JP2015106938A - 送電コイルユニット及びワイヤレス電力伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制した送電コイルユニット及びワイヤレス電力伝送装置を提供すること。【解決手段】送電コイルユニットLtu1は、送電コイルLta,Ltbと、補助コイルLca、Lcbと、を備え、補助コイルLca,Lcbが発生する磁束は、送電コイルLta,Ltbが発生する磁束のうち、電力を送電するときに送電コイルLta,Ltbと対向することとなる受電コイルLrに鎖交する磁束Bt1a,Bt1dを相殺せずに受電コイルLrに鎖交しない磁束の一部(磁束Bt1c,Bt1d)を相殺する。【選択図】図3b
Description
本発明は、ワイヤレスにて電力を伝送するための送電コイルユニット及びワイヤレス電力伝送装置に関するものである。
近年、ケーブル等の機械的接触なしで電力を送電するために、相対させた1次(送電)コイルと2次(受電)コイルの間の電磁誘導作用を利用したワイヤレス電力伝送技術が注目されており、高効率、低損失での電力伝送が可能な技術の開発要求が高まってきている。
このとき、送電コイルの漏れ磁束により送電コイル周辺に形成される不要な漏洩磁界が問題視されている。例えば、ワイヤレス電力伝送技術を電気自動車等のパワーエレクトロニクス装置における充電装置へ適応した場合、大電力伝送が要求されることから、送電コイルに大電流を流す必要があるが、この場合、漏れ磁束による不要な漏洩磁界の強度も大きくなるので、周囲の電子機器などに悪影響を与える電磁波障害を引き起こすことが懸念されている。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、電力伝送用コイルの作る磁束と鎖交するノイズ相殺用コイルによって、電力伝送用コイルの漏れ磁束によるノイズを無くす技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、電力伝送用コイルの作る磁束がノイズ相殺用コイルに鎖交しているため、本来であれば電力伝送に寄与するはずの磁束までもが相殺されてしまう虞があり、結果として、電力伝送効率が低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制した送電コイルユニット及びワイヤレス電力伝送装置を提供することを目的とする。
本発明に係る送電コイルユニットは、ワイヤレスにて電力を送電する送電コイルユニットであって、送電コイルと、補助コイルと、を備え、補助コイルが発生する磁束は、送電コイルが発生する磁束のうち、電力を送電するときに送電コイルと対向することとなる受電コイルに鎖交する磁束を相殺せずに、受電コイルに鎖交しない磁束の一部を相殺することを特徴とする。
ここで、送電コイルから離れた場所に不要な漏洩磁界を形成する磁束の大部分は、受電コイルに鎖交しない磁束である。これに対して本発明に係る送電コイルユニットにおいては、補助コイルが発生する磁束が、受電コイルに鎖交しない磁束の一部を相殺する。したがって、送電コイルから離れた場所に形成される磁界の強度は低下する。一方、電力伝送に寄与する磁束は受電コイルに鎖交する磁束である。これに対して本発明に係る送電コイルユニットにおいては、補助コイルが発生する磁束が、受電コイルに鎖交する磁束を相殺しない。したがって、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制することができる。なお、ここでいう「受電コイルに鎖交する磁束を相殺せずに」とは、なんらかの周囲環境の影響等により、受電コイルを鎖交する磁束の一部が送電コイルから離れた場所にまで周回したとき、送電コイルから離れた場所において、補助コイルが発生する磁束が偶発的に受電コイルに鎖交する磁束の一部を相殺することまでも排除する意味ではない。
また、本発明に係る送電コイルユニットにおいては、補助コイルが発生する磁界が、送電コイルと受電コイルとの間に生じる磁界の一部を強めるように構成してもよい。この場合、送電コイルと受電コイルとの間では、送電コイルが発生する磁束の向きと補助コイルが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルと受電コイルを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、補助コイルが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
好ましくは、送電コイル及び補助コイルは、それぞれ磁性コアをさらに備え、補助コイルの磁性コアは、送電コイルの磁性コアに連結されているとよい。この場合、補助コイルは、送電コイルと受電コイルの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなる。すなわち、送電コイルと受電コイルとの間では、送電コイルが発生する磁束の向きと補助コイルが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルと受電コイルを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、補助コイルが発生する磁束に相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
より好ましくは、補助コイルの軸方向は、送電コイルと受電コイルとの対向方向と非平行であるとよい。この場合、補助コイルが発生する磁束は、受電コイルに鎖交することなく、補助コイルから離れた場所にまで周回し易くなる。その結果、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減する効果がより一層高くなる。
また、本発明に係る送電コイルユニットにおいては、補助コイルは、送電コイルが発生する磁束のうち、受電コイルに鎖交する磁束に鎖交しないように配置され、補助コイルが発生する磁束の周回方向は、送電コイルが発生する磁束の周回方向と逆向きであるように構成してもよい。この場合、補助コイルは、送電コイルが発生する磁束のうち、受電コイルに鎖交する磁束に鎖交しないように配置されているため、電力伝送に寄与する磁束は補助コイルによって相殺されない。また、補助コイルが発生する磁束の周回方向が、送電コイルが発生する磁束の周回方向と逆向きとなっていることから、磁束の発生源である送電コイルと補助コイルから離れた場所においては、送電コイルが発生する磁束の向きと補助コイルが発生する磁束の向きが互いに逆向きとなるため、互いの磁束は相殺され、送電コイルから離れた場所に形成される磁界の強度は低下する。したがって、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
好ましくは、補助コイルの軸方向は、送電コイルと受電コイルとの対向方向に対して略直交するとよい。この場合、補助コイルにより、補助コイルから離れた場所にまで周回する磁束をより発生させ易くなる。したがって、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減する効果がより一層高くなる。
好ましくは、補助コイルは、送電コイルの受電コイルと対向する側とは反対側に位置しているとよい。この場合、補助コイルにより、送電コイルと受電コイルの間の磁界を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、送電コイルと受電コイルとの間では、送電コイルが発生する磁束の向きと補助コイルが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルと受電コイルを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、補助コイルが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
好ましくは、補助コイルの一部又は全部が、送電コイルと受電コイルとの対向方向から見て、送電コイルと重なり合うとよい。この場合、補助コイルと送電コイルがより近接して配置されることとなるので、送電コイルから離れた場所における補助コイルが発生する磁束の密度分布を、送電コイルが発生する磁束の密度分布により近い分布とすることができる。その結果、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減する効果がより一層高くなる。
また、本発明に係る送電コイルユニットにおいては、送電コイルは、並置された第1の送電コイル及び第2の送電コイルを備え、第1の送電コイル及び第2の送電コイルは、互いが発生する磁界によって、双方の送電コイルを鎖交する磁路を形成するように構成してもよい。この場合、双方の送電コイルが、受電コイルに鎖交する磁束を効率良く発生するので、電力伝送効率を向上できる。
より好ましくは、補助コイルが発生する磁束は、少なくとも一部が送電コイルに鎖交するとよい。この場合、補助コイルにより、送電コイルと受電コイルの間の磁界を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、送電コイルと受電コイルとの間では、送電コイルが発生する磁束の向きと補助コイルが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルと受電コイルを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、補助コイルが発生する磁束に相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
好ましくは、送電コイルの受電コイルと対向する側とは反対側であって、第1の送電コイルの中心部と第2の送電コイルの中心部との間にコイルの中心部が配置される付加コイルをさらに備え、第1の送電コイル、第2の送電コイル及び付加コイルは、互いに発生させる磁界によって、各コイルを鎖交する磁路を形成するとよい。この場合、送電コイルが発生する磁束の密度をより高くすることができる。したがって、電力伝送に寄与する磁束がさらに効率良く発生するので、電力伝送効率をさらに高くできる。
好ましくは、補助コイルは、第1の補助コイル及び第2の補助コイルを備え、第1の補助コイル及び第2の補助コイルは、第1の補助コイルの中心部と第2の補助コイルの中心部との間に送電コイルの中心部が位置するように配置されているとよい。この場合、2つの補助コイルが送電コイルの両外側に配置される構成となるので、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界をさらに低減できる。
本発明に係るワイヤレス電力伝送装置は、上記送電コイルユニットと、受電コイルを備える。本発明によれば、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制したワイヤレス電力伝送装置を提供することができる。
本発明によれば、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制した送電コイルユニット及びワイヤレス電力伝送装置を提供することができる。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1および2を参照して、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。
まず、図1および2を参照して、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。
ワイヤレス電力伝送装置S1は、図1に示されるように、ワイヤレス送電装置Ut1と、ワイヤレス受電装置Urと、を有する。
ワイヤレス送電装置Ut1は、電源PWと、インバータINVと、送電コイルユニットLtu1と、を有する。電源PWは、直流電力を後述するインバータINVに供給する。電源PWとしては、直流電力を出力するものであれば特に制限されず、商用交流電源を整流・平滑した直流電源、二次電池、太陽光発電した直流電源、あるいはスイッチングコンバータ等のスイッチング電源装置などが挙げられる。
インバータINVは、電源PWから供給される入力直流電力を交流電力に変換する機能を有している。本実施形態では、インバータINVは、電源PWから供給される入力直流電力を交流電力に変換し、後述する送電コイルユニットLtu1に供給する。インバータINVとしては、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路から構成される。このスイッチング回路を構成するスイッチング素子としては、例えばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)やIBGT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの素子が挙げられる。
送電コイルユニットLtu1は、第1の送電コイルLtaと、第2の送電コイルLtbと、第1の補助コイルLcaと、第2の補助コイルLcbと、磁性体F1と、を有する。本実施形態においては、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの4つのコイルは、図1に示すように、電気的に直列接続されている。なお、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車などの車両への給電設備に適用した場合、送電コイルユニットLtu1は、地中または地面近傍に配設されることとなる。
続いて、図2を参照して、送電コイルユニットLtu1が有する各コイルについて説明する。第1の送電コイルLtaは、磁性コアCtaと巻線Wtaを備えている。第1の送電コイルLtaは、略方形を呈した平面状のスパイラル構造のコイルであり、磁性コアCtaに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wtaを巻回して形成されている。第1の送電コイルLtaの軸方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向に対して平行となっている。第1の送電コイルLtaの巻数は、後述する受電コイルLrとの間の離間距離や、所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。
第2の送電コイルLtbは、磁性コアCtbと巻線Wtbを備えている。第2の送電コイルLtbは、略方形を呈した平面状のスパイラル構造のコイルであり、磁性コアCtbに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wtbを巻回して形成されている。第2の送電コイルLtbの軸方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向に対して平行となっている。第2の送電コイルLtbは、第1の送電コイルLtaと同一平面上に並置されており、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの配置間隔や第2の送電コイルLtbの巻数は、後述する受電コイルLrとの間の離間距離や所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。この第1及び第2の送電コイルLta,Ltbは、インバータINVから供給される交流電力を後述する受電コイルLrにワイヤレスにて送電する機能を有する。
また、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbは、互いが発生する磁界によって、双方の送電コイルLta,Ltbを鎖交する磁路が形成されるように構成される。この場合、双方の送電コイルLta,Ltbが、後述する受電コイルLrに鎖交する磁束を効率良く発生するので、電力伝送効率が向上する。具体的には、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbは、双方の送電コイルLta,Ltbを鎖交するように周回する磁束を発生している。この双方の送電コイルLta,Ltbを周回する磁束は、第1の送電コイルLtaに鎖交する向きと、第2の送電コイルLtbに鎖交する向きが互いに逆向きとなっている。ここで、双方の送電コイルLta,Ltbを鎖交する磁路を形成するには、第1の送電コイルLtaが発生する磁界の方向と第2の送電コイルLtbが発生する磁界の方向が互いに逆向きとなるように、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbを電気的に接続すればよい。すなわち、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbの巻回方向が同じ向きの場合は、第1の送電コイルLtaに流れる電流の方向と第2の送電コイルLtbに流れる電流の方向が互いに逆向きとなるように接続すればよい。あるいは、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbの巻回方向が互いに逆向きの場合は、第1の送電コイルLtaに流れる電流の方向と第2の送電コイルLtbに流れる電流の方向が互いに同じ向きとなるように接続すればよい。なお、双方の送電コイルLta,Ltbを鎖交するように周回する磁束の方向とは、「送電コイル」が発生する磁束の周回方向のことである。
第1の補助コイルLcaは、磁性コアCcaと巻線Wcaを備えている。第1の補助コイルLcaは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCcaに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wcaを巻回して形成されている。この第1の補助コイルLcaの軸方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっている。このような構成により、第1の補助コイルLcaが発生する磁束は、後述する受電コイルLrに鎖交することなく、第1の補助コイルLcaから離れた場所にまで周回し易くなる。本実施形態においては、第1の補助コイルLcaの軸方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向に対して直交している。この場合、第1の補助コイルLcaにより、第1の補助コイルLcaから離れた場所にまで周回する磁束をより発生させ易くなる。
また、第1の補助コイルLcaは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束のうち、電力を送電するときに第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと対向することとなる後述する受電コイルLrに鎖交する磁束に鎖交しないように配置されている。つまり、電力伝送に寄与する磁束は第1の補助コイルLcaによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。本実施形態においては、図2に示されるように、第1の補助コイルLcaは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが後述する受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されている。より具体的には、第1の補助コイルLcaは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向から見て、第1の送電コイルLtaと重なり合うように配置されている。このような配置とすることにより、第1の補助コイルLcaによって第1の送電コイルLtaと後述する受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、第1の送電コイルLtaと後述する受電コイルLrとの間では、第1の送電コイルLtaが発生する磁束の向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第1の送電コイルLtaと後述する受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1の補助コイルLcaが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。また、第1の補助コイルLcaと第1の送電コイルLtaがより近接して配置されていることから、第1の送電コイルLtaから離れた場所における第1の補助コイルLcaが発生する磁束の密度分布を、第1の送電コイルLtaが発生する磁束の密度分布により近い分布とすることができる。
