JP2015105286A - 透明導電性フィルム用粘着剤層、粘着剤層付き透明導電性フィルム、及びタッチパネル - Google Patents

透明導電性フィルム用粘着剤層、粘着剤層付き透明導電性フィルム、及びタッチパネル Download PDF

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【課題】本発明は、耐皮脂性、耐加湿白濁性が高く、かつ加湿条件下における誘電率変化を抑制することができる、透明導電性フィルム用粘着剤層を提供することを目的とする。【解決手段】23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率が4以下であり、かつ、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率が1重量%以下であることを特徴とする、透明導電性フィルム用粘着剤層である。【選択図】図1

Description

本発明は、耐皮脂性、耐加湿白濁性が高く、かつ加湿条件下における誘電率変化が小さい透明導電性フィルム用粘着剤層に関する。
また、本発明は、透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、金属酸化物により形成された透明導電性薄膜を有し、他方の面に機能層を有する透明導電性フィルムの一方の面に、前記透明導電性フィルム用粘着剤層を有することを特徴とする粘着剤層付き透明導電性フィルムに関する。本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層、又は粘着剤層付き透明導電性フィルムは、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などのタッチパネルなどの入力装置の製造用途に好適に用いることができる。特に、静電容量方式のタッチパネルに好適に用いられる。
また、本発明の粘着剤層付き透明導電性フィルムは、適宜加工処理がなされた後に、タッチパネルなどにおける透明電極に用いられる。特に、粘着剤層付き透明導電性フィルムは、透明導電性薄膜をパターニングして、静電容量方式のタッチパネルの入力装置の電極基板に好適に用いられる。
近年、携帯電話や携帯用音楽プレイヤー等の画像表示装置とタッチパネルを組み合わせて用いる入力装置が普及してきている。なかでも、静電容量方式のタッチパネルはその機能性から急速に普及してきている。
現在、タッチパネル用に用いる透明導電性フィルムとしては、透明プラスチックフィルム基材やガラスに、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電性薄膜が積層されたものが多く知られている。透明導電性フィルムは、他の部材に粘着剤層を介して積層される。
前記透明導電性フィルムが、静電容量方式のタッチパネルの電極基板に用いられる場合には、前記透明導電性薄膜がパターニングされたものが用いられる。このようなパターニングされた透明導電性薄膜を有する透明導電性フィルムは、他の透明導電性フィルム等とともに粘着剤層を介して積層して用いられる。これら透明導電性フィルムは、2本以上の指で同時に操作できるマルチタッチ方式の入力装置に好適に使用される。すなわち、静電容量方式のタッチパネルは、指などでタッチパネルに触れた際にその位置の出力信号が変化し、その信号の変化量がある閾値を超えた場合にセンシングする仕組みになっている。
上記のように、タッチパネルを構成する部材、フィルムの誘電率は、タッチパネルの応答性に関わっており重要な数値である。一方、近年、タッチパネルの普及に伴い、タッチパネルにはより高性能化が求められており、その構成部材である透明導電性フィルムや粘着剤層にも高性能が求められ、薄型化もそのひとつである。しかしながら、粘着剤層を単純に薄型化してしまうと設計した静電容量値が変わってしまうという問題がある。前記静電容量値の数値を変えないで、粘着剤層を薄型化するためには、粘着剤層の低誘電率化が求められる。また、視認性向上のために、印刷付ガラスやフィルムと光学フィルムとの空気層や液晶ディスプレイ(LCD)上部の空気層を粘着剤層にて層間充填する場合があるが、その一方で、前記粘着剤層の誘電率が高いと誤作動が起きる可能性がある。かかる誤作動防止の観点からも、粘着剤層の低誘電率化が求められる。さらに、粘着剤層の低誘電率化によって、タッチパネルの応答速度や感度の向上が期待される。また、透明導電性フィルムやガラスを、粘着剤層を介して積層した積層物を、加湿条件下に曝露した際には粘着剤層が白濁してしまうという問題があり、耐加湿白濁性が求められている。
加湿白濁を抑制できる粘着剤層として種々のものが提案されており、例えば、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率が0.65重量%以上である粘着剤層が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、低誘電率の粘着剤層を実現できる粘着剤として、炭素数10〜24の分岐したアルキル基をエステル基の末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを特定量含むモノマー成分を重合することにより得られた(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤等が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−99078号公報 特開2012−173354号公報 特開2012−246477号公報
