JP2015093139A - 超音波画像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音響結合材が重力に応じて流動しても送信面と被検体との間に十分に音響結合材を介在させることができる超音波画像装置は提供される。
【解決手段】超音波画像装置は、超音波の送信面を有する音響整合体21と、音響整合体21に接続される超音波トランスデューサー素子と、送信面に対して流動性の音響結合材を供給し、音響整合体21の厚み方向からの平面視において超音波トランスデューサー素子の重心を挟む位置に配置される2つの供給口59aと、音響整合体21の進行方向と水平面とのなす傾斜θを検出する傾斜センサー52と、傾斜センサー52の出力に基づいて傾斜θを降りと判断した場合には、2つの供給口59aのうちの進行方向に関して前方の供給口59aによる音響結合材の時間当たりの供給量を傾斜θをなしと判断した場合の時間当たりの供給量に比べて多い量とする制御部とを備える。
【選択図】図9
【解決手段】超音波画像装置は、超音波の送信面を有する音響整合体21と、音響整合体21に接続される超音波トランスデューサー素子と、送信面に対して流動性の音響結合材を供給し、音響整合体21の厚み方向からの平面視において超音波トランスデューサー素子の重心を挟む位置に配置される2つの供給口59aと、音響整合体21の進行方向と水平面とのなす傾斜θを検出する傾斜センサー52と、傾斜センサー52の出力に基づいて傾斜θを降りと判断した場合には、2つの供給口59aのうちの進行方向に関して前方の供給口59aによる音響結合材の時間当たりの供給量を傾斜θをなしと判断した場合の時間当たりの供給量に比べて多い量とする制御部とを備える。
【選択図】図9
Description
本発明は1つの具体例として超音波診断装置で例えられる超音波画像装置等に関する。
超音波測定装置の一具体例である超音波診断装置は一般に知られる。超音波診断装置は例えば体内組織の画像の形成にあたって用いられる。画像の形成にあたって超音波プローブは体表に押し当てられる。このとき、超音波プローブと体表との間は空気に代わって水といった音響結合材で満たされる。音響結合材は超音波プローブの音響インピーダンスと人体の音響インピーダンスとを整合させる役割を果たす。こうして音響結合材の働きに応じて超音波プローブと体表との間で超音波は効率的に伝達されることができる。
特許文献1では超音波プローブの先端面すなわち超音波の送信面に音響結合体であるゲルの噴出口が配置される。超音波診断にあたって噴出口からゲルが供給される。ゲルは送信面と体表との間を満たす。
特許文献1に記載のものではゲルの供給量は作動ボタンの押し加減に応じて任意に調整される。あるいは、スイッチのオンオフに応じてゲルの供給および供給停止は切り替えられる。ゲルの供給量はスイッチのオンオフ操作に応じて任意に調整される。ただし、特許文献1ではゲルの流動性は言及されていない。吐出後のゲルの挙動は記述されていない。粘度の高いゲルが使用され、いちど吐出されたゲルはその場に留まることが想定されている。
本発明の少なくとも1つの態様によれば、音響結合材が重力に応じて流動しても送信面と被検体との間に十分に音響結合材を介在させることができる超音波画像装置は提供されることができる。
(1)本発明の一態様は、超音波の送信面を有する音響整合体と、前記音響整合体に接続される超音波トランスデューサー素子と、前記送信面に対して流動性の音響結合材を供給し、かつ前記音響整合体の厚み方向からの平面視において前記超音波トランスデューサー素子の重心を挟む位置に配置されている2つの供給口と、前記音響整合体の進行方向と水平面とのなす傾斜を検出する傾斜センサーと、前記傾斜センサーの出力に基づいて前記傾斜を降りと判断した場合には、前記2つの供給口のうちの前記進行方向に関して前方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記傾斜をなしと判断した場合の時間当たりの供給量に比べて多い量とする制御部とを備える超音波画像装置に関する。
超音波測定にあたって送信面は例えば体表といった被検体に接触する。接触にあたって被検体と送信面との間には供給口から音響結合材が供給される。音響結合材は被検体と送信面との間を満たす。こうして超音波は送信面から被検体に伝達される。このとき、被検体の測定面が重力方向に直交する水平であれば、音響結合材はその場に留まる。音響結合材は被検体と送信面との間を満たし続ける。その一方で、被検体の測定面が音響整合体の進行方向に関して降りに傾斜すると、音響結合材は流動性を有することから、音響結合材は音響整合体よりも前方に遠ざかるように流動する。こうして降り傾斜で音響結合材が失われても、供給量の増量に応じて音響結合材は補填される。したがって、音響結合材は効果的に送信面と被検体との間を満たすことができる。ここで、「降り」とは、音響整合体の変位ベクトルが重力方向に正のベクトル成分を有することをいう。
(2)超音波画像装置では、前記制御部は、前記進行方向に関して後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記前方の供給口の時間当たり供給量よりも少ない量に制御し、かつ前記傾斜を降りと判断した場合には、前記後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量と前記前方の供給口の時間当たり供給量との差を前記傾斜をなしと判断した場合の前記差よりも大きなものにする制御を行うことができる。こうして超音波トランスデューサー素子の前方で音響結合材の供給量は増大する。その結果、超音波トランスデューサー素子の前方で降り傾斜に応じて音響結合材が失われても、超音波トランスデューサー素子の前方には十分に音響結合材が補填される。したがって、音響結合材は効果的に送信面と被検体との間を満たすことができる。
