JP2015098980A - 情報処理室の空調設備 - Google Patents
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Abstract
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そのため、情報処理室を常温以下に保持するために情報処理室の空調が必要となるが、情報処理機器の発熱量の増大に伴って、情報処理室の空調設備に要する動力も年々増加している。従って、地球環境保全の観点からも、空調動力の削減が求められている。
特許文献4に開示された冷媒蒸発器は、熱交換効率が良いシェルアンドプレート式熱交換器で構成された満液式蒸発器であり、冷媒蒸発器の内部で気化した冷媒ガスが冷媒回路に戻る出口通路にフィルタ式の液滴分離器が設けられている。また、熱交換される2種の冷媒の熱交換流路が形成されたプレート重合体と筒状のハウジングの隔壁との間に形成された空間に充填材を充填している。
また、特許文献3に開示された冷媒蒸発器の邪ま板では、冷媒ガスに含まれる液滴を分離する分離効果は高くなく、圧縮機への液バックが起るおそれがある。また、特許文献4に開示された冷媒蒸発器のフィルタ式液滴分離器では、圧力損失が増大し、運転動力が増加するおそれがある。
また、一次冷媒として冷却能力が大きいNH3を用い、二次冷媒として無害かつ安定した流動特性をもつCO2を用いることで、冷却効率を向上できる。
さらに、本発明では、CO2冷媒が常温、例えば15〜25℃に、好ましくは(20±2)℃に保持されるように二次冷媒回路の圧力を調整し、情報処理室に設けられた冷却器に供給されるCO2を常温に保持している。CO2冷媒を高い温度に保持しているので、空調設備のCOPを向上できる。
特に、サーバ室を空調する場合、二次冷媒回路を流れるCO2の圧力制御により、CO2の温度を(20±2)℃に制御することで、サーバ室を電子回路に最適な温度環境に保持できる。
スーパーコンピュータ用CPUなどは高熱を発する。前記実施態様によれば、CO2の蒸発潜熱によって電子回路を直接冷却できるので、冷却水などの顕熱冷却と比べ、冷却効果を飛躍的に向上できる。また、システムボードの熱を一切外部に出さないコンパクトな冷却手段を実現できる。
かかる空気循環流を形成することで、情報処理室の内部を、前記冷気通路の入口側に形成されるコールド領域と、前記冷気通路の出口側に形成されるホット領域とに区分けできる。これによって、温度差をもつ空気が混じり合うことなく循環するので、情報処理室の内部を効率良く冷却できる。
即ち、蒸発式凝縮器を用いることで、外気温度が高くても、蒸発式凝縮器によって低い湿球温度でNH3冷媒を冷却できる。そのため、フリークーリング運転を行う期間を長くすることができ、コスト低減が可能となる。
本実施態様では、蒸発式凝縮器によって、NH3冷媒に加えて、CO2冷媒を直接外気で冷却できる。即ち、外気温度が高くても、蒸発式凝縮器で低い湿球温度で直接CO2冷媒を冷却できるので、フリークーリング運転を行う期間をさらに長くすることができる。さらに、NH3冷媒の自然循環運転と組み合わせることで、フリークーリング運転期間をさらに長期化できる。
また、NH3冷媒ガスが上昇してNH3ガス導入孔に到達する流路の途中に、特許文献4に開示されたフィルタ式液滴分離器を設けていないので、圧力損失を低減できる。そのため、冷凍サイクルのCOPを向上できる。
これによって、該散布孔からNH3冷媒液をプレート重合体に対し軸方向に均一に散布できるので、NH3冷媒とCO2冷媒との熱交換効率を向上できる。そのため、中空容器へのNH3冷媒の供給量を低減できると共に、一次冷媒回路全体のNH3冷媒量を低減できる。
次に、本発明の第1実施形態に係るサーバ室の空調設備の構成を図1〜図6により説明する。図1は本実施形態に係る空調設備10Aの全体構成図である。空調設備10Aは、冷凍サイクルを構成する一次冷媒回路12と、サーバ室34の空調を行う二次冷媒回路14とを備えている。一次冷媒回路12には、一次冷媒としてNH3冷媒が循環すると共に、冷凍サイクルを構成する機器として、圧縮機16、蒸発式凝縮器(エバコン)18、NH3レシーバ20、膨張弁22及びCO2液化器24が設けられている。なお、蒸発式凝縮器18はCO2液化器24より上方位置、例えばサーバ室34の屋上に設けられる。
