JP2015095412A - 二次電池の電極体および二次電池 - Google Patents

二次電池の電極体および二次電池 Download PDF

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英昭 藤田
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秀樹 竹熊
直之 和田
Naoyuki Wada
直之 和田
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Abstract

【課題】本発明は、正極および負極の破断や内部短絡を発生させることなく、電極体への電解液の注液性を向上させることができる二次電池の電極体および二次電池を提供する。
【解決手段】正極31、負極32およびセパレータ33を積層し巻回することにより構成された二次電池1の電極体3であって、正極31および負極32は、正極31および負極32の厚みが電極体3の巻回軸方向一端部から他端部にかけて増加または減少する厚み勾配Gaを有し、正極31および負極32における厚み勾配Ga・Gbの少なくとも一方は、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内である。
【選択図】図4

Description

本発明は、正極、負極およびセパレータを積層して構成した電極体に対する電解液の注液性を向上することができる、二次電池の電極体および二次電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池などの二次電池においては、正極、負極およびセパレータを積層し巻回して構成した電極体を、電解液とともに電池ケースに収容したものがある。正極は、シート状の正極集電体に正極合材層を形成して構成され、負極は、シート状の負極集電体に負極合材層を形成して構成されている。
このような二次電池においては、高容量化および大型化するに従って、電極体への電解液の注液性が低下する傾向にある。
従って、従来においては、例えば特許文献1に記載されるように、正極集電体となる正極芯材および負極集電体となる負極芯材にスリットを形成することにより、正極および負極を巻回して構成される電極体の側面からの電解液の浸透を促し、電極体への電解液の注液性を向上させることが行われている。
特開2010−080294号公報
しかし、前述のように、正極集電体および負極集電体にスリットを形成すると、正極集電体および負極集電体の強度が低下して、正極および負極が破断したり、正極集電体および負極集電体のスリット部分に生じたバリにより内部短絡が発生したりするおそれがある。
そこで、本発明においては、正極および負極の破断や内部短絡を発生させることなく、電極体への電解液の注液性を向上させることができる二次電池の電極体および二次電池を提供するものである。
上記課題を解決する二次電池の電極体および二次電池は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、正極、負極およびセパレータを積層し巻回することにより構成された二次電池の電極体であって、前記正極および負極は、前記正極および負極の厚みが前記電極体の巻回軸方向一端部から他端部にかけて増加または減少する厚み勾配を有し、前記正極および負極における前記厚み勾配の少なくとも一方は、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内である。
特に、請求項2記載の如く、前記正極の前記厚み勾配が、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内にある。
これにより、正極および負極の破断や内部短絡を発生させることなく、電極体への電解液の注液性を向上させることができる
また、請求項3記載の如く、前記負極における、前記厚み勾配が、−1×10-5〜1×10-5の範囲内である。
これにより、二次電池における、充放電サイクル試験後のLiの析出を防止することができる。
また、請求項4記載の如く、請求項1〜3の何れか一項に記載の電極体を電池ケースに収容するとともに、前記電池ケースに電解液を注液することにより構成される、二次電池。
これにより、二次電池において、電極体を収容した電池ケース2に電解液を注液する際の注液性を向上することができる。
また、請求項5記載の如く、前記電池ケースへの電解液の注液が、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内の前記厚み勾配を有する電極の厚みが小さい側から行われる。
これにより、注液性向上の効果を高めることが可能となる。
本発明によれば、正極および負極の破断や内部短絡を発生させることなく、電極体への電解液の注液性を向上させることができる。
本発明に係る電極体を備えた二次電池を示す側面図である。 積層された正極、負極、およびセパレータが巻回されることにより電極体が構成される様子を示す斜視図である。 正極、負極、およびセパレータの巻回体を扁平させることにより構成された電極体を示す斜視図である。 幅方向における正極集電体露出部側の厚みが小さくなる厚み勾配を有した正極を用いて構成された電極体を示す側面断面図である。 正極の各部寸法を示す側面断面図である。 負極の各部寸法を示す側面断面図である。 中央部が端部よりも小径に形成される鼓型のプレスローラを示す側面図である。 中央部が端部よりも大径に形成される太鼓型のプレスローラを示す側面図である。 正極の厚み勾配を求める際の、正極の厚み寸法の測定方法を示す図である。 幅方向における正極集電体露出部側の厚みが大きくなる厚み勾配を有した正極を用いて構成された電極体を示す側面断面図である。 正極の厚み勾配と逆方向の厚み勾配を有する負極を用いて構成された電極体を示す側面断面図である。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る電極体3を備えた二次電池1は、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池に構成されており、一面(上面)が開口した有底角筒形状のケース本体21と平板状に形成されケース本体21の開口部を閉塞する蓋体22とで構成される電池ケース2に電極体3を収容するとともに、電極体3を収容した電池ケース2に電解液を注液することにより構成されている。
