JP2015090951A - 光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な構成で、かつ高精度に広い波長帯域で安定化可能な光源装置を提供する。
【解決手段】波長安定化光源(光源装置)100は、光源1から出射された光が透過する標準物質が封入された密封容器60を含み、光の波長を弁別する波長弁別器6と、波長弁別器6で弁別された光を検出する光検出器8と、光検出器8のよる検出信号を用いて、誤差信号を求める誤差信号演算部9と、誤差信号演算部9からの前記誤差信号に基づいて、光源1の波長を制御する制御部101とを有する。ここで、標準物質は、2つ以上の分子種を含み、分子種のうちの少なくとも2つは、分子種の吸収線群である吸収バンドが重なる領域を有し、吸収バンドが重なる領域では、少なくとも1つの分子種の吸収バンドのピークにある吸収線の吸収率は、96%以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源からの光の波長を安定化させる光源装置に関する。
波長安定化光源(光源装置)は、高精度な測長干渉計のためのレーザーや高密度波長分割多重方式(DWDM)等の光通信用半導体レーザーの波長(周波数)を校正するものとして用いられる。波長安定化光源は、一般的に、安定化される元光源の波長変化を光強度の変化に転換する波長弁別器を含む。そして、より高い精度が要求される波長安定化光源の波長弁別器としては、エタロンや、気体分子または気体原子が封入されたガスセルが用いられ、特に長期的にも安定性が求められる場合には、環境変化に強いガスセルが用いられる。しかしながら、波長弁別器にガスセルを用いると、安定化可能な波長が、封入されている分子の吸収線で決定してしまう。そこで、特許文献1は、封入される気体分子の種類を増やした混合ガスセルや複数のガスセルを用いて安定化可能な波長数を増やす波長安定化光源(光周波数安定化光源)を開示している。この波長安定化光源では、光吸収セルに、NH15NH、C13、HCN、H13CN、HC15N、およびH1315Nのうちの2種類の分子種を封入しており、より多数の周波数で発振周波数を安定化する。また、特許文献2は、波長弁別器にエタロンを用いた場合について、エタロンの透過スペクトルのピークを吸収線に安定化された基準レーザーで保証する波長安定化光源(可変波長光源)を開示している。
特公平6−14571号公報 特公平7−63102号公報
しかしながら、特許文献1に示す波長安定化光源は、波長基準にガスの吸収線を使用しているため、同じ吸収バンドでも、吸収バンドの中心部と周辺部とでは吸収率の差が大きくなる。したがって、高精度な安定性を実現するためには、吸収バンド(吸収線群スペクトル)の中心部しか使用することができない。例えば、光通信用の光源に用いられる1.5μm帯の分子ガスセルでは、吸収バンドのピークとなる吸収率に対して20%以上となる吸収バンドの幅は、Cで、27.6nm(1513.20〜1540.83nm、NIST、SRM2517a)程度である。同様に、H13CNでは、35.0nm(1527.63〜1562.56nm、NIST、SRM2519a)程度である。なお、NISTは、National Institute of Standards and Technology(米国国立標準技術研究所)の略称である。すなわち、吸収バンドの中心部の吸収線だけでは、光通信のDWDM帯域である1530nmから1565nm(Cバンド)まで、および1565nmから1625nm(Lバンド)までをカバーする帯域は得られない。また、特許文献2に示す波長安定化光源は、エタロンを基準レーザーに安定化する制御系や、エタロンに元光源を安定化する制御系など複数の制御系を要するため、全体構成が複雑になる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、単純な構成で、かつ高精度に広い波長帯域で安定化可能な光源装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、光源から出射される光の波長を安定化させる光源装置であって、光が透過する標準物質が封入された密封容器を含み、光の波長を弁別する波長弁別器と、波長弁別器で弁別された光を検出する光検出器と、光検出器による検出信号を用いて、誤差信号を求める誤差信号演算部と、誤差信号演算部からの誤差信号に基づいて、光源の波長を制御する制御部と、を有し、標準物質は、2つ以上の分子種を含み、分子種のうちの少なくとも2つは、分子種の吸収線群である吸収バンドが重なる領域を有し、吸収バンドが重なる領域では、少なくとも1つの分子種の吸収バンドのピークにある吸収線の吸収率は、96%以上であることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、単純な構成で、かつ高精度に広い波長帯域で安定化可能な光源装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る波長安定化光源の構成を示す図である。 