JP2015101572A - N−ビニルカルバゾールの製造方法 - Google Patents

N−ビニルカルバゾールの製造方法 Download PDF

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奈緒子 井上
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Abstract

【課題】電子情報材料、電池材料、光学材料、フィルム材料、光学フィルム材料、有機EL材料、レジスト材料、液晶材料、塗料、接着剤、洗剤など各種化学品の製造原料として用いられるN−ビニルカルバゾールの新規製造方法の提供。【解決手段】以下式(1)(式中R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される化合物を、N原子に隣接する炭素上に分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基、または炭素数3〜12の脂環式基を有する2級アミン類存在下、100℃以上で熱分解させることにより、高純度のN−ビニルカルバゾールを安全かつ安価に製造する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、N−ビニルカルバゾールを製造するための方法に関するものである。
N−ビニルカルバゾールは、重合体を製造するための単量体などとして有用である。N−ビニルカルバゾールから得られる重合体は、耐熱性、光学特性、UV硬化性、粘着性、透明性、固体分散性といった特性を有することから、電子情報材料、電池材料、光学材料、フィルム材料、光学フィルム材料、有機EL材料、レジスト材料、液晶材料、塗料、接着剤、洗剤など各種化学品の製造原料として用いられる。
N−ビニルカルバゾールの製造法としては例えば、カルバゾールとアセチレンを反応させる方法が知られている。(例えば非特許文献1)しかしながら、アセチレンは容易に爆発する場合があり、かかる方法を工業的規模で実施することは防災上危険性が高く、好ましくない。また、カルバゾールとビニルエーテル類をパラジウム等の白金塩類の存在させることを特徴とする製造法が知られている。(例えば特許文献1)しかしながら、本方法は、原料であるビニルエーテルが毒性を有するうえ高価であったり、更には高価な白金塩類を触媒として多量に使用する必要があるため経済的に優位な方法とは言えない。
そこで、カルバゾールと安価である酢酸ビニルをはじめとしたビニルエステル類を反応させ、N−ビニルカルバゾールを製造する方法が提案されている。(例えば特許文献2)しかしながらこの方法もパラジウム等の高価な白金塩類を触媒として多量に使用する必要があるため経済的優位な方法とは言えない。
高価な白金塩類を使用しない方法として、カルバゾールとビニルエステル類を無機塩基触媒により反応させ、得られた化合物を熱分解することによりN−ビニルカルバゾールを合成する方法が知られている。(例えば非特許文献2)しかしながら本発明者らがこの方法を追試した所、得られるN−ビニルカルバゾール中に精製操作で除去しにくい不純物が多量に生成し、高純度のN−ビニルカルバゾールを工業的に得ることが困難であることが判明した。さらにこの方法では減圧条件で熱分解を行う必要があり、そのための特殊な設備を必要とするといった問題も有していた。
特公昭49−9466号公報 特開2010−184923号公報
Journal of Applied Chemistry Vol.9,1959,241−246頁 IZVESTIYA Vysshikh Uchebnykh Zavedenii, Khimiya i Khimicheskaya Tekhnologiya Vol.27,1984,1021−1024頁
本発明の目的は、電子材料や光学材料、接着剤、洗剤など各種化学品の製造原料として有用であるN−ビニルカルバゾールの製造に関して副生成物などの不純物が少ない高純度のN−ビニルカルバゾールを良好な収率で、安価に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カルバゾールとカルボン酸ビニルエステルを反応させて得られる化合物である以下式(1)
Figure 2015101572
(式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す)
で表される化合物を以下式(2)
Figure 2015101572
(式中R、Rは、ともにN原子に隣接する炭素上に分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基、または炭素数3〜12の脂環式基を表し、R、Rは同一でも異なっても良い。また、R、Rは他に置換基を有していても良い。)
で表される2級アミン類存在下、100℃以上で熱分解させることにより、後の精製操作で除去が困難な不純物を抑制することが可能となり、結果として高純度なN−ビニルカルバゾールを良好な収率で得ることが可能であることを見出した。具体的には本発明は以下〔1〕〜〔3〕の発明を含む。
〔1〕
以下式(1)
Figure 2015101572
(式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表される化合物を以下式(2)
Figure 2015101572
