JP2015089560A - 金属接合板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属板及び金属箔を多数積層させて接合した場合にも、十分な接合強度を得ると共に、全幅に亘り良好な導通性が得られる金属接合板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に積層された複数の金属箔とを、接合して一体化した金属接合板であって、少なくとも前記各金属箔に、該金属箔を連続して貫通する貫通細孔を形成し、外部磁界を変化させることで前記両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせ、この両金属板間に生じる電位差に基づき、前記貫通細孔に大電流を流入させて該貫通細孔内及び/又はその近傍に溶融溶接を施すことで、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合してなる1つ以上の点状接合部により一体化されている金属接合板、及びその金属接合板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層した金属板と金属箔とを接合して一体化した金属接合板及びその製造方法に関する。
電気自動車の電源、工場やビルのバックアップ用電源などには、充放電可能な直流電源として、例えば、ラミネートフィルムを用いた外装体の中に内部電極対と電解液とを封入したシート状の二次電池セルが広く知られている。このような二次電池セルを重ね合わせて並列接続し、かつ、これらを多段に直列接続することにより、最終段に流れる電流が40Aから500A程度の大容量直流電源を構成することもできる。
このような二次電池セルの接続端子部は金属性の薄板や箔などで形成されており、このような二次電池セルを並列接続する場合には、接続端子部を構成する金属板を積層させて確実に接合する技術が必要となる。例えば特許文献1には、重ねた金属薄板を一巻きコイル内に配設し、この一巻きコイルに電流を流して金属薄板に渦電流を生じさせ、発生した電磁力によって金属薄板同士を圧接する電磁圧接の技術が開示されている。
特許第3751153号
このような電磁力を利用した圧接によって、積層させた金属薄板同士を接合した場合には、積層する金属薄板の枚数が数枚程度の少ない場合には良好に接合されるが、積層枚数が増加するほど、圧接した金属薄板同士の接合界面の一部に部分的に接合不良となる箇所が出現する傾向にある。このような接合不良は、接合界面の電気抵抗のばらつきを生じ、また接合強度を低下させる原因にもなり得る。
そして近年、直流電源の大容量化の要請が一段と高まり、大電流の取り出しが可能となるように、接続端子部としてもより幅広の金属薄板が採用されつつある。従って、幅広の金属薄板を多数積層させて接合した場合にも、十分な接合強度を得ると共に、全幅に亘り電気抵抗のばらつきを抑え、良好な導通性を得ることがより一層重要な課題となっている。
本発明はこのような課題を解決すべく成されたものであり、その目的は、金属板及び金属箔を多数積層させて接合した場合にも、十分な接合強度を得ると共に、全幅に亘り良好な導通性が得られる金属接合板及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、金属板を多数積層させて接合するに際して電磁圧接を応用して電磁圧接と同時に溶融溶接を生じさせる接合方法により、多数の金属板と金属箔とを接合した場合にも十分な接合強度を得ると共に、接合部位の全幅に亘り良好な導通性が得られることを知見し、かかる知見に基づきさらに検討して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の各発明を提供するものである。
1.上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に積層された複数の金属箔とを、接合して一体化した金属接合板であって、
少なくとも前記各金属箔に、該金属箔を連続して貫通する貫通細孔を形成し、外部磁界を変化させることで前記両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせ、この両金属板間に生じる電位差に基づき、前記貫通細孔に大電流を流入させて該貫通細孔内及び/又はその近傍に溶融溶接を施すことで、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合してなる1つ以上の点状接合部により一体化されている金属接合板。
2.前記貫通細孔内に金属細線を挿入した後、前記の溶融溶接を施すことを特徴とする1記載の金属接合板。
3.前記貫通細孔から所定距離離隔させた部位において、前記両金属板に、互いに逆向きの渦電流によって、前記両金属板が互いに接近する方向に電磁力を作用させ、一対の前記金属板と前記各金属箔とを圧接する電磁圧接により形成された前記点状接合部より広い範囲で線状に接合されてなる線状接合部を具備する1又は2記載の金属接合板。
4.前記線状接合部は、互いに離間されて、ほぼ平行に2カ所に形成されており、
前記点状接合部は、この2つの線状接合部の間に配置され、かつ、この線状接合部の長さ方向に沿って、複数箇所に形成されている3記載の金属接合板。
