JP2015105257A - 表面修飾無機酸化物微粒子分散組成物、及び水系化粧料 - Google Patents

表面修飾無機酸化物微粒子分散組成物、及び水系化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】無機酸化物微粒子と塩を含有する水分散組成物であって、前記無機酸化物微粒子の特性が損なわれることなく維持された状態で高分散されてなる水分散組成物、及び前記水分散組成物を含有する水系化粧料を提供する。
【解決手段】本発明の水分散組成物は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されてなる表面修飾無機酸化物微粒子と塩を含む。前記塩としてはアルカリ金属塩が好ましい。また、前記無機酸化物としては酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び酸化亜鉛から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩の存在下でも無機酸化物微粒子がその特性が損なうことなく維持された状態で高分散された水分散組成物、及び該水分散組成物を含む水系化粧料に関する。
酸化チタン等の無機酸化物はその粒径により異なる特性を発揮することが知られている。例えば平均粒子径が200nmを超える顔料級粒子と比べて、平均粒子径が200nm以下の微粒子は優れた透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、及び耐光変色性等を有するため、その特性を生かして、塗料、サンスクリーン化粧料、樹脂用組成物などの分野で使用されている。
しかし、酸化チタン等の無機酸化物微粒子は一旦水中に分散させても分散安定性が低く、長期間静置すると沈降し、強固な凝集体を形成しやすい。そして、無機酸化物微粒子の水分散組成物中に塩が存在すると、塩により無機酸化物微粒子の電気二重層形成が阻害されるため、より沈降し易くなる。そのため、水系化粧料に使用する場合は、酸化チタン微粒子の表面にシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、及び水酸化鉄から選択される1種又は2種以上を使用して無機酸化物微粒子の表面を被覆する処理を施すことにより分散安定性を向上できることが知られている(特許文献1)。しかし、前記被覆処理を施した酸化チタン微粒子を使用しても、塩が存在する場合には沈降を抑制することが困難であり、塩は水系化粧料に乳化安定性向上等を目的として通常添加されるものであるため、水系化粧料において酸化チタン微粒子の高分散状態を維持することが困難であり、その製品形態が限定されることが問題であった。
特開2005−1999号公報
従って、本発明の目的は、無機酸化物微粒子と塩を含有する水分散組成物であって、前記無機酸化物微粒子の特性が損なわれることなく維持された状態で高分散されてなる水分散組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記水分散組成物を含有する水系化粧料を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、表面がポリグリセリン鎖で修飾された無機酸化物微粒子は、被修飾物である無機酸化物微粒子の特性(例えば、透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性等)を損なうことなく、水中における高分散性が付与され、塩を含む水中においても優れた分散安定性を発揮することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されてなる表面修飾無機酸化物微粒子と塩を含む水分散組成物を提供する。
本発明は、また、塩がアルカリ金属塩である前記の水分散組成物を提供する。
本発明は、また、無機酸化物が酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び酸化亜鉛から選択される少なくとも1種である前記の水分散組成物を提供する。
本発明は、また、塩を水分散組成物全量(100重量%)の0重量%を超え、10重量%以下の範囲で含有する前記の水分散組成物を提供する。
本発明は、また、前記の水分散組成物を含む水系化粧料を提供する。
本発明の水分散組成物、及び水系化粧料は上記構成を有するため、透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性等の優れた特性を有する無機酸化物微粒子を高分散した状態で安定的に維持することができる。そのため、種々の形態を有する製品に適用することが可能である。
[表面修飾無機酸化物微粒子]
本発明の表面修飾無機酸化物微粒子は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されていることを特徴とする。尚、本発明において「無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されている」とは、無機酸化物微粒子の表面に存在する化学基の全部又は一部にポリグリセリン鎖が結合した状態を示す。
