ファブリペロー型探触子に入射した音響波の分布を得ることができる。
以上のようなイメージング装置を用いることで、ファブリペロー型探触子を用いた音響波受信において、測定光のずれを抑制できるようになる。したがって、ファブリペロー型探触子606を用いたイメージングにおいて、分解能の再現性を向上すると共に、画像のブレを低減することが可能となる。
[実施形態3]
図7は、本実施形態におけるイメージング装置の構成例を説明する図である。
本実施形態のイメージング装置は、超音波エコー技術を用いて生体内の音響インピーダンス分布を画像化するものである。上記実施形態と同様の構成については、詳細な説明は省略する。
(装置構成)
本実施形態のイメージング装置は、被検体701に弾性波702を照射するトランスデューサー703と、トランスデューサー703を駆動するためのパルサー704を備える。
本実施形態の音響波受信装置は、ファブリペロー型探触子705を備える。ファブリペロー型探触子705は、被検体701の内部における腫瘍等の、音響インピーダンスの異なる組織の界面において反射した弾性波706を検出する。
また、ファブリペロー型探触子705にはアレイ状に開口部を持つマスク707が配置されている。ファブリペロー型探触子705は、測定光源であるアレイ光源708の出射端から測定光709を照射することによって、マスク707の開口部における弾性波706の音圧を検出できる。
音響波受信装置はまた、アレイ光源708から出射する測定光709の波長を1素子または複数素子ごとに制御する制御部710を備える。
音響波受信装置はまた、マスク707の開口部を通ってファブリペロー型探触子705の共振ミラーに入射した測定光709の反射光量を測定し、電気信号に変換するための光センサ711を備える。
以上が音響波受信装置の基本的な構成要素である。
上記音響波受信装置に、さらに処理部712と表示部713を追加することによって、イメージング装置(被検体情報取得装置)が構成される。処理部712は光センサ711で得られた電気信号に対し解析等の信号処理を施す。表示部713は処理部で得られた音響インピーダンス分布情報を表示する。
以上が本実施形態の音響波受信装置を含む、イメージング装置の基本的な構成である。
マスク705にはアレイ状に配置された開口が設けられている。
本実施形態においても実施形態1と同様に、図2に示したマスクの構造を用いる。しかし、開口の数や配置は、測定対象や測定範囲に応じて任意に形成すれば良い。また、図8に示したようなファブリペロー型探触子とマスクを用いることも可能である。
測定光709はマスク707の開口以外の部分は透過しない。また、マスク707の開口以外の部分で測定光709が反射してしまうと、ファブリペロー型探触子705で反射した測定光709の検出を妨げるため、マスク707の材料は測定光709を吸収するものを用いる。このような材料として染料や顔料などの色素が使用できる。
以上のようなイメージング装置を用いることで、ファブリペロー型探触子を用いた音響波受信において、測定光のずれを抑制できるようになる。したがって、ファブリペロー型探触子705を用いたイメージングにおいて、分解能の再現性を向上すると共に、画像のブレを低減することが可能となる。
被検体701内の音響インピーダンスの異なる組織の界面において反射した弾性波706を効率的にファブリペロー型探触子705で検出するために、被検体701とファブリペロー型探触子705との間には音響結合媒体を使うことが望ましい。
図7では音響結合媒体として水を用いて、水槽714中に配置された被検体701と探触子の間で音響マッチングを取っている。ただし音響結合媒体は水に限られない。例えば、被検体701とファブリペロー型探触子705との間に、音響インピーダンスマッチングジェルを塗る構成にしてもよい。
なお、人体の一部を被検体とする測定など、装置を医療用途に用いる際は、水槽714を使用するよりも、音響インピーダンスマッチングジェルの使用が好適である。その場合、被検体つまり患部に音響インピーダンスマッチングジェルを塗り、その上にファブリペロー型探触子705を接するように配置してイメージングを行う。この際、マッチングジェルに限らず、患部とファブリペロー型探触子705との間に音響マッチングがとれるものであれば、音響結合媒体として使用できる。
得られた電気信号の分布から音響インピーダンス分布を得るための信号処理としては、整相加算などが考えられる。信号処理を行う際は、マスク707の開口パターンの情報を用いる。例えば開口の位置情報を弾性波705の受信位置として用いて計算を行う。
処理部712としては、弾性波706の強度を表す電気信号の時間変化の分布を記憶し、それを演算手段により音響インピーダンス分布のデータに変換できるものであれば、どのようなものを用いてもよい。
また、信号処理により得られた画像情報を表示する表示部713を備えることが望ましい。
以上のようなイメージング装置を用いることで、ファブリペロー型探触子を用いた音響波受信において、測定光のずれを抑制できるようになる。したがって、ファブリペロー型探触子705を用いたイメージングにおいて、分解能の再現性を向上すると共に、画像のブレを低減することが可能となる。
[実施例1]
次に、本発明を実際の音響波取得に適用した実施例について説明する。本実施例のイメージング装置は、実施形態1に記した構成からなる。
本実施例では、被検体としてイントラリピッド1%水溶液を寒天により固め、その中に
光を吸収する直径100μmのゴムワイヤーを配置したサンプルを用いる。
ファブリペロー型探触子の第1のミラーと第2のミラーには誘電多層膜を用いている。この誘電多層膜は770−790nmの光において反射率が95%以上となるように設計されている。誘電多層膜はまた、1064nmの光において透過率が95%以上になるように設計されている。
