JP2015082537A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2015082537A
JP2015082537A JP2013218824A JP2013218824A JP2015082537A JP 2015082537 A JP2015082537 A JP 2015082537A JP 2013218824 A JP2013218824 A JP 2013218824A JP 2013218824 A JP2013218824 A JP 2013218824A JP 2015082537 A JP2015082537 A JP 2015082537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ring
electron transport
transport layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013218824A
Other languages
English (en)
Inventor
一樹 加藤
Kazuki Kato
一樹 加藤
岩崎 利彦
Toshihiko Iwasaki
利彦 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2013218824A priority Critical patent/JP2015082537A/ja
Publication of JP2015082537A publication Critical patent/JP2015082537A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、電力効率、発光寿命を向上させた有機EL素子、その製造方法及び当該有機EL素子を具備した有機ELデバイスを提供することである。
【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも、陽極、発光層、第1電子輸送層、第2電子輸送層及び陰極を、この順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第2電子輸送層が、電子輸送材料と電子供与性材料とを含有しており、当該第2電子輸送層の層厚は、前記第1電子輸送層の層厚より厚く、当該第1電子輸送層と当該第2電子輸送層とがダイコーター塗布法によって形成されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関し、更に詳しくは、電力効率が高く、発光寿命の長い有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を具備した有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。
現在、薄型の発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単に「有機EL素子」ともいう。)が注目されている。有機EL素子は、低電力で高い輝度を得ることができ、視認性、応答速度、寿命、消費電力の点で優れている。一方、有機EL素子は素子内での光の損失が大きく光の利用効率は20%程度である。
図1は、従来の有機EL素子の概略断面図である。有機EL素子100は、図中の下層から順に、金属電極101、屈折率が約1.8の有機層(有機発光層)102、屈折率が約1.8の透明電極103、屈折率が約1.5の透明基板104が積層されて構成される。図中の110a〜110eの矢印は有機層102から発生した光のうち特徴的なものを示している。
光110aは、発光面である有機層102に対して垂直方向の光であり、透明基板104を透過して光取り出し側(空気側)に取り出される。光110bは、透明基板104と空気との界面に臨界角以下の浅い角度で入射した光であり、透明基板104と空気との界面で屈折して光取り出し側に取り出される。光110cは、透明基板104と空気との界面に臨界角より深い角度で入射した光であり、透明基板104と空気との界面で全反射して光取り出し側に取り出せない光である。これによる損失を基板損失と呼び、通常20%程度の損失がある。
光110dは、透明電極103と透明基板104との界面に臨界角より深い角度で入射した光のうち共振条件を満たした光であり、透明電極103と透明基板104との界面で全反射して導波モードが発生し、有機層102及び透明電極103内に閉じ込められる光である。これによる損失を導波損失と呼び、通常20〜25%程度の損失がある。
光110eは、金属電極101へ入射して金属電極101内の自由電子と作用し、導波モードの一種であるプラズモンモードが発生して金属電極101の表面近傍に閉じ込められる光である。これによる損失をプラズモン損失と呼び、通常30〜40%程度の損失がある。
このように、従来の有機EL素子100においては、基板損失、導波損失及びプラズモン損失があるので、それらの損失を少なくし、より多くの光を取り出すことが課題となっている。
例えば、特許文献1には、光取り出し面側にレンズシートからなる光散乱部を設けた有機EL装置が開示されている。また、特許文献2には、少なくとも一方の基板表面に、屈折率が1.6以上で、表面の平均粗さ(Ra)が10nm以上である高屈折率凸凹層と、1層以上の、屈折率が1.55以上の基材層からなる、発光装置の発光面側に使用される発光装置用基板及び発光装置が開示されている。
しかしながら、これらの方法では導波損失及び基板損失の低減には効果があるが、プラズモン損失の低減には効果がない。更なる電力効率、発光寿命を達成するためにはプラズモン損失を少なくし、より多くの光を取り出すことが課題となっている。
例えば、非特許文献1には、プラズモン損失を少なくする方法として、発光層と金属陰極との距離を離すことが有効であると開示されている。
発光層と金属陰極との距離を離す方法として、発光層と金属陰極間に電子輸送材料を用いた電子輸送層を厚くする方法がある。しかし従来の電子輸送材料のみで構成される層の場合、層厚の増加に比例して高電圧化してしまい、電力効率が低下してしまう。また電子輸送層には、陰極から注入され発光層に運ばれる電子の電子密度を制御する機能があるため、厚くしすぎると発光層に入る電子密度が減少してしまい、正孔(ホール)と電子(エレクトロン)とのキャリアバランスが崩れ、発光効率が悪くなる。
