JP2015113897A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無段変速機を備えた車両の発進時において、無段変速機の動力伝達要素に発生する伸びを利用してその発進性能を向上させるようにした無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】算出された挟圧力でDRプーリとDNプーリを制御する制御手段を備えたCVTの制御装置において、検出された車両の負荷が所定量以上であると共に、車両の停止を検知したとき、CVTの動力伝達要素に対するDNプーリの挟圧力を増加する(S14)。
【選択図】図3

Description

この発明は無段変速機の制御装置に関し、より具体的には車両の発進性能を向上させるようにした無段変速機の制御装置に関する。
従来から、無段変速機を備えた車両の制御に関し、車両の発進時には変速比をLOW端(最大変速比)に設定することで発進性能を確保することが提案されている(例えば特許文献1)。
また、特許文献2では無段変速機の動力伝達要素には、弾性変形による伸びが発生することが示されている。
特開平08−177998号公報 特開2012−149660号公報
ところで、特許文献1は無段変速機を備えた車両の発進時に変速比をLOW端に設定することを提案するが、特許文献2に記載されるような、動力伝達要素の伸びについては何ら考慮されていない。
また、特許文献2はチェーンなどの動力伝達要素に発生する伸びに起因する変速制御の応答遅れに対する解決手段を提案するが、開示はそれに止まる。
上記に鑑み、この発明は無段変速機を備えた車両の発進時において、無段変速機の動力伝達要素に発生する伸びを利用してその発進性能を向上させるようにした無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、車両に搭載される動力源に接続される入力側要素と、前記車両の駆動輪に接続される出力側要素と、前記動力源の動力を前記入力側要素から前記出力側要素に伝達する動力伝達要素とを有する無段変速機と、前記入力側要素の広がり幅を規制する規制部材と、前記動力伝達要素に対する前記入力側要素と前記出力側要素の挟圧力を算出し、前記算出された挟圧力で前記入力側要素と前記出力側要素を制御する制御手段とを備えた無段変速機の制御装置において、前記車両の負荷を検出する車両負荷検出手段と、前記車両の停止を検知する車両停止検知手段とを備え、前記制御手段は、前記検出された車両の負荷が所定量以上であると共に、前記車両の停止を検知したとき、前記算出された出力側要素の挟圧力を増加する如く構成した。
請求項2に係る無段変速機の制御装置にあっては、前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、前記制御手段は、前記測定された車速が所定速度以上となった場合、前記挟圧力の増加を中止する如く構成した。
請求項3にあっては、前記制御手段は、前記検出された車両の負荷が大きいほど前記出力側要素の挟圧力を増加する如く構成した。
請求項4にあっては、前記動力伝達要素がチェーンである如く構成した。
請求項1にあっては、検出された車両の負荷が所定量以上であると共に、車両の停止を検知したとき、無段変速機の動力伝達要素に対する出力側要素の挟圧力を増加するように構成、即ち、車両の走行路の勾配が大きい場合や積載量が多いとき、あるいは別の車両を牽引している場合など、車両の負荷が大きい場合は、車両の停止後、再発進時に無段変速機の出力側要素の挟圧力を通常発進時よりも増加させるように構成したので、挟圧力を増加させた分だけ無段変速機の動力伝達要素の周長を弾性変形により伸長させることができ、無段変速機の変速比を通常の発進時に用いられるLOW端(最大変速比)よりもさらにLOW側に変化させることが可能となり、よって車両発進時の駆動力を増大させ、車両の発進性能を向上させることができる。
また、入力側要素の広がり幅を規制する規制部材を備えるように構成、即ち、入力側要素の幅を機械的に固定するように構成したので、出力側要素の挟圧力を増加させるだけで変速比をLOW側に変化させることが可能となり、よって車両の発進性能を容易に向上させることができる。
請求項2に係る無段変速機の制御装置にあっては、車速を検出し、検出された車速が所定速度以上となった場合、挟圧力の増加を中止するように構成、即ち、挟圧力の増加を発進時に限定するように構成したので、上記した効果に加え、動力伝達要素の劣化に与える影響を最小限に止めることができる。
請求項3に係る無段変速機の制御装置にあっては、検出された車両の負荷が大きいほど出力側要素の挟圧力を増加するように構成したので、負荷の大きさに合わせて変速比をLOW側に変化させることが可能となり、車両の発進性能をより一層向上させることができる。