またさらには、第1の補助コイルLcaが発生する磁束の周回方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束の周回方向と逆向きとなっている。具体的には、図2において、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束が、第1の送電コイルLtaを、第1の送電コイルLtaから後述する受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交し、第2の送電コイルLtbを、後述する受電コイルLrから第2の送電コイルLtbに向かう方向(図示下向き)に鎖交するときであって、第1の補助コイルLcaが、第1の補助コイルLcaから第1の送電コイルLtaの中心部に向かう方向(図示右向き)に鎖交する磁束を発生すれば、第1の補助コイルLcaが発生する磁束の周回方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束の周回方向と逆向きとなる。あるいは、図2において、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束が、第1の送電コイルLtaを、後述する受電コイルLrから第1の送電コイルLtaに向かう方向(図示下向き)に鎖交し、第2の送電コイルLtbを、第2の送電コイルLtbから後述する受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交するときであって、第1の補助コイルLcaが、第1の送電コイルLtaの中心部から第1の補助コイルLcaに向かう方向(図示左向き)に鎖交する磁束を発生すれば、第1の補助コイルLcaが発生する磁束の周回方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束の周回方向と逆向きとなる。このような磁束を発生させるには、第1の補助コイルLcaの巻線Wtaにおける第1の送電コイルLtaの巻線Wtaと最も近接する部分(図示第1の補助コイルLcaの巻線Wtaの上面部分)を通過する電流の向きが、第1の送電コイルLtaの巻線Wtaにおける第1の補助コイルLcaの巻線Wtaと最も近接する部分(図示第1の送電コイルLtaの巻線Wtaの左側部分)を通過する電流の向きと同じとなるように、第1の補助コイルLcaの巻線Wcaを磁性コアCcaに巻回すればよい。このような構成とすることにより、磁束の発生源である第1の送電コイルLtaと第1の補助コイルLcaから離れた場所においては、第1の送電コイルLtaが発生する磁束の向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束の向きが互いに逆向きとなるため、互いの磁束は相殺され、第1の送電コイルLtaから離れた場所に形成される磁界の強度は低下する。したがって、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減することができる。
第2の補助コイルLcbは、磁性コアCcbと巻線Wcbを備えている。第2の補助コイルLcbは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCcbに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wcbを巻回して形成されている。この第2の補助コイルLcbの軸方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっている。このような構成により、第2の補助コイルLcbが発生する磁束は、後述する受電コイルLrに鎖交することなく、第2の補助コイルLcbから離れた場所にまで周回し易くなる。本実施形態においては、第2の補助コイルLcbの軸方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向に対して直交している。この場合、第2の補助コイルLcbにより、第2の補助コイルLcbから離れた場所にまで周回する磁束をより発生させ易くなる。
また、第2の補助コイルLcbは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束のうち、電力を送電するときに第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと対向することとなる後述する受電コイルLrに鎖交する磁束に鎖交しないように配置されている。つまり、電力伝送に寄与する磁束は第2の補助コイルLcbによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。本実施形態においては、図2に示されるように、第2の補助コイルLcbは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが後述する受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されている。より具体的には、第2の補助コイルLcbは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向から見て、第2の送電コイルLtbと重なり合うように配置されている。このような配置とすることにより、第2の補助コイルLcbによって第2の送電コイルLtbと後述する受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、第2の送電コイルLtbと後述する受電コイルLrとの間では、第2の送電コイルLtbが発生する磁束の向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第2の送電コイルLtbと後述する受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第2の補助コイルLcbが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。また、第2の補助コイルLcbと第2の送電コイルLtbがより近接して配置されていることから、第2の送電コイルLtbから離れた場所における第2の補助コイルLcbが発生する磁束の密度分布を、第2の送電コイルLtbが発生する磁束の密度分布により近い分布とすることができる。
またさらには、第2の補助コイルLcbが発生する磁束の周回方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束の周回方向と逆向きとなっている。具体的には、図2において、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束が、第1の送電コイルLtaを、第1の送電コイルLtaから後述する受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交し、第2の送電コイルLtbを、後述する受電コイルLrから第2の送電コイルLtbに向かう方向(図示下向き)に鎖交するときであって、第2の補助コイルLcbが、第2の送電コイルLtbの中心部から第2の補助コイルLcbに向かう方向(図示右向き)に鎖交する磁束を発生すれば、第2の補助コイルLcbが発生する磁束の周回方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束の周回方向と逆向きとなる。あるいは、図2において、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束が、第1の送電コイルLtaを、後述する受電コイルLrから第1の送電コイルLtaに向かう方向(図示下向き)に鎖交し、第2の送電コイルLtbを、第2の送電コイルLtbから後述する受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交するときであって、第2の補助コイルLcbが、第2の補助コイルLcbから第2の送電コイルLtbの中心部に向かう方向(図示左向き)に鎖交する磁束を発生すれば、第2の補助コイルLcbが発生する磁束の周回方向は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束の周回方向と逆向きとなる。このような磁束を発生させるには、第2の補助コイルLcbの巻線Wtbにおける第2の送電コイルLtbの巻線Wtbと最も近接する部分(図示第2の補助コイルLcbの巻線Wtbの上面部分)を通過する電流の向きが、第2の送電コイルLtbの巻線Wtbにおける第2の補助コイルLcbの巻線Wtbと近接する部分(図示第2の送電コイルLtbの巻線Wtbの右側部分)を通過する電流の向きと同じとなるように、第2の補助コイルLcbの巻線Wcbを磁性コアCcbに巻回すればよい。このような構成とすることにより、磁束の発生源である第2の送電コイルLtbと第2の補助コイルLcbから離れた場所においては、第2の送電コイルLtbが発生する磁束の向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束の向きが互いに逆向きとなるため、互いの磁束は相殺され、第2の送電コイルLtbから離れた場所に形成される磁界の強度は低下する。したがって、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減することができる。
第1の補助コイルLcaと第2の補助コイルLcbは、第1の補助コイルLcaの中心部と第2の補助コイルLcbの中心部との間に、第1の送電コイルLtaの中心部と第2の送電コイルLtbの中心部が位置するように配置されている。具体的には、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの並置方向において、第1の補助コイルLcaの中心部と第2の補助コイルLcbの中心部が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの中心部の両外側に位置するように配置されている。この場合、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの両外側に配置されるため、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界をさらに低減できる。
磁性体F1は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの後述する受電コイルLrと対向する側とは反対側の面に沿って延びている。本実施形態においては、磁性体F1は、図2に示すように、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrとの対向方向における後述する受電コイルLr側の面(図示上面)の両端付近で、それぞれ第1の送電コイルLtaの磁性コアCtaと第2の送電コイルLtbの磁性コアCtbに接続されている。また、磁性体F1は、図2に示すように、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの並置方向における両側面(図示左側面及び右側面)において、それぞれ第1の補助コイルLcaの磁性コアCcaと第2の補助コイルLcbの磁性コアCcbに接続されている。このような構成により、第1の補助コイルLcaの磁性コアCcaと第2の補助コイルLcbの磁性コアCcbは、それぞれ磁性体F1を介して、第1の送電コイルLtaの磁性コアCtaと第2の送電コイルLtbの磁性コアCtbに連結されることとなる。そのため、第1の補助コイルLcaは、第1の送電コイルLtaと後述する受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなるとともに、第2の補助コイルLcbは、第2の送電コイルLtbと後述する受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなる。すなわち、第1の送電コイルLtaと後述する受電コイルLrとの間では、第1の送電コイルLtaが発生する磁束の向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなるとともに、第2の送電コイルLtbと後述する受電コイルLrとの間では、第2の送電コイルLtbが発生する磁束の向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと後述する受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束に相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
ワイヤレス受電装置Urは、図1に示されるように、受電コイルLrと、整流回路DBと、を有する。
受電コイルLrは、図2に示されるように、磁性コアCrと巻線Wrを備えている。受電コイルLrは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCrに巻線Wrを巻回して形成されている。受電コイルLrは、送電コイルユニットLtu1の第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから送電された交流電力を受電する機能を有する。なお、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車などの車両への給電設備に適用した場合、受電コイルLrは、車両下部に搭載されることとなる。
整流回路DBは、受電コイルLrが受電した交流電力を直流電力に整流する機能を有している。整流回路DBとしては、ダイオードブリッジを用いた全波整流機能と、コンデンサおよび三端子レギュレータを用いた電力平滑化機能を備えた変換回路などが挙げられる。この整流回路DBにより整流された直流電力は、負荷Rに出力される。ここで、負荷Rとしては、本実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を電気自動車などの車両への給電設備に適用した場合、車両が有する二次電池や回転機が挙げられる。なお、負荷Rが交流回転機の場合、ワイヤレス受電装置Urの整流回路DBと負荷Rとの間にインバータ(図示しない)を付加して交流回転機に交流電力を供給するように構成する必要がある。
続いて、図3を参照して、本実施形態における送電コイルが発生する磁束と補助コイルが発生する磁束の相対的な関係と不要な漏洩磁界の低減作用について詳細に説明する。図3aは、図2において、第1及び第2の送電コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。図3bは、図2において、第1及び第2の送電コイルと第1及び第2の補助コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。ここで、図3a中、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt1a〜Bt1dを示している。また、図3b中、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt1a〜Bt1dを示し、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束のうち、代表的なものとして磁束Bc1a〜Bc1dを模式的に示している。ただし、これらの磁束は、それぞれの磁束の向きのみを模式的に示したものであって、磁束密度を示すものではない。なお、図3a及び図3bでは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの磁性コアCta,Ctbと、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの磁性コアCca,Ccbと、磁性体F1と、受電コイルLrの磁性コアCrの中における磁束の図示は省略している。
まず、図3aを参照して、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束について説明する。第1及び第2の送電コイルLta,Ltbは、図3aに示されるように、第1の送電コイルLtaを、第1の送電コイルLtaから受電コイルLrへ向かう方向(図示上向き)に鎖交し、かつ、第2の送電コイルLtbを、受電コイルLrから第2の送電コイルLtbへ向かう方向(図示下向き)に鎖交する磁束Bt1a〜Bt1dを発生している。すなわち、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbは、同じ向きに周回する磁束Bt1a〜Bt1dを発生している。本例においては、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1a〜Bt1dは、受電コイルLrに鎖交し、電力伝送に寄与する磁束Bt1a,Bt1bと、受電コイルLrに鎖交することなく、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所を周回する磁束Bt1c,Bt1dがあり、磁束Bt1a,Bt1bが受電コイルLrに鎖交することで、受電コイルLrの巻線Wrに起電力が生じる。そして、受電コイルLrに生じた電力は、整流回路DBによって整流され、負荷Rに出力される。ここで、本実施形態においては、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbが互いに発生する磁界により、双方の送電コイルLta,Ltbを鎖交する磁路が形成されることから、磁束Bt1a,Bt1bを効率良く発生させることができるため、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの近傍を周回する磁束Bt1a,Bt1bの磁束密度は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所まで大きく周回する磁束Bt1c,Bt1dに比べて、非常に高い。すなわち、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbにより発生する磁束の大部分は、受電コイルLrに鎖交することとなる。その結果、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrの結合は高くなり、電力伝送効率も高くなる。なお、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1a〜Bt1dは、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbには鎖交しておらず、電力伝送に寄与する磁束Bt1a,Bt1bは、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