この問題に対して、例えば特許文献3には、適当な電子輸送材料と、電子供与性材料である金属(アルカリ金属、アルカリ土類金属等の遷移金属)の組み合わせを選択した電子注入層とすることで、層厚をμmオーダーにまで厚くしても駆動電圧の上昇が観測されず、駆動電圧の層厚依存性が消失することが開示されている。しかしながら、それらの金属は一般的に反応性が高く、有機EL素子に含有させた場合、経時的に有機化合物と化学反応することが懸念される。また電子注入層に含まれる金属が発光層にまで拡散した場合には発光阻害を起こすことも予想される。
この問題に対し、例えば特許文献4には、発光層と電子輸送材料とアルカリ金属化合物を組み合わせた電子注入層の間に電子輸送材料のみで構成された層(発光層/電子輸送層/電子注入層(電子輸送材料+アルカリ金属化合物))を入れることで、前記アルカリ金属化合物が発光層にまで拡散するのを防ぐことが開示されている。しかし、蒸着による成膜方法は、大量生産を考えた場合、発光デバイスの大面積化や連続生産に対して設備コストが増大するという問題がある。また、二つ以上の材料を共蒸着する場合には、成膜レートを精密に制御することが困難であり、また信頼性に欠ける問題もあり、より簡便で信頼性の高い成膜方法で発光デバイスを作製する方法が望まれている。
これら大面積化、低コスト化、高生産性に対する要求から、ウェットプロセス(塗布法)に対する期待が大きく、特に電極成膜における脱真空化が強く求められている。また、真空プロセスでの成膜に比して低温で成膜可能であるため、下層の有機層へのダメージを低減でき、発光効率や素子寿命の改善の面からも大きな期待が寄せられている。
特許文献5では、ウェットプロセスにて、発光層/第1有機層(第1電子輸送層)/第2有機層(第2電子輸送層:電子輸送材料+金属化合物)を有する有機電子デバイスを製造する方法が開示されている。しかしながらキャリアの注入及び輸送性の制御という効果のみでプラズモン損失抑制の観点では不十分である。また、第1電子輸送層と第2電子輸送層の層厚が同じであるため、更なる高電力効率、高発光寿命を達成するにはいまだ十分といえるものではなかった。
特許第2931211号公報 特開2004−20746号公報 特開2001−102175号公報 特開2005−63910号公報 国際公開2011/102249号
Nature 459,234−238(2009)
本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、電力効率、発光寿命を向上させた有機EL素子、その製造方法及び当該有機EL素子を具備した有機ELデバイスを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、発光層への電子注入量の最適化及び駆動電圧の低下を行うために、層厚を最適化した電子輸送材料のみで構成され、かつダイコーター塗布法によって形成された第1電子輸送層と、プラズモン損失を低減するために層厚を厚く設計し、かつ電子輸送材料と電子供与性材料とで構成され、かつダイコーター塗布法によって形成された第2電子輸送層とを有する有機EL素子とすることによって、上記課題が解決できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも、陽極、発光層、第1電子輸送層、第2電子輸送層及び陰極を、この順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第2電子輸送層が、電子輸送材料と電子供与性材料とを含有しており、当該第2電子輸送層の層厚は、前記第1電子輸送層の層厚より厚く、当該第1電子輸送層と当該第2電子輸送層とがダイコーター塗布法によって形成されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.前記第1電子輸送層の層厚と前記第2電子輸送層の層厚の合計が、50nm以上であることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記第1電子輸送層又は前記第2電子輸送層の少なくともどちらか一方が、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有していることを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
一般式(1)
Qm−Ln
(式中、Lは縮合芳香族複素環を表す。Qは芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。n及びmは、各々独立に、1〜3の整数を表す。nが2以上のとき、Lは互いに異なっていてもよい。mが2以上のとき、Qは互いに異なっていてもよい。)
4.前記一般式(1)におけるLが、下記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することを特徴とする第3項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 2015082537
(式中、Aは、−N(R)−を表す。A11〜A18は、各々、窒素原子又は−C(R)−を表し、A11〜A18の少なくとも一つは窒素原子を表す。R及びRは、各々結合手、水素原子又は置換基を表す。ただし、−C(R)−が複数の場合、各々の−C(R)−は同じでも異なっていてもよい。)
5.前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有していることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有し、当該一般式(1)におけるLが、前記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.第1項から第6項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記第1電子輸送層と前記第2電子輸送層とをダイコーター塗布法によって形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