図2に示すように、電極体3は、二次電池1の電極である正極31および負極32、ならびにセパレータ33を、正極31と負極32との間にセパレータ33が介在するように積層し、積層した正極31、負極32、およびセパレータ33を巻回することにより構成されている。
具体的には、電極体3における一方の電極である正極31は、長尺シート状の正極集電体31aの両面に正極合材層31bを形成して構成されている。ただし、正極集電体31aの幅方向(長尺方向と直交する方向)の一側端部(図2における左側端部)は、正極合材層31bが形成されておらず正極集電体31aが露出している正極集電体露出部に構成されている。
正極合材層31bは、正極活物質、導電剤、および結着剤等の電極材料を溶媒とともに混練して得られた正極合材ペーストを、正極集電体31aに塗布して乾燥することにより得られる。
この場合、正極活物質としては、例えばリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物を用いることができ、導電剤としては、例えばアセチレンブラック(AB)を用いることができ、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることができる。また、溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。
電極体3における他方の電極である負極32は、長尺シート状の負極集電体32aの両面に負極合材層32bを形成して構成されている。ただし、負極集電体32aの幅方向(長尺方向と直交する方向)の他側端部(図2における右側端部)は、負極合材層32bが形成されておらず負極集電体32aが露出している負極集電体露出部に構成されている。
負極合材層32bは、負極活物質、増粘剤、および結着剤等の電極材料を溶媒とともに混練して得られた負極合材ペーストを、負極集電体32aに塗布して乾燥することにより得られる。
この場合、負極活物質としては、例えば黒鉛を用いることができ、増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いることができ、結着剤としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)を用いることができる。また、前記溶媒としては、例えば水を用いることができる。
セパレータ33は、例えば多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成される長尺シート状部材であり、正極31と負極32との間に配置される。
そして、正極31、負極32、およびセパレータ33により電極体3を作製する際には、まず正極31と負極32とをセパレータ33を介して積層する。このとき、正極31および負極32は、正極集電体露出部と負極集電体露出部とが正極31および負極32の幅方向における反対側に位置するように、また前記正極集電体露出部および負極集電体露出部がそれぞれセパレータ33の幅方向外側へはみ出すように配置される。このように積層された正極31、負極32、およびセパレータ33を巻回し、さらに得られた巻回体を側面方向から押し潰して扁平させることで、図3に示すような扁平状の電極体3が構成される。
このようにして構成される電極体3の巻回軸方向における中央部分では、正極31の正極合材層31bと負極32の負極合材層32bとセパレータ33とが積層された状態となる、巻回コア部3aが構成される。
また、電極体3の巻回軸方向における一端部においては、正極31の正極集電体露出部が巻回コア部3aから一端側(図1、図2における左端側)へ延出してはみ出しており、電極体3の巻回軸方向における他端部においては、負極32の負極集電体露出部が巻回コア部3aから他端側(図1、図2における右端側)へ延出してはみ出している。
巻回コア部3aから一端側へはみ出した正極31の正極集電体露出部は、正極用集電端子5aに接続される正極集電部3bとして構成され、巻回コア部3aから他端側へはみ出した負極32の負極集電体露出部は、負極用集電端子5bに接続される負極集電部3cとして構成されている。
電池ケース2は、一面(上面)が開口した直方体状の有底角筒形状に形成されるケース本体21の開口部を、平板状の蓋体22にて閉塞した角型ケースに構成されており、ケース本体21の開口部および蓋体22は長方形状に形成されている。
蓋体22の長手方向一端部(図1における左端部)には正極端子4aが設けられ、蓋体22の長手方向他端部(図1における右端部)には負極端子4bが設けられている。正極端子4aは正極用集電端子5aと接続され、負極端子4bは負極用集電端子5bと接続されている。
蓋体22の長手方向中央部よりも負極端子4b側には、電解液を電池ケース2内に注液するための注液口22aが形成されている。注液口22aはシール材23により閉塞されている。
電池ケース2に電極体3を収容するとともに電解液を注液して二次電池1を構成する際には、まず、蓋体22に正極端子4aおよび正極用集電端子5a、ならびに負極端子4bおよび負極用集電端子5bを取り付ける。