前記特許文献1、2においては、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率が0.65重量%以上である、高い水分率を有する粘着剤層を用いることで加湿白濁を抑制しようとするものである。水分率を高い粘着剤層を用いることで、粘着剤層の加湿条件下における白濁は解消されるものの、加湿条件下での誘電率が高くなってしまうことが分かった。このように、加湿条件下において粘着剤層の誘電率が変化すると、当該粘着剤層を用いたタッチパネルを加湿条件下に使用した場合に誤動作が発生したり、感度が低下することがあった。
また、特許文献3に記載されているように、炭素数10〜24の分岐したアルキル基をエステル基の末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを特定量用いることで粘着剤層の低誘電率化を実現できるものではあるが、当該粘着剤層を有する透明導電性フィルムでは、加湿条件下で粘着剤層が白濁してしまう、という問題があった。
また、タッチパネルは、素手が常時接触する状態で使用されるため、手の皮脂がタッチパネルに移行することは避けられない。当該タッチパネル表面に移行した皮脂は、徐々にタッチパネル内部の粘着剤層に移行し、当該粘着剤層が皮脂により膨潤してしまうという問題があり、耐皮脂性が求められている。しかしながら、従来、このような皮脂による粘着剤層の膨潤については十分に検討がなされておらず、特許文献1〜3においても、皮脂による粘着剤層の膨潤については何ら検討がなされていないものであった。
そこで、本発明は、耐皮脂性、耐加湿白濁性が高く、かつ加湿条件下における誘電率変化を抑制することができる、透明導電性フィルム用粘着剤層を提供することを目的とする。
また本発明は、前記透明導電性フィルム用粘着剤層を有する粘着剤層付き透明導電性フィルムや、当該粘着剤層付き透明導電性フィルムを有するタッチパネルを提供することも目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記透明導電性フィルム用粘着剤層を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率が4以下であり、かつ、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率が1重量%以下であることを特徴とする、透明導電性フィルム用粘着剤層に関する。
60℃、95%R.H.の環境下における周波数100kHzの比誘電率が、23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率の1.2倍以下であることが好ましい。
前記水分率が0.6重量%以下であることが好ましい。
前記粘着剤層が、ゴム系ポリマーを含むゴム系粘着剤組成物から形成されたものであることが好ましい。
前記ゴム系ポリマーが、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系共重合体を含むことが好ましい。
また、本発明は、透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、金属酸化物により形成された透明導電性薄膜を有し、他方の面に機能層を有する透明導電性フィルムの一方の面に、前記透明導電性フィルム用粘着剤層を有することを特徴とする粘着剤層付き透明導電性フィルムに関する。
前記粘着剤層付き透明導電性フィルムにおいて、前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜上に、前記透明導電性フィルム用粘着剤層を有していても、前記透明導電性フィルムの機能層上に、前記透明導電性フィルム用粘着剤層を有していてもよい。
さらに、本発明は、前記粘着剤層付き透明導電性フィルムを少なくとも1つ有することを特徴とするタッチパネルに関する。
本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層は、23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率が4以下であり、かつ、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率が1重量%以下と小さいため、低誘電率で、耐加湿白濁性に優れた粘着剤層を実現することができ、かつ、加湿条件下における誘電率変化も小さく、当該粘着剤層を用いたタッチパネル等の誤作動を防止することができる。
(a)本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層を適用した、粘着剤層付き透明導電性フィルムの一例を示す概略断面図である。(b)本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層を適用した、粘着剤層付き透明導電性フィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層が、透明導電性フィルムとの関係において適用される静電容量方式のタッチパネルの一例を示す図である。 耐加湿白濁性の各試験で用いた試験片の概略断面図である。