8.第1項から第6項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
本発明の上記手段により、電力効率及び発光寿命を向上させた有機EL素子、その製造方法及び当該有機EL素子を具備した有機ELデバイスを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明において、発光層側にある電子輸送層(第1電子輸送層)は、キャリアバランスの調整及び第2電子輸送層が含有する電子供与性化合物や電子注入層の拡散防止層として働く。これにより、発光効率と発光寿命を向上させることができる。
電力効率を向上させるためには、外部量子効率(外部取り出し量子効率ともいう。)の向上と駆動電圧の低減が有効である。
外部量子効率を向上させる手段として、光取り出し効率の向上が挙げられる。本発明においては、光取り出し効率の向上策としてプラズモン損失の低減に着目した。
プラズモン損失の低減には発光層と陰極との距離が離れているほど効果が大きいので、第1電子輸送層の層厚と第2電子輸送層の層厚の合計は、厚ければ厚い方がよい。
本発明においては、電子は電極から注入されるだけでなく、第2電子輸送層に電子供与性材料を含有するため第2電子輸送層でも電子が発生し、第1電子輸送層でキャリアバランスを調整する。しかし、第1電子輸送層は何もドープされていないので、層厚を厚くすると駆動電圧が上がってしまう。そのため、第1電子輸送層の層厚は、キャリアバランス調整や第2電子輸送層の電子供与性化合物や電子注入層の拡散防止効果を確保できる範囲内で薄い方がよい。一方、第2電子輸送層は、電子供与性化合物を含有しているので、層厚を厚くしても駆動電圧は上がらないので、プラズモン効果による損失を低下させることができる。その結果、光取り出し効率が向上し外部量子効率が向上するものと考えられる。
また、ダイコーター塗布法で第1電子輸送層及び第2電子輸送層を作製すると第1電子輸送層と第2電子輸送層の界面が混合されることにより、電子を授受する領域が広がるので、駆動電圧を低減させることができ、その結果、電力効率が向上するものと考えられる。
従来の有機発光素子の概略断面図 本発明の有機電子デバイスの製造方法に適用される塗布装置の一例を示す概略模式図 図2に示す塗布装置の側面拡大図
本発明の有機EL素子は、少なくとも、陽極、発光層、第1電子輸送層、第2電子輸送層及び陰極を、この順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第2電子輸送層が、電子輸送材料と電子供与性材料とを含有しており、当該第2電子輸送層の層厚は、前記第1電子輸送層の層厚より厚く、当該第1電子輸送層と当該第2電子輸送層とがダイコーター塗布法によって形成されたことを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項8までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様として、本発明の効果発現の観点から、前記第1電子輸送層の層厚と前記第2電子輸送層の層厚の合計が、50nm以上であることが好ましい。前記第1電子輸送層の層厚と前記第2電子輸送層の層厚の合計が、50nm以上であることによりプラズモン損失を低減する効果が得られる。
前記第1電子輸送層又は前記第2電子輸送層の少なくともどちらか一方が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有していることが好ましい。前記第1電子輸送層又は前記第2電子輸送層の少なくともどちらか一方が、前記一般式(1)で表される化合物を含有することにより電子輸送性が優れるので、外部量子効率と発光寿命が向上する効果が得られる。
前記一般式(1)におけるLが、前記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することが好ましい。前記一般式(1)におけるLが、前記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有すると、成膜性が向上し、さらに外部量子効率と発光寿命が向上する効果が得られる。
前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有していることが好ましい。前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有することにより、さらに外部量子効率と発光寿命が向上する効果が得られる。
前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有し、当該一般式(1)におけるLが、前記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することが好ましい。前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)におけるLが、前記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有する化合物を含有することにより、成膜性が向上し、さらに外部量子効率と発光寿命が向上する効果が得られる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、前記第1項から第6項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記第1電子輸送層と前記第2電子輸送層とをダイコーター塗布法によって形成することを特徴とする。ダイコーター塗布法で塗布すると第1電子輸送層と第2電子輸送層の界面が適度に混合されることにより、電子を授受する領域が広がるので、駆動電圧を低減させることができ、その結果、電力効率が向上する。
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は有機エレクトロルミネッセンスデバイスに好適に具備され得る。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪有機EL素子の構成層≫