請求項4に係る無段変速機の制御装置にあっては、動力伝達要素がチェーンであるように構成したので、車両の発進性能をより一層向上させることができる。即ち、無段変速機の動力伝達要素には金属ベルトなどを用いるものもあるが、チェーンは金属ベルトなどに比して弾性変形による伸びが発生しやすいため、ベルト式無段変速機等に比べて変速比をよりLOW側に変化させることが可能となり、よって車両の発進性能をより一層向上させることができる。
この発明に係る無段変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す無段変速機の動力伝達要素の構造を示す説明図である。 図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートである。 図1に示す無段変速機の出力側要素に与えられる狭圧力と変速比の変化を示す説明図である。 図1に示す無段変速機に設けられた規制部材を示す説明図である。
以下、添付図面に即してこの発明に係る無段変速機の制御装置を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る無段変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。
図1において、符号10はエンジン(内燃機関。動力源)を示す。エンジン10は駆動輪12を備えた車両14に搭載される(車両14は駆動輪12などで部分的に示す)。
エンジン10の吸気系に配置されたスロットルバルブ16は車両運転席床面に配置されるアクセルペダル18との機械的な接続が絶たれて電動モータなどのアクチュエータからなるDBW(Drive By Wire)機構20に接続され、DBW機構20で開閉される。
スロットルバルブ16で調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストンを駆動してクランクシャフト(図示せず)を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
クランクシャフトの回転は出力軸22およびトルクコンバータ24を介して自動変速機Tに入力される。自動変速機Tは無段変速機(Continuously Variable Transmission。以下「CVT」という)26を備える。
CVT26はメインシャフトMS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドライブプーリ(DRプーリ。入力側要素)26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフト(出力軸)CS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドリブンプーリ(DNプーリ。出力側要素)26bと、その間に掛け回される動力伝達要素、例えば金属製のチェーン26cからなる。
図2はこの発明の実施例に係るCVT26の動力伝達要素、より具体的にはチェーン26cの構造を示す説明図である。図2に示す如く、チェーン26cは、複数のリンクプレート26c1と、リンクプレート26c1に穿設されるピン孔26c2を介して複数のリンクプレート26c1を互いに屈曲自在に連結するためのロッカーピン26c3とから構成される。
チェーン26cのロッカーピン26c3の両端部は、端部がチェーン26cの側方から突出するように形成され、この突出したロッカーピン26c3の端面とDRプーリ26aおよびDNプーリ26bの内側表面とが接触することで生じる摩擦力により動力が伝達される。
図1に戻って説明を続けると、DRプーリ26aは、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26a1と、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26a2と、可動プーリ半体26a2の側方に設けられて油圧(作動油の圧力)を供給されるときに可動プーリ半体26a2を固定プーリ半体26a1に向けて押圧する、ピストンとシリンダとスプリングからなる油圧アクチュエータ26a3を備える。
DNプーリ26bは、カウンタシャフトCSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26b1と、カウンタシャフトCSに相対回転不能で固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26b2と、可動プーリ半体26b2の側方に設けられて油圧(作動油の圧力)を供給されるときに可動プーリ半体26b2を固定プーリ半体26b1に向けて押圧する、ピストンとシリンダとスプリングからなる油圧アクチュエータ26b3を備える。
