JP2015108093A - 硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】3次元加工の変形に追従することのできる延伸性を有し、耐擦傷性、表面硬度、外観、機械的特性(高弾性率)等に優れた硬化物を与えることのできる硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体を提供する。【解決手段】下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつ成分(A)と成分(B)との合計量に対し、成分(B)を18.5〜45重量%含む硬化性樹脂組成物による。成分(A):少なくとも(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール及び(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー成分(B):表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子【選択図】なし

Description

本発明は、3次元加工時の変形に追従可能な延伸性を有し、耐擦傷性、表面硬度、外観、機械的特性(弾性率、破断伸度等)等に優れた硬化物を与えることのできる硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、この硬化性樹脂組成物を用いて得られる硬化物及び積層体に関する。
ラジカル重合型の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線の照射によって短時間で硬化し、耐薬品性、耐汚染性、耐候性、耐熱性等に優れた皮膜や成形品を提供することができることから、各種表面加工分野及び注型成形品用途に広く用いられている。このような硬化性樹脂組成物の一つとして中でも、硬化性や作業効率が良いことから、予めポリウレタンアクリレートを含む樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化させた硬化膜を製造し、表面加工処理等を施した後に、室温又は加熱条件下で3次元加工を施す方法が用いられている。このような方法を用いる場合、得られる硬化膜に3次元加工時の変形に追従するための延伸性が必要となる。
特許文献1にはこのような延伸性を有し、耐擦傷性、耐摩耗性に優れたものとして、2官能ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、単官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートモノマー、表面が光重合性官能基で修飾されたコロイダルシリカを含有する活性エネルギー線硬化型ハードコート樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には延伸性を有し、耐擦傷性、耐摩耗性に優れたものとして、2官能エチレン性不飽和基含有イソシアヌレート、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する光硬化型加飾積層フィルム用組成物が開示されている。
特開2013‐82833号公報 特開2011‐225679号公報
本発明者らの詳細な検討によれば、前記特許文献1及び2に記載されている硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物においては、3次元加工の変形に追従することのできる延伸性が不十分であり、また、いずれも耐擦傷性、表面硬度のいずれにも十分に優れた硬化性樹脂組成物が得られていないという問題点が見出された。即ち、本発明の課題は、3次元加工の変形に追従することのできる延伸性を有し、耐擦傷性、表面硬度、外観、機械的特性等に優れた硬化物を与えることのできる硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、特定の原料を用いて得られたウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと表面を(メタ)アクリル系化合物により修飾されてなるシリカ粒子とを特定量で含む硬化性樹脂組成物が、前記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[8]に存する。
[1] 下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつ成分(A)と成分(B)との合計量
に対し、成分(B)を18.5〜45重量%含む硬化性樹脂組成物。
成分(A):少なくとも(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール及び(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
成分(B):表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子
[2] 成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、数平均分子量(Mn)500〜15,000である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
[3] 成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールを反応させてウレタンプレポリマーを得た後、これに(a−3)ヒドロキシ(メタ)アクリレートを反応させて得られたものである、[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
[4] 前記(a−1)ポリイソシアネートが脂環式構造を有するポリイソシアネートである、[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
[5] [1]乃至[4]のいずれか1つに記載の硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射してなる硬化物。
[6] 基材上に、[5]に記載の硬化物からなる層を形成してなる積層体。
[7] 前記基材が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂から選択される少なくとも1つである、[6]に記載の積層体。
本発明によれば、3次元加工の変形に追従することのできる延伸性を有し、耐擦傷性、表面硬度、外観、機械的特性(弾性率、破断伸度等)等に優れた硬化物を与えることのできる硬化性樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、この硬化性樹脂組成物を用いて得られる硬化物及び積層体が提供される。
以下に、本発明について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とはアクリレートとメタクリレートとの総称であり、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を意味するものであり、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」についても同様である。また、本発明において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の硬化性樹脂組成物は、下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつ成分(A)と成分(B)との合計量に対し、成分(B)を18.5〜45重量%含むものである。
成分(A):少なくとも(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール及び(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
成分(B):表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子
本発明の硬化性樹脂組成物は、3次元加工時の変形に追従可能な延伸性を有し、耐擦傷性、表面硬度、外観、機械的特性(高弾性率)等に優れたものであり、特に、3次元加工時の変形に追従可能な延伸性においては前記特許文献1及び2に記載されている硬化性樹脂組成物と比較して顕著に優れたものである。本発明の硬化性樹脂組成物が上記のような優れた効果を奏する理由は定かではないが、特に3次元加工時の変形に追従可能な延伸性と、耐擦傷性、表面硬度及び機械的特性(高弾性率)とのバランスについては次の理由によるものと考えられる。即ち、成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子間において形成されるウレタン結合由来の水素結合の脱着により、優れた3次元加工時の変形に追従可能な延伸性と、耐擦傷性、表面硬度及び機械的特性(高弾性率)とのバランスを有しているものの、それのみでは耐擦傷性、表面硬度、機械的特性(高弾性率)等が十分ではなかった。本発明においては成分(A)に成分(B)として表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子を成分(A)に基づく延伸性及び外観を損なわない範囲で多量に配合することで、硬化性樹脂組成物を硬化させる際に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの有機成分が硬質な無機粒子であるシリカ粒子を修飾する(メタ)アクリロイル基との間で共有結合により強固にネットワークを形成し、更に優れた3次元加工時の変形に追従可能な延伸性と、耐擦傷性、表面硬度及び機械的特性(高弾性率)とのバランスを有する硬化物が得られるものと考えられる。
<成分(A):ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー>
本発明の硬化性樹脂組成物に用いられるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、少なくとも(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール及び(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを用いて得られるものである。
[(a−1)ポリイソシアネート]
成分(A)の原料として用いる(a−1)ポリイソシアネートは、1分子中に2個以上のイソシアネート基及び/又はイソシアネート基を含む置換基を有する化合物である。なお、本発明において、イソシアネート基及びイソシアネート基を含む置換基を総称して「イソシアネート基類」と称することがある。また、(a−1)ポリイソシアネート1分子において、イソシアネート基類は同一であってもよいし、異なっていてもよい。(a−1)ポリイソシアネートは、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
