JP2015086864A - ローラー式ロッカーアーム - Google Patents

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Abstract

【課題】焼き付きの発生を防止し、フリクション性能を向上したローラー式ロッカーアームを提供する。【解決手段】ロッカーアーム100は、ボディ110に固定されたローラー軸120と、ローラー軸120に回転可能に取付けられた内輪ローラー130と、内輪ローラー130の外周に回転可能に取付けられ、カムと当接する外輪ローラー140とを有する。ローラー軸120は、内部に潤滑油供給通路122と潤滑油供給通路122から軸外周に連通する油孔124A〜124Cを備える。内輪ローラー130は、油孔124Bと連通する周方向の溝132と、溝132に連通する油孔134とを備える。外輪ローラー140は、内輪ローラー130の油孔134と連通する周方向の溝142を備える。これにより、ローラー軸と内輪ローラー、内輪ローラーと外輪ローラーの間のクリアランスS1、S2に潤滑油を強制的に供給し、静圧効果により油膜を形成する。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関のロッカーアーム式動弁機構に関し、特に、カムシャフトのカムとローラーで当接するローラー式ロッカーアームに関する。
内燃機関のロッカーアームは、カムシャフトのカムと吸排気バルブのバルブステムとの間に設置され、カムシャフトの回転動作を吸排気バルブに伝達し、バルブの開閉動作に変換する機能を有している。近年、4ストローク内燃機関の動弁機構において、燃費向上を目的にローラー式ロッカーアームが多く採用されている。ローラー式ロッカーアームは、ボディ(本体)に、カムと摺動する外輪ローラーと、外輪ローラーを支持するローラー軸とを有し、例えば、ローラー軸とローラーとの間に複数のニードルコロを介して構成されるタイプ(特許文献1)や、ローラー軸と外輪ローラーとの間に内輪ローラーを介して構成されるタイプ(特許文献2)などがあり、コロを用いたタイプは総ころがりタイプ、内輪ローラーを用いたタイプは総すべりタイプとに分類される。
図1(A)にすべりタイプのロッカーアームの概略斜視図を示し、図1(B)にころがりタイプのロッカーアームの概略斜視図を示す。但し、ここにはロッカーアームのボディが省略されている。すべりタイプのロッカーアーム10は、ローラー軸12と、ローラー軸12の外周上に回転可能に取付けられた内輪ローラー14と、内輪ローラー14の外周上に回転可能に取付けられた外輪ローラー16とを有する。ころがりタイプのロッカーアーム20は、ローラー軸22と、ローラー軸22の外周に回転可能に取付けられた複数のニードルコロ24と、ニードルコロ24の外周上を回転可能に取付けられたローラー26とを有する。
図2は、カムシャフトのカムと吸排気バルブのバルブステムとの間に設置されたころがりタイプのロッカーアームの一例を示す図である。ロッカーアームは、図1(B)に示すようなローラー26を回転可能に保持したボディ30を含み、ボディ30の一方の端部32がピボット部34によって支持され、他方の端部36が吸排気バルブのバルブステム37のキャップ38に当接され、キャップ38の下方には、ロッカーアームの端部36を付勢するバルブスプリング39が取付けられる。こうして、ローラー26がカム40に当接され、カム40の回転運動がボディ30に伝達され、カム40の回転に応じて他方の端部36が吸排気バルブを上下動させる。すべりタイプのロッカーアームもまたこれと同様に用いられる。図2Aは、ロッカーアームが油圧式のラッシュアジャスタによって支持された他の例を示している。同図に示すように、ロッカーアームの一方の端部32が、頂部が半球状になっているプランジャ52に当接され、プランジャ52がラッシュアジャスタ本体50によって支持される。ラッシュアジャスタ本体50は、プランジャ52を軸方向に摺動可能に支持する。このようなラッシュアジャスタ式のロッカーアームは、特許文献1、2に開示される。
総ころがりタイプは、機関運転時にコロが転がる状態で使用される。そのため、フリクション性能は総すべりタイプよりも良好であるが、コロとローラー軸および外輪ローラーとは線接触に近い摺動状態となるため高面圧となり、高負荷化する動弁機構への適用が難しくなっている。一方、総すべりタイプは、カムシャフトのリフト荷重を外輪ローラーと内輪ローラー、内輪ローラーとローラー軸外周のそれぞれ面で支持するため総ころがりタイプよりも面圧は低い状態で摺動し、高負荷化する動弁機構への適用が考えられている。このような従来のロッカーアームにおいて、摩耗を抑制したり、寿命の低下を防止する技術が特許文献3ないし7に開示されている。