5.上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に積層された複数の金属箔とを、接合して一体化した金属接合板であって、
前記各金属板及び各金属箔の全てを連続して貫通する貫通細孔を形成し、
前記貫通細孔内に金属細線を挿入し、該金属細線に大電流を供給して溶融気化させる溶融溶接によって、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合して形成された1つ以上の点状接合部により一体化されている金属接合板。
6.上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に位置する複数の金属箔とを、一つ以上の点状接合部と線状接合部とによって接合して一体化する金属接合板の製造方法であって、
前記上下一対の各金属板の間に、空隙を設けた状態で、複数の前記金属箔を重ねて配設して積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程と同時或いは前後いずれかに、少なくとも前記複数の金属箔を厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成する細孔形成工程と、
上下一対の電流通過部を有するコの字型コイルにおける両電流通過部間に前記貫通細孔が位置するように前記積層体を配設する配設工程と、
前記コの字型コイルにパルス状の大電流を供給し前記両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせ、前記両金属板が互いに接近する方向に電磁力を作用させて電磁圧接を施すと共に、前記両金属板間に生じた電位差によって前記貫通細孔に大電流を供給して溶融溶接を施し、これらによって、前記線状接合部と点状接合部との双方を同一工程内で形成する電磁溶接工程と、
を備える金属接合板の製造方法。
7.前記細孔形成工程の後に、形成された前記貫通細孔内に金属細線を挿入する挿入工程をさらに備える6記載の金属接合板の製造方法。
8.上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に位置する複数の金属箔とを、一つ以上の点状接合部において接合して一体化する金属接合板の製造方法であって、
前記上下一対の各金属板の間に複数の前記金属箔を重ねて配設して積層体を形成する積層工程と、
前記点状接合部を形成する位置に対応して、前記上下一対の金属板及び複数の前記金属箔に、その厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成する細孔形成工程と、
形成した前記各貫通細孔内に金属細線を挿入し、この金属細線の両端が前記上下一対の金属板から外側に突出する状態に配設する細線配設工程と、
突出した前記各金属細線の両端に対してパルス状の大電流を供給して、前記金属細線を溶融気化させる溶融溶接を施し、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合する溶融溶接工程と、
を備える金属接合板の製造方法。
請求項1にかかる金属接合板は、積層された金属箔を連続して貫通する貫通細孔を形成し、外部磁界を変化させて 上下一対の金属板に逆向きの渦電流を生じさせると、この両金属板間に電位差が生じる。上下の金属板によって挟まれた各金属箔では、この電位差により、貫通細孔を通じてアーク放電が生じ、貫通細孔内及び/又はその近傍で溶融溶接が施され、これにより上下の金属板と各金属箔とが溶融溶接される。従って、この金属接合板が、例えば幅広の電極端子部として構成された場合にも、貫通細孔を形成する部位や個数を適宜選択することで、全幅に亘って十分な接合強度が得られると共に、全幅に亘って電気抵抗のばらつきを抑え、良好な導通性を得ることが可能となる。
請求項5にかかる金属接合板は、一対の金属板と金属箔とを積層させ、各金属板及び各金属箔の全てを連続して貫通する貫通細孔を形成し、この中に金属細線を挿入して溶融気化させる溶融溶接を施すことにより、1つ以上の点状接合部により一体化して構成したので、積層させた各金属板と各金属箔とを貫通細孔を介して確実に接合することできる。これによりこの金属接合板が、例えば幅広の電極端子部として構成された場合にも、貫通細孔を形成する部位や個数を適宜選択することで、全幅に亘って十分な接合強度が得られると共に、全幅に亘って電気抵抗のばらつきを抑え、良好な導通性を得ることが可能となる。
請求項6にかかる金属接合板の製造方法によれば、積層工程によって一対の金属板と複数の金属箔との積層体を形成し、細孔形成工程によって少なくとも前記複数の金属箔を厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成する。この貫通細孔を形成する工程は、積層工程と同時に、又は積層工程の前の工程或いは後の工程のいずれであっても良い。そして続く配設工程によって、コの字型コイルにおける両電流通過部間にこの貫通細孔が位置するように積層体を配設し、電磁溶接工程を実施する。電磁溶接工程では、コの字型コイルにパルス状の大電流を供給し、電磁誘導によって両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせる。この渦電流によって両金属板には互いに接近する方向に電磁力が作用し、この電磁力により線状に電磁圧接が施される。またこの際、互いに逆向きの渦電流によって、向かい合う両金属板の間には電位差が形成されており、電磁圧接によって、積層体を構成する両金属板と複数の金属箔とが接触する状態となって、この電位差に基づいて貫通細孔を介して大電流が供給され、点状としての、貫通細孔内及び/又はその近傍で、溶融溶接が施され、この部位においても上下の金属板と各金属箔とが溶融溶接される。このように電磁溶接工程では、同一の工程において線状接合部と点状接合部との双方を形成することができる。