(無機酸化物微粒子)
本発明の無機酸化物微粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等を挙げることができる。本発明においては、なかでも紫外線防御能に優れる点で、酸化チタン及び酸化亜鉛が好ましく、最も好ましくは酸化チタン(ルチル型又はアナターゼ型酸化チタン)である。
前記酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛は、その表面が他の無機化合物で被覆されていてもよい。すなわち、前記酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛は、他の無機化合物で被覆することにより特性を向上させたもの又は他の特性が付与されたものであってもよい。
酸化チタン微粒子の表面を被覆する無機化合物としては、例えば、Al23、SiO2、ZrO2、SnO2、Sb23等の無機酸化物や、前記無機酸化物に対応する水和無機酸化物等を挙げることができる。酸化チタン微粒子の表面をAl23及び/又はSiO2で被覆して得られる化合物は、被覆前の酸化チタン微粒子に比べ、より一層優れた透明性や紫外線遮蔽性を有する。酸化チタン微粒子の表面をZrO2、水和ZrO2、Al23、及び水和Al23から選択される少なくとも1種で被覆して得られる化合物は、透明性や紫外線遮蔽性に加え、耐候性、耐光変色性を有する。酸化チタン微粒子の表面をSnO2及び/又はSb23で被覆して得られる化合物は、透明性や紫外線遮蔽性に加え、導電性を有する。
酸化亜鉛微粒子の表面を被覆する無機化合物としては、例えば、SiO2、Al23等の無機酸化物等を挙げることができる。酸化亜鉛微粒子の表面をSiO2及び/又はAl23で被覆して得られる化合物は、被覆前の酸化亜鉛微粒子に比べ、より一層優れた透明性や紫外線遮蔽性を有する。
無機酸化物微粒子はその表面に種々の化学基を有することが知られているが、本発明の無機酸化物微粒子としては、特にグリシドール又はポリグリセリンと反応可能な化学基を有することが好ましく、例えば、−NH2、−OH、−COOH、−P(=O)−OH、及び−SHから選択される少なくとも1種の基を有することが好ましい。例えば、酸化チタンや無機酸化物で表面処理された酸化チタンはその表面に−OH基を有するため、前記−OH基にシランカップリング剤等を介して、窒化物、カーボン、リン酸、硫化物等を結合させることにより、表面に−NH2、−COOH、−P(=O)−OH、又は−SH基を有する酸化チタンが得られる。本発明においては、なかでも、表面に−OH基を有する無機酸化物微粒子が好ましく、前記−OH基は無機酸化物微粒子が元々有するものであっても、後から付与されたものであってもよい。
無機酸化物微粒子の平均粒子径は200nm以下である。無機酸化物微粒子の平均粒子径(体積平均径)の上限は、好ましくは150nm、更に好ましくは100nmである。下限は、好ましくは1nmであり、より好ましくは3nm、更に好ましくは5nm、特に好ましくは7nm、最も好ましくは10nmである。尚、本発明における無機酸化物微粒子の平均粒子径は、ランダムに選択した200個の粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して測定し、その平均を算出して求めた値である。長軸はその粒子の中心を通る最大長さ、短軸はその粒子の中心を通る最小長さである。上記範囲の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子は、優れた透明性と紫外線遮蔽性を有する。尚、紡錘形無機酸化物微粒子の場合、平均粒子径とは平均長軸径のことである。
無機酸化物微粒子が有する化学基や無機酸化物微粒子の平均粒子径は、製造方法、製造条件、製造後の分級操作条件等を調整することによりコントロールすることができる。本発明においては、例えば、商品名「STR−100A」(SiO2/Al23で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子)、「STR−100W」(SiO2で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子)、「STR−100N」(未被覆処理の紡錘状ルチル型酸化チタン微粒子)(以上、堺化学工業(株)製)等の市販品を好適に使用することができる。市販の無機酸化物微粒子は、ポリグリセリン鎖によって修飾する前に化学修飾を施してもよい。
(ポリグリセリン鎖)
無機酸化物微粒子の表面を修飾するポリグリセリン鎖には直鎖状構造、分岐鎖状構造、及び環状構造のポリグリセリンが含まれる。
ポリグリセリン鎖の数平均重合度は、例えば2〜100である。ポリグリセリンの数平均重合度の上限は、好ましくは40、特に好ましくは20、最も好ましくは15である。下限は、好ましくは3、より好ましくは5、特に好ましくは9、最も好ましくは10である。ポリグリセリン鎖の数平均重合度が小さすぎると、無機酸化物微粒子間相互の反発力が不足するため粒子の凝集を防ぐことが困難となり、分散状態を維持することが困難となる傾向がある。一方、ポリグリセリン鎖の数平均重合度が大きすぎると、表面修飾無機酸化物微粒子間でポリグリセリン鎖が絡み合いを起こすことにより微粒子が凝集し易くなる他、無機酸化物微粒子が有する特性(例えば、透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性等)が希釈される傾向がある。尚、ここでいう数平均重合度は、ポリグリセリン鎖を構成するグリセリン単位の数で定義される。
