JP2015096280A - 工作機械 - Google Patents

工作機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2015096280A
JP2015096280A JP2013236541A JP2013236541A JP2015096280A JP 2015096280 A JP2015096280 A JP 2015096280A JP 2013236541 A JP2013236541 A JP 2013236541A JP 2013236541 A JP2013236541 A JP 2013236541A JP 2015096280 A JP2015096280 A JP 2015096280A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool
torque
magazine
spindle
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013236541A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6268961B2 (ja
Inventor
裕 栗林
Yutaka Kuribayashi
裕 栗林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2013236541A priority Critical patent/JP6268961B2/ja
Publication of JP2015096280A publication Critical patent/JP2015096280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6268961B2 publication Critical patent/JP6268961B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Tool Replacement In Machine Tools (AREA)

Abstract

【課題】工具交換時において、主軸に工具を装着する際の衝撃を軽減できる工作機械を提供する。【解決手段】工具マガジン回転後(S6:YES)、主軸のテーパ穴の位置に対し、工具ホルダのテーパ装着部の位置がずれる場合がある。主軸ヘッドはATC原点から下降を開始し(S7)、主軸ヘッドが所定位置に到達した時(S8:YES)、CPUはマガジンモータ55の位置制御を第2制御に切り替える(S9)。所定位置は、テーパ穴にテーパ装着部が進入し、テーパ穴の内周面にテーパ装着部の外周面が当接する直前の位置である。第2制御でマガジンモータが減速機に付与するトルクは第1制御で減速機に付与するトルクよりも低下する。工具マガジンは外部付勢により回転可能な状態となり、テーパ穴の内周面に沿って、テーパ装着部の外周面は摺動する。テーパ装着部はテーパ穴に対して無理なく装着する。【選択図】図5

Description

本発明は、工具交換可能な工作機械に関する。
工作機械は主軸ヘッド、主軸、工具交換装置を備える。主軸ヘッドは基台部上に立設するコラムに沿って昇降可能に設け、主軸を回転可能に支持する。特許文献1は工具マガジンを備える工具交換装置を開示する。工具マガジンは一軸線を中心に回転する円盤状で主軸ヘッド前方に配置し、外周に複数のグリップアームを備える。グリップアームは工具を脱着可能に把持する。マガジンモータは減速機を介して工具マガジンに接続する。減速機はマガジンモータの回転を工具マガジンに伝える。工作機械はマガジンモータの位置制御により、減速機を介して工具マガジンの回転割出を行う。
工具交換時、主軸ヘッドはワークの加工位置からZ軸原点を通過して上昇する。グリップアームは主軸に装着した使用済みの現工具を把持する。主軸ヘッドは更に上昇して主軸から工具を抜き取り、ATC原点まで上昇する。工具マガジンはマガジンモータの位置制御により回転し、次に使用する工具を把持したグリップアームを主軸直下に移動する。主軸ヘッドはATC原点から下降し、グリップアームは次に使用する工具を主軸に装着する。主軸ヘッドはZ軸原点まで下降する。
特開2012−206227号公報
主軸と工具マガジンの相対位置の精度は重要である。相対位置の精度は減速機に大きく依存する。工具マガジン回転後、主軸に対して、グリップアームが把持する次に使用する工具の位置がずれた場合、主軸に対して工具を装着する際の衝撃は大きくなる。原因は主軸と工具マガジンの夫々の剛性による。主軸、工具マガジン、及び減速機は大きな負荷を受けるので、故障の原因となる可能性があった。
本発明の目的は、工具交換時において、主軸に工具を装着する際の衝撃を軽減できる工作機械を提供することにある。
本発明の請求項1に係る工作機械は、工具を装着してワークを加工する主軸と、前記主軸に装着する前記工具を格納する格納部と、前記格納部に格納した前記工具を所定位置に搬送する搬送機構と、前記搬送機構を駆動する搬送モータと、前記搬送モータの前記搬送機構に付与するトルクを制御するトルク制御手段と、前記搬送機構が前記所定位置に搬送した前記工具を前記主軸に装着する装着手段とを備えた工作機械において、前記トルク制御手段は、前記搬送機構によって前記工具を前記所定位置に搬送後、前記トルクを少なくとも前記工具の搬送時に前記搬送機構に付与する搬送トルクよりも下げるトルク低下手段を備えたことを特徴とする。搬送機構が工具を所定位置に搬送後、トルク低下手段は、搬送モータのトルクを搬送トルクよりも下げる。故に、工具交換において、主軸に対して所定位置に搬送した工具の位置がずれている場合でも、工具の位置は主軸の位置にならって移動できる。故に工作機械は搬送機構にかかる負荷を低減できる。工作機械は、主軸に工具を装着する際に、主軸、格納部、及び搬送機構にかかる衝撃を小さくできるので、各部位の故障を防止できる。工作機械は、搬送機構の従来の位置決め精度でも、主軸に対して工具を良好に装着できるので、搬送機構の位置決め精度向上の為のコストを低減できる。
請求項2に係る発明の工作機械は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記トルク低下手段は、前記搬送機構によって前記工具を前記所定位置に搬送後、前記装着手段が前記所定位置に搬送した前記工具を前記主軸に装着する直前に、前記トルクを前記搬送トルクよりも下げることを特徴とする。トルク低下手段は、工具を主軸に装着する直前にトルクを搬送トルクよりも下げるので、所定位置にある工具を主軸に装着する直前まで、搬送機構には搬送トルクが付与されている。故に、工作機械は主軸に工具が装着する直前までにおいて、搬送機構が外部衝撃により不安定に動いてしまうのを防止できる。