特開2011−1906号公報 特開2012−154226号公報 特開2006−312916号公報 特開2000−34907号公報 特開2005−256656号公報 特開2007−23817号公報 特開2007−263023号公報
図1(A)に示すような従来の総すべりタイプのローラー式ロッカーアームは、ローラー軸12と各ローラー12、14との間の摺動部の潤滑を、エンジン内部の雰囲気中に存在する飛沫給油に依存している。このため、摺動部に潤滑油が十分に存在しないため、境界潤滑領域での摺動となり、焼き付き(スカッフ)の発生やフリクション(摩擦損失)が大きくなる問題があった。また、潤滑油の給油量が少ないことにより、潤滑油による摩耗粉の排出が困難であり、摩耗が生じると摩耗粉が摩耗を促進させる。摩耗が進行すると、吸排気バルブのリフト動作はカムシャフトのプロフィールに追従することができず、ジャンプ、バウンス、サージングといった動弁機構特有の異常挙動を発生させ、所定の性能が得られなくなる可能性があった。
これに対し、潤滑不良な状態でも焼き付き防止や摩擦損失の低減のために、内輪ローラーに表面処理を施したり(特許文献2)、内輪ローラーの外周面の幅方向両端部に傾斜面を形成し、流体潤滑を維持したりすること(特許文献3)が行われている。さらに、ロッカーアームの本体に固定された支持軸に潤滑油導入のための開口部を形成する孔を設け、ローラーと支持軸との隙間に潤滑油を供給することが行われている(特許文献4、5)。
しかしながら、内輪ローラーに表面処理を施したものや、内輪ローラーの外周面の幅方向両端部に傾斜面の形成したものは、摺動部への潤滑油供給を飛沫給油に依存することには変わらないため、十分な潤滑油の供給がなされていない。また、特許文献4、5では、支持軸に潤滑油導入のための開口部を形成する孔を設けているが、支持軸に孔を設けただけでは支持軸の周面とローラー内周面の隙間に潤滑油が十分に供給されず、特に起動時のフリクションが大きいといった課題がある。また、内外輪ローラーの間の摺動部への潤滑油の供給手段などは示されていない。
本発明は、内燃機関の総すべりタイプのローラー式ロッカーアームについて、焼き付きの発生を防止し、フリクション性能を向上したローラー式ロッカーアームを提供することを目的とする。
本発明者は、総すべりタイプのローラー式ロッカーアームのローラー軸と内輪ローラー、内輪ローラーと外輪ローラーの間の摺動部に、飛沫給油に依存することなく、圧力をかけて潤滑油を強制的に供給し、静圧効果を利用して油膜を形成することで、起動時のフリクション性能を向上させ、さらに焼き付きの発生も防止できることに想到した。すなわち、本発明のローラー式ロッカーアームは、カムシャフトのカムと吸排気バルブのバルブステムの間に設置され、カムの回転動作を吸排気バルブに伝達する内燃機関のロッカーアームであって、カムと外輪ローラーが当接し、この外輪ローラーとローラー軸の間に内輪ローラーを有するローラー式ロッカーアームにおいて、ローラー軸と内輪ローラー、内輪ローラーと外輪ローラーの間のクリアランスに潤滑油を強制的に供給し、静圧効果により油膜を形成したことを特徴とする。
ローラー軸は、内部に潤滑油供給通路と軸径方向に潤滑油供給通路から軸外周に連通する1つ又は複数の油孔を備え、かつ内輪ローラーは内周面にローラー軸の油孔と連通する周方向の溝と、溝から内輪ローラー外周に連通する1つ又は複数の油孔を備え、さらに外輪ローラーは内周面に内輪ローラーの油孔と連通する周方向の溝を備えている。内輪ローラー及び外輪ローラーは、それぞれの内周面に形成された周方向の溝から軸方向に延びる1つ又は複数の溝を形成してもよい。さらに、外輪ローラーは、内周面の溝から外輪ローラー外周へ連通する1つ又は複数の油孔を形成してもよい。この潤滑油供給通路の油孔直径(断面積)は、ローラー軸よりも内輪ローラーのほうが小さく、内輪ローラーよりも外輪ローラーのほうが小さいことが好ましい。さらに好ましくは前記潤滑油供給通路は、前記ローラー軸の端面にまで貫通する貫通孔を含み、当該貫通孔内に潤滑油の漏洩を防ぐ漏洩防止部材が充填される。さらに好ましくは前記漏洩防止部材として金属球が前記貫通孔内に圧入される。