本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層を、粘着剤層付き透明導電性フィルムの態様において、図面を参照しながら以下に説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層1が、透明導電性フィルム2上に設けられている実施形態を示す断面図である。図1(a)に示す透明導電性フィルム2は、透明プラスチックフィルム基材4の一方の面に、透明導電性薄膜3を有し、他方の面に機能層5を有する。当該透明プラスチックフィルム基材4の機能層5を有する側(すなわち、透明導電性薄膜3に対して反対側)に透明導電性フィルム用粘着剤層1を形成することができる。また、透明導電性フィルム用粘着剤層1の透明導電性フィルム2が貼り合わされていない側の粘着面は、実用に供されるまで離型フィルム(不図示)で保護してもよい。また、図1(b)に示す透明導電性フィルム2は、図1(a)の透明導電性薄膜3と機能層5の貼り合せ位置を逆にしたものである。
前記透明プラスチックフィルム基材としては、特に制限されないが、透明性を有する各種のプラスチックフィルムが用いられる。当該プラスチックフィルムは1層のフィルムにより形成されている。例えば、その材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいのは、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、及びポリエーテルスルホン系樹脂である。前記フィルム基材の厚みは、15〜200μmであることが好ましい。
前記フィルム基材には、表面に予めスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を施して、この上に設けられる透明導電性薄膜、又はアンダーコート層の前記フィルム基材に対する密着性を向上させるようにしてもよい。また、透明導電性薄膜、又はアンダーコート層を設ける前に、必要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などにより除塵、清浄化してもよい。
前記透明導電性薄膜の構成材料としては特に限定されず、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、チタン、珪素、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、タングステン、カドミウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属の金属酸化物が用いられる。当該金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子を含んでいてもよい。例えば、特に限定はされないが、ITO(酸化インジウムスズ)、ZnO、SnO、CTO(酸化カドミウムスズ)などが好ましく用いられ、ITOが特に好ましく用いられる。ITOとしては、酸化インジウム80〜99重量%及び酸化スズ1〜20重量%を含有することが好ましい。透明導電性薄膜の厚みは、特に限定されないが、10〜200nm程度であり、薄膜の観点からは、15〜40nmであることがより好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。
なお、図1には示していないが、透明プラスチックフィルム基材には、アンダーコート層を介して透明導電性薄膜を設けることができる。なお、アンダーコート層は複数層設けることができる。透明プラスチックフィルム基材と粘着剤層の間にオリゴマー移行防止層を設けることができる。
アンダーコート層は、無機物、有機物、又は無機物と有機物との混合物により形成することができる。例えば、無機物として、NaF(1.3)、NaAlF(1.35)、LiF(1.36)、MgF(1.38)、CaF(1.4)、BaF(1.3)、SiO(1.46)、LaF(1.55)、CeF(1.63)、Al(1.63)などの無機物〔上記各材料の()内の数値は光の屈折率である〕が挙げられる。これらのなかでも、SiO、MgF、A1などが好ましく用いられる。特に、SiOが好適である。上記の他、酸化インジウムに対して、酸化セリウムを10〜40重量部程度、酸化スズを0〜20重量部程度含む複合酸化物を用いることができる。
また有機物としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマー、有機シラン縮合物などが挙げられる。これらの有機物は、少なくとも1種が用いられる。特に、有機物としては、メラミン樹脂とアルキド樹脂と有機シラン縮合物の混合物からなる熱硬化型樹脂を使用するのが望ましい。
アンダーコート層の厚さは、特に制限されるものではないが、光学設計、前記フィルム基材からのオリゴマー発生防止効果の点から、通常、300nm以下程度であり、1〜300nm程度であることが好ましく、5〜300nm程度であることがより好ましい。
前記機能層としては、例えば、視認性の向上を目的とした防眩処理(AG)層や反射防止(AR)層を設けることができる。防眩処理層の構成材料としては特に限定されず、例えば、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。防眩処理層の厚みは0.1〜30μmが好ましい。反射防止層としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、フッ化マグネシウム等が用いられる。反射防止層は複数層を設けることができる。
また機能層として、ハードコート(HC)層を設けることができる。ハードコート層の形成材料としては、例えば、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの硬化型樹脂からなる硬化被膜が好ましく用いられる。ハードコート層の厚さとしては、0.1〜30μmが好ましい。厚さを0.1μm以上とすることが、硬度を付与するうえで好ましい。また前記ハードコート層上に、前記防眩処理層や反射防止層を設けることができる。