また、図1では記載を省略するが、DR/DNプーリ26a,26bの可動プーリ半体26a2,26b2の外側には、各プーリの軸方向の広がり幅を規制するためのストッパ(規制部材。後述)が設けられる。
自動変速機TにおいてCVT26は前後進切換機構28を介してエンジン10に接続される。前後進切換機構28は、車両14の前進方向への走行を可能にする前進クラッチ28aと、後進方向への走行を可能にする後進ブレーキクラッチ28bと、その間に配置されるプラネタリギヤ機構28cからなる。CVT26はエンジン10に前進クラッチ28a(と後進ブレーキクラッチ28b)を介して接続される。
カウンタシャフトCSの回転はギヤを介してセカンダリシャフト(中間軸)SSから駆動輪12に伝えられる。即ち、カウンタシャフトCSの回転はギヤ30a,30bを介してセカンダリシャフトSSに伝えられ、その回転はギヤ30cを介してディファレンシャル32から左右の駆動輪(右側のみ示す)12に伝えられる。
駆動輪(前輪)12と従動輪(後輪。図示せず)の付近にはディスクブレーキ34が配置されると共に、車両運転席床面にはブレーキペダル36が配置される。ブレーキペダル36はマスタバック38とマスタシリンダ40を介してディスクブレーキ34に接続される。
運転者がブレーキペダル36を踏み込むと、その踏み込み力はマスタバック38で増力されてマスタシリンダ40からディスクブレーキ34に伝えられ、ディスクブレーキ34を動作させて車両14を制動(減速)させる。
前後進切換機構28において前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bの切換は、車両運転席に設けられたレンジセレクタ44を運転者が操作して例えばP,R,N,Dなどのレンジのいずれかを選択することで行われる。運転者のレンジセレクタ44の操作によるレンジ選択は変速機油圧供給機構46のマニュアルバルブに伝えられ、車両14を前進あるいは後進走行させる。
図示は省略するが、変速機油圧供給機構46にはオイルポンプ(送油ポンプ)が設けられ、エンジン10で駆動されてリザーバに貯留された作動油を汲み上げて油路に吐出する。
油路はCVT26のDR/DNプーリ26a,26bの油圧アクチュエータ26a3,26b3のピストン室、前後進切換機構28の前進クラッチ/後進ブレーキクラッチ28a,28bのピストン室、トルクコンバータ24のロックアップクラッチのピストン室に電磁弁を介して接続される。
尚、この明細書において自動変速機Tはトルクコンバータ24とCVT26と前後進切換機構28(より具体的にはその前進クラッチ28a(あるいは後進ブレーキクラッチ28b))からなる。
エンジン10のカム軸(図示せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ50が設けられ、ピストンの所定クランク角度位置ごとにエンジン回転数NEを示す信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブ16の下流の適宜位置には絶対圧センサ52が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
DBW機構20のアクチュエータにはスロットル開度センサ54が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットルバルブ16の開度THに比例した信号を出力する。
また、前記したアクセルペダル18の付近にはアクセル開度センサ56が設けられて運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力する。ブレーキペダル36の付近にはブレーキスイッチ58が設けられ、運転者によってブレーキペダル36が操作されたときオン信号を出力する。上記したクランク角センサ50などの出力は、エンジンコントローラ66に送られる。
また、メインシャフトMSにはNTセンサ(回転数センサ)70が設けられ、メインシャフトMSの回転数NT、具体的には前進クラッチ28aの入力軸回転数を示すパルス信号を出力する。
CVT26のDRプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)72が設けられてDRプーリ26aの回転数NDR、換言すれば前進クラッチ28aの出力軸回転数に応じたパルス信号を出力する。