二次冷媒回路14は、CO2冷媒の蒸発温度が常温に設定されるように高圧に保持されている。例えば、CO2冷媒の蒸発温度を22℃とするためには、5.9MPaに調整される。
CO2レシーバ30内のCO2冷媒液は、二次冷媒回路14を介して冷却器36に送られる。冷却器36でCO2冷媒液はサーバ室34内の空気と熱交換し、その蒸発潜熱でサーバ室34内の空気を冷却し一部が気化する。
図4に示すように、NH3散布管60には、下方に向けて多数の細径の散布孔60aが軸方向に2列に形成されている。
図6は中空ハウジング68の上面図である。図6に示すように、中空ハウジング68の上面には、長手方向に軸対称に2列に配置された多数のNH3ガス導入孔68cが形成されている。
また、CO2導入管72の下方の側壁にCO2導出口76が形成され、CO2導出口76にCO2導出管78が形成されている。CO2導出管78はCO2循環路42に接続され、プレート重合体52の内部にCO2導出管78と各プレート54の表裏面に形成されたCO2冷媒の熱交換流路とを連通するCO2流路80が形成されている。
かかるシェルアンドプレート式熱交換器のプレート重合体52の構成は従来公知である(例えば特開2012−57900号公報参照)。
フリークーリング運転では、CO2液化器24で気化したNH3冷媒ガスはサーモサイフォン作用でバイパス路26aを上昇する。蒸発式凝縮器18で液化したNH3冷媒液は、その重力で一次冷媒回路12及びバイパス路26bを流下し、CO2液化器24に戻る。
外気温度が20℃(例えば、WB15℃・相対湿度60%)以上の場合には、切換弁28a及び28bを閉じ、圧縮機16を稼働させる運転を行う。
さらに、二次冷媒回路14内を高圧(5.9MPa)に保持することでCO2冷媒を常温(22℃)に調整し、冷却器36におけるCO2冷媒の蒸発温度が常温(22℃)となるように調整しているので、サーバ室34内の空気をCO2冷媒の蒸発潜熱で容易に常温(例えば25℃)に冷却できる。また、二次冷媒回路14に常温のCO2冷媒が流れるので、結露が発生するおそれがなく、万一、サーバ室34内でCO2冷媒が漏洩しても、気化するので情報処理機器を損傷するおそれがない。
また、外気温度が常温(20℃)以下のとき、圧縮機16の運転を止め、フリークーリング運転を行い、蒸発式凝縮器18において、常温以下の外気aでNH3冷媒を冷却すると共に、CO2液化器24と蒸発式凝縮器18との間で、NH3冷媒をサーモサイフォン作用を利用して自然循環させるようにしているので、圧縮機16の動力を節減できCOPを向上できる。
また、NH3散布管60によりNH3冷媒液をプレート重合体52の軸方向に均一にかつプレート重合体52の上面に広く散布できるので、NH3冷媒とCO2冷媒との熱交換効率を向上できる。そのため、中空容器50へ供給するNH3冷媒量を低減できると共に、一次冷媒回路12を流れるNH3冷媒量を低減できる。
また、中空ハウジング68の横断面を、横方向に長い長辺を有する矩形状に形成したことで、中空ハウジング68が下方へ突出しない。そのため、中空容器50の容積を低減でき、その分NH3冷媒の供給量を低減できる。また、中空ハウジング68の横断面を横方向へ広げてあるので、中空ハウジング68の内部を通るNH3冷媒ガスの圧力損失を低減でき、これによって、圧縮機16の動力を低減できる。
さらに、中空ハウジング68及びNH3散布管60をタップ溶接wで一体に形成したので、中空容器への中空ハウジング及び冷媒散布管の取付けが容易になる。
次に、本発明の第2実施形態を図7及び図8に基づいて説明する。図7は、サーバラック40にCPUを内蔵したシステムボード90が収納された状態を示している。システムボード90間には隙間が形成されている。本実施形態の空調設備10Bは、システムボード90には、冷却板92が冷却板92の冷却面の全面がシステムボード90に接するように固定されている。サーバラック40の上方には第1実施形態と同様の冷却器36及び送風機38が設置されている。冷却器36には二次冷媒回路14からCO2液が導入され、CO2液はサーバ室34内の空気と熱交換し、室内空気を冷却する。