イソシアネート基を含む置換基としては、例えば1個以上のイソシアネート基を含む、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基又は炭素数1〜5のアルコキシル基が挙げられる。これらの中でも炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、特に炭素数は1〜3のアルキル基が好ましい。
(a−1)ポリイソシアネートとしては、例えば、鎖状脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、及び芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。
鎖状脂肪族ポリイソシアネートは、鎖状脂肪族構造とそれに結合する2個以上のイソシアネート基類とを有する化合物である。鎖状脂肪族ポリイソシアネートは、硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の耐候性を高め、かつ柔軟性を付与する観点から好ましい。鎖状脂肪族ポリイソシアネートにおける鎖状脂肪族構造は、特に限定されないが、炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基であることが好ましい。このような鎖状脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の鎖状脂肪族ジイソシアネート;トリス(イソシアネートヘキシル)イソシアヌレート等の鎖状脂肪族トリイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートは、脂環式構造とそれに結合する2個以上のイソシアネート
基類とを有する化合物である。脂環族ポリイソシアネートにおける脂環式構造は、特に限定されないが、炭素数5〜15であることが好ましく、炭素数6以上であることがさらに好ましく、炭素数7以上であることが特に好ましい。また、炭素数14以下であることがさらに好ましく、炭素数13以下であることが特に好ましい。さらに、脂環式構造としては、シクロアルキレン基であることが好ましい。脂環式構造を有するポリイソシアネートとしては、例えば、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;トリス(イソシアネートイソホロン)イソシアヌレート等の脂環族トリイソシアネート等が挙げられる。脂環族ポリイソシアネートは、硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の耐候性を高める観点からも好ましい。
芳香族ポリイソシアネートは、芳香族構造とそれに結合する二以上のイソシアネート基類とを有する化合物である。芳香族ポリイソシアネートにおける芳香族構造は、特に限定されないが、炭素数6〜13の二価の芳香族基であることが好ましい。このような芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の機械的強度を高める観点から好ましく、このような芳香族ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート及びジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。(a−1)ポリイソシアネートは、以上に挙げたものの中でも、得られる硬化物の機械的強度等の点から、脂環式族ポリイソシアネートを含むことが好ましい。
(a−1)ポリイソシアネートのイソシアネート基類1つ当りの分子量は、得られる硬化物としての強度と弾性率とのバランスの観点から、50以上であることが好ましく、75以上であることがより好ましく、また、500以下であることが好ましく、250以下であることがより好ましい。
(a−1)ポリイソシアネートのイソシアネート基類1つ当りの分子量は、単独の単量体からなるポリイソシアネートの場合には化学式からの計算値、2種以上の単量体からなるポリイソシアネートの場合にはNCO%からの計算値によって求めることができる。また、NCO%は次の方法により測定することができる。
測定試料1.0〜1.5gを200mL共栓付きフラスコに精秤し、0.1mol/L
ジ−N−ブチルアミン(トルエン溶液)20mLを添加した後15分間攪拌する。これ
に、アセトン100mLを加え、電位差滴定装置を用い、0.1mol/L塩酸で滴定する。別途、ブランクを滴定する。下記の式を用いてNCO%を算出する。
NCO%(重量%)=(Vb−Vs)×f×N×4.2/W
Vb: ブランクテストで要した塩酸の滴定量(mL)
Vs: 本テストで要した塩酸の滴定量(mL)
f : 滴定に使用する塩酸のファクター(−)
N : 滴定に使用するHCl濃度(mol/L)
W : 測定試料の重量(g)
[(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール]
成分(A)の原料として用いる(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールは、1分子中の炭素数が2〜14であり、水酸基を2個有する化合物であれば特に制限されない。(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール,1−10デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラカンジオール等の脂肪族ジオール;シクロプロパンジオール、シクロプロパンジメタノール、シクロプロパンジエタノール、シクロプロパンジプロパノール、シクロプロパンジブタノール、シクロペンタンジオール、シクロペンタンジメタノール、シクロペンタンジエタノール、シクロペンタンジプロパノール、シクロペンタンジブタノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、シクロヘキサンジプロパノール、シクロヘキサンジブタノール、シクロヘキセンジオール、シクロヘキセンジメタノール、シクロヘキセンジエタノール、シクロヘキセンジプロパノール、シクロヘキセンジブタノール、シクロヘキサジエンジオール、シクロヘキサジエンジメタノール、シクロヘキサジエンジエタノール、シクロヘキサジエンジプロパノール、シクロヘキサジエンジブタノール、水添ビスフェノールA、トリシクロデカンジオール、アダマンチルジオール等の脂環式ジオールなどが挙げられる。
上記の中でも、硬化物の耐擦傷性が求められる用途では、硬化物に靱性を付与する観点から、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールの炭素数は2〜12が好ましく、6〜12がより好ましく、8〜12が特に好ましく、10〜12が最も好ましい。また、(a−2)脂肪族ジオールは前記で例示した通り、鎖状構造のジオールあっても、環状構造のジオールあっても、また、鎖状構造と環状構造との両方を有するジオールであってもよいが、好ましいのは鎖状構造のジオールである。
以上に挙げた(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールの中でも、エチレングリコール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。また、表面硬度を良好なものとする観点からはエチレングリコールが特に好ましく、靱性を付与し、耐擦傷性を良好なものとする観点からは1,12−ドデカンジオールが特に好ましい。
[(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート]
成分(A)の原料として用いる(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、1個以上の水酸基、1個以上の(メタ)アクリロイル基及びアルキル基を有する化合物である。ここで、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜15のアルキル基であることがより好ましく、炭素数2〜10のアルキル基であることが更に好ましく、炭素数2〜8のアルキル基であることが特に好ましい。
(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加反応物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンとの付加反応物、グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応物、グリコールのモノ(メタ)アクリレート体、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基と水酸基との間に炭素数が2〜4のアルキレン基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが、得られる硬化物の機械的強度の観点から特に好ましく、特にペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上有するヒドロキシアルキルポリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。ヒドロキシアルキルポリ(メタ)アクリレートは硬化物を得る際の効果反応において複数の(メタ)アクリロイル基が関与することにより、良好な架橋構造を形成し、外観、耐擦傷性、耐摩耗性等の物性を良好なものとすることができる。
(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの分子量は、100以上であることが好ましく、110以上であることがより好ましい。一方、(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの分子量は、得られる硬化物の機械的強度の観点から800以下であることが好ましく、400以下であることがより好ましい。なお、(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが前記の付加反応体や重合体である場合には、前記分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー測定(GPC測定)による数平均分子量を意味する。
[その他の原料化合物]
本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの原料化合物において、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、前記の(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール及び(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート以外のその他の原料化合物を用いてもよい。このようなその他の原料化合物としては、例えば、ポリアルキレングリコール、これら以外の高分子量ポリオール(以下、「その他の高分子量ポリオール」と称する。)、鎖延長剤等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その他の高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリオレフィンポリオール、及びシリコンポリオール等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