従って、金属箔の積層枚数が増加し、線状接合部を形成する電磁圧接で部分的に接合状態が低下する部位が発生した場合にも、局所的に溶接を施す点状接合部でこれを補うことが可能となり、この金属接合板が、例えば幅広の電極端子部として構成された場合にも、全幅に亘って十分な接合強度が得られると共に、全幅に亘って電気抵抗のばらつきを抑え、良好な導通性を得ることが可能となる。さらに電磁溶接工程では、線状接合部を形成する圧接と点状接合部を形成する溶接とに対して、別々に電力を供給する必要はなく、コの字型コイルによって供給される電磁エネルギーのみによって、線状接合部と点状接合部とを一緒に形成することができるため、効率的に金属接合板を製造することが可能となる。
請求項8にかかる金属接合板の製造方法によれば、積層工程によって一対の金属板の間に金属箔を重ねて積層体を形成し、細孔形成工程によって積層体をその厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成し、細線配設工程によって貫通細孔に金属細線を挿入し、金属細線の両端が各金属板から外側に突出するよう配設する。そして、溶融溶接工程において金属細線に大電流を供給して溶融溶接を施す工程を備えて構成する。これにより、積層させた各金属板と各金属箔とを貫通細孔を介して確実に接合することができ、金属箔の積層枚数が増大した場合や、この金属接合板が例えば幅広の電極端子部として構成された場合にも、貫通細孔を形成する部位や個数を好適に設定することで、全幅に亘って十分な接合強度が得られると共に、全幅に亘って電気抵抗のばらつきを抑え、良好な導通性を得ることが可能となる。
金属接合板の製造方法に用いる一巻きコイル及び放電回路を概略的に示す斜視図である。 銅薄板と銅箔との積層状態を示す斜視図である。 放電回路を模式的に示すと共に、コの字に沿ったコイルの断面をとって示す端面図である。 一巻きコイル、銅薄板及び銅箔の断面をとって、磁束・渦電流の発生状態を示す説明図である。 本発明の金属接合板の接合部位を中心に摸式的に示す断面図(図7の幅方向断面相当図)である。 (a)は圧接前に、上下の銅薄板に流れる渦電流の向きを矢印で示す説明図、(b)圧接後に、上下の銅薄板に流れる渦電流の向きと貫通細孔を流れる電流の向きを矢印で示す説明図である。 本発明の金属接合板の平面図であって、銅薄板と銅箔との接合部位を摸式的に示す平面図である。 貫通細孔内に銅細線を配した積層体と、放電回路とを模式的に示す説明図である。
10:電磁溶接装置、20:一巻きコイル(コの字型コイル)、20a:上側電流通過部材、20b:下側電流通過部材、20e:スペーサ部材、62:銅箔(金属箔)、64:貫通細孔、72:銅薄板(金属板)、74:銅薄板(金属板)、80:積層体、82:間隙、102:渦電流、104:渦電流、164:貫通細孔、168:銅細線(金属細線)、200:線状接合部、210:点状接合部。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
<電磁溶接装置>
まず、本発明の製造方法に用いられる装置について説明する。
図1に本実施形態にかかる金属接合板の製造方法に用いる電磁溶接装置を示す。この電磁溶接装置10は、細径のコの字型を呈する一巻きコイル20を備えている。この一巻きコイル20は、細幅の長い角柱形状の上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとを上下に平行となるように配しており、クロム銅材によって一対の同じ形状に形成されている。また、この互いの一端側には、同一のクロム銅材によって形成された短い角柱形状のスペーサ部材20eを配しており、スペーサ部材20eの上面が上側電流通過部20aに当接し、下面が下側電流通過部材20bに当接している。これら上側電流通過部材20a、下側電流通過部材20b及びスペーサ部材20eは、それぞれ別体として形成しており、図示しない保持部材によって、上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとの間にスペーサ部材20eを強固に挟み込むことにより、コの字型の一巻きコイル20を構成している。
また、上側電流通過部材20a及び下側電流通過部材20bの他端側は、長方形型に幅広の上側平板部20c及び下側平板部20dがそれぞれ一体的に形成されおり、上側平板部20cと下側平板部20dとの間隙にも、スペーサ部材22が介在している。スペーサ部材22は、長辺側を上側平板部20c等と同じ長さに、短辺側は上側平板部20c等よりも短い長方形型を呈している。なお、スペーサ部材22も同一のクロム銅材によって形成されているが、スペーサ部材22の上面と下面には、膜厚0.1mm程度のポリイミドフィルムを絶縁シート(図示せず)として設けており、この絶縁シートによって、スペーサ部材22と、その上下に位置する上側電流通過部材20a及び下側電流通過部材20bとの間の絶縁性を確保している。このように、上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとは、両端側をスペーサ部材20e、22によって一定の間隔を保つようにして平行に配設している。