(3)前記制御部は、前記降りの傾斜角度が大きいほど、前記前方の供給口の時間当たりの供給量が多い量となるように制御することができる。降りの傾斜角度が大きいほど、音響結合材の流動速度は高まる。したがって、傾斜角度の増大に応じて音響結合材の供給量が増大すれば、音響結合材は効果的に送信面と被検体との間を満たすことができる。ここで、音響結合材の供給量は、線形のように連続的に増加してもよいだけでなく、テーブルによる制御のように階段状に増加してもよい。
(4)前記制御部は、前記進行方向に前記音響整合体の移動速度が大きいほど、時間当たりの供給量が少ない量となるように制御することができる。音響整合体の移動速度が高まれば、音響結合材の流動速度は相対的に低下する。時間当たりの損失量は低下する。したがって、時間当たりの供給量が減少しても、十分に送信面と被検体との間は音響結合材で満たされることができる。ここで、音響結合材の供給量は、線形のように連続的に減少してもよいだけでなく、テーブルによる制御のように階段状に減少してもよい。
(5)本発明の他の態様は、超音波の送信面を有する音響整合体と、前記音響整合体に接続される超音波トランスデューサー素子と、前記送信面に対して流動性の音響結合材を供給し、かつ前記音響整合体の厚み方向からの平面視において前記超音波トランスデューサー素子の重心を挟む位置に配置されている2つの供給口と、前記音響整合体の進行方向と水平面とのなす傾斜を検出する傾斜センサーと、前記傾斜センサーの出力に基づいて前記傾斜を登りと判断した場合には、前記2つの供給口のうちの前記進行方向に関して前方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記傾斜をなしと判断した場合の時間当たりの供給量に比べて少ない量とする制御部とを備える超音波画像装置に関する。
超音波測定にあたって送信面は例えば体表といった被検体に接触する。接触にあたって被検体と送信面との間には供給口から音響結合材が供給される。音響結合材は被検体と送信面との間を満たす。こうして超音波は送信面から被検体に伝達される。このとき、被検体の測定面が重力方向に直交する水平であれば、音響結合材はその場に留まる。音響結合材は被検体と送信面との間を満たし続ける。その一方で、被検体の測定面が音響整合体の進行方向に関して登りに傾斜すると、送信面は被検体の測定面に接触することから、音響結合材は音響整合体で堰き止められる。したがって、音響結合材の供給量が減少しても、音響結合材は効果的に送信面と被検体との間を満たすことができる。ここで、「登り」とは、音響整合体の変位ベクトルが重力方向に負のベクトル成分を有することをいう。
(6)超音波画像装置では、前記制御部は、前記進行方向に関して後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記前方の供給口の時間当たり供給量よりも少ない量に制御し、かつ前記傾斜を登りと判断した場合には、前記後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量と前記前方の供給口の時間当たり供給量との差を前記傾斜をなしと判断した場合の前記差よりも小さなものにする制御を行うことができる。こうして超音波トランスデューサー素子の後方で音響結合材の供給量は増大する。その結果、超音波トランスデューサー素子の後方で登り傾斜に応じて音響結合材が失われても、超音波トランスデューサー素子の後方には十分に音響結合材が補填される。したがって、音響結合材は効果的に送信面と被検体との間を満たすことができる。
(7)前記制御部は、前記登りの傾斜角度が所定の傾斜角度を超えると、前記後方の供給口による前記音響結合材の供給を停止するように制御することができる。登りの傾斜角度が増大すると、進行方向の後方に音響結合材の流動速度は高まる。登りの傾斜角度が所定の角度に達すると、後方の供給口から吐出される音響結合材は超音波の伝達に寄与しなくなる。このとき、音響結合材の供給が停止されれば、無用な音響結合材の供給は回避される。音響結合材は効率的に利用される。
(8)前記制御部は、前記進行方向に前記音響整合体の移動速度が所定の速度を超えると、前記後方の供給口による前記音響結合材の供給を停止するように制御することができる。音響整合体の移動速度が高まれば、進行方向の後方に音響結合材の流動速度は相対的に高まる。速度の高まりに応じて進行方向の後方では音響結合材の損失量は増大していく。移動速度が所定の速度に達すると、後方の供給口から吐出される音響結合材は超音波の伝達に寄与しなくなる。このとき、音響結合材の供給が停止されれば、無用な音響結合材の供給は回避される。音響結合材は効率的に利用される。
本発明のさらに他の態様は、超音波の送信面を有する音響整合体と、前記音響整合体に接続される超音波トランスデューサー素子と、前記送信面に対して流動性の音響結合材を供給し、かつ前記音響整合体の厚み方向からの平面視において前記超音波トランスデューサー素子の重心を挟む位置に配置されている2つの供給口と、前記送信面と水平面とのなす傾斜を検出する傾斜センサーと、前記傾斜センサーの出力に基づいて、前記2つの供給口のうちの鉛直方向に関して上側の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を鉛直方向に関して下側の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量に比べて多い量とする制御部とを備える超音波画像装置に関する。
超音波測定にあたって送信面は例えば体表といった被検体に接触する。接触にあたって被検体と送信面との間には供給口から音響結合材が供給される。音響結合材は被検体と送信面との間を満たす。こうして超音波は送信面から被検体に伝達される。このとき、被検体の測定面が重力方向に直交する水平であれば、音響結合材はその場に留まる。音響結合材は被検体と送信面との間を満たし続ける。その一方で、被検体の測定面が傾斜すると、音響結合材は流動性を有することから、音響結合材は傾斜面に沿って流動する。音響整合体よりも降る方向に遠ざかるように流動する。こうして降り傾斜で音響結合材が流動しても、音響結合材の供給量が増大すれば、音響結合材は十分に補充される。したがって、音響結合材は効果的に送信面と被検体との間を満たすことができる。