(式中R、Rは、ともにN原子に隣接する炭素上に分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基、または炭素数3〜12の脂環式基を表し、R、Rは同一でも異なっても良い。また、R、Rは他に置換基を有していても良い。)
で表される2級アミン類存在下、100℃以上で熱分解させることを特徴とする以下式(3)で表されるN−ビニルカルバゾールの製造方法。
Figure 2015101572
〔2〕
2級アミン類がジ−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする〔1〕記載のN−ビニルカルバゾールの製造方法。
〔3〕
アルカリ金属の水酸化物存在下、カルバゾールと以下式(4)
Figure 2015101572
(式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表されるカルボン酸ビニルエステル類を反応させ以下式(1)
Figure 2015101572
(式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表される化合物を製造することを特徴とする〔1〕または〔2〕記載のN−ビニルカルバゾールの製造方法。
本発明によれば、安価で入手性に優れるカルバゾールとカルボン酸ビニルエステルを反応させることによって得られる化合物を出発原料としてN−ビニルカルバゾールを製造する際、後の精製操作で除去が困難な不純物の生成抑制が可能となり、かつ、本方法によれば減圧条件下で熱分解をする必要がない為、高純度のN−ビニルカルバゾールを安全かつ安価に製造することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態とともに記載する。
始めに、以下式(1)
Figure 2015101572
(式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)で表される化合物(以下、N−α−アシルオキシエチルカルバゾールと称することがある。)の製造方法について詳述する。
N−α−アシルオキシエチルカルバゾールはアルカリ金属の水酸化物存在下、以下式(5)
Figure 2015101572
で表されるカルバゾールと以下式(4)
Figure 2015101572
(式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で表されるカルボン酸ビニルエステル類を反応させることによって製造される。
本反応で使用するカルバゾールは工業的に容易に入手可能なものであり、どのような品質のものでも使用可能であるが、高純度のN−ビニルカルバゾールを製造するためにはその純度が通常95%以上、好ましくは98%以上であることが望ましい。
本反応で使用する、上記式(4)で表されるカルボン酸ビニルエステルの置換基Rとしては水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが例示されるが、入手性の観点からメチル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。また、カルボン酸ビニルエステルの使用量は特に限定されないが、通常、カルバゾール1モルに対し1〜3倍モル使用し、好ましくは1〜2倍モル使用する。3倍より多い場合、未反応のカルボン酸ビニルエステルが残存するため、その重合性、毒性などの観点から好ましくない場合があり、1倍より少ない場合は反応未達となり、収率が低下する場合がある。
本反応で用いられるアルカリ金属の水酸化物としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化セシウム等、アルカリ金属水酸化物が例示され、これらの使用量はカルバゾール1モルに対し通常8倍モル%〜200倍モル%使用し、好ましくは8倍モル%〜15倍モル%使用する。200倍モル%より多い場合、反応の選択率が著しく低下し式上記式(1)の化合物が得られない場合があり、8倍モル%より少ない場合は反応未達となる場合がある。アルカリ金属の水酸化物は固体状のものでも水溶液状のものでも使用可能であるが、水溶液状のものを使用した場合、反応中に系中から反応で生成する水と共に水溶液の水も系外へと留出させる必要があることから、固体状のアルカリ金属の水酸化物を用いることが好ましい。
本反応は通常、有機溶媒存在下で反応を行う。本発明で使用可能な有機溶媒としては、アセトン等のケトン類、トルエンやキシレン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼンやジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類など反応を阻害しないものであれば使用可能であり、好ましくはクロロベンゼンやジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類である。これら有機溶媒の使用量はカルバゾール1重量部に対し通常1〜20重量倍使用し、好ましくは4〜8重量倍使用する。有機溶媒の使用量が20重量倍より多いと、反応を阻害することはないが経済的に好ましくなく、有機溶媒の使用量が1重量倍より少ない場合は撹拌阻害や脱水不足による反応阻害を引き起こす場合がある。