前記ポリグリセリン鎖の導入量としては、水中において高分散性が得られる範囲であれば特に制限されることがなく、ポリグリセリン鎖が分岐鎖状構造(特に、ポリグリセリンの全水酸基における一級水酸基の比率が50%以上、特に好ましくは60%以上、最も好ましく70%以上の高分岐鎖状構造)を有する場合は、直鎖状構造を有する場合に比べ、少ない導入量で分散安定性が得られる傾向がある。
直鎖状構造を有するポリグリセリン鎖を導入する場合、無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対して、ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量が、例えば4〜750重量部程度である。無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対するポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量の上限は、好ましくは380重量部、特に好ましくは150重量部である。下限は、好ましくは9重量部、特に好ましくは13重量部、更に好ましくは50重量部、最も好ましくは70重量部である。
分岐鎖状構造を有するポリグリセリン鎖を導入する場合、無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対して、ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量が、例えば4〜750重量部程度である。無機酸化物微粒子部分の重量(100重量部)に対するポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の重量の上限は、好ましくは380重量部、特に好ましくは150重量部、最も好ましくは80重量部である。下限は、好ましく9重量部、特に好ましくは15重量部である。
ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の導入量が少なすぎると無機酸化物微粒子表面の被覆量が不足するため、粒子の凝集を防ぐことが困難となり、分散状態を安定的に維持することが困難となる傾向がある。一方、ポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分の導入量が多すぎると、無機酸化物微粒子自体の特性(例えば、透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性等)が希釈される傾向がある。
表面に導入されたポリグリセリン鎖を含む化学修飾部分と無機酸化物微粒子部分の重量比は示差熱天秤分析装置(TG−DTA)を用いて表面修飾無機酸化物微粒子の熱処理時の重量変化、又は元素分析による組成比を測定することにより求めることができる。
(ポリグリセリン鎖)
無機酸化物微粒子表面にポリグリセリン鎖を導入する方法としては、例えば、下記方法を挙げることができる。
1.無機酸化物微粒子表面に、グリシドールを開環付加重合させる方法
2.無機酸化物微粒子表面に、ポリグリセリンを結合させる方法
上記1の方法における前記グリシドールの開環重合条件は、S.R SandlerらのJ.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,Vol.4,1253(1966)や、E.J.VanderbergのJ.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,vol.23,915(1985)、またG.R.NewcomeらのDendritic Macromolecules:Concepts,Syntheses,Perspectives,VCH,Weinheim(1996)等を適宜参照できる。
無機酸化物微粒子とグリシドールの開環付加重合反応は、触媒の存在下で行ってもよく、無触媒下で行ってもよい。触媒を使用する場合、使用できる触媒としては、例えば、トリフルオロホウ素エーテラート、酢酸、リン酸等の酸性触媒;トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン等の塩基性触媒等が挙げられる。
触媒の使用量としては、無機酸化物微粒子100重量部に対して、例えば0.01〜0.1重量部程度、好ましくは0.02〜0.05重量部である。
開環付加重合反応は、例えば50〜180℃程度(好ましくは80〜150℃、特に好ましくは100〜150℃)の温度で行なわれる。反応時間は、例えば0.5〜48時間程度、好ましくは5〜48時間、特に好ましくは10〜30時間である。