前記制御部は、前記傾斜の傾斜角度が大きいほど、時間当たりの供給量を増大させるように制御することができる。傾斜の傾斜角度が大きいほど、音響結合材の流動速度は高まる。したがって、傾斜角度の増大に応じて音響結合材の供給量が増大すれば、音響結合材は効果的に送信面と被検体との間を満たすことができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(1)超音波診断装置の全体構成
図1は本発明の一実施形態に係る超音波画像装置の一具体例すなわち超音波診断装置11の構成を概略的に示す。超音波診断装置11は装置端末12と超音波プローブ13とを備える。装置端末12と超音波プローブ13とはケーブル14で相互に接続される。装置端末12と超音波プローブ13とはケーブル14を通じて電気信号をやりとりする。装置端末12にはディスプレイパネル15が組み込まれる。ディスプレイパネル15の画面は装置端末12の表面で露出する。装置端末12では、後述されるように、超音波プローブ13で検出された超音波に基づき画像が生成される。画像化された検出結果がディスプレイパネル15の画面に表示される。
図1は本発明の一実施形態に係る超音波画像装置の一具体例すなわち超音波診断装置11の構成を概略的に示す。超音波診断装置11は装置端末12と超音波プローブ13とを備える。装置端末12と超音波プローブ13とはケーブル14で相互に接続される。装置端末12と超音波プローブ13とはケーブル14を通じて電気信号をやりとりする。装置端末12にはディスプレイパネル15が組み込まれる。ディスプレイパネル15の画面は装置端末12の表面で露出する。装置端末12では、後述されるように、超音波プローブ13で検出された超音波に基づき画像が生成される。画像化された検出結果がディスプレイパネル15の画面に表示される。
図2に示されるように、超音波プローブ13は筐体16を有する。筐体16内には超音波トランスデューサー素子ユニット(以下「素子ユニット」という)17が収容される。素子ユニット17の表面は筐体16の表面で露出することができる。素子ユニット17は表面から超音波を出力するとともに超音波の反射波を受信する。その他、超音波プローブ13は、プローブ本体13aに着脱自在に連結されるプローブヘッド13bを備えることができる。このとき、素子ユニット17はプローブヘッド13bの筐体16内に組み込まれることができる。
図3は第1実施形態に係る素子ユニット17の構成を概略的に示す。素子ユニット17は超音波デバイス18を備える。超音波デバイス18は、後述されるように、例えば基板上にアレイ状に配置される複数の超音波トランスデューサー素子を有する。超音波トランスデューサー素子は保護層(音響整合体)19で覆われる。保護層19の表面には音響レンズ(音響整合体)21が結合される。保護層19および音響レンズ21は一実施形態に係る音響整合体を形成する。音響レンズ21は超音波デバイス18の表面すなわち超音波の出射面を覆う。音響レンズ21は全域で超音波デバイス18の表面すなわち保護層19に密着する。音響レンズ21は超音波デバイス18の保護層19に一体化されてもよい。音響レンズ21は、生体といった被検体と超音波デバイス18との間で音響インピーダンスの整合を実現する。音響レンズ21は、個々の超音波トランスデューサー素子から同時に出射される超音波を1焦点に集める役割を果たす。ここでは、保護層19および音響レンズ21は例えばシリコーン樹脂から形成される。併せて、超音波デバイス18には第1フレキシブルプリント配線板(以下「第1配線板」という)23および第2フレキシブルプリント配線板(以下「第2配線板」という)24が個別に連結される。超音波デバイス18はバッキング材25で裏打ちされる。
音響レンズ21は超音波トランスデューサー素子の出射面に接続される素子接続面22すなわち基部面を有する。音響レンズ21は素子接続面22で超音波デバイス18の表面に重ねられる。音響レンズ19は素子接続面22に対して凸形状に盛り上がる湾曲面(送信面)27を有する。湾曲面27は、第1方向D1に相互に平行に延びる母線で形成される。湾曲面27は、母線に平行な中心軸を有する円柱の部分円筒面に相当する。湾曲面27と素子接続面22とは相互に対向する。
音響レンズ21には複数のスリット28が形成される。スリット28は、湾曲面27の母線に交差する平面と湾曲面27との交線を辿って第2方向D2に延びる。スリット28は、素子接続面22と湾曲面27との間を貫通する貫通孔を形成する。第1方向D1および第2方向D2は例えば超音波デバイス18の表面を含む平面内に規定されて相互に直交する。ここでは、交線は、湾曲面27と、湾曲面27の母線に直交する平面とで規定される。
スリット28は、素子接続面22と湾曲面27との間で音響レンズ21を分断する。音響レンズ21は複数の音響整合片29に分断される。図4に示されるように、個々の音響整合片29は、湾曲面27と、湾曲面27の母線に直交する1対の平面28aとで超音波デバイス18上で仕切られる。音響整合片29は、共通の直線上に母線を有しつつ超音波デバイス18上で相互に離隔して配置される。
ここでは、スリット28の幅tはスリット28の全域で均一に設定される。したがって、音響整合片29同士の間隔は均等である。ただし、スリット28の幅は1つのスリット28内で変化してもよくスリット28ごとに相違する幅が設定されてもよい。音響整合片29同士は第1方向D1に等間隔で離れて配置される。加えて、音響整合片29の大きさは均等に設定される。したがって、音響整合片29は等ピッチPで配置される。ただし、音響整合片29の大きさは変化してもよい。