請求項3に係る発明の工作機械は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記格納部は、一軸線を中心に回転可能な円盤状の本体部と、該本体部の外周に備え、前記工具を保持する複数のグリップアームとを備えた工具マガジンであって、前記搬送機構は、前記搬送モータの回転速度を減じて、前記工具マガジンを周方向に回転させ、前記複数のグリップアームのうち一のグリップアームが保持する前記工具を前記所定位置に位置決めする減速機であって、前記主軸は、自身の軸方向で、原点位置よりも前記ワーク側で前記ワークに対する加工動作を行う加工領域と、前記原点位置よりも前記加工領域とは反対側の領域で、前記格納部に格納した前記工具との工具交換を行う工具交換領域との間を移動可能であって、前記装着手段は、前記工具交換領域において、前記主軸を、前記搬送機構が前記所定位置に搬送した前記工具に向けて移動させることにより、前記主軸に前記工具を装着することを特徴とする。本発明はタレット式の工具マガジンを備える工作機械に適用可能である。従来の減速機の位置決め精度でも、主軸に対して工具を良好に装着できる。
請求項4に係る発明の工作機械は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記トルク制御手段は、前記トルク低下手段が前記トルクを前記搬送トルクよりも下げた後、前記工具交換領域から前記原点位置に移動した場合に、前記トルクを少なくとも前記搬送トルクまで復帰するトルク復帰手段を備えたことを特徴とする。)工具を装着する際に下げたトルクは原点位置で復帰する。原点位置に移動後、搬送機構には搬送トルクが付与されるので、搬送機構が外部衝撃により不安定に動いてしまうのを防止できる。
請求項5に係る発明の工作機械は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記搬送機構にかかるトルクを検出するトルク検出手段と、前記搬送機構によって前記工具を前記所定位置に搬送後、前記トルク検出手段が検出した前記トルクは所定値以上か否か判断する判断手段とを備え、前記トルク低下手段は、前記判断手段が前記トルクは前記所定値以上と判断した場合に、前記トルクを少なくとも前記搬送トルクよりも下げることを特徴とする。トルク検出手段が所定値以上のトルクを検出した場合、主軸に対して所定位置に搬送した工具の位置はずれている可能性がある。所定値以上のトルクを検出した場合、工作機械はトルクを少なくとも搬送トルクよりも下げる。工具の位置は主軸の位置にならって移動できる。故に工作機械は搬送機構にかかる負荷を低減できる。
工作機械1の斜視図。 主軸ヘッド7周囲の一部破断図。 工作機械1と数値制御装置30の電気的構成を示すブロック図。 CPU31と駆動回路55Aによるマガジンモータ55の位置制御の概要を説明する為のブロック図。 工具交換処理の流れ図。 工具交換動作における主軸ヘッド7の昇降動作を示す図。 Z490の主軸ヘッド7周囲の一部破断図。 Z500の主軸ヘッド7周囲の一部破断図。 Z510の主軸ヘッド7周囲の一部破断図。 Z615(ATC原点)の主軸ヘッド7周囲の一部破断図。 工具交換処理の変形例の流れ図。
本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。以下の説明は、図中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向は、夫々、工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。
図1を参照し、工作機械1の構造を説明する。工作機械1は、基台2、機械本体3、テーブル10、工具交換装置20等を備える。基台2は鉄製の略直方体状の土台である。機械本体3は基台2上部後方に設け、テーブル10上面に保持したワーク(図示略)を切削する。テーブル10は基台2上部中央に設け、X軸モータ53、Y軸モータ54(図3参照)、ガイド機構(図示略)により、X軸方向とY軸方向に移動可能である。工具交換装置20は機械本体3上部に設けたフレーム8に固定し、機械本体3の主軸9に装着した工具4を他の工具と交換する。
工作機械1は操作パネル(図示略)を備える。操作パネルは入力部24と表示部25(図3参照)を備える。作業者は入力部24により、NCプログラム、工具の種類、工具情報、各種パラメータ等を入力する。作業者が入力部24を操作すると、表示部25は各種入力画面又は操作画面等を表示する。
図1を参照し、機械本体3の構成を説明する。機械本体3は、コラム5、主軸ヘッド7、主軸9、制御箱6等を備える。コラム5は基台2上部後方に立設する。主軸ヘッド7はコラム5前面に沿ってZ軸方向に昇降可能である。主軸ヘッド7は内部に主軸9を回転可能に支持する。主軸9は工具ホルダ17(図2参照)を装着し、主軸モータ52(図2,図3参照)の駆動により高速回転する。主軸モータ52は主軸ヘッド7上部に設ける。工具ホルダ17は工具4を保持する。制御箱6は数値制御装置30(図3参照)を格納する。数値制御装置30は工作機械1の動作を制御する。
図2に示す如く、主軸ヘッド7はコラム5前面に設けたZ軸移動機構によりZ軸方向に昇降する。Z軸移動機構は一対のZ軸リニアガイド(図示略)、Z軸ボール螺子26(図2参照)、Z軸モータ51(図3参照)を備える。Z軸リニアガイドはZ軸方向に延出し且つ主軸ヘッド7をZ軸方向に案内する。Z軸ボール螺子26は一対のZ軸リニアガイドの間に配置し、上側軸受部27と下側軸受部(図示略)によって回転可能に設ける。主軸ヘッド7は背面にナット29(図2参照)を備える。ナット29はZ軸ボール螺子26に螺合する。Z軸モータ51はZ軸ボール螺子26を正逆方向に回転する。故に主軸ヘッド7はナット29と共にZ軸方向に移動する。
図2を参照し、主軸ヘッド7の内部構造を説明する。主軸ヘッド7は前方下部の内側に主軸9を回転可能に支持する。主軸9は上下方向に回転軸を有する。主軸9は主軸モータ52の駆動軸にカップリング23を介して連結する。故に主軸9は主軸モータ52の回転駆動で回転する。主軸9はテーパ穴18とホルダ挟持部材19とドローバー81を備える。テーパ穴18は主軸9の先端部(下端部)に設ける。ホルダ挟持部材19はテーパ穴18の上方に設ける。ドローバー81は主軸9の中心を通る軸穴の中に同軸上に挿入して設ける。
工具ホルダ17は一端側に工具4を保持し、他端側にテーパ装着部17Aとプルスタッド17Bを備える。テーパ装着部17Aは略円錐状である。プルスタッド17Bはテーパ装着部17Aの頂上部から軸方向に突出する。テーパ装着部17Aは主軸9のテーパ穴18に装着する。テーパ穴18にテーパ装着部17Aを装着すると、ホルダ挟持部材19はプルスタッド17Bを挟持する。ドローバー81がホルダ挟持部材19を下方に押圧すると、ホルダ挟持部材19はプルスタッド17Bの挟持を解除する。
