JP2015091924A - 薬液処理用粘着剤層、薬液処理用粘着シート、表面保護シート、及び、ガラス基板 - Google Patents

薬液処理用粘着剤層、薬液処理用粘着シート、表面保護シート、及び、ガラス基板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、薬液浸入防止性、及び、帯電防止されていない被着体から剥離時の剥離帯電圧の抑制(帯電防止性)を両立させ得る薬液処理用粘着剤層、前記粘着剤層を有する薬液処理用粘着シート、表面保護シート、及び、前記表面保護シートが貼付される表面保護シート付きガラス基板の提供を目的とする。【解決手段】本発明の薬液処理用粘着剤層は、ガラス転移温度が0℃未満のポリマー(A)を含有する粘着剤組成物から形成される薬液処理用粘着剤層であって、溶剤不溶成分率が、50〜90質量%であり、かつ、表面抵抗率が、103〜1013Ω/□であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、薬液処理用粘着剤層に関する。具体的には、薬液侵入防止性、及び、帯電防止性を有する粘着剤層、これを用いてシート状やテープ状などの形態とした粘着シート、表面保護シート、及び、前記表面保護シートを貼付してなるガラス基板に関する。より詳しくは、被着体を薬液で処理する際に非処理対象部分(薬液の影響を排除したい部分)をマスクすることができる薬液処理用の表面保護シート等に関する。
被着体(被処理材)を薬液で処理する際に、前記被着体の非処理対象部分(薬液の影響を排除したい部分)をマスクするための粘着シート(保護シート)は、典型的には、フィルム状の粘着剤(粘着剤層)と、前記粘着剤を支持する基材とを含んで構成され、前記粘着剤を被着体に貼り付けて使用される。このような薬液処理用の粘着シート(保護シート)は、例えば、ガラスの厚さ調整や、ガラスの切断端面に形成されたバリの除去等のために、ガラスを薬液(エッチング液)で溶解するエッチング処理、金属の表面を薬液(エッチング液)で部分的に腐食させるエッチング処理、回路基板(プリント基板、フレキシブルプリント基板(FPC)等)の接続端子部等を薬液(めっき液)で部分的にめっきするめっき処理等において好適に利用することができる。この種の技術に関する文献として特許文献1及び2が挙げられる。
保護シートは、その表面(薬液に直接曝される表面、すなわち被着体に貼り付けられた側とは反対側の表面)や外縁(以下、端面または側面ともいう。)からの薬液の浸入を防ぐ性質、すなわち薬液浸入防止性(シール性)が求められる。
ここで、保護シートの外縁からの薬液の浸入は、保護シートの粘着剤と被着体との界面からも起こり得る。このような界面からの薬液浸入を防止するためには、保護シートを構成する粘着剤(粘着剤層)が、被着体の表面と隙間なく密着する性質(密着性)、及び、接着強度(粘着力)が重要となる。
そして、保護シートは不要になった段階で剥離して除去される。一般に保護シートや、被着体を構成するプラスチック材料およびガラスは、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に静電気を発生する。従って、保護シートを被着体から剥離する際にも静電気が発生する。このため、空気中のゴミやホコリなどの吸着が生じたり、あるいは電撃による不快感のほか、静電気による回路基板や接続端子の破壊などの様々な静電気障害を引き起こす恐れがある。そこで、このような不具合を防止するため、保護シートは各種帯電防止処理が施されている。
たとえば、粘着剤に低分子の界面活性剤を添加し、粘着剤中から界面活性剤を被着体に転写させて帯電防止する方法が開示されている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法は、界面活性剤が、粘着剤表面にブリードし易く、保護シートに適用した場合、被着体への汚染が懸念される。従って、低分子の界面活性剤を添加した粘着剤を保護シートに適用した場合には、被着体の特性を損なわず、十分な帯電防止特性を発現させることは困難となる。
また、ポリエーテルポリオールとアルカリ金属塩からなる帯電防止剤をアクリル粘着剤に添加し、粘着剤表面に帯電防止剤がブリードするのを抑制する方法が開示されている(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、この方法においても、帯電防止剤のブリードは避けられず、その結果、実際に保護シートに適用した場合に、高温下の処理を施すと、ブリード現象により被着体への汚染が発生してしまう。
また、側鎖にアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体とイオン化合物を含有する帯電防止アクリル粘着剤に関する技術が開示(特許文献5)され、帯電防止性と低汚染性の両立が図られている。しかし、この方法においては、浮きや剥がれ等の密着性に関連する問題が発生する恐れがある。
特開2010―53346号公報 特開2003―82299号公報 特開平9−165460号公報 特開平6−128539号公報 特開2005−206776号公報
そこで、本発明は、薬液浸入防止性、及び、帯電防止されていない被着体から剥離時の剥離帯電圧の抑制(帯電防止性)を両立させ得る薬液処理用粘着剤層、前記粘着剤層を有する薬液処理用粘着シート、表面保護シート、及び、前記表面保護シートが貼付されてなる表面保護シート付きガラス基板の提供を目的とする。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、ガラス転移温度が0℃未満のポリマー(A)を含有する粘着剤組成物から形成される薬液処理用粘着剤層であって、溶剤不溶成分率が、50〜90質量%であり、かつ、表面抵抗率が、10〜1013Ω/□であることを特徴とする。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、重量平均分子量1000以上30000未満であり、下記一般式(1)で表される脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーをモノマー成分として含む(メタ)アクリル系重合体(B)を含有することが好ましい。
CH=C(R)COOR (1)
[式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、脂環式構造を有する脂環式炭化水素基である。]
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、イオン性化合物(C)を含有することが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)を含むことが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、前記ポリマー(A)100質量部に対して、前記(メタ)アクリル系重合体(B)を0.005〜2質量部含有することが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、前記ポリマー(A)100質量部に対して、前記イオン性化合物(C)を0.005〜2質量部含有することが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、前記ポリマー(A)100質量部に対して、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)を0.005〜1質量部含有することが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記ポリマー(A)が、(メタ)アクリル系ポリマー(a)であることが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーの脂環式炭化水素基が、橋かけ環構造を有することが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記(メタ)アクリル系重合体(B)のガラス転移温度が、0〜300℃であることが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記イオン性化合物(C)が、アルカリ金属塩及び/又はイオン液体であることが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記アルカリ金属塩が、リチウム塩であることが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記イオン液体が、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩のいずれか1種以上であることが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記イオン液体が、下記一般式(C1)〜(C5)で表される1種以上のカチオンを含むことが好ましい。
Figure 2015091924

[式(C1)中のRは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但し、窒素原子が2重結合を含む場合、Rはない。]
[式(C2)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。]
[式(C3)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。]
[式(C4)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、R、R、R、およびRは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但しZが硫黄原子の場合、Rはない。]
[式(C5)中のRは、炭素数1から18の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。]
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)がポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(D1)〜(D3)で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
Figure 2015091924

[式(D1)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、m及びnは0〜1000の整数。但し、m,nが同時に0となることはない。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。]
[式(D2)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、mは1〜2000の整数。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。]
[式(D3)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、mは1〜2000の整数。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。]
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を構成するモノマー成分として、ヒドロキシル基含有モノマーを含有することが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を構成するモノマー成分全量に対して、オキシアルキレン単位の平均付加モル数が、3〜40であるアルキレンオキシド基含有反応性モノマーを5.0質量%以下含有することが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着シートは、前記粘着剤層を、支持体の少なくとも片面に形成してなることが好ましい。
本発明の薬液処理用粘着シートは、前記支持体が、帯電防止処理されてなるプラスチックフィルムであることが好ましい。
本発明の表面保護シートは、前記薬液処理用粘着シートからなることが好ましい。
本発明の表面保護シート付きガラス基板は、ガラス基板に、前記表面保護シートが貼付されてなることが好ましい。
本発明によれば、薬液浸入防止性、及び、帯電防止されていない被着体から、剥離する際の剥離帯電圧の抑制(帯電防止性)の両立を図ることができる薬液処理用粘着剤層、前記粘着剤層を有する薬液処理用粘着シート、表面保護シート、及び、前記表面保護シートが貼付される表面保護シート付きガラス基板を提供することができ、有用である。
薬液処理用保護シートの一構成例を模式的に示す断面図である。 薬液処理用保護シートの他の構成例を模式的に示す断面図である。 薬液処理用保護シートの他の構成例を模式的に示す断面図である。 薬液処理用保護シートの他の構成例を模式的に示す断面図である。 実施例等で剥離帯電圧の測定に使用した電位測定部の概略構成図である。
本発明の薬液処理用粘着剤層は、ガラス転移温度が0℃未満のポリマー(A)を含有する粘着剤組成物から形成される薬液処理用粘着剤層であって、溶剤不溶成分率が、50〜90質量%であり、かつ、表面抵抗率が、10〜1013Ω/□であることを特徴とする。前記溶剤不溶成分率が50〜90質量%の範囲にあると、接着信頼性(密着性、接着性、再剥離性)が良好となり、薬液の浸入を防止することが可能となる。また、表面抵抗率が10〜1013Ω/□の範囲にあると、剥離帯電圧の発生を抑制(帯電防止性を付与)することが可能となる。
以下に、本発明の薬液処理用粘着剤層(単に、「粘着剤層」という場合がある。)を形成する際に使用される粘着剤組成物、前記粘着剤組成物により形成される粘着剤層、前記粘着剤層を有する薬液処理用粘着シート(単に、「粘着シート」という場合がある。)、表面保護シート(単に、「保護シート」という場合がある。)、及び、前記表面保護シートを貼付したガラス基板について、詳細につき、説明する。
<薬液処理用粘着シート(表面保護シート)の全体構成>
ここで開示される薬液処理用粘着シート(表面保護シート)は、支持体と前記支持体の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを備える。前記粘着シートの形状は、シート状であればよく、例えばロール状やセパレーター付きの単板状等であってもよい。
かかる粘着シートの典型的な構成例を図1に模式的に示す。この粘着シート10は、シート状の支持体(例えば、樹脂製のシート状基材)1と、その一方の面(片面)に設けられた粘着剤層2とを備える。粘着シート10は、その粘着剤層2側を、被着体(被処理材)を薬液で処理する前に被着体の所定箇所(保護対象部分、典型的には薬液の影響を排除したい部分。以下「非処理対象部分」ともいう。)に貼り付けて使用される。これによって、前記非処理対象部分を薬液から保護することができる。また、使用前(すなわち被着体への貼付前)の粘着シート10は、典型的には図2に示すように、粘着剤層2の表面(被着体への貼付面。以下、「粘着面」ともいう。)が、少なくとも粘着剤層2側が剥離面となっている剥離ライナー3によって保護された形態である。あるいは、支持体1の他面(粘着剤層2が設けられる面の背面)が剥離面となっており、粘着シート10がロール状に巻回されることにより前記他面に粘着剤層2が当接して、その表面(粘着面)が保護された形態であってもよい。また、粘着シート10は、支持体1の各面に粘着剤層2がそれぞれ設けられた両面粘着シートであってもよい。その場合、各粘着剤層の被着体への貼付面(粘着面)は、それぞれ少なくとも粘着剤層側が剥離面となっている剥離ライナー3によって保護された形態であってもよく、両面が剥離面となっている剥離ライナー3を介してロール状に捲回された形態であってもよい。また、図3に示すように、支持体1の他面(粘着剤層2が設けられる面の背面)に帯電防止層4を有する形態であってもよい。更に、図4に示すように、支持体1と粘着剤層2の中間に帯電防止層4を有する形態であってもよい。なお、本発明における「シート」は、シートより厚さが相対的に薄いとされるフィルムや、一般的に粘着テープと称されるようなテープを包含する。
<ポリマー(A)>
本発明の薬液処理用粘着剤層は、ガラス転移温度が0℃未満のポリマー(A)を含有する粘着剤組成物から形成されることを特徴とする。前記ポリマー(A)は、ガラス転移温度が0℃未満であれば、特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、及び、ポリエステル系ポリマー等の粘着剤として一般的に用いられる各種ポリマーを用いることができる。特に、本発明の粘着剤層に使用することが好ましい、後述する(メタ)アクリル系重合体(B)と相溶し易く、透明性が高い(メタ)アクリル系ポリマーの使用が好適である。
前記ポリマー(A)のガラス転移温度(Tg)は、0℃未満であり、好ましくは、−10℃未満であり、より好ましくは−40℃未満であり、通常−80℃以上である。前記ポリマー(A)のガラス転移温度が0℃以上であると、ポリマーが流動しにくく、被着体(被保護体)への濡れが不十分となり、密着性が低下する場合がある。また、前記ポリマー(A)のガラス転移温度が低すぎないことが、薬液浸入(典型的には、主に粘着剤が薬液で膨潤することに起因する薬液浸入)の防止に寄与し得る。
なお、本明細書において、「ホモポリマーを形成した際のガラス転移温度」とは、「当該モノマーの単独重合体のガラス転移温度」を意味し、あるモノマー(「モノマーX」と称する場合がある)のみをモノマー成分として形成される重合体のガラス転移温度(Tg)を意味する。具体的には、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons,Inc,1989年)に数値が挙げられている。
なお、前記文献に記載されていない単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、例えば、以下の測定方法により得られる値をいう。
すなわち、温度計、撹拌機、窒素導入管及び還流冷却管を備えた反応器に、モノマーX100質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部及び重合溶媒として酢酸エチル200質量部を投入し、窒素ガスを導入しながら1時間撹拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33質量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。そして、この試験サンプルをアルミニウム製のオープンセルに約1〜2mg秤量し、温度変調DSC(商品名「Q−2000」 ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて、50ml/minの窒素雰囲気下で昇温速度5℃/minにて、ホモポリマーのReversing Heat Flow(比熱成分)挙動を得る。
JIS−K−7121を参考にして、得られたReversing Heat Flowの低温側のベースラインと高温側のベースラインを延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度をホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)とする。
また、前記ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、たとえば、3万〜500万が好ましく、より好ましくは10万〜200万、更に好ましくは20万〜100万である。重量平均分子量(Mw)が3万未満であると、粘着剤(層)の凝集力が不足して、薬液の浸入が生じやすくなる場合がある。一方、重量平均分子量(Mw)が500万を超えると、粘着剤の流動性が低くなり、被着体に対する濡れが不足し、密着性が低下する場合がある。
<(メタ)アクリル系ポリマー(a)>
以下に、前記ポリマー(A)の好適な具体例である(メタ)アクリル系ポリマー(a)について詳述する。
前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)は、たとえば、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー成分として50質量%以上含有するポリマーであることが好ましい。また、(メタ)アクリル系ポリマー(a)は、炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが単独で、又は2種以上が組み合わされた構成とすることができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を得る方法は特に限定されず、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、放射線硬化重合等の(メタ)アクリル系ポリマーの合成手法として、一般的に用いられる各種の重合方法を適用することができる。なお、本発明の薬液処理用粘着剤層(粘着シート)を後述する表面保護シートに用いる場合、溶液重合、乳化重合を好適に用いることが好ましい態様である。
前記炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合としては、(メタ)アクリル系ポリマー(a)を調製するためのモノマー成分全量(100質量%)に対して、50質量%以上が好ましく、50〜99.9質量%がより好ましく、更に好ましくは60〜98質量%、特に好ましくは70〜95質量%である。前記範囲内にあると、薬液処理用粘着剤層(粘着シート、表面保護シート)に好ましい接着特性(密着性、接着性、再剥離性)が得られるため、好ましい態様となる。
前記炭素数1〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の(メタ)アクリル酸C1−20アルキルエステル[好ましくは(メタ)アクリル酸C2−14アルキルエステル、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸C2−10アルキルエステル]等が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとはアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルをいい、「(メタ)・・・」は全て同様の意味である。
なお、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)は、凝集力、耐熱性、架橋性等の改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な、他のモノマー成分(共重合性モノマー)を含んでいてもよい。したがって、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)は、主成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共に、共重合性モノマーを含んでいてもよい。共重合性モノマーとしては、極性基を有するモノマーを好適に使用することができる。
前記共重合性モノマーの具体的な例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等のヒドロキシル基含有モノマー;
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー;
スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;
2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン等の(N−置換)アミド系モノマー;
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー;
N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;
N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルへキシルイタコンイミド、N−シクロへキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;
N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−(メタ)アクリロイル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルモルホリン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モルホリノン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオン、N−ビニルピラゾール、N−ビニルイソオキサゾール、N−ビニルチアゾール、N−ビニルイソチアゾール、N−ビニルピリダジン等の窒素含有複素環系モノマー;
N−ビニルカルボン酸アミド類;
N−ビニルカプロラクタム等のラクタム系モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;
スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;
(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有アクリル系モノマー;
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素原子含有(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等の複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子等を有するアクリル酸エステル系モノマー;
イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;
ビニルトルエン、スチレン等の芳香族ビニル化合物;
エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のオレフィンまたはジエン類;
ビニルアルキルエーテル等のビニルエーテル類;
塩化ビニル;
ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有モノマー;
シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー;
2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有モノマー;
アクリロイルモルホリン;
シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
テルペン化合物誘導体アルコールから得られる(メタ)アクリル酸エステル;等が挙げられる。なお、これらの共重合性モノマーは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)が、主成分としての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共に共重合性モノマーを含有する場合、前記共重合性モノマーとして、特に、前記ヒドロキシル基含有モノマーや前記カルボキシル基含有モノマーを好適に使用することができる。その中でも、前記ヒドロキシル基含有モノマーとしては(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが、前記カルボキシル基含有モノマーとしてはアクリル酸を好適に使用することができる。
前記共重合性モノマーの含有量としては、特に制限されないが、通常、前記アクリル系ポリマー(a)を調製するためのモノマー成分全量(100質量%)に対して、前記共重合性モノマーを0.01〜40質量%することが好ましく、より好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜20質量%含有することができる。前記共重合性モノマーを0.01質量%以上含有することで、粘着剤(層)の凝集力の低下を防ぎ、被着体から剥離した際の汚染を防ぐことができる。また、前記共重合性モノマーの含有量を40質量%以下とすることで、凝集力が高くなり過ぎるのを防ぎ、常温(25℃)でのタック感を向上させることができる。
前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)が、更に、モノマー成分として、オキシアルキレン単位の平均付加モル数が3〜40であるアルキレンオキシド基含有反応性モノマーを5.0質量%以下含有することができる。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーへのオキシアルキレン単位の平均付加モル数としては、イオン性化合物との相溶性の観点から3〜40であることが好ましく、4〜35であることがより好ましく、5〜30であることが特に好ましい。前記平均付加モル数が3以上の場合、被着体(被保護体)の汚染低減効果が効率よく得られる傾向がある。また、前記平均付加モル数が40より大きい場合、帯電防止剤として作用するイオン性化合物との相互作用が大きく、粘着剤組成物がゲル状となって塗工が困難となる傾向があるため好ましくない。なお、オキシアルキレン鎖の末端は、ヒドロキシル基のままや、他の官能基などで置換されていてもよい。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)のモノマー成分全量(100質量%)に対する含有量は、5.0質量%以下であることが好ましく、4.0質量%以下であることがより好ましく、3.0質量%以下であることが更に好ましく、1.0質量%以下であることが特に好ましい。前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーの含有量が5.0質量%超えると、帯電防止剤として作用するイオン性化合物との相互作用が大きくなり、イオン伝導が妨げられ、帯電防止性が低下することとなり、好ましくない。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーのオキシアルキレン単位としては、炭素数1〜6のアルキレン基を有するものが挙げられ、たとえば、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられる。オキシアルキレン鎖の炭化水素基は直鎖でもよく、分岐していてもよい。
また、さらに、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーがエチレンオキシド基を有する反応性モノマーであることがより好ましい。エチレンオキシド基を有する反応性モノマーを有する(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとして用いることにより、ベースポリマーとイオン性化合物との相溶性が向上し、被着体へのブリードが好適に抑制され、低汚染性の粘着剤(層)が得られる。
前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物や、分子中にアクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などの反応性置換基を有する反応性界面活性剤などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキシド付加物の具体例としては、たとえば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、前記反応性界面活性剤の具体例としては、たとえば、(メタ)アクリロイル基またはアリル基を有するアニオン型反応性界面活性剤、ノニオン型反応性界面活性剤、カチオン型反応性界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン型反応性界面活性剤としては、たとえば、式(A1)〜(A10)で表されるものなどが挙げられる。
Figure 2015091924

