JP2015092136A - ガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法 - Google Patents

ガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスタービン燃焼器において燃焼筒内で保持される火炎のリフト位置を容易に設定・変更できるようにする。【解決手段】ガスタービン燃焼器1は燃焼筒2と予混合管3を有する。予混合管の突出壁7の開口端に面取り部11を有する内径拡大部10を取り付ける。予混合管内の旋回流は面取り部11に沿って外方に導かれるので、予混合管内の直進流は断面積が広がって速度が低下し、燃焼筒内における火炎と内径拡大部の距離(リフト距離)は短くなる。輻射熱の大きい燃料の場合には、面取り部の小さい内径拡大部に交換する。直進流は断面積が狭くなって速度が増大し、リフト距離は長くなる。輻射熱増大による燃焼筒の損傷が防げる。【選択図】図2

Description

本発明は、ガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法に係り、特に予混合管と燃焼筒が連通する開口部に特殊な構造を施すことにより、使用する燃料の輻射熱の大小に対応して燃焼筒内で保持される火炎の位置を容易に設定・変更できるようにし、火炎の熱による燃焼筒の耐久性悪化を防止したガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法に関するものである。
下記特許文献1には、燃焼筒2と予混合管3と燃料供給手段5を備えたガスタービン燃焼器1の発明が開示されている。このガスタービン燃焼器1によれば、燃料供給手段において、燃料は接線方向に沿って環状の燃料通路16に供給され、環状のノズル部19から均一に噴射され、ノズル部を取り巻く周状の空気通路22からの空気によって微粒化されて、燃焼器内に軸方向流を作る。一方、予混合管の周壁面の孔25から内部に流入した空気は燃焼器内で軸方向流を取り巻く旋回流を作る。その結果、火炎は燃焼器の頂部から離れた位置に保持され、遮熱プレート6は過熱せず耐久性が向上するものとされている。
また、下記特許文献2及び3には、燃料を燃焼させるバーナーにおいて、燃焼筒に向かう直進流の空気とスワーラによる旋回流の空気によって燃料と空気を十分に混合させ、燃焼の安定化や低エミッションを実現しようとしたガスタービン燃焼器に関する発明が記載されている。
特開2009−198054号公報 米国特許第5735681号公報 米国特許第5879148号公報
しかしながら、上述したような従来のガスタービン燃焼器では、予混合管から供給された混合気が燃焼筒内で火炎となって燃焼する際、その火炎の輻射熱が燃焼筒を損傷しないように、予混合管が連通している燃焼筒の頂部から所定距離だけ離れた位置に火炎を保持するのが普通である。この燃焼筒の頂部から火炎までの距離をリフト距離と称している。
ところで、火炎の輻射熱は燃料の種類により異なるので、従来のガスタービン燃焼器を設計する際には、使用する燃料の種類に対応し、火炎のリフト距離が装置に熱損傷を与えない適当な長さとなるように、予混合管からの旋回空気量と直進空気量が適宜にバランスするように装置の構造を設定していた。
具体的には、使用するスワーラのスワール数や予混合管の形状構造を調整することにより、旋回空気量と直進空気量のバランスを所望の値に設定していたが、このように必要なリフト距離に合わせて各部の構造等を調整する作業は複雑かつ煩雑であり多大な時間・コストを要するものであった。
さらに、一旦所定種類の燃料に合わせてリフト距離を設定したガスタービン燃焼器であっても、使用上の都合によっては燃焼時の輻射熱が異なる他の燃料を使用しなければならない場合もある。そのような場合には、燃料の変更に対応して異なるリフト距離を設定するため、当該ガスタービン燃焼器の各部の構造を変更し、予混合管からの旋回空気量と直進空気量の調整作業を行なう必要があった。具体的には、リフト距離を短くする場合には、旋回空気量を増大させ、直進空気量を減少させるような改造が必要であり、またリフト距離を長くする場合には、旋回空気量を減少させ、直進空気量を増大させるような改造が必要である。このような改造作業は、新規でガスタービン燃焼器を製造する場合に比しても、さらに複雑かつ煩雑であり、より一層多大な時間・コストを要することとなっていた。
