JP2015102485A - 形状測定装置、光走査装置、構造物製造システム、形状測定方法、構造物製造方法、及び形状測定プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】構造光を、測定対象物に容易かつ正確に投影させることにより、測定対象物の三次元形状を精度よく測定する。【解決手段】第1の方向D1に沿って異なる光強度の分布を有する構造光を生成する光生成部20と、構造光を第1の方向D1とは異なる測定対象物2上の第2の方向D2に沿って走査する走査部40と、構造光が投影された測定対象物2を撮像する撮像部50と、撮像部50で得られた測定対象物2の像に応じた信号強度に基づいて、測定対象物2の形状を算出する演算部60と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、形状測定装置、光走査装置、構造物製造システム、形状測定方法、構造物製造方法、及び形状測定プログラムに関する。
測定対象物の三次元形状を測定する手法として位相シフト法が知られている。位相シフト法を用いた形状測定装置は、投影部、撮像部、及び演算部を備えている。この投影部は、正弦波状の光強度の分布を有する縞状のパターン光(以下、構造光という。)を測定対象物に投影する。この際、構造光の縞の位相を1周期(2π)にわたって例えばπ/2ずつ4回シフトさせて、縞の位相が0、π/2、π、3π/2となる4種類の構造光を投影する。投影部に対し撮像部は異なる角度から対象を撮影し、投影部、測定対象物、撮影部が三角測量の位置関係になるよう配置されている。この撮像部は、4種類の異なる位相の構造光がそれぞれ測定対象物に投影されるときに、それぞれ測定対象物を撮像して4つの位相画像を取得する。演算部は、撮像部が撮像した4つの画像における各画素の信号強度に関するデータを所定の演算式に当てはめ、測定対象物の面形状に応じた各画素における縞の位相値を求める。そして、演算部は、三角測量の原理を利用して、各画素における縞の位相値から測定対象物の三次元座標データを算出する。
この位相シフト法を利用した装置は、例えば、特許文献1に開示されている。この装置において、投影部は、位相が変化する構造光を測定対象物であるプリント基板に投影する。また、撮像部は構造光に基づく測定対象物の複数の画像データを取得する。そして、演算部が複数の画像データからプリント基板上に印刷されている半田の位置、面積等を取得する。
上記した形状測定装置における投影部は、LD(Laser Diode)等の光源、シリンドリカルレンズ、及びMEMSミラー(MEMS:Micro
Electro Mechanical System)等を含む走査部を備えている。LDは、周期的に変化する電圧信号が入力されることにより、時間の経過とともに強度が周期的に変化する。LDからの光をシリンドリカルレンズを含む光学系に通すことでライン状の照明パターンを成形する。MEMSミラーは、所定の振幅及び所定の周波数で振動するミラーである。振動するミラーにシリンドリカルレンズで成形されたライン状の光が入射することによって、ミラーで反射したライン状の光が測定対象物の表面において走査される。この走査における時間の経過とともにLDからの光の強度が周期的に変化するため、周期的な光強度の分布を有する構造光が測定対象物に投影される。つまり、MEMSミラーの振動とLDから射出される光の強度の変化とを同期させることにより測定対象物に構造光が形成される。一例として、測定対象物の表面に形成される構造光の光強度分布が所定の振幅の正弦波状となるように、MEMSミラーが反復して振動することで、MEMSミラーによる光の走査は複数回繰り返される。
Electro Mechanical System)等を含む走査部を備えている。LDは、周期的に変化する電圧信号が入力されることにより、時間の経過とともに強度が周期的に変化する。LDからの光をシリンドリカルレンズを含む光学系に通すことでライン状の照明パターンを成形する。MEMSミラーは、所定の振幅及び所定の周波数で振動するミラーである。振動するミラーにシリンドリカルレンズで成形されたライン状の光が入射することによって、ミラーで反射したライン状の光が測定対象物の表面において走査される。この走査における時間の経過とともにLDからの光の強度が周期的に変化するため、周期的な光強度の分布を有する構造光が測定対象物に投影される。つまり、MEMSミラーの振動とLDから射出される光の強度の変化とを同期させることにより測定対象物に構造光が形成される。一例として、測定対象物の表面に形成される構造光の光強度分布が所定の振幅の正弦波状となるように、MEMSミラーが反復して振動することで、MEMSミラーによる光の走査は複数回繰り返される。
しかしながら、上記した形状測定装置では、MEMSミラーの振動とLDから射出される光の強度との同期をとることは難しく、同期がとれないと、測定対象物に所望の構造光を投影することができなくなり、算出する三次元座標データの精度が低下する。
本発明の態様では、構造光を、測定対象物に容易かつ正確に投影させることにより、測定対象物の三次元形状を精度よく測定することを目的とする。
本発明の第1態様によれば、測定対象物の三次元形状を測定する形状測定装置において、第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成部と、構造光を第1の方向とは異なる測定対象物上の第2の方向に沿って走査する走査部と、構造光が投影された測定対象物を撮像する撮像部と、撮像部で得られた測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて、測定対象物の形状を算出する演算部と、を備える形状測定装置が提供される。
本発明の第2態様によれば、光を走査した測定対象物を撮像して取得した該測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて三次元形状を測定する該測定対象物に光を走査する光走査装置において、第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成部と、構造光を第1の方向とは異なる測定対象物上の第2の方向に沿って走査する走査部と、を備える光走査装置が提供される。
本発明の第3態様によれば、構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、設計情報に基づいて構造物を作製する成形装置と、作製された構造物の形状を測定する第1態様の形状測定装置と、形状測定装置によって得られた構造物の形状に関する形状情報と設計情報とを比較する検査装置と、を含む構造物製造システムが提供される。
本発明の第4態様によれば、測定対象物の三次元形状を測定する形状測定方法において、第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成することと、構造光を第1の方向とは異なる測定対象物上の第2の方向に沿って走査することと、構造光が投影された測定対象物を撮像することと、撮像することで得られた測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて、測定対象物の形状を算出することと、を含む形状測定方法が提供される。
本発明の第5態様によれば、構造物の形状に関する設計情報を作製することと、設計情報に基づいて構造物を作製することと、作製された構造物の形状を測定する第4態様の形状測定方法と、形状測定方法によって得られた構造物の形状に関する形状情報と設計情報とを比較することと、を含む構造物製造方法が提供される。
本発明の第6態様によれば、形状測定装置に含まれるコンピュータに、第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成処理と、構造光を第1の方向とは異なる測定対象物上の第2の方向に沿って走査する走査処理と、構造光が投影された測定対象物を撮像する撮像処理と、撮像処理で得られた測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて、測定対象物の形状を算出する演算処理と、を実行させる形状測定プログラムが提供される。
本発明の態様によれば、構造光を、測定対象物に容易かつ正確に投影させることができる。従って、測定対象物の三次元形状を精度よく測定することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。なお、図1において、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向をY1軸とし、X1軸及びY1軸と直交する方向をZ1軸としている。形状測定装置1は、位相シフト法を用いて測定対象物2の三次元形状を測定する装置である。形状測定装置1は、図1に示すように、投影部10と、撮像部50と、演算処理部60とを備える。
図1は、第1実施形態に係る形状測定装置の一例を示す図である。なお、図1において、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向をY1軸とし、X1軸及びY1軸と直交する方向をZ1軸としている。形状測定装置1は、位相シフト法を用いて測定対象物2の三次元形状を測定する装置である。形状測定装置1は、図1に示すように、投影部10と、撮像部50と、演算処理部60とを備える。
投影部10は、第1の方向D1(図1のX1軸方向)に沿って異なる光強度の分布を有する構造光を生成する。そして、投影部10は、生成した構造光を第1の方向とは異なる第2の方向D2(図1のY1軸方向)に沿って走査することにより、投影領域200に対して構造光を投影する。第1実施形態の構造光は、位相シフト法で用いる構造光であって、第1の方向D1に沿って正弦波状の周期的な光強度の分布を有する縞状のパターンの光である。なお、縞パターン100及び投影領域200の詳細については後述する(図3及び図4参照)。
投影部10は、図1に示すように、光生成部20と、投影光学系30と、走査部40とを有する。光生成部20は、縞パターン100を生成する。投影光学系30は、光生成部20で生成された縞パターン100を投影する。投影光学系30から出射された縞パターン100は、走査部40を介して測定対象物2または測定対象物2の近傍に向けて投影される。走査部40は、縞パターン100を第2の方向D2(図1のY1軸方向)に走査する。
撮像部50は、投影部10の位置と異なる位置に配置されている。撮像部50は、縞パターン100が投影された測定対象物2を、投影部10による投影方向とは異なる方向から撮像する。撮像部50は、受光光学系51及び撮像装置52を有している。受光光学系51は、測定対象物2の表面において、構造光100が投影された部分を含む領域の像を撮像装置52に結像させる光学系である。受光光学系51は、例えば複数のレンズが用いられる。撮像装置52は、受光光学系51によって結像された像に基づいて測定対象物2の画像データを生成するとともに、生成した画像データを記憶する。
演算処理部60は、光生成部20による縞パターン100の生成を制御する。また、演算処理部60は、走査部40による縞パターン100の走査と、撮像部50による測定対象物2の撮像とを同期させるように、走査部40及び撮像部50を制御する。また、演算処理部60は、撮像部50が撮像した画像データにおける各画素の輝度データ(信号強度)に基づいて、測定対象物2の三次元形状を算出する。
次に、図2を参照して形状測定装置1に含まれる投影部10、撮像部50、及び演算処理部60の詳細な構成について説明する。図2は、図1に示す形状測定装置1の詳細構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図2においては、紙面の右方向がX1軸となり、紙面の上方向がZ1軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がY1軸となる。図2に示すように、投影部10は、レーザコントローラ21、レーザダイオード(光源)22、パターン生成部23、投影光学系30、及び走査部40を有している。図1に示す光生成部20は、レーザコントローラ21、レーザダイオード22、及びパターン生成部23を含む。
レーザコントローラ21は、制御部62からの指令信号に基づいてレーザダイオード22によるレーザ光の照射を制御する。レーザダイオード22は、レーザコントローラ21からの制御信号に基づいてレーザ光をパターン生成部23に対して照射する光源である。パターン生成部23は、一次元の格子状の縞パターン100を生成する。また、パターン生成部23は、制御部62からの指令信号に基づいて縞パターン100の位相を第1の方向D1(図2のX1軸方向)に所定時間毎にπ/2ずつ1周期にわたってシフトさせる。なお、光生成部20(特にパターン生成部23)の構成の詳細については後述する。
投影光学系30は、上述したように、パターン生成部23が生成した縞パターン100を投影する。投影光学系30は、一つまたは複数の透過光学素子または反射光学素子によって構成される。
走査部40は、投影光学系30から出射された縞パターン100を、例えば、ミラー等の反射光学素子を用いて反射し、その反射角を変化させることにより縞パターン100を第2の方向D2(図2のY1軸方向)に走査する。走査部40を構成する反射光学素子の一例として、静電気でミラーを共振させて縞パターン100の反射角を変化させるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーが用いられる。第2の方向D2は、第1の方向D1(図2のX1軸方向)と異なる測定対象物2上の方向である。例えば、第1の方向D1と第2の方向D2とは直交している。
MEMSミラーは、図1に示すように紙面内の振動中心Sを軸として方向Rに振動し、縞パターン100を所定の反射角で反射させつつ、その反射角を変化させる。MEMSミラーによる第2の方向D2の走査幅(つまり、投影領域200における第2の方向D2の長さ)は、MEMSミラーにおける反射角が変化する方向の振幅によって決定される。また、MEMSミラーにより縞パターン100が第2の方向D2に走査される速度は、MEMSミラーの角速度(つまり、共振周波数)によって決定される。また、MEMSミラーを振動させることにより、縞パターン100を往復して走査可能となる。縞パターン100の走査の開始位置は任意である。例えば、投影領域200の端から縞パターン100の走査が開始されるほかに、投影領域200の略中央付近から走査が開始されてもよい。
図3は、投影領域における構造光の強度分布を示す図である。図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図3においては、紙面の右方向がX1軸となり、紙面の下方向がY1軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ1軸となる。
図3に示すように、位相シフト法で用いる縞パターン100(構造光)は、第1の方向(図3のX1軸方向)に沿って正弦波状の周期的な光強度の分布を有する縞状のパターンの光である。縞パターン100は、明るい部分(図3の白い部分)と暗い部分(図3の黒い部分)とが徐々に変化する明暗パターンを有する。また、縞パターン100は、濃い部分(図3の黒い部分)と薄い部分(図3の白い部分)とが徐々に変化する濃淡パターンとも表現される。また、縞パターン100は、格子状のパターンであるから格子パターンとも表現される。また、第1の方向D1を明暗の方向または濃淡の方向、格子の方向ともいう。