また、電極体3の正極集電部3bおよび負極集電部3cを、それぞれ正極用集電端子5aおよび負極用集電端子5bに接続して、電極体3をその巻回軸方向と蓋体22の長手方向とが一致する姿勢で蓋体22に組み付けて、蓋体サブアッシーを形成する。
その後、電極体3をケース本体21内に収容して、ケース本体21の開口部に蓋体22を嵌合するとともに、蓋体22とケース本体21とを溶接により接合する。
さらに、蓋体22の注液口22aから電池ケース2内に電解液を注液し、シール材23により注液口22aを封止することにより、二次電池1が構成される。
次に、二次電池1の電極体3を構成する正極31および負極32の構造について、さらに説明する。
図4に示すように、正極31は、正極集電体31aの両面に正極合材層31bが形成されるとともに、電極体3の巻回軸方向における一端部に、正極集電体31aが露出する正極集電体露出部(正極集電部3b)を備えている。
正極31の、正極合材層31bが形成されている部分の厚みは、電極体3の巻回軸方向における一端から他端にかけて増加している。つまり、正極31の正極合材層31bが形成されている部分は、電極体3の巻回軸方向において、全体的に厚み勾配を有している。
図5に示すように、正極31の正極合材層31bが形成されている部分の、幅方向(電極体3の巻回軸方向)一端部(図5における左端部;正極集電部3bが位置する側の端部)の厚み寸法をTa1とし、幅方向他端部(図5における右端部)の厚み寸法をTa2とし、幅方向の長さ寸法をLaとした場合、正極31の正極合材層31bが形成されている部分の幅方向における厚み勾配Gaは、次式1により表わされる。
Figure 2015095412
そして、本実施形態においては、前記厚み勾配Gaが、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内となるように構成している。
なお、本実施形態では、厚み勾配Gaは、正極31の正極合材層31bが形成されている部分の厚み寸法が、幅方向一端側から他端側へいくにつれて増加する場合に正の値となり、幅方向一端側から他端側へいくにつれて減少する場合に負の値となるように設定している。また、上述の「2×10-5〜5×10-5の範囲内」との記載においては、下限値である「2×10-5」および上限値である「5×10-5」を含むものとし、「−2×10-5〜−5×10-5の範囲内」との記載においては、上限値である「−2×10-5」および下限値である「−5×10-5」を含むものとする。
図4に示すように、負極32は、負極集電体32aの両面に負極合材層32bが形成されるとともに、電極体3の巻回軸方向における他端部に、負極集電体32aが露出する負極集電体露出部(負極集電部3c)を備えている。
負極32の、負極合材層32bが形成されている部分の厚みは、電極体3の巻回軸方向における一端から他端にかけて略同じ寸法に形成されている。つまり、負極32の負極合材層32bが形成されている部分は、電極体3の巻回軸方向において、全体的に厚み勾配を殆ど有していない。
図6に示すように、負極32の負極合材層32bが形成されている部分の、幅方向(電極体3の巻回軸方向)他端部(図6における右端部;負極集電部3cが位置する側の端部)の厚み寸法をTb1とし、幅方向一端部(図6における左端部)の厚み寸法をTb2とし、幅方向の長さ寸法をLbとした場合、負極32の負極合材層32bが形成されている部分の幅方向における厚み勾配Gbは、次式2により表わされる。
Figure 2015095412
そして、本実施形態においては、前記厚み勾配Gbが、−1×10-5〜1×10-5の範囲内となるように構成している。
なお、本実施形態では、厚み勾配Gbは、負極32の負極合材層32bが形成されている部分の厚み寸法が、幅方向他端側から一端側へいくにつれて増加する場合に正の値となり、幅方向他端側から一端側へいくにつれて減少する場合に負の値となるように設定している。なお、上述の「−1×10-5〜1×10-5の範囲内」との記載においては、下限値である「−1×10-5」および上限値である「1×10-5」を含むものとする。
このように、電極体3においては、正極31の正極合材層31bが形成されている部分に厚み勾配Gaを有しているため、図4に示すように、正極31と当該正極31に隣接するセパレータ33・33との間に隙間が生じ、延いてはセパレータ33を介して隣接する正極31と負極32との間に空隙が形成されることとなって、電池ケース2内に注液された電解液が正極31と負極32との間に浸透し易くなるため、電極体3に対する電解液の注液性を向上することが可能となっている。また、電解液の注液性を向上することで、電池ケース2に注液する時間を短縮することができ、二次電池1の製造コストを低減することが可能となる。
本実施形態では、正極31の厚み勾配Gaが、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内となるように構成しているが、これは以下の理由による。
即ち、厚み勾配Gaの絶対値が2×10-5よりも小さくなると、正極31と負極32との間の空隙が小さくなり、電極体3に対する注液時間を効果的に短縮できるほど、電解液の前記空隙への浸透のし易さを向上することができなくなるためである。
逆に、厚み勾配Gaの絶対値が5×10-5よりも大きくなると、長尺の正極31を搬送する際の直進性が低下したり、電極体3を構成するための正極31や負極32等の巻回時に、正極31に巻きずれが発生したりするためである。
さらに、正極31の厚み勾配Gaを上述の数値の範囲内に構成した場合、正極31の厚みが薄い部分における電解液の拡散性は悪くなるが、電子伝導性は良化するため、厚みの薄い部分と厚い部分とで正極31の抵抗はあまり変化せず、二次電池1の出力に影響が及ぶことはほとんどない。