そこで本発明は、以上の課題を解決するものであり、使用する燃料の輻射熱の大小に対応する等のために、燃焼筒内で保持される火炎のリフト位置を容易に設定し、また変更できるようにすることを目的としている。
請求項1に記載されたガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法によれば、
タービンに燃焼ガスを供給するために燃料と空気の混合気を燃焼させる燃焼筒と、
前記燃焼筒に開口して設けられ供給された燃料と空気を混合して前記燃焼筒に供給する予混合管と、
前記予混合管に設けられて前記予混合管に燃料を供給する燃料供給手段と、
を有するガスタービン燃焼器において、
前記予混合管が前記燃焼筒に開口する開口端に設けた内径拡大部の内径拡大の程度をかえることにより、火炎のリフト距離を変更することを特徴としている。
請求項2に記載されたガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法によれば、請求項1記載のガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法において、
前記内径拡大部の内径拡大の程度を小さくして、火炎のリフト距離を長くすることを特徴とする。
請求項3に記載されたガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法は、請求項1記載のガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法において、
前記内径拡大部の内径拡大の程度を大きくして、火炎のリフト距離を短くすることを特徴としている。
請求項4に記載されたガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法において、
前記内径拡大部が、曲面加工部又は所定角度の平面加工部を有することを特徴としている。
本発明に係るガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法によれば、予混合管の燃焼筒に対する開口端には内径拡大部が設けられており、この内径拡大部の形状に応じて、燃焼筒内の火炎のリフト距離が定まる。すなわち、内径拡大部は、予混合管から燃焼筒に向けた軸方向に沿って内径が拡大する形状であるため、予混合管の内周面に沿って流れる空気の旋回流は、予混合管の開口において内径拡大部に沿って流れることにより、外方に拡大しながら燃焼筒に流入することとなる。
従って、内径拡大部における内径拡大の程度が相対的に大きく、より外側に逃げるような形状であるほど、空気の旋回流は燃焼筒内においてより外側に誘導されるので、予混合管の中央を進む空気の直進流の流路断面積は相対的に大きくなる。その結果、燃料と空気の量を一定として考えれば、混合気の速度は相対的に小さくなるので、火炎は予混合管により近い位置に保持されることとなり、リフト距離は相対的に短くなる。
逆に、内径拡大部における内径拡大の程度が相対的に小さく、外側に逃げる程度が相対的に小さい形状であるほど、空気の旋回流は燃焼筒内において外側に誘導される程度が相対的に小さくなるので、予混合管の中央を進む空気の直進流の流路断面積は相対的に小さくなる。その結果、燃料と空気の量を一定として考えれば、混合気の速度は相対的に大きくなるので、火炎は予混合管により遠い位置に保持されることとなり、リフト距離は相対的に長くなる。
従って、燃焼した場合の輻射熱が相対的に大きい燃料を使用する場合は、内径の拡大が相対的に小さい内径拡大部を採用して火炎のリフト距離を相対的に長くし、輻射熱が相対的に小さい燃料を使用する場合は、内径の拡大が相対的に大きい内径拡大部を採用して火炎のリフト距離を相対的に短くすればよい。このように、旋回空気量や直進空気量を変えるという大幅な構造の変更をすることなく、内径拡大部を交換するだけで、使用する燃料の輻射熱に応じて火炎のリフト量を任意に設定することができるので、燃料の種類によらず、火炎の熱による燃焼筒の耐久性悪化を確実に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るガスタービン燃焼器の縦断面図である。 一実施形態における予混合管付近の拡大縦断面図である。 (a)は一実施形態の予混合管の開口付近の構造(内径拡大部の面取りがC8の場合)と、その燃焼時における相対的に短い火炎のリフト距離L1を模式的に示す拡大縦断面図であり、(b)は同火炎の写真を示す図である。 (a)は一実施形態の予混合管の開口付近の構造(内径拡大部の面取りがC3の場合)と、その燃焼時における相対的に中央値である火炎のリフト距離L2を模式的に示す拡大縦断面図であり、(b)は同火炎の写真を示す図である。 (a)は一実施形態の予混合管の開口付近の構造(内径拡大部の面取りがC0の場合)と、その燃焼時における相対的に長い火炎のリフト距離L3を模式的に示す拡大縦断面図であり、(b)は同火炎の写真を示す図である。 予混合管の中心線上における空気及び未着火の燃料ガスの速度分布を表すグラフを示す図である。 予混合管の中心線上における燃焼ガスの速度分布を表すグラフを示す図である。 第2実施形態の予混合管の開口付近の構造を示す拡大縦断面図であり、(a)は内径拡大部の曲面加工がR30の場合、(b)は内径拡大部の曲面加工がR20の場合、(c)は内径拡大部の曲面加工がR10の場合を示す図である。
以下本発明の最良の実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して第1実施形態のガスタービン燃焼器1の全体構成を説明する。
このガスタービン燃焼器1は大略円筒形状の燃焼筒2を有している。燃焼筒2は頂部が閉塞され、下部の開口が図示しないガスタービンの排気側に連通されている。詳細は後述するが、燃焼筒2の頂部には予混合管3が取り付けられ、予混合管3の頂部には燃料供給手段としての圧力噴射装置4が取り付けられている。そして、燃焼筒2と予混合管3は、図示しないターボ圧縮機の圧縮空気取入口に連通した外筒体5に包囲されており、圧力噴射装置4に接続された燃料供給系の一部は外筒体5の頂部を貫通して外部に導かれている。
図1乃至図2に示すように、燃焼筒2の頂部中心位置には予混合管3が同軸で配置されている。予混合管3は、燃焼筒2の頂部の外側に取り付けられた筒状の周壁6と、燃焼筒2の頂部に取り付けられて下方の燃焼筒2内に所定寸法だけ突出するように配置された筒状の突出壁7から構成されている。周壁6は、その外形は直円筒形であるが、その内形は下方の燃焼筒2に向けて内径が徐々に縮小する形状となっている。また周壁6には接線方向に沿って内部に空気を流入させる複数の孔8が形成されている。突出壁7は、周壁6の下端の開口と等しい内径の直円筒体であり、周壁6の下端に連結されている。
図2及び図3に示すように、燃焼筒2内で開口している予混合管3の突出壁7の開口端には内径拡大部10が取り付けられている。内径拡大部10は環状の部材であり、その内周縁には所定角度で斜め下方に向いた平面加工部である面取り部11が形成されている。この実施形態では、面取り部の角度は45度であり、その水平方向及び垂直方向の寸法は8mmであって、JIS記号で示せばC8で表される面取り加工が内周縁に施されていると言える。
図2に示すように、予混合管3の周壁6の内部には円筒形の内壁9が所定間隔をおいて同軸で配置されている。内壁9の外周面は、下方の燃焼筒2に向けて外径が徐々に縮小する形状となっており、周壁6と内壁9の間には、半径方向の間隔が一定であるとともに、下方に向けて窄まる筒状の隙間Sが構成されている。この隙間Sは、予混合管3の一端側である上端が閉止されており、下端が突出壁7の上端の近傍で開口している。また、内壁9の内周面は直円筒形状であり、予混合管3の一端側である内壁9の上端は外筒体5内に開口している。
従って、外筒体5内に導かれたターボ圧縮機からの圧縮空気は、予混合管3の周壁6の孔8から内部に流入し、周壁6と内壁9の間の筒状の隙間Sで旋回流となり、さらに突出壁7の内周面に沿って旋回しながら開口端まで進み、内径拡大部10を経て燃焼筒2に送り込まれる。
また、圧縮空気は、圧力噴射装置4から供給される燃料とともに、内壁9の上端の開口から内壁9の内側に供給されて混合気となり、前記旋回流の干渉を受けることなく、内壁9の内側の全領域において内壁9の軸線方向に沿った一様な直進流となり、燃焼筒2に送り込まれる。
ここで、内径拡大部10は面取り部11が斜め下方に向いており、中心軸に沿い燃焼筒2に向けて進むに従って内径が拡大していく形状であるため、隙間Sから出た空気の旋回流は、予混合管3の突出壁7の開口端において、内径拡大部10の面取り部11に沿って流れることにより、外方に拡大しながら燃焼筒2に流入することとなる。