また、ファブリペロー型探触子の基板はアクリルを用いる。ミラー間のスペーサー膜はパリレンCを用い、膜厚は30μmである。さらに、探触子の保護膜としてもパリレンCを用いている。
基板と誘電多層膜の間にはマスクが成膜してある。マスクは色素を基板上にスピンコートしたカラーフィルターであり、フォトリソグラフィー法によりアレイ状に開口(色素がない部分)が設けられている。開口のサイズは20μmである。開口は500μm間隔で、縦方向20列、横方向に20列の合計400個の開口が設けられている。
マスクに用いられているフィルターは700nm以上800nm以下の光は吸収し、透過率が0.5%以下であり、一方900nm以上1200nm以下の光は透過率が90%の以上になるものを用いる。
測定光を出射する波長可変光源として、780nm近傍の範囲において波長可変である、VCSELアレイを用いる。アレイ数は20×20の400チャンネル、アレイピッチは500μmである。
VCSELアレイの各々の素子からの出射光はテレセントリックレンズを通って、マスクの各々の開口位置に照射する。このとき開口における測定光のビーム径は40μmになるように調整する。ファブリペロー型探触子において反射した測定光(反射光)は、ハーフミラーによりCMOSカメラに入射し、測定される。
かかる装置において、励起光を被検体に照射し、光音響波の測定を開始する。なお、励起光源はNd:YAGレーザであり、出射するパルス光の繰り返し周波数は10Hz、パルス幅は10ns、波長は1064nmである。
その後、検出された光音響波に基づく電気信号の分布を用いて、ユニバーサルバックプロジェクションアルゴリズムにより、画像再構成を行う。その結果、光拡散媒体であるイントラリピッド1%寒天中のゴムワイヤーをイメージングすることが可能となる。
[実施例2]
本実施例のイメージング装置は、実施形態2に記した構成からなる。
本実施例のファブリペロー型探触子とマスクの構成は実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施例では、被検体としてイントラリピッド1%水溶液を寒天により固め、その中に光を吸収する直径100μmのゴムワイヤーを配置したサンプルを用いる。
測定光を出射する波長可変光源として、780nm近傍の範囲において波長可変である、ECL(External Cavity Laser)を用いる。
測定光の走査には、2軸のガルバノスキャナーを用いる。
ECLからの出射光はアクロマティックレンズを通って、ガルバノスキャナーで走査しながらマスクの各々の開口位置に照射する。このとき開口における測定光のビーム径は40μmになるように調整する。ファブリペロー型探触子において反射した測定光(反射光)は、ハーフミラーによりフォトダイオードに入射し、測定される。
かかる装置において、励起光を被検体に照射し、光音響波の測定を開始する。なお、励
起光源はNd:YAGレーザであり、出射するパルス光の繰り返し周波数は10Hz、パルス幅は10ns、波長は1064nmである。
その後、検出された光音響波に基づく電気信号の分布を用いて、ユニバーサルバックプロジェクションアルゴリズムにより、画像再構成を行う。その結果、光拡散媒体であるイントラリピッド1%寒天中のゴムワイヤーをイメージングすることが可能となる。
[実施例3]
本実施例のイメージング装置は、実施形態3に記した構成からなる。
本実施例の光学系、光センサの構成は実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施例は、本発明を用いて、被検体としてイントラリピッド1%水溶液を寒天により固めたものの中に配置した、直径300μmのポリエチレンワイヤーをイメージングするものである。ファントムは水中に配置する。
ファブリペロー型探触子の第1のミラーと第2のミラーには金膜を用いている。また、ファブリペロー型探触子の基板はアクリルを用いる。ミラー間のスペーサー膜はパリレンCを用い、膜厚は30μmである。さらに、探触子の保護膜としてもパリレンCを用いている。
基板と誘電多層膜の間にはマスクが成膜してある。マスクは色素を基板上にスピンコートしたカラーフィルターであり、フォトリソグラフィー法によりアレイ状に開口が設けられている。開口のサイズは20μmである。開口は500μm間隔で、縦方向20列、横方向に20列の合計400個の開口が設けられている。
マスクに用いられているカラーフィルターは700nm以上800nm以下の光は吸収し、透過率が0.5%以下になるものを用いる。
測定光を出射する波長可変光源として、780nm近傍の範囲において波長可変である、VCSELアレイを用いる。アレイ数は20×20の400チャンネル、アレイピッチは500μmである。
かかる装置において、中心周波数20MHzのトランスデューサーを用いて被検体に弾性波を照射する。トランスデューサーは圧電型のものでPZTを材料としたものである。弾性波はパルサーを用いてパルス波として出射され、弾性波の繰り返し周波数は1KHzである。
その後、ファブリペロー型探触子により、弾性波が被検体内で反射したエコー波の測定を行い、得られた信号を用いて、整相加算を用いた再構成アルゴリズムにより、被検体内の音響インピーダンス分布を画像化する。これにより、寒天中のポリエチレンワイヤーがイメージングされる。
以上より、超音波エコー技術を用いたイメージング装置においても、本発明を適用して音響波を取得することが可能となる。
以上、本明細書中では、生体を被検体とした生体情報イメージング装置に関する構成例を中心に述べた。これによると、腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などのため、生体内の光学特性値分布及び、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布の画像化が可能となり、医療用画像診断機器として利用可能である。