[式(A1)中のRは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1から30の炭化水素基またはアシル基を表し、Xはアニオン性親水基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
Figure 2015091924

[式(A2)中のRは水素またはメチル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、RおよびRは同一または異なって、水素またはアルキル基を表し、RおよびRは同一または異なって、水素、アルキル基、ベンジル基またはスチレン基を表し、Xはアニオン性親水基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
Figure 2015091924

[式(A3)中のRは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアニオン性親水基を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。]。
Figure 2015091924

[式(A4)中のRは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1から30の炭化水素基またはアシル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアニオン性親水基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
Figure 2015091924

[式(A5)中のRは炭化水素基、アミノ基、カルボン酸残基を表し、Rは炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアニオン性親水基を表し、平均付加モル数nは3〜40の整数を表す。]。
Figure 2015091924

[式(A6)中のRは炭素数1から30の炭化水素基、Rは水素または炭素数1から30の炭化水素基を表し、Rは水素またはプロペニル基を表し、Rは炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアニオン性親水基を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。]。
Figure 2015091924

[式(A7)中のRは水素またはメチル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、Rは炭素数1から30の炭化水素基を表し、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム基、またはアルカノールアンモニウム基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
Figure 2015091924

[式(A8)中のRおよびRは同一または異なって、水素またはメチル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、Rは炭素数1から30の炭化水素基を表し、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム基、またはアルカノールアンモニウム基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
Figure 2015091924

[式(A9)中のRは炭素数1から6のアルキレン基を表し、Rは炭素数1から30の炭化水素基を表し、Mは水素、アルカリ金属、アンモニウム基、またはアルカノールアンモニウム基を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。]
Figure 2015091924

[式(A10)中のR、R、およびRは同一または異なって、水素またはメチル基を表し、Rは炭素数0から30の炭化水素基(炭素数0の場合はRがないことを示す)を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、Xはアニオン性親水基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]。
前記式(A1)〜(A6)、および(A10)中のXは、アニオン性親水基を表す。アニオン性親水基としては、下記式(a1)〜(a2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015091924

[式(a1)中のMは水素、アルカリ金属、アンモニウム基、またはアルカノールアンモニウム基を表す。]
Figure 2015091924

[式(a2)中のMおよびMは同一または異なって、水素、アルカリ金属、アンモニウム基、またはアルカノールアンモニウム基を表す。]
ノニオン型反応性界面活性剤としては、たとえば、式(N1)〜(N6)で表されるものなどが挙げられる。
Figure 2015091924

[式(N1)中のRは水素またはメチル基を表し、Rは炭素数1から30の炭化水素基またはアシル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
Figure 2015091924

[式(N2)中のRは水素またはメチル基を表し、R、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、平均付加モル数n、m、およびlは0〜40であって、(n+m+l)が3〜40となる数を表す。]
Figure 2015091924

[式(N3)中のRは水素またはメチル基を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、Rは炭素数1から30の炭化水素基またはアシル基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
Figure 2015091924

[式(N4)中のRおよびRは同一または異なって、炭素数1から30の炭化水素基を表し、Rは水素またはプロペニル基を表し、Rは炭素数1から6のアルキレン基を表し、平均付加モル数nは3〜40の数を表す。]
Figure 2015091924

[式(N5)中のRおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、RおよびRは同一または異なって、水素、炭素数1から30の炭化水素基、またはアシル基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
Figure 2015091924