第1実施形態における波長弁別器の吸収スペクトルを示すグラフである。 第1実施形態における波長弁別器の特性を示すグラフである。 第1実施形態における吸収線と誤差信号との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る波長安定化光源の構成を示す図である。 第2実施形態における波長弁別器の吸収スペクトルを示すグラフである。 第2実施形態における波長弁別器の特性を示すグラフである。 第2実施形態における分光フィルターの特性を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る光源装置について説明する。図1は、本実施形態に係る光源装置としての波長安定化光源100の構成を示す概略図である。波長安定化光源100は、安定化される元光源としての光源1と、光分波器2と、光変調器3と、変調信号生成器4と、コリメーターレンズ5と、波長弁別器6と、光検出器8と、誤差信号演算部9と、制御部101と、波長変換器110とを有する。
光源(波長可変レーザー光源)1は、その波長可変レーザーとして、複数のDFB(分布帰還型)半導体レーザーが集積化され、Cバンド全域で発振可能なDFBレーザーモジュールである。なお、光源1としては、外部共振器型半導体レーザーや、波長可変型ファイバーレーザーなどを用いるものとしてもよい。以下、光源1の第1の安定化波長を波長λ1とし、波長λ1の波長基準の中心波長を波長λ1cとする。光分波器2は、光源1から出射された光を2つの経路に分岐させる光ファイバー型の分波器であり、一方の光を出力部120に、もう一方の光を光変調器3にそれぞれ導光する。光変調器3は、高効率な電気光学変調器(EOM)である導波路型ニオブ酸リチウムを用いた光ファイバー型の位相変調器(LN位相変調器)である。なお、光変調器3としては、バルク型の電気光学変調器などとしてもよい。変調信号生成器4は、適切な周波数および振幅で正弦信号を生成可能とする電気回路であり、光変調器3を駆動させるとともに、同一信号を参照信号として後述の誤差信号演算部9に出力する。コリメーターレンズ5は、光変調器3からファイバー伝送されて空間へ出射された光を平行光束に変換する収束レンズである。
波長弁別器(波長基準素子)6は、ガスセル60と、入射した光をガスセル60内で往復させるミラー61、62とを含み、光変調器3で変調された光源1の波長を吸収スペクトルに応じて弁別する。具体的には、波長弁別器6は、入射した光を基準波長からの波長ずれに応じて光の強度を変化させるものである。ガスセル60は、光学的に透明な密封容器に、標準物質としてH12CNとH13CNとの2種類の分子種(シアン化水素ガスの同位体)を封入したものであり、光線が入射または出射する窓部には、反射防止膜がコーティングされている。より具体的には、ガスセル60は、長さ200mmの石英ガラス管に、H12CNが2.6Torr、H13CNが13.4Torr封入されたものとし得る。ミラー61、62は、近赤外帯域で反射率が高い銀膜ミラーであり、例えば、コリメーターレンズ5で平行光束となった光がガスセル60を5回通過するような角度に調整されて配置されている。すなわち、この構成によれば、波長弁別器6は、セル長(光が密封容器を通過する実行距離)が1000mmのガスセル60と等価の波長弁別器として作用する。なお、セル長は、1000mmのみに限定するものではなく、1000mm以上とすれば、本実施形態において最適である。
図2は、本実施形態における波長弁別器6の吸収スペクトルを示すグラフである。図2では、横軸の吸収率(計算値)に対して、点線はH12CNの、実線はH13CNのそれぞれの吸収線を示している。H13CNの圧力は、H12CNの圧力よりも高いため、波長弁別器6では、吸収バンド全体の吸収率が高くなる。ここで、「吸収バンド」とは、分子の微細吸収線のピークを結んだ包絡線により形成される吸収線群スペクトルをいう。