本反応を行う際、相間移動触媒を用いることも出来る。かかる相間移動触媒としては、例えば、臭化テトラn−ブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、臭化トリフェニルホスフィン等のホスホニウム塩、18−クラウン−6、ポリエチレングリコール等のポリエーテル化合物等が挙げられる。なかでも、四級アンモニウム塩が好ましく、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化テトラn−ブチルアンモニウムがより好ましい。相間移動触媒を使用する際の使用量は、カルバゾール1モルに対し通常1〜10倍モル%使用する。
本反応は通常、カルバゾールとアルカリ金属の水酸化物及び必要に応じ溶媒を反応器に入れ、100〜150℃、好ましくは110℃〜130℃で加熱混合し、生成した水を溶媒と共沸脱水により留去した後に、必要に応じて相間移動触媒を加え、−20℃まで冷却した後、−20〜−5℃で上記式(3)で表される化合物を添加し、−20〜−5℃で1〜12時間反応させることによって得られる。得られたN−α−アシルオキシエチルカルバゾールは中和処理後に有機溶剤による抽出処理等の定法により取り出すことも可能であるが、取り出すことなく、後述するN−ビニルカルバゾールの製造に供することも可能である。
<N−ビニルカルバゾールの製造方法>
以下、上記式(2)で表されるN−ビニルカルバゾールの製造方法について詳述する。本発明においては、以下式(1)
Figure 2015101572
(式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す)
で表される化合物を、上記式(2)で表される2級アミン存在下、100℃以上で熱分解反応を行うことを特徴とする。上記式(1)で表される化合物は上述した方法で製造しても良いし、その他の製造方法で製造したものや、市販品等を使用することが可能である。なお、この上記式(1)で表される化合物の置換基であるRは水素原子あるいは炭素数1〜4のアルキル基である必要があるが、上述した製法で製造する際は、その製法の原料であるカルボン酸ビニルエステルの内、Rがメチル基である化合物が入手性の点で好ましいことから、上記式(1)で表される化合物の置換基もメチル基であることが好ましい。
本反応で使用する以下式(2)
Figure 2015101572
(式中R、Rは、ともにN原子に隣接する炭素上に分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基、または炭素数3〜12の脂環式基を表し、R、Rは同一でも異なっても良い。また、R、Rは他に置換基を有していても良い)
で表される2級アミン類について、式中R、Rは、N原子に隣接する炭素上に炭素原子による分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基であるか、あるいは炭素数3〜12の脂環式基である必要がある。N原子に隣接する炭素上に炭素原子による分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基として例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基等が例示される。また、炭素数3〜12の脂環式基として例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が例示される。また、R、R中に副反応を生じなければ炭素、水素原子の他に置換基を有しても良く、このような置換基の例として塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン基、エーテル基等が例示される。これらR、Rで表される、N原子に隣接する炭素上に分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基、または炭素数3〜12の脂環式基は、入手性の点から炭素数3〜5のアルキル基または炭素数5〜8の脂環式基で他の置換基を有していないものが好ましく、特にジ−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミンが好ましい。なお、2級アミンであってもアミンのN原子の周辺が立体的に嵩高くないものを使用した場合、晶析操作で除去しにくい不純物の抑制効果が発現しなかったり、却って反応を阻害する結果となり好ましくない。また、炭素数3〜12の脂環式化合物の変わりにベンゼン等芳香族共役系を有する環状化合物を使用した場合、理由は不明であるが、却って反応を阻害する結果となり好ましくない。
上記に列挙した上記式(2)で表される2級アミン類の使用量は上記式(1)で表される化合物1モルに対し通常1〜10倍モル使用し、好ましくは1〜5倍モル使用する。1倍より少ない場合、不純物の抑制効果が低下する場合がある。
本反応においては必要に応じ溶媒を使用しても良く、使用可能な溶媒としては、反応温度である100℃以上の沸点をもつトルエンやキシレン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼンやジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これら溶媒の内、クロロベンゼンやキシレンが好ましい。これら溶媒の使用量は上記式(1)で表される化合物1重量倍に対し3〜20重量倍使用し、好ましくは4〜10重量倍使用する。