[式(N6)中のR、R、およびRは同一または異なって、水素またはメチル基を表し、Rは炭素数0から30の炭化水素基(炭素数0の場合はRがないことを示す)を表し、RおよびRは同一または異なって、炭素数1から6のアルキレン基を表し、平均付加モル数mおよびnは0〜40、ただし(m+n)は3〜40の数を表す。]
また、前記アルキレンオキシド基含有反応性モノマーの具体的な市販品としては、たとえば、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマー50POEP−800B(以上、いずれも日本油脂社製)、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430(以上、いずれも花王社製)、アデカリアソープER−10、アデカリアソープNE−10(以上、いずれも旭電化工業社製)などが挙げられる。
また、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)には、得られる粘着剤層の凝集力を調整するために必要に応じて、多官能性モノマーを含有してもよい。
前記多官能性モノマーとしては、たとえば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを好適に使用することができる。前記多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記多官能性モノマーの含有量としては、その分子量や官能基数等により異なるが、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を調製するためのモノマー成分全量(100質量%)に対して、0.01〜3質量%が好ましく、より好ましくは0.02〜2質量%であり、さらに好ましくは0.03〜1質量%となるように添加する。前記多官能性モノマーの含有量が、3質量%を超えると、たとえば、得られる粘着剤層の凝集力が高くなりすぎ、粘着力が低下する場合がある。一方、0.01質量%未満であると、たとえば、得られる粘着剤層の凝集力が低下し、被着体(被保護体)から剥離した際に、粘着剤層の一部が被着体に残り、汚染する場合がある。
前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)の調製(重合)に際して、熱重合開始剤や光重合開始剤(光開始剤)等の重合開始剤を用いた熱や放射線による硬化反応を利用して、アクリル系ポリマーを容易に形成することができる。特に、重合時間を短くすることができる利点等から、熱重合を好適に用いることができる。重合開始剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記熱重合開始剤としては、たとえば、アゾ系重合開始剤(たとえば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等);過酸化物系重合開始剤(たとえば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、過酸化ラウロイル等);レドックス系重合開始剤等が挙げられる。
前記熱重合開始剤の含有量としては、特に制限されないが、たとえば、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を調製するモノマー成分全量100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部である。
前記光重合開始剤としては、特に制限されないが、たとえば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を用いることができる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、たとえば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[商品名:イルガキュア651、BASF社製]、アニソールメチルエーテル等が挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、たとえば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名:イルガキュア184、BASF社製]、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[商品名:イルガキュア2959、BASF社製]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[商品名:ダロキュア1173、BASF社製]、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、たとえば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、たとえば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、たとえば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。
また、ベンゾイン系光重合開始剤には、たとえば、ベンゾイン等が含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、たとえば、ベンジル等が含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、たとえば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が含まれる。ケタール系光重合開始剤には、たとえば、ベンジルジメチルケタール等が含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、たとえば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が含まれる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、たとえば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,3,5,6−テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10−ビス[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、などが挙げられる。
前記光重合開始剤の含有量は、特に制限されないが、たとえば、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を調製するモノマー成分全量100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部である。ここで、前記光重合開始剤の含有量が0.01質量部より少ないと、重合反応が不十分になる場合がある。前記光重合開始剤の含有量が5質量部を超えると、光重合開始剤が紫外線を吸収することにより、紫外線が粘着剤層内部まで届かなくなる場合がある。この場合、重合率の低下を生じたり、生成するポリマーの分子量が小さくなってしまう。そして、これにより、形成される粘着剤層の凝集力が低くなり、粘着剤層を被着体から剥離する際に、粘着剤層の一部が被着体に残り、被着体の再利用ができなくなる場合がある。なお、光重合開始剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態において、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)は、前記モノマー成分と重合開始剤を配合した混合物に、放射線(紫外線など)を照射させて、モノマー成分を一部重合させた部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)として調製することもできる。アクリル系ポリマーシロップに、後述する(メタ)アクリル系重合体(B)を配合して粘着剤組成物を調製し、この粘着剤組成物を所定の被塗布体に塗布した後、放射線(紫外線など)を照射させて重合を完結させることもできる。
前記放射線としては、たとえば、紫外線(UV)、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線などがあげられるが、制御性および取り扱い性の良さ、コストの点から紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなどの適宜光源を用いて照射することができる。
さらに、前記光重合開始剤と共に、アミン類などの光重合開始助剤を併用することも可能である。前記光重合開始助剤としては、たとえば、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステルなどがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。光重合開始助剤は、前記ポリマー(A)100質量部に対し、0.05〜10質量部配合するのが好ましく、0.1〜7質量部の範囲で配合するのがより好ましい。前記範囲内にあると、重合反応を制御しやすく、適度な分子量を得る観点から、好ましい。
なお、前記光重合開始剤を配合した場合において、前記粘着剤組成物を、被着体(被保護体)上に直接塗工するか、あるいはセパレーター等の所定の被塗布体に塗工した後に、または、帯電防止性を有する支持体(基材)上の片面に塗工した後、光照射することにより粘着剤層を得ることができる。通常は、波長300〜400nmにおける照度が1〜200mW/cmである紫外線を、光量200〜4000mJ/cm程度照射して光重合させることにより粘着剤層が得られる。
前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)の重量平均分子量(Mw)は、たとえば、3万〜500万が好ましく、より好ましくは10万〜200万、更に好ましくは20万〜100万である。重量平均分子量(Mw)が前記範囲より小さすぎると、粘着剤(層)の凝集力が不足して、薬液の浸入が生じやすくなる場合がある。一方、重量平均分子量(Mw)が前記範囲より大きすぎると、粘着剤の流動性が低くなり、被着体に対する濡れが不足し、密着性が低下する場合がある。
なお、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)のガラス転移温度(Tg)は、0℃未満であり、好ましくは、−10℃未満であり、より好ましくは−40℃未満であり、通常−80℃以上である。前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)のガラス転移温度(Tg)が0℃以上であると、ポリマーが流動しにくく、被着体への濡れが不十分となり、密着性が低下する場合がある。また、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)のガラス転移温度(Tg)が低すぎないことが、薬液浸入(典型的には、主に粘着剤が薬液で膨潤することに起因する薬液浸入)の防止に寄与し得る。
本発明において、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)が共重合体の場合、そのガラス転移温度(Tg)は、以下の式(2)(Fox式)に基づいて計算された値である。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・+Wn/Tg (2)
[式(2)中、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Tg(i=1、2、・・・n)は、モノマーiがホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(単位:K)、W(i=1、2、・・・n)は、モノマーiの全モノマー成分中の質量分率を表す。]
またモノマーiのガラス転移温度Tgiは、文献(例えばポリマーハンドブック、粘着ハンドログ等に記載された公称値である。
<(メタ)アクリル系重合体(B)>
本発明の薬液処理用粘着剤層の形成に使用される粘着剤組成物は、重量平均分子量が1000以上30000未満であり、下記一般式(1)で表される脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーをモノマー成分として含む(メタ)アクリル系重合体(B)を含有することが好ましい。
CH=C(R)COOR (1)
[式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、脂環式構造を有する脂環式炭化水素基である。]
前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、粘着付与樹脂としての機能を発揮しうる。また、本発明における薬液処理用粘着剤層を形成する際に使用する粘着剤組成物が、アクリル系粘着剤組成物の場合に、例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)と相溶し易く特に好適である。
前記一般式(1)における脂環式炭化水素基Rとしては、シクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基等の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。このような脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばシクロヘキシル基を有する(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル基を有する(メタ)アクリル酸イソボルニル、ジシクロペンタニル基を有する(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸の脂環族アルコールとのエステルを挙げることができる。このように比較的嵩高い構造を有するアクリル系モノマーをモノマー成分として(メタ)アクリル系重合体(B)に含有することで、接着強度(粘着力)を向上させることができる。
さらに、前記(メタ)アクリル系重合体(B)を構成する脂環式炭化水素基は、橋かけ環構造を有することが好ましい。橋かけ環構造とは、三環以上の脂環式構造のことを指す。橋かけ環構造のような嵩高い構造を(メタ)アクリル系重合体(B)に持たせることで、薬液処理用粘着剤層(粘着シート、表面保護シート)の接着強度(粘着力)をより向上させることができる。
前記橋かけ環構造を有する脂環式炭化水素基であるRとしては、たとえば、下記式(3a)で表されるジシクロペンタニル基、下記式(3b)で表されるジシクロペンテニル基、下記式(3c)で表されるアダマンチル基、下記式(3d)で表されるトリシクロペンタニル基、下記式(3e)で表されるトリシクロペンテニル基等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリル系重合体(B)の合成の際や粘着剤組成物作製の際にUV重合を採用する場合には、重合阻害を起こしにくいという点で、橋かけ環構造を有する三環以上の脂環式構造を持った(メタ)アクリル系モノマーの中でも特に、下記式(3a)で表されるジシクロペンタニル基や、下記式(3c)で表されるアダマンチル基、下記式(3d)で表されるトリシクロペンタニル基等の飽和構造を有した(メタ)アクリル系モノマーを(メタ)アクリル系重合体(B)を構成するモノマーとして好適に用いることができる。
Figure 2015091924
また、このような橋かけ環構造を有する三環以上の脂環式構造を持つ(メタ)アクリル系モノマーの例としては、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、トリシクロペンタニルメタクリレート、トリシクロペンタニルアクリレート、1−アダマンチルメタクリレート、1−アダマンチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−エチル−2−アダマンチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。この(メタ)アクリル系モノマーは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーの単独重合体であってもよく、あるいは脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーと他の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、または共重合性モノマーとの共重合体であってもよい。
このような(メタ)アクリル酸エステルモノマーの例としては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリールエステル;
テルペン化合物誘導体アルコールから得られる(メタ)アクリル酸エステル;等を挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、(メタ)アクリル系重合体(B)は、前記(メタ)アクリル酸エステル成分単位のほかに、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他のモノマー成分(共重合性モノマー)を共重合させて得ることも可能である。
前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他のモノマーとしては、
アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピルのような(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩等の塩;
エチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ジエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、プロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステルのような(ポリ)アルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステルモノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステルのような多価(メタ)アクリル酸エステルモノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;
塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチルのようなハロゲン化ビニル化合物;
2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンのようなオキサゾリン基含有重合性化合物;
(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸−2−アジリジニルエチルのようなアジリジン基含有重合性化合物;
アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチルグリシジルエーテルのようなエポキシ基含有ビニルモノマー;
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、ラクトン類と(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルとの付加物のようなヒドロキシル基含有ビニルモノマー;
ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体、ポリブチレングリコールとポリエチレングリコールの共重合体のようなポリアルキレングリコールの末端に(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基等の不飽和基が結合したマクロモノマー;
フッ素置換(メタ)アクリル酸アルキルエステルのような含フッ素ビニルモノマー;
無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物系モノマー;
2−クロルエチルビニルエーテル、モノクロロ酢酸ビニルのような反応性ハロゲン含有ビニルモノマー;
(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンのようなアミド基含有ビニルモノマー;
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー;
N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;
N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルへキシルイタコンイミド、N−シクロへキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー;
N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−(メタ)アクリロイル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−ビニルモルホリン、N−ビニルピラゾール、N−ビニルイソオキサゾール、N−ビニルチアゾール、N−ビニルイソチアゾール、N−ビニルピリダジン等の窒素含有複素環系モノマー;
N−ビニルカルボン酸アミド類;
N−ビニルカプロラクタム等のラクタム系モノマー;
(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;
シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー;
2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、2−メトキシエトキシトリメトキシシランのような有機ケイ素含有ビニルモノマー;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル等のヒドロキシル基含有モノマー;
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素原子含有(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等の複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子等を有するアクリル酸エステル系モノマー;
イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;
エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のオレフィンまたはジエン類;
ビニルアルキルエーテル等のビニルエーテル類;
塩化ビニル;
その他、ビニル基を重合したモノマー末端にラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。これらのモノマーは、単独であるいは組み合わせて前記(メタ)アクリル酸エステルと共重合させることができる。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)としては、たとえば、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とイソブチルメタクリレート(IBMA)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とイソボルニルメタクリレート(IBXMA)の共重合体、メチルメタクリレート(MMA)とイソボルニルメタクリレート(IBXMA)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とアクリロイルモルホリン(ACMO)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とジエチルアクリルアミド(DEAA)の共重合体、1−アダマンチルアクリレート(ADA)とメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)とイソボルニルメタクリレート(IBXMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)とメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)とメチルメタクリレート(MMA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)とアクリル酸(AA)の共重合体、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、イソボルニルメタクリレート(IBXMA)、イソボルニルアクリレート(IBXA)、ジシクロペンタニルアクリレート(DCPA)、1−アダマンチルメタクリレート(ADMA)、1−アダマンチルアクリレート(ADA)の各単独重合体等を挙げることができる。
さらに、前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、エポキシ基またはイソシアネート基と反応性を有する官能基が導入されていてもよい。このような官能基・BR>フ例としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、メルカプト基を挙げることができ、(メタ)アクリル系重合体(B)を製造する際にこうした官能基を有するモノマーを使用(共重合)してもよい。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)を脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーと他の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、または共重合性モノマーとの共重合体とする場合、脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーの含有割合は、(メタ)アクリル系重合体(B)を構成するモノマー成分全量(100質量%)中、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上である(通常100質量%未満、好ましくは90質量%以下)。脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーを5質量%以上含有していれば、接着強度(粘着力)を向上させることができる。また、前記脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーを含有させることで、前記(メタ)アクリル系重合体(B)とポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)との適度な相分離が起こり、ポリオキシアルキレン鎖によって運搬されるイオン性化合物(C)の移動性が、前記(メタ)アクリル系重合体(B)によって向上し、その結果、帯電防止性能の向上が達成できる。一方、5質量%未満の場合、接着性に劣る場合がある。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)の重量平均分子量(Mw)は、1000以上30000未満であることが好ましく、より好ましくは1500以上20000未満、さらに好ましくは2000以上10000未満である。重量平均分子量が30000以上であると、接着強度(粘着力)が低下する。また、重量平均分子量が1000未満であると、低分子量となるため被着体の汚染が発生する場合がある。
前記ポリマー(A)((メタ)アクリル系ポリマー(a))や前記(メタ)アクリル系重合体(B)等の重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によりポリスチレン換算して求めることができる。具体的には後述する実施例において記載する方法、条件に準じて測定される。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、ガラス転移温度(Tg)が0〜300℃が好ましく、より好ましくは50℃〜280℃、更に好ましくは90℃〜280℃、特に好ましくは110℃〜250℃である。前記(メタ)アクリル系重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が0℃未満であると、十分な接着強度(粘着力)が得られない場合がある。300℃以上であると、粘着剤層の凝集力が高くなりすぎるため被着体への濡れ性が不足する場合があり、好ましくない。本実施形態において、前記(メタ)アクリル系重合体(B)として使用可能な代表的な材料のガラス転移温度(Tg)を以下の表1に示す。表1に示すガラス転移温度(Tg)は、文献、カタログ等に記載された公称値であるか、あるいは、下記式(3)(Fox式)に基づいて計算された値である。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・+Wn/Tg (3)
[式(3)中、Tgは(メタ)アクリル系重合体(B)のガラス転移温度(単位:K)、Tg(i=1、2、・・・n)はモノマーiがホモポリマーを形成した際のガラス転移温度(単位:K)、W(i=1、2、・・・n)はモノマーiの全モノマー成分中の質量分率を表す。]
前記式(3)は、(メタ)アクリル系重合体(B)が、モノマー1、モノマー2、・・・・・、モノマーnのn種類のモノマー成分から構成される場合の計算式である。
Figure 2015091924
表1中の略語は、以下の化合物を示す。
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
DCPA:ジシクロペンタニルアクリレート
IBXMA:イソボルニルメタクリレート
IBXA:イソボルニルアクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
IBMA:イソブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
ADMA:1−アダマンチルメタクリレート
ADA:1−アダマンチルアクリレート
前記(メタ)アクリル系重合体(B)の含有量は、特に制限されないが、例えば、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.005〜2質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜1.5質量部であり、さらに好ましくは0.05〜0.5質量部である。前記(メタ)アクリル系重合体(B)を2.0質量部を超えると、粘着剤層の帯電防止性が低下する場合があり、0.005質量部より少ない場合には、接着強度(粘着力)の向上効果が得られない場合があり、好ましくない。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)は、上述した構造を有する前記(メタ)アクリル系モノマーを、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)と同様に、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、放射線硬化重合等を合成手法として、一般的に用いられる各種の重合方法を適用することができる。
前記(メタ)アクリル系重合体(B)の重量平均分子量(Mw)を調整するために、その重合中に連鎖移動剤を用いることができる。使用する連鎖移動剤の例としては、オクチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、α−チオグリセロール等のメルカプト基を有する化合物;チオグリコール酸、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル等のチオグリコール酸エステル類;α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
前記連鎖移動剤の含有量としては、特に制限されないが、通常、前記(メタ)アクリル系重合体(B)を構成する前記(メタ)アクリル系モノマー全量100質量部に対して、連鎖移動剤を0.1〜20質量部含有することが好ましく、より好ましくは、0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.3〜10質量部である。このように連鎖移動剤の添加量を調整することで、好適な分子量の(メタ)アクリル系重合体(B)を得ることができる。なお、連鎖移動剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<イオン性化合物(C)>
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、イオン性化合物(C)を含有することが好ましく、前記イオン性化合物(C)が、アルカリ金属塩及び/又はイオン液体であることがより好ましい。前記イオン性化合物は、常温で、イオン解離性を示す化合物であり、前記イオン性化合物を含有することにより、優れた帯電防止性を付与することができる。中でも、前記アルカリ金属塩は、微量の含有量(配合量)であっても、イオン解離性が高いために、被着体への汚染を抑えながら、優れた帯電防止能を発現することができ、有用である。また、前記イオン液体は、それ自身で優れた導電性を示すため、粘着剤層に微量含有するだけで、十分な帯電防止能を付与することができ、有用である。
<アルカリ金属塩>
前記アルカリ金属塩としては、たとえば、Li、Na、Kよりなるカチオンと、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、SCN、ClO 、NO 、CHCOO、C19COO、CFCOO、CCOO、CHSO 、CFSO 、CSO 、COSO 、C13OSO 、C17OSO 、(CFSO、(CSO、(CSO、(CSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、(CFSO)(CFCO)N、(CHPO 、(CPO 、CH(OCOSO 、C(CH)SO 、(CPF 、CHCH(OH)COO、及び、(FSOよりなるアニオンから構成される金属塩が好適に用いられる。より好ましくは、LiBr、LiI、LiBF、LiPF、LiSCN、LiClO、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(FSON、Li(CFSOCなどのリチウム塩であり、さらに好ましくはLiClO、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(CSON、Li(FSON、Li(CFSOCが用いられる。これらのアルカリ金属塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
<イオン液体>
前記イオン液体とは、0〜150℃の範囲内のいずれかで液体(液状)であり、かつ、不揮発性の溶融塩をいう。前記イオン液体は、前記範囲内のいずれかにおいて、液状であるため、固体の塩とくらべ、粘着剤への添加および分散または溶解が容易に行える。さらにイオン液体は蒸気圧がない(不揮発性)ため、経時で消失することもなく、帯電防止特性が継続して得られるものとなる。
また、前記イオン液体を帯電防止剤として用いることで、接着(粘着)特性を損なうことなく、帯電防止効果の高い粘着剤層が得られる。イオン液体を用いることで優れた帯電防止特性が得られる理由の詳細は明らかでないが、イオン液体は、通常のイオン性化合物とくらべ、低融点(融点150℃以下)であるため、分子運動が容易であり、優れた帯電防止能が得られるものと考えられる。特に被着体への帯電防止を図る際にはイオン液体が被着体へ極微量転写することにより、被着体での優れた剥離帯電防止性が図れていると考えられる。特に、融点が室温(25℃)以下のイオン液体は、被着体への転写がより効率的に行えるため、優れた帯電防止性が得られる。
前記イオン液体としては、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩のいずれかであることが好ましく、より好ましくは、下記一般式(C1)〜(C5)で表される有機カチオン成分と、アニオン成分からなるものが好ましく用いられる。これらのカチオンを持つイオン液体により、さらに帯電防止能の優れたものが得られる。
Figure 2015091924
前記式(C1)中のRは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但し、窒素原子が2重結合を含む場合、Rはない。
前記式(C2)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
前記式(C3)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
前記式(C4)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、R、R、R、およびRは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但しZが硫黄原子の場合、Rはない。
前記式(C5)中のRは、炭素数1から18の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
式(C1)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、モルフォリニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘプチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピロリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピロリジニウムカチオン、ピロリジニウム−2−オンカチオン、1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−エチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−ヘキシルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジプロピルピペリジニウムカチオン、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジブチルピペリジニウムカチオン、2−メチル−1−ピロリンカチオン、1−エチル−2−フェニルインドールカチオン、1,2−ジメチルインドールカチオン、1−エチルカルバゾールカチオン、N−エチル−N−メチルモルフォリニウムカチオンなどが挙げられる。
式(C2)で表されるカチオンとしては、たとえば、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムカチオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1−(2−メトキシエチル)−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3−ジメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3−トリメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,4−ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4−テトラメチル−1,6−ジヒドロピリミジニウムカチオンなどがあげられる。
式(C3)で表されるカチオンとしては、たとえば、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、1−メチルピラゾリウムカチオン、3−メチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2−メチルピラゾリニウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオン、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムカチオンなどがあげられる。
式(C4)で表されるカチオンとしては、たとえば、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、前記アルキル基の一部がアルケニル基やアルコキシル基、さらにはエポキシ基に置換されたものなどがあげられる。
具体例としては、たとえば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン、トリヘキシルスルホニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、トリブチル−(2−メトキシエチル)ホスホニウムカチオンなどがあげられる。なかでもトリエチルメチルアンモニウムカチオン、トリブチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルデシルアンモニウムカチオン、ジエチルメチルスルホニウムカチオン、ジブチルエチルスルホニウムカチオン、ジメチルデシルスルホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルエチルホスホニウムカチオン、トリメチルデシルホスホニウムカチオンなどの非対称のテトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオンや、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン、グリシジルトリメチルアンモニウムカチオン、ジアリルジメチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、トリメチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルプロピルアンモニウムカチオン、トリエチルペンチルアンモニウムカチオン、トリエチルヘプチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムカチオン、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムカチオンが好ましく用いられる。
式(C5)で表されるカチオンとしては、たとえば、スルホニウムカチオン等が挙げられる。また、前記式(E)中のRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
一方、アニオン成分としては、イオン液体になることを満足するものであれば特に限定されず、例えば、Cl、Br、I、AlCl 、AlCl 、BF 、PF 、SCN、ClO 、NO 、CHCOO、CFCOO、CHSO 、CFSO 、CSO 、(CFSO、(CSO、(CSO、(CSO、(CFSO、AsF 、SbF 、NbF 、TaF 、F(HF) 、(CN)、CSO 、(CSO、CCOO、(CFSO)(CFCO)N、C19COO、(CHPO 、(CPO 、CHOSO 、COSO 、COSO 、C13OSO 、C17OSO 、CH(OCOSO 、C(CH)SO 、(CPF 、CHCH(OH)COO、(FSO、B(CN) 、C(CN) 、N(CN) 、p−トルエンスルホネートアニオン、2−(2−メトキシエチル)エチルサルフェートアニオン等を用いることができる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、低融点のイオン液体が得られたり、(メタ)アクリルポリマー(a)や(メタ)アクリル系重合体(B)等との相溶性に優れたイオン液体が得られることから好ましく用いられる。
また、アニオン成分としては、下記式(C6)で表されるアニオンなども用いることができる。
Figure 2015091924