鎖延長剤は、イソシアネート基と反応する二以上の活性水素を有する化合物である。鎖延長剤としては、数平均分子量500以下の低分子量ジアミン化合物等が挙げられ、例えば、2,4−もしくは2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン;エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン;及び、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジア
ミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリシクロデカンジアミン等の脂環式ジアミン等が挙げられる。これらは1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの物性]
成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000以上であることが更に好ましく、一方、15,000以下であることが好ましく、10,000以下であることがより好ましく、8,000以下であることが更に好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量が上記下限値以上であると、得られる硬化物の延伸性が良好となる傾向にある。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量が上記上限値以下であると、硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の耐擦傷性、表面硬度が良好となる傾向にある。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量は、これを用いて得られる硬化物の延伸性、耐擦傷性、表面硬度及び機械的特性(高弾性率)に影響を与える網目構造の架橋点間距離と関係があり、数平均分子量が低いほど架橋点間の距離は短く、また、数平均分子量が高いほど架橋点間の距離は長くなる傾向にある。数平均分子量が延伸性、耐擦傷性、表面硬度及び機械的特性(高弾性率)に影響する理由は架橋点間距離が長くなると柔軟で伸びやすい構造となるために延伸性に優れ、一方、この距離が短くなると網目構造が強固な構造となるために耐擦傷性、表面硬度及び機械的特性(高弾性率)に優れるものと推定される。なお、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー数平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー測定(GPC測定)により、求めることができ、より詳細な測定方法を後掲の実施例において示す。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのウレタン結合量は、好ましくは10〜30重量%であり、より好ましくは15〜25重量%である。ウレタン結合量が上記下限値以上であると機械的特性(高弾性率)、耐汚染性が向上する傾向があり、上記上限値以下であると伸びが向上する傾向にある。なお、上記のウレタン結合量は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの原料配合を調整することにより制御することができる。
また、本発明において、上記のウレタン結合量は次のようにして算出される。本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール、(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを原料として用いるものであり、得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーにおける構成単位は用いた原料組成がそのまま保たれているものとみなすことができる。このことから、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの構成成分の総量(各原料成分のモル比と各成分の分子量との積の合計)におけるウレタン結合の総量(ポリイソシアネートの総モル数とウレタン結合の分子量(59)との積)の割合により算出される。
[ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造方法]
本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、前記(a−1)ポリイソシアネートに、前記(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールと前記(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加反応させることにより製造することができる。また、その際の各原料化合物の仕込み比は通常、目的とするウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの組成と実質的に同等又は同一とする。
これらの付加反応は、公知のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造方法におけるいずれの方法を用いても行うことができる。このような方法としては、例えば、以下の(1)〜(3)の方法が挙げられる。
(1)前記(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールとを、イソシアネート基が過剰となるような条件下で反応させてイソシアネート末端を有
するウレタンプレポリマーを得て、次いで該イソシアネート末端を有するウレタンプレポリマーと前記(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させる方法。(2)全原料化合物を同時に一括添加して反応させる方法。
(3)前記(a−1)ポリイソシアネートと前記(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを先に反応させ、分子中に(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを同時に有するウレタン(メタ)アクリレートプレポリマーを合成した後、得られたプレポリマーに、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールを反応させる方法。
これらのうち、(1)の方法によれば、前記ウレタンプレポリマーは(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールとをウレタン化反応させることにより得られる。目的とするウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとウレタン化反応させてなる構造となる。(1)の方法によれば、分子量の制御が容易であり、また、両末端に(メタ)アクリロイル基が導入することができるために硬化物を容易に得ることができるために好ましい。
(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールとをウレタン化反応させる際には、(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールとのモル比([(a−1)ポリイソシアネートのモル数]:[(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールのモル数])が通常、3:1〜50:49であり、好ましくは2:1〜30:29であり、より好ましくは3:2〜25:24である。(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールとのモル比が上記範囲内であると、末端基と分子量とを制御することができる。
更に、得られたウレタンプレポリマーと(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させる際には、ウレタンプレポリマーの原料である(a−1)ポリイソシアネートと(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモル比([(a−1)ポリイソシアネートのモル数]:[(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのモル数])が通常、3:4〜25:1であり、好ましくは1:1〜15:1であり、より好ましくは3:2〜25:2である。(a−1)ポリイソシアネートと(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモル比が上記範囲内であると、末端に(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート由来の(メタ)アクリロイル基を効率よく導入することができ、結果としてウレタン(メタ)アクリレートの硬化性が良好となる傾向にある。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーにおける全イソシアネート基の量と水酸基及びアミノ基等のイソシアネート基と反応する全官能基の量は、通常、理論的に等モルである。このため、原料として用いる(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール及び(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びその他の原料化合物の使用量は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーにおける全イソシアネート基の量とそれと反応する全官能基の量とが等モル又はイソシアネート基に対する当該全官能基のモル%で50〜200モル%になる量である。
更に、鎖延長剤を用いる場合には、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール以外のジオール成分、及びその他のポリオール成分の全ポリオール(アルコール性ヒドロキシル基を2個以上有する化合物)と鎖延長剤とを合わせた化合物の総使用量に対して全ポリオールの使用量を、70モル%以上とすることが好ましく、80モル%以上とすることがより好ましく、90モル%以上とすることが更に好ましく、95モル%以上とすることが特に好ましい。前記全ポリオール量が前記の下限値以上であると、硬化性樹脂組成物の液安定性が向上する傾向にある。