続いて、図3bを参照して、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束について説明する。なお、図3b中の第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1a〜Bt1dは図3aに示したとおりである。第1の補助コイルLcaは、図3bに示されるように、第1の補助コイルLcaを、第1の補助コイルLcaから第1の送電コイルLtaの中心部に向かう方向(図示右向き)に鎖交し、かつ、第1の送電コイルLtaを、第1の送電コイルLtaから受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交する磁束Bc1a,Bc1bを発生している。具体的には、本実施形態においては、第1の補助コイルLcaの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっていることから、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc1a,Bc1bは、いずれも受電コイルLrに鎖交することなく、第1の補助コイルLcaから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第1の補助コイルLcaの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向と直交していることから、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc1a,Bc1bは、第1の補助コイルLcaから離れた場所にまで大きく周回している。また、第1の補助コイルLcaは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されているため、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc1a,Bc1bは、第1の送電コイルLtaに鎖交している。
同様に、第2の補助コイルLcbは、図3bに示されるように、第2の補助コイルLcbを、第2の送電コイルLtbから第2の補助コイルLcbに向かう方向(図示右向き)に鎖交し、かつ、第2の送電コイルLtbを、受電コイルLrから第2の送電コイルLtbに向かう方向(図示下向き)に鎖交する磁束Bc1c,Bc1dを発生している。具体的には、本実施形態においては、第2の補助コイルLcbの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっていることから、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc1c,Bc1dは、いずれも受電コイルLrに鎖交することなく、第2の補助コイルLcbから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第2の補助コイルLcbの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向と直交していることから、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc1c,Bc1dは、第2の補助コイルLcbから離れた場所にまで大きく周回している。また、第2の補助コイルLcbは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されているため、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc1c,Bc1dは、第2の送電コイルLtbに鎖交している。
次に、本実施形態における不要な漏洩磁界の低減作用について説明する。上述したように、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所を周回する磁束Bt1c,Bt1dを発生している。この磁束Bt1c,Bt1dは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの近傍で周回する磁束Bt1a,Bt1bに比べれば、磁束密度は非常に低いが、受電コイルLrに鎖交しないため、電力伝送には寄与せず、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの周辺に不要な漏洩磁界を形成する磁束となる。本実施形態では、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc1a,Bc1b及び第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc1c,Bc1dの周回方向は、いずれも第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1a〜Bt1dの周回方向と逆向きとなっている。したがって、図3bに示されるように、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所では、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1c,Bt1dの向きと第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束Bc1a〜Bc1dの向きは互いに逆向きとなる。つまり、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1c,Bt1dは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所において、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束Bc1a〜Bc1dによって相殺されることとなる。ここで、磁界は磁束の密度で示されるので、不要な漏洩磁界を形成する第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1c,Bt1dが相殺されることにより、磁束Bt1c,Bt1dの磁束密度は低下し、その結果、不要な漏洩磁界が低減される。
一方で、第1の送電コイルLtaの近傍においては、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1a,Bt1bの向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc1a,Bc1bの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第1の補助コイルLcaが発生する磁界は、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrとの間では、第1の送電コイルLtaが発生する磁束Bt1a,Bt1bの向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc1a,Bc1bの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt1a,Bt1bは、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc1a,Bc1bによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。同様に、第2の送電コイルLtbの近傍においては、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1a,Bt1bの向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc1c,Bc1dの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第2の補助コイルLcbが発生する磁界は、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrとの間では、第2の送電コイルLtbが発生する磁束Bt1a,Bt1bの向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc1c,Bc1dの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt1a,Bt1bは、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc1c,Bc1dによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る送電コイルユニットLtu1では、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束Bc1a〜Bc1dは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt1a〜Bt1dのうち、受電コイルLrに鎖交する磁束Bt1a,Bt1dを相殺せずに受電コイルLrに鎖交しない磁束の一部(磁束Bt1c,Bt1d)を相殺している。そのため、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図4および5を参照して、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S2の構成について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図5は、本発明の第2実施形態に係る送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。
次に、図4および5を参照して、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S2の構成について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図5は、本発明の第2実施形態に係る送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。
ワイヤレス電力伝送装置S2は、図4に示されるように、ワイヤレス送電装置Ut2と、ワイヤレス受電装置Urと、を有する。
ワイヤレス送電装置Ut2は、電源PWと、インバータINVと、送電コイルユニットLtu2と、を有する。電源PW、インバータINVの構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様である。本実施形態では、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の送電コイルユニットLtu1に代えて、送電コイルユニットLtu2を備えている点において、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と相違する。また、ワイヤレス受電装置Urは、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1のワイヤレス受電装置Urと同様である。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
送電コイルユニットLtu2は、図4に示されるように、第1の送電コイルLtaと、第2の送電コイルLtbと、第1の補助コイルLcaと、第2の補助コイルLcbと、付加コイルLt2cと、を有する。図4に示すように、第1の送電コイルLtaと、第2の送電コイルLtbと、第2の補助コイルLcaと、第2の補助コイルLcbと、付加コイルLt2cは、電気的に直列接続されている。第1の送電コイルLtaと、第2の送電コイルLtbと、第2の補助コイルLcaと、第2の補助コイルLcbのコイル構成は、第1実施形態における第1の送電コイルLta、第2の送電コイルLtb、第1の補助コイルLca、第2の補助コイルLcbと同様である。本実施形態においては、第1実施形態に係る送電コイルユニットLtu1の磁性体F1に代えて、付加コイルLt2cを備えている点において、第1実施形態に係る送電コイルユニットLtu1と相違する。
図5に示されるように、付加コイルLt2cは、磁性コアCt2cと巻線Wt2cを備えている。付加コイルLt2cは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状の磁性コアCt2cに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wt2cを巻回して形成されている。付加コイルLt2cは、図5に示すように、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの受電コイルLrと対向する側とは反対側であって、第1の送電コイルLtaの中心部と第2の送電コイルLtbの中心部との間にコイルの中心部が位置するように配置されている。この付加コイルLt2cの磁性コアCt2cは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向における受電コイルLr側の面(図示上面)の両端付近で、それぞれ第1の送電コイルLtaの磁性コアCtaと第2の送電コイルLtbの磁性コアCtbに接続されている。この場合、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが、後述する受電コイルLrに鎖交する磁束をより効率良く発生するので、電力伝送効率がより向上する。付加コイルLt2cの巻数は、所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。
第1の送電コイルLta、第2の送電コイルLtb、及び付加コイルLt2cは、互いに発生させる磁界によって、各コイルLta,Ltb,Lt2cを鎖交する磁路を形成するように構成されている。つまり、第1の送電コイルLta、第2の送電コイルLtb、及び付加コイルLt2cは、各コイルLta,Ltb,Lt2cを鎖交するように周回する磁束を発生する。ここで、上述したように、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbは、双方のコイルLta,Ltbが発生する磁界の方向が互いに逆となるように構成されている。すなわち、図5において、第1の送電コイルLtaが、第1の送電コイルLtaから受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交する磁束を発生するとき、第2の送電コイルLtbは、受電コイルLrから第2の送電コイルLtbに向かう方向(図示下向き)に鎖交する磁束を発生する。したがって、このとき付加コイルLt2cは、第2の送電コイルLtbの中心部から第1の送電コイルLtaの中心部へ向かう方向(図示左向き)に鎖交する磁束を発生すれば、各コイルに鎖交する磁束の周回が発生する。また、同様に、図5において、第1の送電コイルLtaが、受電コイルLrから第1の送電コイルLtaに向かう方向(図示下向き)に鎖交する磁束を発生するとき、第2の送電コイルLtbは、第2の送電コイルLtbから受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交する磁束を発生する。したがって、このとき付加コイルLt2cは、第1の送電コイルLtaの中心部から第2の送電コイルLtbの中心部へ向かう方向(図示右向き)に鎖交する磁束を発生すれば、各コイルを鎖交する磁束の周回が発生する。付加コイルLt2cを上記のような構成とするには、付加コイルLt2cの巻線Wt2cにおける第1の送電コイルLtaの巻線Wta及び第2の送電コイルLtbの巻線Wtbと最も近接する部分(図示付加コイルLt2cの巻線Wt2cの上側)を通過する電流の向きが、第1の送電コイルLtaの巻線Wtaにおける付加コイルLt2cの巻線Wt2cと最も近接する部分(図示第1の送電コイルLtaの巻線Wtaの右側)を通過する電流の向きと同じとなるように、付加コイルLt2cの巻線Wt2cを磁性コアCt2cに巻回すればよい。なお、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cを鎖交するように周回する磁束の方向とは、「送電コイル」が発生する磁束の周回方向のことである。
本実施形態においては、送電コイルユニットLtu2が、第1の送電コイルLta、第2の送電コイルLtbに加えて、上記の付加コイルLt2cを備えることにより、電力伝送に寄与する磁束を効率良く発生するので、電力伝送効率を高くすることができる。この場合、電力伝送に寄与する磁束だけでなく、不要な漏洩磁界を形成する磁束もより多く発生する虞があるが、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの巻数を増やすなどして、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束を適宜調節することにより、所望の漏洩磁界低減効果を保つことができる。なお、このとき、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbは、電気エネルギーを消費する素子ではないので、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの巻数を増やしても、顕著な電力損失は生じず、顕著な電力伝送効率の低下は発生しない。具体的には、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbで消費されるエネルギーは、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの巻線Wca,Wcbに寄生する僅かな抵抗で発生するジュール熱のみである。
また、図5に示すように、付加コイルLt2cの磁性コアCt2cは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向における受電コイルLr側の面とは反対側の面(図示下面)の両端付近で、それぞれ第1の補助コイルLcaの磁性コアCcaと第2の補助コイルLcbの磁性コアCcbに接続されている。このような構成により、第1の補助コイルLcaの磁性コアCcaと第2の補助コイルLcbの磁性コアCcbは、それぞれ付加コイルLt2cの磁性コアCt2cを介して、第1の送電コイルLtaの磁性コアCtaと第2の送電コイルLtbの磁性コアCtbに連結されることとなる。そのため、第1の補助コイルLcaは、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなるとともに、第2の補助コイルLcbは、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなる。すなわち、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrとの間では、第1の送電コイルLtaが発生する磁束の向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなるとともに、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrとの間では、第2の送電コイルLtbが発生する磁束の向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cと受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束に相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