[式(C6)中のR〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、及び、置換基を有してもよい複素環基を表わす。前記置換基の水素原子は、更に他の置換基(電子吸引性基の置換基等)に置換されていても構わない。]
また、アニオン成分としては、下記式(C7)で表されるアニオンなども用いることができる。
Figure 2015091924
前記アニオン成分としては、なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、低融点のイオン液体が得られたり、(メタ)アクリルポリマー(a)や(メタ)アクリル系重合体(B)等との相溶性に優れたイオン液体が得られることから好ましく用いられる。
本発明に用いられるイオン液体の具体例としては、前記カチオン成分とアニオン成分の組み合わせから適宜選択して用いられ、たとえば、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−へキシルピリジニウムテトラフルオロボレート、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(トリプルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(トリプルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ペンチルビベリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ヘキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムピス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ペンチルピペリジニウムビス(ベンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジメチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−エチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−プロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−ペンチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へキシルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−1−へプチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジプロピルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−ブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1,1−ジブチルピペリジニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、2−メチル−1−ピロリンテトラフルオロボレート、1−エチル−2−フェニルインドールテトラフルオロボレート、1,2−ジメチルインドールテトラフルオロボレート、1−エチルカルバゾールテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘプタフルオロブチレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムペルフルオロブタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−へキシル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホネート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート、1−へキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、2−メチルピラゾリウムテトラフルオロポレート、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1−エチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−プロピル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−2,3,5−トリメチルピラゾリニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、テトラペンチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘキシルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2
−メトキシエチル)アンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−Nメチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、グリシジルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、テトラオクチルホスホニウムトリフルオロメタンスルホネート、テトラオクチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−ノニルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ブチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−プロピル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ブチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N−ペンチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジメチル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリエチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−エチルアンモニウムビス(トリフルオロメダンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N−ブチル−N−へキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジプロピル−N,N−ジヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジブチル−N−メチル−N−ヘキシルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N−メチル−N−エチル−N−プロピル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(トリフルオロメタンスルホニル)トリフルオロアセトアミド、N−エチル−N−メチルモルフォリニウムチオシアネート、4−エチル−4−メチルモルフォリニウムメチルカーボネートなどがあげられる。
前記のようなイオン液体は、市販のものを使用してもよいが、下記のようにして合成することも可能である。イオン液体の合成方法としては、目的とするイオン液体が得られれば特に限定されないが、一般的には、文献“イオン液体−開発の最前線と未来−”[(株)シーエムシー出版発行]に記載されているような、ハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法などが用いられる。
下記にハロゲン化物法、水酸化物法、酸エステル法、錯形成法、および中和法について含窒素オニウム塩を例にその合成方法について示すが、その他の含硫黄オニウム塩、含リンオニウム塩などその他のイオン液体についても同様の手法により得ることができる。
ハロゲン化物法は、下記式(1)〜(3)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミンとハロゲン化アルキルと反応させてハロゲン化物を得る。(反応式(1)、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)得られたハロゲン化物を目的とするイオン液体のアニオン構造(A)を有する酸(HA)あるいは塩(MA、Mはアンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウムなど目的とするアニオンと塩を形成するカチオン)と反応させて目的とするイオン液体(RNA)が得られる。
Figure 2015091924
水酸化物法は、(4)〜(8)に示すような反応によって行われる方法である。まずハロゲン化物(RNX)をイオン交換膜法電解(反応式(4))、OH型イオン交換樹脂法(反応式(5))または酸化銀(AgO)との反応(反応式(6))で水酸化物(RNOH)を得る。(ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が用いられる)得られた水酸化物を前記ハロゲン化法と同様に反応式(7)〜(8)の反応を用いて目的とするイオン液体(RNA)が得られる。
Figure 2015091924
酸エステル法は、(9)〜(11)に示すような反応によって行われる方法である。まず3級アミン(RN)を酸エステルと反応させて酸エステル物を得る。(反応式(9)、酸エステルとしては、硫酸、亜硫酸、りん酸、亜りん酸、炭酸などの無機酸のエステルやメタンスルホン酸、メチルホスホン酸、蟻酸などの有機酸のエステルなどが用いられる)得られた酸エステル物を前記ハロゲン化法と同様に反応式(10)〜(11)の反応を用いて目的とするイオン液体(RNA)が得られる。また、酸エステルとしてメチルトリフルオロメタンスルホネート、メチルトリフルオロアセテートなどを用いることにより、直接イオン液体を得ることもできる。
Figure 2015091924
錯形成法は、(12)〜(15)に示すような反応によって行われる方法である。まず4級アンモニウムのハロゲン化物(RNX)、4級アンモニウムの水酸化物(RNOH)、4級アンモニウムの炭酸エステル化物(RNOCOCH)などをフッ化水素(HF)やフッ化アンモニウム(NHF)と反応させてフッ化4級アンモニウム塩を得る。(反応式(12)〜(14))得られたフッ化4級アンモニウム塩をBF,AlF,PF,AsF,SbF,NbF,TaFなどのフッ化物と錯形成反応により、イオン液体を得ることができる。(反応式(15))
Figure 2015091924
中和法は、(16)に示すような反応によって行われる方法である。3級アミンとHBF,HPF,CHCOOH,CFCOOH,CFSOH,(CFSONH,(CFSOCH,(CSONHなどの有機酸とを反応させることにより得ることができる。
Figure 2015091924
前記の式(1)〜(16)記載のRは、水素または炭素数1から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部が、ヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。
なお、前記イオン液体は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、前記イオン性化合物(C)の含有量は、特に制限されないが、例えば、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.005〜2質量部であることが好ましく、0.01〜1.5質量部がより好ましく、0.05〜1質量部が更に好ましく、最も好ましくは0.07〜0.8質量部である。前記範囲内にあると、得られる粘着剤層(粘着シート)が優れた接着強度(粘着力)と帯電防止性を発揮することができ、有用である。
<ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)>
本発明の薬液処理用粘着剤層は、前記粘着剤組成物が、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)を含有することが好ましく、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、オキシアルキレン単位としては、炭素数1〜6のアルキレン基を有するものが挙げられ、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられる。前記オキシアルキレン鎖を構成する炭化水素基は直鎖でもよく、分岐していてもよい。たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(ジオール型)、ポリプロピレングリコール(トリオール型)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、および前記ポリマーの誘導体や共重合体が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。前記ポリオキシアルキレン鎖は、イオン性化合物と相互作用することで、イオンの解離を促進しつつ、鎖の分子運動でイオンを運搬するため、イオン伝導性を高める効果が得られる。
前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物の分子量としては、数平均分子量が100000以下のものが好ましく、より好ましくは200〜50000のものが好適に用いられる。分子量が100000を超えると、被着体への汚染が増加するため、好ましくない。
また、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)は、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)がポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンであることが好ましく、前記ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(D1)〜(D3)で表されるポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンであることが、より好ましい。
Figure 2015091924
前記式(D1)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、m及びnは0〜1000の整数。但し、m,nが同時に0となることはない。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。
前記式(D2)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、mは1〜2000の整数。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。
前記式(D3)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、mは1〜2000の整数。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。
前記ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンとしては、たとえば、以下のような構成を使用することができる。具体的には、式中のRはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基又はベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基で例示される1価の有機基であり、それぞれヒドロキシル基等の置換基を有していてもよい。R、R及びRはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基を用いることができる。ここで、R及びRは異なるアルキレン基であり、RはR又はRと同じであっても、異なっていてもよい。R及びRはそのポリオキシアルキレン側鎖中に溶解し得るイオン性化合物の濃度を上げるためにそのどちらか一方が、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましい。Rはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基またはアセチル基、プロピオニル基等のアシル基で例示される1価の有機基であってもよく、それぞれヒドロキシル基等の置換基を有していてもよい。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、分子中に(メタ)アクリロイル基、アリル基、ヒドロキシル基などの反応性置換基を有していてもよい。
前記ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンの市販品としては、たとえば、商品名KF−351A、KF−353、KF−945、KF−6011、KF−889、KF−6004(以上、信越化学工業社製)FZ−2122、FZ−2164、FZ−7001、SH8400、SH8700、SF8410、SF8422(以上、東レ・ダウコーニング社製)、TSF−4440,TSF−4445、TSF−4452、TSF−4460(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)、BYK−333、BYK−377、BYK−UV3500、BYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい
前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)の含有量は、特に制限されないが、粘着剤層の接着強度(粘着力)と帯電防止性の観点から、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.005〜1質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜0.8質量部であり、さらに好ましくは0.03〜0.5質量部である。
本発明で用いられる粘着剤組成物は、前記ポリマー(A)、(メタ)アクリル系重合体(B)、イオン性化合物(C)、及び、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)以外に、粘着剤の分野において一般的な各種の添加剤を任意成分として含有し得る。かかる任意成分としては、上述した添加剤に加えて、その他の粘着付与樹脂、架橋剤、触媒、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料等)、酸化防止剤、レベリング剤、安定剤、防腐剤、帯電防止剤等が例示される。このような添加剤は、従来公知のものを常法により使用することができる。
<架橋剤>
本発明の粘着剤層の凝集力を調整するために前記粘着剤組成物は、架橋剤を含有することも可能である。架橋剤は、通常、粘着剤分野において用いられる架橋剤を使用することができ、たとえば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、メラミン系架橋剤(アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、金属キレート系架橋剤等を挙げることができる。また、上述した前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)のモノマー成分として使用できる前記多官能性モノマーを架橋剤として使用することも可能である。特に、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤を好適に使用することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記イソシアネート系架橋剤(イソシアネート化合物)としては、たとえば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−トなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート類、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネ−ト類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートL、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名コロネートHL、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)などのイソシアネート付加物などがあげられる。あるいは、1分子中に少なくとも1つ以上のイソシアネート基と、1つ以上の不飽和結合を有する化合物、具体的には、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレートなどもイソシアネート系架橋剤として使用することができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記エポキシ系架橋剤(エポキシ化合物)としては、たとえば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(商品名TETRAD−X、三菱瓦斯化学社製)や1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名TETRAD−C、三菱瓦斯化学社製)などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記メラミン系架橋剤としては、ヘキサメチロールメラミンなどがあげられる。また、前記アジリジン系架橋剤(アジリジン誘導体)としては、たとえば、市販品としての商品名HDU(相互薬工社製)、商品名TAZM(相互薬工社製)、商品名TAZO(相互薬工社製)などがあげられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記金属キレート系架橋剤(金属キレート化合物)としては、金属成分としてアルミニウム、鉄、スズ、チタン、ニッケルなど、キレート成分としてアセチレン、アセト酢酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に用いられる架橋剤の含有量は、特に制限されないが、例えば、前記ポリマー(A)100質量部に対し、0.001〜0.8質量部含有することが好ましく、0.01〜0.7質量部含有することがより好ましい。前記架橋剤の含有量が0.001質量部未満の場合、粘着剤(層)の凝集力が小さくなって、薬液の浸入が生じる場合がある。一方、前記架橋剤の含有量が0.8質量部を超える場合、粘着剤(層)の凝集力が大きく、流動性が低下し、被着体に対する濡れが不十分となって、接着強度(粘着力)が低下する恐れがある。
また、前記多官能性モノマーの含有量は、架橋すべきポリマーとのバランスにより、さらには、粘着剤層(粘着シート、表面保護シート)の使用用途によって適宜選択される。なお、粘着剤(層)の凝集力により、十分な耐熱性を得るには、前記ポリマー(A)(例えば、前記(メタ)アクリル系ポリマー(a))を使用する場合、前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.001〜1.0質量部で配合するのが好ましい。また、柔軟性、接着性の点から前記ポリマー(A)100質量部に対して、0.5質量部以下で配合することがより好ましい。
なお、前記多官能性モノマーを架橋剤として使用する場合、架橋反応を進行させるため、放射線照射をすることができる。前記放射線としては、たとえば、紫外線、レーザー線、α線、β線、γ線、X線、電子線などがあげられるが、制御性および取り扱い性の良さ、コストの点から紫外線が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用いられる。紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプなどの適宜光源を用いて照射することができる。また、放射線として紫外線を用いる場合には粘着剤組成物には、上述した前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)の調製(重合)の際に使用できる光重合開始剤(光開始剤)、及び光重合開始助剤を、同様に、配合・添加することができる。なお、前記多官能性モノマーを架橋剤として使用する場合、放射線照射を行うことができるが、この場合に使用する前記光重合開始剤としては、放射線反応性成分の種類に応じ、その重合反応の引金となり得る適当な波長の紫外線を照射することによりラジカルもしくはカチオンを生成する物質であればよい。
前記光重合開始剤は、前記ポリマー(A)100質量部に対し、通常0.1〜10質量部配合し、0.2〜7質量部の範囲で配合するのが好ましい。前記範囲内にあると、重合反応を制御しやすく、適度な分子量を得る観点から、好ましい。
前記光重合開始剤を添加した場合において、前記粘着剤組成物を、被着体(被保護体)上に直接塗工するか、あるいはセパレーター等の所定の被塗布体に塗工した後に、または、支持体(基材)上の片面に塗工した後、光照射することにより、架橋反応を進行させ、粘着剤層を得ることができる。通常は、波長300〜400nmにおける照度が1〜200mW/cmである紫外線を、光量200〜4000mJ/cm程度照射して光重合させることにより粘着剤層が得られる。
また、本発明で用いられる前記粘着剤組成物は、架橋促進剤をさらに含んでもよい。架橋促進剤の種類は、使用する架橋剤の種類に応じて適宜選択することができる。なお、本明細書において架橋促進剤とは、架橋剤による架橋反応の速度を高める触媒を指す。かかる架橋促進剤としては、例えばジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、テトラ−n−ブチル錫、トリメチル錫ヒドロキシド等の錫(Sn)含有化合物;N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミンやトリエチルアミン等のアミン類、イミダゾール類等の窒素(N)含有化合物;が例示される。なかでも、Sn含有化合物が好ましい。前記粘着剤組成物に含まれる架橋促進剤の量は、前記ポリマー(A)100質量部に対し、例えば0.0001〜1.0質量部程度(好ましくは0.001〜0.5質量部程度)とすることができる。
本発明で用いられる前記粘着剤組成物は、更に、ケト−エノール互変異性を生じる化合物を含有させることができる。例えば、架橋剤を含む粘着剤組成物または架橋剤を配合して使用され得る粘着剤組成物において、前記ケト−エノール互変異性を生じる化合物を含む態様を好ましく採用することができる。これにより、架橋剤配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長する効果が実現され得る。前記架橋剤として少なくともイソシアネート化合物を使用する場合には、ケト−エノール互変異性を生じる化合物を含有させることが特に有意義である。この技術は、例えば、前記粘着剤組成物が有機溶剤溶液または無溶剤の形態である場合に好ましく適用され得る。
前記ケト−エノール互変異性を生じる化合物としては、各種のβ−ジカルボニル化合物を用いることができる。具体例としては、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2−メチルヘキサン−3,5−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸tert−ブチル等のアセト酢酸エステル類;プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸エチル、プロピオニル酢酸イソプロピル、プロピオニル酢酸tert−ブチル等のプロピオニル酢酸エステル類;イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸イソプロピル、イソブチリル酢酸tert−ブチル等のイソブチリル酢酸エステル類;マロン酸メチル、マロン酸エチル等のマロン酸エステル類;等が挙げられる。なかでも好適な化合物として、アセチルアセトンおよびアセト酢酸エステル類が挙げられる。かかるケト−エノール互変異性を生じる化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ケト−エノール互変異性を生じる化合物の含有量は、前記ポリマー(A)100質量部に対して、例えば0.1〜20質量部とすることができ、通常は0.5〜15質量部(例えば1〜10質量部)とすることが適当である。前記化合物の量が少なすぎると、十分な使用効果が発揮され難くなる場合がある。一方、前記化合物を必要以上に多く使用すると、粘着剤層に残留し、凝集力を低下させる場合がある。
前記粘着剤組成物は、必要に応じて粘着付与樹脂を含有してもよい。上述した前記(メタ)アクリル系共重合体(B)は、本発明の粘着剤層において、粘着付与樹脂としての機能を有するが、更に、その他の粘着付与樹脂として、従来公知のものを特に限定なく使用することができる。例えばテルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、キシレン樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。粘着付与樹脂を用いる場合、その含有量は、前記ポリマー(A)や(メタ)アクリル系重合体(B)などの性質を低下させず、粘着付与樹脂の効果を充分に得る観点から、ポリマー(A)100質量部に対して20質量部以下(典型的には0.01〜10質量部)とすることが好ましい。
前記粘着剤組成物は、前記ポリマー(A)に、必要に応じて他のポリマー(任意ポリマー)を配合して調製されたものであってもよい。そのような任意ポリマーは、例えば粘着剤の凝集力を高める目的で配合され得る。粘着剤の凝集力が高くなることは、粘着シート(表面保護シート)の外縁からの薬液浸入防止性(典型的には、主に粘着剤が薬液で膨潤することに起因する薬液浸入を防止する性能)の向上に寄与し得る。
<薬液処理用粘着剤層>
本発明の粘着剤層は、粘着剤組成物の硬化層であり得る。例えば、前記粘着剤層は、粘着剤組成物を適当な支持体に付与(たとえば、塗布・塗工)した後、硬化処理を適宜施すことにより形成され得る。支持体が帯電防止処理されてなるプラスチック基材である場合、帯電防止層上に粘着剤層を形成することもでき、また帯電防止処理されていない面に粘着剤層を形成することもできる。2種以上の硬化処理(乾燥、架橋、重合等)を行う場合、これらは、同時に、または多段階に行うことができる。部分重合物(アクリル系ポリマーシロップ)を用いた粘着剤組成物では、典型的には、前記硬化処理として、最終的な共重合反応が行われる(部分重合物を更なる共重合反応に供して完全重合物を形成する)。たとえば、光硬化性の粘着剤組成物であれば、光照射が実施される。必要に応じて、架橋、乾燥等の硬化処理が実施されてもよい。たとえば、光硬化性粘着剤組成物で乾燥させる必要がある場合は、乾燥後に光硬化を行うとよい。完全重合物を用いた粘着剤組成物では、典型的には、前記硬化処理として、必要に応じて乾燥(加熱乾燥)、架橋等の処理が実施される。