主軸ヘッド7は後方上部の内側にクランクレバー60を備える。クランクレバー60は略L字型であり支軸61を中心に揺動自在である。支軸61は主軸ヘッド7内に固定する。クランクレバー60は縦方向レバー63と横方向レバー62を備える。縦方向レバー63は支軸61からコラム5側に対して斜め上方に延びて中間部65で上方に折曲して更に上方に延びる。横方向レバー62は支軸61からコラム5前方に略水平に延びる。横方向レバー62の先端部はドローバー81に直交して突設したピン58に上方から係合可能である。縦方向レバー63は上端部の背面に板カム体66を備える。板カム体66はコラム5側にカム面を備える。板カム体66のカム面は上側軸受部27に固定したカムフォロア67と接離可能である。カムフォロア67は板カム体66のカム面を摺動する。引張コイルバネ(図示略)は縦方向レバー63と主軸ヘッド7との間に弾力的に設ける。クランクレバー60を右側面から見た場合、引張コイルバネはクランクレバー60を時計回りに常時付勢する。故にクランクレバー60は横方向レバー62によるピン58の下方向への押圧を常時解除する。
図6〜図9を参照し、主軸9のテーパ穴18への工具ホルダ17の脱着動作を説明する。図6に示す如く、主軸9のテーパ穴18に、工具ホルダ17のテーパ装着部17Aを装着した状態で、主軸ヘッド7は上昇する。クランクレバー60に設けた板カム体66はカムフォロア67に接触して摺動する。図7に示す如く、後述するグリップアーム90の把持部91は工具ホルダ17を把持し、板カム体66のカム形状に沿ってカムフォロア67は摺動する。クランクレバー60は右側面から見た場合に支軸61を中心に反時計回りに回転する。横方向レバー62はピン58に上方から係合してドローバー81を下方に押圧する。ドローバー81はホルダ挟持部材19を下方に付勢する。ホルダ挟持部材19はプルスタッド17Bの挟持を解除する。図8,図9の順に示す如く、主軸ヘッド7はATC原点まで更に上昇する。工具ホルダ17は主軸9のテーパ穴18から抜ける。主軸9のテーパ穴18に対して、工具ホルダ17の取り外しは完了する。
主軸ヘッド7がATC原点に到達すると、工具交換装置20の後述するマガジンベース71は回転し、工具交換装置20はNCプログラムの制御コマンドが指定する工具を工具交換位置に割り出す。工具交換位置は工具マガジン21の最下方位置で且つ主軸9に近接して対向する位置である。工具交換位置に割り出した工具は、ATC原点に移動した主軸ヘッド7の下方に位置する。
次いで、図9,図8の順に示す如く、主軸ヘッド7はATC原点から下降し、主軸9のテーパ穴18に工具ホルダ17のテーパ装着部17Aが進入する。主軸9のテーパ穴18に、工具ホルダ17のテーパ装着部17Aを挿入した状態で、主軸ヘッド7は更に下降する。クランクレバー60に設けた板カム体66はカムフォロア67に摺動する。板カム体66のカム形状に沿ってカムフォロア67が摺動する。図7に示す如く、クランクレバー60は右側面から見た場合に支軸61を中心に時計回りに回転する。故に横方向レバー62はピン58から離れ、ドローバー81の下方への押圧を解除する。ドローバー81はホルダ挟持部材19の下方への付勢を解除し、ホルダ挟持部材19はプルスタッド17Bを挟持する。図6に示す如く、主軸9のテーパ穴18に対して、工具ホルダ17の装着が完了する。
図2を参照し、工具交換装置20の構造を説明する。工具交換装置20は工具マガジン21を備える。工具マガジン21はタレット式である。工具マガジン21はマガジンベース71と複数のグリップアーム90を備える。マガジンベース71は円盤状である。複数のグリップアーム90はマガジンベース71の外周に沿って前後方向に揺動可能に設ける。マガジン支持台45はフレーム8に固定する。フレーム8はコラム5に固定し且つ主軸ヘッド7に近接して配置する。マガジン支持台45は支軸75を回転可能に支持する。支軸75は工作機械1の前方に対して斜め下方に延びる。支軸75はマガジンベース71を回転可能に支持する。マガジンベース71は工作機械1の前方に対して正面を向けて配置する。
図2を参照し、マガジンベース71の構造を説明する。マガジンベース71はボス部73と鍔部72を備える。ボス部73は筒状である。支軸75はボス部73内に挿入する。鍔部72はボス部73の外周面の前端側に軸方向に直交して設ける。ボス部73は後端部に割出円板77を固定する。割出円板77は支軸75を中心とし、背面側(主軸ヘッド7に対向する面)に複数のカムフォロア(図示外)を備える。複数のカムフォロアは複数のグリップアーム90の各位置に夫々対応して配置する。
減速機41はマガジン支持台45の上部に固定する。減速機41は複数のギヤとカム(図示略)を有する。マガジンモータ55は減速機41上部に固定する。マガジンモータ55の回転軸は減速機41と連結する。割出円板77の複数のカムフォロアは減速機41のカムに形成したカム溝(図示外)に夫々嵌合する。故に割出円板77は複数のグリップアーム90の中の一つを割り出し、マガジンベース71の最下方位置に移動できる。
マガジンベース71は裏面外周に沿って複数の支点台78を固定する。支点台78はグリップアーム90を枢支軸85を中心に揺動可能に軸支する。グリップアーム90は一端に把持部91を備える。把持部91は工具を把持可能である。グリップアーム90は枢支軸85の近傍に主軸ヘッド7側に向けてカムフォロア93を回転自在に軸支する。カムフォロア93は主軸ヘッド7の昇降によって、主軸ヘッド7前面に固定されたカム体11の傾斜面を摺動する。グリップアーム90は枢支軸85を中心に揺動する。マガジンベース71の工具交換位置に割り出したグリップアーム90の把持部91は近接位置と退避位置との間を揺動できる。近接位置は主軸9に近接して対向する位置である。退避位置は主軸9から前方に離間する位置である。
グリップアーム90は把持部91とは反対側の他端に、鋼球92を圧縮コイルバネ(図示略)で外側に付勢した状態で出退可能に保持する。ボス部73は断面円弧状の案内面83が周設された円筒状のグリップ支持カラー80を外挿する。グリップアーム90の他端から出退する鋼球92の一部はグリップ支持カラー80の案内面83に弾力的に当接する。案内面83はグリップアーム90の他端側を案内する。故にグリップアーム90は安定して揺動できる。
案内面83は第一ノッチ溝98と第二ノッチ溝99を備える。第一ノッチ溝98は案内面83におけるマガジンベース71の前側に設ける。第二ノッチ溝99は案内面83における主軸ヘッド7側に設ける。第一ノッチ溝98に鋼球92が嵌着すると、把持部91が近接位置に移動した状態で、グリップアーム90は姿勢を保持する。第二ノッチ溝99に鋼球92が嵌着すると、把持部91が退避位置に移動した状態で、グリップアーム90は姿勢を保持する。