さらに、図5に示すように、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの軸は、付加コイルLt2cの軸と一致していない。ここで、第1の補助コイルLcaを鎖交する磁束の向きと、付加コイルLt2cを鎖交する磁束の向きは互いに逆となるため、第1の補助コイルLcaが発生する磁束が付加コイルLt2cに鎖交すると、電力伝送に寄与する磁束を相殺してしまう虞がある。本実施形態では、第1の補助コイルLcaの軸が付加コイルLt2cの軸と一致していないことから、第1の補助コイルLcaが発生する磁束は、付加コイルLt2cに鎖交し難くなる。その結果、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cと受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1の補助コイルLcaが発生する磁束に相殺されない。また、同様に第2の補助コイルLcbを鎖交する磁束の向きと、付加コイルLt2cを鎖交する磁束の向きは互いに逆となるため、第2の補助コイルLcbが発生する磁束が付加コイルLt2cに鎖交すると、電力伝送に寄与する磁束を相殺してしまう虞がある。本実施形態では、第2の補助コイルLcbの軸が付加コイルLt2cの軸と一致していないことから、第2の補助コイルLcbが発生する磁束は、付加コイルLt2cに鎖交し難くなる。その結果、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cと受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第2の補助コイルLcbが発生する磁束に相殺されない。したがって、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
続いて、図6を参照して、本実施形態における送電コイルが発生する磁束と付加コイルが発生する磁束と補助コイルが発生する磁束の相対的な関係と不要な漏洩磁界の低減作用について詳細に説明する。図6aは、図5において、第1及び第2の送電コイルと付加コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。図6bは、図2において、第1及び第2の送電コイルと第1及び第2の補助コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。ここで、図6a中、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt2a〜Bt2dを示している。また、図6b中、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt2a〜Bt2dを示し、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束のうち、代表的なものとして磁束Bc2a〜Bc2dを模式的に示している。ただし、これらの磁束は、それぞれの磁束の向きのみを模式的に示したものであって、磁束密度を示すものではない。なお、図6a及び図6bでは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの磁性コアCta,Ctbと、付加コイルLt2cの磁性コアCt2cと、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの磁性コアCca,Ccbと、受電コイルLrの磁性コアCrの中における磁束の図示は省略している。
まず、図6aを参照して、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束について説明する。第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cは、図6aに示されるように、第1の送電コイルLtaを、第1の送電コイルLtaから受電コイルLrへ向かう方向(図示上向き)に鎖交し、かつ、第2の送電コイルLtbを、受電コイルLrから第2の送電コイルLtbへ向かう方向(図示下向き)に鎖交し、かつ、付加コイルLt2cを第2の送電コイルLtbの中心部から第1の送電コイルLtaの中心部へ向かう方向(図示左向き)に鎖交する磁束Bt2a〜Bt2dを発生している。すなわち、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cは、同じ向きに周回する磁束Bt2a〜Bt2dを発生している。本例においては、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束Bt2a〜Bt2dは、受電コイルLrに鎖交し、電力伝送に寄与する磁束Bt2a,Bt2bと、受電コイルLrに鎖交することなく、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所を周回する磁束Bt2c,Bt2dがあり、磁束Bt2a,Bt2bが受電コイルLrに鎖交することで、受電コイルLrの巻線Wrに起電力が生じる。そして、受電コイルLrに生じた電力は、整流回路DBによって整流され、負荷Rに出力される。ここで、本実施形態においては、第1の送電コイルLtaと第2の送電コイルLtbと付加コイルLt2cが互いに発生する磁界により、各コイルLta,Ltb,Lt2cを鎖交する磁路が形成されることから、磁束Bt2a,Bt2bをより効率良く発生させることができる。その結果、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cと受電コイルLrの結合はより高くなり、電力伝送効率もより高くなる。なお、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束Bt2a〜Bt2dは、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbには鎖交しておらず、電力伝送に寄与する磁束Bt2a,Bt2bは、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
続いて、図6bを参照して、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束について説明する。なお、図6b中の第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束Bt2a〜Bt2dは図6aに示したとおりである。第1の補助コイルLcaは、図6bに示されるように、第1の補助コイルLcaを、第1の補助コイルLcaから第1の送電コイルLtaの中心部に向かう方向(図示右向き)に鎖交し、かつ、第1の送電コイルLtaを、第1の送電コイルLtaから受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に鎖交する磁束Bc2a,Bc2bを発生している。具体的には、本実施形態においては、第1の補助コイルLcaの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっていることから、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc2bは、いずれも受電コイルLrに鎖交することなく、第1の補助コイルLcaから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第1の補助コイルLcaの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向と直交していることから、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc2bは、第1の補助コイルLcaから離れた場所にまで大きく周回している。また、第1の補助コイルLcaは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されているため、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc12は、第1の送電コイルLtaに鎖交している。さらに、第1の補助コイルLcaの軸が付加コイルLt2cの軸と一致していないことから、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc2bは、付加コイルLt2cに鎖交しない。
同様に、第2の補助コイルLcbは、図6bに示されるように、第2の補助コイルLcbを、第2の送電コイルLtbの中心部から第2の補助コイルLcbに向かう方向(図示右向き)に鎖交し、かつ、第2の送電コイルLtbを、受電コイルLrから第2の送電コイルLtbに向かう方向(図示下向き)に鎖交する磁束Bc2c,Bc2dを発生している。具体的には、本実施形態においては、第2の補助コイルLcbの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっていることから、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dは、いずれも受電コイルLrに鎖交することなく、第2の補助コイルLcbから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第2の補助コイルLcbの軸方向が第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと受電コイルLrとの対向方向と直交していることから、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dは、第2の補助コイルLcbから離れた場所にまで大きく周回している。また、第2の補助コイルLcbは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されているため、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dは、第2の送電コイルLtbに鎖交している。さらに、第2の補助コイルLcbの軸が付加コイルLt2cの軸と一致していないことから、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dは、付加コイルLt2cに鎖交しない。
次に、本実施形態における不要な漏洩磁界の低減作用について説明する。上述したように、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所を周回する磁束Bt2c,Bt2dを発生している。この磁束Bt2c,Bt2dは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの近傍で周回する磁束Bt2a,Bt2bに比べれば、磁束密度は非常に低いが、受電コイルLrに鎖交しないため、電力伝送には寄与せず、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの周辺に不要な漏洩磁界を形成する磁束となる。本実施形態では、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc2b及び第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dの周回方向は、いずれも第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束Bt2a〜Bt2dの周回方向と逆向きとなっている。したがって、図6bに示されるように、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所では、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束Bt2c,Bt2dの向きと第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束Bc2a〜Bc2dの向きは互いに逆向きとなる。つまり、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbと付加コイルLt2cが発生する磁束Bt2c,Bt2dは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所において、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束Bc2a〜Bc2dによって相殺されることとなる。その結果、不要な漏洩磁界が低減される。
一方で、第1の送電コイルLtaの近傍においては、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt2a,Bt2bの向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc2bの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第1の補助コイルLcaが発生する磁界は、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrとの間では、第1の送電コイルLtaが発生する磁束Bt2a,Bt2bの向きと第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc2bの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第1の送電コイルLtaと受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt2a,Bt2bは、第1の補助コイルLcaが発生する磁束Bc2a,Bc2bによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。同様に、第2の送電コイルLtbの近傍においては、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt2a,Bt2bの向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第2の補助コイルLcbが発生する磁界は、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrとの間では、第2の送電コイルLtbが発生する磁束Bt2a,Bt2bの向きと第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、第2の送電コイルLtbと受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt2a,Bt2bは、第2の補助コイルLcbが発生する磁束Bc2c,Bc2dによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る送電コイルユニットLtu2では、第1及び第2の補助コイルLca,Lcbが発生する磁束Bc2a〜Bt2dは、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt2a〜Bc2dのうち、受電コイルLrに鎖交する磁束Bt2a,Bt2dを相殺せずに受電コイルLrに鎖交しない磁束の一部(磁束Bt2c,Bt2d)を相殺している。そのため、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態に係る送電コイルユニットLtu2は、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの受電コイルLrと対向する側とは反対側であって、第1の送電コイルLtaの中心部と第2の送電コイルLtbの中心部との間にコイルの中心部が配置される付加コイルLt2cをさらに備え、第1の送電コイルLta、第2の送電コイルLtb、及び付加コイルLt2cは、互いに発生させる磁界によって、各コイルを鎖交する磁路を形成する。そのため、第1及び第2の送電コイルLta,Ltbが発生する磁束Bt2a〜Bt2dの密度をより高くすることができる。したがって、電力伝送に寄与する磁束Bt2a,Bt2bがさらに効率良く発生するので、電力伝送効率をさらに高くできる。
(第3実施形態)
次に、図7および8を参照して、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3の構成について説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図8は、本発明の第3実施形態に係る送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。
次に、図7および8を参照して、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3の構成について説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図8は、本発明の第3実施形態に係る送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。
ワイヤレス電力伝送装置S3は、図7に示されるように、ワイヤレス送電装置Ut3と、ワイヤレス受電装置Urと、を有する。
ワイヤレス送電装置Ut3は、電源PWと、インバータINVと、送電コイルユニットLtu3と、を有する。電源PW、インバータINVの構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様である。本実施形態では、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の送電コイルユニットLtu1に代えて、送電コイルユニットLtu3を備えている点において、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と相違する。また、ワイヤレス受電装置Urは、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1のワイヤレス受電装置Urと同様である。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
送電コイルユニットLtu3は、図7に示されるように、送電コイルLt3と、第1の補助コイルLc3aと、第2の補助コイルLc3bと、を有する。本実施形態においては、送電コイルLt3と、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bの3つのコイルは、図7に示すように、電気的に直列接続されている。
図8に示されるように、送電コイルLt3は、磁性コアCt3と巻線Wt3を備えている。送電コイルLt3は、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCt3に銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wt3を巻回して形成されている。送電コイルLt3の軸方向は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向に対して直交している。送電コイルLt3の巻数は、受電コイルLrとの間の離間距離や所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。