図5は超音波デバイス18の平面図を概略的に示す。超音波デバイス18は基体31を備える。基体31には素子アレイ32が形成される。素子アレイ32は超音波トランスデューサー素子(以下「素子」という)33の配列で構成される。配列は複数行複数列のマトリクスで形成される。その他、配列では千鳥配置が確立されてもよい。千鳥配置では偶数列の素子33群は奇数列の素子33群に対して行ピッチの2分の1でずらされればよい。奇数列および偶数列の一方の素子数は他方の素子数に比べて1つ少なくてもよい。
個々の素子33は振動膜34を備える。図5では振動膜34の膜面に直交する方向の平面視(基板の厚み方向の平面視)で振動膜34の輪郭が点線で描かれる。輪郭の内側は振動膜34の内側領域に相当する。輪郭の外側は振動膜34の外側領域に相当する。振動膜34上には圧電素子35が形成される。圧電素子35は上電極36、下電極37および圧電体膜38で構成される。個々の素子33ごとに上電極36および下電極37の間に圧電体膜38が挟まれる。これらは下電極37、圧電体膜38および上電極36の順番で重ねられる。超音波デバイス18は1枚の超音波トランスデューサー素子チップとして構成される。
基体31の表面には複数本の第1導電体39が形成される。第1導電体39は配列の行方向に相互に平行に延びる。1行の素子33ごとに1本の第1導電体39が割り当てられる。1本の第1導電体39は配列の行方向に並ぶ素子33の圧電体膜38に共通に接続される。第1導電体39は個々の素子33ごとに上電極36を形成する。第1導電体39の両端は1対の引き出し配線41にそれぞれ接続される。引き出し配線41は配列の列方向に相互に平行に延びる。したがって、全ての第1導電体39は同一長さを有する。こうしてマトリクス全体の素子33に共通に上電極36は接続される。第1導電体39は例えばイリジウム(Ir)で形成されることができる。ただし、第1導電体39にはその他の導電材が利用されてもよい。
基体31の表面には複数本の第2導電体42が形成される。第2導電体42は配列の列方向に相互に平行に延びる。1列の素子33ごとに1本の第2導電体42が割り当てられる。1本の第2導電体42は配列の列方向に並ぶ素子33の圧電体膜38に共通に配置される。第2導電体42は個々の素子33ごとに下電極37を形成する。第2導電体42には例えばチタン(Ti)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)およびチタン(Ti)の積層膜が用いられることができる。ただし、第2導電体42にはその他の導電材が利用されてもよい。
列ごとに素子33の通電は切り替えられる。こうした通電の切り替えに応じてラインスキャンやセクタースキャンは実現される。1列の素子33は同時に超音波を出力することから、1列の個数すなわち配列の行数は超音波の出力レベルに応じて決定されることができる。行数は例えば10〜15行程度に設定されればよい。図中では省略されて5行が描かれる。配列の列数はスキャンの範囲の広がりに応じて決定されることができる。列数は例えば128列や256列に設定されればよい。図中では省略されて8列が描かれる。上電極36および下電極37の役割は入れ替えられてもよい。すなわち、マトリクス全体の素子33に共通に下電極が接続される一方で、配列の列ごとに共通に素子33に上電極が接続されてもよい。
基体31の輪郭は、相互に平行な1対の直線で仕切られて対向する第1辺31aおよび第2辺31bを有する。第1辺31aと素子アレイ32の輪郭との間に1ラインの第1端子アレイ43aが配置される。第2辺31bと素子アレイ32の輪郭との間に1ラインの第2端子アレイ43bが配置される。第1端子アレイ43aは第1辺31aに平行に1ラインを形成することができる。第2端子アレイ43bは第2辺31bに平行に1ラインを形成することができる。第1端子アレイ43aは1対の上電極端子44および複数の下電極端子45で構成される。同様に、第2端子アレイ43bは1対の上電極端子46および複数の下電極端子47で構成される。1本の引き出し配線41の両端にそれぞれ上電極端子44、46は接続される。引き出し配線41および上電極端子44、46は素子アレイ32を二等分する垂直面で面対称に形成されればよい。1本の第2導電体42の両端にそれぞれ下電極端子45、47は接続される。第2導電体42および下電極端子45、47は素子アレイ32を二等分する垂直面で面対称に形成されればよい。ここでは、基体31の輪郭は矩形に形成される。基体31の輪郭は正方形であってもよく台形であってもよい。
第1配線板23は第1端子アレイ43aに覆い被さる。第1配線板23の一端には上電極端子44および下電極端子45に個別に対応して導電線すなわち第1信号線48が形成される。第1信号線48は上電極端子44および下電極端子45に個別に向き合わせられ個別に接合される。同様に、第2配線板24は第2端子アレイ43bに覆い被さる。第2配線板24の一端には上電極端子46および下電極端子47に個別に対応して導電線すなわち第2信号線49が形成される。第2信号線49は上電極端子46および下電極端子47に個別に向き合わせられ個別に接合される。
超音波デバイス18の基体31には貫通孔51が形成される。貫通孔51は基体31の表面で開口する。貫通孔51の開口は、素子アレイ32の輪郭と第1配線板23との間、および、素子アレイ32の輪郭と第2配線板24との間にはそれぞれ1列に配置される。
基体31には慣性センサー(傾斜センサー)52が搭載される。慣性センサー52には加速度センサーおよびジャイロセンサーが組み込まれる。加速度センサーは互いに直交する三軸方向に個々に加速度を検出することができる。ジャイロセンサーは互いに直交する三軸の各軸回りに個別に角速度を検出することができる。慣性センサー52は検出信号を出力する。検出信号で個々の軸ごとに加速度および角速度は特定される。慣性センサー52は基体31に相対移動不能に固定されればよい。ここでは、慣性センサー52の取り付けにあたって慣性センサー52の検出軸の1つは基体31の表面に直交する。加えて、望ましくは、残りの検出軸は第1方向D1および第2方向D2にそれぞれ合わせ込まれる。慣性センサー52は第1配線板23または第2配線板24上の1信号線に接続される。慣性センサー52は保護層19および音響レンズ21の進行方向にと水平面とのなす傾斜を検出する。