図3を参照し、数値制御装置30と工作機械1の電気的構成を説明する。数値制御装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、不揮発性記憶装置34、入出力部35、駆動回路51A〜55A等を備える。CPU31は数値制御装置30を統括制御する。ROM32は制御プログラムと工具交換プログラム等を記憶する。制御プログラムはNCプログラムを解析して実行するものである。工具交換プログラムは後述する工具交換処理(図5参照)を実行するものである。RAM33は各種処理実行中の各種データを一時的に記憶する。不揮発性記憶装置34は作業者が入力部24で入力して登録した複数のNCプログラム等を記憶する。NCプログラムは各種制御指令を含む複数のブロックで構成し、工作機械1の軸移動、工具交換等を含む各種動作をブロック単位で制御するものである。
駆動回路51AはZ軸モータ51とエンコーダ51Bに接続する。駆動回路52Aは主軸モータ52とエンコーダ52Bに接続する。駆動回路53AはX軸モータ53とエンコーダ53Bに接続する。駆動回路54AはY軸モータ54とエンコーダ54Bに接続する。駆動回路55Aはマガジンモータ55とエンコーダ55Bに接続する。駆動回路51A〜55AはCPU31から指令を受け、対応する各モータ51〜55に駆動電流を夫々出力する。駆動回路51A〜55Aはエンコーダ51B〜55Bからフィードバック信号を受け、位置と速度のフィードバック制御を行う。フィードバック信号はパルス信号である。入出力部35は入力部24と表示部25に夫々接続する。
使用者は複数のNCプログラムの中から一のNCプログラムを入力部24で選択可能である。CPU31は選択したNCプログラムを表示部25に表示する。CPU31は表示部25に表示したNCプログラムに基づき、工作機械1の動作を制御する。
図4を参照し、CPU31と駆動回路55Aによるマガジンモータ55の位置制御の概要を説明する。駆動回路55Aは、減算器100、速度変換部101、減算器102、累積部103、加算器104、比例制御部105、速度変換部106、位置変換部107を備える。CPU31は、マガジンモータ55の軸回りの目標位置を定める。目標位置は、工具交換を行う際に、次工具が工具交換位置となるマガジンモータ55の特定位置に設定する。次工具は、NCプログラムの制御コマンドが指定する工具である。CPU31が設定した目標位置と、位置変換部107が出力するマガジンモータ55の検出位置は、減算器100に入力する。減算器100は目標位置−検出位置の演算を行い、演算結果である差分値を速度変換部101へ与える。
速度変換部101は差分値を速度に変換し、該速度を目標速度として減算器102へ出力する。CPU31は周期的にマガジンモータ55へ指令を与えて回転位置を制御する。速度変換部101は差分値と指令を与える周期等に基づき、今周期における目標速度を算出して出力する。
エンコーダ55Bはマガジンモータ55の軸回りの位置に応じた信号を出力する。エンコーダ55Bの入力信号は、速度変換部106と位置変換部107に入力する。速度変換部106はエンコーダ55Bからの入力信号を、マガジンモータ55の速度に変換する。速度変換部101が出力する目標速度と、速度変換部106が出力する検出速度は、減算器102へ入力する。位置変換部107はエンコーダ55Bからの入力信号を、マガジンモータ55の位置に変換する。位置変換部107が出力する検出位置は減算器100へ入力する。減算器102は目標速度−検出速度の演算を行い、演算結果である差分を出力する。減算器102が算出する差分は、マガジンモータ55の目標位置と現位置との差分に応じた値となる。
減算器102が出力する差分は累積部103と加算器104へ与える。累積部103は減算器102が算出した目標速度と検出速度の差分を反復して加算することにより累積値を算出し、算出した累積値を加算器104へ与える。CPU31は、マガジンモータ55の位置制御において、累積部103が算出した累積値を用いるか否かの切替制御を行う。累積部103が算出した累積値を加算器104へ入力する制御は、第1制御である。累積部103が算出した累積値を加算器104へ入力しない制御は、第2制御である。第2制御に切り替えた場合、累積部103は累積値を零に初期化する。CPU31は、工作機械1の状況に応じて第1制御と第2制御の切替を行う。
第1制御に切り替えた場合、加算器104は減算器102が算出した差分と、累積部103が算出した累積値との加算を行い、合計値を速度指令として比例制御部105へ与える。第2制御に切り替えた場合、加算器104は減算器102が算出した差分のみを速度指令として比例制御部105へ与える。比例制御部105は速度指令に基づき、該速度に比例するトルクを算出し、算出したトルクをトルク指令としてマガジンモータ55に出力する。マガジンモータ55はトルク指令に基づき、軸回りの特定位置へ回転する。マガジンモータ55は減速機41を介して工具マガジン21を回転し、次工具を工具交換位置に搬送する。以上のように、CPU31と駆動回路55Aはマガジンモータ55のフィードバック制御を行う。
図4〜図9を参照し、CPU31が実行する工具交換処理を説明する。以下説明では、Z軸の機械原点をZ軸原点という。機械原点とは、X軸、Y軸の機械座標が零である位置、Z軸の機械座標がワークを加工可能な上限位置となる位置である。本実施形態では、説明の便宜上、Z180を加工位置、Z480をZ軸原点、Z615をATC原点とする。Z軸原点よりもテーブル10側の領域は加工領域、Z軸原点よりも加工領域とは反対側の領域は工具交換領域である。加工領域はワークの加工動作を行う為の領域である。工具交換領域は工具交換装置20による工具交換を行う為の領域である。
本実施形態は更にZ510を所定位置とする。所定位置は、主軸ヘッド7のATC原点からの下降時にて、主軸9のテーパ穴18に、工具ホルダ17のテーパ装着部17Aが進入し、テーパ穴18の内周面に、テーパ装着部17Aの外周面が当接する直前の位置とする。図6の矢印は主軸ヘッド7の移動を示す。Z軸はテーブル10上面を基準(零)とする。Z490はテーブル10上面から490mm高い位置を示し、他のZ180、Z480等のZの後の数値はテーブル上面からの高さを示す。尚、図5はNCプログラム中の工具交換指令が実行される時に起動する。
CPU31は工作機械1の起動時、マガジンモータ55の位置制御を第1制御に切り替え、原点検出を行う。CPU31は制御プログラムでNCプログラムを一ブロック毎に実行し、テーブル10上に固定するワークの切削加工を行う。工具交換を指示する制御コマンドを読み込んだ場合、CPU31はROM32から工具交換プログラムを読み込んで工具交換処理を実行する。工具交換処理は工具交換動作を実行するものである。工具交換動作は上昇工程、マガジン回転工程、下降工程の順に実行する。
[上昇工程]
CPU31は主軸ヘッド7のZ軸原点への移動を開始し、且つ主軸9のオリエント動作を実行する(S1)。オリエント動作は主軸9の回転角度位置を、工具交換を行う位置に停止する動作である。CPU31はZ軸モータ51を回転する。CPU31は加工位置であるZ180から主軸ヘッド7の上昇を開始する。CPU31はZ軸原点(Z480)への移動を完了したか否か判断する(S2)。Z軸原点への移動を完了するまでは(S2:NO)、CPU31はS2に戻り主軸ヘッド7の上昇を継続する。