本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層は、23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzにおける比誘電率が4以下であり、3.5以下であることが好ましく、3.4以下であることがより好ましく、3.2以下であることがさらに好ましい。比誘電率が前記範囲になることで、当該粘着剤層を用いたタッチパネルが良好な応答速度や感度を得ることができる。また、本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層の60℃、95%R.H.の環境下における周波数100kHzの比誘電率についても前記範囲となることが好ましい。
本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層は、60℃、95%R.H.の環境下における周波数100kHzの比誘電率が、23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率の1.2倍以下であることが好ましく、1.1倍以下であることがより好ましい。本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層は、60℃、95%R.H.の環境下と、23℃、55%R.H.環境下における周波数100kHzの比誘電率がほぼ同じであり、加湿条件下における誘電率変化も小さいものである。これにより、当該粘着剤層を用いたタッチパネル等の誤作動を防止することができる。
また本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層の60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率は、1.0重量%以下であり、0.8重量%以下であることが好ましく、0.6重量%以下であることがより好ましく、0.2重量%以下であることがさらに好ましい。水分率を前記範囲にすることで、加湿条件下における比誘電率変化を抑制することができるものである。
また本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層は、粘着剤層の厚さが100μmの場合の、23℃、50%R.H.の環境下におけるヘイズ値が2%以下であることが好ましく、0〜1.5%であることがより好ましく、0〜1%であることがさらに好ましい。ヘイズが前記範囲であれば、前記粘着剤層が光学部材に用いられる場合に要求される透明性を満足することができる。また、ヘイズ値は2%以下であれば、光学用途として満足することができる。前記ヘイズ値が2%を超えると白濁が生じて光学フィルム用途として好ましくない。
また本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層は、粘着剤層(厚さ:100μm)を、60℃、95%R.H.の環境下に500時間保存して、23℃、50%R.H.の環境下に取り出した直後のヘイズ値が、5%未満であることが好ましく、0%以上2%未満であることがより好ましい。前記範囲は耐加湿白濁性の観点から好ましい。
本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層の形成に用いる粘着剤は、特に限定されるものではなく、23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率が4以下であり、かつ、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率が1重量%以下となる粘着剤層を形成できるものであればよいが、例えば、ゴム系ポリマーをベースポリマーとするゴム系粘着剤組成物が好ましく使用できる。
前記ゴム系ポリマーとしては、1種の共役ジエン化合物を重合することによって得られる共役ジエン系重合体、2種以上の共役ジエン化合物を重合することによって得られる共役ジエン系共重合体、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系共重合体を含むことができる。また、これらの水添物も好適に用いることができる。
前記共役ジエン化合物としては、重合可能な共役ジエンを有する単量体であれば特に限定されず、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレン等が好ましい。また、これらは1種単独又は2種以上を併用してもよい。
ジエン系共重合体を構成するために用いられる芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な芳香族ビニル構造を有する単量体であれば特に限定されず、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種単独又は2種以上を併用してもよい。
ジエン系共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、また、共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物以外の化合物を共重合してもよい。
また、前記共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系共重合体は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物のモル比が、共役ジエン化合物/芳香族ビニル化合=10〜90モル%/90〜10モル%であることが好ましい。