本反応は上記式(1)で表される化合物と、上記式(2)で表される2級アミン類及び必要に応じ溶媒を反応器に添加混合後、100℃以上で熱分解を行う。100℃より低い場合、熱分解が生じず、目的とする上記式(3)で表されるN−ビニルカルバゾールが得られない。一方、熱分解の上限温度については特に限定されず、上記式(2)で表される2級アミン類、溶媒を使用する場合は溶媒の沸点に依存するが、一般的には100〜250℃、更に好ましくは110〜210℃で熱分解を行う。また、本反応は常圧または反応温度を100℃以上とすることが出来れば減圧下で反応を行なってもよく、減圧下で反応を行う際は低沸分を留去せず、還流条件で行うこともできる。
こうして得られたN−ビニルカルバゾールは精製工程で除去が困難な副生物を殆ど含んでいないので、中和洗浄、有機溶剤抽出や蒸留、晶析等の工業的に用いられる方法のみで、高純度のN−ビニルカルバゾールを取り出すことが可能である。更に、必要に応じて本方法で得られたN−ビニルカルバゾールを再結晶等により精製しても良い。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔1〕LC純度
例中、特に記載のない限り、純度、各化合物の生成率は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用い下記条件で測定した面積百分率値である。また、下記条件にて分析した際に保持時時間15−16分、21−22分に観測されるピークをそれぞれ除去困難成分A、Bとする。
高速液体クロマトグラフィー測定条件:
使用機器 :島津製作所社製 液体クロマトグラフ LC−20AD
カラム :SUMIPAX ODS A−212 内径6mmφ×長さ15cm×膜厚5μm
カラム温度:40℃
検出器:吸光光度検出器
移動層(グラジエント):
A液:メタノール、B液:純水
A液濃度(Vol%):0分(95%)→5分(100%)→25分(100%)
本分析における各成分の保持時間;7.7分:カルバゾール、12.1分:N−ビニルカルバゾール、15.7分:除去困難成分A、21.5分:除去困難成分B
移動層流量:1ml/min
注入量:5μL
検出波長:240nm
<実施例1>
撹拌機、冷却機及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器にカルバゾール20gと水酸化カリウム0.56g、クロロベンゼン80gを加えて110〜130℃で2時間加熱還流した。生成した水をクロロベンゼンと共沸留去した後に、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム0.26gを加えて−20℃に冷却し、酢酸ビニル11.6gを−20〜−5℃で滴下した。原料消失を確認するまで−20〜−5℃で2時間保温撹拌することにより以下式(6)
Figure 2015101572
で表される化合物を含む溶液を108.5g得た。本溶液をHPLCにて分析したところ、上記式(6)で表される化合物の含量が25重量%(27.1g、収率90%)であることを確認した。
<実施例2>
冷却装置と撹拌子を備えたガラス製の試験管に、実施例1で得られた式(6)で表される化合物含む溶液2.5g、2級アミンとしてジイソプロピルアミン1.0gを加え、常圧で140℃に加熱し、原料消失するまで120〜130℃で4時間撹拌した。反応後、溶媒のクロロベンゼンを減圧留去し、得られた粗N−ビニルカルバゾールのジイソプロピルアミン溶液を、有機溶剤による抽出・中和処理を行なった後に油水分離し、水洗を繰り返し、濃縮乾固することにより以下式(3)
Figure 2015101572
で表される化合物を0.41g(収率80%、実施例1からの通算収率72%、LC純度94.1%)で得た。生成物中に含まれる除去困難な成分Aは1.7%、成分Bは0.1%であった。
<実施例3>
ジイソプロピルアミンをジシクロヘキシルアミンに変更し、撹拌時間を変更する以外は、実施例2に記載された方法で熱分解を行い、熱分解終了後HPLCにより反応マスを分析したところ、N−ビニルカルバゾールの生成率が72.0%、除去困難な成分Aは1.7%、成分Bは0.1%生成していた。結果を表1に示す。
<比較例1>
ジイソプロピルアミンを添加しなかった以外は、実施例3に記載された方法で熱分解を行なったところ、N−ビニルカルバゾールの生成率は18.9%、除去困難な成分Aは4.06%、成分Bは0.52%生成していた。結果を表1に示す。
<比較例2>
内圧を1.3kPaの減圧とし、溶媒や熱分解時に副生する低沸分(クロロベンゼンや酢酸等)を系外に除去した以外は比較例1に記載の方法、すなわち非特許文献2に記載の方法で熱分解を行なったところ、N−ビニルカルバゾールの生成率は72.5%、除去困難な成分Aは5.12%、成分Bは2.47%生成していた。結果を表1に示す。
<実施例4><比較例3〜12>
表1に示す通り、式(6)で表される化合物の熱分解時に添加する化合物(2級アミン類やその他のアミン、N−H結合を有する含窒素化合物類、塩基等)と攪拌時間、熱分解温度を変更する以外は、実施例3に記載された方法で熱分解を行なった。結果を表1に示す。
<実施例5>
表1に示す通り、式(6)で表される化合物の熱分解時の攪拌時間、熱分解温度、溶媒をクロロベンゼンからジクロロベンゼンに変更する以外は、実施例3に記載された方法で熱分解を行なった。結果を表1に示す。