図3に示す縞パターン100は、縞の状態を見やすくするために第2の方向D2(図3のY1軸方向)に対して所定の幅を持って表している。縞パターン100の幅は任意である。また、図3では、縞パターン100が走査部40により第2の方向D2にわたって走査された状態を示している。縞パターン100は、第1の方向D1に所定の長さを有しており、第2の方向D2に所定の長さにわたって走査されることで矩形状の投影領域200を形成する。これにより、投影領域200には、図3に示すような、縞パターン100が第2の方向D2に拡張されたパターンが形成される。このように、第1の方向D1と第2の方向D2とで規定される領域、すなわち、構造光が投影される領域が投影領域200である。この投影領域200は、測定対象物2の一部または全部を含んでいる。
縞パターン100の縞の位相は、パターン生成部23により第1の方向D1にπ/2ずつシフトされる。縞パターン100において、最も明るい部分と、その部分の隣の最も明るい部分との間(または、最も暗い部分と、その部分の隣の最も暗い部分との間)の位相が2πである。縞パターン100は、パターン生成部23によりπ/2ずつシフトされるので、4回のシフトで1周期(2π)シフトされる。位相がシフトされた縞パターン100ごとに、第2の方向D2への走査が走査部40により行われる。なお、縞パターン100の位相がシフトされない限り、縞の位相が同一の縞パターン100が投影領域200に投影される。
撮像部50は、受光光学系51、CCDカメラ52a、及び画像メモリ52bを有している。図1に示す撮像装置52は、CCDカメラ52a及び画像メモリ52bを含む。受光光学系51は、上述したように、測定対象物2の表面において、構造光100が投影された部分を含む領域の像をCCDカメラ52aの受光面に結像させる。CCDカメラ52aは、電荷結合素子(Charge Coupled Device)を用いたカメラである。
CCDカメラ52aにより生成される画像データは画素毎の信号強度データによって構成される。例えば、画像データは512×512=262144画素の信号強度データで構成される。CCDカメラ52aは、制御部62からの指令信号に基づいて、縞パターン100の位相が0、π/2、π、3π/2にシフトされた状態において、それぞれ測定対象物2を撮像して画像データを生成する。画像メモリ52bは、CCDカメラ52aが生成した画像データを記憶する。
ここで、撮像部50が測定対象物2を撮像する領域(以下、撮像領域と称する)について簡単に説明する。図4は、投影領域と撮像領域との関係を示す図である。図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図4においては、紙面の右方向がX1軸となり、紙面の下方向がY1軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ1軸となる。図4に示すように、撮像領域210は、撮像部50により撮像される測定対象物2の領域を示している。この撮像領域210は、投影領域200の領域内であって、この投影領域200よりも狭い領域とされている。ただし、撮像領域210は、少なくとも投影領域200の領域外にはみ出さなければよい。例えば、撮像領域210は投影領域200と同じ領域であってもよい。なお、撮像領域210は、投影領域200よりも大きな領域であってもよい。
また、本明細書においては、撮像領域210とは別に撮像視野という表現を適宜用いて説明する。撮像視野は、撮像部50による1回の撮像で撮像される測定対象物2上の範囲である。すなわち、撮像視野は、受光光学系51の結像倍率と、形状測定装置1と測定対象物2の距離とで規定される範囲である。例えば、測定対象物2の形状測定を行う際に撮像部50による撮像が1回だけしか行われない場合は、撮像視野は図4に示す撮像領域210と一致する。一方、測定対象物2の形状測定が行われる際に撮像部50による撮像が複数回行われる場合は、複数回にわたって撮像された範囲が撮像領域210となる。なお、以下の説明では、測定対象物2の形状測定を行う際に撮像部50による撮像が1回だけしか行われない場合、すなわち、撮像視野と撮像領域210とが一致する場合について説明する。
図4に示すように、投影領域200が撮像領域210より大きいとき、縞パターン100は、撮像領域210の外側(すなわち撮像視野の外側)から走査が開始される場合と、撮像領域210内(すなわち撮像視野内)から走査が開始される場合と、のいずれであってもよい。
演算処理部60は、操作部61、制御部62、設定情報記憶部63、取込メモリ64、演算部65、画像記憶部66、及び表示制御部67を有している。
操作部61は、使用者の操作に応じた操作信号を制御部62に出力する。この操作部61は、例えば、使用者によって操作されるボタン、スイッチである。また、表示装置70には例えばタッチパネルが形成されている。このタッチパネルも操作部61として用いられる。
制御部62は、第1制御部62a及び第2制御部62bを含む。第1制御部62aは、走査部40と撮像部50とを制御する。第2制御部62bは、光生成部20を制御する。制御部62は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って次の制御を実行する。第2制御部62bは、レーザコントローラ21に指令信号を出力することにより、レーザダイオード22からレーザ光を照射させる。また、第2制御部62bは、縞の位相がそれぞれ異なる縞パターン100(すなわち縞の位相が0、π/2、π、3π/2の縞パターン100)が生成されるようにパターン生成部23を制御する。具体的には、第2制御部62bは、パターン生成部23に指令信号を出力することにより、縞パターン100の縞の位相が所定時間毎にπ/2ずつシフトされるようにパターン生成部23を制御する。
第1制御部62aは、走査部40及びCCDカメラ52aに指令信号を出力し、CCDカメラ52aによる測定対象物2の撮像が、走査部40による縞パターン100の走査に同期するように制御する。また、第1制御部62aは、CCDカメラ52aによる1フレームの撮像と、縞パターン100の複数回の走査とを同期させるように制御する。
走査部40を構成するMEMSミラーの周波数は、例えば500Hz(MEMSミラーの振動周期は往復2ms)に設定される。また、CCDカメラ52aのシャッタースピード(CCDカメラ52aの露光時間)は例えば40msに設置される。従って、CCDカメラ52aが1枚の画像を撮像する間に、走査部40は縞パターン100を投影領域200に40回走査(20回往復走査)する。第1制御部62aは、CCDカメラ52aによる1フレームの撮像の間に、例えば走査部40による縞パターン100を20回往復させるように制御を行う。ただし、CCDカメラ52aによる1フレームの撮像において、縞パターン100を何往復走査させるかは、任意に設定可能である。例えば、CCDカメラ52aのシャッタースピードの調整や、MEMSミラーの周波数の調整により、1フレームの撮像で取り込む縞パターン100の走査数は調整される。
第1制御部62aは、パターン生成部23によって縞パターン100の縞の位相がシフトされると、それぞれの縞パターン100について、走査部40に指令信号を出力し、縞パターン100を第2の方向D2(図2のY1軸方向)に走査するように走査部40を制御する。また、第1制御部62aは、CCDカメラ52aに指令信号を出力することにより、縞の位相がシフトした縞パターン100の走査に同期させてCCDカメラ52aによる測定対象物2の撮像を行う。
設定情報記憶部63は、制御部62に制御を実行させるためのプログラムを記憶する。設定情報記憶部63は、演算部65に三次元形状の演算処理を実行させるためのプログラムを記憶する。設定情報記憶部63は、表示制御部67に表示制御を実行させるためのプログラムを記憶する。設定情報記憶部63は、演算部65の演算処理において縞パターン100の縞の位相から測定対象物2の実座標値を算出する際に用いるキャリブレーション情報なども記憶する。
取込メモリ64は、画像メモリ52bに記憶された画像データを取り込んで記憶する。この取込メモリ64は、縞パターン100の位相が0、π/2、π、3π/2のときの4つの画像データそれぞれに対応した記憶領域が設けられている。例えば、縞パターン100の位相が0のときの画像データが画像メモリ52bに記憶され、その画像データが取込メモリ64の第1記憶領域に記憶される。同様に、縞パターン100の位相がπ/2、π、3π/2のときの画像データがそれぞれ画像メモリ52bに記憶され、各画像データが取込メモリ64の第2、第3、第4記憶領域にそれぞれ記憶される。
演算部65は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムやキャリブレーション情報に従って、取込メモリ64の4つの記憶領域に記憶された画像データから測定対象物2の三次元形状データ(三次元形状の座標データ)を算出する。画像記憶部66は、演算部65が算出した測定対象物2の三次元形状データを記憶する。表示制御部67は、設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って三次元形状の画像の表示制御を実行する。すなわち、表示制御部67は、使用者による操作部61の操作に応じて、または自動的に、画像記憶部66に記憶された三次元形状データを読み出す。そして、表示制御部67は、読み出した三次元形状データに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象物2の三次元形状の画像を表示させる制御を実行する。
表示装置70は、測定対象物2の三次元形状の画像を表示する装置である。この表示装置70は、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置などが用いられる。なお、図1では表示装置70を省略している。
なお、制御部62、演算部65、及び表示制御部67は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置により構成される。すなわち、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って制御部62が実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って演算部65が実行する処理を行う。また、演算処理装置が設定情報記憶部63に記憶されているプログラムに従って表示制御部67が実行する処理を行う。
例えば、演算処理装置(ここでは制御部62)がプログラムに従って光生成部20を制御することにより、第1の方向D1に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成処理が光生成部20によって実行される。また、演算処理装置(ここでは制御部62)がプログラムに従って走査部40を制御することにより、構造光を第1の方向D1とは異なる測定対象物2上の第2の方向D2に沿って走査する走査処理が走査部40によって実行される。また、演算処理装置(ここでは制御部62)がプログラムに従って撮像部50を制御することにより、構造光が投影された測定対象物2を撮像する撮像処理が撮像部50によって実行される。また、演算処理装置(ここでは演算部65)がプログラムに従って撮像処理で得られた測定対象物2の像に応じた信号強度に基づいて、測定対象物2の形状を算出する演算処理を実行する。演算処理装置に処理を実行させるプログラムのことを形状測定プログラムという。
次に、光生成部20の構成の詳細について説明する。
図5は、図1に示す光生成部20Aの構成の一例を示す図である。図5(a)は光生成部20Aの構成を示し、図5(b)は(a)のA−A線から見た図である。図5(a)において、光軸方向(紙面の右方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY2軸としている。図5(a)に示すように3軸座標系を設定した場合、図5(b)においては、光軸方向(紙面の右方向)がX2軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ2軸となり、紙面の下方向がY2軸となる。光生成部20Aは、光の2光束干渉を利用して正弦波状の光強度分布を有する縞パターン100を生成する。図5に示すように、光生成部20Aは、レーザダイオード22、コレクタレンズ23a、及びレンズアレイ23bを備えている。また、光生成部20Aは、干渉光学系として、位相変調機構23c、リレーレンズ23d、及びシリンドリカルレンズ23eを備えている。なお、光生成部20Aはレーザコントローラ21を備えているが、図5においては省略している。
図5は、図1に示す光生成部20Aの構成の一例を示す図である。図5(a)は光生成部20Aの構成を示し、図5(b)は(a)のA−A線から見た図である。図5(a)において、光軸方向(紙面の右方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY2軸としている。図5(a)に示すように3軸座標系を設定した場合、図5(b)においては、光軸方向(紙面の右方向)がX2軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ2軸となり、紙面の下方向がY2軸となる。光生成部20Aは、光の2光束干渉を利用して正弦波状の光強度分布を有する縞パターン100を生成する。図5に示すように、光生成部20Aは、レーザダイオード22、コレクタレンズ23a、及びレンズアレイ23bを備えている。また、光生成部20Aは、干渉光学系として、位相変調機構23c、リレーレンズ23d、及びシリンドリカルレンズ23eを備えている。なお、光生成部20Aはレーザコントローラ21を備えているが、図5においては省略している。
レーザダイオード22から放出された光は、コレクタレンズ23aにより平行光束または略平行光束に変換される。レーザダイオード22としては、光の干渉原理を利用することから、可干渉性の高い光源、例えば、He−Neレーザやシングルモード半導体レーザ等が用いられる。
コレクタレンズ23aを出射した光束は、レンズアレイ23bにより波面分割される。その結果、コレクタレンズ23aからの光束は2つの第1の光束L1及び第2の光束L2に分割される。第2の光束L2の光路中には位相変調機構23cが配置されている。位相変調機構23cは、厚みの異なる複数の平行平板ガラスを備えている。第2の光束L2は、位相変調機構23cによって位相を変更することができる。図5では位相変調機構23cが第2の光束L2の光路中に配置されるが、第1の光束L1の光路中に配置されてもよい。本実施形態において、位相変調機構23cの平行平板ガラスにはホウケイ酸ガラスを使用する。なお、平行平板ガラスの材質は、ホウケイ酸ガラスでなくてもよく、例えば、合成石英などのホウケイ酸ガラスとは異なるクラウン系のガラスや、フリント系のガラスであってもよい。また、ガラスでなくてもよく、樹脂の平板でもよい。
第1の光束L1及び第2の光束L2は、それぞれリレーレンズ23dの前側焦点面で集光する。ここで、前側とはレーザダイオード22側のことをいう。2つの光束は、前側焦点面を通過した後、リレーレンズ23dにそれぞれ入射する。2つの光束は、リレーレンズ23dを出射した後、シリンドリカルレンズ23eにそれぞれ入射する。
シリンドリカルレンズ23eは、図5(b)に示すように、A−A矢視方向(図5に示すY2軸方向)に曲率を有しており、中間像位置IにおいてA−A矢視方向に集光させる。従って、第1の光束L1及び第2の光束L2は、シリンドリカルレンズ23eによってA−A矢視方向に沿って集光されて、中間像位置100においてそれぞれZ2軸方向に長手方向を有しY2軸方向に短手方向を有するライン状となり、互いに重なった状態となる。第1の光束L1及び第2の光束L2は同一の波長であり、第1の光束L1と第2の光束L2との位相が異なるため、中間像位置Iで集光された第1の光束L1と第2の光束L2とが干渉して干渉縞を形成する。この干渉縞が、一次元の格子状の縞パターン100となる。