本発明によれば、ローラー軸と内輪ローラー、内輪ローラーと外輪ローラーの間のクリアランスに潤滑油を強制的に供給し、静圧効果により油膜を形成することにより、起動時のフリクション性能を向上するとともに、スカッフの発生を防止することが可能となる。また、ローラー軸は内部に潤滑油供給通路と軸径方向に前記潤滑油供給通路から軸外周に連通する1つ又は複数の油孔を備え、かつ内輪ローラーは内周に前記ローラー軸の油孔と連通する周方向の溝と前記溝から外周に連通する1つ又は複数の油孔を備え、さらに外輪ローラーは内周に前記内輪ローラーの油孔と連通する周方向の溝を備え、潤滑油を強制的に供給する構造とすることで、雰囲気中に存在する飛沫給油に依存せず、各摺動部へ強制的に潤滑油を供給することができ、起動時のフリクション性能を向上することが可能となる。
図1(A)は、従来のローラー式ロッカーアーム(すべりタイプ)を示した概要斜視図、図1(B)は、従来のローラー式ロッカーアーム(ころがりタイプ)を示した概略斜視図である。 ロッカーアームが内燃機関に適用された一例を示す模式図である。 ロッカーアームが内燃機関に適用された他の例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るローラー式ロッカーアームの構成の一例を示した概略断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るローラー式ロッカーアームの一部を切欠いた斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るローラー式ロッカーアームの構成の他の例を示した概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るローラー式ロッカーアームの一部を切欠いた斜視図の他の例を示す。
次に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面は、分かり易くするために各部を強調して示してあり、実際のスケールとは異なることに留意すべきである。
本発明の実施形態に係るロッカーアームは、4ストローク内燃機関の動弁機構を構成する部品であり、すなわちカムシャフトのカムと吸排気バルブのバルブステムの間に設置され、カムの動作を吸排気バルブに伝達する機能を有する。図3は、本発明の第1の実施態様に係るロッカーアームの概略断面図、図4は、本発明の第1の実施形態に係るローラー式ロッカーアームの一部を切欠いた斜視図である。これらの図に示すように、ロッカーアーム100は、ボディ(本体)110、ローラー軸120、ローラー軸120に支持された内輪と外輪の二つのローラー130、140の少なくとも4つの部品で構成される。
ボディ110の全体が示されていないが、ボディ110は、図2に示したように、例えばその一方の端部がピボット部で支持され、他方の端部がバルブステムのキャップに当接される。ボディ110には、ローラー軸120を固定するための貫通孔112が形成され、ローラー軸120は、貫通孔112内に例えばカシメなどにより嵌合される。さらにボディ110には、貫通孔112に連通する、軸方向に一定の長さLの開口114が形成される。
内輪ローラー130は、内周および外周を有する環状の部材であって、開口114内においてローラー軸120の外周上に回転可能に取付けられている。内輪ローラー130の軸方向の幅は、開口114の長さLよりも幾分小さく、内輪ローラー130の内径は、ローラー軸120の外径よりも幾分大きい。ローラー軸120が内輪ローラー130の内周に挿入されたとき、内輪ローラー130とローラー軸120との間には一定のクリアランスS1が形成される。好ましくは、内輪ローラー130の外周のコーナーには面取りが形成される。
外輪ローラー140は、内周および外周を有する環状の部材であって、開口114内において内輪ローラー130の外周上に回転可能に取付けられる。外輪ローラー140の軸方向の幅は、内輪ローラー130とほぼ等しく、外輪ローラー140の内径は、内輪ローラー130の外径よりも幾分大きい。内輪ローラー130が外輪ローラー140の内周に挿入されたとき、外輪ローラー140と内輪ローラー130との間には一定のクリアランスS2が形成される。
内輪ローラー130および外輪ローラー140がローラー軸120に取付けられたとき、開口114の内壁と内輪ローラー130および外輪ローラー140の側面との間には、軸方向のクリアランスS3が形成される。内輪ローラー130および外輪ローラー140がローラー軸120の周りを回転されるとき、内輪ローラー130および外輪ローラー140の軸方向の移動は開口114の内壁によって規制される。