前記粘着剤組成物(粘着剤組成物溶液)の塗付・塗工は、たとえば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の慣用のコーターを用いて実施することができる。なお、支持体(基材)に粘着剤組成物を直接付与して粘着剤層を形成してもよく、剥離ライナー上に形成した粘着剤層を支持体に転写してもよい。
前記粘着剤層の厚さは、特に限定されず、目的に応じて適宜調整することができる。粘着剤層の厚さは、例えば1〜100μm程度とすることができる。なお、被着体表面との密着性の観点から好適な厚さは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上(例えば5μm以上、典型的には7μm以上)である。また、剥離作業性の観点から、粘着剤層の厚さは90μm以下が好ましく、より好ましくは70μm以下、典型的には50μm以下である。粘着剤層の厚さが大きすぎないことは、粘着剤の膨潤による薬液浸入を抑制する観点からも好ましい。
前記粘着剤層の表面(粘着面、すなわち被着体への貼付面)の算術平均表面粗さは、1μm以下であることが好ましく、おおよそ0.05〜0.75μm(例えばおおよそ0.05〜0.5μm、典型的にはおおよそ0.1〜0.3μm)の範囲にあることがより好ましい。粘着面の平滑性が高くなると、粘着面と被着体表面との密着性が向上する。このことによって、粘着剤と被着体との界面からの薬液浸入をよりよく防止することができる。また、平滑性の高い粘着剤層は、被着体表面から剥離する際の応力の偏りが少ないので、局部的な応力により粘着剤の一部が切れて被着体側に残る等の事象をよりよく回避し得る。したがって、かかる粘着剤層を支持体(基材)上に有する粘着シート(表面保護シート)は、被着体表面に糊残り等の汚染を生じることなく、被着体からスムーズに剥離できるものとなり得る。
なお、粘着面の算術平均表面粗さは、一般的な表面粗さ測定装置(例えば、Veeco社製の非接触3次元表面形状測定装置、型式「Wyko NT−3300」)を用いて測定することができる。
また、本発明の粘着剤層は、溶剤不溶成分率(ゲル分率)が50〜90質量%であり、好ましくは、55〜87質量%、より好ましくは、60〜85質量%である。溶剤不溶成分率が90質量%を超えると、接着強度(粘着力)が低下し、50質量%より低い場合は、粘着剤(層)の凝集力が低下し、糊残りが発生する可能性がある。なお、溶剤不溶成分率の評価方法は、後述する実施例において記載する方法、条件に準じて測定される。
また、前記粘着剤層は、表面抵抗率が、10〜1013Ω/□であり、好ましくは10〜1013Ω/□であり、より好ましくは、10〜1013Ω/□である。前記範囲内であれば、剥離帯電圧を抑制すること、つまりは帯電防止性を付与することが可能となり、有用である。なお、前記表面抵抗率の評価方法は、後述する実施例において記載する方法、条件に準じて測定される。
<支持体>
本発明の薬液処理用粘着シートは、前記粘着剤層を、支持体の少なくとも片面に形成してなることが好ましい。前記粘着剤層を有する粘着シートは、薬液侵入防止性、及び帯電防止性に優れるため、有用である。なお、前記粘着シート(表面保護シート)に用いられる支持体(基材)としては、公知のフィルム状やシート状等の支持体を適宜選択して使用することができる。支持体の材質は、特に限定されない。例えば金属材料(アルミニウム等)から形成された支持体、樹脂材料から形成された支持体、これらの複合材料から形成された支持体(例えば、片面に金属を蒸着したプラスチックフィルム)等を使用し得る。
ここに開示される技術における支持体(基材)の好適例として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂(PA);ポリイミド樹脂(PI);ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS);ポリカーボネート樹脂(PC);ポリウレタン樹脂(PU);エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂;アクリル樹脂等の樹脂材料からなる支持体(プラスチックフィルム)が挙げられる。このような樹脂の1種類を単独で含む樹脂材料からなる支持体であってもよく、2種以上がブレンドされた樹脂材料からなる支持体(プラスチックフィルム)であってもよい。
ここで、プラスチックフィルムとは、典型的には非多孔質のプラスチック膜を指し、織布や不織布とは区別される概念である。ここに開示される粘着シート(表面保護シート)の支持体としては、無延伸プラスチックフィルムおよび延伸(一軸延伸または二軸延伸)プラスチックフィルムのいずれも使用可能である。
これらのうち、適度な可撓性を有するという観点から好ましい樹脂材料として、ポリオレフィン樹脂(例えば、PP、PE、EPR等のポリオレフィン樹脂のうち1種を単独で含むか、または2種以上がブレンドされたポリオレフィン樹脂)およびポリエステル樹脂(例えばPET)が挙げられる。ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂は、適度な可撓性を有するため、このような樹脂材料製の支持体を備えた粘着シート(表面保護シート)は、例えば被着体の表面段差が存在する場合にも、前記段差に追従しやすい(すなわち、表面形状追従性が高い)。そのため、粘着シートを構成する粘着剤(層)と、被着体との間に薬液の浸入経路(空隙)を作り難い。したがって、薬液処理用の粘着シート(表面保護シート)の支持体として好適である。
なお、前記段差は、被着体の表面に形成された構造物に由来するものであり得る。そのような構造物を有する被着体としては、例えば、タブレット型パソコンや携帯電話、有機LED(発光ダイオード)等に用いられるような、表面に部分的に透明導電膜(例えばITO(酸化インジウムスズ)膜)やフレキシブルプリント基板(FPC)が設けられたガラス基材が挙げられる。
ここに開示される粘着シート(表面保護シート)の支持体(基材)としては、耐酸性の高い樹脂材料からなるものを好ましく採用し得る。かかる支持体は、酸性の薬液(例えば、ガラスのエッチングに用いられるフッ酸溶液や、クロムめっき液、硫酸銅めっき液、ニッケルめっき液、酸性無電解ニッケルめっき液、酸性錫めっき液等の酸性のめっき液)に曝されても膨潤しにくい。したがって、酸性の薬液が支持体を膨潤させて粘着シート(表面保護シート)に浸入して被着体(非処理対象部分)に到達することを阻止する上で有利である。耐酸性および可撓性のバランスに優れるという観点から好ましい支持体として、ポリオレフィン樹脂からなるものが例示される。
前記支持体(基材)は、単層であってもよく、二層以上の多層構造(例えば三層構造)であってもよい。例えば、上述したフィルムを含む多層構造の樹脂フィルム(多層フィルム)を支持体として用いることができる。多層フィルムにおいて、各層を構成する樹脂材料は、上述のような樹脂の1種類を単独で含む樹脂材料であってもよく、2種以上の樹脂がブレンドされた樹脂材料であってもよい。
好ましい一態様において、前記支持体(基材)は、単層または多層のポリオレフィン樹脂フィルムである。ここで、ポリオレフィン樹脂フィルムとは、ポリオレフィン樹脂(すなわち、ポリオレフィンを主成分とする樹脂)を含む樹脂材料から形成されたプラスチックフィルムを指す。前記ポリオレフィン樹脂フィルム中の樹脂成分(ポリマー成分)に占めるポリオレフィン樹脂の割合は、50質量%を超えることが好ましく、75質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。樹脂成分が実質的にポリオレフィン樹脂からなるフィルムであってもよい。あるいは、樹脂成分として、主成分(例えば樹脂成分中50質量%を超える成分)としてのポリオレフィン樹脂に加えて、ポリオレフィン樹脂以外の樹脂成分(PA,PC,PU,EVA等)を含む樹脂材料から形成されたフィルムであってもよい。
前記ポリオレフィン樹脂としては、1種類のポリオレフィンを単独で、または2種以上のポリオレフィンを組み合わせて用いることができる。前記ポリオレフィンは、例えばα−オレフィンのホモポリマー、2種以上のα−オレフィンの共重合体、1種または2種以上のα−オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体等であり得る。具体例としては、PE、PP、EPR等のエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。低密度(LD)ポリオレフィンおよび高密度(HD)ポリオレフィンのいずれも使用可能である。そのようなポリオレフィン樹脂フィルムとしては、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、中密度ポリエチレン(MDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム、2種以上のポリエチレン(PE)をブレンドしたポリエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)をブレンドしたPP/PEブレンドフィルム、各種軟質ポリオレフィンフィルム等のポリオレフィン樹脂フィルムが挙げられる。
前記PPは、プロピレンを主モノマー(主構成単量体、すなわち単量体全体の50質量%を超える成分)とする種々のポリマー(プロピレン系ポリマー)であり得る。ここでいうプロピレン系ポリマーの概念には、例えば以下のようなポリプロピレンが包含される。
プロピレンのホモポリマー(すなわちホモポリプロピレン)。例えばアイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン。
プロピレンと他のα−オレフィン(典型的には、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンから選択される1種または2種以上)とのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)。例えばプロピレン96〜99.9モル%と他のα−オレフィン(好ましくはエチレンおよび/またはブテン)0.1〜4モル%とをランダム共重合したランダムポリプロピレン。
プロピレンに他のα−オレフィン(典型的には、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィンから選択される1種または2種以上)をブロック共重合した共重合体(ブロックポリプロピレン)。かかるブロックポリプロピレンは、副生成物として、プロピレンおよび前記他のα−オレフィンのうち少なくとも1種を成分とするゴム成分をさらに含み得る。例えばプロピレン90〜99.9モル%に他のα−オレフィン(好ましくはエチレンおよび/またはブテン)0.1〜10モル%をブロック共重合したポリマーと、副生成物としてプロピレンおよび他のα−オレフィンのうち少なくとも1種を成分とするゴム成分をさらに含むブロックポリプロピレン。
前記PP樹脂は、樹脂成分のうちの主成分が上述のようなプロピレン系ポリマーであり、副成分として他のポリマーがブレンドされた樹脂であり得る。前記他のポリマーは、プロピレン以外のα−オレフィン、例えば炭素原子数2または4〜10のα−オレフィンを主モノマー(主構成単量体、すなわち単量体全体の50質量%を超える成分)とするポリオレフィンの1種または2種以上であり得る。前記PP樹脂は、前記副成分として少なくともPEを含む組成であり得る。PEの含有量は、例えばPP100質量部当たり、3〜50質量部(典型的には5〜30質量部)とすることができる。樹脂成分が実質的にPPとPEとからなるPP樹脂であってもよい。また、副成分として少なくともPEおよびEPRとを含むPP樹脂(例えば樹脂成分が実質的にPPとPEとEPRとからなるPP樹脂)であってもよい。この場合、EPRの含有量は例えばPP100質量部当たり、3〜50質量部(典型的には5〜30質量部)とすることができる。
前記PEは、エチレンのホモポリマーであってもよく、主モノマーとしてのエチレンと他のα−オレフィン(例えば炭素原子数3〜10のα−オレフィン)との共重合体であってもよい。前記α−オレフィンの好適例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のいずれも使用可能である。例えばLDPEおよび/またはLLDPEを好ましく採用することができる。
前記支持体(基材)として、オレフィン系ポリマーアロイとカルボニル単位含有熱可塑性樹脂とを含有するポリオレフィン樹脂フィルムを用いることもできる。ここで、カルボニル単位含有熱可塑性樹脂とは、分子骨格中にカルボニル(C=O)単位を含む熱可塑性樹脂をいう。このようなポリオレフィン樹脂フィルムは、実質的にハロゲン原子を含まずに、ポリ塩化ビニル(PVC)並みの柔軟性、耐熱性、難燃性を有するものであり得る。
前記オレフィン系ポリマーアロイは、主として支持体(基材)の熱変形を抑制するための成分であり、エチレン成分とプロピレン成分とを含むポリマーアロイであることが好ましい。ポリマーアロイの形態は特に限定されず、例えば2種以上の重合体が物理的に混合したポリマーブレンド、2種以上の重合体が共有結合で結合したブロック共重合体やグラフト共重合体、2種以上の重合体が互いに共有結合で結合されることなく絡み合ったIPN(Interpenetrating Polymer Network)構造体等、種々の形態のものを用いることができる。また、2種以上の重合体が相溶した相溶性ポリマーアロイ、2種以上の重合体が非相溶で相分離構造を形成している非相溶性ポリマーアロイのいずれであってもよい。
そのようなオレフィン系ポリマーアロイとしては、例えばポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン)とポリエチレン(エチレンと少量のα−オレフィンとの共重合体を含む)とのポリマーブレンド、プロピレン/エチレン共重合体、プロピレンとエチレンとこれら以外の他のα−オレフィンとの3元共重合体(他のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられ、1−ブテンが好ましい。)が挙げられる。
前記オレフィン系ポリマーアロイが共重合体の場合は、2段以上の多段重合により重合された多段重合オレフィン共重合体(好ましくはエチレン/プロピレン共重合体)であることが好ましい。かかる多段重合オレフィン共重合体としては、例えば特開2001−192629号公報に記載されているようなポリマーアロイが挙げられる。すなわち、プロピレンを主成分とするモノマー混合物を用いて1段目の重合を行い、次いで、2段目以降においてプロピレンとエチレンを共重合させたポリプロピレン(1段目)/プロピレン−エチレン共重合体(2段目以降)のポリマーアロイである。1段目の重合は、チタン化合物触媒および有機アルミニウム化合物触媒の存在下において行うことが好ましい。2段目以降の重合は、1段目の重合で生成したチタン含有ポリオレフィンと有機アルミニウム化合物触媒の存在下で行うことが好ましい。前記チタン化合物触媒としては、例えば三塩化チタンと塩化マグネシウムとを共粉砕し、オルトチタン酸n−ブチル、2−エチル−ヘキサノール、p−トルイル酸エチル、四塩化ケイ素、フタル酸ジイソブチル等で処理した球状で平均粒子径1〜30μmの固体触媒が挙げられる。有機アルミニウム化合物触媒としては、例えばトリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウムが挙げられる。なお、さらに重合層において、電子供与体としてジフェニルジメトキシシラン等のケイ素化合物を添加したり、ヨウ化エチル等のヨウ素化合物を添加してもよい。
前記オレフィン系ポリマーアロイは、熱変形を抑制する観点から、80℃における動的貯蔵弾性率(E’)が40MPa以上、180MPa未満(例えば45MPa〜160MPa)を示し、かつ、120℃における動的貯蔵弾性率(E’)が12MPa以上、70MPa未満(例えば15MPa〜65MPa)を示すものが好ましい。また、室温付近での表面形状追従性や作業性を考慮して、23℃における動的貯蔵弾性率(E’)が200MPa以上、400MPa未満であることが好ましい。前記動的貯蔵弾性率(E’)は、ポリマーアロイによる試験片(厚さ0.2mm、幅10mm、長さ20mm)を作成し、この試験片の温度分散による動的粘弾性挙動を、測定機器としてDMS200(セイコーインスツル(株)製)を用いて所定の測定条件(例えば測定法:引張りモード、昇温速度:2℃/分、周波数:1Hz)で測定した値である。そのようなポリマーアロイの例として、サンアロマー(株)製の商品名「キャタロイKS−353P」、「キャタロイKS−021P」、「キャタロイC200F」、「キャタロイQ−200F」等が挙げられる。
前記カルボニル単位含有熱可塑性樹脂は、支持体(基材)に適度な柔軟性と良好な伸長性を与えるために用いられるものであり、分子骨格中にカルボニル(C=O)単位を含む熱可塑性樹脂である。後述するようにポリオレフィン樹脂フィルムが無機系難燃剤を含有する場合には、無機系難燃剤による難燃性付与作用を活性化させる成分ともなり得る。かかる熱可塑性樹脂としては、分子骨格中にカルボニル単位を含む軟質ポリオレフィン系樹脂が好適である。例えば、ビニルエステルおよび/またはα,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体をモノマーまたはコモノマーに用いて合成されたエチレン系共重合体(エチレン/ビニルエステル共重合体、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体等)、それらの金属塩等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂の融点は特に限定されないが、120℃以下(典型的には40〜100℃)であることが好ましい。前記融点は、一般的な示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
前記エチレン系共重合体またはその金属塩におけるビニルエステルとしては、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステルが例示される。また、α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、マレイン酸1−メチル、マレイン酸1−エチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸1−メチル、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類が挙げられる。これらは1種を単独で2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、エチルアクリレートがより好ましい。
前記エチレン/ビニルエステル共重合体およびエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の好適例としては、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/アクリル酸/エチルアクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/エチルアクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体およびこれらの金属塩が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記オレフィン系ポリマーアロイとカルボニル単位含有熱可塑性樹脂とを含有するポリオレフィン樹脂フィルムには、無機系難燃剤を含有させることが好ましい。そのような無機系難燃剤としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ドロマイト等の金属炭酸塩;ハイドロタルサイト、硼砂等の金属水和物(金属化合物の水和物);メタホウ酸バリウム、酸化マグネシウム等の無機金属化合物が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物や、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトが好ましい。
前記無機系難燃剤はまた、シラン系カップリング剤による表面処理を施されていることが好ましい。これによって、柔軟性、耐熱性、難燃性等の諸特性をさらに向上させることができる。そのようなシラン系カップリング剤の具体例としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリル(2−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記シラン系カップリング剤による無機金属化合物の表面処理の方法は、特に限定されず、例えば乾式処理法、湿式処理法等の従来公知の方法が適宜採用され得る。シラン系カップリング剤の無機金属化合物表面への付着量は、カップリング剤の種類、無機金属化合物の種類、比表面積等によって異なり得るため一概に言えないが、無機金属化合物100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部(例えば0.3〜3.0質量部)程度である。
前記オレフィン系ポリマーアロイとカルボニル単位含有熱可塑性樹脂の配合比は、特に限定されないが、耐熱性と難燃性とを両立する観点から、例えば質量基準で90:10〜20:80とすることが好ましい。また、無機系難燃剤を配合する場合、その配合量は、難燃性向上と柔軟性維持の観点から、ポリマー成分(多段重合オレフィン共重合体とカルボニル単位含有熱可塑性樹脂の合計)100質量部に対して10〜200質量部(例えば20〜100質量部)程度とすることが好ましい。
上述したいずれかの樹脂フィルムには、粘着シート(表面保護シート)の用途に応じた適宜の成分を必要に応じて含有させることができる。例えばラジカル捕捉剤や紫外線吸収剤等の光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤(染料、顔料等)、充填材、スリップ剤、アンチブロッキング剤等の添加剤を適宜配合することができる。
前記光安定剤の例としては、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類、ベンゾエート類等を有効成分とするものが挙げられる。
前記酸化防止剤の例としては、アルキルフェノール類、アルキレンビスフェノール類、チオプロピレン酸エステル類、有機亜リン酸エステル類、アミン類、ヒドロキノン類、ヒドロキシルアミン類等を有効成分とするものが挙げられる。
前記このような加剤は、それぞれ1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。前記添加剤の含有量は、表面保護シートの用途(例えば、ガラスエッチング用、めっきマスキング用)に応じて、当該用途において表面保護シートの支持体(基材)として用いられる樹脂フィルムの通常の含有量(配合量)と同程度とすることができる。
このような支持体(基材)(樹脂フィルム)は、従来公知の一般的なフィルム成形方法(押出成形、インフレーション成形等)を適宜採用して製造することができる。支持体のうち粘着剤層が設けられる側の表面(粘着剤層側表面、粘着剤を塗付する面)には、該粘着剤層との接着性を向上させるための処理(粘着剤の投錨性を得るための処理)、例えばコロナ放電処理、酸処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、下塗剤(プライマー)塗付等の表面処理が施されていてもよい。プライマー塗付による表面処理(プライマー処理)としては、アクリルポリマーにイソシアネートを配合した下塗り剤を用いることが好ましい。支持体のうち前記粘着剤層側表面とは反対側の面(背面)には、必要に応じて、帯電防止処理、剥離処理等の表面処理が施されていてもよい。剥離処理としては、例えば支持体の背面に長鎖アルキル系、シリコーン系の剥離処理層を設けることで、ロール状に捲回された形態の表面保護シートの巻戻し力を軽くすることができる。
前記支持体(基材)の厚さは、使用する樹脂フィルムの可撓性(硬度)等に応じて適宜選択することができる。段差のある表面に対する追従性や密着性の観点から、通常は、支持体の厚さは500μm以下(好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下、典型的には250μm以下、例えば200μm以下)が適当である。また、剥離作業性その他の取扱性(ハンドリング性)の観点から、支持体の厚さは、10μm以上(好ましくは20μm以上、より好ましくは25μm以上、例えば30μm以上)が適当である。また、支持体の厚さが大きくなると、表面保護シート表面からの薬液の膨潤浸入を防ぎやすくなる傾向にある。
前記支持体のうち粘着剤層が設けられる側の表面は、粘着剤層の表面状態(粘着面の表面粗さ)に影響を及ぼさない程度(すなわち、粘着面の算術平均表面粗さを上昇させる要因とならない程度)の平滑性を有することが好ましい。例えば、前記支持体は、その粘着剤層側表面の算術平均表面粗さが1μm以下であることが好ましく、0.05〜0.75μm(例えばおおよそ0.05〜0.5μm、典型的にはおおよそ0.1〜0.3μm)であることがより好ましい。かかる構成とすることで、粘着面の平滑性も高くなる。
前記支持体には、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系若しくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉等による離型および防汚処理や酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理をすることもできる。
また、本発明の粘着シート(表面保護シート)に使用する支持体(プラスチックフィルム)は、帯電防止処理されたものがより好ましい。帯電防止処理することにより、静電気の発生を防止することができ、帯電が特に深刻な問題となる光学・電子部品関連の技術分野において有用である。プラスチックフィルムに施される帯電防止処理としては特に限定されないが、一般的に用いられるフィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法やプラスチックフィルムに練り込み型帯電防止剤を練り込む方法が用いられる。フィルムの少なくとも片面に帯電防止層を設ける方法としては、帯電防止剤と樹脂成分から成る帯電防止性樹脂や導電性ポリマー、導電性物質を含有する導電性樹脂を塗布する方法や導電性物質を蒸着あるいはメッキする方法が挙げられる。
前記帯電防止性樹脂に含有される帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1、第2、第3アミノ基などのカチオン性官能基を有するカチオン型帯電防止剤、スルホン酸塩や硫酸エステル塩、ホスホン酸塩、リン酸エステル塩などのアニオン性官能基を有するアニオン型帯電防止剤、アルキルベタインおよびその誘導体、イミダゾリンおよびその誘導体、アラニンおよびその誘導体などの両性型帯電防止剤、アミノアルコールおよびその誘導体、グリセリンおよびその誘導体、ポリエチレングリコールおよびその誘導体などのノニオン型帯電防止剤、更には、前記カチオン型、アニオン型、両性イオン型のイオン導電性基を有する単量体を重合もしくは共重合して得られたイオン導電性重合体が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
具体的には、前記カチオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アシロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメトサルフェート、アルキルベンジルメチルアンモニウム塩、アシル塩化コリン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートなどの4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリレート共重合体、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するスチレン共重合体、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム基を有するジアリルアミン共重合体などが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記アニオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエトキシ硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、スルホン酸基含有スチレン共重合体が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記両性イオン型の帯電防止剤として、たとえば、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン、カルボベタイングラフト共重合が挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記ノニオン型の帯電防止剤として、たとえば、脂肪酸アルキロールアミド、ジ(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、脂肪酸グリセリンエステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミン、ポリエーテルとポリエステルとポリアミドからなる共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記導電性ポリマーとしては、たとえば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどが挙げられる。
前記導電性物質としては、たとえば、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化亜鉛、インジウム、錫、アンチモン、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、ヨウ化銅、およびそれらの合金または混合物が挙げられる。
前記帯電防止性樹脂および導電性樹脂に用いられる樹脂成分としては、ポリエステル、アクリル、ポリビニル、ウレタン、メラミン、エポキシなどの汎用樹脂が用いられる。なお、高分子型帯電防止剤の場合には、樹脂成分を含有させなくてもよい。また、帯電防止樹脂成分に、架橋剤としてメチロール化あるいはアルキロール化したメラミン系、尿素系、グリオキザール系、アクリルアミド系などの化合物、エポキシ化合物、イソシアネート系化合物を含有させることも可能である。
前記帯電防止層の形成方法としては、たとえば、前記帯電防止性樹脂、導電性ポリマー、導電性樹脂を有機溶剤もしくは水などの溶媒で希釈し、この塗液をプラスチックフィルムに塗布、乾燥することで形成される。
前記帯電防止層の形成に用いる有機溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロへキサノン、n‐へキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられる。これらの溶剤は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