本実施例で示したように一巻きコイル20の構造として、分離可能なスペーサ部材20eを設ける構成を採用することで、接合対象となる金属板や金属箔の厚みや枚数が増減した場合にも、好適な高さを有する2つのスペーサ部材20e、22に交換することで、上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとの間隔を最適に調整し、かつ、上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとの平行状態を確保することが可能となる。
なお、一巻きコイル20の構造としては、上側電流通過部材20a、下側電流通過部材20b及びスペーサ部材20eの各部材をこのように組み合わせて構成する以外にも、これらの部材を予め一体的に形成することも可能である。
上側電流通過部材20a及び下側電流通過部材20bの寸法としては、コイルの長さa=70mm、幅(コイル幅)b=5mm、厚さc=10mmである。また上側平板部20c及び下側平板部20dは短辺側=70mm、長辺側=145mmで、厚さ=10mmである。一巻きコイル20を構成する材質としては、導電性を有する材質であって、後述する電磁圧接の際にも変形しない程度の極めて高い剛性が要求され、導電率や耐久性、強度などを考慮すると、鋼鉄製、銅合金製等が望ましい。なお、接合対象となる金属接合板の幅等に応じて各部の寸法は適宜変更可能であり、例えば、図示したコイルの長さaは50mm〜250mm程度、コイルの幅bは3mm〜7mm程度、コイルの厚さcは5mm〜15mm程度の範囲で設定される。また、上側平板部20c及び下側平板部20dの長辺側の長さも、接合対象となる金属接合板の幅に依存し、特に限定するものではないが50mm〜200mm程度の範囲で形成される。
また上側平板部20cと下側平板部20dとの間は、配線部材30を介して、コンデンサ電源40とギャップスイッチ50が直列に接続されており、これらコンデンサ電源40、ギャップスイッチ50及び一巻きコイル20によって放電回路を構成しており、コンデンサ電源40の電源容量は100μF、放電エネルギーは3.0kJである。この放電回路によって供給される電流値は、後述する各実施例においても、金属板間に多数枚の金属箔を接合する上で、300kA程度の大きな電流が供給される。
なお、流れている時間は、放電エネルギーに関係なく電源容量の影響を受け、たとえば100μFで約50μs、25μFで約25μs、400μF約100μsとなり、およそ電源容量比の平方根に比例する時間流れることとなる。
次に金属接合板の製造方法について工程順に説明する。
本発明の金属接合板の製造方法は、
上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に位置する複数の金属箔とを、一つ以上の点状接合部と線状接合部とによって接合して一体化する金属接合板の製造方法であって、
前記上下一対の各金属板の間に、空隙を設けた状態で、複数の前記金属箔を重ねて配設して積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程と同時或いは前後いずれかに、少なくとも前記複数の金属箔を厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成する細孔形成工程と、
上下一対の電流通過部を有するコの字型コイルにおける両電流通過部間に前記貫通細孔が位置するように前記積層体を配設する配設工程と、
前記コの字型コイルにパルス状の大電流を供給し前記両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせ、前記両金属板が互いに接近する方向に電磁力を作用させて電磁圧接を施すと共に、前記両金属板間に生じた電位差によって前記貫通細孔に大電流を供給して溶融溶接を施し、これらによって、前記線状接合部と点状接合部との双方を同一工程内で形成する電磁溶接工程と、を行うことにより実施できる。
以下、詳述する。
(積層工程)
図2に示すように、金属箔としての銅箔62を複数枚重ねて配設する。一例として銅箔62の箔厚は0.05mmであり、重ね合わせた枚数は10枚である。なお、積層工程は、次に説明する細孔形成工程の終了後に積層を行うことで完成となる。
(細孔形成工程)
次に、重ねた10枚の銅箔62を厚さ方向に連続して貫通するように、貫通細孔64を形成する。貫通細孔の形成方法は特に制限されないが、各種旋盤加工法、レーザーによる加工法等公知の手法を特に制限なく用いることができる。
図示の例では、貫通細孔64は、重ねた銅箔62に対して5カ所に等間隔で一列に形成している。貫通細孔64を形成する位置は、後の工程で一巻きコイル20内に挿入固定した際に、上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとの間に位置するような配置となっており、これら上側・下側電流通過部20a・20bの形状に沿う位置に形成している状態である。なお、貫通細孔64の孔径は特に限定するものではなく、おおよそ0.1mm〜1.0mm程度の範囲である。