本発明の有機EL素子の層構成について説明する。一般的な有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示す。本発明においては、下記層構成の中で、電子輸送層が、第1電子輸送層と第2電子輸送層の2層で構成される。また、タンデム型有機EL素子でもよい。
(i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(v)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1発光層/第2発光層/正孔阻止層/第1電子輸送層/第2電子輸送層/電子注入層/陰極
(viii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/第1発光層/第2発光層/正孔阻止層/第1電子輸送層/第2電子輸送層/電子注入層/陰極
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、本発明においては第1電子輸送層と第2電子輸送層の2層からなる。
本発明においては、第1電子輸送層は電子輸送材料を含有し、第2電子輸送層は電子輸送材料と電子供与性材料を含有する。第1電子輸送層の機能としては、電子側のキャリアバランス調整や、発光層の励起子拡散防止層、第2電子輸送層に含まれる電子供与性材料の拡散防止効果を有している。また、第2電子輸送層とともに、発光層へ電子注入層材料が拡散するのを防止する効果がある。後述するが、上記機能を満たす範囲であれば、第1電子輸送層の層厚は薄いほどよい。
第2電子輸送層においては、有機化合物の還元剤となりうる電子供与性材料を電子輸送層に添加することで、電子輸送材料は還元された状態(すなわち電子を受容し、電子が注入された状態)の分子として存在するので、従来の有機EL素子と比べて駆動電圧を更に低下できる。また従来の、有機物のみによって構成される層と異なり、層厚をμmオーダーにまで厚くしても駆動電圧の上昇が観測されず、駆動電圧の層厚依存性が消失する。そのため、電圧上昇せずにプラズモン損失の低減が期待できる。
本発明においては、第2電子輸送層にのみ電子供与性材料を含有しているのがよい。第1電子輸送層に電子供与性材料を含有させると、有機EL素子を作製した直後から経時的に発光効率が低下していく劣化が見られる。これは経時的に発光層にまで電子供与性材料が拡散して発光阻害を起こすことが原因と考えている。
本発明においては、第1電子輸送層の層厚は薄い方がよい。具体的には5〜30nm程度である。第1電子輸送層には電子供与性材料が添加されていないため、層厚の増加に対し電圧も増加していく。その結果、発光効率の低下につながってしまう。
第1電子輸送層の層厚と第2電子輸送層の層厚の合計は、50nm〜200nmの範囲内が好ましく、更に好ましくは、100nmから200nmの範囲内である。合計の層厚が薄い場合プラズモン損失の低減効果が小さい。
<電子輸送材料>
第1電子輸送層及び第2電子輸送層に使用される電子輸送材料として用いられる電子輸送化合物としては、従来公知の電子輸送化合物が使用できるが、本発明においては、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
一般式(1)
Qm−Ln
一般式(1)中、Lは縮合芳香族複素環を表す。Qは芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。n及びmは、各々独立に、1〜3の整数を表す。nが2以上のとき、Lは互いに異なっていてもよい。mが2以上のとき、Qは互いに異なっていてもよい。
また、上記一般式(1)におけるLが、下記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(2)中、Aは、−N(R)−を表す。A11〜A18は、各々、窒素原子又は−C(R)−を表し、A11〜A18の少なくとも一つは窒素原子を表す。R及びRは、各々結合手、水素原子又は置換基を表す。ただし、−C(R)−が複数の場合、各々の−C(R)−は同じでも異なっていてもよい。
また、本発明に係る電子輸送化合物は、下記一般式(4)〜(100)のいずれかで表される構造を有する化合物であることがより好ましい。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
一般式(4)〜(100)において、L及びQは、前記一般式(1)におけるL及びQと同義である。
一般式(1)及び一般式(4)〜(100)において、Lで表される縮合した芳香族複素環としては、具体的には、アクリジン環、ベンゾキノリン環、カルバゾール環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、カルボリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭素原子の任意の一つが窒素原子で置き換わったものを表す)、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、チオファントレン環(ナフトチオフェン環)等が挙げられ、特に、カルバゾール環、カルボリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環等であることが好ましい。
また、これらの環は後述する置換基を有していてもよい。
一般式(1)及び一般式(4)〜(100)において、Qで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
さらに、これらの環は後述する置換基を有してもよい。
一般式(1)及び一般式(4)〜(100)において、Qで表される芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭素原子の一つが更に窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。
さらにこれらの環は後述する置換基を有していてもよい。