従って、内径拡大部10における内径拡大の程度に応じ、空気の旋回流は燃焼筒2内において外側に誘導される効果が生じるので、予混合管3の中央を進む空気の直進流の流路断面積は旋回流が外側に導かれる程度に応じて、次のように影響を受ける。
すなわち、空気の旋回流が内径拡大部10によって外方に導かれる程度が大きくなると、空気の直進流の流路断面積が大きくなり、燃料と空気の量を一定として考えれば、混合気の速度は相対的に小さくなる。従って火炎はリフト距離が短くなって燃焼筒2の頂部に近くなる。また、空気の旋回流が内径拡大部10によって外方に導かれる程度が小さくなると、空気の直進流の流路断面積が小さくなり、燃料と空気の量を一定として考えれば、混合気の速度は相対的に大きくなる。従って火炎はリフト距離が長くなって燃焼筒2の頂部から遠くなる。このように、火炎のリフト距離は、内径拡大部10における面取り部11の内径拡大の程度(この場合は面取り加工の大きさ)に応じて決定される。
図2に示すように、前記圧力噴射装置4は、予混合管3の一端側である周壁6の上端の開口の中心部に配置されている。この圧力噴射装置4は、燃料を空洞状の円錐形に噴射することにより液体燃料を高度に微粒化するホロコーンタイプの圧力噴射ノズルである。この圧力噴射装置4は、メイン供給路20とパイロット供給路21の2つの燃料供給路から供給される燃料が同一の噴射ノズル22から流出するようになっており、燃料に旋回運動が与えられることにより、噴射ノズル22から出た燃料は遠心力のために広がって中空円錐膜を形成する。このようなホロコーンタイプの圧力噴射ノズルとしてはシンプレックス噴射弁と称されるものが知られている。
この圧力噴射装置4の噴射ノズル22の噴射角度は、予混合管3の突出壁7の開口端に設けられた内径拡大部10に、円錐状に噴射された燃料が付着しないような角度に設定されている。また、噴射ノズル22の周囲には、外筒体5内の圧縮空気を導入口24から導いて噴射する流路25が設けられている。従って、噴射ノズル22から円錐形に噴射される燃料の広がりは、流路25からの空気によって抑制されるので、突出壁7又は内径拡大部10への燃料の付着を一層緩和・抑制することができる。
次に、以上のように構成された本実施形態のガスタービン燃焼器1の作用について説明する。
ターボ圧縮機からの圧縮空気は通常例えば300℃程度の温度である。この圧縮空気が外筒体5内に導かれ、予混合管3の周壁6に設けられた孔8から内部に流入し、周壁6と内壁9の間の筒状の隙間Sで旋回流となる。この旋回流は隙間Sから出た後、突出壁7の内周面に沿って流れながら突出壁7の開口端に至り、さらに内径拡大部10の面取り部11に沿って流れることにより、外方に拡大しながら燃焼筒に流入する。
他方、圧縮空気は、予混合管3の上端の開口から内壁9の内側の空間にも供給され、圧力噴射装置4から噴射された燃料と混合気を形成して直進流となり、突出壁7から燃焼筒2に送り込まれて燃焼し、例えば1000〜2000℃の燃焼ガスを生成する。なお、以上の説明における空気やガスの温度は一例である。
このような本実施形態における空気等の流れにおいて、旋回流は内径拡大部10に沿って外方に誘導・拡大されるので、予混合管3の中央における空気の直進流の流路断面積は、前記旋回流が外側に拡大する態様に応じたものとなる。すなわち、燃料と空気の量を一定として考えれば、旋回流が大きく外方に導かれ、空気の直進流の流路断面積が大きくなるほど、混合気の速度は相対的に小さくなり、その結果として火炎のリフト距離は短くなる。また旋回流があまり外方に導かれないため、空気の直進流の流路断面積が拡大しない場合には、混合気の速度は相対的に大きくなり、その結果として火炎のリフト距離は長くなる。
内壁9の内部における圧縮空気及び燃料又はこれらの混合気は、周壁6と内壁9の隙間Sで形成された圧縮空気の旋回流に干渉されることなく、内壁9の内側の全領域において内壁9の軸線方向に沿った一様な直進流となるが、前述したように内径拡大部10における旋回流の外方への拡大に伴って直進流の流路断面積が調整されることにより、この調整された流路断面積に対応する速度に応じたリフト距離で燃焼する。