第1の補助コイルLc3aは、磁性コアCc3aと巻線Wc3aを備えている。第1の補助コイルLc3aは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCc3aに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wc3aを巻回して形成されている。この第1の補助コイルLc3aの軸方向は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっている。このような構成により、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束は、受電コイルLrに鎖交することなく、第1の補助コイルLc3aから離れた場所にまで周回し易くなる。本実施形態においては、第1の補助コイルLc3aの軸方向は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向に対して直交しており、第1の補助コイルLc3aの軸方向は、送電コイルLt3の軸方向と平行である。この場合、第1の補助コイルLc3aにより、第1の補助コイルLc3aから離れた場所にまで周回する磁束をより発生させ易くなる。
また、第1の補助コイルLc3aは、送電コイルLt3が発生する磁束のうち、電力を送電するときに送電コイルLt3と対向することとなる受電コイルLrに鎖交する磁束に鎖交しないように配置されている。つまり、電力伝送に寄与する磁束は第1の補助コイルLc3aによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。本実施形態においては、図8に示されるように、第1の補助コイルLc3aは、送電コイルLt3の受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されている。このような配置とすることにより、第1の補助コイルLc3aによって送電コイルLt3と受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、送電コイルLt3と受電コイルLrとの間では、送電コイルLt3が発生する磁束の向きと第1の補助コイルLc3aが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt3と受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
またさらには、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束の周回方向は、送電コイルLt3が発生する磁束の周回方向と逆向きとなっている。ここで、本実施形態における第1の補助コイルLc3aの軸方向は、送電コイルLt3の軸方向と平行であるので、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束の周回方向を、送電コイルLt3が発生する磁束の周回方向と逆向きとするには、第1の補助コイルLc3aが発生する磁界の方向と、送電コイルLt3が発生する磁界の方向が互いに逆向きとすればよい。すなわち、第1の補助コイルLc3aと送電コイルLt3の巻回方向が同じ向きの場合は、第1の補助コイルLc3aに流れる電流の方向と送電コイルLt3に流れる電流の方向が互いに逆向きとなるように、第1の補助コイルLc3aと送電コイルLt3を電気的に接続すればよい。あるいは、第1の補助コイルLc3aと送電コイルLt3の巻回方向が互いに逆向きの場合は、第1の補助コイルLc3aに流れる電流の方向と送電コイルLt3に流れる電流の方向が互いに同じ向きとなるように、第1の補助コイルLc3aと送電コイルLt3を電気的に接続すればよい。また、第1の補助コイルLc3aの軸は、送電コイルLt3の軸と一致していない。ここで、第1の補助コイルLc3aを鎖交する磁束の向きと、送電コイルLt3を鎖交する磁束の向きは互いに逆となるため、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束が送電コイルLt3に鎖交すると、電力伝送に寄与する磁束を相殺してしまう虞がある。本実施形態では、第1の補助コイルLc3aの軸が送電コイルLt3の軸と一致していないことから、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束は、送電コイルLt3に鎖交し難くなる。その結果、送電コイルLt3と受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束に相殺されない。したがって、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
第2の補助コイルLc3bは、磁性コアCc3bと巻線Wc3bを備えている。第2の補助コイルLc3bは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCc3bに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wc3bを巻回して形成されている。この第2の補助コイルLc3bの軸方向は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっている。このような構成により、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束は、受電コイルLrに鎖交することなく、第2の補助コイルLc3bから離れた場所にまで周回し易くなる。本実施形態においては、第2の補助コイルLc3bの軸方向は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向に対して直交しており、第1の補助コイルLc3bの軸方向は、送電コイルLt3の軸方向と平行である。この場合、第2の補助コイルLc3bにより、第2の補助コイルLc3bから離れた場所にまで周回する磁束をより発生させ易くなる。
また、第2の補助コイルLc3bは、送電コイルLt3が発生する磁束のうち、電力を送電するときに送電コイルLt3と対向することとなる受電コイルLrに鎖交する磁束に鎖交しないように配置されている。つまり、電力伝送に寄与する磁束は第2の補助コイルLc3bによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。本実施形態においては、図8に示されるように、第2の補助コイルLc3bは、送電コイルLt3の受電コイルLrと対向する側とは反対側に配置されている。このような配置とすることにより、第2の補助コイルLc3bによって送電コイルLt3と受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、送電コイルLt3と受電コイルLrとの間では、送電コイルLt3が発生する磁束の向きと第2の補助コイルLc3bが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt3と受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
またさらには、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束の周回方向は、送電コイルLt3が発生する磁束の周回方向と逆向きとなっている。ここで、本実施形態における第2の補助コイルLc3bの軸方向は、送電コイルLt3の軸方向と平行であるので、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束の周回方向を、送電コイルLt3が発生する磁束の周回方向と逆向きとするには、第2の補助コイルLc3bが発生する磁界の方向と、送電コイルLt3が発生する磁界の方向が互いに逆向きとすればよい。すなわち、第2の補助コイルLc3bと送電コイルLt3の巻回方向が同じ向きの場合は、第2の補助コイルLc3bに流れる電流の方向と送電コイルLt3に流れる電流の方向が互いに逆向きとなるように、第2の補助コイルLc3bと送電コイルLt3を電気的に接続すればよい。あるいは、第2の補助コイルLc3bと送電コイルLt3の巻回方向が互いに逆向きの場合は、第2の補助コイルLc3bに流れる電流の方向と送電コイルLt3に流れる電流の方向が互いに同じ向きとなるように、第2の補助コイルLc3bと送電コイルLt3を電気的に接続すればよい。また、第2の補助コイルLc3bの軸は、送電コイルLt3の軸と一致していない。ここで、第2の補助コイルLc3bを鎖交する磁束の向きと、送電コイルLt3を鎖交する磁束の向きは互いに逆となるため、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束が送電コイルLt3に鎖交すると、電力伝送に寄与する磁束を相殺してしまう虞がある。本実施形態では、第2の補助コイルLc3bの軸が送電コイルLt3の軸と一致していないことから、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束は、送電コイルLt3に鎖交し難くなる。その結果、送電コイルLt3と受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束に相殺されない。したがって、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
また、図8に示すように、送電コイルLt3の磁性コアCt3は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向における受電コイルLr側の面とは反対側の面(図示下面)の両端付近で、それぞれ第1の補助コイルLc3aの磁性コアCc3aと第2の補助コイルLc3bの磁性コアCc3bに接続されている。このような構成により、第1の補助コイルLc3aの磁性コアCc3aと第2の補助コイルLc3bの磁性コアCc3bは、それぞれ送電コイルLt3の磁性コアCt3に連結されることとなる。そのため、第1の補助コイルLc3aは、送電コイルLt3と受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなるとともに、第2の補助コイルLc3bは、送電コイルLt3と受電コイルLrの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなる。すなわち、送電コイルLt3と受電コイルLrとの間では、送電コイルLt3が発生する磁束の向きと第1の補助コイルLc3aが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなるとともに、送電コイルLt3が発生する磁束の向きと第2の補助コイルLc3bが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt3と受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bが発生する磁束に相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
続いて、図9を参照して、本実施形態における送電コイルが発生する磁束と補助コイルが発生する磁束の相対的な関係と不要な漏洩磁界の低減作用について詳細に説明する。図9aは、図8において、送電コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。図9bは、図8において、送電コイルと第1及び第2の補助コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。ここで、図9a中、送電コイルLt3が発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt3a〜Bt3dを示している。また、図9b中、送電コイルLt3が発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt3a〜Bt3dを示し、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bが発生する磁束のうち、代表的なものとして磁束Bc3a〜Bc3dを模式的に示している。ただし、これらの磁束は、それぞれの磁束の向きのみを模式的に示したものであって、磁束密度を示すものではない。なお、図9a及び図9bでは、送電コイルLt3の磁性コアCt3と、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bの磁性コアCc3a,Cc3bと、受電コイルLrの磁性コアCrの中における磁束の図示は省略している。
まず、図9aを参照して、送電コイルLt3が発生する磁束について説明する。送電コイルLt3は、図9aに示されるように、送電コイルLt3を、第2の補助コイルLc3bから第1の補助コイルLc3aへ向かう方向(図示左向き)に鎖交する磁束Bt3a〜Bt3dを発生している。本例においては、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a〜Bt3dは、受電コイルLrに鎖交し、電力伝送に寄与する磁束Bt3a,Bt3bと、受電コイルLrに鎖交することなく、送電コイルLt3から離れた場所を周回する磁束Bt3c,Bt3dがあり、磁束Bt3a,Bt3bが受電コイルLrに鎖交することで、受電コイルLrの巻線Wrに起電力が生じる。そして、受電コイルLrに生じた電力は、整流回路DBによって整流され、負荷Rに出力される。なお、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a〜Bt3dは、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bには鎖交しておらず、電力伝送に寄与する磁束Bt3a,Bt3bは、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
続いて、図9bを参照して、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bが発生する磁束について説明する。なお、図9b中の送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a〜Bt3dは図9aに示したとおりである。第1の補助コイルLc3aは、図9bに示されるように、第1の補助コイルLc3aを、第1の補助コイルLc3aから送電コイルLt3の中心部に向かう方向(図示右向き)に鎖交し、かつ、送電コイルLt3に鎖交せず、送電コイルLt3から受電コイルLrに向かう方向(図示上向き)に周回する磁束Bc3a,Bc3bを発生している。具体的には、本実施形態においては、第1の補助コイルLc3aの軸方向が送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっていることから、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束Bc3a,Bc3bは、いずれも受電コイルLrに鎖交することなく、第1の補助コイルLc3aから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第1の補助コイルLc3aの軸方向が送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向と直交していることから、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束Bc3a,Bc3bは、第1の補助コイルLc3aから離れた場所にまで大きく周回している。また、第1の補助コイルLc3aの軸が送電コイルLt3の軸と一致していないことから、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束Bc3a,Bc3bは、送電コイルLt3に鎖交しない。
同様に、第2の補助コイルLc3bは、図9bに示されるように、第2の補助コイルLc3bを、送電コイルLt3の中心部から第2の補助コイルLc3bに向かう方向(図示右向き)に鎖交し、かつ、送電コイルLt3に鎖交せず、受電コイルLrから送電コイルLt3に向かう方向(図示下向き)に周回する磁束Bc3c,Bc3dを発生している。具体的には、本実施形態においては、第2の補助コイルLc3bの軸方向が送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向に対して非平行となっていることから、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束Bc3c,Bc3dは、いずれも受電コイルLrに鎖交することなく、第2の補助コイルLc3bから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第2の補助コイルLc3bの軸方向が送電コイルLt3と受電コイルLrとの対向方向と直交していることから、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束Bc3c,Bc3dは、第2の補助コイルLc3bから離れた場所にまで大きく周回している。また、第2の補助コイルLc3bの軸が送電コイルLt3の軸と一致していないことから、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束Bc3c,Bc3dは、送電コイルLt3に鎖交しない。
次に、本実施形態における不要な漏洩磁界の低減作用について説明する。上述したように、送電コイルLt3は、送電コイルLt3から離れた場所を周回する磁束Bt3c,Bt3dを発生している。この磁束Bt3c,Bt3dは、電力伝送には寄与せず、送電コイルLt3の周辺に不要な漏洩磁界を形成する磁束となる。本実施形態では、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束Bc3a,Bc3b及び第2の補助コイルLc3bが発生する磁束Bc3c,Bc3dの周回方向は、いずれも送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a〜Bt3dの周回方向と逆向きとなっている。したがって、図9bに示されるように、送電コイルLt3から離れた場所では、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3c,Bt3dの向きと第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bが発生する磁束Bc3a〜Bc3dの向きは互いに逆向きとなる。つまり、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3c,Bt3dは、送電コイルLt3から離れた場所において、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bが発生する磁束Bc3a〜Bc3dによって相殺されることとなる。その結果、不要な漏洩磁界が低減される。