位相変調機構23cは、例えば、投影する複数の縞パターン100の各位相に相当する厚みの異なる複数の平行平板ガラスを備えている。位相変調機構23cは、例えば、複数の平行平板ガラス(本実施形態では4枚)を互いに第2の光束L2の光路中に挿入することができ、また、光路中から外すことができる。この場合、不図示の駆動部により複数の平行平板ガラスが駆動される。不図示の駆動部には既存の駆動機構が採用される。このように、位相変調機構23cが複数の平行平板ガラスを、異なる厚さのものと切り替えることで、平行平板ガラスを透過する第2の光束L2の光路長が変わり、中間像位置Iでの位相が変化する。そして、第2の光束L2の位相の変化によって干渉縞(つまり、縞パターン100)の縞の位相が変化する。従って、位相変調機構23cの平行平板ガラスの厚みを順に切り替えることにより、縞パターン100の縞の位相をπ/2ずつシフトさせることができる。不図示の駆動部による平行平板ガラスの切り替えは、制御部62からの指令信号に基づいて行われる。
図6は、図1及び図2に示す走査部40の構成の一例を示す図である。図6では、縞パターン100を生成する光生成部20Aや、縞パターン100を走査部40に入射させる投影光学系30も併せて表記している。図6において、光軸方向(紙面の右方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY2軸としている。走査部40としてのMEMSミラーは光学素子である。MEMSミラーは、一定の周期で振動する微小反射鏡である。このMEMSミラーは、所定の振幅及び所定の周波数で振動しつつ縞パターン100を反射する。図6に示すように、MEMSミラーは紙面内の振動中心Sを軸として振動している。
MEMSミラーは、Z2軸方向に長手方向を有しY2軸方向に短手方向を有する縞パターン100を所定の反射角で反射させつつ、その反射角を変化させる振動方向(図6に示す振動中心Sを軸として振動する方向R)に振動する。縞パターン100が振動方向Rに振動しているMEMSミラーで反射されることにより、第2の方向D2に往復して走査される。
次に、図7〜図9を参照して位相シフト法の原理について説明する。位相シフト法は、三角測量の原理を利用して距離を計測する方法である。位相シフト法は光切断法と計測原理は同様である。光切断法においては、物体に対してライン状のレーザ光を投影する。また、撮像部が物体表面で反射されたライン光を撮像する。そして、演算部が物体表面の形状に応じたライン光の像の変形から物体の三次元形状を復元する。この光切断法の場合、1回に1ライン分の計測しか行うことができない。従って、撮像部の画面全体の計測値を得るためには、撮像部の画面全体にわたってレーザ光の照射と撮像とを繰り返し行う必要がある。
位相シフト法は、正弦波状の光強度分布を有する縞パターン100の位相をシフトさせて撮像した縞画像(縞パターン100が投影された測定対象物2の画像)を解析することにより三次元的に形状を計測する。本実施形態において、投影部10から投影される縞パターン100は、位相をπ/2ずつシフトさせた4種類の縞パターン100である。ここで、縞パターン100の位相は、縞パターン100の強度の分布である正弦波の位相であり、4種類の縞パターン100は、任意の正弦波強度分布の縞パターンを基準(つまり、位相0の縞パターン)として、基準の縞パターンと、基準の縞パターンの位相をそれぞれπ/2、π、及び3π/2シフトさせた縞パターンとなる。
図7は、測定対象物2のない平面に各位相の縞パターン100が投影された状態を示す図である。図7は、平面に投影された各位相の縞パターン100を撮像部50によってそれぞれ取得したものであり、平面上における投影領域200内における撮像領域210の画像である。図7に示すように、縞パターン100の位相が0、π/2、π、3π/2とシフトする毎に、撮像領域210上で縞の位置(縞の明るい部分と縞の暗い部分の位置)が位相差分だけずれているのが確認される。なお、図7では、平面上に投影された構造光100の画像を示しているので、縞パターン100の形状に変化はない。測定対象物2がある場合は、測定対象物2の表面に縞パターン100が投影されるので測定対象物2の形状(高さ)に応じて縞パターン100が第1の方向D1(図3のX1軸方向)に沿って変形する。
ここで、各位相の縞パターン100が投影されたときにそれぞれ撮像された撮像装置52の所定画素(u,v)における信号強度をIn(u,v)(n=0,1,2,3)とする。また、画素の信号強度Iに付した番号nは、投影する位相の異なる縞パターン100を区別するための番号であり、n=0の縞パターンは位相0(基準位相)の縞パターン100を表し、n=1の縞パターン100は位相π/2、n=2の縞パターン100は位相π、n=3の縞パターン100は位相3π/2の縞パターン100をそれぞれ表す。すなわち、I0は位相0の縞パターン100が投影されたときに撮像された際の撮像装置52における画素の信号強度である。同様にI1は位相π/2、I2は位相π、I3は位相3π/2、の縞パターン100がそれぞれ投影されたときに撮像された際の信号強度である。この信号強度In(u,v)(n=0,1,2,3)は下記の式(1)で表される。
In(u,v)=A(u,v)cos(φ(u,v)+nπ/2)+B(u,v)・・・(式1)
図8は、4種類の位相の縞パターン100をそれぞれ投影した際に検出された撮像装置52における所定の同一画素の信号強度から求められる正弦波を示す波形図である。図8において、縦軸は画素の信号強度、横軸は縞パターン100の番号n(n=0,1,2,3)を示す。図8に示すように、式(1)において、Bは所定の同一画素における4つの信号強度(In(n=0,1,2,3))から求められる正弦波の平均値(バイアス成分)を示す。また、Aは所定画素における4つの信号強度から求められる正弦波の振幅を示す。また、φは所定画素における4つの信号強度から求められる正弦波の位相である。なお、式(1)では各画素(u,v)における振幅A、平均値Bとしてそれぞれ、A(u,v)、B(u,v)と表している。
この4つの異なる位相の縞パターン100をそれぞれ投影して取得した4つの画像上の同一画素(同一位置)での信号強度I0〜I3は物体の表面性状や色などにより変化する。しかし、各位相の縞パターン100が投影されたときの相対的な信号強度の差は、常に縞パターン100の縞の位相差分だけの変化を示す。従って、所定画素(u,v)における縞パターン100の位相φ(u,v)は、4つの画像の同一画素における信号強度から下記の式(2)で求められる。
φ(u,v)=tan−1{(I3(u,v)−I1(u,v))/(I0(u,v)−I2(u,v))}・・・(式2)
このように、画像の画素毎に正弦波状に変化する信号強度の位相を求めることができる。位相φ(u,v)が等しい点を連結して得られる線(等位相線)が、光切断法における切断線と同じく物体をある平面で切断した断面の形状を表す。従って、この位相φ(u,v)に基づいて三角測量の原理により三次元形状(画像の各点での高さ情報)が求められる。
また、位相φから測定対象物2の三次元形状を求める際には、予め、三角測量の原理に基づいて撮像部50の撮像面上の各画素における位相φ(u,v)と三次元座標値との対応関係を求めておき、この対応関係と、測定対象物2に各位相の縞パターン100を投影して上述の式(2)で算出されたφ(u,v)に基づいて、各画素(つまり、測定対象物2の各位置)における三次元座標を算出する。ここで、式(2)で算出される位相φ(u,v)は、どの画素においても0〜2πの間のいずれかの値となるが、三次元座標値との対応関係を求める位相は、絶対的な位相値(0〜2π〜4π〜6π・・・)を用いる。以下、絶対的な位相値をφ’(u,v)と称する。この各画素における絶対位相φ’(u,v)と三次元座標値との対応関係は、キャリブレーション情報として設定情報記憶部63に記憶しておく。
図9は、位相シフト法における位相回復及び位相接続の処理を説明するための図である。図9に示す横軸は、縞パターン100における縞の方向(第1の方向D1)の画素の位置を示す。また、縦軸は、それぞれの位置において式(2)により算出された位相を示す。上述したように、所定画素(u,v)における位相φ(u,v)は、信号強度In(u,v)を上記した式(2)に当てはめることにより求められる。このような処理を位相回復という。式(2)に基づいて位相回復された位相φ(u,v)は0〜2πの間の値となる。
また、物体の連続した三次元形状を導出するためには、何周期目の縞であるという情報に基づいた絶対位相を求める。すなわち、図9における左端に対応する縞(位相が0〜2πの鋸波状の縞)を基準として、各画素(u,v)について0〜2π〜4π〜6π・・・と表される絶対的な位相を求める必要がある。図9に示すように、各縞の位相値をつなぎ合わせることで、各画素における絶対位相値を求めることができる。このような処理を位相接続という。そして、求めた各画素(u,v)における絶対位相値φ’(u,v)と設定情報記憶部63に記憶されたキャリブレーション情報とから測定対象物2の三次元形状を算出する。
次に、第1実施形態に係る形状測定装置1による形状測定方法の一例について説明する。本実施形態に係る形状測定方法は、測定対象物2の三次元形状を測定する方法であり、第1の方向D1に沿って異なる強度の分布を有する縞パターン(構造光)100を生成することと、縞パターン100を測定対象物2上の第2の方向D2に沿って走査することと、縞パターン100が投影された測定対象物2を撮像することと、撮像することで得られた測定対象物2の像に応じた信号強度に基づいて、測定対象物2の形状を算出することと、を含む。また、縞パターン100は、測定対象物2上における撮像視野210の一部に生成され、この縞パターン100を走査して撮像視野210に縞パターン100を投影することを含む。
図10は、形状測定装置の動作を説明しつつ、形状測定方法の一例について説明するフローチャートである。図10の説明に際して、図2のブロック図を適宜参照する。
図10に示すように、形状測定装置1の電源がオンとなった状態で、制御部62は、使用者によるシャッター操作が行われたか否かを判定する(ステップS1)。使用者によりシャッター操作が行われると(ステップS1:YES)、制御部62は、操作部61からシャッター操作が行われたことを表す信号が入力される。なお、使用者によるシャッター操作が行われない場合(ステップS1:NO)は、待機状態となっている。また、ステップS1でシャッター操作が行われた場合、測定対象物2との距離を測定して、投影光学系30や撮像レンズ51のフォーカス合わせが行われてもよい。
ステップS1でシャッター操作が行われると、制御部62は、レーザダイオード22をオンにするようにレーザコントローラ21に指令信号を出力する。レーザコントローラ21は、制御部62からの指令信号に基づいてレーザダイオード22をオンにする(ステップS2)。レーザダイオード22がレーザ光を照射することによって、光生成部20A(図5参照)は縞パターン100を生成する。縞パターン100は、投影光学系30及び走査部40を介して測定対象物2に投影される。また、光生成部20Aは、制御部62からの指令信号により、縞パターン100の位相を所定時間毎にπ/2ずつシフトさせる。
制御部62は、走査部40に指令信号を出力することにより、走査部40に縞パターン100を走査させる(ステップS3)。走査部40が縞パターン100を走査することによって、縞パターン100が投影領域200に投影される。制御部62は、位相がシフトした縞パターン100ごとに、縞パターン100の走査を行う。CCDカメラ52aは、制御部62からの指令信号に基づいて、縞パターン100の位相が0、π/2、π、3π/2のそれぞれにおいて、構造光100が投影された測定対象物2の表面を撮像する(ステップS4)。ステップS3において、縞パターン100の走査回数は任意に設定される。縞パターン100の走査回数は、ステップS4において撮像する時間に合わせて設定されてもよい。
CCDカメラ52aは、各位相の縞パターン100における縞画像(縞パターン100が投影された測定対象物2の画像)の画像データを生成する。CCDカメラ52aが撮像した各位相の縞画像の画像データは、一旦、画像メモリ52bに格納された後、それぞれ、取込メモリ64に設けられた各記憶領域に記憶される。
次に、演算部65は、取込メモリ64の各記憶領域に記憶された4つの画像データに基づいて、各画素の初期位相分布φ(u,v)を求める。すなわち、位相回復処理を実行する(ステップS5)。演算部65は、ステップS5において求めた初期位相分布φ(u,v)に対して位相接続処理を行う(ステップS6)これにより、連続した位相分布φ’(u,v)が求められる。
次に、演算部65は、上述した三角測量の原理を用いて、ステップS6において求めた位相分布φ’(u,v)から、測定対象物2の三次元形状の座標データ(x,y,z)を算出する(ステップS7)。
演算部65は、算出した測定対象物2の三次元形状の座標データを画像記憶部66に記憶する。表示制御部67は、使用者による操作部61の操作に応じて、または自動的に、画像記憶部66に記憶された三次元形状の座標データを読み出す。表示制御部67は、読み出した三次元形状の座標データに基づいて表示装置70の表示画面に測定対象物2の三次元形状を表示させる。三次元形状は、三次元空間内の点の集合である点群で表示される。この点群のデータは、形状測定装置1から出力可能である。
表示装置70は、測定対象物2の三次元形状を表示するだけでなく、撮像部50により撮像された縞画像を表示させてもよい。すなわち、表示制御部67は、取込メモリ64に記憶された画像データに基づいて、撮像部50が撮像した縞画像を表示装置70に表示させてもよい。このような構成によれば、使用者が撮像部50により撮像された縞画像に基づいて、撮像現場で測定対象物2が正確に撮像されたか否かを確認することができる。
また、表示装置70は、撮像部50により撮像された画像、及び演算部65により算出された三次元形状、のうち少なくとも一方を表示する構成であってもよい。この場合、撮像部50により撮像された画像、及び演算部65により算出された三次元形状、のうち少なくとも一方は、形状測定装置1と無線または有線で接続された外部の表示装置に表示させるものでもよい。
以上に説明したように、第1実施形態によれば、次の課題を解決することができる。従来の形状測定装置では、走査部(例えば、MEMSミラー)の振動と光源(例えば、レーザダイオード)から射出される光の強度との同期がとれていないと、MEMSミラーが往復振動する毎に投影部から投影される縞パターンの縞の位相がずれてしまう。また、撮像部のシャッター速度よりもMEMSミラーの振動周期が短く、撮像部が1枚の画像を撮像する間に、MEMSミラーは複数回、往復振動する。従って、MEMSミラーが往復振動する毎に投影部から投影される縞パターンの縞の位相がずれてしまうと、撮像部が綺麗な正弦波状の縞を撮像することができなくなる。すなわち、撮像部により撮像される縞パターンは、縞の間隔(つまり正弦波状の信号強度の周期)や縞の信号強度(つまり正弦波状の信号強度の振幅)が歪んだ縞パターンとなってしまう。
このように撮像部により撮像される縞パターンに歪みが生じると、演算部は、撮像画像における各画素の信号強度から測定対象物の面形状に応じた正確な各画素の位相値を求めることができなくなる。その結果、演算部によって各画素の位相値から算出される測定対象物の三次元座標データの精度が低下してしまう。このことから、従来の形状測定装置ではMEMSミラーの振動とレーザダイオードから射出される光の強度とを同期させる制御が必要となる。
しかし、従来の形状測定装置では、MEMSミラーの振動とレーザダイオードから射出される光の強度とを同期させることは難しく、複雑かつ高度な同期制御が必要となる。MEMSミラーの往路または復路だけを用いることも考えられるが、この場合、投影領域に対する構造光の照度が低下してしまう。