このような共役ジエン系(共)重合体としては、具体的には、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を挙げることができ、これらを1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、イソプレン−スチレン共重合体が好ましい。また、これらの水添物も好適に用いることができる。
また、前記共役ジエン系(共)重合体の他にも、イソブチレン(IB)等も用いることができる。前記ゴム系ポリマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いるゴム系ポリマーは、前記共役ジエン系(共)重合体をベースポリマーとして含むものであることが好ましく、ゴム系ポリマー全体中に、前記共役ジエン系(共)重合体を50重量%以上含むことが好ましく、70重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましく、90重量%以上含むことがより好ましい。また、上限値は特に限定されるものではなく、100重量%(すなわち、共役ジエン系(共)重合体のみからなるゴム系ポリマー)であってもよい。
また、粘着剤性組成物は、前記ゴム系ポリマーをベースポリマーとして含むものであり、ゴム系ポリマーの添加量は、粘着剤組成物中、40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上であることがさらに好ましい。また、上限値としては特に限定されないが、粘着剤組成物中、90重量%以下であることが好ましい。
また、粘着剤組成物は、前記ゴム系ポリマーのほかに、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート、アルキルエーテル化メラミン化合物など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂、ビニルトルエン樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。これらの添加量は、粘着剤組成物中、60重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましく、40重量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、1〜300μm程度であることが好ましく、1〜200μmであることがより好ましく、2〜100μmであることがさらに好ましく、25〜100μmであることがさらに好ましい。
前記粘着剤層は、例えば、前記粘着剤を支持体に塗布し、溶剤などを乾燥除去することにより粘着シートとして形成することができる。粘着剤の塗布にあたっては、適宜に一種以上の溶剤を加えてもよい。
粘着剤の塗布方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法が挙げられる。
前記加熱乾燥温度は、30℃〜200℃程度が好ましく、40℃〜180℃がより好ましく、80℃〜150℃がさらに好ましい。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤層を得ることができる。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、5秒〜20分程度が好ましく、30秒〜10分がより好ましく、1分〜8分がさらに好ましい。
前記支持体としては、例えば、剥離処理したシートを用いることができる。剥離処理したシートとしては、シリコーン剥離ライナーが好ましく用いられる。
剥離処理したシート上に粘着剤層を形成した粘着シートは、前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(セパレーター)で粘着剤層を保護してもよい。実用に際しては、前記剥離処理したシートは剥離される。
セパレーターの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、及びこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などを挙げることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。
前記セパレーターの厚みは、通常5〜200μm、好ましくは5〜100μm程度である。前記セパレーターには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型、及び防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレーターの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層は、上記透明導電性フィルムの機能層又は透明導電性層に適用されて、粘着剤層付きの透明導電性フィルムとして用いられる。
前記粘着剤層は、透明導電性フィルムの機能層又は透明導電性層に直接塗布し、加熱乾燥等により溶媒を除去することにより、粘着剤層を透明導電性フィルム上に形成することができる。また、剥離処理したセパレーターに形成した粘着剤層を、適宜に透明導電性フィルムの機能層又は透明導電性層に転写して、粘着剤層付きの透明導電性フィルムを形成することができる。