このような細孔形成工程としては、一枚の銅箔62に対して、後に貫通細孔64となる細孔を形成しておき、このように予め細孔を形成した銅箔62を積層させることで貫通細孔64を形成することも可能である。また、銅箔62を一枚ずつ重ねながら細孔を形成することも可能であり、具体的には一枚の銅箔62に対して細孔を形成し、さらにこの上に銅箔62を重ね、重ねた銅箔62に対して細孔を形成し、以下順に重ねた銅箔62に対してのみ細孔を形成し、最終的に積層された状態で貫通細孔64を形成する工程を採用することも可能である。
このようにして複数の銅箔62を重ねて配設し、さらにこの上側には厚さ0.3mmの金属板として銅薄板72を配し、下側にも厚さ0.3mmの金属板として銅薄板74を配し、これら上下一対の銅薄板72、74の間に複数の銅箔62を重ねて配設して、積層体80を形成する、これにより積層工程が完了する。
(配設工程)
次に図3に示すように一巻きコイル20内に積層体80を配設する。一巻きコイル20は図示しない支持部材によってインシュレータ90を介して支持固定されており、同じ支持部材に対して積層体80も位置決めされた状態で固定されている。この際、積層体80における貫通細孔64が形成された部位は、一巻きコイル20における上側電流通過部材20aの直下、下側電流通過部材20bの直上となるように、この間に挟まれる位置に配設されている。
なお、図中に示したインシュレータ90は板状の絶縁部材であり、上側電流通過部材20aと銅薄板72との間、及び、下側電流通過部材20bと銅薄板74との間に、それぞれ介在するように配設しており、一巻きコイル20と銅薄板72、74とを電気的に絶縁している。また、図3では説明の便宜上、スペーサ部材22の図示を省略して示す。
また、上側電流通過部材20aの直下に位置する、銅薄板72と積層させた銅箔62との間、及び、下側電流通過部材20bの直上に位置する、銅薄板74と積層させた銅箔62との間には、それぞれギャップ長が1.0mmの間隙82を設けている。この間隙82は、図4に示すように、厚さ1.0mmの絶縁板としてのガラスエポキシ板92を利用して形成しており、銅薄板72と積層させた銅箔62の間にあって、上側電流通過部材20aの直下を避けるようにして、上側電流通過部材20aの長さ方向両側に沿うように、2つのガラスエポキシ板92を配している。また下側電流通過部材20b側の間隙82も同様に、銅薄板74と積層させた銅箔62の間にあって、下側電流通過部材20bの直上を避けるようにして、下側電流通過部材20bの長さ方向両側に沿うように、2つのガラスエポキシ板92を配することで形成している。このような積層構造を採用することで、上側電流通過部材20a側と下側電流通過部材20b側とにおける、上下2つの間隙82を、同一のギャップ長1.0mmに設定している。なお、図4では説明の便宜上、インシュレータ90の図示を省略している。
(電磁溶接工程)
このようにして一巻きコイル20の内側に積層体80を配設した状態で電磁溶接を施す。
コンデンサ電源40には100μFの電荷が蓄えられており、ギャップスイッチ50を閉じると、図3に電流Iとして示すように、最大300kA程度のパルス状の大電流が、50μs程度の極く短時間、一巻きコイル20に流れる。一巻きコイル20側では、向かい合う上下一対の上側電流通過部材20a及び下側電流通過部材20bに互いに逆向きにパルス状の大電流が急激に流れる状態となる。
上側電流通過部材20aに注目すると、その周囲には、図4に示すように電流Iの向きに応じた高密度な磁束が発生し、相対する銅薄板72と交差する。これにより銅薄板72では同時に電流Iと逆方向に誘導電圧が生じ、銅薄板72の抵抗値が小さいため大きな渦電流102が銅薄板72に流れて磁束の浸透を妨げる。一方、相対する下側電流通過部材20bにおいても同じ作用によって、銅薄板74に渦電流104が流れるが、銅薄板72の渦電流102とは逆向きとなる。
渦電流102,104が生じることで銅薄板72,74には電磁力が作用するが、その方向は銅薄板72,74が互いに接近する方向となる。この電磁力によって、上側・下側電流通過部材20a、20bの直下・直上に位置する銅薄板72、74の領域は、ジュール加熱されながら高速に変形する。上側電流通過部材20a及び下側電流通過部材20bに流れる電流Iの大きさが同じであり、銅薄板72,74が同質・同厚であるので、銅薄板72,74の変形速度は大きさが等しく反対方向となる。前述したように空隙82のギャップ長を上下で同じ長さに設定しているため、原理上、銅薄板72、74が積層した銅箔62に対して同時に衝突し、衝突後の速度は零となる。この状態を図5に示す。銅薄板72,74は、上側電流通過部材20a・下側電流通過部材20bにそれぞれ対向する領域で、互いが凹形状に接近するように変形して衝突し、この間に、積層された銅箔62が圧接される。
このようにして電磁圧接を施すことにより、接合部位には、上側電流通過部材20a・下側電流通過部材20bの形状に沿うようなほぼ長方形状の凹部接合面230が形成される(図7)。このような電磁溶接では、凹部接合面230の全面が溶接される状態ではなく、長方形状を呈する凹部接合面230の長辺の内側に沿うように、2本の線状にシーム溶接され、積層された銅箔62と銅薄板72、74とを一体的に接合する線状接合部200が形成される。