図3は、本実施形態における波長弁別器6の特性を示すグラフである。図3では、横軸の圧力に対して、左縦軸は吸収線の性能係数、右縦軸は吸収率を示している。また、各吸収線は、セル長1000mmのシアン化水素ガスセルにおける封入圧力に対するものである。吸収線の性能係数は、後述する図4(b)の誤差信号の傾きに比例する量であり、高いほど高精度な波長基準に適する。また、最適な圧力における強い吸収線の性能係数を1として規格化しており、本実施形態では、性能係数が0.5以上である波長基準を高精度な波長基準とする。また、図3では、Strong、Weak、Middleの3系列の値は、それぞれ、吸収バンドのピークにある強い吸収線、吸収バンドの裾にある弱い吸収線、その中間にある中程度の吸収線を示し、性能係数を実線で、吸収率を点線でプロットしている。ただし、中程度の吸収線の吸収率は、不図示している。さらに、H12CNとH13CNとは、吸収バンドの特性が類似しているため、図3では、両同位体の吸収線の特徴を代表的に示している。
ここで、図2および図3を参照すると、まず、図2において1565nm付近にあるH13CNの吸収バンド裾の吸収線の性能係数は、図3における圧力13.6TorrでのWeak系列の値に相当し、およそ0.5である。これに対して、図2において1535.54nmから1538.52nmまで(Rバンド)の帯域にある、H13CNの強い吸収線の性能係数は、図3における圧力13.6TorrにおけるStrong系列の値に相当し、およそ0.04である。また、1545.96nmから1549.73nmまで(Pバンド)の帯域についても同様である。したがって、この帯域に関しては、高精度な波長基準としては使用できない。一方、図2に示すように、1.5μm帯のH13CNとH13CNとの吸収バンドに重なりがあり、H13CNの強い吸収線の帯域には、H12CNの強い吸収線または中程度の吸収線が存在する。ここで、「吸収バンドに重なりがある」とは、2つの吸収バンドの包絡線が、波長帯域を共有している場合をいう。特に、2つの包絡線のピーク(Pブランチの包絡線ピークとRブランチの包絡線ピーク)が存在する分子間では、一方の分子の2つのピークの間に、もう一方の分子のピークが存在する場合をいう。H12CNのこれらの吸収線の性能係数は、図3における圧力2.6TorrでのStrong系列およびMidddle系列の値に相当し、それぞれ0.58、0.87である。したがって、ここでのH13CNの強い吸収線の帯域の波長基準には、H12CNの吸収線を代用して使用することができる。ここで、(表1)に、本実施形態における波長弁別器6の代表的な吸収線の吸収率を示す。
Figure 2015090951
本実施形態では、H13CNの分圧を、吸収バンドのピーク(吸収線番号:R8、P8)の強い吸収線における最適な圧力0.8Torrの17倍(最大13.6Torr以上)まで高め、その吸収率を96%以上とする。これにより、吸収バンド裾(吸収線番号:P27)の吸収率を、(表1)に示すように24.6%まで高めることができる。同様に見ると、波長弁別器6において、吸収率が24%以上(図3に示す性能係数0.5以上の高精度な波長基準として使用可能な弱い吸収線の吸収率に相当)となる吸収線の帯域は、1521.65nmから1564.44nmまでとなる。したがって、波長弁別器6は、Sバンド(1460nmから1530nmまで)の一部とCバンドのほぼ全域とをカバーする広い帯域で高精度な波長基準を提供できる。
光検出器8は、1.5μm波長帯のInGaAs型フォトダイオードである。なお、光検出器8としては、光源1の波長に感度のあるものであれば、アバランシェフォトダイオードなどとしてもよい。誤差信号演算部9は、同期検波器や位相調整器などを含む電気回路であり、変調信号生成器4からの参照信号と光検出器8からの検出信号とを用いて、光源1の波長λ1と中心波長λ1cとの差に比例する電圧信号(誤差信号)を求め、出力する。制御部101は、PCやFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路が実装された計算機であり、制御信号を波長変換器110にフィードバックする。なお、光検出器8の出力信号をAD変換した上で、誤差信号演算部9と制御部101とをデジタル制御系として、同一のPCやFPGA上に実装する構成としてもよい。波長変換器110は、光源1内の駆動素子、およびその駆動電流と動作温度とを任意に選択、設定可能なLDドライバーである。これにより、光源(DFBレーザーモジュール)1は、発振波長を変換(変更)することができる。