上記開環付加重合反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。また、開環付加重合反応の反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。
反応終了後、濃縮、沈殿、遠心分離、濾過、抽出、洗浄、乾燥等の分離精製手段、またはこれらの分離精製手段を2以上組み合わせることにより精製できる。
上記2の方法においてポリグリセリンとしては、例えば、商品名「PGL10PS」(一級水酸基の比率:76%、数平均重合度:10、高分岐鎖状ポリグリセリン)、「PGL20P」(一級水酸基の比率:75%、数平均重合度:20、高分岐鎖状ポリグリセリン)(以上、(株)ダイセル製)等の市販品を好適に使用することができる。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応は減圧下(例えば、0.01〜10kPa程度、好ましくは0.01〜1kPa)で行われる。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応は、例えば50〜180℃程度(好ましくは80〜150℃、特に好ましくは100〜150℃)の温度で行なわれる。
反応時間は、例えば0.5〜48時間程度、好ましくは5〜48時間、特に好ましくは10〜30時間である。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応は、触媒の存在下で行ってもよく、無触媒下で行ってもよい。触媒を使用する場合、使用できる触媒としては、例えば、トリフルオロホウ素エーテラート、酢酸、リン酸等の酸性触媒;トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン等の塩基性触媒等が挙げられる。
触媒の使用量としては、無機酸化物微粒子100重量部に対して、例えば0.01〜0.1重量部程度、好ましくは0.02〜0.05重量部である。
無機酸化物微粒子とポリグリセリンの反応の雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
反応終了後、濃縮、沈殿、遠心分離、濾過、抽出、洗浄、乾燥等の分離精製手段、またはこれらの分離精製手段を2以上組み合わせることにより精製できる。
[塩]
本発明の塩としては特に制限されることがなく、例えば、アルカリ金属塩[例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属の有機酸塩(カルボン酸塩等);炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどのアルカリ金属の鉱酸塩等]等の、乳化安定性の向上等を目的として水系化粧料に添加可能な塩等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[水分散組成物]
本発明の水分散組成物は、平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されてなる表面修飾無機酸化物微粒子と塩を含む。
水分散組成物全量(100重量%)における上記表面修飾無機酸化物微粒子の含有量としては、例えば0.1〜70重量%程度、好ましくは1〜40重量%である。
また、本発明の水分散組成物は、無機酸化物微粒子として、その表面がポリグリセリン鎖によって修飾されてなる表面修飾無機酸化物微粒子を使用するため、塩を含有していても無機酸化物微粒子の高分散性を維持することができ、水分散組成物全量(100重量%)における塩の含有量は、例えば0を超え、10重量%以下程度、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは1〜8重量%、最も好ましくは1〜5重量%である。塩の含有量が上記範囲を上回ると、高分散性を維持することが困難となる場合がある。
本発明の水分散組成物は上記表面修飾無機酸化物微粒子と塩以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で他の成分を含有していても良い。
本発明の水分散組成物は、上記表面修飾無機酸化物微粒子と塩と必要に応じて他の成分を水(例えば、純水、イオン交換水、蒸留水、水道水、工業用水等)と混合することにより調製することができる。
本発明の水分散組成物は上記表面修飾無機酸化物微粒子を含有するため分散安定性に優れ、40℃で7日間静置しても沈殿が生じることがなく、無機酸化物微粒子の高分散性を維持することができる。
本発明の水分散組成物は、無機酸化物微粒子の特性が損なわれることなく維持され、且つ分散安定性を有する。そのため、化粧品などの分野の他、CMP向け研磨剤やドレッサー用材料などの工学応用分野においても使用することができる。本発明の水分散組成物は、なかでも水系化粧料において好適に使用することができる。
[水系化粧料]
本発明の水系化粧料は上記水分散組成物を含むことを特徴とする。水分散組成物の含有量としては特に制限されることがなく、所望の特性、粘度等に応じて適宜調整することができる。