また、本実施形態では、負極32の厚み勾配Gbが、−1×10-5〜1×10-5の範囲内となるように構成しているが、これは、厚み勾配Gbの絶対値が1×10-5よりも大きくなると、負極32におけるLiの受け入れ性にムラが生じて、Li析出が発生し易くなるためである。
即ち、負極32においては、負極合材層32bを構成する負極活物質が導電性を有しており、負極合材層32bの厚みが薄くなると電解液の拡散性が悪化する一方で電子導電性はあまり変わらないため、厚み勾配Gbが大きいと、厚みの薄い部分には厚い部分に比べて負極32の抵抗にムラが生じることとなり、Liの受け入れ性のムラとなるためである。
また、正極31の正極合材層31bおよび負極32の負極合材層32bにおいては、それぞれ正極合材の目付け量および負極合材の目付け量が、幅方向(電極体3の巻回軸方向)において均一となるように構成されている。
具体的には、正極合材層31bおよび負極合材層32bの幅方向一端から他端までの、正極合材および負極合材の目付け量のばらつき(最大値および最小値)が、当該目付け量の平均値の±2%の範囲内に収まるように構成されている。
なお、上述の「±2%の範囲内」との記載においては、下限値である「−2」および上限値である「+2」を含むものとする。
このように、正極合材の目付け量および負極合材の目付け量を均一に構成しているのは、例えば正極合材の目付け量が不均一になると、目付け量の少ない部分において充電時の局所電位が高くなり、局所電位が高くなると溶出が起こり易くなって二次電池1における微小短絡発生の要因となるからである。
次に、正極31の厚み勾配Gaが2×10-5〜5×10-5の範囲内または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内となるように構成した電極体3を用いて実際に二次電池1を作製し、作製した二次電池1について、正極31の厚み勾配Gaおよび負極32の厚み勾配Gb、正極合材層31bの幅方向における正極合材の目付け量ばらつきおよび負極合材層32bの幅方向における負極合材の目付け量ばらつき、電極体3における正極31の巻きずれの有無、電池ケース2への電解液の注液後における交流抵抗の安定時間(注液性)、ならびに充放電サイクル試験後におけるLi析出の有無の確認を行ったので、その確認結果について説明する。
これらの確認は、以下の実施例01〜11および比較例01〜06のように作製した二次電池1について行った。
<実施例01>
正極合材ペーストは、正極活物質として「リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物」を、導電剤として「アセチレンブラック(AB)」を、結着剤として「ポリフッ化ビニリデン(PVDF)」を用い、前記正極活物質、導電剤、および結着剤を、93:4:3の割合(重量比)で混合したうえで、「N−メチル−2−ピロリドン(NMP)」を溶媒として混練することにより作製した。
このように作製した正極合材ペーストを、アルミニウム(Al)箔にて構成された正極集電体31aの両面に塗布し、乾燥炉にて乾燥することにより、プレス前正極を作製した。この場合、正極集電体31aの幅寸法は260mm、厚み寸法は15μmとし、正極合材ペーストの塗布幅寸法を230mmとし、正極集電体31aの幅方向の両端に正極合材ペーストの未塗工部(正極集電体露出部)をそれぞれ15mmの幅寸法で設けた。また、プレス前正極は、乾燥後の正極合材層31bの目付け量が両面で30mg/cm2となるように構成した。
前記プレス前正極を、幅方向両端部の径がφ400mmのプレスロールを用いてプレスし、プレス後正極を得た。図7に示すように、前記プレスロールとしては、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm小さい鼓型のロールを用いた。プレスは、プレス後の正極合材層31bの厚み寸法が、正極集電体31aを半栽する前の幅方向中央部で125μmとなるように行った。その後、プレス後正極を幅方向に半栽して幅寸法が130mmの正極31を作製した。正極31における正極合材層31bの幅寸法は115mmとなる。
負極合材ペーストは、負極活物質として「黒鉛」を、増粘剤として「カルボキシメチルセルロース(CMC)」を、結着剤として「スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)」を用い、前記負極活物質、増粘剤、および結着剤を、98:1:1の割合(重量比)で混合したうえで、「水」を溶媒として混練することにより作製した。
このように作製した負極合材ペーストを、銅(Cu)箔にて構成された負極集電体32aの両面に塗布し、乾燥炉にて乾燥することにより、プレス前負極を作製した。この場合、負極集電体32aの幅寸法は270mm、厚み寸法は10μmとし、負極合材ペーストの塗布幅寸法を240mmとし、負極集電体32aの幅方向の両端に負極合材ペーストの未塗工部(負極集電体露出部)をそれぞれ15mmの幅寸法で設けた。また、プレス前負極は、乾燥後の負極合材層32bの目付け量が両面で16mg/cm2となるように構成した。
前記プレス前負極を、幅方向両端部の径がφ400mmのプレスロールを用いてプレスし、プレス後負極を得た。前記プレスロールとしては、幅方向における中央部と両端部とが同じ径に形成されたロールを用いた。プレスは、プレス後の負極合材層32bの厚み寸法が、負極集電体32aを半栽する前の幅方向中央部で125μmとなるように行った。その後、プレス後負極を幅方向に半栽して幅寸法が135mmの負極32を作製した。負極32における負極合材層32bの幅寸法は120mmとなる。