なお、上記の使用原料割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを製造する際の目安となるものである。実際には、所望の物性により、原料配合割合を上記の範囲において微調整することが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造において、粘度の調整を目的に有機溶媒を使用することができる。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。有機溶媒としては、本発明の効果が得られる範囲において公知の有機溶媒のいずれも使用することができる。好ましい有機溶媒としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。有機溶媒は、通常、反応系内の固形分100重量部に対して300重量部以下で使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造において、生成するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びその原料化合物の総含有量は、反応系の総量に対して20重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましい。なお、この総含有量の上限は通常100重量%である。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及びその原料化合物の総含有量が上記下限値以上であると、反応速度が高くなり、製造効率が向上する傾向にあるために好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造に際しては触媒を用いることができる。この触媒としては、本発明の効果が得られる範囲から選ぶことができ、例えばジブチルスズラウレート、ジブチルスズジオクトエート、ジオクチルスズジラウレート、及びジオクチルスズジオクトエート等のスズ系触媒;ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等のビスマス系触媒等が挙げられる。触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。触媒は、これらのうち、ジオクチルスズジラウレート、ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)であることが、環境適応性及び触媒活性、保存安定性等の観点から好ましい。触媒の使用量は、原料化合物の総含有量に対して、上限が通常2,000ppm以下、好ましくは1,000ppm以下であり、下限が通常10ppm以上、好ましくは30ppm以上で用いられる(いずれも重量ppm)。なお、前記(1)の方法により製造する場合、特に、前記(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールとを反応させてウレタンプレポリマーを得る反応、及びウレタンプレポリマーに対して前記(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加反応させる際の両方の反応においてに上記触媒を用いることが好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造時に、反応系に(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリロイル基を含む化合物を用いる場合には、重合禁止剤を併用することが好ましい。このような重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノエチルエーテル、ジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール類、フェノチアジン、ジフェニルアミン等のアミン類、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物等が挙げられる。重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。重合禁止剤は、これらのうち、フェノール類が好ましい。重合禁止剤の使用量は、その原料化合物の総含有量に対して、上限が通常3,000ppm以下、好ましくは1,000ppm以下であり、特に好ましくは500ppm以下であり、一方、下限が通常50ppm以上、好ましくは100ppm以上である(いずれも重量ppm)。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの製造において、反応温度は20℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることが更に
好ましい。反応温度が上記下限値以上であると、反応速度が高くなり、製造効率が向上する傾向にあるために好ましい。また、反応温度は120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。反応温度が上記上限値以下であると、アロハナート化反応等の副反応が起きにくくなるために好ましい。また、反応系に有機溶媒を含む場合には、反応温度はその有機溶媒の沸点以下であることが好ましく、(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が含まれる場合には(メタ)アクリロイル基が過剰に反応することを防ぐ観点から70℃以下であることが好ましい。反応時間は通常5〜20時間である。
<成分(B):表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子>
本発明の硬化性樹脂組成物は、成分(B)として、表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子を含む。
成分(B)の製造方法は特に制限されないが、例えば、溶媒に分散させたシリカ粒子と、(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物とを加水分解縮合反応させることにより製造することができる。成分(B)の製造方法は公知であり、例えば、特開2006−249322号に記載されている。より具体的には、成分(B)の表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子は、まず、有機溶媒を分散媒とするシリカ粒子に、(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物を加え、さらに水、アセチルアセトンアルミニウムを加水分解触媒として加えて、加熱下で攪拌しながら加水分解反応を進行させることで得ることができる。
溶媒に分散させたシリカ粒子としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、キシレンジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノn−プロピルエーテルシリカゾル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、シクロヘキサノン等の溶媒に分散させたシリカ粒子が挙げられる。これらは市販品として入手することが可能であり、その例としては例えば、日産化学工業(株)製メタノールシリカゾルMA−ST−M、イソプロピルアルコールシリカゾルIPA−ST、エチレングリコールシリカゾルEG−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−ST、ジメチルアセトアミドシリカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルMIBK−ST、エチレングリコールモノn−プロピルエーテルシリカゾルNPC−ST−30、プロピレングリコールモノメチルエーテルシリカゾルPGM−ST、酢酸エチルシリカゾルEAC−ST、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートPMA−ST、トルエンシリカゾルTOL−ST、シクロヘキサノンシリカゾルCHO−ST−M等を用いることができる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記溶媒に分散させたシリカ粒子は、平均一次粒子径が、1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが更に好ましく、一方、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましく、30nm以下であることが特に好ましい。前記シリカ粒子の平均一次粒子径が上記下限値以上であると耐擦傷性、表面硬度が向上する傾向にあり、また、上記上限値以下であると硬化物の透明性が良好となる傾向にある。なお、本発明における溶媒に分散させたシリカ粒子の平均一次粒子径は、BET吸着法による比表面積測定値(JIS Z8830に準拠)を求め、以下の式から換算値として求められる値である。
[平均一次粒子径(nm)]=6,000/〔[比表面積(m/g)]×[密度(g/
cm)]〕
また、(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物としては、例えば、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルエトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等を用いることができる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(B)の製造において、前記加水分解反応温度は20℃以上であることが好ましく、40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。加水分解反応温度が上記下限値以上であると、反応速度が高くなり、製造効率が向上する傾向にあるために好ましい。また、加水分解反応温度は100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることが特に好ましい。加水分解反応温度が上記上限値以下であると、(メタ)アクリロイル基の重合等の副反応が起きにくくなるために好ましい。また、反応系に有機溶媒を含む場合には、加水分解反応温度はその有機溶媒の沸点以下であることが好ましい。加水分解反応時間は通常2〜10時間である。
成分(B)のシリカ粒子表面に修飾される(メタ)アクリロイル基の量(表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子1g当りの二重結合量(mol))は、仕込み値からの計算値で0.1〜2mmol/gであることが好ましく、0.2〜1.5mmol/gがより好ましく、0.3〜1mmol/gが更に好ましい。シリカ粒子表面に修飾される(メタ)アクリロイル基の量が前記の下限値以上であると耐擦傷性、硬度が向上する傾向があり、上限値以下であると3次元加工時の変形に追従可能な延伸性が向上する傾向があり好ましい。
前記成分(B)は、市販品としても入手することができる。成分(B)に該当する市販品としては例えば、日産化学工業(株)製MEK−AC−2140Z、MEK−AC−4130Y、MEK−AC−5140Z、PGM−AC−2140Y等が挙げられる。
前記成分(B)の含有量は、成分(A)と成分(B)との合計量に対して18.5〜45重量%である。成分(B)の含有量が18.5重量%以上であると耐擦傷性、表面硬度が良好となり、また、45重量%以下であると3次元加工時の変形に追従可能な延伸性が向上し、硬化物の透明性が良好となる。これらの効果をより高める観点から、19重量%以上が好ましく、25重量%以上がより好ましく、また、42重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましい。