また、冷却器36から出たコールド流cfとしシステムボード90から出たホット流hfとをサーバラック40内で別な領域に区分けして形成しているので、これらの空気流が混じり合うことがない。そのため、サーバ室34の冷却効率を向上できる。
次に、本発明の第3実施形態に係る空調設備を図9により説明する。本実施形態に係る空調設備10Cには、バイパス路110が設けられている。バイパス路110は、冷却器36の下流側で二次冷媒回路14から分岐し、蒸発式凝縮器18に設けられた伝熱管112に接続されている。また、CO2レシーバ30をバイパスするように、伝熱管112からCO2レシーバ30の下流側の二次冷媒回路14に接続されている。バイパス路110及び二次冷媒回路14には、CO2冷媒の流れをどちらかの流路に切り替えるための切換弁114及び116が設けられている。また、第1実施形態の空調設備10Aに設けられたバイパス路26a及び26bは除去されている。その他の構成は第1実施形態と同一である。
外気温度が20℃(WB+15℃)以下のとき、圧縮機16を停止させ、切換弁114を開、切換弁116を閉に切り替え、CO2冷媒をバイパス路110に流入させる。冷却器36で室内空気を冷却させた後の気液二相流のCO2冷媒は、サーモサイフォン作用を利用した自然循環によりバイパス路110を上昇し蒸発式凝縮器18に至る。そして、蒸発式凝縮器18で外気aで冷却され液化される。液化されたCO2冷媒は重力で二次冷媒回路14を流下し、CO2レシーバ30に戻る。
次に、本発明の第4実施形態を図10に基づいて説明する。本実施形態の空調設備10Dは、前記第1実施形態のバイパス路26a及び26bを設け、これらバイパス路に夫々流量調整弁120a及び120bを設けている。また、前記第3実施形態と同様に、バイパス路110及び伝熱管112を設けると共に、バイパス路110に流量調整弁122を設けると共に、二次冷媒回路14に流量調整弁124を設けている。さらに、外気aの温度及び湿度を検出する温度湿度センサ126で、検出値が入力され、該検出値に基づいて流量調整弁120a、120b、122及び124の開度を調整する制御装置128が設けられている。その他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同一である。
そのため、前記第1実施形態で得られる作用効果に加えて、二次冷媒回路14を流れるCO2冷媒の温度を常温に保持しつつ、外気aによるNH3冷媒やCO2冷媒の冷却作用を一層利用できるので、フリークーリング運転期間をさらに延ばすことができる。
なお、本実施形態の構成と前記第2実施形態の構成とを組み合わせることで、フリークーリング運転期間をさらに延長できると共に、システムボード90の冷却効果を増すことができる。
12 一次冷媒回路
14 二次冷媒回路
16 圧縮機
18 蒸発式凝縮器
20 NH3レシーバ
22 膨張弁
24 CO2液化器
26a、26b バイパス路(NH3バイパス路)
28a、28b、114、116 切換弁(切換機構)
30 CO2レシーバ
34 サーバ室
36 冷却器
38 送風機
40 サーバラック
42 CO2循環路
50 中空容器
50a 上壁
52 プレート重合体
54 プレート
56 NH3導入口
58 NH3導入管
60 NH3散布管
60a 散布孔
64 NH3導出口
66 NH3導出管
68 中空ハウジング
68a 長辺
68b 短辺
68c NH3導入孔
70 CO2導入口
72 CO2導入管
74 CO2流路(冷媒導入路)
76 CO2導出口
78 CO2導出管
80 CO2流路(冷媒導出路)
82a、82b、84a、84b ステー
86 充填材
90 システムボード
92 冷却板
94 CO2分岐路
96 CO2枝路
98a、98b、120a、120b、122、124 流量調整弁
100 CO2管
102 温度センサ
104、128 制御装置
110 バイパス路(CO2バイパス路)
112 伝熱管
126 温度湿度センサ
a 外気
cf コールド流(第1の冷気流)
cw 冷気通路
hf ホット流(第2の冷気流)
s1、s2 空間
Claims (8)
- 冷凍サイクルを構成する一次冷媒回路と、該一次冷媒回路と熱交換器を介して接続されると共に、情報処理室に導設されて情報処理室内を冷却する二次冷媒回路とを有する情報処理室の空調設備であって、