前記帯電防止層の形成における塗布方法については公知の塗布方法が適宜用いられ、具体的には、たとえば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロ一ルブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート、含浸およびカーテンコート法が挙げられる。
前記帯電防止性樹脂層、導電性ポリマー、導電性樹脂の厚みとしては通常0.01〜5μm、好ましくは0.03〜1μm程度である。
導電性物質の蒸着あるいはメッキの方法としては、たとえば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、化学蒸着、スプレー熱分解、化学メッキ、電気メッキ法などが挙げられる。
前記導電性物質層の厚みとしては、通常2〜1000nmであり、好ましくは5〜500nmである。
また、前記練り込み型帯電防止剤としては、前記帯電防止剤が適宜用いられる。練り込み型帯電防止剤の含有量(配合量)としては、支持体であるプラスチックフィルムの総質量に対して20質量%以下、好ましくは0.05〜10質量%の範囲で用いられる。練り込み方法としては、前記帯電防止剤がプラスチックフィルムに用いられる樹脂に均一に混合できる方法であれば特に限定されず、たとえば、加熱ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸混練機等が用いられる。
本発明の粘着シート(表面保護シート)は、その使用前(被着体への貼付け前)には、粘着剤層の表面上に剥離ライナーが配置された剥離ライナー付き粘着シート(表面保護シート)の形態であり得る。剥離ライナーが粘着面上に配置されており、その粘着面に対向する表面(剥離面)が平滑性に優れる場合、粘着シート(表面保護シート)の使用時まで粘着剤表面(粘着面)の平滑性をより安定して維持し得る。
前記剥離ライナー(セパレーター)としては、各種の紙(表面に樹脂がラミネートされた紙であり得る)、樹脂フィルム等を特に限定なく用いることができる。剥離ライナーとして樹脂フィルムを用いる場合、前記樹脂フィルムを構成する樹脂成分の好適例としては、ポリオレフィン樹脂、PET等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。このような樹脂の一種類を単独で含む樹脂材料からなる剥離ライナーであってもよく、二種以上の樹脂(例えば、PEとPP)がブレンドされた樹脂材料からなる剥離ライナーであってもよい。このような剥離ライナー用樹脂フィルムは、支持体用の樹脂シートと同様に、一般的なフィルム成形方法を適宜採用して製造され得る。剥離ライナーの構造は、単層であってもよく、二層以上の多層構造であってもよい。
支持体上に粘着剤層を設ける方法として転写法を採用する場合、転写シートおよび剥離ライナーに同じものを用いてもよい。例えば、転写シートの剥離面上に形成された粘着剤層に支持体を貼り合わせて、前記支持体に粘着剤層を転写し、この転写シートをそのまま粘着剤層上に残して剥離ライナーとして利用することができる。このように転写シートが剥離ライナーを兼ねる態様は、生産性向上、材料コスト低減、廃棄物量削減等の観点から好ましい。
前記剥離ライナーの厚さは、特に限定されず、おおよそ5〜500μm(例えばおおよそ10〜200μm、典型的にはおおよそ20〜200μm)であり得る。剥離ライナーの剥離面(粘着面に接して配置される面)には、必要に応じて従来公知の剥離剤(例えば一般的なシリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系等)による剥離処理が施されていてもよい。前記剥離面の背面は、剥離処理されていてもよく、剥離処理以外の表面処理が施されていてもよい。
前記剥離ライナーのうち、粘着剤層上に配置される側の表面の算術平均表面粗さは、0.05〜0.75μm(例えばおおよそ0.05〜0.5μm、典型的にはおおよそ0.1〜0.3μm)であることが好ましい。これによって、表面保護シートの使用時まで粘着剤表面(粘着面)の平滑性を高く維持することができる。粘着面の平滑性が高いことは、粘着剤と被着体との界面からの薬液浸入を防止する上で有利である。また、糊残り防止の観点からも好ましい。同様の理由から、粘着剤層の表面(粘着面)を支持体の背面に当接させることで表面保護シートの使用時まで粘着面を保護する形態の表面保護シートでは、前記支持体の背面の算術平均表面粗さが0.05〜0.75μm(例えばおおよそ0.05〜0.5μm、典型的には、おおよそ0.1〜0.3μm)であることが好ましい。
<表面保護シート>
本発明の表面保護シートは、前記薬液処理用粘着シートからなることが好ましい。前記粘着シートは、被着体の所望の部位に貼付して、その部位を保護するための表面保護シートとして使用することができる。この表面保護シートに用いられる粘着剤は、被着体に対する密着性が高いため、表面保護シートの外縁において、粘着剤と被着体との界面から薬液(特に水系の薬液、典型的には酸性の薬液)が浸入することを防止する性能に優れる。このことによって、薬液に曝すことを意図しない部位への薬液の浸入を確実に阻止し、その表面を保護することができる。
このような特長を活かして、本発明の表面保護シートは、例えば、ガラスの厚さを薄くしたり、ガラスの切断端面に形成されたバリやマイクロクラックを除去したりするために、ガラスを薬液(エッチング液)で溶解するエッチング処理、装飾や印刷性付与のために金属の表面を薬液(エッチング液)で部分的に腐食させるエッチング処理、回路基板(プリント基板、フレキシブルプリント基板(FPC)等)の接続端子部等を薬液(めっき液)で部分的にめっきするめっき処理等において好適に利用され得る。
また、例えば被着体の外縁を含む範囲に前記表面保護シートを貼り付けて薬液処理を行う場合、被着体の外縁(表面保護シートが貼り付けられた領域の外縁)から薬液が部分的に浸入すると、薬液の影響によって被着体の外縁(エッジ)の平滑性が損なわれる恐れがある。被着体のエッジの平滑性が損なわれると、特にガラス基板のように脆い被着体では、被着体の強度が低下する等の不都合が生じ得る。ここに開示される表面保護シートは、前記表面保護シートの外縁からの薬液浸入を防止する性能に優れるので、被着体のエッジの平滑性が低下する事象を効果的に防止することができる。
<ガラス基板>
本発明の表面保護シート付きガラス基板は、ガラス基板に、前記表面保護シートが貼付されてなることが好ましい。前記表面保護シートをガラス基板に貼付することにより、例えば、ガラスの厚さ調整や、ガラスの切断端面に形成されたバリの除去等のために、ガラスを薬液(フッ酸などの強酸性の薬液)で溶解するエッチング処理等を行う際に、前記表面保護シートは、前記薬液による処理を必要としないガラス表面への薬液の浸入を防ぐ性質(薬液浸入防止性、シール性)、つまり、被着体であるガラス表面と隙間なく密着する性質(浮きや剥がれが生じず、優れた密着性)、及び、接着強度(薬液中での優れた粘着力)、及び、前記表面保護シートが不要になった場合に、容易に剥離できる性質(再剥離性)を有するため、有用である。また、前記表面保護シートは、優れた帯電防止性も有するため、前記表面保護シートが不要になった段階で剥離して除去する際に、被着体であるガラス表面に発生する静電気を抑制することができ、有用である。ガラス基板は、タブレット型パソコンや携帯電話、有機LED(発光ダイオード)等に用いられるような、表面に部分的に透明導電膜(例えばITO(酸化インジウムスズ)膜)やフレキシブルプリント基板(FPC)が設けられたガラス基板であってもよい。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
実施例1〜15、及び、比較例1〜2に係る粘着剤組成物の成分を表2に示し、表3に評価結果を示す。
Figure 2015091924
前記表2中の略語は、以下の化合物を示し、部数は、固形分の質量部を示す。
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート
MMA:メタクリル酸メチル
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
BMP−TFSI:1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
EMI−FSI:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド
KF6004:ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン
プルロニック25R−2:ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体
コロネートL:トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物
コロネートHX:ヘキサメチレ
ンジイソシアネートのイソシアヌレート体
<(A)成分としての(メタ)アクリル系ポリマー(a)(2EHA/HEA=96/4)の調製>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)96質量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)4質量部、熱重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部、および酢酸エチル150質量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー(a)溶液(40質量%)を調製した。この(メタ)アクリル系ポリマー(a)のFox式より算出したガラス転移温度(Tg)は、−68℃、重量平均分子量(Mw)は、55万であった。
<(B)成分としての(メタ)アクリル系重合体1(DCPMA/MMA=60/40)の調製>
酢酸エチル100質量部、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)(商品名:FA−513M、日立化成工業社製)60質量部、メチルメタクリレート(MMA)40質量部、および連鎖移動剤としてα-チオグリセロール3.5質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、熱重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で5時間反応させた。得られた(メタ)アクリル系重合体1のFox式より算出したガラス転移温度(Tg)は、144℃、重量平均分子量(Mw)は、4200であった。
<(B)成分としての(メタ)アクリル系重合体2(CHMA/MMA=60/40)の調製>
酢酸エチル100質量部、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)60質量部、メチルメタクリレート(MMA)40質量部、および連鎖移動剤としてα-チオグリセロール3.5質量部を攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、熱重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で5時間反応させた。得られた(メタ)アクリル系重合体2のFox式より算出したガラス転移温度(Tg)は81℃、重量平均分子量(Mw)は、4100であった。
(実施例1)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)溶液(40質量%)をトルエンで20質量%に希釈した溶液500質量部(固形分100質量部)に、(メタ)アクリル系重合体1を0.25質量部、イオン性化合物として、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(BMP−TFSI)(商品名:CIL−312、日本カーリット社製、25℃で液状)0.5質量部、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物として、ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン(商品名:KF6004、信越化学工業社製)0.05質量部、架橋剤としてコロネートL(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の固形分75質量%酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業社製)0.33質量部(固形分0.25質量部)、架橋触媒としてジラウリン酸ジオクチルスズの固形分1質量%酢酸エチル溶液3質量部を加えて、25℃下で約5分間混合攪拌を行って粘着剤組成物(1)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)を、支持体であるポリエチレンフィルム(商品名:NSOフィルム、大倉工業社製、厚さ150μm、表3中の「PE♯150」)のコロナ処理面に塗布し、80℃で1分間加熱して、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。次いで、剥離ライナーとして前記粘着剤層の表面に、ポリエチレンフィルム(商品名:NSOフィルム、大倉工業社製、厚さ150μm)のコロナ処理面とは反対面を貼り合せて粘着シートを作製した。
(実施例2)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1を0.25質量部用いたことに代えて、前記(メタ)アクリル系重合体1を0.15質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(2)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例3)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1を0.25質量部用いたことに代えて、前記(メタ)アクリル系重合体1を0.08質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(3)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例4)
(粘着剤組成物の調製)
前記コロネートL(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の固形分75質量%酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業社製)を0.33質量部用いたことに代えて、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)を0.25質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(4)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例5)
(粘着剤組成物の調製)
前記1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(BMP-TFSI)(商品名:CIL−312、日本カーリット社製、25℃で液状)を0.5質量部用いたことに代えて、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:CIL−312、日本カーリット社製、25℃で液状)を0.75質量部用いたこと以外は、実施例4と同様にして粘着剤組成物(5)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例6)
(粘着剤組成物の調製)
前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物として、ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン(商品名:KF6004、信越化学工業社製)を0.05質量部用いたことに代えて、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物として、ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン(商品名:KF6004、信越化学工業社製)を0.1質量部用いたこと以外は、実施例4と同様にして粘着剤組成物(6)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(6)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例7)
(粘着剤組成物の調製)
前記コロネートL(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の固形分75質量%酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業社製)を0.33質量部用いたことに代えて、コロネートL(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の固形分75質量%酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業社製)を0.67質量部用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着剤組成物(7)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(7)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例8)
(粘着剤組成物の調製)
前記コロネートL(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の固形分75質量%酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業社製)を0.33質量部用いたことに代えて、コロネートL(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の固形分75質量%酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業社製)を0.67質量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして粘着剤組成物(8)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例9)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1を0.15質量部用いたことに代えて、(メタ)アクリル系重合体2を0.15質量部用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着剤組成物(9)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(9)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例10)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1を0.15質量部用いたことに代えて、(メタ)アクリル系重合体2を0.08質量部用いたこと以外は、実施例3と同様にして粘着剤組成物(10)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(10)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例11)
(粘着剤組成物の調製)
前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物として、ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン(商品名:KF6004、信越化学工業社製)を0.05質量部用いたことに代えて、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体(商品名:プルロニック25R−2、ADEKA社製)を0.1質量部用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着剤組成物(11)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(11)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例12)
(粘着剤組成物の調製)
前記1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(BMP-TFSI)(商品名:CIL−312、日本カーリット社製、25℃で液状)を0.5質量部用いたことに代えて、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMI−FSI)(第一工業製薬社製、IL−110)を0.5質量部用いたこと以外は、実施例2と同様にして粘着剤組成物(12)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(12)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例13)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1を0.25質量部用いないこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(13)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(13)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例14)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1を0.25質量部用いたことに代えて、(メタ)アクリル系重合体1を1.0質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(14)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(14)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(実施例15)
(粘着シートの作製)
前記ポリエチレンフィルム(商品名:NSOフィルム、大倉工業社製、厚さ150μm)に代えて、ポリエチレンテレフタラートフィルム(商品名:ルミラーS−105、東レフィルム加工社製、厚さ75μm、表3中の「PET♯75」)のコロナ処理面に塗布し、80℃で1分間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成したこと以外は、実施例7と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例1)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1、1−ブチル−3−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(商品名:CIL−312、日本カーリット社製、25℃で液状)、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物として、ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン(商品名:KF6004、信越化学工業社製)を用いないこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(15)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(15)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(比較例2)
(粘着剤組成物の調製)
前記(メタ)アクリル系重合体1を0.25質量部用いたことに代えて、(メタ)アクリル系重合体1を0.15質量部を用い、架橋剤としてコロネートL(トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の固形分75質量%酢酸エチル溶液、日本ポリウレタン工業社製)0.33質量部に代えて、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)1.0質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(16)を調製した。
(粘着シートの作製)
前記粘着剤組成物(1)に代えて、前記粘着剤組成物(16)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着シートを作製した。
(試験方法)
<分子量の測定>
ポリマーおよび(メタ)アクリル系共重合体の重量平均分子量(Mw)は、GPC装置(東ソー社製、HLC−8220GPC)を用いて測定を行った。測定条件は下記の通りであり、標準ポリスチレン換算により分子量を求めた。
・サンプル濃度:0.2質量%(テトラヒドロフラン(THF)溶液)
・サンプル注入量:10μl
・溶離液:THF
・流速:0.6ml/min
・測定温度:40℃
・カラム:
サンプルカラム:TSKguardcolumn SuperHZ-H(1本)+TSKgel SuperHZM-H(2本)
リファレンスカラム:TSKgel SuperH-RC(1本)
・検出器:示差屈折計(RI)
<溶剤不溶成分率の測定>
溶剤不溶成分率(ゲル分率)は、重さW1の測定サンプルをテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートに包んで室温で1週間酢酸エチルに浸漬した後、その測定サンプルを乾燥させて酢酸エチル不溶解分の重さW2を計測し、W1およびW2を次式:
溶剤不溶成分率(ゲル分率)[質量%]=W2/W1×100;に代入することにより求められる。
より具体的には、以下の方法で溶剤不溶成分率(ゲル分率)を測定することができる。すなわち、測定サンプル約0.1gを、平均孔径0.2μmのテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートで巾着状に包み、口を凧糸で縛る。テトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートと凧糸の合計質量Wa(mg)は予め計測しておく。そして、包みの質量(粘着剤層と包みの合計質量)Wb(mg)を計測する。この包みを容量50mLのスクリュー管に入れ(1個の包みにつきスクリュー管1本を使用する。)、このスクリュー管に酢酸エチルを満たす。これを室温(典型的には23℃)で7日間静置した後、前記包みを取り出して120℃で2時間乾燥させ、乾燥後における包みの質量Wc(mg)を計測する。該粘着剤層の溶剤不溶成分率(ゲル分率)(質量%)は、前記Wa,WbおよびWcを次式:
溶剤不溶成分率(ゲル分率)[質量%]=(Wc−Wa)/(Wb−Wa)×100;に代入することにより求められる。
前記テトラフルオロエチレン樹脂製多孔質シートとしては、日東電工(株)製の商品名「ニトフロン(登録商標)NTF1122」を使用することができる。なお、本発明における粘着剤層の溶剤不溶成分率は、50〜90質量%であり、好ましくは、55〜87質量%、より好ましくは、60〜85質量%である。溶剤不溶成分率が90質量%を超えると、接着強度(粘着力)が低下し、50質量%より低い場合は、粘着剤(層)の凝集力が低下し、糊残りが発生する可能性がある。なお、溶剤不溶成分率の評価方法は、後述する実施例において記載する方法、条件に準じて測定される。
<(糊面)表面抵抗率の測定>
各実施例および比較例に係る粘着シートを23℃×50%RHの環境下に2時間放置した後、セパレーターを剥離し、粘着剤表面(糊面)の表面抵抗率を表面抵抗率測定装置(三菱化学社製、ハイレスタUP MCP−HT450型)にて測定した。印加電圧は100V、印加時間は30秒にて行った。なお、本発明における粘着剤層の表面抵抗率は、10〜1013Ω/□であり、好ましくは10〜1013Ω/□であり、より好ましくは、10〜1013Ω/□である。前記範囲内であれば、剥離帯電圧を抑制すること、つまりは帯電防止性を付与することが可能となり、有用である。
<接着信頼性(定荷重剥離試験)>
各実施例および比較例に係る粘着シートを幅10mm、長さ60mmのサイズにカットし、剥離ライナーを剥離した後、ガラス(松浪硝子(株)製の商品名「MICROSLIDE GLASS、幅:70mm、長さ:100mm、厚さ:1.3mm)の表面に2kgハンドローラーで圧着し、評価サンプルを作製した。
前記ラミネート後、23℃×50%RHの環境下に30分間放置した後、定荷重(3g)を粘着シート1の片方の端部に固定した。剥離角度が90°となるように定荷重でテープサンプルの剥離を開始させた。長さ10mmを余長とし、残りの長さ50mmの部分が全て剥離するまでの時間を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下で行なった。
本発明においては、定荷重下での剥離時間が2分間以上のものを良好とし、2分間未満未満であるものを不良とした。前記剥離時間が2分間以上であれば、薬液の浸入を防止することが可能な、接着性(密着性)を有することになり、有用である。
<剥離帯電圧の測定>
粘着シート1を幅70mm、長さ120mmのサイズにカットし、剥離ライナーを剥離した後、あらかじめ除電しておいたガラス20(松浪硝子(株)製の商品名「MICROSLIDE GLASS、幅:70mm、長さ:100mm、厚さ:1.3mm)の表面に片方の端部が20mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した。
23℃×50%RHの環境下に一日放置した後、図5に示すようにサンプル固定台30の所定の位置にサンプルをセットする。20mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、引張速度10m/minとなるように剥離する。このときに発生するガラス20の表面の電位を所定の位置に固定してある電位測定機40(春日電機社製、KSD−0103)にて測定し、剥離帯電圧の値とした。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。なお、剥離帯電圧としては、絶対値が1.0kV以下であることが好ましく、0.9kV以下であることがより好ましい。前記範囲内であれば、静電気による集塵や静電気障害の防止が可能となり有用である。
Figure 2015091924
注)表3中の「OVER」とは、検出限界を超えて(1013Ω/□を超えて)、測定不能であることを意味する。
前記表3に示すように、全ての実施例において、粘着剤層の溶剤不溶成分率と表面抵抗率が所望の範囲に含まれ、剥離帯電圧を抑制でき、つまり、帯電防止性に優れ、更に、接着信頼性に優れ、つまり、薬液浸入防止性にも優れることが確認できた。
一方、比較例1は、表面抵抗率が1013Ω/□を超え、剥離帯電圧も十分抑制できず、帯電防止性に劣ることが確認され、比較例2は、粘着剤層の溶剤不溶成分率が90質量%を超え、接着信頼性が十分でなく、薬液浸入防止性に劣ることが確認された。
1 支持体
2 粘着剤層
3 剥離ライナー
4 帯電防止層
10 粘着シート(表面保護シート)
20 ガラス
30 サンプル固定台
40 電位測定器