一方で、送電コイルLt3の近傍においては、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a,Bt3bの向きと第1の補助コイルLc3aが発生する磁束Bc3a,Bc3bの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第1の補助コイルLc3aが発生する磁界は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、送電コイルLt3と受電コイルLrとの間では、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a,Bt3bの向きと第1の補助コイルLc3aが発生する磁束Bc3a,Bc3bの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt3と受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt3a,Bt3bは、第1の補助コイルLc3aが発生する磁束Bc3a,Bc3bによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。同様に、送電コイルLt3の近傍においては、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a,Bt3bの向きと第2の補助コイルLc3bが発生する磁束Bc3c,Bc3dの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第2の補助コイルLc3bが発生する磁界は、送電コイルLt3と受電コイルLrとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、送電コイルLt3と受電コイルLrとの間では、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a,Bt3bの向きと第2の補助コイルLc3bが発生する磁束Bc3c,Bc3dの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt3と受電コイルLrを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt3a,Bt3bは、第2の補助コイルLc3bが発生する磁束Bc3c,Bc3dによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る送電コイルユニットLtu3では、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bが発生する磁束Bc3a〜Bc3dが、送電コイルLt3が発生する磁束Bt3a〜Bt3dのうち、受電コイルLrに鎖交する磁束Bt3a,Bt3dを相殺せずに受電コイルLrに鎖交しない磁束の一部(磁束Bt3c,Bt3d)を相殺している。そのため、送電コイルLt3から離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、図10および図11を参照して、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S4の構成について説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図11は、本発明の第4実施形態に係る送電コイルユニットを第1及び第2の受電コイルとともに示す断面図である。
次に、図10および図11を参照して、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S4の構成について説明する。図10は、本発明の第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置を負荷とともに示すシステム構成図である。図11は、本発明の第4実施形態に係る送電コイルユニットを第1及び第2の受電コイルとともに示す断面図である。
ワイヤレス電力伝送装置S4は、図10に示されるように、ワイヤレス送電装置Ut4と、ワイヤレス受電装置Ur4と、を有する。
ワイヤレス送電装置Ut4は、電源PWと、インバータINVと、送電コイルユニットLtu4と、を有する。電源PW、インバータINVの構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と同様である。本実施形態では、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の送電コイルユニットLtu1に代えて、送電コイルユニットLtu4を備えている点において、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
送電コイルユニットLtu4は、送電コイルLt4と、第1の補助コイルLc4aと、第2の補助コイルLc4bと、磁性体F4と、を有する。本実施形態においては、送電コイルLt4と第1及び第2の補助コイルLc4a、Lc4bの3つのコイルは、図10に示されるように、電気的に直列接続されている。
図11に示されるように、送電コイルLt4は、磁性コアCt4と巻線Wt4を備えている。送電コイルLt4は、略方形を呈した平面状のスパイラル構造のコイルであり、板状または棒状の磁性コアCt4に銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wt4を巻回して形成されている。送電コイルLt4の軸方向は、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向に対して平行となっている。送電コイルLt4の巻数は、後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの間の離間距離や所望の電力伝送効率などに基づいて適宜設定される。
第1の補助コイルLc4aは、磁性コアCc4aと巻線Wc4aを備えている。第1の補助コイルLc4aは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCc4aに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wc4aを巻回して形成されている。この第1の補助コイルLc4aの軸方向は、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向に対して非平行となっている。このような構成により、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束は、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交することなく、第1の補助コイルLc4aから離れた場所にまで周回し易くなる。本実施形態においては、第1の補助コイルLc4aの軸方向は、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向に対して直交している。この場合、第1の補助コイルLc4aにより、第1の補助コイルLc4aから離れた場所にまで周回する磁束をより発生させ易くなる。
また、第1の補助コイルLc4aは、送電コイルLt4が発生する磁束のうち、電力を送電するときに送電コイルLt4と対向することとなる後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交する磁束に鎖交しないように配置されている。つまり、電力伝送に寄与する磁束は第1の補助コイルLc4aによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。本実施形態においては、図11に示されるように、第1の補助コイルLc4aは、送電コイルLt4の後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bと対向する側とは反対側に配置されている。このような配置とすることにより、第1の補助コイルLc4aによって、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bの間に生じる磁界の一部を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの間では、送電コイルLt4が発生する磁束と第1の補助コイルLc4aが発生する磁束が重なる領域において、互いの磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
またさらには、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束の周回方向は、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aを共に鎖交する磁束の周回方向と逆向きとなっている。具体的には、図11において、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aを共に鎖交する磁束が、送電コイルLt4を、送電コイルLt4から第1の受電コイルLr4aに向かう方向(図示上向き)に鎖交するとき、この磁束は第1の受電コイルLr4aを第2の受電コイルLr4bから第1の受電コイルLr4aに向かう方向(図示左向き)に鎖交ししつつ周回する周回方向(図示反時計回り)となるので、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束は、第1の補助コイルLc4aを、送電コイルLt4から第1の補助コイルLc4aに向かう方向に鎖交すれば、この磁束は磁性体F4の一部を通過しつつ、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aを共に鎖交する磁束の周回方向と逆向き(図示時計回り)となる。あるいは、図11において、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aを共に鎖交する磁束が、送電コイルLt4を、第1の受電コイルLr4aから送電コイルLt4に向かう方向(図示下向き)に鎖交するとき、この磁束は第1の受電コイルLr4aを第1の受電コイルLr4aから第2の受電コイルLr4bに向かう方向(図示右向き)に鎖交ししつつ周回する周回方向(図示時計回り)となるので、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束は、第1の補助コイルLc4aを、第1の補助コイルLc4aから送電コイルLt4に向かう方向に鎖交すれば、この磁束は磁性体F4の一部を通過しつつ、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aを共に鎖交する磁束の周回方向と逆向き(図示反時計回り)となる。このような磁束を発生させるには、第1の補助コイルLc4aの巻線Wt4aが、送電コイルLt4の巻線Wt4と最も近接する部分(図示第1の補助コイルLc4aの巻線Wt4aの上面部分)を通過する電流の向きが、送電コイルLt4の巻線Wt4が第1の補助コイルLc4aの巻線Wt4aと近接する部分(図示送電コイルLt4の巻線Wtaの左側部分)を通過する電流の向きと逆向きとなるように、第1の補助コイルLc4aの巻線Wc4aが磁路コアCc4aに巻回されればよい。
第2の補助コイルLc4bは、磁性コアCc4bと巻線Wc4bを備えている。第2の補助コイルLc4bは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCc4bに銅やアルミニウム等のリッツ線から構成される巻線Wc4bを巻回して形成されている。この第2の補助コイルLc4bの軸方向は、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向に対して非平行となっている。このような構成により、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束は、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交することなく、第2の補助コイルLc4bから離れた場所にまで周回し易くなる。本実施形態においては、第2の補助コイルLc4bの軸方向は、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向に対して直交となっている。この場合、第2の補助コイルLc4bにより、第2の補助コイルLc4bから離れた場所にまで周回する磁束をより発生させ易くなる。
また、第2の補助コイルLc4bは、送電コイルLt4が発生する磁束のうち、電力を送電するときに送電コイルLt4と対向することとなる後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交する磁束に鎖交しないように配置されている。つまり、電力伝送に寄与する磁束は第2の補助コイルLc4bによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。本実施形態においては、図11に示されるように、第2の補助コイルLc4bは、送電コイルLt4の後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bと対向する側とは反対側に配置されている。このような配置とすることにより、第2の補助コイルLc4bによって、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bの間に生じる磁界の一部を強める磁束を発生させ易くなる。すなわち、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの間では、送電コイルLt4が発生する磁束と第2の補助コイルLc4bが発生する磁束が重なる領域において、互いの磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt4と後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束によって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
またさらには、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束の周回方向は、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bを共に鎖交する磁束の周回方向と逆向きとなっている。具体的には、図11において、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bを共に鎖交する磁束が、送電コイルLt4を、送電コイルLt4から第1の受電コイルLr4aに向かう方向(図示上向き)に鎖交するとき、この磁束は第2の受電コイルLr4bを第2の受電コイルLr4bから第2の受電コイルLr4bに向かう方向(図示右向き)に鎖交ししつつ周回する周回方向(図示時計回り)となるので、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束は、第2の補助コイルLc4bを、送電コイルLt4から第2の補助コイルLc4b向かう向きに鎖交すれば、この磁束は磁性体F4の一部を通過しつつ、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bを共に鎖交する磁束の周回方向と逆向き(図示反時計回り)となる。あるいは、図11において、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bを共に鎖交する磁束が、送電コイルLt4を、第2の受電コイルLr4bから送電コイルLt4に向かう向き(図示下向き)に鎖交するとき、この磁束は第2の受電コイルLr4bを第2の受電コイルLr4bから第1の受電コイルLr4aに向かう方向(図示左向き)に鎖交ししつつ周回する周回方向(図示反時計回り)となるので、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束は、第2の補助コイルLc4bを、第2の補助コイルLc4bから送電コイルLt4に向かう方向に鎖交すれば、この磁束は磁性体F4の一部を通過しつつ、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bを共に鎖交する磁束の周回方向と逆向き(図示時計回り)となる。このような磁束を発生させるには、第2の補助コイルLc4bの巻線Wt4bが、送電コイルLt4の巻線Wt4と最も近接する部分(図示第2の補助コイルLc4bの巻線Wt4bの上面部分)を通過する電流の向きが、送電コイルLt4の巻線Wt4が第2の補助コイルLc4bの巻線Wt4bと近接する部分(図示送電コイルLt4の巻線Wtaの右側部分)を通過する電流の向きと同じ向きとなるように、第2の補助コイルLc4bの巻線Wc4bが磁路コアCc4bに巻回されればよい
磁性体F4は、送電コイルLt4の後述する第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bと対向する側とは反対側の面に沿って延びている。本実施形態においては、図11に示すように、送電コイルLt4と後述する受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向における後述する受電コイルLr4a,Lr4b側の面(図示上面)の中央で、送電コイルLt4の磁性コアCt4に接続されている。また、磁性体F4は、図11に示すように、送電コイルLt4と後述する受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向における 受電コイルLr4a,Lr4b側とは反対の面(図示下面)の両端付近で、それぞれ第1の補助コイルLc4aの磁性コアCc4aと第2の補助コイルLc4bの磁性コアCc4bに接続される。このような構成により、第1の補助コイルLc4aの磁性コアCc4aと、第2の補助コイルLc4bの磁性コアCc4bは、それぞれ磁性体F4に連結されることとなる。そのため、第1の補助コイルLc4aは、送電コイルLt4と後述する第1の受電コイルLr4aの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなるとともに、第2の補助コイルLc4bは、送電コイルLt4と後述する第2の受電コイルLr4bの間に生じる磁界を強める磁束を発生し易くなる。すなわち、送電コイルLt4と後述する受電コイルLra,Lr4bとの間の一部では、送電コイルLt4が発生する磁束の向きと第1の補助コイルLc4aが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなるとともに、送電コイルLt4が発生する磁束の向きと第2の補助コイルLc4bが発生する磁束の向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt4と後述する受電コイルLr4a ,Lr4bを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束は、第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bが発生する磁束に相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下をさらに抑制することができる。
ワイヤレス受電装置Ur4は、第1及び第2の受電コイルLr4a、Lr4bと、整流回路DBと、を有する。整流回路DBの構成は、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の整流回路DBと同様である。本実施形態では、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1の受電コイルLrに代えて、第1及び第2の受電コイルLr4a、Lr4bを備えている点において、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1と相違する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第1の受電コイルLr4aは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCr4aに巻線Wr4aを巻回して形成されている。