さらに被検体として非生体物質を対象とした非破壊検査などに応用することは当業者にとって容易である。以上より、本発明は広く検査装置として用いることが可能である。
108:アレイ光源(測定光源),106:ファブリペロー型探触子(ファブリペロー型干渉計),202:第1のミラー,203:第2のミラー,107:マスク,201:開口部,111:光センサ,101:励起光源,112:処理部

Claims (16)

  1. 出射端から測定光を照射する測定光源と、
    音響波が入射する第1のミラーと、前記測定光が入射する第2のミラーにより構成されるファブリペロー型干渉計と、
    アレイ状に開口部を設けられたマスクと、
    前記測定光が前記ファブリペロー型干渉計で反射した反射光を検出する光センサと、
    励起光を照射する励起光源と、
    前記励起光を照射された被検体から発生して前記第1のミラーに入射した光音響波による前記反射光の変化を前記光センサが検出した結果に基づき、前記被検体内の特性情報を取得する処理部と、
    を有し、
    前記マスクは、前記第1のミラーのうち前記音響波が入射する面とは反対側の面よりも前記出射端の側に配置され、
    前記マスクは、前記測定光を吸収する素材からなる
    ことを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記マスクは、前記励起光を透過する素材である
    ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 出射端から測定光を照射する測定光源と、
    前記被検体に音響波を送信するトランスデューサーと、
    音響波が入射する第1のミラーと、前記測定光が入射する第2のミラーにより構成されるファブリペロー型干渉計と、
    アレイ状に開口部を設けられたマスクと、
    前記測定光が前記ファブリペロー型干渉計で反射した反射光を検出する光センサと、
    前記トランスデューサーから送信されたのち前記被検体内で反射して前記第1のミラーに入射した音響波による前記反射光の変化を前記光センサが検出した結果に基づき、前記被検体内の特性情報を取得する処理部と、
    を有し、
    前記マスクは、前記第1のミラーのうち前記音響波が入射する面とは反対側の面よりも前記出射端の側に配置され、
    前記マスクは、前記測定光を吸収する素材からなる
    ことを特徴とする被検体情報取得装置。
  4. 前記ファブリペロー型干渉計は、前記第1のミラーおよび前記第2のミラーを含む共振ミラーが基板上に形成された構成である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記マスクは、前記ファブリペロー型干渉計の前記基板と前記共振ミラーの間に形成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記マスクは、前記ファブリペロー型干渉計の前記基板の、前記共振ミラーと反対側の面に形成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記マスクは、前記ファブリペロー型干渉計に成膜により形成される
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記測定光源は、アレイ光源である
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記アレイ光源のそれぞれのアレイから出射する前記測定光は、前記マスクのそれぞれの開口部の位置に照射される
    ことを特徴とする請求項8に記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記アレイ光源から出射した前記測定光は、前記開口部に照射されたときに前記開口部のサイズよりも大きい径となる
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の被検体情報取得装置。
  11. 前記アレイ光源は、VCSELアレイである
    ことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  12. 前記測定光源から出射する前記測定光を前記ファブリペロー型干渉計の上で走査する走査手段をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  13. 前記走査手段は、前記測定光を、前記マスクのそれぞれの開口部の位置に照射する
    ことを特徴とする請求項12に記載の被検体情報取得装置。
  14. 前記光センサは、前記反射光の光量を電気信号に変換するアレイ型の光センサである
    ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  15. 前記被検体内の特性情報を表示する表示部をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  16. 出射端から測定光を照射する測定光源と、
    音響波が入射する第1のミラーと、前記測定光が入射する第2のミラーにより構成されるファブリペロー型干渉計と、
    アレイ状に開口部を設けられたマスクと、
    前記測定光が前記ファブリペロー型干渉計で反射した反射光を検出する光センサと、
    を有し、
    前記マスクは、前記第1のミラーのうち前記音響波が入射する面とは反対側の面よりも前記出射端の側に配置され、
    前記マスクは、前記測定光を吸収する素材からなる
    ことを特徴とする音響波受信装置。
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