また、従来の形状測定装置では、MEMSミラーは、共振を利用してミラーを一定の周波数で振動させているため、MEMSミラーの振幅及び周波数は温度、湿度、気圧などによって変化する。また、MEMSミラーは機械的な振動であるため、長期間に亘って使用されることでMEMSミラーの振幅や周波数などの経時変化が生じる。さらに、レーザダイオードの電圧−光出力特性が温度によって変化するため、レーザダイオードから照射される光の強度も温度によって変化する。このように、外部環境の変化や長期使用によるデバイスの経時変化は、投影領域に投影される縞パターンに歪みを生じさせ、形状測定装置における計測誤差の要因となる。
また、MEMSミラーの振れ角の角速度ωは、ω=ωosin(At+δ)と表される。ここで、ωoは振幅、Aは角振動数、tは時間、δは初期位相を示している。このように、角速度ωは一定ではなく、振動中心及びその付近の角速度は振動端及びその付近の角速度よりも速くなる。従って、レーザダイオードから射出される光強度が一定とした場合、投影領域において構造光の照度が不均一となる。具体的には、投影領域における両端の付近では明るくなり、投影領域における中心の付近では暗くなる。また、レーザダイオードが一定の周波数で光強度を正弦波状に変化させる場合、MEMSミラーの振れ角の角速度が一定でないと、投影領域において縞のピッチが不均一となる。具体的には、投影領域における両端の付近では縞のピッチが小さくなり、投影領域における中心の付近では縞のピッチが大きくなる。このように、MEMSミラーの振れ角の角速度が一定でないことは、投影領域に投影される縞パターンに歪みを生じさせ、形状測定装置における計測精度を低下させる要因となる。
これに対して、第1実施形態においては、光生成部20Aは、レーザダイオード22の光強度を正弦波状に時間的に変化させて縞パターンを生成するのではなく、光の2光束干渉を利用して正弦波状の縞パターン100を生成する。また、MEMSミラー(走査部40)が、第1の方向D1に沿って異なる光強度の分布を有する縞パターン100を、第1の方向D1と直交する第2の方向D2に走査する。従って、MEMSミラーの往復振動とレーザダイオードから射出される光強度とを同期させる必要がなく、複雑かつ高度な同期制御が不要となる。つまり、外部環境(温度、湿度、気圧など)の変化や、レーザダイオード、MEMSミラーなどのデバイスの経時変化が生じたとしても高精度な測定対象物の形状測定を行うことができる。
また、第1実施形態においては、縞パターン100の濃淡の方向(第1の方向D1)と走査部40による走査方向(第2の方向D2)とが直交しているので、外部環境の変化やMEMSミラーの経時変化によってMEMSミラーの振幅や周波数に変化が生じた場合であっても、投影部10により投影領域200における縞パターン100の縞に歪みを生じさせない。また、MEMSミラーの振れ角の角速度が一定でない場合であっても、投影部10により投影領域100に投影される縞パターン100の縞に歪みを生じさせない。従って、第1実施形態の形状測定装置1においては、正確な正弦波状の縞パターン100に基づいて測定対象物2の三次元形状を測定することができる。このため、精度の高い三次元形状のデータを求めることができる。
上記した第1実施形態では、以下の効果も奏する。すなわち、走査部40が第1の方向D1に生成された縞パターン100を第2の方向に沿って走査するので、同一のパターンで複数回走査した場合でも縞パターン100の歪みが生じにくい。従って、MEMSミラー等の振動ミラーによる往復走査が行われても、正確な縞パターン100を投影することができる。さらに、縞パターン100の生成が容易であるため、環境変化や装置の長期使用による経年変化の耐性が高く、高いロバストネスを有する測定が可能となる。
また、第1実施形態によれば、縞パターン100は、測定対象物2上における撮像部50の撮像視野の一部に生成されるので、この縞パターン100を第2の方向D2に走査することにより、測定対象物2に対して容易に縞パターン100を投影させることができる。
また、第1実施形態によれば、走査部40は、縞パターン100を走査して撮像視野に縞パターン100を投影するため、広い投影領域200を形成するための光学系が不要となり、装置の小型化を実現できる。また、縞パターン100の走査範囲を大きくすることにより、投影領域200を容易に拡げることができる。
また、第1実施形態によれば、制御部62によって、走査部40による縞パターン100の走査と、撮像部50による測定対象物2の撮像とを同期させるため、測定対象物2上に走査された縞パターン100を容易かつ確実に撮像することができる。
また、第1実施形態によれば、制御部62は、撮像部50による測定対象物2の撮像を、走査部40による構造光の複数回の走査に同期するように制御するため、測定対象物2に対する光強度を向上させた状態で撮像することができ、縞パターン100の像の取得を確実にして測定対象物2の形状を正確に測定することができる。
また、第1実施形態によれば、光生成部20は、第1の方向D1に周期的に異なる強度の分布を有する縞パターン100を生成するので、この縞パターン100を第2の方向D2に走査することにより、投影領域210の全面にわたって容易に縞パターン100を生成させることができる。
また、第1実施形態によれば、縞の位相がそれぞれ異なる複数の縞パターン100が生成されるように光生成部20を制御する第2の制御部(制御部62)を備え、演算部65は、撮像部50により得られた、複数の縞パターン100がそれぞれ投影された測定対象物2の複数の像に応じた信号強度に基づいて測定対象物2の形状を算出するため、位相がシフトした縞パターン100を容易に生成することができ、位相シフト法を容易かつ確実に実現することができる。
また、図5に示す光生成部20Aによれば、入射した第1の光束と第2の光束とを干渉させる干渉光学系として位相変調機構23c、リレーレンズ23d、及びシリンドリカルレンズ23eを含み、これらにより縞パターン100を生成するため、縞パターン100の生成が容易となり、さらに正弦波状に光強度が周期的に変化する縞パターン100を容易に生成することができる。
また、図5に示す光生成部20Aによれば、光源であるレーザダイオード22からの光束を第1の光束と第2の光束とに分割する分割光学系としてレンズアレイ23bを含み、レンズアレイ23bから射出した第1の光束と第2の光束とを干渉光学系である位相変調機構23c、リレーレンズ23d、及びシリンドリカルレンズ23eによって干渉させるので、1つの光源を用いて縞パターン100を容易に生成することができる。
また、図5に示す光生成部20Aによれば、第1の方向D1に正弦波状の周期的な光強度の分布を有する縞パターン100を生成するので、位相シフト法を容易かつ確実に実現することができる。
また、第1実施形態によれば、第2の方向D2は第1の方向D1と直交するので、広い投影領域200を確保することができ、測定対象物2の形状を効率よく測定することができる。
また、図6に示す走査部40によれば、縞パターン100を反射するMEMSミラー(光学素子)を含み、このMEMSミラーの反射角を変化させることにより縞パターン100を走査するので、走査部40を安価に実現することができる。また、MEMSミラーなどの振動ミラーにおいて、角速度が一定でない場合でも縞パターン100の第2の方向D2における走査速度が変化するだけで、投影領域200に投影される縞パターン100が変形する等の影響が小さい。また、経時変化等によってMEMSミラーの振幅や周波数に変化が生じた場合でも、縞パターン100の第2の方向D2における走査量や走査速度が変化するだけで、投影領域200に投影される縞パターン100が大きく変形しないといった利点がある。
<光生成部の第1変形例>
次に、光生成部の第1変形例について説明する。図5に示す光生成部20Aは、レンズアレイ23bで波面分割した2光束を干渉させることにより、正弦波状の縞パターン100を生成していた。第1変形例に係る光生成部20Bは、2光束を干渉させる点で図5に示す光生成部20Aと同様である。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
次に、光生成部の第1変形例について説明する。図5に示す光生成部20Aは、レンズアレイ23bで波面分割した2光束を干渉させることにより、正弦波状の縞パターン100を生成していた。第1変形例に係る光生成部20Bは、2光束を干渉させる点で図5に示す光生成部20Aと同様である。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図11は、第1変形例に係る光生成部20Bの構成の一例を示す図である。なお、図11(a)は光生成部20Bの構成を示し、図11(b)は(a)のB−B線から見た図である。図11(a)において、光軸方向(紙面の右方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY2軸としている。図11(a)に示すように3軸座標系を設定した場合、図11(b)においては、光軸方向(紙面の右方向)がX2軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ2軸となり、紙面の下方向がY2軸となる。図11に示す光生成部20Bは、図1に示す光生成部20の一態様である。光生成部20Bは、図5に示す光生成部20Aと同様、光の2光束干渉を利用して正弦波状の縞パターン100を生成する。
図11に示すように、光生成部20Bは、レーザダイオード(光源)121を備えるとともに、干渉光学系として、位相変調機構122、コレクタレンズ123、シリンドリカルレンズ124、及び偏向プリズム125を有している。レーザダイオード121から放出された光束のうちの一部の光束(第1の光束L1)は、直接、コレクタレンズ123に到達し、レーザダイオード121から放出された光束のうちの他の一部の光束(第2の光束L2)は、位相変調機構122を通過してコレクタレンズ123に到達する。位相変調機構122は、図5に示した位相変調機構23cと同様に、厚みの異なる複数の平行平板ガラスを備えている。位相変調機構122は、レーザダイオード121から放出された第2の光束L2の位相を変えることができる。なお、レーザダイオード121は、図5に示すレーザダイオード22と同様、光の干渉原理を利用することから、可干渉性の高い光源、例えば、He−Neレーザやシングルモード半導体レーザ等が用いられる。
コレクタレンズ123は、レーザダイオード121から放出された光束(第1の光束L1、第2の光束L2)を略平行光束に変換する。コレクタレンズ123を出射した2つの光束L1,L2は、シリンドリカルレンズ124に入射する。シリンドリカルレンズ124は、図11(b)に示すように、B−B矢視方向(図11に示すY2軸方向)にのみ曲率を有している。従って、2つの光束L1,L2は、シリンドリカルレンズ124によってB−B矢視方向にのみ集光されて、それぞれZ2軸方向に長手方向を有しY2軸方向に短手方向を有するライン状の光となる。
偏向プリズム125は、屈折作用により第1の光束L1及び第2の光束L2をそれぞれ偏向する。ここで、この偏光プリズム125は、図11(a)に図示する面において2つの光束L1,L2が中間像位置Iで交差するように、それぞれの光束L1,L2を偏光する。これにより、2つの光束L1,L2は、中間像位置Iにおいて互いに重なった状態となる。第1の光束L1及び第2の光束L2は、同一の波長であり、第1の光束L1と第2の光束L2との位相が異なるため、中間像位置Iで集光された第1の光束L1と第2の光束L2とが干渉して干渉縞を形成する。この干渉縞が、縞パターン100となる。
上述したように、位相変調機構122は、厚みの異なる複数の平行平板ガラスを備えている。この平行平板ガラスを、異なる厚さのものと切り替えることで、第2の光束L2の位相を変えることができる。第2の光束L2の位相の変化によって干渉縞の縞の位相が変化し、縞パターン100の縞の位相が変化する。従って、位相変調機構122の平行平板ガラスの厚みを順に切り替えることにより、縞パターン100の縞の位相をπ/2ずつシフトさせることができる。不図示の駆動部による平行平板ガラスの切り替えは、制御部62からの指令信号に基づいて行われる。
このように、図11に示す光生成部20Bによれば、干渉光学系である位相変調機構122、コレクタレンズ123、シリンドリカルレンズ124、及び偏向プリズム125によって第1の光束L1と第2の光束L2とを干渉させるので、縞パターン100の生成が容易となり、さらに正弦波状に光強度が周期的に変化する縞パターン100を容易に生成することができる。
また、図11に示す光生成部20Bによれば、光源であるレーザダイオード121から射出した第1の光束L1と第2の光束L2とを干渉光学系である位相変調機構122、コレクタレンズ123、シリンドリカルレンズ124、及び偏向プリズム125によって干渉させるので、1つの光源を用いて縞パターン100を容易に生成することができる。
また、図11に示す光生成部20Bによれば、第1の方向D1に正弦波状の周期的な光強度の分布を有する縞パターン100を生成するので、位相シフト法を容易かつ確実に実現することができる。
なお、図11に示した例では、偏光プリズム125は、シリンドリカルレンズ124の後段側(レーザダイオード121と反対側)に配置されていたが、位相変調機構122とコレクタレンズ123との間に配置してもよい。
<光生成部の第2変形例>
次に、光生成部の第2変形例について説明する。第2変形例に係る光生成部20C,20Dは、2光束を干渉させる点で図5及び図11に示す光生成部20A,20Bと同様である。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
次に、光生成部の第2変形例について説明する。第2変形例に係る光生成部20C,20Dは、2光束を干渉させる点で図5及び図11に示す光生成部20A,20Bと同様である。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図12は、第2変形例に係る光生成部20C,20Dの構成の一例を示す図である。図12(a)は、位相変調機構122で縞パターン100の位相を変える構成を示し、図12(b)は、アクチュエータ137が反射ミラー136を移動させることにより縞パターン100の位相を変える構成を示している。図12において、光軸方向(紙面の下方向)をX3軸とし、X3軸と直交するある方向(紙面の右方向)をZ3軸とし、X3軸及びZ3軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY3軸としている。図12(a)に示す光生成部20Cは、図1に示す光生成部20の一態様である。光生成部20Cは、図5及び図11に示す光生成部20A,20Bと同様、光の2光束干渉を利用して正弦波状の縞パターン100を生成する。
図12(a)に示すように、光生成部20Cは、レーザダイオード121を備えるとともに、干渉光学系として、位相変調機構122、コレクタレンズ123、シリンドリカルレンズ124、及び反射ミラー135,136を有している。反射ミラー135,136は、シリンドリカルレンズ124の後段側に並んで配置される。シリンドリカルレンズ124の後段側は、光源121と反対側である。
レーザダイオード121から放出された光束のうちの一部の光束(第1の光束L1)は、直接、コレクタレンズ123に到達し、レーザダイオード121から放出された光束のうちの他の一部の光束(第2の光束L2)は、位相変調機構122を通過してコレクタレンズ123に到達する。位相変調機構122は、図5に示した位相変調機構23cと同様に、厚みの異なる複数の平行平板ガラスを備えている。位相変調機構122は、レーザダイオード121から放出された第2の光束L2の位相を変えることができる。
コレクタレンズ123は、レーザダイオード121から放出された光束(第1の光束L1、第2の光束L2)を略平行光束に変換する。コレクタレンズ123を出射した2つの光束L1,L2は、シリンドリカルレンズ124に入射する。シリンドリカルレンズ124は、図12(a)に示すY3軸方向にのみ曲率を有している。従って、2つの光束L1,L2は、シリンドリカルレンズ124によってY3軸方向にのみ集光されて、それぞれZ3軸方向に長手方向を有しY3軸方向に短手方向を有するライン状の光となる。