水系化粧料としては、例えば、サンスクリーン化粧料等を挙げることができる。尚、本発明におけるサンスクリーン化粧料とは紫外線防御作用を有する化粧料であり、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液等の基礎化粧品;リップグロス、口紅、マスカラ、ファンデーション、アイカラー、アイライナー、アイブロウ、チークカラー等のメイクアップ化粧料;クリーム状、乳状、又はジェル状の日焼け止め剤等が含まれる。
本発明の水系化粧料は上記水分散組成物以外にも通常水系化粧料に含まれる成分[例えば、界面活性剤、粘度調整剤、保湿成分(例えば、ポリオール類等)、油分(例えば、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、高級アルコール、ラノリン、エステル、シリコーン等)、アミド、増泡剤、防腐剤、水溶性高分子、pH調整剤、パール化剤、酸化防止剤、香料、色素等から選択される1種又は2種以上]を、本発明の効果を損なわない範囲内で含有することができる。
本発明の水系化粧料は上記水分散組成物を含有するため、優れた透明性、紫外線遮蔽性、耐候性、耐光変色性を有する。また、分散安定性に優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
製造例1<ポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)の製造>
原料酸化チタン微粒子(商品名「STR−100W」、SiO2で被覆処理された紡錘状ルチル型酸化チタン、長軸平均長さ:75nm、短軸平均長さ:15nm、堺化学工業(株)製、以後、「STR−100W」と称する場合がある)は、高減圧下(0.09mmHg)にて50℃で30分間乾燥してから反応に用いた。
ガラス製反応器に上記乾燥酸化チタン微粒子30gを入れ、引き続いてポリグリセリン(商品名「PGL10PS」、一級水酸基の比率:76%、数平均重合度:10、高分岐鎖状ポリグリセリン、(株)ダイセル製)70gを添加した後、140℃、1kPaで30時間撹拌し、ポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)を含む反応組成物を得た。
得られたポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)について、拡散反射IRスペクトルを測定したところ、3350cm-1付近にポリグリセリン鎖の水酸基由来のピーク成分、1095cm-1付近にポリグリセリン鎖のエーテル結合由来のピーク成分が観測された。
また、メタノールを加えて遠心沈降することにより未反応ポリグリセリンを除去し、乾燥した後のTG−DTAの結果から、原料である酸化チタン微粒子100重量部に対し21.8重量部のポリグリセリン鎖が導入されたことが判明した。
実施例1
上記製造例1で得られたポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)を12g(酸化チタン純分として5g)、塩化ナトリウム(1g、又は2g、又は3g)、及び純水を混合して総量が100gになるように調整し、良く混合して水分散組成物を得た。また、参考例として塩化ナトリウムを含まない水分散組成物を調製した。
比較例1
製造例1で得られたポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)に代えて、「STR−100W」を使用した以外は実施例1と同様にして水分散組成物を得た。また、参考例として塩化ナトリウムを含まない水分散組成物を調製した。
比較例2
製造例1で得られたポリグリセリン鎖導入酸化チタン微粒子(1)に代えて、「STR−100W」を使用し、更にポリグリセリン12gを添加した以外は実施例1と同様にして水分散組成物を得た。また、参考例として塩化ナトリウムを含まない水分散組成物を調製した。
得られた水分散組成物について、下記方法により分散安定性を評価した。
<分散安定性評価>
水分散組成物100mLを比色管に入れて25℃で7日間静置した後、水分散組成物が均一であるか否かを目視で観察し、下記基準で分散安定性を評価した。
評価基準
均一:○
不均一:×
上記結果を下記表にまとめて示す。
Figure 2015105257

Claims (5)

  1. 平均粒子径が200nm以下である無機酸化物微粒子の表面がポリグリセリン鎖によって修飾されてなる表面修飾無機酸化物微粒子と塩を含む水分散組成物。
  2. 塩がアルカリ金属塩である請求項1に記載の水分散組成物。
  3. 無機酸化物が酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び酸化亜鉛から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の水分散組成物。
  4. 塩を水分散組成物全量(100重量%)の0重量%を超え、10重量%以下の範囲で含有する請求項1〜3の何れか1項に記載の水分散組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の水分散組成物を含む水系化粧料。
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