<有機溶媒>
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機溶媒を含むことが好ましい。有機溶媒を用いることにより、成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを良好に溶解し、後述するようにウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに活性エネルギー線等を照射して硬化する際に、塗膜を形成するための粘度を調整し、均一な硬化物を得ることができる。
有機溶媒は本発明の効果が得られる範囲において公知の有機溶媒のいずれも使用することができる。好ましくは溶解度パラメーター(以下、「SP値」と称する。)が、8.0
〜11.5である有機溶媒である。SP値が8以上であるとウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの溶解性の観点で好ましく、一方、11.5以下であると溶液の透明性の観点で好ましい。上記範囲の有機溶媒としては、例えば、トルエン(SP値:9.1)、キシレン(SP値:9.1)、酢酸エチル(SP値:8.7)、酢酸ブチル(SP値:8.7)、シクロヘキサノン(SP値:9.8)、メチルエチルケトン(SP値:9.0)、及びメチルイソブチルケトン(SP値:8.7)、N−メチルピロリドン(SP値:11.2)等が挙げられる。なお、本発明において、SP値は、溶解度パラメーターを表し、その値はFedorsらが提案した方法によって計算されるものである。具体的には「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」を参照して求められる値である。また、SP値は、分子の疎水性基や親水性基の含有量により決まる物性値であり、混合溶媒を用いる場合は、SP値の小さい溶媒と大きい溶媒を混合した混合物としての値を意味する。
有機溶媒は、通常、硬化性樹脂組成物の固形分100重量部に対して10重量部以上、900重量部以下で使用可能である。なお、ここでいう「固形分」とはウレタンアクリレート(メタ)アクリレートオリゴマーのみならず、溶媒を除いた全成分を意味し、固体状態のものだけではなく、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。また、固形分濃度で好ましくは10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%となるように有機溶媒を用いること好ましい。
<その他の成分>
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を著しく阻害しない範囲において、更に、前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、前記表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子、及び前記有機溶媒以外の成分(本発明において、「その他の成分」と称することがある。)を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、活性エネルギー線反応性モノマー、活性エネルギー線硬化性オリゴマー(本発明に用いるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを除く。)、重合開始剤、光増感剤、エポキシ化合物及びその他の添加剤等が挙げられる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む前記活性エネルギー線反応性成分の総量の含有量は、組成物としての硬化速度及び表面硬化性に優れ、タックが残らない等の面から、該組成物全量に対して、60重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましく、95重量%以上であることがさらに一層好ましい。なお、この含有量の上限は100重量%である。
前記活性エネルギー線反応性モノマーとしては、本発明の効果が得られる範囲において、公知のいずれの活性エネルギー線反応性モノマーも用いることができる。これらの活性エネルギー線反応性モノマーは、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの親疎水性や、得られる組成物を硬化物とした際の表面硬度、伸度等の物性を調整する目的等で使用される。活性エネルギー線反応性モノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
このような活性エネルギー線反応性モノマーとしては、例えばビニルエーテル類、(メタ)アクリルアミド類、及び(メタ)アクリレート類が挙げられ、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル系モノマー類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類;ジアリルフタレート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−i−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸モルフォリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル等の単官能(メタ)アクリレート;及び、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(n=3〜16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1−メチルブチレングリコール)(n=5〜20)、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸ジシクロペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエポキシジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも特に、本発明の組成物に塗布性を要求される用途では、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ベ
ンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリルアミド等の、分子内に環構造を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましく、また、一方、得られる硬化物の機械的強度が求められる用途では、ジ(メタ)アクリル酸−1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸−1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが好ましく、得られる硬化物の柔軟性が求められる用途では、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(n=5〜14)、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール(n=3〜16)、ジ(メタ)アクリル酸ポリ(1−メチルブチレングリコール)(n=5〜20)等のポリエーテル(メタ)アクリレート類が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、前記活性エネルギー線反応性モノマーの含有量は、組成物の粘度調整及び得られる硬化物の表面硬度、伸度等の物性調整の観点から、該組成物全量に対して、50重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることがさらに好ましく、10重量%以下であることがさらに一層好ましい。
前記活性エネルギー線硬化性オリゴマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前記活性エネルギー線硬化性オリゴマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、及びアクリル(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物において、前記活性エネルギー線反応性オリゴマーの含有量は、得られる硬化物の表面硬度、伸度等の物性調整の観点から、該組成物全量に対して、50重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることが更に好ましく、10重量%以下であることが特に好ましい。
前記重合開始剤は、主に、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射で進行する重合反応の開始効率を向上させる等の目的で用いられる。重合開始剤としては、光によりラジカルを発生する性質を有する化合物である光ラジカル重合開始剤が一般的であり、本発明の効果が得られる範囲で公知の何れの光ラジカル重合開始剤でも使用可能である。重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。更に、光ラジカル重合開始剤と光増感剤とを併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエート、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチルベンゾイルホルメート、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチル
ベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、及び2−ヒドロキシ−1−〔4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル〕−2−メチル−プロパン−1−オン等が挙げられる。
これらの中で、硬化速度が速く架橋密度を十分に上昇できる点から、ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、及び、2−ヒドロキシ−1−〔4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル〕−2−メチル−プロパン−1−オンが好ましく、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、及び2−ヒドロキシ−1−〔4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル〕−2−メチル−プロパン−1−オンがより好ましい。
また、硬化性樹脂組成物に、ラジカル重合性基と共にエポキシ基等のカチオン重合性基を有する化合物が含まれる場合は、重合開始剤として、上記した光ラジカル重合開始剤と共に光カチオン重合開始剤が含まれていてもよい。光カチオン重合開始剤も、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で公知のいずれのものも使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるこれらの重合開始剤の含有量は、前記の活性エネルギー線反応性成分の合計100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が上記上限値以下であると、開始剤分解物による機械的強度の低下が起こり難いため好ましい。