これらの正極31および負極32を、セパレータ33を介して扁平型に巻回して電極体3を構成し、電極体3の正極31における正極集電部(正極集電体露出部)3bおよび負極32における負極集電部(負極集電体露出部)3cに、それぞれ正極集電端子5aおよび負極集電端子5bを接合し、正極集電端子5aおよび負極集電端子5bを接合した電極体3を電池ケース2に収納した。さらに、電池ケース2の注液口22aから電解液を注液し、注液口22aを封栓した後に、1000Hzにおける交流抵抗が安定するまで放置した。交流抵抗が安定した後に初期充電を行って、容量が30Ahの二次電池1を作製した。
<実施例02>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも5μm小さい鼓型のロールを用いた以外は、実施例01と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例03>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部と両端部とが同じ径に形成されたロールを用いた以外は、実施例01と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例04>
プレス前負極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm小さい鼓型のロールを用いた以外は、実施例02と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例05>
プレス前負極をプレスするプレスロールとして、図8に示すような、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm大きい太鼓型のロールを用いた以外は、実施例02と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例06>
プレス前負極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm小さい鼓型のロールを用いた以外は、実施例03と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例07>
プレス前負極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm大きい太鼓型のロールを用いた以外は、実施例03と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例08>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも15μm大きい太鼓型のロールを用いた以外は、実施例01と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例09>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも8μm大きい太鼓型のロールを用いた以外は、実施例01と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<比較例01>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも10μm小さい鼓型のロールを用いた以外は、実施例01と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<比較例02>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm大きい太鼓型のロールを用いた以外は、実施例01と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<比較例03>
プレス前負極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも5μm小さい鼓型のロールを用いた以外は、実施例02と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<比較例04>
プレス前負極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも5μm小さい鼓型のロールを用いた以外は、実施例03と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は30Ahであった。
<実施例10>
正極集電体31aの幅寸法を170mmとし、正極合材ペーストの塗布幅寸法を140mmとし、プレス後正極を幅方向に半栽した後の正極31の幅寸法を85mmとし、正極31における正極合材層31bの幅寸法を70mmとし、負極集電体32aの幅寸法を180mmとし、負極合材ペーストの塗布幅寸法を150mmとし、プレス後負極を幅方向に半栽した後の負極32の幅寸法を90mmとし、負極32における負極合材層32bの幅寸法を75mmとし、二次電池1の容量を18Ahとした以外は、実施例01と同様に二次電池を作製した。
<比較例05>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm大きい太鼓型のロールを用いた以外は、実施例10と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は18Ahであった。
<実施例11>
正極集電体31aの幅寸法を130mmとし、正極合材ペーストの塗布幅寸法を100mmとし、プレス後正極を幅方向に半栽した後の正極31の幅寸法を65mmとし、正極31における正極合材層31bの幅寸法を50mmとし、負極集電体32aの幅寸法を140mmとし、負極合材ペーストの塗布幅寸法を110mmとし、プレス後負極を幅方向に半栽した後の負極32の幅寸法を70mmとし、負極32における負極合材層32bの幅寸法を55mmとし、二次電池1の容量を13Ahとした以外は、実施例01と同様に二次電池1を作製した。