Z軸原点への移動を完了した場合(S2:YES)、CPU31は続いて主軸ヘッド7のATC原点への移動を開始する(S3)。主軸ヘッド7がZ軸原点からATC原点まで上昇する間、図7に示す如く、板カム体66はカムフォロア67に当接する。図7〜図8の順に示す如く、主軸ヘッド7の上昇により、カムフォロア93は主軸ヘッド7前面に固定されたカム体11の傾斜面を上部から下方に向けて摺動する。グリップアーム90は枢支軸85を中心に揺動する。マガジンベース71の最下方位置である工具交換位置に割り出したグリップアーム90の把持部91は、主軸9の近接位置に移動する。把持部91は主軸9に装着した工具ホルダ17を把持する。
一方、図7〜図8の順に示す如く、板カム体66はカムフォロア67に接触して上方に摺動する。板カム体66のカム形状に沿ってクランクレバー60は揺動する。クランクレバー60は右側面から見た場合に、支軸61を中心に反時計回りに回転する。横方向レバー62はピン58に係合してドローバー81を下方に押圧する。ドローバー81はホルダ挟持部材19を下方に付勢する。ホルダ挟持部材19はプルスタッド17Bの挟持を解除する。工具ホルダ17は主軸9のテーパ穴18から取り外し可能となる。図9に示す如く、主軸ヘッド7は更に上昇する。グリップアーム90の把持部91は主軸9のテーパ穴18から工具ホルダ17を引き抜く。主軸ヘッド7はATC原点に向けて更に上昇する。
CPU31は主軸ヘッド7がATC原点(Z615)への移動が完了したか否か判断する(S4)。ATC原点への移動が完了するまでは(S4:NO)、CPU31はS4に戻り、主軸ヘッド7の上昇を継続する。
[マガジン回転工程]
ATC原点への移動が完了した場合(S4:YES)、主軸ヘッド7の上昇工程は完了したので、CPU31はマガジンモータ55の位置制御を行い、次工具を工具交換位置に割り出すまで、工具マガジン21を回転する(S5)。マガジンモータ55の位置制御は上記の通り、累積部103の累積値を用いる第1制御で行う。故に工具マガジン21の次工具を工具交換位置に割り出すまでの回転を高速化及び高精度化できる。CPU31は工具マガジン21の回転が完了したか否か判断する(S6)。工具マガジン21の回転が完了するまで(S6:NO)、CPU31はS6に戻り工具マガジン21を回転し続ける。
[下降工程]
工具マガジン21の回転が完了した場合(S6:YES)、CPU31はATC原点で停止する主軸ヘッド7のZ軸原点(Z480)への移動を開始する(S7)。主軸ヘッド7はZ615から下降する。該区間では、図9に示す如く、板カム体66はカムフォロア67に対し下方に摺動するが、クランクレバー60は揺動しない。
CPU31は主軸ヘッド7が所定位置に到達したか否か判断する(S14)。図9に示す如く、主軸ヘッド7が所定位置に到達した時の状態は、主軸9のテーパ穴18に、工具ホルダ17のテーパ装着部17Aが進入し、テーパ穴18の内周面に、テーパ装着部17Aの外周面が当接する直前の状態である。主軸ヘッド7が所定位置に到達するまで(S8:NO)、CPU31はS8に戻り主軸ヘッド7の下降を継続する。主軸ヘッド7が所定位置に到達した場合(S8:YES)、CPU31はマガジンモータ55の位置制御を、第1制御から第2制御に切り替える(S9)。
工具交換の際、主軸9のテーパ穴18に対し、工具マガジン21を回転して工具交換位置に搬送した工具ホルダ17のテーパ装着部17Aの位置がずれる場合がある。ずれが生じた状態で、テーパ装着部17Aがテーパ穴18に進入すると、テーパ穴18の内周面とテーパ装着部17Aの外周面は互いに干渉する。そこで、CPU31は、上記の通り、テーパ穴18の内周面とテーパ装着部17Aの外周面が当接する直前に、マガジンモータ55の位置制御を第2制御に切り替える。
第2制御では、累積部103が算出した累積値を加算器104へ入力しないので、比例制御部105がマガジンモータ55へ出力するトルク指令のトルクは、搬送トルクよりも低下する。搬送トルクとは、第1制御で工具マガジン21を回転して次工具を搬送する際に、比例制御部105が出力するトルク指令のトルクである。故に、工具マガジン21は外部付勢に応じて減速機41のトルクに逆らって回転可能な状態となる。テーパ穴18の内周面に沿って、テーパ装着部17Aの外周面は摺動する。工具マガジン21はテーパ装着部17Aによって付勢され、位置ずれを補正する方向に回転する。故に工具マガジン21はテーパ穴18に対して工具ホルダ17の位置を合わせることができる。テーパ穴18に対し、テーパ装着部17Aは正常に装着する。
上記のように、マガジンモータ55から減速機41にかけるトルクが低下すると、工具マガジン21から減速機41に逆向きのトルクをかけた場合に、減速機41は該逆向きのトルクにならって状態を保持する。故に工作機械1は減速機41にかかる負荷を軽減できる。更に、テーパ穴18の位置に対して、テーパ装着部17Aの位置を合わせるので、工作機械1は主軸9にかかる負荷を軽減できる。更に、工具マガジン21は位置ずれを補正する方向に回転するので、工作機械1は工具マガジン21のグリップアーム90にかかる負荷を軽減できる。
テーパ穴18に対し、テーパ装着部17Aが装着後、グリップアーム90の把持部91は退避位置に移動し、主軸ヘッド7はZ軸原点(Z480)に向けて下降を継続する。CPU31は主軸ヘッド7がZ軸原点を通過したか否か判断する(S10)。主軸ヘッド7がZ軸原点に到達するまで(S10:NO)、CPU31はS10に戻り主軸ヘッド7の下降を継続する。主軸ヘッド7がZ軸原点に到達した場合(S10:YES)、テーパ穴18に対し、テーパ装着部17Aは確実に装着している。CPU31はマガジンモータ55の位置制御を再び第1制御に切り替える(S11)。第1制御では、累積部103が算出した累積値を加算器104へ入力するので、比例制御部105がマガジンモータ55へ出力するトルク指令のトルクは上昇する。故に工具マガジン21は外部付勢があっても回ることなく自身の位置を安定して保持できる。CPU31は工具交換処理を終了する。
以上説明にて、工具マガジン21は本発明の格納部に相当し、減速機41は本発明の搬送機構に相当し、マガジンモータ55は本発明の搬送モータに相当し、主軸ヘッド7とグリップアーム90は本発明の装着手段に相当し、CPU31は本発明のトルク制御手段に相当し、S9の処理を実行するCPU31は本発明のトルク低下手段に相当し、S11の処理を実行するCPU31は本発明のトルク復帰手段に相当する。工具交換位置は本発明の所定位置に相当する。