なお、上記の粘着剤層付きの透明導電性フィルムの作製にあたって用いた、剥離処理したシートは、そのまま粘着剤層付き透明導電性フィルムのセパレーターとして用いることができ、工程面における簡略化ができる。
また、前記粘着剤層付きの透明導電性フィルムにおいて、粘着剤層の形成にあたっては、透明導電性フィルムの表面に、アンカー層を形成したり、コロナ処理、プラズマ処理などの各種易接着処理を施した後に粘着剤層を形成することができる。また、粘着剤層の表面には易接着処理をおこなってもよい。
上記粘着剤層付き透明導電性フィルムは、タッチパネルや液晶ディスプレイなどの種々の装置の形成などにおいて用いられる。特に、タッチパネル用電極板として好ましく用いることができる。タッチパネルは、種々の検出方式(例えば、抵抗膜方式、静電容量方式等)に好適に用いられる。
静電容量方式のタッチパネルは、通常、所定のパターン形状を有する透明導電性薄膜を備えた透明導電性フィルムがディスプレイ表示部の全面に形成されている。
本発明の粘着剤層付き透明導電性フィルムが用いられている静電容量方式のタッチパネルの一例を図2に示す。図2において、6は静電容量方式タッチパネルであり、7は装飾パネルであり、8は粘着剤層、又は粘着シートであり、9は透明導電性フィルムであり、10はハードコートフィルムである。装飾パネル7は、ガラス板や透明アクリル板(PMMA板)であることが好ましい。ハードコートフィルム10は、PETフィルムなどの透明プラスチックフィルムにハードコート処理が施されたものが好ましい。
例えば、図2においては、2枚の透明導電性フィルム9に挟まれた粘着剤層8が、図1に示す本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層1に該当する。
上記静電容量方式タッチパネル6は、本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層1が用いられているので、耐皮脂性、耐加湿白濁性が高く、厚さを薄くすることができ、動作の安定性に優れる。また、外観や視認性が良好である。
また、上記構成以外のタッチパネルにおいても本発明の透明導電性フィルム用粘着剤層を用いることができる。具体的には、透明基体(例えば、ガラス等)/粘着剤層(又は粘着シート)/透明導電性フィルム/粘着剤層(又は粘着シート)/透明導電性フィルム/粘着剤層(又は粘着シート)/液晶表示装置(LCD);ITO等の透明導電性薄膜付の透明基体(例えば、ガラス等)/粘着剤層(又は粘着シート)/透明導電性フィルム/粘着剤層(又は粘着シート)/液晶表示装置(LCD);の構成において適用することができる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部、及び%はいずれも重量基準である。実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
実施例1
イソプレンゴム系粘着剤(SKダイン2563、綜研化学(株)製)を、片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF、三菱樹脂(株)製)の剥離処理面に、最終的な厚みが100μmになるように塗布して塗布層を形成した。次いで、塗布層を85℃で5分乾燥させて、ゴム系粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。また、粘着シートの粘着面には、前記片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF、三菱樹脂(株)製)を、剥離処理面前記と粘着剤層が接するように貼り合せた。粘着剤層の両面に被覆されたポリエステルフィルムは、剥離ライナーとして機能する。
比較例1
(アクリル系ポリマー溶液の作製)
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)63重量部、N−ビニルピロリドン(NVP)15重量部、メタクリル酸メチル(MMA)9重量部、アクリル酸ヒドロキシエチル(HEA)13重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル175重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加え、65℃に昇温して5時間反応させた。その後70℃に昇温し、2時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。なお、上記アクリル系ポリマー溶液におけるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は75万であった。
(アクリル系粘着剤組成物の作製)
次に、上記アクリル系ポリマー溶液に、上記アクリル系ポリマー100重量部に対して、架橋剤(イソシアネート系架橋剤、商品名:タケネート D110N、三井化学(株)製)0.25重量部を加えて混合し、アクリル系粘着剤組成物を得た。
(粘着シートの作製)
次に、上記アクリル系粘着剤組成物を、表面が剥離処理されたポリエチレンテレフタレートセパレーター(PETセパレーター)(商品名:MRF75、三菱樹脂(株)製)の剥離処理面上に、乾燥後の厚みが100μmとなるように塗布し、135℃で2分間の加熱乾燥を行い、さらに、23℃で120時間エージングを行って、粘着シート(アクリル系粘着剤層/剥離フィルムの構成を有する基材レス粘着シート)を得た。
比較例2
(アクリル系ポリマー溶液の作製)