次に、波長安定化光源100による波長安定化制御について説明する。まず、波長安定化の開始時には、波長変換器110は、開始時の波長(初期波長)が波長基準の中心波長λ1cと略一致するような、駆動素子、動作温度および初期駆動電流で光源1を立ち上げる。このときの駆動素子、動作温度および初期駆動電流は、予め計測された光源1内の各駆動素子の波長温度特性および波長電流特性に基づいて決定する。光源1から出射された光は、光変調器3を介して変調信号生成器4の変調周波数fで周波数変調(すなわち波長変調)され、コリメーターレンズ5で平行光束とされた後に波長弁別器6に入射する。波長弁別器6に入射した光は、その内部で吸収され、光源1の波長λ1および波長変調量に応じて強度変調される。ガスセル60を透過した光は、光検出器8で電圧信号に変換され、誤差信号演算部9で変調信号生成器4の変調周波数fに対して同期検波され、誤差信号に変換される。
図4は、波長弁別器6の各吸収線に関する吸収スペクトルと、それに対応した誤差信号とを模式的に示すグラフであり、図4(a)が吸収スペクトルを示し、図4(b)が誤差信号を示す。誤差信号は、吸収線の一次微分値に比例したプロファイルを有し、図4(b)に示すマイナスピークからプラスピークまでの間の傾きが直線的な領域において、光源1の波長λ1と吸収線の中心波長λ1cとの差に比例した量となる。制御部101および波長変換器110は、誤差信号演算部9から出力された誤差信号がゼロとなるように光源1の駆動電流に対してフィードバック制御を行い、光源1の波長λ1を吸収線の中心波長λ1cに安定化制御する。
次に、光源1の安定化波長を、第1の安定化波長λ1とは異なる第2の安定化波長λ2に変更する場合について説明する。この場合、まず、波長変換器110は、第1安定化波長λ1への安定化制御を解除し、初期波長が第2波長基準の中心波長λ2cと略一致するような、駆動素子、動作温度および初期駆動電流を再設定し、この値で光源1を立ち上げる。このときも、駆動素子、動作温度および初期駆動電流は、予め計測された光源1内の各駆動素子の波長温度特性および波長電流特性に基づいて決定する。なお、第2波長基準の中心波長λ2cが第1波長基準の中心波長λ1cと近い値である場合には、波長変換器110は、駆動素子の再設定はせずに、動作温度および駆動電流の再設定のみを行うものとしてもよい。以下、波長安定化光源100は、上記の第1安定化波長λ1の場合と同様に、第2の波長基準のピークに対して安定化制御を行う。ただし、制御部101のフィードバックゲイン等のパラメーターについては、波長基準ごとに変更してもよい。
このように、波長安定化光源100は、光源1にCバンドの全帯域で波長可変のDFBレーザーモジュールを使用し、波長弁別器6にCバンド全帯域をカバーする高精度な波長基準に適した吸収線群を有するガスセル60を使用する。すなわち、波長安定化光源100は、従来の波長安定化光源ではカバーできなかった帯域までカバーできることとなる。また、従来の波長安定化光源では、カバーする帯域を広げるために、複数のガスセルを用いたり、また複数のエタロンを用いる場合には複数の制御系を要したりと全体構成が複雑であったが、波長安定化光源100では、構成自体を単純化可能である。
以上のように、本実施形態によれば、単純な構成で、高精度に広い波長帯域で安定化可能な光源装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る光源装置について説明する。第1実施形態では、波長安定化光源100が、1つの光源1からの光の波長を安定化させる場合を例示した。これに対して、本実施形態に係る光源装置の特徴は、複数の光源からの複数の光の波長を同時に安定化させる点にある。図5は、本実施形態に係る光源装置としての波長安定化光源200の構成を示す概略図である。波長安定化光源200は、第1実施形態に係る波長安定化光源100と比較すると、光源、光検出器、誤差信号演算部、および波長変換器をそれぞれ2つ有するとともに、さらに、波長弁別器6からの光を複数に分岐させる分光フィルター7を有する。以下、波長安定化光源200の構成として、一例として、安定化される元光源を2つ有するものと想定し、特に第1実施形態に係る波長安定化光源100の構成と異なる点について説明する。
第1光源11および第2光源12は、それぞれ、第1実施形態における光源1と同様の構成とし得る。以下、第1光源11の安定化波長を波長λ1とし、第2光源12の安定化波長を波長λ2とする。この場合、光分波器2は、2つの光源11、12から出射された2つの光を一旦同軸とした後に2つの経路に分岐させる。分岐先は、第1実施形態と同様である。また、変調信号生成器4の送信先は、ここでは、光変調器3の他、第1誤差信号演算部91および第2誤差信号演算部92の計3つとなる。