本実施形態では、ローラー軸120は、中実の金属材料から構成され、その内部には軸中心Cに沿うように潤滑油を供給するための潤滑油供給通路122が形成される。さらにローラー軸120には、潤滑油供給通路122から半径方向に外周面へ連通する1つ又は複数の油孔124が形成される。図に示す例では、3つの油孔124A、124B、124Cが形成され、油孔124A、124Cは、潤滑油供給通路122の両端部にそれぞれ連通され、油孔124Bは、潤滑油供給通路122のほぼ中央に連通されている。好ましい態様では、潤滑油供給通路122および油孔124A〜124Cの径は、それぞれ等しく、潤滑油供給通路122の軸方向の長さは、ボディ110の開口114の長さLよりも大きい。
ボディ110には、ローラー軸120の油孔124A、124Cと整合する位置に潤滑油供給通路116が形成される。潤滑油供給通路116は、油孔124A、124Cにそれぞれ連通され、好ましくは、潤滑油供給通路116の径は、油孔124A、124Cの径と等しい。
内輪ローラー130の内周の軸方向中央部には、ローラー軸120の油孔124Bと整合するように円周方向に一定の深さの周溝132が形成されている。好ましくは、周溝132の軸方向の長さは、油孔124Bの径よりも大きい。ローラー軸120の潤滑油供給通路122と油孔124Bにより、ボディ110の潤滑油供給通路116を介して所定の圧力による潤滑油をローラー軸120の外周へ強制的に供給することができ、内輪ローラー130の周溝132とローラー軸120の油孔124Bとが連通しているため、ローラー軸外周へ強制的に供給された潤滑油は、この周溝132に溜まることとなる。これにより、ローラー軸120と内輪ローラー130のクリアランスS1へ強制的に潤滑油を十分に供給することが可能となり、静圧効果を利用して油膜を形成することができ、摺動特性を向上させることができる。
さらに、内輪ローラー130には、周溝132から半径方向に軸外周へ連通する1つ又は複数の油孔134が形成される。好ましくは、この油孔134の直径(断面積)は、ローラー軸120の潤滑油供給通路122、124A〜Cの油孔直径(断面積)よりも小さい方が、絞られるためにより大きな静圧効果をクリアランスS1で得ることができ、ローラー軸120の潤滑油供給通路122、124A〜Cの油圧が変動しても、内輪ローラー130の周溝132と油孔134、クリアランスS1への変動影響が減少する。外輪ローラー140の内周の軸方向中央部には、内輪ローラー130の油孔134と整合するように円周方向に一定の深さの周溝142が形成されている。この結果、ボディ110を介して所定圧力で強制的に供給された潤滑油が外輪ローラー140の周溝142にも溜まることになる。これにより、内輪ローラー130と外輪ローラー140のクリアランスS2へ強制的に潤滑油を十分に供給することが可能となり、静圧効果を利用して油膜が形成され、摺動特性を向上、特に起動直後の境界潤滑状態を流体潤滑状態とすることができ、起動時のフリクションを低減させることができる。また、各クリアランスS1、S2の端部は開放されているため、この部分から供給された潤滑油は流れていくことができ、摩耗が生じた場合に発生する摩耗粉を一緒に流すことができ、摩耗の進行を最小限にする効果もある。
内輪ローラー130および外輪ローラー140の内周に形成される周溝132、142は、円周方向に形成されるため、ローラー軸120に形成された油孔124Bや内輪ローラー130に形成された油孔134と位置決めをする必要がなく、組立性やコスト面で好ましい。
なお、ローラー軸120に形成される油孔124Bと内輪ローラー130に形成される周溝132、内輪ローラー130に形成される油孔134と外輪ローラー140の内周に形成される周溝142が連通する位置とすれば、軸方向中央部以外に油孔124B、134、及び周溝132を設けてもよい。
さらに、カムシャフトのカムと摺動する接触面である外輪ローラー140の外周へ潤滑油を供給する油孔144を形成してもよく、すなわち外輪ローラー140の内周に設けられた周溝142と連通するように半径方向に油孔144を設けることができる。外輪ローラー140の内周に設けられた周溝142に溜まる潤滑油は、この油孔144を通じて外輪ローラー140の外周に供給される。好ましくは、外輪ローラー140の油孔144の直径(断面積)は、内輪ローラー130の油孔134の直径(断面積)よりも小さい方が、絞られるためにより大きな静圧効果をクリアランスS2で得ることができ、内輪ローラー130の油孔134の油圧が変動しても、外輪ローラー140の周溝142と油孔144、クリアランスS2への変動影響が減少する。ローラー軸120と内輪ローラー130、内輪ローラー130と外輪ローラー140の間に構成されるクリアランスS1、S2の端部は開放されているため、油圧はある程度低下するが、外輪ローラー140はカムとの摺動による回転により、この遠心力を利用して強制的に潤滑油を供給することができる。