なお、上記電荷は、金属薄板の板厚や材質によって異なり、金属薄板の板厚と表皮の深さがおよそ等しいように、コンデンサ電源の電源容量を選択すると効率的に溶接を行うことができる。たとえば、表皮の深さは金属薄板の材質(導電率の相違)、板厚および電磁圧接回路のパルス状大電流(放電電流、コイル電流)の周期(電源容量と回路インダクタンス(コイルインダクタンスを含む))などに依存するため、諸条件に応じて25μFから400μF 程度とすることができる。また、放電エネルギーについても、諸条件に応じては2.0kJから5.0kJ(金属薄板の板厚および金属箔の枚数、材質などによって変更するのが好ましい)とすることができる。
配設工程において既に説明したように、積層体80は、貫通細孔64が形成された部位が、上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとの間に位置するように位置決めされているために、貫通細孔64は、この形成された2本の線状接合部200の間にあって、この線状に沿うように配列される状態となっている。なお、この2本の線状接合部200の間隔は、コイル幅5mmよりも僅かに狭い4mm程度となる。
さらにこの電磁溶接工程では、ほぼ同じタイミングで貫通細孔64に対しても溶融溶接が施される。以下に詳細に説明すると、銅薄板72と銅薄板74には互いに逆向きの大きな渦電流が流れるが、換言すれば、図6(a)に示すように、銅薄板72と銅薄板74には、上側電流通過部材20aと下側電流通過部材20bとの間に位置する領域で、誘導電圧によって、それぞれ逆向きの大きな電位勾配が形成されており、この領域において、銅薄板72と銅薄板74との間には大きな電位差が形成されることとなる。圧接前では、積み重ねた銅箔62の上下に空隙82を設けて銅薄板72,74が配設されおり、この状態で互いに逆向きの電位勾配が形成される。そしてこの状態から圧接が始まると、図6(b)に示すように、銅薄板72と銅薄板74とが積層状態の銅箔62に当接して圧接を始め、積層した銅箔62の細孔同士もより一層近づく。この変化の過程において、銅薄板72,74間の貫通細孔64を介してアーク放電を生じ、同図に矢印で示す方向に大きな放電電流が貫通細孔64を流れ、この部位を含む銅箔62の周辺に溶融溶接が施される。これによって、重ねた銅箔62と銅薄板72、74とを一体的に接合する点状接合部210が形成される。
(挿入工程)
なお、貫通細孔64を形成する細孔形成工程の後に、貫通細孔64内に細径の銅細線を挿入する挿入工程を追加しても良い。この場合、積み重ねた銅箔62の貫通細孔64内に銅細線を挿入した状態で、その上下を銅薄板72,74で挟み込み、積層体80を構成する。
そして、銅細線が挿入された積層体80に対して前述と同様に電磁溶接工程を実施する。このとき、同様に電磁圧接が施されるが、この圧接に伴って凹形状に変形した銅薄板72と銅薄板74とがこの銅細線の両端に接触する状態となり、銅薄板72、74間に生じている電位差に基づいて、この銅細線に過大電流が流れる。これにより導爆線としての銅細線が瞬間的に溶融・気化するため、貫通細孔64の内側及びその周辺に溶融溶接が施される。このように貫通細孔64に銅細線を配設した場合にも、重ねた銅箔62と銅薄板72、74とを一体的に接合する点状接合部210を形成することができる。なお、銅細線は全ての貫通細孔64に挿入しても良いが、銅細線を挿入する貫通細孔64と挿入しない貫通細孔64とを適宜混在させてもよい。
(得られる本発明の金属接合板)
上記の製造方法により得られる金属接合板は、図7及び図5に示すように、
上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に積層された複数の金属箔とを、接合して一体化した金属接合板であって、
少なくとも前記各金属箔に、該金属箔を連続して貫通する貫通細孔を形成し、外部磁界を変化させることで前記両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせ、この両金属板間に生じる電位差に基づき、前記貫通細孔に大電流を流入させて該貫通細孔内及び/又はその近傍に溶融溶接を施すことで、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合してなる1つ以上の点状接合部210により一体化されており、且つ貫通細孔64内に金属細線を挿入した後、前記の溶融溶接を施されてなる。
また、貫通細孔64から所定距離離隔させた部位において、両金属板72に、互いに逆向きの渦電流によって、両金属板72、72が互いに接近する方向に電磁力を作用させ、一対の金属板72と各金属箔62とを圧接する電磁圧接により形成された点状接合部210より広い範囲で線状に接合されてなる線状接合部200を具備する。
そして、線状接合部200は、互いに離間されて、ほぼ平行に2カ所に形成されており、点状接合部210は、この2つの線状接合部の間に配置され、かつ、この線状接合部の長さ方向に沿って、複数箇所、本実施形態においては5か所に形成されている。
<効果>