図6に示されるように、基体31は基板53および可撓膜54を備える。基板53の表面に可撓膜54が一面に形成される。基板53には個々の素子33ごとに開口55が形成される。開口55は基板53に対してアレイ状に配置される。開口55が配置される領域の輪郭は素子アレイ32の輪郭に相当する。隣接する2つの開口55の間には仕切り壁56が区画される。隣接する開口55は仕切り壁56で仕切られる。仕切り壁56の壁厚みは開口55の間隔に相当する。仕切り壁56は相互に平行に広がる平面内に2つの壁面を規定する。壁厚みは2つの壁面の距離に相当する。すなわち、壁厚みは壁面に直交して壁面の間に挟まれる垂線の長さで規定されることができる。基板53は例えばシリコン基板で形成されればよい。
可撓膜54は、基板53の表面に積層される酸化シリコン(SiO2)層57と、酸化シリコン層57の表面に積層される酸化ジルコニウム(ZrO2)層57とで構成される。可撓膜54は開口55に接する。こうして開口55の輪郭に対応して可撓膜54の一部が振動膜34を形成する。振動膜34は、可撓膜54のうち、開口55に臨むことから基板53の厚み方向に膜振動することができる部分である。酸化シリコン層57の膜厚は共振周波数に基づき決定されることができる。
振動膜34の表面に下電極37、圧電体膜38および上電極36が順番に積層される。圧電体膜38は例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)で形成されることができる。圧電体膜38にはその他の圧電材料が用いられてもよい。ここでは、第1導電体39の下で圧電体膜38は完全に第2導電体42を覆う。圧電体膜38の働きで第1導電体39と第2導電体42との間で短絡は回避されることができる。
基体31の裏面にはバッキング材25が固定される。バッキング材25の表面に基体31の裏面が重ねられる。バッキング材25は超音波デバイス18の裏面で開口55を閉じる。バッキング材25はリジッドな基材を備えることができる。ここでは、仕切り壁56はバッキング材25に結合される。バッキング材25は個々の仕切り壁56に少なくとも1カ所の接合域で接合される。接合にあたって接着剤は用いられることができる。
基体31の表面に保護層19が積層される。保護層19は例えば全面にわたって基体31の表面に覆い被さる。その結果、素子アレイ32や第1および第2端子アレイ43a、43b、第1および第2配線板23、24は保護層19で覆われる。保護層19は、素子アレイ32の構造や、第1端子アレイ43aおよび第1配線板23の接合、第2端子アレイ43bおよび第2配線板24の接合を保護する。
保護層19には基体31の表面に直交する方向に延びる貫通孔59が形成される。個々のスリット28ごとに例えば1対の貫通孔59が割り当てられる。貫通孔59の一端はスリット28に接続される。スリット28内の空間に供給口59aを形成する。供給口59aは素子33の重心を挟む位置に配置される。ここでは、対となる供給口59aの間に複数の素子33が配列される。貫通孔29の他端は基体31の貫通孔51に接続される。同様に、バッキング材25には超音波デバイス18の基体31の表面に直交する方向に延びる貫通孔61が形成される。貫通孔61の一端は貫通孔51に接続される。
スリット28には例えば流動性の音響結合材の供給源64が接続される。供給源64は供給ポンプ65を備える。供給ポンプ65から管路を通って貫通孔51、59に所定の圧力下で音響結合材は供給される。供給ポンプ65と貫通孔51、59との間で管路には流量制御弁66が配置される。流量制御弁66はスリット28に送り込まれる音響結合材の流量を制御する。供給ポンプ65にはタンク67が接続される。タンク67には音響結合材が貯蔵される。供給ポンプ65はタンク67から音響結合材を補給する。
図7に示されるように、慣性センサー52は制御部69に接続される。制御部69は例えばマイクロプロセッサーユニット(MPU)といった演算処理回路で構成されることができる。制御部69には流量制御弁66が接続される。流量制御弁66は個々の供給口59aごとに設置される。その他、流量制御弁66は複数の供給口59aで構成される群ごとに設置されてもよい。制御部69は流量制御弁66に向けて制御信号を出力する。制御信号は個々の流量制御弁66ごとに弁の開度を特定する。開度に応じて個々の流量制御弁66ごとに音響結合材の供給量が設定される。制御部69は慣性センサー52の出力に応じて個々の流量制御弁66ごとに開度を決定する。こうして制御部69は個々の流量制御弁66ごとに音響結合材の供給量を制御する。
(2)超音波診断装置の動作
次に超音波診断装置11の動作を簡単に説明する。超音波の送信にあたって圧電素子35にはパルス信号が供給される。パルス信号は下電極端子45、47および上電極端子44、46を通じて列ごとに素子33に供給される。個々の素子33では下電極37および上電極36の間で圧電体膜38に電界が作用する。圧電体膜38は超音波で振動する。圧電体膜38の振動は振動膜34に伝わる。こうして振動膜34は超音波で振動する。その結果、対象物(例えば人体の内部)に向けて所望の超音波ビームは発せられる。
次に超音波診断装置11の動作を簡単に説明する。超音波の送信にあたって圧電素子35にはパルス信号が供給される。パルス信号は下電極端子45、47および上電極端子44、46を通じて列ごとに素子33に供給される。個々の素子33では下電極37および上電極36の間で圧電体膜38に電界が作用する。圧電体膜38は超音波で振動する。圧電体膜38の振動は振動膜34に伝わる。こうして振動膜34は超音波で振動する。その結果、対象物(例えば人体の内部)に向けて所望の超音波ビームは発せられる。