このように本実施の形態に係るロッカーアーム100は、ローラー軸120と内輪ローラー130と外輪ローラー140の間の各クリアランスS1、S2に、エンジンからボディ110を介して一定の圧力により潤滑油を強制的に供給し、静圧効果を利用して油膜を形成することで起動時のフリクション性能を向上させたことを特徴とするものである。なお、内輪ローラー130の内周に形成した周溝132、外輪ローラー140の内周に形成した周溝142は、それぞれ対向する面のローラー軸120の軸外周側、内輪ローラー130の外周側に形成してもよく、さらには内輪ローラー130の内周と軸外周の両方、外輪ローラー140の内周と内輪ローラー130の外周の両方に形成してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施態様に係るロッカーアームの概略断面図、図6は、本発明の第2の実施形態に係るローラー式ロッカーアームの一部を切欠いた斜視図である。なお、図3、図4と同一構成については同一参照番号を付し、重複した説明を省略する
第2の実施形態のロッカーアーム100Aでは、ローラー軸120の軸中心Cに沿って形成された潤滑油供給通路122は、第1の実施形態のときのように途中で終端せず、その端面にまた貫通するように形成される。つまり、潤滑油供給通路122と油孔124Aとの連結部には、ローラー軸120の一方の端面137Aに通じる貫通孔136Aが形成され、潤滑油供給通路122と油孔124Cとの連結部には、ローラー軸120の他方の端面137Bに通じる貫通孔136Bが形成される。従って、ローラー軸120の一方の端面137Aから他方の端面137Bに至るまで、軸中心Cに沿って、貫通孔136A、潤滑油供給通路122、貫通孔136Bが連続的に形成される。貫通孔136A、136Bの径は、潤滑油供給通路122と同じであってもよいし、それよりも幾分、大きくするようにしてもよい。
このように形成された貫通孔136A、136Bには、それぞれ貫通孔136A、136Bを塞ぐためのプラグ138A、138Bが充填される。プラグ138A、138Bは、特に材質は問わないが、潤滑油供給通路122内の潤滑油が漏洩しないような材質から構成され、例えば、炭素鋼やステンレスなどの金属材料やゴムなどの弾性材料から構成され、より好ましくは、耐熱性および耐油性のある金属材料の球を圧入することにより構成される。このように第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、ローラー軸120の加工が容易になる。
上記例では、ローラー軸120の両側に貫通孔136A、136Bを形成したが、これに限らず、一方の端面側にのみ貫通孔を形成する構成であってもよい。この場合には、一方の貫通孔内に漏洩用のプラグが挿入される。
さらに本発明の好ましい形態として、第1および第2のロッカーアーム100、110Aでは、摺動面となるローラー軸120の外周面、内輪ローラー130の内周面、内輪ローラー130の外周面、外輪ローラー140の内周面のいずれか1つ又は2つ以上に、DLC(Diamond like carbon)、IP(Ion plating)、メッキなどの表面処理を行うことで、耐摩耗性、摺動特性を改善させることができる。さらに本発明の第1および第2の実施形態のローラー式ロッカーアームは、図3Aに示すようなラッシュアジャスタとの組合せが好適であり、ラッシュアジャスタを介して潤滑油をローラー軸近傍に容易に供給することができる。
次に、本発明の第1の実施形態の好ましい実施例について説明する。ローラー軸120には、SUJ2材(JIS G 4805)を焼入処理したものを用い、概知の加工方法により潤滑油供給通路122と油孔124A〜124Cを形成し、仕上げ研磨したものを作製した。内外輪ローラー130、140にはSUJ2材(JIS G 4805)を焼入処理し、それぞれ内周に周溝132、142と油孔134、144を形成し、内外周面を仕上げ研磨したものを作製した。これらを図示しないボディに組み付け、実施例のすべり式ローラーロッカーアームを作製した。