前記光増感剤は、重合開始剤と同じ目的で用いることができる。光増感剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。光増感剤としては、本発明の効果が得られる範囲で公知の光増感剤のいずれをも使用することができる。このような光増感剤としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、及び4−ジメチルアミノアセトフェノン等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、前記光増感剤の含有量は、前記の活性エネルギー線反応性成分の合計100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましい。光増感剤の含有量が上記上限値以下であると、架橋密度低下による機械的強度の低下が起こり難いため好ましい。
前記添加剤は、本発明の効果が・BR>セられる範囲において任意であり、同様の用途に
用いられる組成物に添加される種々の材料を添加剤として用いることができる。添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。このような添加剤としては、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ粒子(ただし、成分(B)に該当するものを除く。)、アルミナ、炭酸カルシウム、雲母、酸化亜鉛、酸化チタン、マイカ、タルク、カオリン、金属酸化物、金属繊維、鉄、鉛、金属粉等のフィラー類;炭素繊維、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、C60等のフラーレン類等の炭素材料類(フィラー類、炭素材料類を総称して「無機成分」と称することがある);酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、耐指紋剤、表面親水化剤、帯電防止剤、滑り性付与剤、可塑剤、離型剤、消泡剤、レベリング剤、沈降防止剤、界面活性剤、チクソトロピー付与剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、シランカップリング剤等の改質剤類;顔料、染料、色相調整剤等の着色剤類;及び、モノマー又は/及びそのオリゴマー、又は無機成分の合成に必要な硬化剤、触媒、硬化促進剤
類;等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、前記添加剤の含有量は、前記の活性エネルギー線反応性成分の合計100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、5重量部以下であることがより好ましい。添加剤の含有量が上記上限値以下であると、架橋密度低下による機械的強度の低下が起こり難いため好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物に、前述の添加剤等の任意成分を含有させる方法としては、特に限定はなく、従来公知の混合、分散方法等が挙げられる。なお、前記任意成分をより確実に分散させるためには、分散機を用いて分散処理を行うことが好ましい。具体的には、例えば、二本ロール、三本ロール、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラインダー、セグバリアトライター、遊星式攪拌機、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ニーダー、ホモジナイザー、超音波分散機等で処理する方法が挙げられる。
<硬化性樹脂組成物の物性>
本発明の硬化性樹脂組成物は、該組成物の計算網目架橋点間分子量が1,000〜15,000であることが好ましい。本発明において、「計算網目架橋点間分子量」とは、全組成物中の網目構造を形成する活性エネルギー線反応基(以下、「架橋点」と称する場合がある)の間の分子量の平均値を意味する。この計算網目架橋点間分子量は、網目構造形成時の網目面積と相関があり、計算網目架橋点間分子量が大きいほど架橋密度が小さくなる。硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化させる反応においては、活性エネルギー線反応基を1個のみ有する化合物(以下、「単官能化合物」と称する場合がある。)が反応した場合には線状高分子になり、一方で活性エネルギー線反応基を2個以上有する化合物(以下、「多官能化合物」と称する場合がある)が反応した場合に網目構造を形成する。
よって、ここで多官能化合物が有する活性エネルギー線反応基が架橋点であり、計算網目架橋点間分子量の算出は架橋点を有する多官能化合物が中心となり、単官能化合物は多官能化合物が有する架橋点間の分子量を伸長する効果があるものとして扱い、計算網目架橋点間分子量の算出することとし、また、計算網目架橋点間分子量の算出は、全ての活性エネルギー線反応基が同じ反応性を有し、かつ活性エネルギー線照射により全ての活性エネルギー線反応基が反応するものと仮定した上で算出することとする。
1種の多官能化合物のみが反応するような多官能化合物単一系では、多官能化合物が有する活性エネルギー線反応基1個当りの平均分子量の2倍が計算網目架橋点間分子量となる。例えば、分子量1,000の2官能性化合物では(1000/2)×2=1000、分子量300の3官能性化合物では(300/3)×2=200となる。
一方、複数種の多官能化合物が反応するような多官能化合物の混合系では、組成物中に含まれる全活性エネルギー線反応基数に対する上記単一系の各々の計算網目架橋点間分子量の平均値が組成物の計算網目架橋点間分子量となる。例えば、分子量1,000の2官能性化合物4モルと分子量300の3官能性化合物4モルとの混合物からなる組成物では、組成物中の全活性エネルギー線反応基数は2×4+3×4=20個となり、組成物の計算網目架橋点間分子量は{(1000/2)×8+(300/3)×12}×(2/20)=520となる。
硬化性樹脂組成物中に単官能化合物を含む場合は、計算上、多官能化合物の活性エネルギー線反応基(つまり架橋点)にそれぞれ等モルずつ、且つ架橋点に単官能化合物が連結して形成された分子鎖の中央に位置するように反応すると仮定すると、1個の架橋点にお
ける単官能化合物による分子鎖の伸長分は、単官能化合物の総分子量を組成物中の多官能化合物の全活性エネルギー線反応基数で除した値の半分となる。ここで、計算網目架橋点間分子量は架橋点1個当り平均分子量の2倍であると考える為、多官能化合物において算出した計算網目架橋点間分子量に対して単官能化合物により伸長された分は、単官能化合物の総分子量を組成物中の多官能化合物の全活性エネルギー線反応基数で除した値となる。
例えば、分子量100の単官能化合物40モルと分子量1,000の2官能性化合物4モルとの混合物からなる組成物では、多官能化合物の活性エネルギー線反応基数は2×4=8個となるので、計算網目架橋点間分子量中の単官能化合物による伸長分は100×40/8=500となる。すなわち組成物の計算網目架橋間分子量は1000+500=1500となる。
上記のことから、分子量Wの単官能性化合物Mモルと、分子量Wのf官能性化合物Mモルと、分子量Wのf官能性化合物Mモルとの混合物では、組成物の計算網目架橋点間分子量は下記式で表せる。
Figure 2015108093
このようして算出される本発明の硬化性樹脂組成物の計算網目架橋点間分子量は、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることがさらに好ましく、4,000以上であることが特に好ましく、一方、15,000以下であることが好ましく、12,000以下であることがより好ましく、10,000以下であることが特に好ましい。
計算網目架橋点間分子量が上記上限値以下であると、硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の耐汚染性が良好となる傾向にある。また、計算網目架橋点間分子量が上記下限値以上であると、得られる硬化物の3次元加工適性が良好となる傾向にある。これは、3次元加工適性と耐汚染性が網目構造における架橋点間の距離に依存しており、この距離が長くなると柔軟で伸びやすい構造となり3次元加工適性に優れ、この距離が短くなると網目構造が強固な構造となり耐汚染性に優れるためであると推定される。
計算網目架橋点間分子量は例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの分子量や架橋構造を形成するためのモノマーの添加により制御することができる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量を低くしたり、多官能アクリレートを添加することにより、計算網目架橋点間分子量の値は低くなる傾向にある。
本発明の硬化性樹脂組成物の粘度は、硬化性組成物の用途や使用態様等に応じて適宜調節し得るが、取り扱い性、塗工性、成形性、立体造形性等の観点から、E型粘度計(ローター1°34’×R24)における25℃での粘度が、10mPa・s以上であることが好ましく、30mPa・s以上であることがより好ましく、一方、50,000mPa・s以下であることが好ましく、10,000mPa・s以下であることがより好ましく、5,000mPa・s以下であることが更に好ましく、2,000mPa・s以下である
ことが特に好ましい。硬化性樹脂組成物の粘度は、例えば本発明にかかるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの含有量や、前記の任意成分の種類や、その配合割合等によって調整することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、これを用いて、以下の方法で製膜された硬化膜について、以下の方法で測定された引張弾性率が2,500以上であることが好ましく、2,800以上であることがより好ましく、3,000以上であることが更に好ましい。引張弾性率が上記下限値以上であると耐擦傷性、耐汚染性、耐摩耗性等の観点で好ましい。一方、上限については特に制限はないが、通常、5,000MPa以下である。なお、この引張弾性率を測定する際の製膜方法・測定方法は以下の通りである。
(製膜方法)
硬化性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターで塗工して塗膜を形成した後、60℃で1分間乾燥させ、電子線照射装置(CB175、アイグラフィック社製)を用いて、加速電圧165kV、照射線量5Mradの条件で電子線を乾燥塗膜に照射し、更に23℃で1日養生して硬化膜を形成した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから硬化膜を剥離して膜厚約20μmの硬化膜を得る。
(引張弾性率測定方法)