波長弁別器6は、ここでは、光変調器3で変調された第1光源11および第2光源12の周波数を吸収スペクトルに応じた強度変化に変換する。また、ガスセル60は、第1実施形態においては、2種類のシアン化水素ガスの同位体を封入していたが、本実施形態では、1213との2種類の分子種(アセチレンガスの同位体)を封入している。より具体的には、ガスセル60は、長さ100mmの石英ガラス管に、12が2.5Torr、13が7.5Torr封入されたものとし得る。ミラー61、62を第1実施形態と同様に設置するものとすると、この構成によれば、波長弁別器6は、セル長が500mmのガスセル60と等価の波長弁別器として作用する。なお、セル長は、500mmのみに限定するものではなく、500mm以上とすれば、本実施形態において最適である。
図6は、本実施形態における波長弁別器6の吸収スペクトルを示すグラフである。図6では、横軸の吸収率(計算値)に対して、点線は12の、実線は13のそれぞれの吸収線を示している。13の圧力は、12よりも高いため、波長弁別器6では、吸収バンド全体の吸収率が高くなる。
図7は、本実施形態における波長弁別器6の特性を示すグラフである。なお、図7の見方(各種の定義等)は、第1実施形態における図3と同様である。ここで、図6および図7を参照すると、まず、図6において1550nm付近にある13の吸収バンド裾の吸収線の性能係数は、図7における圧力7.5TorrでのWeak系列の値に相当し、およそ0.5である。これに対して、図6において1518.67nmから1521.56nmまで(Rバンド)の帯域にある、13の強い吸収線の性能係数は、図7における圧力7.5TorrにおけるStrong系列の値に相当し、およそ0.1である。また、1528.59nmから1532.21nmまで(Pバンド)の帯域についても同様である。したがって、この帯域に関しては、高精度な波長基準としては使用できない。一方、図6に示すように、1.5μm帯の1312との吸収バンドに重なりがあり、13の強い吸収線の帯域には、12の強い吸収線または中程度の吸収線が存在する。12のこれらの吸収線の性能係数は、図7における圧力2.5TorrでのStrong系列およびMidddle系列の値に相当し、それぞれ0.78、0.93である。したがって、ここでの13の強い吸収線の帯域の波長基準には、12の吸収線を代用して使用することができる。ここで、(表2)に、本実施形態における波長弁別器6の代表的な吸収線の吸収率を示す。
Figure 2015090951
本実施形態では、13の分圧を、吸収バンドのピーク(吸収線番号:R8、P8)の強い吸収線における最適な圧力1.3Torrの6倍(最大7.5Torr以上)まで高め、その吸収率を98%以上とする。これにより、吸収バンド裾(吸収線番号:P28)の吸収率を、(表2)に示すように26.3%まで高めることができる。同様に見ると、波長弁別器6において、吸収率が21%以上(図7に示す性能係数0.5以上の高精度な波長基準として使用可能な弱い吸収線の吸収率に相当)となる吸収線の帯域は、1514.77nmから1550.18nmまでとなる。したがって、波長弁別器6は、Sバンドの一部とCバンドを含む広い帯域で高精度な波長基準を提供できる。
図8は、分光フィルター7の分光特性を示すグラフである。分光フィルター7は、図8(a)に示すように波長λ1の光を透過し、図8(b)に示すように波長λ2の光を反射する分光特性を有する、誘電体多層膜が蒸着されたハイパスフィルターである。なお、分光フィルター7としては、波長λ2の近傍波長を選択的に反射するバンドパスフィルターとしてもよい。分光フィルター7で分光された光のうち、波長λ1の光は、第1光検出器81に導光され、波長λ2の光は、第2光検出器82に導光される。第1誤差信号演算部91は、変調信号生成器4からの参照信号と第1光検出器81からの出力信号とに基づいて、第1光源11の波長λ1と中心波長λ1cとの差に比例する電圧信号を出力する。同様に、第2誤差信号演算部92は、変調信号生成器4からの参照信号と第2光検出器82からの出力信号とに基づいて、第2光源12の波長λ2と中心波長λ2cとの差に比例する電圧信号を出力する。制御部101は、この場合、第1実施形態で要した演算機能を2つの光源11、12用に2チャンネル有する。そして、第1波長変換器111は、第1光源11内の駆動素子、およびその駆動電流と動作温度とを任意に選択、設定し、一方、第2波長変換器112は、第2光源12内の駆動素子、およびその駆動電流と動作温度とを任意に選択、設定する。