<比較例06>
プレス前正極をプレスするプレスロールとして、幅方向両端部の径がφ400mmであり、幅方向における中央部の径が両端部の径よりも3μm大きい太鼓型のロールを用いた以外は、実施例11と同様に二次電池1を作製した。作成された二次電池1の容量は13Ahであった。
<厚み勾配の確認>
実施例01〜11および比較例01〜06における正極31の厚み勾配Ga、および負極32の厚み勾配Gbを、以下のように求めて確認した。
正極31の厚み勾配Gaを求める際には、図9に示すように、正極集電体31aに塗布した正極合材ペーストの幅方向端部における厚み測定は困難であり、実際の正極合材層31bの幅方向における一端および他端から幅方向内側へ5mm入った箇所を、正極合材層31bの幅方向における一端および他端とみなして、当該一端と他端との間の複数箇所における正極31の厚み寸法を測定し、その測定結果から厚み勾配Gaを求めた。
この場合、正極31の正極集電体露出部側を正極合材層31bの一端側とし、正極合材層31bの一端側から他端側へいくに従って正極31の厚み寸法が大きくなる形状を、厚み勾配Gaが正であるものと定義した。逆に、正極合材層31bの一端側から他端側へいくに従って正極31の厚み寸法が小さくなる形状を、厚み勾配Gaが負であるものと定義した。
負極32の厚み勾配Gbを求める際にも、同様にして負極32の厚み寸法を測定し、厚み勾配Gbを求めた。また、同様に厚み勾配Gbの正負を定義した。
<目付け量ばらつきの測定>
実施例01〜11および比較例01〜06について、正極合材層31bの幅方向における正極合材の目付け量ばらつきおよび負極合材層32bの幅方向における負極合材の目付け量ばらつきを、以下のようにして求めた。
例えば、正極合材層31bにおける正極合材の目付け量ばらつきを求める際には、正極合材層31bが形成された正極31を長手方向に100mm切り出すとともに、正極31の幅方向において、正極合材層31bの一端および他端から5mm内側へ入った箇所よりも内側の部分を切り出す。長手方向および幅方向に切り出した正極31を幅方向に8等分し、8等分した各部分の正極合材層31bを正極集電体31aから剥離して重量測定した。測定した各部分の正極合材層31bの重量を単位面積あたりの重量に換算して、幅方向における目付け量のばらつきを求めた。
負極合材層32における負極合材の目付け量ばらつきも同様にして求めた。
<電極体における正極の巻きずれの有無の確認>
実施例01〜11および比較例01〜06について、電極体3における正極31の巻きずれの有無の確認を、以下のようにして行った。
正極31、負極32、およびセパレータ33を扁平型に巻回して作製した電極体3を、透過X線を用いて観察することにより、正極31の巻きずれの有無を確認した。この場合、電極体3の巻回軸方向において、負極32における負極合材層32bの範囲内に正極31の正極合材層31bがあれば巻きずれの発生が無いと判定し、負極合材層32bの端部から正極合材層31bがはみ出していれば巻きずれの発生が有ると判定した。
<注液後における交流抵抗の安定時間の確認>
実施例01〜11および比較例01〜06について、電池ケース2へ電解液を注液した後の、二次電池1における交流抵抗が安定するまでの時間を、以下のようにして確認した。
つまり、電極体3を収納した電池ケース2の注液口22aから電解液を注液し、注液口22aを封栓した後に、1000Hzにおける交流抵抗が安定するまで放置した。そして、電解液の注液完了時を時刻0とし、時刻0の時点から交流抵抗の変化が1%以下になった時点までの時間を、交流抵抗の安定時間として測定した。
二次電池1においては、交流抵抗が安定した後に初期充放電を行うことから、交流抵抗の安定時間が注液性の良否を示す指標となり得る。
<充放電サイクル試験後におけるLi析出の有無の確認>
容量が30Ahの二次電池1である実施例01〜09および比較例01〜04については、初期充放電を行った二次電池1に対して、−15℃の環境下において充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験は、「30Aで4.1Vまで充電」→「10分休止」→「30Aで3.0Vまで放電」→「10分休止」を1サイクルとして、1000サイクルの充放電を繰り返すことにより行った。その後、充放電サイクル試験後の二次電池1を分解して負極32上のLi析出の有無を確認した。
容量が18Ahの二次電池1である実施例10および比較例05については、充放電サイクル試験における充放電電流を18Aに設定して、同様の試験を行った後に、負極32上のLi析出の有無を確認した。
容量が13Ahの二次電池1である実施例11および比較例06については、充放電サイクル試験における充放電電流を13Aに設定して、同様の試験を行った後に、負極32上のLi析出の有無を確認した。
<確認結果>
目付け量ばらつきに関しては、実施例01〜11および比較例01〜06の何れについても、正極31における正極合材の目付け量のばらつき(最大値および最小値)、および負極32における負極合材の目付け量のばらつき(最大値および最小値)が、当該目付け量の平均値の±2%の範囲内に収まっており、良好であった。
Figure 2015095412
上記表1に示すように、実施例01〜07については、正極31の厚み勾配Gaが2×10-5〜5×10-5の範囲内にあるとともに、負極32の厚み勾配Gbが−1×10-5〜1×10-5の範囲内にあって、電極体3における正極31の巻きずれ発生は無かった。