第2の受電コイルLr4bは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCr4bに巻線Wr4bを巻回して形成されている。
第1の受電コイルLr4aと第2の受電コイルLr4bは、同一平面上に並置されており、図10に示されるように、電気的に直列接続されている。また、第1の受電コイルLr4aの軸と第2の受電コイルLr4bの軸は一致している。またさらには、第1の受電コイルLr4aの巻線Wr4aと第2の受電コイルLr4bの巻線Wr4bの巻回方向は、互いに逆向きとなっている。
続いて、図12を参照して、本実施形態における送電コイルが発生する磁束と補助コイルが発生する磁束の相対的な関係と不要な漏洩磁界の低減作用について詳細に説明する。図12aは、図11において、送電コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。図12bは、図11において、送電コイルと第1及び第2の補助コイルが発生する磁束を模式的に示した図である。ここで、図12a中、送電コイルLt4が発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt4a〜Bt4dを示している。また、図9b中、送電コイルLt4が発生する磁束のうち、体表的なものとして磁束Bt4a〜Bt4dを示し、第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bが発生する磁束のうち、代表的なものとして磁束Bc4a,Bc4bを模式的に示している。ただし、これらの磁束は、それぞれの磁束の向きのみを模式的に示したものであって、磁束密度を示すものではない。なお、図12a及び図12bでは、送電コイルLt4の磁性コアCt4と、第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bの磁性コアCc4a,Cc4bと、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bの磁性コアCr4a,Cr4bの中における磁束の図示は省略している。
まず、図12aを参照して、送電コイルLt4が発生する磁束について説明する。送電コイルLt4は、図12aに示されるように、送電コイルLt4の中心部から、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bへ向かう方向(図示上向き)に鎖交する磁束Bt4a〜Bt4dを発生している。本例においては、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4a〜Bt4dは、第1の受電コイルLr4aに鎖交し、電力伝送に寄与する磁束Bt4aと、第2の受電コイルLr4bに鎖交し、電力伝送に寄与する磁束Bt4bと第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交することなく、送電コイルLt4から離れた場所を周回する磁束Bt4c,Bt4dがあり、磁束Bt4aが第1の受電コイルLr4aに鎖交し、磁束Bt4bが第2の受電コイルLr4bに鎖交することで、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bの巻線Wr4a,Wr4bに起電力が生じる。そして、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに生じた電力は、整流回路DBによって整流され、負荷Rに出力される。なお、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4a〜Bt4dは、第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bには鎖交しておらず、電力伝送に寄与する磁束Bt4a,Bt4bは、第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bによって相殺されないため、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
続いて、図12bを参照して、第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bが発生する磁束について説明する。なお、図12b中の送電コイルLt4が発生する磁束Bt4a〜Bt4dは図12aに示したとおりである。第1の補助コイルLc4aは、図12bに示されるように、第1の補助コイルLc4aを、送電コイルLt4から、第1の補助コイルLc4aに向かう方向(図示左向き)に鎖交し、かつ、送電コイルLt4及び第1の受電コイルLr4aに鎖交せず、第1の受電コイルLr4aから第1の補助コイルLc4aに向かう方向(図示下向き)に周回する磁束Bc4aを発生している。具体的には、本実施形態においては、第1の補助コイルLc4aの軸方向が送電コイルLt4と第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向に対して非平行となっていることから、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束Bc4aは、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交することなく、第1の補助コイルLc4aから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第1の補助コイルLc4aの軸方向が送電コイルLt4と第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向と直交していることから、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束Bc4aは、第1の補助コイルLc4aから離れた場所にまで大きく周回している。
同様に、第2の補助コイルLc4bは、図12bに示されるように、第2の補助コイルLc4bを、送電コイルLt4から第2の補助コイルLc4bに向かう方向(図示右向き)に鎖交し、かつ、送電コイルLt4及び第2の受電コイルLr4bに鎖交せず、第2の受電コイルLr4bから第2の補助コイルLc4bに向かう方向(図示下向き)に周回する磁束Bc4bを発生している。具体的には、本実施形態においては、第2の補助コイルLc4bの軸方向が送電コイルLt4と第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向に対して非平行となっていることから、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束Bc4bは、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交することなく、第2の補助コイルLc4bから離れた場所を周回することとなる。特に、本実施形態においては、第2の補助コイルLc4bの軸方向が送電コイルLt4と第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bとの対向方向と直交していることから、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束Bc4bは、第2の補助コイルLc4bから離れた場所にまで大きく周回している。
次に、本実施形態における不要な漏洩磁界の低減作用について説明する。上述したように、送電コイルLt4は、送電コイルLt4から離れた場所を周回する磁束Bt4c,Bt4dを発生している。この磁束Bt4c、Bt4dは、電力伝送には寄与せず、送電コイルLt4の周辺に不要な漏洩磁界を形成する磁束となる。本実施形態では、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束Bc4aの周回方向は、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4cの周回方向と逆向きとなっている。また、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束Bc4bの周回方向は、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4dの周回方向と逆向きとなっている。したがって、図12bに示されるように、送電コイルLt4から離れた場所では、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4c,Bt4dの向きと第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bが発生する磁束Bc4a,Bc4bの向きは互いに逆向きとなる。つまり、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4c,Bt4dは、送電コイルLt4から離れた場所において、第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bが発生する磁束Bc4a,Bc4bによって相殺されることとなる。その結果、不要な漏洩磁界が低減される。
一方で、送電コイルLt4と第1の補助コイルLc4aの間付近では、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4aの向きと第1の補助コイルLc4aが発生する磁束Bc4aの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第1の補助コイルLc4aが発生する磁界は、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aとの間では、送電コイルLt3が発生する磁束Bt4aの向きと第1の補助コイルLc4aが発生する磁束Bc4aの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt4と第1の受電コイルLr4aを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt4aは、第1の補助コイルLc4aが発生する磁束Bc4aによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。同様に、送電コイルLt4と第2の補助コイルLc4bの間付近では、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4bの向きと第2の補助コイルLc4bが発生する磁束Bc4bの向きがほぼ同じ向きとなっている。つまり、第2の補助コイルLc4bが発生する磁界は、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bとの間に生じる磁界の一部を強めている。このように、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bとの間では、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4bの向きと第2の補助コイルLc4bが発生する磁束Bc4bの向きがほぼ同じ向きとなる。したがって、送電コイルLt4と第2の受電コイルLr4bを共に鎖交する電力伝送に寄与する磁束Bt4bは、第2の補助コイルLc4bが発生する磁束Bc4bによって相殺されない。その結果、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る送電コイルユニットLtu4では、第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bが発生する磁束Bc4a,Bc4bが、送電コイルLt4が発生する磁束Bt4a〜Bt4dのうち、第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交する磁束Bt4a,Bt4bを相殺せずに第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bに鎖交しない磁束の一部(磁束Bt4c,Bt4d)を相殺している。そのため、送電コイルLt4から離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制することができる。
以下、本実施形態によって、送電コイルから離れた場所に形成される不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制できることを実施例1〜3と比較例1〜6とによって具体的に示す。
実施例1として、上述した第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1を用いた。実施例2として、上述した第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3を用いた。実施例3として、上述した第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S4を用いた。比較例1として、実施例1と特性を比較するために、第1実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S1において、補助コイルを取り除いたワイヤレス電力伝送装置を用いた。比較例2として、実施例1と特性を比較するために、比較例1に送電コイルの作る磁束と鎖交するノイズ相殺用コイルLn20a、Ln20bを追加したワイヤレス電力伝送装置を用いた。比較例3として、実施例2と特性を比較するために、第3実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S3において、補助コイルを取り除いたワイヤレス電力伝送装置を用いた。比較例4として、実施例2と特性を比較するために、比較例3に送電コイルの作る磁束と鎖交するノイズ相殺用コイルLn40を追加したワイヤレス電力伝送装置を用いた。比較例5として、実施例3と特性を比較するために、第4実施形態に係るワイヤレス電力伝送装置S4において、補助コイルを取り除いたワイヤレス電力伝送装置を用いた。比較例6として、実施例3と特性を比較するために、比較例5に送電コイルの作る磁束と鎖交するノイズ相殺用コイルLn60を追加したワイヤレス電力伝送装置を用いた。
まず、図13を参照して、比較例1のワイヤレス電力伝送装置における送電コイルユニットLtu10と受電コイルLr10の構成を説明する。図13は比較例1の送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。送電コイルユニットLtu10は、磁性体F10と、第1及び第2の送電コイルLt10a,Lt10bと、を備える。第1及び第2の送電コイルLt10a,Lt10bは、それぞれ略方形を呈した平面状のスパイラル構造のコイルであり、第1の送電コイルLt10aは、磁性コアCt10aに巻線Wt10aが巻回されて形成されており、第2の送電コイルLt10bは、磁性コアCt10bに巻線Wt10bが巻回されて形成されている。磁性コアCt10a,Ct10bは磁性体F10を介して接続されている。すなわち、比較例1の送電コイルユニットLtu10は、実施例1のワイヤレス電力伝送装置S1の送電コイルユニットLtu1から、第1の補助コイルLcaと第2の補助コイルLcbを取り除いた形態である。また、受電コイルLr10は、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCr10に巻線Wr10を巻回して形成されている。なお、比較例1の受電コイルLr10は、実施例1のワイヤレス電力伝送装置S1における受電コイルLrと同様である。
次に、図14を参照して、比較例2のワイヤレス電力伝送装置における送電コイルユニットLtu20と受電コイルLr10の構成を説明する。図14は比較例2の送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。送電コイルユニットLtu20は、磁性体F10と、第1及び第2の送電コイルLt10a,Lt10bと、第1及び第2のノイズ相殺用コイルLn20a,Ln20bと、を備える。比較例2の送電コイルユニットLtu20は、比較例1の送電コイルユニットLtu10に第1及び第2のノイズ相殺用コイルLn20a,Ln20bを追加した形態である。第1及び第2のノイズ相殺用コイルLn20a,Ln20bは、それぞれ略方形を呈した平面状のスパイラル構造のコイルである。図14に示されるように、第1の送電コイルLt10aと磁性体F10の間において、磁性コアCt10aに第1のノイズ相殺用コイルLn20aの巻線Wn20aが巻回され、第2の送電コイルLt10bと磁性体F10の間において、磁性コアCt10bに第2のノイズ相殺用コイルLn20bの巻線Wn20bが巻回されて構成されている。このような構成により、第1及び第2のノイズ相殺用コイルLn20a,Ln20bは、第1及び第2の送電コイルLt10a,Lt10bの作る磁束に鎖交することとなる。ここで、第1及び第2のノイズ相殺用コイルLn20a,Ln20bは、第1及び第2の送電コイルLt10a,Lt10bに対して、それぞれ巻回方向が逆向きである。また、受電コイルLr10は、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCr10に巻線Wr10を巻回して形成されている。なお、比較例2の受電コイルLr10は、実施例1における受電コイルLrと同様である。
次に、図15を参照して、比較例3のワイヤレス電力伝送装置における送電コイルユニットLtu30と受電コイルLr10の構成を説明する。図15は比較例2の送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。比較例3の送電コイルユニットLtu30は、送電コイルLt30を備える。送電コイルLt30は、螺旋状に巻回されるソレノイド構造のコイルであり、図15に示されるように、磁性コアCt30に巻線Wt30が巻回されて形成されている。比較例3の送電コイルユニットLtu30は、実施例2のワイヤレス電力伝送装置S3の送電コイルユニットLtu3から、第1補助コイルLc3a及び第2の補助コイルLc3bを取り除いた形態である。また、受電コイルLr10は、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCr10に巻線Wr10を巻回して形成されている。なお、比較例3の受電コイルLr10は、実施例2における受電コイルLrと同様である。
次に、図16を参照して、比較例4のワイヤレス電力伝送装置における送電コイルユニットLtu40と受電コイルLr10の構成を説明する。図16は比較例2の送電コイルユニットを受電コイルとともに示す断面図である。送電コイルユニットLtu40は、送電コイルLt40と、ノイズ相殺用コイルLn40と、を備える。比較例4の送電コイルユニットLtu40は、比較例3の送電コイルユニットLtu30にノイズ相殺用コイルLn40を追加した形態である。ノイズ相殺用コイルLn40は、螺旋状に巻回されるソレノイド構造のコイルであり、図16に示されるように、磁性コアCt30にノイズ相殺用コイルLn40の巻線Wn40が巻回され、さらに、ノイズ相殺用コイルLn40の外側に送電コイルLt40の巻線Wt40が巻回されて構成されている。このような構成により、ノイズ相殺用コイルLn40は、送電コイルLt40の作る磁束に鎖交することとなる。ここで、ノイズ相殺用コイルLn40は、送電コイルLt40に対して巻回方向が逆向きである。また、受電コイルLr10は、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルであり、板状または棒状の磁性コアCr10に巻線Wr10を巻回して形成されている。なお、比較例4の受電コイルLr10は、実施例2における受電コイルLrと同様である。