実施例と同材質を用いて、ローラー軸に潤滑油供給通路と油孔、および内外輪ローラーに周溝及び油孔を形成しない比較例1、ローラー軸に概知の方法で潤滑油供給通路と油孔を形成し、内外輪ローラーには周溝及び油孔を形成していない比較例2を作製した。
前記のように作製した実施例及び比較例2に0.1MPa、0.03MPaの油圧をそれぞれ付与して潤滑油を強制的に供給し、比較例1は飛沫潤滑のみにより潤滑油供給し、摩擦抵抗及び耐スカッフ性の評価を行った。摩擦抵抗の測定は、動弁機構のみの摩擦損失が測定できる動力計が接続されたモータリングベンチに、本発明品を組み込んだ実機エンジンをセットしてカムシャフトを回転させ、その駆動トルクを測定した。油圧以外の測定条件は、カムシャフト回転数300rpm、潤滑油の供給温度120℃とした。耐スカッフ性の評価は、摩擦抵抗の測定と同様にモータリングベンチに本発明品を組み込んだ実機エンジンをセットし、同様の条件でスカッフ発生までの時間を測定した。下記の表において、摩擦抵抗は、比較例1を1としたときの相対比で示している。また、耐スカッフ性では、比較例1はスカッフ発生(−)、実施例はスカッフ発生が認められず(○)、比較例2は一部スカッフが見られた(△)ことを示している。
Figure 2015086864
本実施例のロッカーアームでは、比較例1、2と比べて、摩擦抵抗が減少し、耐スカッフ性が向上したことが確認された。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
100:ロッカーアーム
110:ボディ(本体)
112:貫通孔
114:開口
116:潤滑油供給通路
120:ローラー軸
122:潤滑油供給通路
124:油孔
130:内輪ローラー
132:周溝
134:油孔
136A、136B:貫通孔
137A、137B:端面
138A、138B:プラグ
140:外輪ローラー
142:周溝
144:油孔

Claims (7)

  1. カムシャフトのカムと吸排気バルブのバルブステムの間に設置され、カムの動作を吸排気バルブに伝達する内燃機関のロッカーアームであって、
    ローラー軸と、
    前記ローラー軸に回転可能に取付けられた環状の内輪ローラーと、
    前記内輪ローラーの外周に回転可能に取付けられ、前記カムと当接する環状の外輪ローラーとを有し、
    前記ローラー軸と内輪ローラー、内輪ローラーと外輪ローラーの間のクリアランスに潤滑油を強制的に供給し、静圧効果により油膜を形成したことを特徴とするローラー式ロッカーアーム。
  2. 前記ローラー軸は、内部に潤滑油供給通路と軸径方向に前記潤滑油供給通路から軸外周に連通する1つ又は複数の油孔を備え、
    内輪ローラーは、内周に前記ローラー軸の油孔と連通する周方向の溝と当該溝から外周に連通する1つ又は複数の油孔を備え、
    外輪ローラーは、内周に前記内輪ローラーの油孔と連通する周方向の溝を備えたことを特徴とする請求項1に記載のローラー式ロッカーアーム。
  3. 外輪ローラーは、内周に前記内輪ローラーの油孔と連通する周方向の溝と前記溝から外周へ連通する1つ又は複数の油孔を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のローラー式ロッカーアーム。
  4. 前記潤滑油供給通路は、前記ローラー軸の端面にまで貫通する貫通孔を含み、当該貫通孔内に潤滑油の漏洩を防ぐ漏洩防止部材が充填される、請求項2に記載のローラー式ロッカーアーム。
  5. 前記漏洩防止部材として金属球が前記貫通孔内に圧入される、請求項4に記載のローラー式ロッカーアーム。
  6. 前記潤滑油供給通路の断面積は、ローラー軸よりも内輪ローラーのほうが小さく、内輪ローラーよりも外輪ローラーのほうが小さいことを特徴とする請求項2に記載のローラー式ロッカーアーム。
  7. ローラー軸の外周面、内輪ローラーの内周面、内輪ローラーの外周面、外輪ローラーの内周面のいずれか1つ又は2つ以上に、DLC(Diamond like carbon)、IP(Ion plating)、メッキのいずれかの表面処理が施される、請求項1ないし6のいずれかに記載のローラー式ロッカーアーム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110552751A (zh) * 2019-09-18 2019-12-10 广西玉柴机器股份有限公司 一种带润滑结构的内外滚轮式摇臂

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