超音波の反射波は振動膜34を振動させる。振動膜34の超音波振動は所望の周波数で圧電体膜38を超音波振動させる。圧電素子35の圧電効果に応じて圧電素子35から電流が出力される。個々の素子33では上電極36と下電極37との間で電位が生成される。電流は下電極端子45、47および上電極端子44、46から電気信号として出力される。こうして超音波は検出される。
超音波の送信および受信は繰り返される。その結果、ラインスキャンやセクタースキャンは実現される。スキャンが完了すると、出力信号のデジタル信号に基づき画像が形成される。形成された画像はディスプレイパネル15の画面に表示される。
図8に示されるように、超音波診断にあたって超音波プローブ13が体表BDに押し当てられると、音響レンズ21の湾曲面27は体表BDに密着する。貫通孔59の供給口59aから水といった音響結合材(媒体)が供給されると、スリット28は水で満たされる。スリット28は水の通路として機能する。湾曲面27が柔軟な体表BDに押し当てられても、水はスリット28の全域にわたって広がることができる。その後、水はスリット28から湾曲面27に溢れ出す。こうして水は湾曲面27に沿って広がることができる。こうして音響レンズ21の有効範囲で十分に湾曲面27すなわち外表面に水は供給される。湾曲面27の有効範囲と体表BDとの間に水は十分に行き渡ることができる。
超音波プローブ13は体表BDに沿って動かされる。こうして目当ての体内組織は探り当てられる。その際、湾曲面27の母線に直交する方向MV1、MV2に音響レンズ21が移動しても、超音波プローブ13の移動方向の前方で貫通孔59の供給口59aから水は供給されることができる。移動時でも十分に湾曲面27と体表BDとの間は水で満たされることができる。
慣性センサー52は重力加速度に応じて超音波デバイス18の姿勢を検出する。例えば、図8から明らかなように、被検体の測定面すなわち体表BDが重力方向に直交する水平であれば、音響結合材は体表BDのその場に留まる。音響結合材は体表BDと音響レンズ21との間を満たし続ける。このとき、慣性センサー52の出力に応じて制御部69は傾斜なしと判断する。進行方向に関して前方の供給口59aによって時間当たりの第1供給量で音響結合材は供給される。
その一方で、例えば図9に示されるように、体表BDが超音波プローブ13の進行方向に関して降りに傾斜すると、音響結合材は流動性を有することから、音響結合材は音響レンズ21よりも前方に遠ざかるように流動する。このとき、慣性センサー52は移動速度および姿勢変化に応じた加速度および角速度を検出する。検出された加速度および角速度は検出信号として制御部69に送信される。制御部69は加速度および角速度に基づき進行方向に関して超音波プローブ13の傾斜角度θを算出する。制御部69が傾斜を降りと判断すると、制御部69は、傾斜をなしと判断した場合の第1供給量よりも多い第2供給量で音響結合材を供給するように制御を実施する。すなわち、制御部69からの制御信号の出力に応じて、進行方向に関して素子アレイ32の前方に位置する供給口59aに接続される流量制御弁66の開度は増大する。制御部69は、前方の供給口59aの時間当たり供給量と後方の供給口59aの時間当たり供給量との差を傾斜をなしと判断した場合の差よりも大きくなるように音響結合材の供給量を制御する。その結果、降り傾斜で音響結合材が素子アレイ32の前方から失われても、供給量の増量に応じて音響結合材は補填される。したがって、体表BDに対する音響レンズ21の前進に伴って音響結合材は効果的に体表BDと音響レンズ21との間を満たすことができる。
ここでは、制御部69は、降りの傾斜角度θが大きければ大きいほど、時間当たりの供給量が多い量となるように制御する。降りの傾斜角度θが大きいほど、音響結合材の流動速度は高まる。したがって、傾斜角度θの増大に応じて音響結合材の供給量が増大すれば、音響結合材は効果的に体表BDと音響レンズ21との間を満たすことができる。
同様に、制御部69は、進行方向に超音波プローブ13の移動速度が高まるほど、時間当たりの供給量が少ない量となるように制御する。超音波プローブ13の移動速度が高まれば、音響結合材の流動速度は相対的に低下する。時間当たりの損失量は低下する。したがって、時間当たりの供給量が減少しても、十分に体表BDと音響レンズ21との間は音響結合材で満たされることができる。
例えば図10に示されるように、体表BDが超音波プローブ13の進行方向に関して登りに傾斜すると、音響レンズ21は体表BDに接触することから、音響結合材は音響レンズ21で堰き止められる。このとき、慣性センサー52は移動速度および姿勢変化に応じた加速度および角速度を検出する。検出された加速度および角速度は検出信号として制御部69に送信される。制御部69は加速度および角速度に基づき進行方向に関して超音波プローブ13の傾斜角度θを算出する。制御部69が傾斜を登りと判断すると、制御部69は、傾斜をなしと判断した場合の第1供給量よりも少ない第3供給量で音響結合材を供給するように制御を実施する。すなわち、制御部69からの制御信号の出力に応じて、進行方向に関して素子アレイ32の前方に位置する供給口59aに接続される流量制御弁66の開度は減少する。制御部69は、前方の供給口59aの時間当たり供給量と後方の供給口59aの時間当たり供給量との差を傾斜をなしと判断した場合の差よりも小さくなるように音響結合材の供給量を制御する。音響結合材の供給量が減少しても、音響結合材は効果的に体表BDと音響レンズ21との間を満たすことができる。
ここでは、制御部69は、前方の供給口59aの時間当たり供給量と後方の供給口59aの時間当たり供給量との差を傾斜をなしと判断した場合の差よりも小さくなるように音響結合材の供給量を制御する。こうして素子アレイ32の後方で音響結合材の供給量は増大する。その結果、素子アレイ32の後方で登り傾斜に応じて音響結合材が失われても、素子アレイ32の後方には十分に音響結合材が補填される。したがって、音響結合材は効果的に体表BDと音響レンズ21との間を満たすことができる。