ライン状となった第1の光束L1は、反射ミラー135によって反射され、同じくライン状となった第2の光束L2は、反射ミラー136によって反射される。反射ミラー135,136で反射されたライン状の2つの光束は、中間像位置Iにおいて互いに重なった状態となる。第1の光束L1及び第2の光束L2は、干渉して干渉縞を形成する。この干渉縞が、一次元の格子状の縞パターン100となる。なお、位相変調機構122の平行平板ガラスの厚みを順に切り替えることにより、縞パターン100の位相をπ/2ずつシフトさせることができる点は、光生成部20A,20Bと同様である。
このように、図12(a)に示す光生成部20Cによれば、干渉光学系である位相変調機構122、コレクタレンズ123、シリンドリカルレンズ124、及び、反射ミラー135,136を有しているので、図11に示す光生成部20Bと同様の効果を有する。図12(a)に示す光生成部20Cにおいて、第1の光束L1及び第2の光束L2のいずれか一方だけを反射ミラー(反射ミラー135,136のいずれか)で中間像位置Iに反射させ、第1の光束L1及び第2の光束L2のいずれか他方は反射ミラーで反射させずに直接、中間像位置Iに導くことにより、中間像位置Iにおいて一次元の格子状の縞パターン100を生成するように構成してもよい。この場合も、位相変調機構122の平行平板ガラスの厚みを順に切り替えることにより、縞パターン100の位相をπ/2ずつシフトさせることができる。
図12(b)に示す光生成部20Dは、図12(a)に示す光生成部20Cと同様に、レーザダイオード121を備えるとともに、干渉光学系として、コレクタレンズ123、シリンドリカルレンズ124、及び反射ミラー135,136を有している。シリンドリカルレンズ124の後段側に配置された反射ミラー135,136のうち、第2の光束L2に対応する反射ミラー136は、ピエゾ素子等のアクチュエータ137によって移動可能となっている。反射ミラー136の移動方向は、X3軸とZ3軸とを含む面内であってコレクタレンズ123の光軸(X3軸方向)に対して約45度の角度の方向である。
アクチュエータ137が反射ミラー136を移動させることにより、第2の光束L2は、中間像位置Iまでの光路長が変化し、中間像位置Iでの位相を変化させる。このような中間像位置Iでの第2の光束L2の位相の変更により、干渉縞は移動する。干渉縞の移動方向は図12(b)においてはコレクタレンズ123の光軸方向である。従って、反射ミラー136の移動を用いることにより、縞パターン100の位相をπ/2ずつシフトさせることができる。なお、反射ミラー136の移動量、すなわちアクチュエータ137の駆動量は、制御部62からの指令信号に基づいて行われる。
このように、図12(b)に示す光生成部20Dによれば、縞パターン100の位相のシフトを、アクチュエータ137の駆動により行うので、容易かつ確実に縞パターン100の位相をシフトさせることができる。
なお、図12(b)に示す光生成部20Dにおいて、第1の光束L1及び第2の光束L2のいずれか一方だけを反射ミラー(反射ミラー135,136のいずれか)で中間像位置Iに反射させ、第1の光束L1及び第2の光束L2のいずれか他方は反射ミラーで反射させずに直接、中間像位置Iに導くことにより、中間像位置Iにおいて一次元の格子状の縞パターン100を生成するように構成してもよい。この場合も、ピエゾ素子等のアクチュエータを駆動することにより反射ミラーの位置を移動させることにより、縞パターン100の位相をπ/2ずつシフトさせることができる。また、厚さの異なる平行平板を挿入させることでも位相をシフトすることができる。
<光生成部の第3変形例>
次に、光生成部の第3変形例について説明する。第3変形例に係る光生成部20Eは、図5、図11〜図12に示す光生成部20A,20B,20C,20Dのように、波面分割による2光束干渉を用いる構成に代えて、振幅分割による2光束干渉を利用する。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
次に、光生成部の第3変形例について説明する。第3変形例に係る光生成部20Eは、図5、図11〜図12に示す光生成部20A,20B,20C,20Dのように、波面分割による2光束干渉を用いる構成に代えて、振幅分割による2光束干渉を利用する。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図13は、第3変形例に係る光生成部20Eの構成の一例を示す図である。図13(a)は光生成部20Eの構成を示し、図13(b)は(a)のD−D線から見た図である。図13(a)において、光軸方向(紙面の下方向)をX3軸とし、X3軸と直交するある方向(紙面の右方向)をZ3軸とし、X3軸及びZ3軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY3軸としている。図13(a)に示すように3軸座標系を設定した場合、図13(b)においては、紙面の表から裏に向かう方向がX3軸となり、紙面の右方向がZ3軸となり、紙面の下方向がY3軸となる。図13に示す光生成部20Eは、図1に示す光生成部20の一態様である。光生成部20Eは、図5、図11、図12に示す光生成部20A〜20Dと同様、光の2光束干渉を利用して正弦波状の縞パターン100を生成する。
図13では、振幅分割による2光束干渉を利用する構成の例として、Michelson型の配置による構成を示す。図13に示すように、光生成部20Eは、レーザダイオード121を備えるとともに、干渉光学系として、コレクタレンズ123、ハーフミラー153、位相変調機構154、反射ミラー155,156、及びシリンドリカルレンズ124を有している。
レーザダイオード121から放出された光は、コレクタレンズ123によって平行光束または略平行光束に変換される。コレクタレンズ123を出射した光束は、ハーフミラー153によって2つの第1の光束L1及び第2の光束L2に振幅分割される。すなわち、コレクタレンズ123を出射した光束の一部はハーフミラー153を透過して第1の光束L1となり、コレクタレンズ152を出射した光束の残りはハーフミラー153に反射されて第2の光束L2となる。ハーフミラー153の透過率(反射率)を調整することにより、第1の光束L1及び第2の光束L2の光強度をほぼ同一にすることが可能である。
ハーフミラー153を透過した第1の光束L1は、反射ミラー155に向けて進行する。また、ハーフミラー153に反射された第2の光束L2は、反射ミラー156に向けて進行する。反射ミラー155の前側(ハーフミラー153側)には、位相変調機構154が配置されている。この位相変調機構154は、図5に示す位相変調機構23cと同様の構成が採用される。また、反射ミラー155は、光軸に対してわずかに傾斜した状態で設置されている。
第1の光束L1は、ハーフミラー153を透過した後、位相変調機構154を通って反射ミラー155で反射され、再度位相変調機構154を通ってハーフミラー153に入射する。第2の光束L2は、ハーフミラー153に反射された後、反射ミラー156で反射されてハーフミラー153に入射する。第1の光束L1は、位相変調機構154を通ることにより位相を変えることができる。ただし、位相変調機構154を2回通ることにより、位相の変化量は2倍となる。
第1の光束L1は、ハーフミラー153に反射された後にシリンドリカルレンズ124に入射する。第2の光束L2は、ハーフミラー153を透過した後にシリンドリカルレンズ124に入射する。なお、反射ミラー155が傾斜しているため、第1の光束L1はX3軸とZ3軸とを含む面内であって光軸(X3軸方向)に対してわずかに傾斜した状態となっており、第2の光束L2からずれた状態となっている。
第1の光束L1及び第2の光束L2は、シリンドリカルレンズ124によって集光されてX3軸方向に長手方向を有しY3軸方向に短手方向を有するライン状の光となり、中間像位置Iにおいて互いに重なった状態となる。中間像位置Iにおいて、第1の光束L1及び第2の光束L2は、干渉して干渉縞を形成する。この干渉縞が、一次元の格子状の縞パターン100となる。なお、位相変調機構154の平行平板ガラスの厚みを順に切り替えることにより、縞パターン100の位相をπ/2ずつシフトさせることができる点は、光生成部20A,20B,20C,20Dの位相変調機構23c、122と同様である。位相変調機構154が厚さの異なる複数の平行平板ガラスを備える点や、平行平板ガラスを切り替える切替装置を備える点等は、図5に示す位相変調機構23cと同様である。
このように、図13に示す光生成部20Eによれば、干渉光学系であるコレクタレンズ123、ハーフミラー153、位相変調機構154、反射ミラー155,156、及びシリンドリカルレンズ124を有しているので、図11に示す光生成部20Bと同様の効果を有する。
なお、図13に示す光生成部20Eにおいて、位相変調機構154が平行平板を切り替える構成の代わりに、ピエゾ素子等のアクチュエータを駆動することにより反射ミラー155の位置を移動させる構成でもよい。なお、反射ミラー155の移動方向は、コレクタレンズ123の光軸(X3軸方向)である。これにより、反射ミラー155の位置に応じて中間像位置Iにおいて縞パターン100の位相がπ/2ずつシフトされる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る形状測定装置について説明する。上記した第1実施形態では、縞パターン100の位相をシフトした像を取得し、位相接続を行うことで測定対象物2の三次元形状を求める。この手法では、測定対象物2の面形状が滑らかに変化する場合、正確に測定対象物2の三次元形状を求めることができる。ここで、以下の説明のため、縞パターン100の縞を、縞パターン100の正弦波状の強度分布における正弦波の1周期を単位とするパターンとして示す。つまり、縞パターン100には、投影領域200の一方の端に投影された、位相の基準を0とした0〜2πの位相の縞、2π〜4πの位相の縞を含む、(m−1)π〜2mπ(但し、mは整数)の位相範囲の縞が含まれる。
次に、第2実施形態に係る形状測定装置について説明する。上記した第1実施形態では、縞パターン100の位相をシフトした像を取得し、位相接続を行うことで測定対象物2の三次元形状を求める。この手法では、測定対象物2の面形状が滑らかに変化する場合、正確に測定対象物2の三次元形状を求めることができる。ここで、以下の説明のため、縞パターン100の縞を、縞パターン100の正弦波状の強度分布における正弦波の1周期を単位とするパターンとして示す。つまり、縞パターン100には、投影領域200の一方の端に投影された、位相の基準を0とした0〜2πの位相の縞、2π〜4πの位相の縞を含む、(m−1)π〜2mπ(但し、mは整数)の位相範囲の縞が含まれる。
しかしながら、三角測量の原理に基づくと、測定対象物2の高さの分布に応じて縞パターン100のそれぞれの縞が第1の方向D1(図3のX1軸方向)に変位するため、例えば、測定対象物2の表面に凸状の段差が存在し、その段差の下面から上面までの標高(図1におけるY1座標)の変化が、撮像装置52の任意の隣り合う画素の領域に対応する測定対象物2上の領域において、縞パターン100の縞の周期(つまり、2π)に対応する標高差よりも大きい場合(つまり、縞パターン100の任意の縞が1周期以上、D1方向に変位する)場合、周期的な正弦波である縞パターン100の縞の内、どの位相範囲の縞が段差の上面に投影されているのかを確認できない(例えば、0〜2πの位相の縞が投影されているのか、2π〜4πの位相の縞が投影されているのか分からない)。つまり、位相シフト法のみでは、その段差に投影されている縞に対応する絶対位相値を求めることができなくなる問題が生じる可能性がある。
この問題を回避するため、位相シフト法に空間コード法を組み合わせて用いる手法がある。この手法の場合、位相シフト法で正弦波状の強度分布を有する縞パターン100を測定対象物に投影した領域とほぼ同一の領域に、正弦波状の縞パターン100とは別に、複数種類の矩形状の強度分布を有する縞パターンを個別に投影しそれぞれ撮像することで、測定対象物2に投影された縞パターン100における(m−1)π〜2mπ(但し、mは整数)の位相範囲のそれぞれの縞を識別できるようになる。ここで、それぞれの縞を識別することは、一例として、0〜2πの位相範囲の縞を基準の縞として、各縞がその基準の縞から数えて何番目の縞であるかという情報を付与するものである。なお、以下、複数種類の矩形状の強度分布を有する縞パターンを空間コードパターンと称する。また、位相シフト法と空間コード法とを組み合わせた手法の詳細については後述する。第2実施形態に係る形状測定装置では、位相シフト法と空間コード法とを組み合わせて測定対象物2の三次元形状を測定する。従って、第2実施形態に係る形状測定装置は、縞パターン100の生成とともに、空間コードを生成するための光生成部を有している。なお一般に空間コード法に用いる照明光は構造光に含まれる。
図14は、第2実施形態に係る形状測定装置に用いられる光生成部の構成の一例を示す図である。図14において、光軸方向(紙面の右方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY2軸としている。なお、第2実施形態に係る形状測定装置は、図1に示す形状測定装置1と同様の構成が採用される。なお、図14では、光生成部20Fの他に、投影光学系30及び走査部40も示している。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図14に示すように、光生成部20Fは、レーザダイオード121、コレクタレンズ123、液晶装置163、及びシリンドリカルレンズ124を有している。レーザダイオード121から放出された光は、コレクタレンズ123によって平行光束または略平行光束に変換される。コレクタレンズ123を出射した光束は、液晶装置163に入射する。
液晶装置163は、画素ごとに光の透過率を変更することができる。液晶装置163は、測定対象物2と共役に配置される。液晶装置163は、制御部62からの指令信号に基づいて、各画素の透過率が設定され、液晶装置163を透過する光を所望の強度分布の光に変換する。測定対象物2に正弦波状の強度分布を有する縞パターンを投影する場合、液晶装置163の各画素の透過率が図2のZ2軸方向に沿って正弦波状に変化させるように設定されることにより、液晶装置163を透過した光の強度がZ2軸方向において正弦波状に変化するパターン光となる。このパターン光は、走査部40を介して投影領域200に縞パターン100として投影される。また、液晶装置163は、各画素の透過率を変化させることにより、パターン光の位相をπ/2ずつシフトさせる。液晶装置163で生成されたパターン光は、シリンドリカルレンズ124に入射されて、Z2軸方向に長手方向を有しY2軸方向に短手方向を有するライン状の光となり、縞パターン100となる。なお、この縞パターン100が投影光学系30によって投影領域200に投影され、さらに走査系40によって第2の方向D2に走査される点は、第1実施形態の形状測定装置1と同様である。
また、液晶装置163は、各画素の透過率を調整して、矩形波状の空間コードパターン110を投影するためのパターン光を生成する。空間コードパターン110においても、縞パターン100と同様に、シリンドリカルレンズ124及び投影光学系30を介して投影され、さらに走査系40によって第2の方向D2に走査されて投影領域200に投影される。