CVT26のDNプーリ26bの付近の適宜位置にはNDNセンサ(回転数センサ)74が設けられてDNプーリ26bの回転数NDN(カウンタシャフトCSの回転数)を示すパルス信号を出力すると共に、セカンダリシャフトSSのギヤ30bの付近にはVセンサ(回転数センサ。車両停止検知手段、車速検出手段)76が設けられてセカンダリシャフトSSの回転を通じて車両14の走行速度を意味する車速Vを示すパルス信号を出力する。
前記したレンジセレクタ44の付近にはレンジセレクタスイッチ80が設けられ、運転者によって選択されたP,R,N,Dなどのレンジに応じた信号を出力する。
変速機油圧供給機構46において、CVT26のDNプーリ26bに通じる油路には油圧センサ82が配置され、DNプーリ26bの油圧アクチュエータ26b3のピストン室(図示せず)に供給される油圧に応じた信号を出力する。また、図示は省略するが、前進クラッチ28aのピストン室やトルクコンバータ24のロックアップクラッチのピストン室に連結する油路にもそれぞれ油圧センサが配置され、各供給油圧に応じた信号を出力する。
さらに、車両14の重心位置付近には勾配センサ84が配置され、車両14に作用する重力加速度を測定することにより車両14の傾き、即ち、走行路の勾配(車両負荷)を検出する。
上記したNTセンサ70などの出力は、図示しないその他のセンサの出力も含め、シフトコントローラ90(制御手段)に送られる。エンジンコントローラ66とシフトコントローラ90はCPU,ROM,RAM,I/Oなどで構成されるマイクロコンピュータを備えると共に、相互に通信自在に構成される。
エンジンコントローラ66は上記したセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構20の動作を制御し、燃料噴射量や点火時期を決定してインジェクタあるいは点火プラグなどの点火装置の動作を制御する。
シフトコントローラ90は上記したセンサ出力に基づきプーリ供給油圧(挟圧力)を算出し、算出された挟圧力に応じて変速機油圧供給機構46の種々の電磁弁を励磁・消磁することによりDR/DNプーリ26a,26bの油圧アクチュエータ26a3,26b3のピストン室への油圧の給排を制御してCVT26の動作を制御すると共に、前後進切換機構28とトルクコンバータ24の動作を制御する。
さらに、シフトコントローラ90は車両14がトレーラ等の牽引を行っているか否かの判定を行うと共に、牽引状態にあるときはその牽引量(車両負荷)を算出する。なお、牽引を行っているか否かの具体的な判定手段及びその牽引量の算出手段については、公知の技術(例えば、特開2013−217398号公報記載の技術)を用いることができる。
また、車両14がトレーラ等の牽引を行っていない場合であっても、上記した牽引量の算出手段を用いることにより、車両の積載量(車両負荷)を算出することができる。
図3はシフトコントローラ90の処理、より具体的には車両の発進時におけるシフトコントローラ90の処理を示すフロー・チャートである。尚、図3の処理は所定時間ごとに繰り返し実行される。
以下説明すると、S10(S:処理ステップ)において、勾配センサ84によって検出される走行路の勾配がしきい値α(所定量)以上であるか、または算出された車両14の積載量もしくは牽引量がしきい値β(所定量)以上であるか否か判断する。即ち、S10では車両14の負荷が所定量(しきい値α,β)以上であるか否かが判断される。
S10で否定される場合は車両14の負荷が大きくなく、後述する発進制御(DNプーリ26bの挟圧力増加制御)を実行する必要はないと判断されるため、以降の処理をスキップする。他方、S10で肯定されるときはS12に進み、車両14が停止している状態にあるか否か判断する。なお、車両の停止はVセンサ76の出力に基づいて判断(検知)する。
S12で否定され、車両14が走行中であると判断できる場合も後述するDNプーリ26bの挟圧力増加制御を実行する必要はないためプログラムを終了する。他方、S12で肯定、即ち、車両14の負荷が所定量(しきい値α,β)以上であると判断され、かつ車両14が停止していると判断(検知)されるときはS14に進み、DNプーリ26bの挟圧力を増加、より正確にはDNプーリ26bの油圧アクチュエータ26b3のピストン室に供給される油圧の値を増加させる。
ここで、図4を参照しながらこの実施例におけるDNプーリ26bの挟圧力増加制御について説明する。
図4はDNプーリ26bに与えられる挟圧力と変速比の変化を示す説明図である。尚、図4において、実線は動力伝達要素としてチェーン26cを使用した場合、破線は金属製ベルトを使用した場合を表す。
動力伝達要素は、チェーン26cを使用する場合も金属製ベルトを使用する場合も、荷重をかけられると弾性変形する。従って、DNプーリ26bに加えられる挟圧力を増加させれば、動力伝達要素26cが弾性変形を起こしその周長が長くなる結果、DNプーリ26bの巻き掛け半径が大きくなる。