なお、波長安定化光源200は、安定化される元光源、分光フィルター、光検出器、および誤差信号演算部を増やすことで、対応する波長数を増やすことができる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用、効果を奏するとともに、光源(安定化される元光源)が複数となっても、光変調器や波長弁別器を共通化することで、波長安定化光源全体として単純な構成とし得る。また、第1実施形態におけるガスセル60に用いたシアン化水素に対して、本実施形態におけるガスセル60に用いたアセチレンの吸収線強度が強いことから、特に本実施形態における波長弁別器6は、第1実施形態でのものよりも小型とし得る。本実施形態における波長安定化光源200は、例えば、発振波長の選択性および安定性が重要である多波長干渉計のための波長安定化光源として特に有効となり得る。
なお、上記各実施形態では、ガスセル60に封入される標準物質として、シアン化水素またはアセチレンの同位体を用いるものとした。しかしながら、本発明では、同位体のみに限らず、シアン化水素を含めたシアン化水素同位体の群(アセチレンを含めたアセチレン同位体の群)から選択された2つ以上の分子種であってもよい。また、標準物質としては、例えば、NISTからSRM2514、SRM2515として提案されている一酸化炭素も使用し得る。さらに、M.Lackner, M.Schwarzott, and F.Winter, "CO and CO2 spectroscopy
using a 60nm broadband tunable MEMS-VCSEL at 〜1.55μm, Maximilian Lackner, Michael Schwarzott, Franz Winter",
Optics Letters, Vol.31, No.21, pp.3170-3172 (2006) に記載されている二酸化炭素なども使用し得る。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 光源
6 波長弁別器
8 光検出器
9 誤差信号演算部
60 ガスセル
100 波長安定化光源
101 制御部

Claims (5)

  1. 光源から出射される光の波長を安定化させる光源装置であって、
    前記光が透過する標準物質が封入された密封容器を含み、前記光の波長を弁別する波長弁別器と、
    前記波長弁別器で弁別された光を検出する光検出器と、
    前記光検出器による検出信号を用いて、誤差信号を求める誤差信号演算部と、
    前記誤差信号演算部からの前記誤差信号に基づいて、前記光源の波長を制御する制御部と、を有し、
    前記標準物質は、2つ以上の分子種を含み、
    前記分子種のうちの少なくとも2つは、該分子種の吸収線群である吸収バンドが重なる領域を有し、
    前記吸収バンドが重なる領域では、少なくとも1つの分子種の前記吸収バンドのピークにある吸収線の吸収率は、96%以上である、
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 前記標準物質は、シアン化水素、アセチレン、一酸化炭素、および二酸化炭素の分子種の群から選択された2つ以上の分子種であることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記標準物質は、シアン化水素およびシアン化水素同位体の群から選択された2つ以上の分子種であり、
    前記光が前記密封容器を通過する実行距離は、1000mm以上であり、
    前記密封容器における前記標準物質のうちの少なくとも1つの分子種の封入圧力の最大は、13.6Torr以上である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  4. 前記標準物質は、アセチレンおよびアセチレン同位体の群から選択された2つ以上の分子種であり、
    前記光が前記密封容器を通過する実行距離は、500mm以上であり、
    前記密封容器における前記標準物質のうちの少なくとも1つの分子種の封入圧力の最大は、7.5Torr以上である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
  5. 前記光源は、波長可変レーザー光源であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光源装置。
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