図15は、空間コードパターン110の強度分布を示す図である。図15において、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向(紙面の裏から表に向かう方向)をZ1軸とし、X1軸及びZ1軸と直交する方向(紙面の下方向)をY1軸としている。図15に示すように、空間コードパターン110は、第1の方向D1(X1軸方向)に沿って光強度が矩形波状に変化する。この空間コードパターン110においては、明るい部分(図15の白い部分)と暗い部分(図15の黒い部分)が交互に現れる。走査部40が空間コードパターン110を第1の方向D1と直交する第2の方向D2(Y1軸方向)に走査することにより、図15に示すような白黒のストライプのパターンが投影領域200に投影される。
空間コードとしては、例えば、図16に示すものが用いられる。図16は、空間コードパターンを平面に投影して撮像した画像を示す図である。液晶装置163は、図16の(a)〜(d)に示す空間コードとなるように、各画素の透過率を調整する。縞パターン100及び空間コードパターン110のそれぞれについて、投影領域200(測定対象物2)に投影された像が撮像部50で取得される点は、第1実施形態の形状測定装置1と同様である。
図17は、第2実施形態に係る形状測定装置の動作を説明しつつ、形状測定方法の一例について説明するフローチャートである。図17の説明に際して、図2のブロック図を適宜参照する。
図17に示すように、形状測定装置の電源がオンとなった状態で、制御部62は、使用者によるシャッター操作が行われたか否かを判定する(ステップS11)。使用者によりシャッター操作が行われると(ステップS11:YES)、制御部62は、レーザダイオード22に指令信号を出力してレーザダイオード22をオンにする(ステップS12)。なお、使用者によるシャッター操作が行われない場合(ステップS11:NO)は、待機状態となっている。また、ステップS11でシャッター操作が行われた場合、測定対象物2との距離を測定して、投影光学系30や撮像レンズ51のフォーカス合わせが行われてもよい。
次に、レーザダイオード22がレーザ光を照射されると、制御部62は、走査部40に指令信号を出力して走査部40による走査を開始させる(ステップS13)。次に、制御部62は、空間コードパターン110を撮像する(ステップS14)。空間コードパターン110は、投影領域200内の複数の領域に空間コードと呼ばれる番号を割り当てるためのパターンであり、空間コードパターンが投影された投影領域200に正弦波状の縞パターン100を投影することで、空間コードと縞パターン100の縞との対応付けを行い、この空間コードが割り当てられて区分された投影領域200内におけるそれぞれの領域で正弦波状の縞パターン100のそれぞれの縞(m−1)π〜2mπ(但し、mは整数)が識別される。本実施形態では、周波数の異なる4種類の矩形状の光強度分布を有する空間コードパターンを用いて説明する。なお、言い換えると、空間コードパターンは、例えば、白色と黒色とを組み合わせた格子状のパターンである。
図16に示す例において、(a)の空間コードパターンは、左半分が白色で右半分が黒色となっている。(b)の空間コードパターンは、2本の白色のラインと2本の黒色のラインが交互に配置されている。(c)の空間コードパターンは、4本の白色のラインと4本の黒色のラインが交互に配置されている。(d)の空間コードパターンは、8本の白色のラインと8本の黒色のラインが交互に配置されている。
図18は、空間コードと領域番号との関係を示す図である。図18に示すように、「0」が黒に対応し、「1」が白に対応する。「空間コード」の欄の1段目〜4段目は、それぞれ図16における(a)〜(d)の空間コードパターンに対応する。「領域番号」の欄は、空間コードによって識別される16分割された領域に付された番号である。例えば、測定対象物において「領域番号」が「0」の領域は、上から「0000」となっており、投影領域200の内、4種類の空間コードの各コードが共に白色となる領域として識別される。また、測定対象物において「領域番号」が「10」の領域は、上から「1010」となっており、投影領域200の内、4種類の空間コードの各コードが黒色・白色・黒色・白色として投影された領域として識別される。このように、投影領域200内の16分割された領域が識別される。
上述したように、液晶装置163は、制御部62からの指令信号に基づいて、図16の(a)〜(d)に示す空間コードパターンとなるように、各画素の透過率を変化させる。走査部40は、それぞれの空間コードパターン110を走査して、投影領域200に各空間コードパターン110を投影する。CCDカメラ52aは、各空間コードパターン110をそれぞれ撮像して画像データを生成する。これらの画像データは、一旦、画像メモリ52bに格納された後、それぞれ、取込メモリ64に設けられた各記憶領域(第1空間コード領域、第2空間コード領域、第3空間コード領域、第4空間コード領域)に順に記憶される。
次に、制御部62は、縞パターン100を撮像する(ステップS15)。このステップS15は、図10に示すステップS4と同様であるため、説明を省略する。
次に、演算部65は、取込メモリ64の記憶領域に記憶された4枚の縞パターンの画像データに基づいて、各画素の初期位相分布φ(u,v)を求める。すなわち、位相回復処理を実行する(ステップS16)。演算部65は、取込メモリ64の空間コード領域に記憶された4枚の空間コードの画像データに基づいて、投影領域200において16分割された領域の空間コードを認識する。次に、演算部65は、認識した各領域の空間コードに基づいて縞パターン100の縞の次数を検出する(ステップS17)。ここで縞の次数とは、縞パターン100における(m−1)π〜2mπ(但し、mは整数)の各縞について、投影領域200の一方の端に投影された基準の縞(0〜2πの位相範囲の縞)から数えて何番目の縞であるかを特定するための数である。
演算部65は、ステップS17の処理において特定した各縞の次数を用いて位相接続処理を行う(ステップS18)。演算部65は、縞の次数に基づいて、それぞれの次数の縞が画像上においてどの位置にあるのかを特定する。そして、演算部65は、−π〜πの間で求めたn本目の縞を正しく接続する。これにより、絶対位相分布φ’(u,v)が求められる。その後、演算部65は、上述した三角測量の原理を用いて、ステップS18において求めた絶対位相分布φ’(u,v)から、測定対象物2の三次元形状の座標データ(x,y,z)を算出する(ステップS19)。
このように、第2実施形態によれば、位相シフト法と空間コード法とを組み合わせて測定対象物2の三次元形状を測定するので、例えば、測定対象物2の表面に大きく急峻な段差がある場合でも、正確に三次元形状を測定できる。
また、第2実施形態によれば、光生成部20Fが液晶装置163を含むので、位相シフト法で用いる縞パターン100と空間コード法で用いる空間コードパターン110のいずれも生成することができ、縞パターン100と空間コードパターン110とで光生成部を切り替える必要がない。パターンの変更も駆動する画素を変更することで容易に対応することができる。
なお、図14に示す光生成部20Fにおいて、液晶装置163に代えて、透過率分布の異なるフィルタを用いて縞パターン100及び空間コードパターン110を生成する構成でもよい。フィルタは、第1の方向D1に沿った構造光である縞パターン100や、空間コードパターン110を生成するように、部分的に透過率が異なり、透過する光の強度を変更する。フィルタは、コレクタレンズ123とシリンドリカルレンズ124との間において、測定対象物2と共役に配置される。フィルタは、ピエゾ素子等のアクチュエータを有している。このアクチュエータを駆動することによりフィルタを移動させる。これにより、縞パターン100の位相をπ/2ずつシフトさせることができる。また、縞パターン100と空間コードパターン110では、使用するフィルタも異なる。
また、図14に示す光生成部20Fにおいて、液晶装置163に代えて、デジタルミラーデバイス(DMD:Digital Mirror Device)を用いて縞パターン100及び空間コードパターン110を生成する構成でもよい。デジタルミラーデバイスは、独立して反射方向を変更可能な複数のマイクロミラーを有するミラー装置である。デジタルミラーデバイスは、MEMSデバイスであって、複数のマイクロミラーを平面に配列した反射型の光変調素子である。デジタルミラーデバイスは、半導体チップ上に多数のマイクロミラー(例えば16μm平方の微小鏡面)が所定ピッチ(例えば17μmピッチ)で数万〜数十万個ほど形成されている。このデジタルミラーデバイスは、指令に応じてマイクロミラーにより光を所定方向に反射させる。
デジタルミラーデバイスは、第1の方向D1に沿った構造光である縞パターン100や、空間コードパターン110を生成するように、部分的にマイクロミラーの反射方向を変更する。マイクロミラーの反射方向を変更することで、光強度を正弦波状または矩形波状のいずれも生成できる。デジタルミラーデバイスは、コレクタレンズ123とシリンドリカルレンズ124との間において、測定対象物2と共役に配置される。
また、走査部40は、MEMSミラーに代えて、ポリゴンミラー(光学素子)を用いて縞パターン100及び空間コードパターン110を第2の方向D2に走査する構成でもよい。ポリゴンミラーは、回転多面鏡であり、駆動機構により高速で回転する。ポリゴンミラーの各反射鏡は、投影光学系30から出射した縞パターン100及び空間コードパターン110をそれぞれ投影領域200(測定対象物2)に向けて反射する。また、各反射鏡は、ポリゴンミラーが回転することにより縞パターン100及び空間コードパターン110を第2の方向D2にそれぞれ走査する。
また、走査部40は、MEMSミラーに代えて、音響光学素子(光学素子、AOM:Acousto-Optic Modulator)を用いて縞パターン100及び空間コードパターン110を第2の方向D2に走査する構成でもよい。音響光学素子は、AOM制御装置によって制御される。音響光学素子は、素子中の媒体に超音波を伝搬させることによって、媒体中に超音波の波長と振幅とに対応した屈折率変化の波(定在波)を発生させる。この定在波は回折格子として働くため、音響光学素子に入射した光線は所定の回折角で偏向する。このとき、AOM制御装置は、媒体に伝播させる超音波の周波数を変化させることにより回折格子のピッチを変化させ、偏向方向を制御する。このように、AOM制御装置が音響光学素子の偏向方向を制御することにより、縞パターン100や空間コードパターン110の偏向方向が制御され、縞パターン100等を投影領域200において第2の方向D2に走査することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る形状測定装置について説明する。上記した第1実施形態及び第2実施形態では、縞パターン100の生成と空間コードパターン110の生成を、一つの光生成部で行っているが、本実施形態では、縞パターン100と空間コードパターン110とを別の光生成部で生成する。
次に、第3実施形態に係る形状測定装置について説明する。上記した第1実施形態及び第2実施形態では、縞パターン100の生成と空間コードパターン110の生成を、一つの光生成部で行っているが、本実施形態では、縞パターン100と空間コードパターン110とを別の光生成部で生成する。
図19は、第3実施形態に係る形状測定装置に用いられる投影部の構成の一例を示す図である。なお、第3実施形態に係る形状測定装置は、投影部を除いて、図1に示す形状測定装置1と同様の構成が採用される。図19に示す投影部10Aは、図1に示す投影部10の一態様である。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。図19に示す投影部10Aの座標軸として、光軸方向(紙面の左方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の表から裏に向かう方向)をY2軸としている。また、図19に示す構造光の投影領域200(測定対象物2)側の座標軸として、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ1軸とし、X1軸及びZ1軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY1軸としている。
図19に示すように、投影部10Aは、縞パターン生成部20Mと、空間コードパターン生成部20Nと、ハーフミラー123fと、投影光学系30と、走査部40と、を備える。縞パターン生成部20Mは、縞パターン100を生成する。空間コードパターン生成部20Nは、空間コードパターン110を生成する。ハーフミラー123fは、縞パターン生成部20M及び空間コードパターン生成部20Nの後方側であって、投影光学系30の前側に配置される。なお、縞パターン生成部20Mは、図5に示す光生成部20Aと同様の構成が採用されており、説明を省略する。
縞パターン生成部20Mのシリンドリカルレンズ23eから出射した第1及び第2の光束は、ハーフミラー123fを透過して中間像位置Iにおいて干渉して縞パターン100を生成する。
空間コードパターン生成部20Nは、光源(レーザダイオード)161、コレクタレンズ162、液晶装置163、リレーレンズ165,167、反射ミラー166、及びシリンドリカルレンズ168を有している。なお、液晶装置163は、図14に示す光生成部20Fと同一のものが用いられるため、説明を省略する。光源161は、例えば、可干渉性の低い光源、ハロゲンランプやキセノンランプ、発光ダイオード等が用いられる。
光源161から放出された光は、コレクタレンズ162によって平行光束または略平行光束に変換される。コレクタレンズ162から出射した光束は、液晶装置163を通過することにより、空間コードパターン110に対応したパターンの光となる。この光は、リレーレンズ165,167でリレーされる間に反射ミラー166によって光の進行方向を変えられてシリンドリカルレンズ168に入射する。シリンドリカルレンズ168を出射した光束は、ハーフミラー123fに反射されて中間像位置Iにおいて空間コードパターン110を生成する。
このように、縞パターン生成部20Mが生成した縞パターン100と、空間コードパターン生成部20Nが生成した空間コードパターン110とは、ハーフミラー123fによって中間像位置Iで共に生成され、同一の光軸に沿って進行する。縞パターン100または空間コードパターン110は、投影光学系30及び走査部40を介してそれぞれ投影領域200に投影される。
このように、第3実施形態によれば、縞パターン100の生成と空間コードパターン110の生成とを別の生成部で行うため、それぞれのパターンに適した光源や光学系が用いられることにより、各パターンを精度よく生成することができる。また、縞パターン100の投影と空間コードパターン110の投影とを同時に行うことができ、測定対象物2の計測時間を短縮することができる。
なお、図19に示す投影部10Aにおいて、縞パターン生成部20Mの位相変調機構23cを用いて縞パターン100の位相をシフトする構成に代えて、ピエゾ素子等のアクチュエータで投影光学系30を光軸方向(X2軸方向)に移動させることにより縞パターン100の位相をシフトする構成でもよい。
<投影部の変形例>