このため、図4に良く示すように、DNプーリ26bに与えられる挟圧力を増加させ、動力伝達要素の弾性変形を利用することによって、CVT26の構造上、通常設定されるLOW端(最大変速比)よりもさらに変速比を大きく、換言すれば変速比をさらにLOW側に変化させることができる。従って、さらに大きな駆動トルクを発生させることが可能となり、登坂発進時などの発進性能を向上させることができる。
また、図4から明らかな如く、動力伝達要素の弾性変形量はDNプーリ26bの挟圧力の大きさに比例して大きくなる。従って、この実施例においては、車両14の負荷が大きいほどDNプーリ26bの挟圧力、より正確にはDNプーリ26bの挟圧力の増加分を大きく設定するように構成する。尚、負荷と挟圧力の増加分との関係については予め実験により求めるものとする。
さらに、ベルト式CVTはベルトの押圧力によって動力を伝達する構造となっているが、チェーン式CVT26はDNプーリ26bに引っ張り力を作用させて動力を伝達させる構造となっている。このため、チェーンの場合、図2に想像線で示す如く、引っ張り力の影響により周長方向(チェーン長手方向)に弾性変形し易い。従って、図4に示すように、チェーン式CVT26を用いて挟圧力の増加制御を行った場合、ベルト式CVTを用いる場合に比して、変速比をより大きくさせることが可能となる。
図3に戻って説明を続けると、次いでS16に進み、Vセンサ76により得られる車両14の車速Vが所定速度以上に達したか否か判断する。かかる判断は、車両14が発進したか否かを判断するためのものであり、所定速度は、例えば10km/hに設定される。
即ち、上記した挟圧力増加制御は、車両14の負荷が大きいと判断される場合に、その発進性能を向上させるために実行される制御であり、またチェーン26cを長時間にわたって弾性変形させることはチェーン26cの耐久性を損なう虞もあるため、挟圧力増加制御は車両14の発進時にのみ実行するようにした。
従って、S16で肯定されて車両14が発進したと判断されるときはS18に進み、通常制御、即ち挟圧力増加制御を中止し、公知の手法によるCVT26の変速比制御に復帰してプログラムを終了する。尚、S16の判断は肯定されるまで繰り返し実行される。
図5はCVT26に設けられたストッパ(規制部材)94を示す説明図である。図5に示すように、この発明の実施例においては、軸方向に相対移動可能なDRプーリ26aの可動プーリ半体26a2の外側に、DRプーリ26aの軸方向の広がり幅を規制するストッパ94aが設けられる。尚、DNプーリ26bの可動プーリ半体26b2の外側にも、同様にDNプーリ26bの軸方向の広がり幅を規制するストッパ94bが設けられる。
車両14の発進時のように変速比をローギヤに設定する場合、DRプーリ26a側の巻き掛け半径を最小にする必要がある。そこでこの実施例にあっては、車両14の発進時など大きな駆動トルクが必要となる場合にはDRプーリ26aの可動プーリ半体26a2がストッパ94aによって機械的に固定されるように構成した。
即ち、DNプーリ26bの挟圧力を増加する制御を実行中であっても、エンジン10からトルクコンバータ24を介してDRプーリ26aに伝達されるトルクには変化がなく、かつ、DRプーリ26aにおける巻き掛け半径はストッパ94aによって機械的に固定されることから、DRプーリ26a側については挟圧力を増加させる必要はなく、通常制御の場合と同様に制御することが可能となる。換言すれば、上記した挟圧力の増加制御を行う際、DNプーリ26bの挟圧力を増加させるだけで変速比をLOW側に変化させることが可能となり、よって車両の発進性能をより容易に向上させることができる。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、車両14に搭載されるエンジン(内燃機関。動力源)10に接続されるDRプーリ(入力側要素)26aと、前記車両14の駆動輪12に接続されるDNプーリ(出力側要素)26bと、前記エンジン10の動力を前記DRプーリ26aから前記DNプーリ26bに伝達する動力伝達要素(チェーン26c、金属製ベルト)とを有するCVT(無段変速機)26と、前記DRプーリ26aの広がり幅を規制するストッパ(規制部材)94aと、前記動力伝達要素に対する前記DRプーリ26aと前記DNプーリ26bの挟圧力を算出し、前記算出された挟圧力で前記DRプーリ26aと前記DNプーリ26bを制御する制御手段(シフトコントローラ90)とを備えたCVT26の制御装置において、前記車両14の負荷を検出する車両負荷検出手段(勾配センサ84、シフトコントローラ90,S10)と、前記車両14の停止を検知する車両停止検知手段(Vセンサ76,S12)とを備え、前記制