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)59重量部、N−ビニルピロリドン(NVP)10重量部、メタクリル酸メチル(MMA)21重量部、アクリル酸ヒドロキシエチル(HEA)10重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル175重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加え、65℃に昇温して5時間反応させた。その後70℃に昇温し、2時間反応させた。その後、酢酸エチルを加え、固形分濃度30重量%のアクリル系ポリマー溶液を得た。なお、上記アクリル系ポリマー溶液におけるアクリル系ポリマーの重量平均分子量は90万であった。
アクリル系ポリマー溶液として、上記溶液を使用した以外は、比較例1と同様の操作を行い、粘着シートを作製した。
比較例3
(アクリル系ポリマー溶液の作製)
モノマー成分として、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)61重量部、N−ビニルピロリドン(NVP)14重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)22重量部、アクリル酸ヒドロキシエチル(HEA)3重量部、及び2種の光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、BASF社製)0.05重量部及び光重合開始剤(商品名:イルガキュア651、BASF社製)0.05重量部を4つ口フラスコに投入してモノマー混合物を調製した。次いで、前記モノマー混合物を窒素雰囲気下で紫外線に曝露して部分的に光重合させることによって、重合率約10重量%の部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を得た。
上述したアクリル系ポリマーシロップの100重量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.035重量部と、シランカップリング剤(商品名:KBM−403、信越化学工業(株)製)0.3部を添加した後、これらを均一に混合してモノマー成分を調製した。
(粘着シートの作製)
次いで、上記で調製したモノマー成分を、片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF、三菱樹脂(株)製)の剥離処理面に、最終的な厚みが100μmになるように塗布して塗布層を形成した。次いで、塗布されたモノマー成分の表面に、片面をシリコーンで剥離処理した厚み38μmのポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルMRF、三菱樹脂(株)製)を、当該フィルムの剥離処理面が塗布層側になるようにして被覆した。これにより、モノマー成分の塗布層を酸素から遮断した。このようにして得られた塗布層を有するシートにケミカルライトランプ((株)東芝製)を用いて照度5mW/cm(約350nmに最大感度をもつトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を360秒間照射して、塗布層を硬化させて粘着剤層を形成し、粘着シートを作製した。粘着剤層の両面に被覆されたポリエステルフィルムは、剥離ライナーとして機能する。
上記実施例、及び比較例で得られた、粘着シート(サンプル)について以下の評価を行った。
<水分率>
実施例、及び比較例で得られた、粘着シートから10cm(5cm×2cm)切り出し、両側セパレーターを付けたまま加温加湿室(60℃、95%R.H.)に120時間投入した。加温加湿室から取り出してセパレーターを剥がしてアルミ箔にはりつけて秤量(W1(μg))し、これを試験片とした。アルミ箔の重量は、粘着シートに貼付する前に予め測定しておいた(W2(μg))。
次いで、上記試験片を、下記の加熱気化装置に入れ、150℃で加熱した時に発生したガスを、下記の電量滴定式水分測定装置の滴定セル内に導入し、上記ガス中の水分量(μg)を測定して、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存後の粘着剤層中の水分量(W3(μg))を測定した。そして、下記式により60℃、95%R.H.の環境下で120時間保存した後の粘着剤層の水分率(重量%)を算出した。なお、測定回数(n数)は2回とし、平均値を算出した。
Figure 2015105286
(分析装置)
電量滴定式水分測定装置:(株)三菱化学アナリテック製、CA−200型
加熱気化装置:(株)三菱化学アナリテック製、VA−200型
(測定条件)
方法:加熱気化法/150℃加熱
陽極液:アクアミクロンAKK
陰極液:アクアミクロンCXU
<耐皮脂性>
(皮脂液の調整)
トリグリセリド(商品名:Lexol GT−865、INOLEX製)41重量部、イソステアリン酸(和光純薬工業(株)製)16.4重量部、スクアラン(和光純薬工業(株)製)12重量部を均一に混合し、皮脂液を作製した。
(皮脂膨潤度の測定)
実施例、及び比較例で得られた粘着シートを3cm×3cmに切りだし、片方のシリコーン処理を施したPETフィルムを剥離して、粘着面を100μmのPETフィルムの片面にハンドローラーで貼り付けた後、他方のシリコーン処理を施したPETフィルムを剥離して、粘着剤面をアルカリガラスの片面に貼り付けて試験片を得た(100μmのPETフィルム/粘着剤層/アルカリガラス)。得られた試験片を、調製された皮脂液に、50℃、95%R.H.の条件下120時間浸漬させ、膨潤後の面積(cm)を測定した。
Figure 2015105286