ここで、前記一般式(1)及び一般式(4)〜(100)におけるLは、下記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(2)中、Aは、N(R)を表し、A11〜A18は、各々窒素原子又はC(R)を表し、A11〜A18の少なくとも一つは窒素原子を表す。R及びRは、それぞれ結合手、水素原子又は置換基を表す。ただし、C(R)が複数ある場合には、各々のC(R)は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(2)において、Aで表されるN(R)、A11〜A18で各々表されるC(R)における、R及びRで各々表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、イソプロペニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭化水素環基、芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によって更に置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
以下、本発明に係る電子輸送化合物として好ましく用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
本発明に係る電子輸送化合物は、特開2007−288035号公報、Chem.Mater.2008,20,5951、実験化学講座第5版(日本化学会編)等に記載の公知の方法を参照して合成することができる。
上記以外にも従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引性基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も電子輸送材料として用いることができる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も電子輸送材料として用いることができる。
<電子供与性材料>
第2電子輸送層に使用される電子供与性材料としては、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができるが、好ましいのはアルカリ金属化合物又はジヒドロイミダゾール基、フェノール基、キノリノール基のいずれかを有する有機化合物のうちの1種である。より好ましくはリチウム化合物、カリウム化合物、セシウム化合物のいずれか、又はジヒドロイミダゾール基、フェノール基、キノリノール基をいずれかを有する有機化合物のうちの1種である。更に好ましくは、炭酸リチウム、酢酸リチウム、リチウム化合物、フッ化リチウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、炭酸セシウム、酢酸セシウム、酸化セシウムのいずれか又はジヒドロイミダゾール基、フェノール基、キノリノール基のいずれかを有する有機化合物のうちの1種である。また、市販されている材料として、例えばNovaled社製NDN−26、NDN−45、NDN−77及びNDN−87等も使用することができる。
前記電子供与性材料の含有量は電子輸送材料の100質量部を基準として、0.1〜15質量部の範囲内であるのが良く、好ましくは0.1〜5質量部の範囲内である。電子供与性化合物の含有量がこの範囲内であると経時的な発光効率の低下が起こらない。これは、電子供与性材料が有機化合物や電極と化学反応すること、若しくは経時的に発光層にまで電子供与性材料が拡散して発光阻害を起こすことが抑制されるためと考えられる。
<電子輸送層の作製方法>
本発明においては、第1電子輸送層と第2電子輸送層は、ダイコーター塗布法によって作製される。第1電子輸送層及び第2電子輸送層を形成する工程は、ダイコーター塗布法(「ダイコート法」ともいう。)にて第1の塗布液を吐出して第1電子輸送層を形成する工程と、第2の塗布液を吐出して前記第1電子輸送層上に第2電子輸送層を形成・積層する工程とを有している。
(ダイコーター塗布法の説明)
ダイコーター塗布法とは、ダイヘッドのスリットから塗布液を吐出するとともに、ダイヘッド若しくは基板を塗布方向に動かして塗膜を形成する方法をいう。
ダイコーター塗布法としては、スロット塗布法(「エクストルージョン塗布法」又は「押出塗布法」ともいう。)、スライド塗布法及びカーテン塗布法等が挙げられる。これらの塗布方法に用いる塗布装置としては、スロット塗布法にはスロット型ダイコーターを使用し、スライド塗布法にはスライド型ダイコーターを使用し、カーテン塗布法にはカーテン型ダイコーターを使用する。本発明においては、スロット塗布法、スライド塗布法及びカーテン塗布法のいずれの塗布方法も用いることができる。
その他の塗布方法としてディップ塗布法、スピン塗布法等が挙げられるが、これらの塗布法は、上層の塗布液が、下層を溶解する溶媒を使用していると上層を塗布するときに下層が上層の溶媒に溶解し、下層が崩れて(流れて)しまうため使用することができない。
本発明において、ダイコーター塗布法で電子輸送層を塗布する場合、二つ以上の吐出口から同時に吐出し積層塗布してもよいし、二つ以上のダイコーターを用いて、1層ごとに塗布してもよいが、本発明においては1層ごとに別々に塗布する方が好ましい。
ダイコーター塗布法で塗布すると第1電子輸送層と第2電子輸送層の界面が混合されることにより、電子を授受する領域が広がるので、駆動電圧を低減させることができ、その結果、電力効率が向上するものと考えられる。
<スロット塗布法>
本発明においては、有機エレクトロルミネッセンス素子の電子輸送層に要求される非常に薄く、かつ高平滑性の単層塗布膜を形成するために効果的な方法として、ダイコーター塗布法が用いられる。下記に、ダイコーター塗布法の一つであるスロット塗布法について詳細に説明する。
スロット塗布コーターを使用する場合、コーターの上流に減圧チャンバーを設置し、ビード部を減圧状態に保持することで塗布の均一性が更に向上する。ビード下部を減圧することで支持体の表面性や濡れ性の変化があっても、塗布液の接液位置がほとんど変動せず、均一な層厚の塗布膜を得ることができるからである。