図20は、投影部の変形例の構成を示す図である。図20に示す投影部10Bの座標軸として、光軸方向(紙面の左方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の表から裏に向かう方向)をY2軸としている。また、図20に示す構造光の投影領域200(測定対象物2)側の座標軸として、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ1軸とし、X1軸及びZ1軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY1軸としている。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図20は、投影部の変形例の構成を示す図である。図20に示す投影部10Bの座標軸として、光軸方向(紙面の左方向)をX2軸とし、X2軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ2軸とし、X2軸及びZ2軸と直交する方向(紙面の表から裏に向かう方向)をY2軸としている。また、図20に示す構造光の投影領域200(測定対象物2)側の座標軸として、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向(紙面の上方向)をZ1軸とし、X1軸及びZ1軸と直交する方向(紙面の裏から表に向かう方向)をY1軸としている。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
図20に示すように、投影部10Bは、縞パターン生成部20Mと、空間コードパターン生成部20Pと、投影光学系30と、走査部40と、ハーフミラー71とを備える。なお、縞パターン生成部20Mは、図19に示す縞パターン生成部20Mと同様であり、説明を省略する。縞パターン生成部20Mで生成された縞パターン100は、投影光学系30及び走査部40を介した後に、ハーフミラー71を透過して投影領域200に投影される。
本実施形態の空間コードパターン生成部20Pは、Z2軸方向及びY2軸方向にそれぞれ所定の幅を有し、Z2軸方向において光強度が矩形波状に変化する空間コードパターンを生成する。空間コードパターン生成部20Pは、光源161、コレクタレンズ162、液晶装置163、及び投影光学系169を有している。なお、光源161、コレクタレンズ162、及び液晶装置163は、図19に示す空間コードパターン生成部20Nのそれぞれと同様である。
投影光学系169は、液晶装置163で生成した空間コードパターンの像を投影領域200に投影するための光学系である。投影光学系169の後方の射出瞳の位置には、開口絞り70が配置されている。この空間コードパターン生成部20Pは、例えば、ビデオプロジェクタ等に用いられる二次元のパターン投影を利用した構成が適用される。
液晶装置163により生成された空間コードパターンは、投影光学系169及び開口絞り70を介した後に、ハーフミラー71に反射されて投影領域200に投影される。このように、空間コードパターン生成部20Pは、図19に示す空間コードパターン生成部20Nと異なり、液晶装置163により生成された空間コードパターンをシリンドリカルレンズでライン状の空間コードパターン110に成形せずに、投影光学系169から投影する。また、空間コードパターン生成部20Pにより生成された空間コードパターンは、走査部40で走査されずに、ハーフミラー71に反射されて投影領域200に投影される。縞パターン生成部20Mが生成した縞パターン100と、空間コードパターン生成部20Pが生成した空間コードパターンとは、異なる光軸上で生成された後、ハーフミラー71によって同一の光軸に沿って進行する。
このように、図20に示す投影部10Bによれば、縞パターン100の生成と空間コードパターンの生成とを別の生成部で行うため、第3実施形態と同様の効果を有する。さらに、空間コードパターン生成部20Pは、投影領域200に対応した二次元の空間コードパターンを生成するので、ライン状のパターンを走査する必要がなく、投影領域200の全面にわたって容易に空間コードパターンを投影させることができる。
<光走査装置>
次に、実施形態に係る光走査装置について説明する。図21は、光走査装置の実施形態の一例を示す図である。図21において、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向をZ1軸とし、X1軸及びZ1軸と直交する方向をY1軸としている。図21に示す光走査装置1Aは、光を走査した測定対象物2を撮像して取得した該測定対象物2の像に応じた信号強度に基づいて三次元形状を測定するために用いられ、測定対象物2に光を走査する装置である。この光走査装置1Aは、図1に示す形状測定装置1の構成の一部を有している。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
次に、実施形態に係る光走査装置について説明する。図21は、光走査装置の実施形態の一例を示す図である。図21において、紙面の右方向をX1軸とし、X1軸と直交するある方向をZ1軸とし、X1軸及びZ1軸と直交する方向をY1軸としている。図21に示す光走査装置1Aは、光を走査した測定対象物2を撮像して取得した該測定対象物2の像に応じた信号強度に基づいて三次元形状を測定するために用いられ、測定対象物2に光を走査する装置である。この光走査装置1Aは、図1に示す形状測定装置1の構成の一部を有している。以下の説明において、上記の実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
光走査装置1Aは、第1の方向D1(図21のX1軸方向)に沿って異なる強度の分布を有する縞パターン100または空間コードパターン110を生成する光生成部20と、縞パターン100等を第2の方向D2(図21のY1軸方向)に沿って走査する走査部40と、を有している。これら光生成部20及び走査部40は、上記した各実施形態に示すものと同様である。また、光走査装置1Aは、測定対象物2上における撮像領域(撮像視野)210(図4参照)の一部に生成される縞パターン100または空間コードパターン110を第2の方向D2に沿って走査して撮像領域210に縞パターン100等を投影する。
また、光走査装置1Aは、光生成部20や走査部40の動作を制御するための制御部が設けられてもよい。また、光走査装置1Aは、外部のコンピュータ等に備える演算処理部260からの指令信号に基づいて動作が制御されるものでもよい。
光走査装置1Aによって測定対象物2に縞パターン100等が投影された像は、外部の撮像部250の受光光学系251を介して撮像装置252によって撮像される。外部の演算処理部260は、撮像装置252によって撮像した画像データ(信号強度)に基づいて、測定対象物2の三次元形状を測定する。
このように、実施形態に係る光走査装置1Aによれば、測定対象物2に対して容易かつ正確に縞パターン100または空間コードパターン110を投影することができる。また、光走査装置1Aは、演算処理部や撮像部を有しないため、装置全体をコンパクトにまとめることができ、装置の小型化を実現できる。
<構造物製造システム及び構造物製造方法>
図22は、構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。図22に示す構造物製造システムSYSは、上記した形状測定装置1、設計装置710、成形装置720、制御装置(検査装置)730、及びリペア装置740を有している。
図22は、構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。図22に示す構造物製造システムSYSは、上記した形状測定装置1、設計装置710、成形装置720、制御装置(検査装置)730、及びリペア装置740を有している。
設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する。そして、設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。ここで、設計情報とは、構造物の各位置の座標を示す情報である。また、測定対象物は、構造物である。
成形装置720は、設計装置710から送信された設計情報に基づいて構造物を成形する。この成形装置720の成形工程は、鋳造、鍛造、または切削などが含まれる。形状測定装置1は、成形装置720により作製された構造物(測定対象物2)の三次元形状、すなわち構造物の座標を測定する。そして、形状測定装置1は、測定した座標を示す情報(以下、形状情報という。)を制御装置730に送信する。
制御装置730は、座標記憶部731及び検査部732を有している。座標記憶部731は、設計装置710から送信される設計情報を記憶する。検査部732は、座標記憶部731から設計情報を読み出す。また、検査部732は、座標記憶部731から読み出した設計情報と、形状測定装置1から送信される形状情報とを比較する。そして、検査部732は、比較結果に基づき、構造物が設計情報の通りに成形されたか否かを検査する。
また、検査部732は、成形装置720により成形された構造物が良品であるか否かを判定する。構造物が良品であるか否かは、例えば、設計情報と形状情報との誤差が所定の閾値の範囲内であるか否かにより判定する。そして、検査部732は、構造物が設計情報の通りに成形されていない場合は、その構造物を設計情報の通りに修復することができるか否かを判定する。修復することができると判定した場合は、検査部732は、比較結果に基づき、不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位を示す情報(以下、不良部位情報という。)と、修復量を示す情報(以下、修復量情報という。)と、をリペア装置740に送信する。
リペア装置740は、制御装置730から送信された不良部位情報と修復量情報とに基づいて、構造物の不良部位を加工する。
図23は、構造物製造システムSYSによる処理を示すフローチャートであり、構造物製造方法の実施形態の一例を示している。図23に示すように、設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する(ステップS31)。設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。制御装置730は、設計装置710から送信された設計情報を受信する。そして、制御装置730は、受信した設計情報を座標記憶部731に記憶する。
次に、成形装置720は、設計装置710が作製した設計情報に基づいて構造物を成形する(ステップS32)。そして、形状測定装置1は、成形装置720が成形した構造物の三次元形状を測定する(ステップS33)。その後、形状測定装置1は、構造物の測定結果である形状情報を制御装置730に送信する。次に、検査部732は、形状測定装置1から送信された形状情報と、座標記憶部731に記憶されている設計情報とを比較して、構造物が設計情報の通りに成形されたか否か検査する(ステップS34)。
次に、検査部732は、構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS35)。構造物が良品であると判定した場合は(ステップS35:YES)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。一方、検査部732は、構造物が良品でないと判定した場合は(ステップS35:NO)、検査部732は、構造物を修復することができるか否かを判定する(ステップS36)。
検査部732が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS36:YES)、検査部732は、ステップS34の比較結果に基づいて、構造物の不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位情報と修復量情報とをリペア装置740に送信する。リペア装置740は、不良部位情報と修復量情報とに基づいて構造物のリペア(再加工)を実行する(ステップS37)。そして、ステップS33の処理に移行する。すなわち、リペア装置740がリペアを実行した構造物に対してステップS33以降の処理が再度実行される。一方、検査部732が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS36:NO)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。
このように、構造物製造システムSYS及び構造物製造方法では、形状測定装置1による構造物の測定結果に基づいて、検査部732が設計情報の通りに構造物が作製されたか否かを判定する。これにより、成形装置720により作製された構造物が良品であるか否か精度よく判定することができるとともに、その判定の時間を短縮することができる。また、上記した構造物製造システムSYSでは、検査部732により構造物が良品でないと判定された場合に、直ちに構造物のリペアを実行することができる。
なお、上記した構造物製造システムSYS及び構造物製造方法において、リペア装置740が加工を実行することに代えて、成形装置720が再度加工を実行するように構成してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更または改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態や変形例の構成を適宜組み合わせて適用することも可能である。
また、上記した各実施形態及び変形例において、第1の方向D1と第2の方向D2とが直交していたが、第1の方向D1と第2の方向D2とが異なる方向であれば直交していなくてもよい。例えば、第2の方向D2は、第1の方向D1に対して60度や80度の角度に設定されてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、各図面では光学素子を一つまたは複数で表しているが、特に使用する数を指定しない限り、同様の光学性能を発揮させるものであれば、使用する光学素子の数は任意である。
また、上記した各実施形態及び変形例において、光生成部20等が縞パターン100を生成するための光は、可視光領域の波長の光、赤外線領域の波長の光、紫外線領域の波長の光、のいずれが用いられてもよい。可視光領域の波長の光が用いられることにより、使用者が投影領域200を認識可能となる。この可視光領域のうち、赤色の波長が用いられることにより、測定対象物2へのダメージを軽減させることができる。
また、上記した各実施形態及び変形例において、走査部40は、構造光を反射または回折する光学素子を用いているがこれに限定されない。例えば、屈折光学素子や、平行平板ガラス等が用いられてもよい。レンズ等の屈折光学素子を光軸に対して振動させることで構造光を走査させてもよい。なお、この屈折光学素子としては、投影光学系30の一部の光学素子が用いられてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、撮像部50としてCCDカメラ52aが用いられるがこれに限定されない。例えば、CCDカメラに代えて、CMOSイメージセンサ(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などのイメージセンサが用いられてもよい。
また、上記した図5、図11及び図13に示す位相変調機構23c,122,154において、厚みの異なる平行平板ガラスを切り替える構成を採用しているがこれに限定されない。例えば、平行平板ガラスに代えて、カーセルまたはポッケルスセルなどの電気光学効果を利用した素子が用いられてもよい。カーセルやポッケルスセルは、電荷を付加すると屈折率が変化する電気光学素子であり、印加する電圧を変化させて電気的に縞パターンの位相を変化させることができる。
また、上記した各実施形態及び変形例において、位相シフト法に用いる縞パターン100の位相を一周期の間に4回シフトさせる4バケット法が用いられるが、これに限定されない。例えば、縞パターン100の位相の一周期2πを5分割した5バケット法や、同じく6分割した6バケット法などが用いられてもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、いずれも位相シフト法が用いられているが、第2実施形態で説明した空間コード法のみを用いて測定対象物2の三次元形状を測定するものでもよい。
また、上記した図13に示す第3変形例では、Michelson型の配置による構成が用いられるが、これに限定されず、例えば、Mach−Zehnder型やJamin型など周知の他の光学配置が用いられてもよい。