一次冷媒としてNH3冷媒が循環し、冷凍サイクル構成機器を有する一次冷媒回路と、
二次冷媒としてCO2冷媒が循環し、CO2冷媒が常温に保持されるように圧力調整された二次冷媒回路と、
前記一次冷媒回路に前記冷凍サイクル構成機器として設けられた圧縮機、NH3冷媒を外気で冷却する蒸発式凝縮器及び膨張弁と、
前記一次冷媒回路及び前記二次冷媒回路が接続され、NH3冷媒とCO2冷媒とを熱交換させCO2冷媒を液化させる前記熱交換器としてのCO2液化器と、
前記情報処理室内に設けられると共に、前記二次冷媒回路が接続され、常温に保持されたCO2冷媒液が供給されて前記情報処理室内を常温に冷却する冷却器とを備えていることを特徴とする情報処理室の空調設備。 - 前記情報処理室の内部に収納され電子回路を内蔵したシステムボードの表面に固定され、内部にCO2流路が形成された冷却板と、
前記二次冷媒回路から分岐して前記冷却板に形成されたCO2流路に接続されたCO2分岐路とをさらに備え、
前記二次冷媒回路を流れる常温のCO2冷媒液を前記CO2流路に循環させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の情報処理室の空調設備。 - 前記情報処理室の内部で情報処理機器が収納された多数のラックが列状に並べて配置されると共に、前記情報処理機器の間に多数の冷気通路が並列に形成され、
前記冷却器で冷却された冷気が前記多数の冷気通路の同一側から前記多数の冷気通路に入る第1の冷気流と、前記多数の冷気通路に入った冷気が前記多数の冷気通路の同一側から出て前記冷却器に戻る第2の冷気流とからなる空気循環流が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理室の空調設備。 - 前記蒸発式凝縮器が前記CO2液化器より上方に設けられ、
前記一次冷媒回路は前記圧縮機及び前記膨張弁を迂回するNH3バイパス路と、前記一次冷媒回路と前記NH3バイパス路とを切り換える切換機構とを有し、
前記NH3バイパス路でNH3冷媒を自然循環させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理室の空調設備。 - 前記蒸発式凝縮器が前記CO2液化器より上方に設けられ、
前記二次冷媒回路は前記CO2液化器を迂回して前記蒸発式凝縮器に導設されるCO2バイパス路と、前記二次冷媒回路と前記CO2バイパス路と切り換える切換機構と、前記蒸発式凝縮器に設けられ前記CO2バイパス路と接続された熱交換管とを有し、
前記CO2バイパス路でCO2冷媒を自然循環させるようにしたことを特徴とする請求項1又は4に記載の情報処理室の空調設備。 - 前記CO2液化器は、
NH3冷媒が導入される筒状の中空容器と、
該中空容器の内部に配置され、表裏面にNH3冷媒及びCO2冷媒の熱交換流路を形成する凹凸が形成された多数のプレートが重ね合されたプレート重合体と、
前記プレート重合体の上方空間に前記中空容器の上部隔壁に対向配置され、上面に形成されたNH3ガス導入孔及び前記一次冷媒回路に接続されたNH3ガス導出管を有する中空ハウジングと、
前記プレート重合体の内部に、前記二次冷媒回路と前記多数のプレートに形成されたCO2冷媒の熱交換流路とを連通させるCO2導入路、及び前記CO2冷媒の熱交換流路と前記二次冷媒回路とを連通させるCO2導出路とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理室の空調設備。 - 前記中空ハウジングは、前記中空容器の上部隔壁に対向配置されて前記中空容器の軸方向に延設され、
前記中空ハウジングの下面に該中空ハウジングの長手方向に向けて配置され、NH3冷媒を前記プレート重合体に向けて散布する散布孔を有するNH3散布管をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の情報処理室の空調設備。 - 前記中空ハウジングの側方隔壁と前記プレート重合体との間に形成された空間に充填材が充填されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の情報処理室の空調設備。
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