以上説明したように、本実施形態の工作機械1は工具交換装置20により主軸9に装着する工具4の工具交換が可能である。工具交換装置20は、工具マガジン21、減速機41、マガジンモータ55等を備える。工具マガジン21は一軸線を中心に回転可能である。減速機41は、複数のギヤ等でマガジンモータ55の回転速度を減じて、工具マガジン21を回転する。工作機械1はマガジンモータ55の位置制御を行い、減速機41を介して、工具マガジン21の回転位置を制御し、NCプログラムが指定する次工具を工具交換位置に割り出す。工作機械1は、NCプログラムの制御コマンドが指定する特定位置と現位置との差分に基づき、マガジンモータ55のフィードバック制御を行う。フィードバック制御では、更に、特定位置と現位置との差分の累積値を算出し、この累積値を考慮した第1制御と、累積値を考慮しない第2制御との切替えを行う。
工具交換工程は、上昇工程、マガジン回転工程、下降工程の順に行う。上昇工程は、工具マガジン21のグリップアーム90が主軸9に装着する工具4を把持した状態で、主軸ヘッド7が上昇し、主軸9に装着する工具4を抜く工程である。マガジン回転工程は、工具マガジン21を回転し、次工具を工具交換位置に割り出す工程である。下降工程は、ATC原点から主軸ヘッド7を下降し、工具交換位置に割り出した次工具に対して、主軸9のテーパ穴18を装着する工程である。
工作機械1は工具交換工程を原則、第1制御で行う。マガジン回転工程において、主軸9のテーパ穴18の位置に対し、工具ホルダ17のテーパ装着部17Aの位置がずれる場合がある。故に、工作機械1は、下降工程において、主軸9のテーパ穴18に工具ホルダ17のテーパ装着部17Aが進入し、テーパ穴18の内周面にテーパ装着部17Aの外周面が当接する直前に、マガジンモータ55の位置制御を第1制御から第2制御に切り替える。マガジンモータ55が減速機41に付与するトルクは、第1制御で行う工具マガジン21の回転割出時の搬送トルクよりも低下する。工具マガジン21は外部付勢によって回転可能な状態となる。テーパ穴18の内周面に沿って、テーパ装着部17Aの外周面は摺動する。工具マガジン21は位置ずれを補正する方向に回転する。工具マガジン21はテーパ穴18に対して工具ホルダ17の位置を移動できる。工具ホルダ17のテーパ装着部17Aは主軸9のテーパ穴18に対して無理なく装着する。
故に、工作機械1は減速機41にかかる負荷を低減できる。工作機械1は、主軸9に工具4を装着する際に、主軸9、工具マガジン21、及び減速機41にかかる衝撃を小さくできるので、各部位の故障を防止できる。工作機械1は、減速機41について従来の位置決め精度でも、主軸9に対して工具4を良好に装着できるので、減速機41の位置決め精度向上の為のコストを低減できる。
また、上記実施形態は更に、工具4を主軸9に装着する直前にトルクを搬送トルクよりも下げるので、所定位置にある工具を主軸9に装着する直前まで、減速機41には搬送トルクが付与されている。故に、工作機械1は主軸9に工具が装着する直前まで、工具マガジン21が外部衝撃により不安定に動いてしまうのを防止できる。
また、上記実施形態は更に、工具4を主軸9に装着する際に下げたトルクはZ軸原点で復帰する。Z軸原点に移動後、減速機41には搬送トルクを付与するので、工具マガジン21が外部衝撃により不安定に動いてしまうのを防止できる。
尚、本発明は上記実施形態に限らず種々の変更が可能である。上記実施形態では、下降工程にて、主軸ヘッド7が所定位置に到達した時に、マガジンモータ55の位置制御をオフするが、主軸ヘッド7がATC原点からZ軸原点へ移動を開始する時から、テーパ穴18に工具ホルダ17のテーパ装着部17Aが装着する直前までの間で、マガジンモータ55の位置制御をオフすればよい。
また、上記実施形態では、下降工程にて、主軸ヘッド7が所定位置に到達した時に、マガジンモータ55の位置制御を第2制御に切り替えるが、例えば、減速機41にトルクセンサ(図示略:本発明のトルク検出手段に相当)を設け、該トルクセンサが検出したトルクが所定値以上の場合に、マガジンモータ55の位置制御を第2制御に切り替えるようにしてもよい。
図11の流れ図を参照し、トルクセンサを用いた工具交換処理の変形例を説明する。変形例は、図5に示す流れ図の一部の処理が異なるがその他の処理は共通するので、異なる処理を中心に説明する。CPU31は工具マガジン21の回転を開始し(S5)、回転完了後(S6:YES)、主軸ヘッド7のZ軸原点への移動を開始する(S7)。CPU31はトルクセンサが検出した減速機41にかかるトルクが所定値以上か否か判断する(S20)。主軸9のテーパ穴18の位置に対し、工具ホルダ17のテーパ装着部17Aの位置がずれている場合、テーパ穴18の内周面に対し、テーパ装着部17Aの外周面は干渉する。減速機41には、マガジンモータ55の位置制御によるトルクに加え、テーパ穴18とテーパ装着部17Aの位置ずれを原因とするトルクが更に加わるので、所定値以上のトルクがかかる。
トルクセンサの検出したトルクが所定値未満の場合(S20:NO)、テーパ穴18とテーパ装着部17Aの位置ずれによる干渉は起きていない。主軸ヘッド7がZ軸原点を通過するまで(S10:NO)、CPU31はS20に戻り、トルクセンサが検出するトルクを監視する。
一方、トルクセンサの検出したトルクが所定値以上の場合(S20:YES)、減速機41には過剰のトルクがかかっているので、テーパ穴18とテーパ装着部17Aの間に位置ずれが起きている可能性が高い。そこで、CPU31はマガジンモータ55の位置制御を第2制御に切り替える(S9)。上記実施形態と同様に、マガジンモータ55が減速機41に付与するトルクは低下する。工具マガジン21は外部付勢によって回転可能な状態となる。テーパ穴18の内周面に沿って、テーパ装着部17Aの外周面は摺動する。工具マガジン21は位置ずれを補正する方向に回転する。工具マガジン21はテーパ穴18に対して工具ホルダ17の位置を移動できる。故に本変形例においても、工具ホルダ17のテーパ装着部17Aは主軸9のテーパ穴18に対して無理なく装着する。
主軸ヘッド7がZ軸原点を通過した場合(S10:YES)、CPU31はマガジンモータ55の位置制御は第2制御か判断する(S21)。マガジンモータ55の位置制御が第1制御の場合(S21:NO)、処理をS12に進める。マガジンモータ55の位置制御が第2制御の場合(S21:YES)、CPU31はマガジンモータ55の位置制御を再び第1制御に切り替える(S11)。故に工具マガジン21は外部付勢があっても回ることなく自身の位置を保持できる。以降、CPU31は上記実施形態と同じ処理を実行する。本変形例によっても、工作機械1は上記実施形態と同様の効果を得ることができる。尚、図11のS20の処理を実行するCPU31は本発明の判断手段に相当する。
また、上記実施形態は、工具マガジン21の回転割出動作により工具を工具交換位置に搬送し、主軸ヘッド7の昇降動作とグリップアーム90の揺動動作により、工具交換位置にある工具を主軸9に装着するものである。例えば、工具を格納する工具マガジンの内側に設けた搬送機構で工具を所定位置に搬送し、所定位置に搬送した工具と主軸に装着している工具とを把持し、自身が旋回することによって、これら工具を相互に入れ替えることができる工作機械にも本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、マガジンモータ55の位置制御を第1制御から第2制御に切り替え、比例制御部105が出力するトルク指令から、累積部103が算出する累積値分を差し引くことによって、結果的に、マガジンモータ55に出力するトルク指令のトルクを低下させているが、例えば、比例制御部105が出力するトルク指令を直接変更し、所定レベルまで強制的に低下させてもよい。