また、上記した図14に示す光生成部20Fにおいて、液晶装置163として透過型の液晶装置が用いられるが、これに限定されず、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の反射型の液晶装置が用いられてもよい。反射型の液晶装置の場合も位相シフト法で用いる縞パターン100と、空間コード法で用いる空間コードパターン110の双方を生成できる。また、LCOSが用いられる場合は、LCOSの駆動速度が早いことにより、測定時間を短縮することができる。
また、上記した第2実施形態において、空間コードパターン110の撮像後に縞パターン100を撮像しているが、これとは逆に行ってもよい。
また、上記した各実施形態及び変形例において、縞パターン100や空間コードパターン110を白色及び黒色で表していたが、これに限定されず、いずれか一方または双方が着色されたものでもよい。例えば、縞パターン100や空間コードパターン110は、白色と赤色とで生成されるものでもよい。
また、上記した第2実施形態において、図18に示す空間コードはバイナリコードを用いているが、グレイコードが用いられてもよい。グレイコードは、バイナリコードと符号の付け方が異なる。このため、図16に示す空間コード画像のストライプのパターンも異なるパターンが用いられる。
また、上記した第2実施形態において、液晶装置163、フィルタ、及びデジタルミラーデバイスは、第1実施形態や第3実施形態においても適用可能である。
また、上記した第2実施形態において、光生成部は、縞パターン100の生成時と、空間コードパターン110の生成時とで、光源を変更してもよい。光源の変更は、制御部62からの指令信号に基づいて行われるようにしてもよい。空間コードパターン110の生成時には、例えば、可干渉性の低い光源、ハロゲンランプやキセノンランプ、発光ダイオード等が用いられてもよい。
また、上記した各実施形態において、中間像位置Iに縞パターン100や空間コードパターン110の中間像を形成させることに限定されず、中間像を形成させずに投影領域200(測定対象物2上)において縞パターン100や空間コードパターン110を結像させてもよい。
また、走査部40としてMEMSミラー等の振動ミラーが用いられる場合、角速度の不均一に対応して、レーザダイオード121からの光の強度を変更させてもよい。例えば、投影領域200における走査方向の端部付近では光強度を低下させ、中央付近では光強度を強くさせるように、レーザダイオード121を制御してもよい。これにより、投影領域200において一様な明るさを実現できる。
また、上記した第3実施形態及び投影部の変形例において、縞パターン100の投影と空間コードパターン110の投影を同時に行ってもよい。この場合、縞パターン100を生成する光の波長と、空間コードパターン110を生成する光の波長とを分けて、撮像部において波長ごとに分割して撮像し、それぞれ位相シフト法及び空間コード法を実行させてもよい。
また、上記した図19及び図20では、縞パターン生成部20M(図5に示す光生成部20Aに相当する構成)を用いているが、これに限定されず、例えば、図11〜図14に示す縞パターン生成部20B〜20Fに相当する構成が用いられてもよい。
また、上述の実施形態及び変形例において、投影部10、撮像部50、演算処理部60、及び表示装置70を持ち運びが可能な筐体に収容してもよい。持ち運び可能な筐体6内に各構成が収容されているので、測定者は、形状測定装置を測定対象物がある現場まで容易に持ち運ぶことができる。また、例えば大型装置の裏面や背面など、定置型の測定装置では測定が難しい対象物に対して、容易に形状を測定することができる。なお、演算処理部60の全ての機能を持ち運びが可能な筐体に収容しなくてもよく、演算処理部60の一部の機能(演算部、画像記憶部、表示制御部、及び設定情報記憶部の少なくとも一部)を外部のコンピュータに持たせてもよい。
この場合であっても、上述の実施形態と同様に、MEMSミラーの往復振動とレーザダイオードから射出される光強度とを同期させる必要がなく、複雑かつ高度な同期制御が不要となる。投影部10、撮像部50、演算処理部60、及び表示装置70を持ち運びが可能な筐体に収容した形状測定装置を持ち運ぶ場合、特に外部の測定環境(温度、湿度、気圧など)が変化しやすくなるが、外部環境が変化したとしても高精度な測定対象物の形状測定を行うことができる。
また、上記した各実施形態及び変形例において、測定対象物2が撮像部50の撮像視野に収まらない場合は、測定対象物2の異なる位置をそれぞれ測定して、各測定結果をつなぎ合わせることで測定対象物2全体の三次元形状を測定してもよい。測定結果をつなぎ合わせるさいには、測定結果の一部を重ねあわせる、オーバーラッピング処理が用いられてもよい。このオーバーラッピング処理は、演算部65が行う。
オーバーラッピング処理について説明する。先ず、撮像部50によって測定対象物2の第1部分を撮像する。次いで、撮像部50によって、測定対象物2の第1部分と一部重なる第2部分を撮像する。演算部65は、第1部分及び第2部分についてそれぞれ三次元形状を算出する。さらに、演算部65は、第1部分と第2部分とが重なる部分をサーチし、この部分を重ねることにより第1部分及び第2部分の三次元形状をつなぎ合わせる。なお、演算部65は、第1部分の三次元形状と第2部分の三次元形状とで共通の座標データとなる所定領域の画素をサーチして、第1部分と第2部分との重複部分を判断する。
このような処理を測定対象物2の全体が撮像されるまで繰り返し実行することで、測定対象物2全体の三次元形状が測定される。これによれば、測定対象物2が大きな物体であった場合でも、測定対象物2全体の三次元形状を容易に測定することができる。
また、形状測定装置1の一部の構成をコンピュータにより実現してもよい。例えば、演算部処理部60をコンピュータにより実現してもよい。この場合、コンピュータは、記憶部に記憶された形状測定プログラムに従って、第1の方向D1に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成処理と、構造光を第1の方向D1とは異なる測定対象物2上の第2の方向D2に沿って走査する走査処理と、構造光が投影された測定対象物2を撮像する撮像処理と、撮像処理で得られた測定対象物2の像に応じた信号強度に基づいて、測定対象物2の形状を算出する演算処理と、を実行する。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した検査装置や検査方法などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
D1…第1の方向、D2…第2の方向、L1…第1の光束、L2…第2の光束、SYS…構造物製造システム、1…形状測定装置、1A…光走査装置、2…測定対象物、10,10A,10B…投影部、20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,…光生成部、22,121,161…レーザダイオード(光源)、23…パターン生成部、23b…レンズアレイ(分割光学系)、23c,122,154…位相変調機構(干渉光学系)、23d…リレーレンズ(干渉光学系)、23e,124,168…シリンドリカルレンズ(干渉光学系)、40…走査部(光学素子)、50…撮像部、52a…CCDカメラ、60…演算処理部、62…制御部、62a…第1制御部、62b…第2制御部、65…演算部、70…表示装置、100…縞パターン(構造光)、110…空間コードパターン(構造光)、125…偏向プリズム(分割光学系)、163…液晶装置、210…撮像領域(撮像視野)
Claims (28)
- 測定対象物の三次元形状を測定する形状測定装置において、
第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成部と、
前記構造光を前記第1の方向とは異なる前記測定対象物上の第2の方向に沿って走査する走査部と、
構造光が投影された前記測定対象物を撮像する撮像部と、
前記撮像部で得られた前記測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて、前記測定対象物の形状を算出する演算部と、
を備える形状測定装置。 - 前記構造光は、前記測定対象物上における前記撮像部の撮像視野の一部に生成される請求項1に記載の形状測定装置。
- 前記走査部は、前記撮像視野の一部に生成される前記構造光を走査して前記撮像視野に前記構造光を投影する請求項2に記載の形状測定装置。
- 前記撮像視野は、前記撮像部により1回に撮像される範囲である請求項2または請求項3に記載の形状測定装置。
- 前記走査部による前記構造光の走査と、前記撮像部による前記測定対象物の撮像とを同期させるように前記走査部と前記撮像部とを制御する制御部を備える請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記制御部は、前記撮像部による前記測定対象物の撮像を、前記走査部による前記構造光の複数回の走査に同期するように制御する請求項5に記載の形状測定装置。
- 前記光生成部は、前記第1の方向に周期的に異なる強度の分布を有する縞状の構造光を生成する請求項1〜請求項6のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 縞の位相がそれぞれ異なる複数の構造光が生成されるように前記光生成部を制御する第2の制御部を備え、
前記演算部は、前記撮像部により得られた、前記複数の構造光がそれぞれ投影された前記測定対象物の複数の像に応じた信号強度に基づいて前記測定対象物の形状を算出する請求項7に記載の形状測定装置。 - 前記光生成部は、光源からの光束から前記構造光を生成する液晶装置を含む請求項1〜請求項8のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記光生成部は、前記第1の方向に沿って透過率が異なるフィルタを含み、該フィルタに光源からの光束を透過させることにより前記構造光を生成する請求項1〜請求項8のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記光生成部は、反射方向を変更可能な複数のマイクロミラーを有するミラー装置を含み、光源からの光束を複数の前記マイクロミラーで反射させることにより前記構造光を生成する請求項1〜請求項8のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記光生成部は、入射した第1の光束と第2の光束とを干渉させる干渉光学系を含み、該干渉光学系により前記構造光を生成する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記光生成部は、光源からの光束を第1の光束と第2の光束とに分割する分割光学系を含み、
該分割光学系から射出した前記第1の光束と前記第2の光束とは前記干渉光学系に入射する請求項12に記載の形状測定装置。 - 前記光生成部は、前記第1の方向に正弦波状の周期的な強度の分布を有する構造光を生成する請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記光生成部は、前記第1の方向に矩形波状の周期的な強度の分布を有する構造光を生成する請求項14に記載の形状測定装置。
- 前記光生成部は、前記第1の方向に矩形波状の周期的な強度の分布を有する構造光を生成する請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記第2の方向は、前記第1の方向と直交する請求項1〜請求項16のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記走査部は、前記構造光を反射または回折する光学素子を含み、前記光学素子により、前記構造光の反射角または回折角を変化させることにより前記構造光を走査する請求項1〜請求項17のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 持ち運び可能な筐体に、前記光生成部、前記走査部、前記撮像部、及び前記演算部が収容された請求項1〜請求項18のうちいずれか1項に記載の形状測定装置。
- 前記撮像部により撮像された画像、及び前記演算部により算出された形状、のうち少なくとも一方を表示する表示装置を備える請求項19に記載の形状測定装置。
- 光を走査した測定対象物を撮像して取得した該測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて三次元形状を測定する該測定対象物に光を走査する光走査装置において、
第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成部と、
前記構造光を前記第1の方向とは異なる前記測定対象物上の第2の方向に沿って走査する走査部と、
を備える光走査装置。 - 前記走査部は、前記測定対象物上における撮像視野の一部に生成される前記構造光を走査して該撮像視野に前記構造光を投影する請求項21に記載の光走査装置。
- 構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、
前記設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形装置と、
作製された前記構造物の形状を測定する請求項1〜請求項20のうちいずれか1項に記載の形状測定装置と、
前記形状測定装置によって得られた前記構造物の形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較する検査装置と、
を含む構造物製造システム。 - 測定対象物の三次元形状を測定する形状測定方法において、
第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成することと、
前記構造光を前記第1の方向とは異なる前記測定対象物上の第2の方向に沿って走査することと、
構造光が投影された前記測定対象物を撮像することと、
前記撮像することで得られた前記測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて、前記測定対象物の形状を算出することと、
を含む形状測定方法。 - 前記構造光は、前記測定対象物上における撮像視野の一部に生成し、
前記撮像視野の一部に生成される前記構造光を走査して前記撮像視野に前記構造光を投影する請求項24に記載の形状測定方法。 - 構造物の形状に関する設計情報を作製することと、
前記設計情報に基づいて前記構造物を作製することと、
作製された前記構造物の形状を測定する請求項24または請求項25に記載の形状測定方法と、
前記形状測定方法によって得られた前記構造物の形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較することと、
を含む構造物製造方法。 - 形状測定装置に含まれるコンピュータに、
第1の方向に沿って異なる強度の分布を有する構造光を生成する光生成処理と、
前記構造光を前記第1の方向とは異なる前記測定対象物上の第2の方向に沿って走査する走査処理と、
前記構造光が投影された前記測定対象物を撮像する撮像処理と、
前記撮像処理で得られた前記測定対象物の像に応じた信号強度に基づいて、前記測定対象物の形状を算出する演算処理と、
を実行させる形状測定プログラム。 - 前記光生成処理で、前記構造光を前記測定対象物上における撮像視野の一部に生成し、
前記走査処理で、前記撮像視野の一部に生成される前記構造光を走査して前記撮像視野に前記構造光を投影する請求項27に記載の形状測定プログラム。
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