制御部69は、登りの傾斜角度θが所定の傾斜角度を超えると、後方の供給口59aから音響結合材の供給を停止するように制御する。登りの傾斜角度θが増大すると、進行方向の後方に音響結合材の流動速度は高まる。登りの傾斜角度θが所定の角度に達すると、後方の供給口59aから吐出される音響結合材は超音波の伝達に寄与しなくなる。このとき、音響結合材の供給が停止されれば、無用な音響結合材の供給は回避される。音響結合材は効率的に利用される。
同様に、制御部69は、進行方向に超音波プローブ13の移動速度が所定の速度を超えると、後方の供給口59aから音響結合材の供給を停止するように制御する。超音波プローブ13の移動速度が高まれば、進行方向の後方に音響結合材の流動速度は相対的に高まる。速度の高まりに応じて進行方向の後方では音響結合材の損失量は増大していく。移動速度が所定の速度に達すると、後方の供給口59aから吐出される音響結合材は超音波の伝達に寄与しなくなる。このとき、音響結合材の供給が停止されれば、無用な音響結合材の供給は回避される。音響結合材は効率的に利用される。
(3)第2実施形態に係る素子ユニット
図11は第2実施形態に係る素子ユニット17bを概略的に示す。この素子ユニット17bの音響レンズ21bではスリット71は湾曲面27の母線に平行な平面で挟まれて形成される。スリット71は、素子接続面22と湾曲面27との間で音響レンズ21bを分断する。音響レンズ21は複数の音響整合片72に分断される。個々の音響整合片72は、湾曲面27と、湾曲面27の母線に平行な1対の平面とで超音波デバイス18b上で仕切られる。音響整合片72は、1対の母線で仕切られる湾曲面27を有しつつ超音波デバイス18上で相互に分離される。その他、スリットの構造は前述のスリット28と同様である。
図11は第2実施形態に係る素子ユニット17bを概略的に示す。この素子ユニット17bの音響レンズ21bではスリット71は湾曲面27の母線に平行な平面で挟まれて形成される。スリット71は、素子接続面22と湾曲面27との間で音響レンズ21bを分断する。音響レンズ21は複数の音響整合片72に分断される。個々の音響整合片72は、湾曲面27と、湾曲面27の母線に平行な1対の平面とで超音波デバイス18b上で仕切られる。音響整合片72は、1対の母線で仕切られる湾曲面27を有しつつ超音波デバイス18上で相互に分離される。その他、スリットの構造は前述のスリット28と同様である。
図12に示されるように、超音波デバイス18bの基体31では素子アレイ32の外側であって第1辺31aおよび第2辺31b以外の辺と素子アレイ32の輪郭との間に貫通孔73が形成される。貫通孔73に対応して保護層19bおよびバッキング材25には前述と同様に貫通孔73に同軸に貫通孔がそれぞれ形成される。一連の貫通孔で流路は形成される。個々の貫通孔73はスリット71内の空間に開口する供給口に接続される。体内組織を探り当てる際に超音波プローブ13が湾曲面27の母線に平行に動かされると、超音波プローブ13の移動方向の前方で供給口から水は供給されることができる。移動時でも十分に湾曲面27と体表BDとの間は水で満たされることができる。その他、素子ユニット17bの構造は第1実施形態に係る素子ユニット17と同様である。
第1実施形態と同様に、慣性センサー52は重力加速度に応じて超音波デバイス18bの姿勢を検出する。例えば、超音波デバイス被検体の測定面すなわち体表BDが重力方向に直交する水平であれば、体表BDに接触する超音波デバイス18bはそれに倣って水平の姿勢と検出される。また、例えば図13に示されるように、体表BDが傾斜している場合に超音波プローブ13が体表BDに接触させられると、慣性センサー52は姿勢変化に応じた加速度および角速度を検出する。検出された加速度および角速度は検出信号として制御部69に送信される。制御部69は加速度および角速度に基づき重力方向に関して超音波プローブ13の傾斜角度θを算出する。そして次に超音波プローブ13が体表BDの傾斜に直交する方向、すなわち、体表BDの傾斜の等高線に沿って動かされると、制御部69は、超音波プローブ13の進行方向が体表BDの傾斜に直交すると判断し、体表BDの傾斜に対し低い位置の供給口59aの時間当たり供給量に比べて高い位置の供給口59aの時間当たり供給量を大きくするように流量制御弁66を制御する。こうして体表BDの傾斜で音響結合材が低い側に流動しても、音響結合材は十分に補充される。したがって、音響結合材は効果的に体表BDと音響レンズ21との間を満たすことができる。
ここでは、制御部69は、超音波プローブ13が体表BDの傾斜に直交する方向、すなわち体表BDの傾斜の等高線に沿って動かされるときに、超音波プローブ13の傾斜角度θが大きいほど、時間当たりの供給量を増大させるように制御する。超音波プローブ13の傾斜角度θが大きいほど、音響結合材の流動速度は高まる。したがって、傾斜角度θの増大に応じて音響結合材の供給量が増大すれば、音響結合材は効果的に体表BDと音響レンズ21との間を満たすことができる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれる。例えば、明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書または図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えられることができる。また、超音波診断装置11や超音波プローブ13、素子ユニット17、17b、超音波デバイス18、18b、音響レンズ21、21b、素子33、慣性センサー52等の構成および動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形が可能である。超音波デバイス18、18bの傾斜の測定にあたって例えば球面内を転がる球体(球面よりも直径の小さいもの)の動きが利用されてもよい。その他、慣性センサー52は少なくとも超音波デバイス18、18bの傾斜角度θを検出すればよい。