スロット塗布方式とは、塗布液供給装置から供給された塗布液はコーターダイのポケット部で幅手に広がり、スリット部から幅手に均一な流量で流出し、そのまま支持体に幅手に均一な塗布層厚で塗布される。前述のように、コーターダイ上流部に減圧チャンバー装置を設置するのが、更に好ましい実施形態である。
図2は、本発明の有機EL素子の製造方法に適用される塗布装置の一例を示す概略模式図である。図2は二つのダイコーターを使用して2種類の塗布液を重ねて塗布し、2層の塗布膜を形成する例で、2層の塗布はスロット型コーター(以下、単に「コーター」ともいう。)を用いた例である。図3は、図2に示す塗布装置を矢印Z1方向から見た側面拡大図である。スロット型ダイコーター11及び21は断面図としている。スロット型ダイコーター11及び21は、上流側ブロックと下流側ブロックの二つのブロックから構成されており、この二つのブロックの間にスリット111及び211が形成されるように組み付けられている。
ロール状に巻かれた長尺状の支持体1は、駆動手段(図示せず。)により巻き出しロール(図示せず。)から矢印B方向に繰り出され搬送される。
長尺状の支持体1はバックアップローラー2に支持されながら搬送され、塗布手段である塗布ユニット10のスロット型ダイコーター11及び塗布ユニット20のスロット型ダイコーター21により、順次1層ずつ塗布液を塗布され、2層の積層塗布膜が形成される。形成された積層塗布膜は乾燥部(図示せず。)で乾燥され巻き取りロール(図示せず。)に巻き取られる。
塗布ユニット10は、スロット型ダイコーター11、送液ポンプ12、塗布液タンク13及び塗布液供給管14を含み構成される。送液ポンプ12は、塗布液タンク13に貯留されている塗布液を塗布液供給管14を介してスロット型ダイコーター11に供給する。スロット型ダイコーター11は、支持体幅方向に塗布幅に対応するスリット111を有し、支持体1を挟みバックアップローラー2に対向する位置に配設される。スロット型ダイコーター11は、スリット111より支持体1に塗布液を吐出して塗布を行う。塗布ユニット10は、支持体1の幅方向に渡り塗布液をスリット111より均一に吐出する機能も有する。
塗布ユニット20は、スロット型ダイコーター21、送液ポンプ22、塗布液タンク23及び塗布液供給管24を含み構成される。スロット型ダイコーター21は、スリット211より支持体1に塗布液を吐出して塗布を行う。機能は塗布ユニット10と同様である。
スロット型コーター11及び21はバックアップローラー2の円周に沿って所定の間隔で配設される。
また、塗布1層の乾燥後塗布層厚は特に制限はないが、通常は5nm〜100nm程度、更には5〜30nmであることが好ましい。
この方式による塗布速度は1〜10m/分が好ましく、1〜5m/分が更に好ましい。塗布乾燥後の層厚が薄いため、塗布速度を10m/min以下とすると、安定に塗布でき、品質欠陥を抑えることが可能である。また、十分に乾燥した後に上層が塗布されるので、層間の混合が発生しにくくなり、これも品質欠陥を防ぐことにつながる。
(溶媒)
電子輸送層の形成に使用される塗布溶剤は、有機機能層とコンタミネーションを起こす溶剤でなければあらゆる溶剤を使用して構わないが、純水やメタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール等のアルコール系溶剤が好ましく、さらに好ましくは2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール等のフッ素化アルコール類である。
本発明に係る電子輸送層の作製において、第1電子輸送層と第2電子輸送層の単純な積層を作製することも、均質にならない程度に適度に混合した層を作製することも、いずれも可能であるが、単純積層を作製することよりも、第1電子輸送層と第2電子輸送層が適度に混合し、電子供与性材料の含有量が層厚方向で勾配がついた層を作製することの方がキャリアの注入や輸送性を制御する観点から好ましい。また真空蒸着法と違い、塗布成膜法は簡便に混合層を作製できるため、真空蒸着法で作製した有機EL素子と比較して、塗布法で作製した作製した有機EL素子の方が駆動電圧の低下、ひいては、電力効率の向上につながる。
特に、ダイコーター塗布法で塗布すると第1電子輸送層と第2電子輸送層とが適度に混合することができるので、より大きな効果を発揮することができる。一方、スピン塗布法、ディップ塗布法等では、第2電子輸送層の塗設の際に下層の第1電子輸送層が溶解し脱離又は破壊されてしまうため使用することができない。
《注入層:正孔注入層、電子注入層》
注入層には、電子注入層(陰極バッファー層)と正孔注入層(陽極バッファー層)とがあり、上記のように正孔注入層は陽極と発光層又は正孔輸送層の間、電子注入層は陰極と発光層又は電子輸送層との間に設けることができる。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。 正孔注入層(陽極バッファー層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
電子注入層(陰極バッファー層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)は極薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその層厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。特に好ましくは20〜100nmの範囲内である。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記のように有機化合物薄膜の基本構成層のほかに必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
正孔阻止層には、後述のホスト化合物として挙げるカルバゾール誘導体、またカルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体を含有することが好ましい。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の層厚としては、好ましくは3〜100nmの範囲内であり、更に好ましくは5〜30nmの範囲内である。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層又は複数層設けることができる。