Figure 2015101572
上記表1に示す通り、上記式(1)で示される化合物を100℃以上で熱分解し式(3)の化合物を得る際、上記式(2)で表される2級アミン類を共存させることで、特異的に目的物であるN−ビニルカルバゾールの生成率を低下させることなく、除去困難成分A、Bの生成を抑制することが可能であることが判明した。以下、参考例として、工業的に実施される晶析法にて除去困難成分A、Bが除去困難であることを示す。
<参考例1>(上記式(3)で表されるN−ビニルカルバゾールの精製例)
撹拌機、冷却機及び温度計を備えた100mlのガラス製反応容器に、除去困難成分Aを0.1%、除去困難成分Bを0.3%含有するN−ビニルカルバゾール16.7g、メタノール21.7gを添加して64℃まで昇温して同温度で加熱溶解させた後に、4℃まで冷却しN−ビニルカルバゾールを結晶化させた後、同温度でろ過・洗浄後、乾燥させることにより、精製N−ビニルカルバゾール14.2g(精製収率85.0%、LC純度98.1%)で得た。このN−ビニルカルバゾールに含まれる除去困難成分Aは0.2%、成分Bは0.5%であり、本精製を行うことにより他不純物は除去されN−ビニルカルバゾールの純度は向上するものの、除去困難な成分A、Bは相対的に増加し、本精製法により除去困難であることが明らかとなった。
<参考例2>
使用するN−ビニルカルバゾールを純度91.1%、除去困難な成分Aを2.5%、成分Bを1.6%含むものに変更し、その使用量を16.7gから1.4gに、メタノールの使用量を21.7gから5.6gと変更する以外は参考例1と同様に精製を行った所、精製N−ビニルカルバゾール0.95g(精製収率68%、LC純度94.7%)で得た。このN−ビニルカルバゾールに含まれる除去困難な成分Aは2.6%、成分Bは2.0%であり、溶媒の使用比率を増加させても参考例1と同様に他不純物は除去されN−ビニルカルバゾールの純度は向上するものの、除去困難な成分A、Bは相対的に増加し、本精製法により除去困難であることが明らかとなった。
<参考例3>
使用する溶媒をメタノールからn−プロピルアルコールに変更し、その使用量を5.6gから3.2gと変更する以外は参考例2と同様に精製を行った所、精製N−ビニルカルバゾール0.97g(精製収率70%、LC純度95.2%)で得た。このN−ビニルカルバゾールに含まれる除去困難な成分Aは2.7%、成分Bは1.8%であり、溶媒を変更しても参考例1と同様に他不純物は除去されN−ビニルカルバゾールの純度は向上するものの、除去困難な成分A、Bは相対的に増加し、本精製法により除去困難であることが明らかとなった。
<参考例4>
使用するN−ビニルカルバゾールを純度90.2%、除去困難な成分Aを0.6%、成分Bを0.9%含むものに変更し、その使用量を16.7gから44.6gに、溶媒をメタノールからn−ヘプタンと変更しその使用量を66.9gとする以外は参考例1と同様に精製を行った所、精製N−ビニルカルバゾール37.4g(精製収率83.9%、LC純度96.6%)で得た。このN−ビニルカルバゾールに含まれる除去困難な成分Aは0.7%、成分Bは1.2%であり、溶媒を変更しても参考例1と同様に他不純物は除去されN−ビニルカルバゾールの純度は向上するものの、除去困難な成分A、Bは相対的に増加し、本精製法により除去困難であることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. 以下式(1)
    Figure 2015101572
    (式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表される化合物を、以下式(2)
    Figure 2015101572
    (式中R、Rは、ともにN原子に隣接する炭素上に分岐を有する炭素数3〜12のアルキル基、または炭素数3〜12の脂環式基を表し、R、Rは同一でも異なっても良い。また、R、Rは他に置換基を有していても良い。)
    で表される2級アミン類存在下、100℃以上で熱分解させることを特徴とする以下式(3)で表されるN−ビニルカルバゾールの製造方法。
    Figure 2015101572
  2. 2級アミン類がジ−tert−ブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミンからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載のN−ビニルカルバゾールの製造方法。
  3. アルカリ金属の水酸化物存在下、カルバゾールと以下式(4)
    Figure 2015101572
    (式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表されるカルボン酸ビニルエステル類を反応させ以下式(1)
    Figure 2015101572
    (式中Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    で表される化合物を製造することを特徴とする請求項1または2記載のN−ビニルカルバゾールの製造方法。
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