このように、予混合管3内における混合気の直進流は、予混合管3の周壁6の孔8から流入した空気の旋回流に流路断面積を減少させられて流速が過剰に上昇することはなく、安定した一定の流速で突出壁7内に送り込まれた後、内径拡大部10を通過する際乃至その直後に内径拡大部10の形状に応じた速度の調整を受け、図3(a)に示すように燃焼筒2内の所定のリフト距離L1で火炎Fとなり、同図(b)に示すように火炎が安定して保持された状態となる。このため、火炎Fは燃焼筒2内の適切な位置に安定的に保持され、熱による燃焼筒2の耐久性悪化が防止されるとともに、燃焼の安定化や低エミッションが実現される。
前述した図3は内径拡大部10の面取り部11がC8の場合であったが、このガスタービン燃焼器1において、燃焼時に発生する輻射熱がより大きい燃料を使用するために、リフト距離Lをもっと長くとりたい場合が生じたとする。例えば、灯油や軽油が燃焼時に発生する輻射熱よりも、芳香族系の燃料による輻射熱の方が大きいので、図3の構造が灯油や軽油の仕様に適していたとしても、この構造で芳香族系の燃料を使用すると、熱によって燃焼筒2等が損傷する可能性がある。本実施形態によれば、予混合管2の開口端に設けた内径拡大部10は、ボルト等の簡易な取り付け手段で取り付けてあるため、他の寸法構造の面取り部11を有する内径拡大部10だけを交換するだけで、燃料の変更に容易に対応することができる。従って、火炎のリフト距離Lを変更・調整するために、ガスタービン燃焼器1の予混合管3の形状構造等を後から変更し、予混合管3からの旋回空気量と直進空気量の微妙な変更・調整を行なう煩雑困難な作業を行なう必要はない。
例えば、図4(a)に示すように、面取り部11の角度が45度であり、その水平方向及び垂直方向の寸法が3mmであって、JIS記号のC3で表される加工が施された内径拡大部10を使用したとする。旋回流は図3の場合ほどには外方に拡大・誘導されないので、図3の場合に比べれば、予混合管3の中央を進む空気の直進流の流路断面積は狭くなり、燃料と空気の量を一定として考えれば、その速度も相対的に大きくなり、その結果として火炎Fのリフト距離L2は図3の場合のL1よりも長くなり、そのより遠い位置において同図(b)に示すように火炎が安定して保持された状態となる。
さらに、図5(a)に示すように、面取り部11がなく、断面直角であり、JIS記号で表すとすればC0となる加工が施された内径拡大部10を使用したとする。この場合は、実際には面取り加工はされておらず、内径拡大部10の名称に関わらず、内径は予混合管3の突出壁7の内径と同じで拡大しないことになる。旋回流は図4の場合ほどには外方に拡大・誘導されず、突出壁7の内周面に沿って下降してきたまま、燃焼筒2の内部に供給される。このため、予混合管3の中央を進む空気の直進流は流路断面積に実質的な変化が生じない。従って、燃料と空気の量を一定として考えれば、その速度も大きくは変化せず、図4の場合に比べれば相対的に大きくなり、その結果として火炎Fのリフト距離L3は図4の場合のL2よりもさらに長くなり、その最も遠い位置において同図(b)に示すように火炎が安定して保持された状態となる。
このように、火炎Fのリフト距離が適正か否かは、火炎Fの輻射熱の程度に応じて判断されるべきものであり、火炎Fの温度に対してリフト距離が短すぎれば燃焼筒2等が損傷するし、火炎Fの温度に対してリフト距離が長すぎれば燃焼が不安定化して火炎Fが消えてしまうこともありうる。そこで、本実施形態では、図3〜図5に例示したように、火炎Fの輻射熱の程度に応じて適当な内径拡大形状の内径拡大部10を選択して取り付けることにより、適正な火炎Fのリフト距離Lを容易に得ることができることを示したものである。従って、内径拡大部10の面取り部11の角度、寸法等は、必要な火炎のリフト距離と装置全体の構成に合わせて種々に設定することができる。
次に、本実施形態のガスタービン燃焼器1において、空気及び燃料又は燃焼ガスの実際の流速について実測した結果を説明する。
図6は、本実施形態のガスタービン燃焼器において、空気及び燃料ガスを着火しない状態で流した非燃焼状態のデータである。予混合管3の出口を原点(X=0)とした予混合管3の中心線上におけるガスの速度分布を、図3〜図5に示すC8、C3、C0の各内径拡大部10ごとに実測し、グラフとして示したものである。横軸の距離Xの単位はmm、縦軸の軸方向速度Uの単位はm/sである。この非燃焼状態では、流速の速さは、予混合管3の出口(X=0)では差は少ないが、距離Xが長くなるにつれて差が生じ、速い方からC0(図5)、C3(図4)、C8(図3)の順となる。
この結果から、前述したように内径の拡大の大きい内径拡大部10ほど、旋回流が外方に逃げるため、直進流は流路断面積が広がって速度が低下する事実が分かる。