正孔輸送層を構成する正孔輸送材料としては、上記正孔注入層で適用するのと同様の化合物を使用することができるが、さらには、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5061569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが三つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)、特表2003−519432号公報に記載されているような、いわゆるp型半導体的性質を有するとされる正孔輸送材料を用いることもできる。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の層厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる1層構造であってもよい。
以下、正孔輸送材料に好ましく用いられる高分子化合物の具体的な化合物を例示する。ただし、これらに限定されるものではない。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
なお、上記例示化合物に記載のnは重合度を表し、重量平均分子量が50000〜200000の範囲となる整数を表す。重量平均分子量がこの範囲未満では、溶媒への溶解性の高さから成膜時に他の層と混合する懸念がある。また成膜できたとしても、低い分子量では発光効率が上がらない。重量平均分子量がこの範囲より大きい場合は、合成、精製の難しさにより問題が生じる。分子量分布が大きくなるとともに、不純物の残存量も増加するため、有機EL素子の発光効率、電圧、寿命が悪化する。
正孔輸送層は、上記正孔輸送化合物の他、各種の発光材料、電子輸送化合物、バインダー樹脂、界面活性剤をはじめとする塗布性改善剤等を含有していてもよい。
また、架橋性基を有し、塗布成膜後に架橋させることによって網目状高分子化合物を形成するような、架橋性化合物を含む層であってもよい。
架橋性基としては、エポキシ、オキセタンなどの環状エーテル基、ビニル基、トリフルオロビニル基、スチリル基、アクリル基、メタクリロイル基、シンナモイル基等の不飽和二重結合基、ベンゾシクロブテン基などが挙げられる。
架橋性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーいずれであっても良く、2種以上を任意の組み合わせ比率で有していてもよい。また、架橋反応を促進する添加物を含んでいてもよい。
架橋性化合物としては、架橋性基を有する正孔輸送化合物を用いることが好ましい。正孔輸送化合物は、例えば、ピリジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、カルバゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等の窒素含有芳香族化合物誘導体、トリフェニルアミン誘導体、シロール誘導体、オリゴチオフェン誘導体、縮合多環芳香族誘導体、金属錯体などが挙げられる。
以下、正孔輸送材料に好ましく用いられる架橋性化合物の具体的な化合物を例示する。ただし、これらに限定されるものではない。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
架橋性化合物は、例えば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の湿式成膜法により、薄膜化することにより形成することができる。
架橋性化合物を含む正孔輸送層を下層(通常は正孔注入層)上に成膜後、熱エネルギー又は光等の電磁エネルギー照射により、架橋性化合物を架橋させて正孔輸送層を形成する。これらのエネルギー付与は二つ以上の方法を組み合わせて架橋させてもよい。
これらの高分子化合物は、Makromol.Chem.,193,909頁(1992)等に記載の公知の方法で合成することができる。
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極、又は電子輸送層及び正孔輸送層から注入される電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層の層厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2nm〜5μmの範囲に調整することが好ましく、更に好ましくは2〜200nmの範囲に調整され、特に好ましくは、10〜100nmの範囲である。
本発明の有機EL素子の発光層には、発光ドーパント(リン光発光ドーパントや蛍光発光ドーパント等)とホスト化合物を含有する。
(1)発光ドーパント
本発明に係る発光ドーパントとしては、蛍光発光ドーパント、リン光発光ドーパント(リン光性化合物、リン光発光性化合物等ともいう。)を用いることができるが、リン光発光ドーパントであることが好ましい。
(1.1)リン光発光ドーパント
発光ドーパントとしては、高い発光効率が得られることからリン光発光ドーパント(リン光性化合物ともいう。)が好ましい。リン光発光ドーパントとは励起三重項からの発光が観測される化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.01以上の化合物である。好ましくは0.1以上である。本発明では、それ以外に発光層に含まれる化合物をホスト化合物とする。
なお、発光層中におけるホスト化合物とリン光発光ドーパントの割合は、発光層全体に含まれる化合物の質量を100%とすると、各々の化合物で1〜99質量%の間であればどのような割合でもよいが、好ましくはリン光発光ドーパントよりもホスト化合物の割合が大きい方がよく、より好ましくはリン光発光ドーパントの割合は1〜30質量%である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398ページ(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光発光ドーパントとは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率が達成される化合物である。