また、正極31の厚み勾配Gaが上記範囲内にあり、正極31と負極32との間に空隙が確保されているため、電解液が電極体3へ浸透し易くなっており、注液完了から初期充放電が開始可能となる時間である、注液後の交流抵抗の安定時間が短くなっている。即ち、二次電池1における電解液の注液性が向上している。
充放電サイクル試験後におけるLiの析出も見受けられなかった。
実施例08、09は、正極31の厚み勾配Gaが、−5×10-5および−2×10-5といったように、実施例01〜07の場合とは勾配の向きが逆であるが(図9参照)、−2×10-5〜−5×10-5の範囲内に入っており、電極体3における正極31の巻きずれ発生は無かった。なお、実施例08、09における負極32の厚み勾配Gbは、共に0.1×10-5であって、−1×10-5〜1×10-5の範囲内にある。
また、正極31と負極32との間に空隙が確保されているため、電解液が電極体3へ浸透し易くなっており、注液完了から初期充放電が開始可能となる時間である、注液後の交流抵抗の安定時間が短くなっている。即ち、二次電池1における電解液の注液性が向上している。充放電サイクル試験後におけるLiの析出も見られなかった。
一方、比較例01は、正極31の厚み勾配Gaが7.5×10-5といったように、2×10-5〜5×10-5の範囲よりも大きな値となっており、電極体3において正極31に巻きずれが生じていた。なお、比較例01における負極32の厚み勾配Gbは、0.1×10-5であって、−1×10-5〜1×10-5の範囲内にある。
また、比較例01においては、電極体3の正極31に巻きずれが発生していたため、注液後の交流抵抗の安定時間の確認、および充放電サイクル試験後におけるLi析出の確認は行わなかった。
また、比較例02は、正極31の厚み勾配Gaが1.3×10-5といったように、2×10-5〜5×10-5の範囲よりも小さな値となっており、正極31と負極32との間に空隙を確保することができないため、電解液が電極体3へ浸透し難くなって、注液後の交流抵抗の安定時間が実施例01〜09の場合よりも長くなっている。なお、比較例02における負極32の厚み勾配Gbは、0.1×10-5であって、−1×10-5〜1×10-5の範囲内にある。
また、比較例02においては、電極体3の正極31に巻きずれの発生はなく、充放電サイクル試験後におけるLiの析出も見られなかった。
比較例03、04は、負極32の厚み勾配Gbが1.5×10-5といったように、−1×10-5〜1×10-5の範囲よりも大きな値となっているため、負極32におけるLiの受け入れ性にムラが生じ、充放電サイクル試験後においてLiの析出が見られた。
また、比較例04については、正極31の厚み勾配Gaが2×10-5であり、負極32の厚み勾配Gbが1.5×10-5であって、正極31の厚み勾配Gaと負極32の厚み勾配Gbとが、勾配の向きが同じで(共に、集電体露出部側から厚みが大きくなっていく勾配に形成されている)、かつ近い値であるため、図11に示すように、電極体3における正極31と負極32との間に十分な空隙を確保することができず、注液後の交流抵抗の安定時間が実施例01〜09の場合よりも長くなっている。
なお、比較例03、04における正極31の厚み勾配Gaは、5×10-5および2×10-5といったように、2×10-5〜5×10-5の範囲内に入っており、電極体3における正極31の巻きずれ発生は無かった。
実施例10は、正極31の厚み勾配Gaが3.4×10-5であって、2×10-5〜5×10-5の範囲内にあるのに対し、比較例05は、正極31の厚み勾配Gaが1.2×10-5であって、2×10-5〜5×10-5の範囲よりも小さく、実施例10の方が比較例05よりも、注液後の交流抵抗の安定時間が短くなっている。
同様に、実施例11は、正極31の厚み勾配Gaが3.2×10-5であって、2×10-5〜5×10-5の範囲内にあるのに対し、比較例06は、正極31の厚み勾配Gaが1.2×10-5であって、2×10-5〜5×10-5の範囲よりも小さく、実施例11の方が比較例06よりも、注液後の交流抵抗の安定時間が短くなっている。
また、実施例10における正極31の厚み勾配Gaは3.4×10-5であって、実施例01における厚み勾配Gaの3.8×10-5と同等であり、比較例05における正極31の厚み勾配Gaは1.2×10-5であって、比較例02における厚み勾配Gaの1.3×10-5と同等である。
同様に、実施例11における正極31の厚み勾配Gaは3.2×10-5であって、実施例10における厚み勾配Gaの3.4×10-5と同等であり、比較例06における正極31の厚み勾配Gaは1.2×10-5であって、比較例05における厚み勾配Gaの1.2×10-5と同等である。
さらに、実施例10および比較例05における正極合材層31bの幅寸法は70mmであって、実施例01および比較例02における正極合材層31bの幅寸法である115mmよりも小さい。
同様に、実施例11および比較例06における正極合材層31bの幅寸法は50mmであって、実施例10および比較例05における正極合材層31bの幅寸法である70mmよりも小さい。
このように、正極31の厚み勾配Gaが2×10-5〜5×10-5の範囲内にある実施例01、10、11の方が、正極31の厚み勾配Gaが2×10-5〜5×10-5の範囲よりも小さな比較例02、05、06よりも、注液後の交流抵抗の安定時間が短くなっている。
これにより、正極合材層31bの幅寸法が異なっても、正極31の厚み勾配Gaを2×10-5〜5×10-5の範囲内にすることで、注液後の交流抵抗の安定時間を短くして注液性を向上できることがわかる。