図7は、本実施形態のガスタービン燃焼器1において、空気及び燃料ガスを流して着火した燃焼状態のデータである。予混合管3の出口を原点(X=0)とする予混合管3の中心線上における燃焼ガスの速度分布を、図3〜図5に示すC8、C3、C0の各内径拡大部10ごとに実測し、グラフとして示したものである。横軸及び縦軸の単位は図6と同一である。この燃焼状態では、流速は、各内径拡大部10について一定ではなく、予混合管3の出口(X=0)から距離Xが大きくなるにつれて低下するが、ある位置を以て上昇に転じ、その後一定の値まで上昇していくといった変化をたどる。この速度が下降から上昇に転ずる位置X、すなわち各グラフの極小値に対応するX値が前記リフト距離Lであり、これは前述したように内径拡大部10の構造によって異なり、図7に示すデータによれば短い方からC8(図3)のL=31、C3(図4)のL=35、C0(図5)のL=39の順となっている。これは、各内径拡大部10の構造により極小値の前まではC8、C3、C0の順で速度が小さくなっているため、このC8、C3、C0の順で火炎が発生するリフト距離Lが短くなるからである。火炎が発生した位置よりも後では、いずれも燃焼ガスの速度が一定の値まで増大していく。
この結果から、前述したように内径の拡大の大きい内径拡大部10ほど、火炎のリフト距離が短くなり、火炎が予混合管3の下端部(又は燃焼筒2の頂部)に近づく事実が分かる。
次に、図8を参照して第2実施形態のガスタービン燃焼器における内径拡大部20の構造例を説明する。
図8に示すように、本実施形態の内径拡大部20の内周縁には、曲面加工部として、所定半径で断面が中心角度が90度の扇形である周面部21が形成されている。図8(a)は半径が30mmの場合、同(b)は半径が20mmの場合、同(c)は半径が20mmの場合であり、いずれも予混合管3の突出壁7の開口端に突出壁7の内周面と連続するように、かつ図示下方の燃焼筒2に向けて内径拡大部20としての内径が広がるように取り付けられている。取り付け方は任意であり、特に図示しないが、第1実施形態のように着脱可能なボルト止めでもよいし、溶接でもよい。溶接の場合でも内径拡大部20の交換は可能である。本実施形態によっても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、曲面加工部としては、本実施形態のような所定半径で断面扇形の周面部21でもよいが、半径は一定ではないが、図示下方の燃焼筒2に向けて内径が広がるような曲面を備えたものでもよい。
1…ガスタービン燃焼器
2…燃焼筒
3…予混合管
4…圧力噴射装置
7…予混合管を構成する突出壁
10,20…内径拡大部
11…面取り加工部としての面取り部
21…曲面加工部としての周面部
F…火炎
L…火炎のリフト距離

Claims (4)

  1. タービンに燃焼ガスを供給するために燃料と空気の混合気を燃焼させる燃焼筒と、
    前記燃焼筒に開口して設けられ供給された燃料と空気を混合して前記燃焼筒に供給する予混合管と、
    前記予混合管に設けられて前記予混合管に燃料を供給する燃料供給手段と、
    を有するガスタービン燃焼器において、
    前記予混合管が前記燃焼筒に開口する開口端に設けた内径拡大部の内径拡大の程度をかえることにより、火炎のリフト距離を変更することを特徴とするガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法。
  2. 前記内径拡大部の内径拡大の程度を小さくして、火炎のリフト距離を長くすることを特徴とする請求項1記載のガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法。
  3. 前記内径拡大部の内径拡大の程度を大きくして、火炎のリフト距離を短くすることを特徴とする請求項1記載のガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法。
  4. 前記内径拡大部が、曲面加工部又は所定角度の平面加工部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器における火炎リフト距離変更方法。
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