上記の硬化膜を10mm幅に切断し、テンシロン引張試験機(オリエンテック社製「RTC−1210A」)を用いて、温度23℃、湿度55%RH、引張速度50mm/分、チャック間距離50mmの条件で引張試験を行って引張弾性率を測定する。より具体的には、上記の条件で引張試験を行って得られた応力−ひずみ曲線(SSカーブ)の0%伸び時と0.5%伸び時の応力とを結んだ直線を延長し、100%伸び時に換算した応力を引張弾性率とする。
〔硬化物〕
本発明の硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより硬化物を得ることができる(以下、「本発明の硬化物」と称することがある。)。本発明の硬化物の形態は特に制限されないが、例えば、硬化膜の形態で得ることができる。
硬化性樹脂組成物を硬化させる際に用いることのできる活性エネルギー線としては、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等が挙げられる。装置コストや生産性の観点から電子線又は紫外線を利用することが好ましく、光源としては、電子線照射装置、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Arレーザー、He−Cdレーザー、固体レーザー、キセノンランプ、高周波誘導水銀ランプ、太陽光等が好適である。
活性エネルギー線の照射量は、活性エネルギー線の種類に応じて適宜に選ぶことができる。例えば、電子線照射により硬化する場合には、その照射量は1〜15Mradであることが好ましい。また、紫外線照射により硬化する場合には、50〜1,500mJ/cmであることが好ましい。
硬化する際には、空気、窒素やアルゴン等の不活性ガスのいずれの雰囲気下であってもよい。また、フィルムやガラスと金属金型との間の密閉空間で照射してもよい。
〔積層体〕
基材上に、本発明の硬化物からなる層を形成することにより、積層体を得ることができる(以下、「本発明の積層体」と称することがある。)。本発明の積層体は、基材上に本発明の硬化物からなる層を有していれば特に限定されず、基材及び本発明の硬化物からな
る層以外の層を基材と本発明の硬化物からなる層との間に有していてもよいし、その外側に有していてもよい。また、本発明の積層体は、基材や本発明の硬化物からなる層を複数層有していてもよい。
本発明の積層体の製造方法は特に制限されないが、基材上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗工し、該硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得ることができる。硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、バーコーター法、アプリケーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スプレー法、グラビアコーター法、コンマコーター法、リバースロールコーター法、リップコーター法、ダイコーター法、スロットダイコーター法、エアーナイフコーター法、ディップコーター法等の公知の方法を適用可能であるが、その中でもバーコーター法及びグラビアコーター法が好ましい。また、硬化性樹脂組成物を硬化させる方法については先に本発明の硬化物についての説明において前述した通りである。
硬化物からなる層を複数層有する積層体を得る方法としては、全ての層を未硬化の状態で積層した後に活性エネルギー線で硬化する方法、下層を活性エネルギー線にて硬化、あるいは半硬化させた後に上層を塗布し、再度活性エネルギー線で硬化する方法、それぞれの層を離型フィルムやベースフィルムに塗布した後、未硬化あるいは半硬化の状態で層同士を貼り合わせる方法等の公知の方法を適用可能であるが、層間の密着性を高める観点から、未硬化の状態で積層した後に活性エネルギー線で硬化する方法が好ましい。未硬化の状態で積層する方法としては、下層を塗布した後に上層を重ねて塗布する逐次塗布や、多重スリットから同時に2層以上の層を重ねて塗布する同時多層塗布等の公知の方法を適用可能であるが、この限りではない。
基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂やポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の種々のプラスチック、又は金属で形成された板等の種々の形状の物品が挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂が好ましい。
本発明の積層体において、本発明の硬化物からなる層の膜厚は目的とされる用途に応じて適宜決められるが、好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは3μm以上であり、また、好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは50μm以下であり、特に好ましくは20μmである。本発明の硬化物からなる層の膜厚が上記下限値以上であると3次元加工後の意匠性や機能性の発現が良好となる傾向にあり、一方、膜厚が上記上限値以下であると内部硬化性、3次元加工適性が良好となる傾向にある。
〔用途〕
本発明の硬化性樹脂組成物より得られる硬化物及びこれを基材上に形成して得られる積層体は、塗装代替用フィルムとして好適に用いることができる。例えば内装・外装用の建装材や自動車、家電、情報電子材料等の各種部材等に有効に適用することが可能である。特に、本発明の硬化性樹脂組成物より得られる硬化物は、これをトップコート層とする加飾フィルムとして有用である。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値
との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[物性の測定方法]
以下の実施例及び比較例における、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー及び硬化膜の物性の測定・評価方法は以下の通りである。
<ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの物性>
1−1)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量(Mn)
GPC測定法により以下の条件にて、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの数平均分子量(Mn)を測定した。
機器 :東ソー社製「HLC−8120GPC」
カラム :東ソー社製「TSKgel superH1000+H2000+H3000」
検出器 :示差屈折率検出器(RI検出器/内臓)
溶媒 :テトラヒドロフラン
温度 :40℃
流速 :0.5mL/分
注入量 :10μL
濃度 :0.2重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法 :ポリスチレン換算
1−2)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのウレタン結合量
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの構成成分の総量(各原料成分のモル比と各成分の分子量との積の合計)におけるウレタン結合の総量(ポリイソシアネートの総モル数とウレタン結合の分子量(59)との積)の割合によりウレタン結合量を算出した。
<硬化膜の物性>
2−1)硬化膜外観の評価
得られた硬化膜について、目視にて以下の通り評価した。
○:濁りや異物が見られず透明である。
×:濁りや異物が確認される。
2−2)耐擦傷性の評価
後述する製膜方法Iで得られたポリエチレンテレフタレート上に積層された硬化膜について、耐擦傷試験前に測定したヘイズ値をHとする。一方、23℃、55%RHの雰囲気下、スチールウール(日本スチールウール(株)製 スチールウール #0000)に200gf(面積4cmあたり)の錘を載せ、上記製膜方法Iで得られたポリエチレンテレフタレート上に積層された硬化膜面を学振磨耗試験機(東洋精機製)で15往復擦り、その直後に測定したヘイズ値をHとした。H及びHの値からΔH(ΔH=H−H)を求めた。このΔHの値が小さいほど耐擦傷性に優れるものと評価される。なお、上記において、ヘイズ値は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所(株)社製「HAZE
METER HM−65W」)を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
2−3)表面硬度の評価
後述する製膜方法Iで得られたポリエチレンテレフタレート上に積層された硬化膜について、フィッシャースコープHM200(フィッシャーインストルメンツ社製)を用いて、ビッカース圧子で5mN/mmの試験力にて表面保護層の押し込み硬度(ビッカース硬度)を測定した。ビッカース硬度の値が大きいほど表面硬度に優れるものと評価される。
2−4)弾性率の評価
後述する製膜方法IIの硬化膜を10mm幅に切断し、テンシロン引張試験機(オリエンテック社製「RTC−1210A」)を用いて、温度23℃、湿度55%RH、引張速度50mm/分、チャック間距離50mmの条件で引張試験を行って引張弾性率を測定した。より具体的には、上記の条件で引張試験を行って得られた応力−ひずみ曲線(SSカーブ)の0%伸び時と0.5%伸び時の応力とを結んだ直線を延長し、100%伸び時に換算した応力を引張弾性率とした。引張弾性率の値が大きいほど弾性率に優れるものと評価される。
2−5)延伸性の評価
後述する製膜方法IIの硬化膜を10mm幅に切断し、テンシロン引張試験機((株)イマダ製「MX2−500N」)を用いて、温度100℃、引張速度40mm/分、チャック間距離40mmの条件で破断伸度を測定した。破断伸度が50%以上であれば3次元成型性が良好であるものと評価した。
[原料・溶媒]
以下に実施例及び比較例において用いた原料及び溶媒とその略称は以下の通りである。
<成分(A)の原料>
((a−1)ポリイソシアネート)
・IPDI:イソホロンジイソシアネート(エボニック デグサ ジャパン社製 商品名「VESTANAT IPDI」)
((a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール)
・EG:エチレングリコール
・1,4−CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
・1,12−DD:1,12−ドデカンジオール(宇部興産社製 商品名「1,12−ドデカンジオール」)
((a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)
・V−300:ペンタエリスリトールトリアクリレート40〜45重量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート35〜40重量%の混合物(カタログ値)(大阪有機社製 商品名ビスコート300)
<成分(B)の原料>
(溶媒に分散させたシリカ粒子)
・MEK−ST:メチルエチルケトン(MEK)分散コロイダルシリカゾル(日産化学工業社製 商品名MEK−ST、平均一次粒子径:15nm(カタログ値)、シリカ固形分:30質量%)
((メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物)
・KBM5103:γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製 商品名KBM−5103)
<有機溶媒>
・MEK:メチルエチルケトン(SP値:9.0)
[合成例A−1]
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコに、IPDIを179g、1,12−ドデカンジオールを148g入れ、更にメチルエチルケトン327g、ジオクチルスズジラウレート0.02gを入れてオイルバスにて80℃に加熱しながら9時間反応させた。反応終了後60℃まで冷却した後、更にジオクチルスズジラウレ
ート0.1g、メチルハイドロキノン0.2g、メチルエチルケトン73gを加え、V−300を73g滴下して反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃に加熱しながら10時間行い、赤外吸収スペクトルでのイソシアネート(NCO)基に由来したピークの消失により反応の終点を確認した後、メチルエチルケトン200gを加え、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−1)を得た。得られたウレタンアクリレートオリゴマー(A−1)について、前記1−1)の方法にて数平均分子量を測定した。得られた結果を表−1に示す。
[合成例A−2]
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコに、IPDIを189g、1,12−ドデカンジオールを162g入れ、更にメチルエチルケトン351g、ジオクチルスズジラウレート0.02gを入れてオイルバスにて80℃に加熱しながら9時間反応させた。反応終了後60℃まで冷却した後、更にジオクチルスズジラウレート0.1g、メチルハイドロキノン0.2g、メチルエチルケトン49gを加え、V−300を49g滴下して反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃に加熱しながら10時間行い、赤外吸収スペクトルでのイソシアネート(NCO)基に由来したピークの消失により反応の終点を確認した後、メチルエチルケトン200gを加え、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−2)を得た。得られたウレタンアクリレートオリゴマー(A−2)について、前記1−1)の方法にて数平均分子量を測定した。得られた結果を表−1に示す。
[合成例A−3]
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコに、IPDIを245g、エチレングリコールを61g入れ、更にメチルエチルケトン309g、ジオクチルスズジラウレート0.02gを入れてオイルバスにて80℃に加熱しながら9時間反応させた。反応終了後60℃まで冷却した後、更にジオクチルスズジラウレート0.1g、メチルハイドロキノン0.2g、メチルエチルケトン90gを加え、HEA14g、V−300を76g滴下して反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃に加熱しながら10時間行い、赤外吸収スペクトルでのイソシアネート(NCO)基に由来したピークの消失により反応の終点を確認した後、メチルエチルケトン200gを加え、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−3)を得た。得られたウレタンアクリレートオリゴマー(A−3)について、前記1−1)の方法にて数平均分子量を測定した。得られた結果を表−1に示す。
[合成例A−4]
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコに、IPDIを204g、1,4−シクロヘキサンジメタノールを122g入れ、更にメチルエチルケトン326g、ジオクチルスズジラウレート0.02gを入れてオイルバスにて80℃に加熱しながら9時間反応させた。反応終了後60℃まで冷却した後、更にジオクチルスズジラウレート0.1g、メチルハイドロキノン0.2g、メチルエチルケトン74gを加え、V−300を73g滴下して反応を開始させた。反応はオイルバスにて70℃に加熱しながら10時間行い、赤外吸収スペクトルでのイソシアネート(NCO)基に由来したピークの消失により反応の終点を確認した後、メチルエチルケトン200gを加え、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−4)を得た。得られたウレタンアクリレートオリゴマー(A−4)について、前記1−1)の方法にて数平均分子量を測定した。得られた結果を表−1に示す。
[合成例B−1]
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、及び温度計を取り付けた4つ口フラスコに、MEK−ST(固形分30%)を904g、KBM−5103を37g入れ、更にメチルエチルケ
トン54g、メチルハイドロキノン0.15g、水3.1g、アセチルアセトンアルミニウム1.5gを入れてオイルバスにて70℃に加熱しながら4時間反応させ、表面に(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子(B−1)を得た。シリカ粒子表面に修飾される(メタ)アクリロイル基の量は0.51mmol/gであった。
Figure 2015108093
[実施例1]
合成例A−1で得られたウレタンアクリレートオリゴマー(A−1)、合成例B−1で得られた表面に(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子(B−1)を表−2に示す通りに配合し、均一に混合して硬化性樹脂組成物を得た。
(製膜方法I)
硬化性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターで塗工して塗膜を形成した後、60℃で1分間乾燥させ、電子線照射装置(CB175、アイグラフィック社製)を用いて、加速電圧165kV、照射線量5Mradの条件で電子線を乾燥塗膜に照射し、更に23℃で1日養生して硬化膜を形成して膜厚約5μmの硬化膜がポリエチレンテレフタレート上に積層された硬化膜を得た。得られた硬化膜について、前記2−1)〜2−3)の物性評価を行った。これらの結果を表−2に示す。
(製膜方法II)
硬化性樹脂組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターで塗工して塗膜を形成した後、60℃で1分間乾燥させ、電子線照射装置(CB175、アイグラフィック社製)を用いて、加速電圧165kV、照射線量5Mradの条件で電子線を乾燥塗膜に照射し、更に23℃で1日養生して硬化膜を形成した後、ポリエチレンテレフタレートフィルムから硬化膜を剥離して膜厚約20μmの硬化膜を得た。得られた硬化膜について、前記2−4)、2−5)の物性評価を行った。これらの結果を表−2に示す。
[実施例2〜6及び比較例1〜8]
表−2又は表−3に示すとおり、配合組成を変更した以外は実施例1と同様に実施して硬化性樹脂組成物を得た。なお、比較例4及び5においては合成例B−1に対する比較対象として合成例B−1の原料として使用した「MEK−ST」を用いた。また、それぞれの硬化性樹脂組成物について、実施例1と同様にして評価を行った。得られた結果を表−2又は表−3に示す。
Figure 2015108093
Figure 2015108093
[評価結果]
表−2及び表−3より以下のことがわかる。まず、実施例1〜3に対し、比較例1及び2は成分(B)の配合量が少ない例であり、また、比較例3は成分(B)の配合量が多い例である。実施例1〜3と比較例1、2との比較から、成分(B)の配合量が本願発明の
範囲であると耐擦傷性、表面硬度及び弾性率が顕著に向上することがわかる。また、実施例1〜3と比較例3との比較から、成分(B)の配合量が本願発明の範囲であると硬化膜外観及び延伸性が顕著に優れることがわかる。即ち、本願発明により、耐擦傷性、表面硬度及び弾性率と、硬化膜外観及び延伸性とがバランス良く改善されることがわかる。
次に、実施例1及び3のそれぞれに対し、比較例4及び5はそれぞれ、成分(B)の代わりにMEK−STを使用した例である。実施例1と比較例4及び実施例3と比較例5のそれぞれの比較から、成分(B)を用いることにより、耐擦傷性が顕著に改善されることがわかる。
また、実施例4〜6に対し、比較例6〜8はそれぞれ成分(B)を用いなかった例である。比較例6〜8それぞれに対して同種の成分(A)を用いた対応する実施例4〜6は、耐擦傷性、表面硬度及び弾性率が顕著に向上することがわかる。
本発明の硬化性樹脂組成物より得られる硬化物及びこれを基材上に形成して得られる積層体は、塗装代替用フィルムとして好適に用いることができる。例えば内装・外装用の建装材や自動車、家電、情報電子材料等の各種部材等に有効に適用することが可能である。特に、本発明の硬化性樹脂組成物より得られる硬化物は、これをトップコート層とする加飾フィルムとして有用である。

Claims (7)

  1. 下記成分(A)及び成分(B)を含み、かつ成分(A)と成分(B)との合計量に対し、成分(B)を18.5〜45重量%含む硬化性樹脂組成物。
    成分(A):少なくとも(a−1)ポリイソシアネート、(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオール及び(a−3)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー
    成分(B):表面を(メタ)アクリロイル基を有する化合物により修飾されてなるシリカ粒子
  2. 成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、数平均分子量(Mn)500〜15,000である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 成分(A)のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、(a−1)ポリイソシアネートと(a−2)炭素数2〜14の脂肪族ジオールを反応させてウレタンプレポリマーを得た後、これに(a−3)ヒドロキシ(メタ)アクリレートを反応させて得られたものである、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(a−1)ポリイソシアネートが脂環式構造を有するポリイソシアネートである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射してなる硬化物。
  6. 基材上に、請求項5に記載の硬化物からなる層を形成してなる積層体。
  7. 前記基材が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂から選択される少なくとも1つである、請求項6に記載の積層体。
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