Claims (22)

  1. ガラス転移温度が0℃未満のポリマー(A)を含有する粘着剤組成物から形成される薬液処理用粘着剤層であって、
    溶剤不溶成分率が、50〜90質量%であり、かつ、表面抵抗率が、10〜1013Ω/□であることを特徴とする薬液処理用粘着剤層。
  2. 前記粘着剤組成物が、重量平均分子量1000以上30000未満であり、下記一般式(1)で表される脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーをモノマー成分として含む(メタ)アクリル系重合体(B)を含有することを特徴とする請求項1に記載の薬液処理用粘着剤層。
    CH=C(R)COOR (1)
    [式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、脂環式構造を有する脂環式炭化水素基である。]
  3. 前記粘着剤組成物が、イオン性化合物(C)を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液処理用粘着剤層。
  4. 前記粘着剤組成物が、ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  5. 前記粘着剤組成物が、前記ポリマー(A)100質量部に対して、前記(メタ)アクリル系重合体(B)を0.005〜2質量部含有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  6. 前記粘着剤組成物が、前記ポリマー(A)100質量部に対して、前記イオン性化合物(C)を0.005〜2質量部含有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  7. 前記粘着剤組成物が、前記ポリマー(A)100質量部に対して、前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)を0.005〜1質量部含有することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  8. 前記ポリマー(A)が、(メタ)アクリル系ポリマー(a)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  9. 前記脂環式構造を有する(メタ)アクリル系モノマーの脂環式炭化水素基が、橋かけ環構造を有することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  10. 前記(メタ)アクリル系重合体(B)のガラス転移温度が、0〜300℃であることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  11. 前記イオン性化合物(C)が、アルカリ金属塩及び/又はイオン液体であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1項に薬液処理用粘着剤層。
  12. 前記アルカリ金属塩が、リチウム塩であることを特徴とする請求項11に記載の薬液処理用粘着剤層。
  13. 前記イオン液体が、含窒素オニウム塩、含硫黄オニウム塩、または含リンオニウム塩のいずれかであることを特徴とする請求項11に記載の薬液処理用粘着剤層。
  14. 前記イオン液体が、下記一般式(C1)〜(C5)で表される1種以上のカチオンを含むことを特徴とする請求項11又は13に記載の薬液処理用粘着剤層。
    Figure 2015091924