速度変換部101においてゲイン係数を用いる制御においては該ゲイン係数を変更することにより、トルク指令値を変更することができる。
1 工作機械
4 工具
7 主軸ヘッド
9 主軸
17 工具ホルダ
17A テーパ装着部
18 テーパ穴
20 工具交換装置
21 工具マガジン
31 CPU
41 減速機
55 マガジンモータ
55A 駆動回路
90 グリップアーム

Claims (5)

  1. 工具を装着してワークを加工する主軸と、前記主軸に装着する前記工具を格納する格納部と、前記格納部に格納した前記工具を所定位置に搬送する搬送機構と、前記搬送機構を駆動する搬送モータと、前記搬送モータの前記搬送機構に付与するトルクを制御するトルク制御手段と、前記搬送機構が前記所定位置に搬送した前記工具を前記主軸に装着する装着手段とを備えた工作機械において、
    前記トルク制御手段は、
    前記搬送機構によって前記工具を前記所定位置に搬送後、前記トルクを少なくとも前記工具の搬送時に前記搬送機構に付与する搬送トルクよりも下げるトルク低下手段を備えたことを特徴とする工作機械。
  2. 前記トルク低下手段は、
    前記搬送機構によって前記工具を前記所定位置に搬送後、前記装着手段が前記所定位置に搬送した前記工具を前記主軸に装着する直前に、前記トルクを前記搬送トルクよりも下げることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記格納部は、一軸線を中心に回転可能な円盤状の本体部と、該本体部の外周に備え、前記工具を保持する複数のグリップアームとを備えた工具マガジンであって、
    前記搬送機構は、前記搬送モータの回転速度を減じて、前記工具マガジンを周方向に回転させ、前記複数のグリップアームのうち一のグリップアームが保持する前記工具を前記所定位置に位置決めする減速機であって、
    前記主軸は、自身の軸方向で、原点位置よりも前記ワーク側で前記ワークに対する加工動作を行う加工領域と、前記原点位置よりも前記加工領域とは反対側の領域で、前記格納部に格納した前記工具との工具交換を行う工具交換領域との間を移動可能であって、
    前記装着手段は、前記工具交換領域において、前記主軸を、前記搬送機構が前記所定位置に搬送した前記工具に向けて移動させることにより、前記主軸に前記工具を装着することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
  4. 前記トルク制御手段は、
    前記トルク低下手段が前記トルクを前記搬送トルクよりも下げた後、前記工具交換領域から前記原点位置に移動した場合に、前記トルクを少なくとも前記搬送トルクまで復帰するトルク復帰手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
  5. 前記搬送機構にかかるトルクを検出するトルク検出手段と、
    前記搬送機構によって前記工具を前記所定位置に搬送後、前記トルク検出手段が検出した前記トルクは所定値以上か否か判断する判断手段と
    を備え、
    前記トルク低下手段は、
    前記判断手段が前記トルクは前記所定値以上と判断した場合に、前記トルクを少なくとも前記搬送トルクよりも下げることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
JP2013236541A 2013-11-15 2013-11-15 工作機械 Active JP6268961B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013236541A JP6268961B2 (ja) 2013-11-15 2013-11-15 工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013236541A JP6268961B2 (ja) 2013-11-15 2013-11-15 工作機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015096280A true JP2015096280A (ja) 2015-05-21
JP6268961B2 JP6268961B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=53373853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013236541A Active JP6268961B2 (ja) 2013-11-15 2013-11-15 工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6268961B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017049642A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 ブラザー工業株式会社 数値制御装置と制御方法
DE102018005304A1 (de) 2017-07-06 2019-01-10 Fanuc Corporation Werkzeugmaschine und Nullpunkt-Korrekturverfahren
DE102018005612A1 (de) 2017-07-19 2019-01-24 Fanuc Corporation Führungsanzeigeverfahren
JP2019028502A (ja) * 2017-07-25 2019-02-21 ファナック株式会社 交換回転位置決定装置および交換回転位置決定方法
JP2020069553A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 ファナック株式会社 工具交換装置及び工作機械

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63114831A (ja) * 1986-10-31 1988-05-19 Hitachi Ltd 位置ならい装置
JPH0215936A (ja) * 1988-06-30 1990-01-19 Brother Ind Ltd 工作機械の自動工具交換装置
JPH02212030A (ja) * 1989-02-08 1990-08-23 Hitachi Ltd 位置ならい装置およびその製造方法