11 電子機器としての超音波画像装置(超音波診断装置)、19 音響整合体(保護層)、21 音響整合体(音響レンズ)、21b 音響整合体(音響レンズ)、27 送信面(湾曲面)、33 超音波トランスデューサー素子、52 傾斜センサー(慣性センサー)、59a 供給口、69 制御部、θ 傾斜角度。
Claims (8)
- 超音波の送信面を有する音響整合体と、
前記音響整合体に接続される超音波トランスデューサー素子と、
前記送信面に対して流動性の音響結合材を供給し、かつ前記音響整合体の厚み方向からの平面視において前記超音波トランスデューサー素子の重心を挟む位置に配置されている2つの供給口と、
前記音響整合体の進行方向と水平面とのなす傾斜を検出する傾斜センサーと、
前記傾斜センサーの出力に基づいて前記傾斜を降りと判断した場合には、前記2つの供給口のうちの前記進行方向に関して前方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記傾斜をなしと判断した場合の時間当たりの供給量に比べて多い量とする制御部と、
を備えることを特徴とする超音波画像装置。 - 請求項1に記載の超音波画像装置において、
前記制御部は、
前記進行方向に関して後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記前方の供給口の時間当たり供給量よりも少ない量に制御し、
かつ前記傾斜を降りと判断した場合には、前記後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量と前記前方の供給口の時間当たり供給量との差を前記傾斜をなしと判断した場合の前記差よりも大きなものにする制御を行うことを特徴とする超音波画像装置。 - 請求項1または2に記載の超音波画像装置において、前記制御部は、前記降りの傾斜角度が大きいほど、前記前方の供給口の時間当たりの供給量が多い量となるように制御することを特徴とする超音波画像装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波画像装置において、前記制御部は、前記進行方向に前記音響整合体の移動速度が大きいほど、時間当たりの供給量が少ない量となるように制御することを特徴とする超音波画像装置。
- 超音波の送信面を有する音響整合体と、
前記音響整合体に接続される超音波トランスデューサー素子と、
前記送信面に対して流動性の音響結合材を供給し、かつ前記音響整合体の厚み方向からの平面視において前記超音波トランスデューサー素子の重心を挟む位置に配置されている2つの供給口と、
前記音響整合体の進行方向と水平面とのなす傾斜を検出する傾斜センサーと、
前記傾斜センサーの出力に基づいて前記傾斜を登りと判断した場合には、前記2つの供給口のうちの前記進行方向に関して前方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記傾斜をなしと判断した場合の時間当たりの供給量に比べて少ない量とする制御部と、
を備えることを特徴とする超音波画像装置。 - 請求項5に記載の超音波画像装置において、
前記制御部は、
前記進行方向に関して後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量を前記前方の供給口の時間当たり供給量よりも少ない量に制御し、
かつ前記傾斜を登りと判断した場合には、前記後方の供給口による前記音響結合材の時間当たりの供給量と前記前方の供給口の時間当たり供給量との差を前記傾斜をなしと判断した場合の前記差よりも小さなものにする制御を行うことを特徴とする超音波画像装置。 - 請求項6に記載の超音波画像装置において、前記制御部は、前記登りの傾斜角度が所定の傾斜角度を超えると、前記後方の供給口による前記音響結合材の供給を停止するように制御することを特徴とする超音波画像装置。
- 請求項6または7に記載の超音波画像装置において、前記制御部は、前記進行方向に前記音響整合体の移動速度が所定の速度を超えると、前記後方の供給口による前記音響結合材の供給を停止するように制御することを特徴とする超音波画像装置。
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JP2013235676A JP2015093139A (ja) | 2013-11-14 | 2013-11-14 | 超音波画像装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021095508A1 (ja) * | 2019-11-11 | 2021-05-20 | 株式会社村田製作所 | 超音波検査装置 |
KR20230062304A (ko) * | 2021-10-29 | 2023-05-09 | 인제대학교 산학협력단 | 무균 초음파 시술용 젤 공급장치 |
-
2013
- 2013-11-14 JP JP2013235676A patent/JP2015093139A/ja active Pending
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JPWO2021095508A1 (ja) * | 2019-11-11 | 2021-05-20 | ||
JP7239017B2 (ja) | 2019-11-11 | 2023-03-14 | 株式会社村田製作所 | 超音波検査装置 |
KR20230062304A (ko) * | 2021-10-29 | 2023-05-09 | 인제대학교 산학협력단 | 무균 초음파 시술용 젤 공급장치 |
KR102633013B1 (ko) | 2021-10-29 | 2024-02-05 | 인제대학교 산학협력단 | 무균 초음파 시술용 젤 공급장치 |
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