このように本実施形態では、電磁溶接工程により、共通の電磁エネルギー源を利用した同一の工程において、線状接合部200と点状接合部210との双方を効率的に形成することができる。また、銅箔62の積層枚数が増加した場合に、線状接合部200を形成する電磁圧接で部分的に接合状態が低下する部位が発生した場合にも、局所的に溶接を施す点状接合部210でこれを補うことが可能となる。従って、この金属接合板が、例えば幅広の電極端子部として構成された場合にも、全幅に亘って十分な接合強度が得られると共に、全幅に亘って電気抵抗のばらつきを抑え、良好な導通性を得ることが可能となる。
<他の製造方法>
ここで他の実施形態を、図8に基づき工程順に説明する。なお、先に説明した構成要素と同一の構成要素には同一の参照番号を付して示す。
この実施形態の製造方法は、上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に位置する複数の金属箔とを、一つ以上の点状接合部において接合して一体化する金属接合板の製造方法であって、
前記上下一対の各金属板の間に複数の前記金属箔を重ねて配設して積層体を形成する積層工程と、
前記積層工程と同時或いは前後いずれかに、前記点状接合部を形成する位置に対応して、前記上下一対の金属板及び複数の前記金属箔に個別に又は前記積層体に細孔を形成し、前記積層工程により形成される積層体を、その厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成する細孔形成工程と、
形成した前記各貫通細孔内に金属細線を挿入し、この金属細線の両端が前記上下一対の金属板から外側に突出する状態に配設する細線配設工程と、
突出した前記各金属細線の両端に対してパルス状の大電流を供給して、前記金属細線を溶融気化させる溶融溶接を施し、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合する溶融溶接工程と、を行うことにより実施できる。
以下、詳述する。
(積層工程)
まず、銅箔62を10枚重ねて積層させ、上下一対の銅薄板72、74によって空隙を設けることなく挟み込み、銅薄板72、74及び銅箔62による積層体180を構成する。
(細孔形成工程)
次に、締め付け具等を用いて、積層体180の周囲を挟み込み、圧接状態で位置決めした後、積層体180の全体を厚さ方向に貫通する貫通細孔164を複数箇所に形成する。
貫通細孔164を形成する位置は、後の工程において点状接合部が形成される位置となる。なお、この貫通細孔164を形成する工程としては、銅薄板72、74及び銅箔62に対して、厚さ方向に貫通する細孔を個別に形成しておき、積層体180を構成すべく積層させた際に各細孔によって貫通細孔164が形成される手法を採用しても良く、積層体180として構成した状態で、積層体180を厚さ方向に貫通する貫通細孔164が形成されれば、特に限定するものではない。
(細線配設工程)
続いて、形成された各貫通細孔164内に、金属細線としての銅細線168を挿入する。この際、銅細線168の長さは積層体180の厚さよりも長く形成しており、貫通細孔164内に銅細線168を挿入した状態では、その両端部が銅薄板72、74から外側に突出した状態に配設される。
(溶融溶接工程)
次に、各銅細線168に対して放電回路から放電電流を供給する。放電回路の両端には電極板170が接続されており、2つの電極板170をそれぞれ銅細線168の端部に接触させ、ギャップスイッチ50を閉じる。これによりコンデンサ電源40からパルス状の大電流が各銅細線168に供給され、各銅細線168は瞬間的に溶融・気化する状態となる。これにより各貫通細孔164の内側及びその周辺に溶融溶接が施され、重ねた銅箔62と銅薄板72、74とを一体的に接合する点状接合部を形成することができる。
このようにして点状接合部を形成することにより、銅箔62の積層枚数が増大した場合にも、或いは、銅薄板72、74及び銅箔62の接合幅がより長大となっても、貫通細孔164の形成位置、個数を好適に設定することで、接合面の全幅に亘って十分な接合強度が得られると共に、全幅に亘って電気抵抗のばらつきを抑え、良好な導通性を得ることが可能となる。
また図8に示した例では、配設した全ての銅細線168に対して電極板170を接続して、各貫通細孔164を同時に溶融溶接する場合を例示したが、この例に限定するものではなく、個々の銅細線168に対して個別に電極板168を接続し、貫通細孔164の1つずつを順番に溶融溶接することも可能である。
<得られる金属接合板>
上述の製造方法により得られる金属接合板は、上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に積層された複数の金属箔とを、接合して一体化した金属接合板であって、
前記各金属板及び各金属箔の全てを連続して貫通する貫通細孔を形成し、
前記貫通細孔内に金属細線を挿入し、該金属細線に大電流を供給して溶融気化させる溶融溶接によって、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合して形成された1つ以上の点状接合部により一体化されている金属接合板である。上述の図7及び5に示す金属接合板と異なるのは、線状接合部がなく、点状接合部のみにより接合構造が構成されている点である。