US5619782A (en) * 1993-12-20 1997-04-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method and apparatus for inserting a member into a hole of another member
JP2011173197A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Brother Industries Ltd 数値制御式工作機械

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63114831A (ja) * 1986-10-31 1988-05-19 Hitachi Ltd 位置ならい装置
JPH0215936A (ja) * 1988-06-30 1990-01-19 Brother Ind Ltd 工作機械の自動工具交換装置
JPH02212030A (ja) * 1989-02-08 1990-08-23 Hitachi Ltd 位置ならい装置およびその製造方法
US5619782A (en) * 1993-12-20 1997-04-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method and apparatus for inserting a member into a hole of another member
JP2011173197A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Brother Industries Ltd 数値制御式工作機械

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017049642A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 ブラザー工業株式会社 数値制御装置と制御方法
DE102018005304A1 (de) 2017-07-06 2019-01-10 Fanuc Corporation Werkzeugmaschine und Nullpunkt-Korrekturverfahren
JP2019014005A (ja) * 2017-07-06 2019-01-31 ファナック株式会社 工作機械および原点補正方法
US10792776B2 (en) 2017-07-06 2020-10-06 Fanuc Corporation Machine tool and origin point correction method
DE102018005304B4 (de) * 2017-07-06 2021-03-25 Fanuc Corporation Werkzeugmaschine und Nullpunkt-Korrekturverfahren
DE102018005612A1 (de) 2017-07-19 2019-01-24 Fanuc Corporation Führungsanzeigeverfahren
US10977958B2 (en) 2017-07-19 2021-04-13 Fanuc Corporation Guidance display method
DE102018005612B4 (de) 2017-07-19 2024-05-16 Fanuc Corporation Führungsanzeigeverfahren
JP2019028502A (ja) * 2017-07-25 2019-02-21 ファナック株式会社 交換回転位置決定装置および交換回転位置決定方法
US10695878B2 (en) 2017-07-25 2020-06-30 Fanuc Corporation Tool change rotary position determining device and tool change rotary position determining method
JP2020069553A (ja) * 2018-10-30 2020-05-07 ファナック株式会社 工具交換装置及び工作機械
JP7088808B2 (ja) 2018-10-30 2022-06-21 ファナック株式会社 工具交換装置及び工作機械

Also Published As

Publication number Publication date
JP6268961B2 (ja) 2018-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6617474B2 (ja) 数値制御装置と制御方法
JP6268961B2 (ja) 工作機械
JP6051937B2 (ja) 数値制御装置
KR101358503B1 (ko) 공작 기계
JP6229396B2 (ja) 数値制御装置
JP6212905B2 (ja) 工作機械
JP2015104766A (ja) 工具交換装置
JP6291750B2 (ja) 工作機械及び工具交換方法
JP4962071B2 (ja) 工具交換装置
JP2013205975A (ja) 数値制御装置、数値制御方法、及び数値制御プログラム
JP2007307677A (ja) 測定機能付電動チャックを備えたワーク搬送装置
JP2009034801A (ja) アーム式ローダー
JP4761886B2 (ja) ロボットによる曲げ加工システム及び曲げ加工方法
KR102571167B1 (ko) 공작기계의 툴 매거진
US10875136B2 (en) Machine tool system and clamping method
KR101827570B1 (ko) 공작기계의 심압대 자동위치 결정장치 및 방법
JP2013205976A (ja) 数値制御装置、数値制御方法、及び数値制御プログラム
US20220314332A1 (en) Machine tool and control device for machine tool
JP7192735B2 (ja) 数値制御装置、及び数値制御装置の制御方法
US20210107103A1 (en) Machine tool
JPH09131606A (ja) 加工装置
JP2020052610A (ja) 数値制御装置と制御方法
JP7489487B2 (ja) 工作機械
WO2022130495A1 (ja) ワーク自動搬送装置のティーチングシステム
JP2000167738A (ja) ツール自動交換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6268961

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150