また、実施例11と比較例06との間における注液後の交流抵抗の安定時間の差よりも、実施例10と比較例05との間における注液後の交流抵抗の安定時間の差の方が大きく、実施例10と比較例05との間における注液後の交流抵抗の安定時間の差よりも、実施例01と比較例02との間における注液後の交流抵抗の安定時間の差の方が大きいことから、電極体3における巻回軸方向の長さが大きい方が、注液性向上の効果が大きいことがわかる。
つまり、少なくとも正極合材層31bの幅寸法が50mmあれば注液性向上の効果を奏することができる。また、注液性向上の観点から、正極合材層31bの幅寸法は70mm以上であることが好ましく、正極合材層31bの幅寸法は115mm以上であることがさらに好ましい。
以上の結果から、実施例01〜11で示したように、正極31における厚み勾配Gaを、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内の値とすることで、電極体3における正極31の巻きずれを生じさせることなく、二次電池1において、電極体3を収容した電池ケース2に電解液を注液する際の注液性を向上することが可能となる。
この場合、正極集電体31aおよび負極集電体32aにはスリットを形成していないので、正極31および負極32が破断したり、二次電池1において内部短絡が発生したりすることはない。
また、負極32の厚み勾配Gbを−1×10-5〜1×10-5の範囲内の値とすることで、充放電サイクル試験後におけるLiの析出を防止することができる。
また、正極31に厚み勾配Gaを形成した場合、正極31の幅方向における厚み寸法が小さい側の方が、厚み寸法が大きい側よりも、正極31と負極32との間に形成される空隙が大きくなって、電解液が浸透し易いため、二次電池1においては、電極体3の巻回軸方向における正極31の厚み寸法が小さい側から電解液の注液を行うと、厚み寸法の小さい側から電解液が入ってくるため、注液性向上の効果が高くなり易く好ましい。
また、正極31と負極32との間に空隙を形成して注液性を向上するといった観点からは、負極32の厚み勾配Gbを2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内の値に設定することも可能である。この場合、電極体3の巻回軸方向における負極32の厚み寸法が小さい側から電解液の注液を行うと、注液性向上の効果が高くなり易く好ましい。
このように、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内の厚み勾配Ga・Gbを有する電極(正極31、負極32)の厚みが小さい側から、電池ケース2に対する電解液の注液を行うことで、より注液性を向上することが可能となる。
なお、正極31の厚み勾配Gaおよび負極32の厚み勾配Gbの両方を、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内の値に設定する場合、正極31と負極32との間に空隙を形成するためには、厚み勾配Gaの向きと厚み勾配Gbの向きとが反対になるように設定することが好ましい。
なお、本実施形態では、角型の電池ケースに電極体を収容した二次電池について説明したが、二次電池は、円筒型の電池ケースに電極体を収容して構成することも可能である。
円筒型の二次電池は、例えば、セパレータを介して積層した正極および負極を巻回して電極体を構成し、前記電極体を有底円筒型の電池ケースに対して、前記電極体の巻回軸方向と電池ケースの軸方向とを合わせた姿勢で収容するとともに、前記電池ケースの開口部から電解液を注液し、その後、前記電池ケースの開口部を封口板にて封口することで構成することができる。
このように、円筒型に構成された二次電池においても、正極の厚み寸法に巻回軸方向の厚み勾配を設けることで、電解液の注液性を向上することが可能である。
1 非水電解質二次電池
2 電池ケース
3 電極体
31 正極
31a 正極集電体
31b 正極合材層
32 負極
32a 負極集電体
32b 負極合材層
33 セパレータ

Claims (5)

  1. 正極、負極およびセパレータを積層し巻回することにより構成された二次電池の電極体であって、
    前記正極および負極は、前記正極および負極の厚みが前記電極体の巻回軸方向一端部から他端部にかけて増加または減少する厚み勾配を有し、
    前記正極および負極における前記厚み勾配の少なくとも一方は、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内である、
    ことを特徴とする二次電池の電極体。
  2. 前記正極の前記厚み勾配が、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内にある、
    ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の電極体。
  3. 前記負極における、前記厚み勾配が、−1×10-5〜1×10-5の範囲内である、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二次電池の電極体。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の電極体を電池ケースに収容するとともに、前記電池ケースに電解液を注液することにより構成される、
    ことを特徴とする二次電池。
  5. 前記電池ケースへの電解液の注液が、2×10-5〜5×10-5の範囲内、または−2×10-5〜−5×10-5の範囲内の前記厚み勾配を有する電極の厚みが小さい側から行われる、
    ことを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
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