    [式(C1)中のRは、炭素数4から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、RおよびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但し、窒素原子が2重結合を含む場合、Rはない。]
    [式(C2)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。]
    [式(C3)中のRは、炭素数2から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよく、R、R、およびRは、同一または異なって、水素または炭素数1から16の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。]
    [式(C4)中のZは、窒素、硫黄、またはリン原子を表し、R、R、R、およびRは、同一または異なって、炭素数1から20の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。但しZが硫黄原子の場合、Rはない。]
    [式(C5)中のRは、炭素数1から18の炭化水素基を表し、前記炭化水素基の一部がヘテロ原子で置換された官能基であってもよい。]
  15. 前記ポリオキシアルキレン鎖を有する化合物(D)が、ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項4〜14のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  16. 前記ポリオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサンが、下記一般式(D1)〜(D3)で表されるオルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項15に記載の薬液処理用粘着剤層。
    Figure 2015091924

    [式(D1)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、m及びnは0〜1000の整数。但し、m,nが同時に0となることはない。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。]
    [式(D2)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、mは1〜2000の整数。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。]
    [式(D3)中のRは1価の有機基、R,R及びRはアルキレン基、Rは水素もしくは有機基、mは1〜2000の整数。a及びbは0〜1000の整数。但し、a,bが同時に0となることはない。]
  17. 前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を構成するモノマー成分として、ヒドロキシル基含有モノマーを含有することを特徴とする請求項8〜16のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  18. 前記(メタ)アクリル系ポリマー(a)を構成するモノマー成分全量に対して、オキシアルキレン単位の平均付加モル数が、3〜40であるアルキレンオキシド基含有反応性モノマーを5.0質量%以下含有することを特徴とする請求項8〜17のいずれか1項に記載の薬液処理用粘着剤層。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の粘着剤層を、支持体の少なくとも片面に形成してなることを特徴とする薬液処理用粘着シート。
  20. 前記支持体が、帯電防止処理されてなるプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項19に記載の薬液処理用粘着シート。
  21. 請求項19又は20に記載の薬液処理用粘着シートからなることを特徴とする表面保護シート。
  22. ガラス基板に、請求項21に記載の表面保護シートが貼付されてなることを特徴とする表面保護シート付きガラス基板。
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