次に、図17を参照して、比較例5のワイヤレス電力伝送装置における送電コイルユニットLtu50と第1及び第2の受電コイルLr50a,Lr50bの構成を説明する。図17は比較例5の送電コイルユニットを第1及び第2の受電コイルとともに示す断面図である。送電コイルユニットLtu50は、磁性体F50と、送電コイルLt50と、を備える。送電コイルLt50は、略方形を呈した平面状のスパイラル構造のコイルであり、図17に示されるように、磁性コアCt50に巻線Wt50が巻回されて形成されている。磁性コアCt50は磁性体F50に接続されている。比較例5の送電コイルユニットLtu50は、実施例3のワイヤレス電力伝送装置S4の送電コイルユニットLtu4から、第1の補助コイルLc4aと第2の補助コイルLc4bを取り除いた形態である。また、第1及び第2の受電コイルLr50a,Lr50bは、螺旋状に巻回されるソレノイドコイルである。第1の受電コイルLr50aは、板状または棒状の磁性コアCr50aに巻線Wr50aを巻回して形成されており、第2の受電コイルLr50bは、板状または棒状の磁性コアCr50bに巻線Wr50bを巻回して形成されている。なお、第1の受電コイルLr50aと第2の受電コイルLr50bの巻回方向は、互いに逆向きとなっている。比較例5の第1及び第2の受電コイルLr50a,Lr50bは、実施例3のワイヤレス電力伝送装置S4における第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bと同様である。
次に、図18を参照して、比較例6のワイヤレス電力伝送装置における送電コイルユニットLtu60と第1及び第2の受電コイルLr50a、Lr50bの構成を説明する。図18は比較例6の送電コイルユニットを第1及び第2の受電コイルとともに示す断面図である。送電コイルユニットLtu60は、磁性体F50と、送電コイルLt50と、ノイズ相殺用コイルLn60と、を備える。比較例6の送電コイルユニットLtu60は、比較例5の送電コイルユニットLtu50にノイズ相殺用コイルLn60を追加した形態である。ノイズ相殺用コイルLn60は、略方形を呈した平面状のスパイラル構造のコイルである。図18に示されるように、送電コイルLt50と磁性体F50の間において、磁性コアCt50にノイズ相殺用コイルLn60の巻線Wn60が巻回されている。このような構成により、ノイズ相殺用コイルLn60は、送電コイルLt50の作る磁束に鎖交することとなる。ここで、ノイズ相殺用コイルLn60は、送電コイルLt50に対して、それぞれ巻回方向が逆向きである。また、第1の受電コイルLr50aは、板状または棒状の磁性コアCr50aに巻線Wr50aを巻回して形成されており、第2の受電コイルLr50bは、板状または棒状の磁性コアCr50bに巻線Wr50bを巻回して形成されている。なお、第1の受電コイルLr50aと第2の受電コイルLr50bの巻回方向は、互いに逆向きとなっている。比較例5の第1及び第2の受電コイルLr50a,Lr50bは、実施例3のワイヤレス電力伝送装置S4における第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bと同様である。
ここで、各実施例、各比較例における、第1及び第2の送電コイルLta,Ltb、Lt10a,Lt10bの巻線Wta、Wtb、Wt10a、Wt10b、送電コイルLt3,Lt4,Lt30、Lt40、Lt50の巻線Wt3、Wt4,Wt30、Wt40、Wt50、第1及び第2の補助コイルLca,Lcb,Lc3a,Lc3b,Lc4a,Lc4bの巻線Wca,Wcb,Wc3a,Wc3b,Wc4a,Wc4b、第1及び第2のノイズ相殺用コイルLn20a,Ln20bの巻線Wn20a,Wn20b、ノイズ相殺用コイルLn40、Ln60の巻線Wn40、Wn60、及び受電コイルLr,Lr10、Lr50a,Lr50bの巻線Wr、Wr10,Wr50a,Wr50bには、ポリイミドで被覆した直径0.05mmの銅線を4000本程度撚り合わせた直径約6mmのリッツ線を用いた。また、第1及び第2の送電コイルLta,Ltb,Lt10a,Lt10bの磁性コアCta,Ctb,Ct10a,Ct10b、送電コイルLt3,Lt4,Lt30、Lt40,Lt50の磁性コアCt3,Ct4,Ct30、Ct40、Ct50,第1及び第2の補助コイルLca,Lcb,Lc3a,Lc3b,Lc4a,Lc4bの磁性コアCca,Ccb,Cc3a,Cc3b,Cc4a,Cc4b、磁性体F1,F10,F50、及び受電コイルLr,Lr10,Lr50a,Lr50bの磁性コアCr,Cr10,Cr50a,Cr50bには、同じ材質のフェライト(比透磁率3000程度)を用いた。
さらに、実施例1の送電コイルユニットLtu1においては、長さ300mm、幅300mm、厚さ15mmの磁性体F1と、長さ100mm、幅300mm、厚さ24mmの第1及び第2の送電コイルLta,Ltbの磁性コアCta,Ctbと、長さ40mm、幅300mm、厚さ15mmの第1及び第2の補助コイルLca,Lcbの磁性コアCca,Ccbと、長さ300mm、幅300mm、厚さ10mmの受電コイルLrの磁性コアCrを用いた。比較例1の送電コイルユニットLtu10及び比較例2の送電コイルユニットLtu20においては、長さ300mm、幅300mm、厚さ15mmの磁性体F10と、長さ100mm、幅300mm、厚さ24mmの第1及び第2の送電コイルLt10a,Lt10bの磁性コアCt10a,Ct10bと、長さ300mm、幅300mm、厚さ10mmの受電コイルLr10の磁性コアCr10を用いた。
またさらには、実施例1及び比較例1,2における各コイルの巻数は、以下の表1のとおりに設定した。
実施例2における送電コイルユニットLtu3においては、長さ300mm、幅300mm、厚さ15mmの送電コイルLt3の磁性コアCt3と、長さ60mm、幅300mm、厚さ15mmの第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3bの磁性コアCc3a,Cc3bと、長さ300mm、幅300mm、厚さ10mmの受電コイルLrの磁性コアCrを用いた。比較例3の送電コイルユニットLtu30及び比較例4の送電コイルユニットLtu40においては、長さ300mm、幅300mm、厚さ15mmの送電コイルLt30、Lt40の磁性コアCt30と、300mm、幅300mm、厚さ10mmの受電コイルLr10の磁性コアCr10を用いた。
またさらには、実施例2及び比較例3,4における各コイルの巻数は、以下の表2のとおりに設定した。
実施例3の送電コイルユニットLtu4においては、長さ400mm、幅300mm、厚さ15mmの磁性体F4と、長さ100mm、幅300mm、厚さ24mmの送電コイルLt4の磁性コアCt4と、長さ40mm、幅300mm、厚さ15mmの第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4bの磁性コアCc4a,Cc4bと、長さ150mm、幅300mm、厚さ10mmの第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4bの磁性コアCr4a,Cr4bを用いた。比較例5の送電コイルユニットLtu50及び比較例6の送電コイルユニットLtu60においては、長さ400mm、幅300mm、厚さ15mmの磁性体F50と、長さ100mm、幅300mm、厚さ24mmの送電コイルLt50の磁性コアCt50と、長さ150mm、幅300mm、厚さ10mmの第1及び第2の受電コイルLr50a,Lr50bの磁性コアCr50a,Cr50bを用いた。
またさらには、実施例3及び比較例5、6における各コイルの巻数は、以下の表3のとおりに設定した。
なお、実施例1〜3及び比較例1〜6において、それぞれの送電コイルユニットと受電コイルの間の距離は150mmに設定した。
続いて、実施例1〜3及び比較例1〜6において、電力伝送効率と不要な漏洩磁界を測定した。このとき受電コイルLr,Lr10(あるいは第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4b)は、位置ずれが無い状態、すなわち、送電コイルユニットと受電コイルLr,Lr10(あるいは第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4b)の間の距離を150mmに保ちつつ、受電コイルLr,Lr10(あるいは第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4b)の中心とそれぞれの送電コイルユニットの中心の距離も150mmとなる状態で測定を行った。なお、電源PWの供給電力は、負荷Rに供給される電力が3kWとなるように調節した。
電力伝送効率は、事前に測定したインバータINVでの損失と、整流回路DBでの損失を考慮しつつ、電源PWが供給する電力と負荷Rに供給される電力を測定して送電コイルユニットと受電コイルの間の効率を算出した。
不要な漏洩磁界は、送電コイルユニットの中心から10m離れた位置の磁界強度を指標とした。送電コイルユニットの中心から、受電コイルLr,Lr10(あるいは第1及び第2の受電コイルLr4a,Lr4b)の軸方向に10m離れた位置にループアンテナを設置して磁界強度を測定した。ここで、ループアンテナでは、直交する3方向(X、Y、Z方向)の磁界強度を測定し、これらを合成することで漏洩磁界強度を算出した。なお、送電コイルユニットは床面から500mmの高さに、電力を伝送する面を上に向けて設置しており、受電コイルは、送電コイルユニットの上に、150mmの間隔を空けて設置した。また、ループアンテナは中心が電波暗室の床から1.5mの高さとなるように設置した。
測定結果を図19〜21に示す。図19は、実施例1と比較例1,2の測定結果であり、図20は実施例2と比較例3,4の測定結果であり、図20は実施例3と比較例5,6の測定結果である。図中、棒グラフが電力伝送効率を示しており、折れ線グラフが漏洩磁界強度を示している。
まず、実施例1と比較例1,2の測定結果について考察する。図19に示されるように、実施例1は、比較例1に比べて、電力伝送効率はほぼ同じであり、漏洩磁界強度は低くなっている。また、実施例1は、比較例2に対して、電力伝送効率は高く、漏洩磁界強度は低くなっている。すなわち、実施例1の補助コイル(第1及び第2の補助コイルLca,Lcb)は、電力伝送に寄与する磁束は相殺しないので、補助コイルを備えない比較例1に比べて、電力伝送効率の低下が抑制されている。具体的には、補助コイルに寄生する僅かな抵抗で発生するジュール熱の分だけ、損失が僅かに増加したと考えられる。また、実施例1では、補助コイルが不要な漏洩磁界を形成する磁束を相殺するので、補助コイルを備えない比較例1に比べて、漏洩磁界強度は顕著に小さくなっている。一方、比較例2では、ノイズ相殺用コイル(第1及び第2のノイズ相殺用コイルLn20a,Ln20b)が、電力伝送に寄与する磁束と、不要な漏洩磁界を形成する磁束を、共に相殺するため、電力伝送効率と漏洩磁界強度が共に低下したと考えられる。以上のように、実施例1の送電コイルユニットLtu1は、不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制できることが確認できた。
続いて、実施例2と比較例3,4の測定結果について考察する。図20に示されるように、実施例2は、比較例3に比べて、電力伝送効率はほぼ同じであり、漏洩磁界強度は低くなっている。また、実施例2は、比較例4に比べて、電力伝送効率は高く、漏洩磁界強度は同程度である。実施例2の補助コイル(第1及び第2の補助コイルLc3a,Lc3b)は、電力伝送に寄与する磁束は相殺しないので、補助コイルを備えない比較例3に対して、電力伝送効率の低下が抑制されている。具体的には、補助コイルに寄生する僅かな抵抗で発生するジュール熱の分だけ、損失が僅かに増加したと考えられる。また、実施例2では、補助コイルが不要な漏洩磁界を形成する磁束を相殺するので、補助コイルを備えない比較例3に比べて、漏洩磁界強度は顕著に小さくなっている。一方、比較例4では、ノイズ相殺用コイル(ノイズ相殺用コイルLn40)が、電力伝送に寄与する磁束と、不要な漏洩磁界を形成する磁束を、共に相殺するため、電力伝送効率と漏洩磁界強度が共に低下したと考えられる。以上のように、実施例2の送電コイルユニットLtu3は、不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制できることが確認できた。以上のことから、本実施形態の有効性が確認できた。
続いて、実施例3と比較例5、6の測定結果について考察する。図21に示されるように、実施例3は、比較例5に比べて、電力伝送効率はほぼ同じであり、漏洩磁界強度は低くなっている。また、実施例3は、比較例6に対して、電力伝送効率は高く、漏洩磁界強度は低い。実施例3の補助コイル(第1及び第2の補助コイルLc4a,Lc4b)は、電力伝送に寄与する磁束は相殺しないので、補助コイルを備えない比較例5に比べて、電力伝送効率の低下が抑制されている。具体的には、補助コイルに寄生する僅かな抵抗で発生するジュール熱の分だけ、損失が僅かに増加したと考えられる。また、実施例5では、補助コイルが不要な漏洩磁界を形成する磁束を相殺するので、補助コイルを備えない比較例5に比べて、漏洩磁界強度は顕著に小さくなっている。一方、比較例6では、ノイズ相殺用コイル(ノイズ相殺用コイルLn60)が、電力伝送に寄与する磁束と、不要な漏洩磁界を形成する磁束を、共に相殺するため、電力伝送効率と漏洩磁界強度が共に低下したと考えられる。以上のように、実施例3の送電コイルユニットLtu4は、不要な漏洩磁界を低減しつつ、電力伝送効率の低下を抑制できることが確認できた。以上のことから、本実施形態の有効性が確認できた。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
S1,S2,S3,S4…ワイヤレス電力伝送装置、Ut1、Ut2,Ut3,Ut4…ワイヤレス送電装置、PW…電源、INV…インバータ、Ur,Ur4…ワイヤレス受電装置、Ltu1,Ltu2,Ltu3,Ltu4,Ltu10,Ltu20,Ltu30,Ltu40,Ltu50,Ltu60…送電コイルユニット、Lta,Lt10a…第1の送電コイル、Ltb,Lt10b…第2の送電コイル、Lt3,Lt4,Lt30、Lt40,Lt50…送電コイル、Lt2c…付加コイル、Cta,Ct10a…第1の送電コイルの磁性コア、Ctb,Ct10b…第2の送電コイルの磁性コア、Ct3,Ct4,Ct30,Ct50…送電のコイルの磁性コア、Ct2c…付加コイルの磁性コア、Wta、Wt10a…第1の送電コイルの巻線、Wtb、Wt10b…第2の送電コイルの巻線、Wt2c…付加コイルの巻線、Wt3,Wt4、Wt30、Wt40,Wt50…送電コイルの巻線、Lca,Lc3a,Lc4a…第1の補助コイル、Lcb,Lc3b,Lc4b…第2の補助コイル、Cca,Cc3a,Cc4a…第1の補助コイルの磁性コア、Ccb,Cc3b,Cc4b…第2の補助のコイルの磁性コア、Wca,Wc3a,Wc4a…第1の補助コイルの巻線、Wcb,Wc3b,Wc4b…第2の補助コイルの巻線、F1,F10,F50…磁性体、Lr,Lr10…受電コイル、Lr4a,Lr50a…第1の受電コイル、Lr4b,Lr50b…第2の受電コイル、Cr、Cr10…受電コイルの磁性コア、Cr4a,Cr50a…第1の受電コイルの磁性コア、Cr4b,Cr50b…第2の受電コイルの磁性コア、Wr、Wr10…受電コイルの巻線、Wr4a,Wr50a…第1の受電コイルの巻線、Wr4b,Wr50b…第2の受電コイルの巻線、DB…整流回路、R…負荷、Ln20a…第1のノイズ相殺用コイル、Ln20b…第2のノイズ相殺用コイル、Ln40,Ln60…ノイズ相殺用コイル、Wn20a…第1のノイズ相殺用コイルの巻線、Wn20b…第2のノイズ相殺用コイルの巻線、Wn40,Wn60…ノイズ相殺用コイルの巻線、Bt1a〜Bt1d…第1及び第2の送電コイルが発生する磁束、Bt2a〜Bt2d…第1及び第2の送電コイルと付加コイルが発生する磁束、Bt3a〜Bt3d,Bt4a〜Bt4d…送電コイルが発生する磁束、Bc1a,Bc1b,Bc2a,Bc2b,Bc3a,Bc3b,Bc4a…第1の補助コイルが発生する磁束、Bc1c,Bc1d,Bc2c,Bc2d,Bc3c,Bc3d,Bc4b…第2の補助コイルが発生する磁束。
Claims (10)
- ワイヤレスにて電力を送電する送電コイルユニットであって、
送電コイルと、補助コイルと、を備え、
前記補助コイルが発生する磁束は、前記送電コイルが発生する磁束のうち、電力を送電するときに前記送電コイルと対向することとなる受電コイルに鎖交する磁束を相殺せずに前記受電コイルに鎖交しない磁束の一部を相殺することを特徴とする送電コイルユニット。 - 前記送電コイル及び前記補助コイルは、それぞれ磁性コアをさらに備え、
前記補助コイルの磁性コアは、前記送電コイルの磁性コアに連結されていることを特徴とする請求項1に記載の送電コイルユニット。 - 前記補助コイルの軸は、前記送電コイルと前記受電コイルとの対向方向に対して略直交することを特徴とする請求項1または2に記載の送電コイルユニット。
- 前記補助コイルは、前記送電コイルの前記受電コイルと対向する側とは反対側に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の送電コイルユニット。
- 前記補助コイルは、当該コイルの一部又は全部が、前記送電コイルと前記受電コイルとの対向方向から見て、前記送電コイルと重なり合うことを特徴とする請求項4に記載の送電コイルユニット。
- 前記送電コイルは、並置された第1の送電コイル及び第2の送電コイルを備え、
前記第1の送電コイル及び前記第2の送電コイルは、互いに発生させる磁界によって、双方のコイルを鎖交する磁路が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の送電コイルユニット。 - 前記補助コイルが発生する磁束は、少なくとも一部が前記送電コイルに鎖交することを特徴とする請求項6に記載の送電コイルユニット。
- 前記送電コイルの前記受電コイルと対向する側とは反対側であって、前記第1の送電コイルの中心部と前記第2の送電コイルの中心部との間にコイルの中心部が位置するように配置される付加コイルをさらに備え、
前記第1の送電コイル、前記第2の送電コイル及び前記付加コイルは、互いに発生させる磁界によって、各コイルを鎖交する磁路が形成されることを特徴とする請求項6または7に記載の送電コイルユニット。 - 前記補助コイルは、第1の補助コイル及び第2の補助コイルを備え、
前記第1の補助コイル及び前記第2の補助コイルは、前記第1の補助コイルの中心部と前記第2の補助コイルの中心部との間に前記送電コイルの中心部が位置するように配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の送電コイルユニット。 - ワイヤレスにて電力が伝送されるワイヤレス電力伝送装置であって、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の送電コイルユニットと、
受電コイルと、を備えることを特徴とするワイヤレス電力伝送装置。
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2013
- 2013-11-28 JP JP2013246445A patent/JP2015106938A/ja active Pending
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