以上説明した各実施形態では、金属板として銅薄板72を、金属箔として銅箔74を、金属細線として銅細線168を例示したが、銅の代わりの金属としてアルミニウム板、アルミニウム箔及びアルミニウム細線を用いて、同様にして金属接合板を形成することもできる。また、同一の金属材料を用いる場合に限定するものではなく、例えば一対の銅薄板、多数のアルミニウム箔及びアルミニウム細線を用いて金属接合板を構成することも可能であり、金属板、金属箔及び金属細線の各部材において、銅とアルミニウムの組み合わせを適宜選択することができる。なお、金属板の材質としてはアルミニウム及び銅が好ましく、金属箔の材質としてはアルミニウム、銅及びステンレスが好ましい。
また、各実施形態において銅箔62として例示した金属箔は、厚さがおおよそ10μm〜0.2mm程度の範囲のものが用いられ、銅薄板72、74として例示した金属板は、厚さがおおよそ0.2mm〜1.0mm程度の範囲のものが用いられる。

Claims (8)

  1. 上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に積層された複数の金属箔とを、接合して一体化した金属接合板であって、
    少なくとも前記各金属箔に、該金属箔を連続して貫通する貫通細孔を形成し、外部磁界を変化させることで前記両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせ、この両金属板間に生じる電位差に基づき、前記貫通細孔に大電流を流入させて該貫通細孔内及び/又はその近傍に溶融溶接を施すことで、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合してなる1つ以上の点状接合部により一体化されている金属接合板。
  2. 前記貫通細孔内に金属細線を挿入した後、前記の溶融溶接を施すことを特徴とする請求項1記載の金属接合板。
  3. 前記貫通細孔から所定距離離隔させた部位において、前記両金属板に、互いに逆向きの渦電流によって、前記両金属板が互いに接近する方向に電磁力を作用させ、一対の前記金属板と前記各金属箔とを圧接する電磁圧接により形成された前記点状接合部より広い範囲で線状に接合されてなる線状接合部を具備する請求項1又は2記載の金属接合板。
  4. 前記線状接合部は、互いに離間されて、ほぼ平行に2カ所に形成されており、
    前記点状接合部は、この2つの線状接合部の間に配置され、かつ、この線状接合部の長さ方向に沿って、複数箇所に形成されている請求項3記載の金属接合板。
  5. 上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に積層された複数の金属箔とを、接合して一体化した金属接合板であって、
    前記各金属板及び各金属箔の全てを連続して貫通する貫通細孔を形成し、
    前記貫通細孔内に金属細線を挿入し、該金属細線に大電流を供給して溶融気化させる溶融溶接によって、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合して形成された1つ以上の点状接合部により一体化されている金属接合板。
  6. 上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に位置する複数の金属箔とを、一つ以上の点状接合部と線状接合部とによって接合して一体化する金属接合板の製造方法であって、
    前記上下一対の各金属板の間に、空隙を設けた状態で、複数の前記金属箔を重ねて配設して積層体を形成する積層工程と、
    前記積層工程と同時或いは前後いずれかに、少なくとも前記複数の金属箔を厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成する細孔形成工程と、
    上下一対の電流通過部を有するコの字型コイルにおける両電流通過部間に前記貫通細孔が位置するように前記積層体を配設する配設工程と、
    前記コの字型コイルにパルス状の大電流を供給し前記両金属板に互いに逆向きの渦電流を生じさせ、前記両金属板が互いに接近する方向に電磁力を作用させて電磁圧接を施すと共に、前記両金属板間に生じた電位差によって前記貫通細孔に大電流を供給して溶融溶接を施し、これらによって、前記線状接合部と点状接合部との双方を同一工程内で形成する電磁溶接工程と、
    を備える金属接合板の製造方法。
  7. 前記細孔形成工程の後に、形成された前記貫通細孔内に金属細線を挿入する挿入工程をさらに備える請求項6記載の金属接合板の製造方法。
  8. 上下一対の金属板と、この2つの金属板の間に位置する複数の金属箔とを、一つ以上の点状接合部において接合して一体化する金属接合板の製造方法であって、
    前記上下一対の各金属板の間に複数の前記金属箔を重ねて配設して積層体を形成する積層工程と、
    前記点状接合部を形成する位置に対応して、前記上下一対の金属板及び複数の前記金属箔に、その厚さ方向に連続して貫通する貫通細孔を形成する細孔形成工程と、
    形成した前記各貫通細孔内に金属細線を挿入し、この金属細線の両端が前記上下一対の金属板から外側に突出する状態に配設する細線配設工程と、
    突出した前記各金属細線の両端に対してパルス状の大電流を供給して、前記金属細線を溶融気化させる溶融溶接を施し、前記各金属板と各金属箔とを互いに接合する溶融溶接工程と、
    を備える金属接合板の製造方法。
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