皮脂膨潤度は、以下の基準により評価した。
◎:皮脂膨潤度が1.1未満(耐皮脂性が極めて良好)
○:皮脂膨潤度が1.1以上1.2未満(耐皮脂性が良好)
×:皮脂膨潤度が1.2以上(耐皮脂性が不良)
<耐加湿白濁性>
透明導電性フィルム(HC(クリアハードコート)層/PET層(PET基材層)/ITO層の層構成を有するフィルム)を140℃の温度環境下に90分放置してITO層を結晶化させた。
粘着シートの一方のシリコーン処理を施したPETフィルムを剥離し、粘着面に、前記透明導電性フィルムのHC層面が接するように貼り合わせた。そして、得られた積層構造体(シリコーン処理を施したPETフィルム/粘着剤層/透明導電性フィルム)から、シリコーン処理を施したPETフィルムを剥離し、粘着面とガラス(商品名:MICRO SLIDE GLASS、品番:S−1111、松浪硝子(株)製)とを貼り合わせて、試験片とした。該試験片の概略断面図は、図3に示すように、ITO層11/PET基材層12/HC層13/粘着剤層1/ガラス14からなる。
上記試験片のヘイズを、23℃、50%R.H.の環境下において、ヘイズメーター(商品名:HM−150、(株)村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。そして、ヘイズ(初期ヘイズ)が2.0%以下であることを確認した。
次いで、上記試験片を60℃、95%R.H.の環境下(湿熱環境下)に500時間保存した後、23℃、50%R.H.の環境下に取り出し、取り出し直後の試験片のヘイズを、上記と同様に測定し、下記基準で評価した。
◎:取り出し直後の試験片のヘイズが2.0%未満(極めて良好)
○:取り出し直後の試験片のヘイズが2.0%以上5.0%未満(良好)
×:取り出し直後の試験片のヘイズが5.0%以上(不良)
<誘電率>
粘着剤層(粘着シートからシリコーン処理を施したPETフィルムを剥離したもの)を、銅箔と電極の間に挟み以下の装置により周波数100kHzにおける比誘電率を測定した。測定は3サンプルを作製し、それらの3サンプルの測定値の平均を誘電率とした。なお、粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率は、JIS K 6911に準じて、下記条件で測定した。
測定方法:容量法(装置:Agilent Technologies E4980A Precision LCR Meter使用)
電極構成:12.1mmΦ、0.5mm厚みのアルミ板
対向電極:3oz 銅板
測定環境:23℃、55%R.H.
測定環境(加湿条件):60℃、95%R.H.に、測定治具に粘着剤を固定した状態で30分放置し、30分後の誘電率を測定
Figure 2015105286
1 透明導電性フィルム用粘着剤層
2 透明導電性フィルム
3 透明導電性薄膜
4 透明プラスチックフィルム基材
5 機能層
6 静電容量方式タッチパネル
7 装飾パネル
8 透明導電性フィルム用粘着剤層
9 透明導電性フィルム
10 ハードコートフィルム
11 ITO層
12 PET基材層
13 HC層
14 ガラス

Claims (9)

  1. 23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率が4以下であり、かつ、60℃、95%R.H.の環境下に120時間保存した後の水分率が1重量%以下であることを特徴とする、透明導電性フィルム用粘着剤層。
  2. 60℃、95%R.H.の環境下における周波数100kHzの比誘電率が、23℃、55%R.H.環境下の周波数100kHzの比誘電率の1.2倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム用粘着剤層。
  3. 前記水分率が0.6重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム用粘着剤層。
  4. 前記粘着剤層が、ゴム系ポリマーを含むゴム系粘着剤組成物から形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム用粘着剤層。
  5. 前記ゴム系ポリマーが、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系共重合体を含むことを特徴とする請求項4に記載の透明導電性フィルム用粘着剤層。
  6. 透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、金属酸化物により形成された透明導電性薄膜を有し、他方の面に機能層を有する透明導電性フィルムの一方の面に、請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性フィルム用粘着剤層を有することを特徴とする粘着剤層付き透明導電性フィルム。
  7. 前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜上に、前記透明導電性フィルム用粘着剤層を有することを特徴とする請求項6に記載の粘着剤層付き透明導電性フィルム。
  8. 前記透明導電性フィルムの機能層上に、前記透明導電性フィルム用粘着剤層を有することを特徴とする請求項6に記載の粘着剤層付き透明導電性フィルム。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の粘着剤層付き透明導電性フィルムを少なくとも1つ有することを特徴とするタッチパネル。
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