御手段は、前記検出された車両の負荷が所定量(しきい値α,β)以上であると共に、前記車両の停止を検知したとき、前記算出された出力側要素の挟圧力を増加する(シフトコントローラ90,S14)ように構成、即ち、車両14の走行路の勾配が大きい場合や積載量が多いとき、あるいは別の車両を牽引している場合など、車両の負荷が大きい場合において、車両14の停止後、再発進時にCVT26のDNプーリ26bの挟圧力を通常発進時よりも増加させるように構成したので、挟圧力を増加させた分だけCVT26の動力伝達要素を弾性変形により伸長させることができ、CVT26の変速比を通常の発進時に用いられるLOW端(最大変速比)よりもさらにLOW側に変化させることが可能となり、よって車両14の発進時の駆動力を増大させ、車両14の発進性能を向上させることができる。
また、DRプーリ26aの広がり幅を規制するストッパ94aを備えるように構成、即ち、DRプーリ26aの幅を機械的に固定するように構成したので、DNプーリ26bの挟圧力を増加させるだけで変速比をLOW側に変化させることが可能となり、よって車両の発進性能を容易に向上させることができる。
また、前記車両14の車速を検出する車速検出手段(Vセンサ76)を備え、前記制御手段は、前記測定された車速が所定速度以上となった場合、前記挟圧力の増加を中止する(S16−S18)ように構成、即ち、挟圧力の増加を発進時に限定するように構成したので、上記した効果に加え、動力伝達要素の劣化に与える影響を最小限に止めることができる。
また、前記制御手段は、前記検出された車両の負荷が大きいほど前記DNプーリ26bの挟圧力を増加するように構成したので、負荷の大きさに合わせて変速比をLOW側に変化させることが可能となり、車両14の発進性能をより一層向上させることができる。
また、前記動力伝達要素26cがチェーンであるように構成したので、車両14の発進性能をより一層向上させることができる。即ち、CVT26の動力伝達要素26cには金属ベルトなどを用いるものもあるが、チェーンは金属ベルトなどに比して弾性変形による伸びが発生しやすいため、ベルト式CVT等に比べて変速比をよりLOW側に変化させることが可能となり、よって車両14の発進性能をより一層向上させることができる。
尚、上記においてCVT26の動力伝達要素としてチェーン26cを主な例にとって説明したが、図4にも示すように、この発明の要旨はベルトを動力伝達要素に採用するCVT26の制御にも妥当する。
また、上記において車両の負荷(走行路の勾配、積載量、牽引量)を算出する手段について具体的に説明したが、車両の負荷算出手段はこれに限られるものではなく、例えば別途センサを追加して車両の負荷を検出するように構成しても良い。
10 エンジン(内燃機関。動力源)、14 車両、26 CVT(無段変速機)、26a DRプーリ(入力側要素)、26b DNプーリ(出力側要素)、26c チェーン(動力伝達要素)、76 Vセンサ(車両停止検知手段、車速検出手段)、84 勾配センサ(車両負荷検出手段)、90 シフトコントローラ(制御手段)、94 ストッパ

Claims (4)

  1. 車両に搭載される動力源に接続される入力側要素と、前記車両の駆動輪に接続される出力側要素と、前記動力源の動力を前記入力側要素から前記出力側要素に伝達する動力伝達要素とを有する無段変速機と、前記入力側要素の広がり幅を規制する規制部材と、前記動力伝達要素に対する前記入力側要素と前記出力側要素の挟圧力を算出し、前記算出された挟圧力で前記入力側要素と前記出力側要素を制御する制御手段とを備えた無段変速機の制御装置において、前記車両の負荷を検出する車両負荷検出手段と、前記車両の停止を検知する車両停止検知手段とを備え、前記制御手段は、前記検出された車両の負荷が所定量以上であると共に、前記車両の停止を検知したとき、前記算出された出力側要素の挟圧力を増加することを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、前記制御手段は、前記検出された車速が所定速度以上となった場合、前記挟圧力の増加を中止することを特徴とする請求項1記載の無段変速機の発進制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記検出された車両の負荷が大きいほど前記出力側要素の挟圧力を増加することを特徴とする請求項1または2記載の無段変速機制御装置。
  4. 前記動力伝達要素がチェーンであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の無段変速機の制御装置。
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