リン光発光ドーパントの発光原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光発光ドーパントに移動させることでリン光発光ドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型である。もう一つはリン光発光ドーパントがキャリアトラップとなり、リン光発光ドーパント上でキャリアの再結合が起こりリン光発光ドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型である。いずれの場合においても、リン光発光ドーパントの励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光発光ドーパントは、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本実施形態に係るリン光発光ドーパントは、少なくとも1種の青色リン光材料を含むものであり、好ましくは少なくとも1種の青色リン光材料と、当該青色リン光材料よりもバンドギャップエネルギーが低い少なくとも二つのリン光材料とを、含むものである。
以下に、本発明において、発光層の材料として用いることのできるリン光発光ドーパントについて説明する。
本発明で用いることのできるリン光発光ドーパントとしては、下記一般式(B)で表されることが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(B)中、環Am、環An、環Bm及び環Bnは5員又は6員の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、Arは芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環又は非芳香族複素環を表す。R1m、R2m、R1n及びR2nはそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。Ra、Rb及びRcはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していても良く、RaはArと環を形成していてもよい。na及びncは1又は2を表し、nbは1〜4の整数を表す。mは1又は2を表し、nは1又は2を表し、m+nは3である。なお、Irに配位している三つの配位子の構造が全て同じであることはない。
一般式(B)において、環An、環Am、環Bn及び環Bmで表される5員又は6員の芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
一般式(B)において、環An、環Am、環Bn及び環Bmで表される5員又は6員の芳香族複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環等が挙げられる。
好ましくは環Bn及び環Bmの少なくとも一方がベンゼン環であり、より好ましくは環An及び環Amの少なくとも一方がベンゼン環である。
一般式(B)において、Arで表される芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。
一般式(B)において、Arで表される芳香族複素環としては、例えば、シロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンズイミダゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、チエノチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環(カルバゾール環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わったものを表す)、ジベンゾシロール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾチオフェン環やジベンゾフラン環を構成する炭素原子の任意の一つ以上が窒素原子で置き換わった環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、アクリジン環、ベンゾキノリン環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、ジベンゾカルバゾール環、インドロカルバゾール環、ジチエノベンゼン環等が挙げられる。
一般式(B)において、Arで表される非芳香族炭化水素環としては、例えば、シクロアルカン(例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、シクロヘキシルアミノスルホニル基、テトラヒドロナフタレン環、9,10−ジヒドロアントラセン環、ビフェニレン環等が挙げられる。
一般式(B)において、Arで表される非芳香族複素環としては、例えば、エポキシ環、アジリジン環、チイラン環、オキセタン環、アゼチジン環、チエタン環、テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、オキサゾリジン環、テトラヒドロチオフェン環、スルホラン環、チアゾリジン環、ε−カプロラクトン環、ε−カプロラクタム環、ピペリジン環、ヘキサヒドロピリダジン環、ヘキサヒドロピリミジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロピラン環、1,3−ジオキサン環、1,4−ジオキサン環、トリオキサン環、テトラヒドロチオピラン環、チオモルホリン環、チオモルホリン−1,1−ジオキシド環、ピラノース環、ジアザビシクロ[2,2,2]−オクタン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、オキサントレン環、チオキサンテン環、フェノキサチイン環等が挙げられる。
一般式(B)において、Arで表されるこれらの環は、置換基を有していてもよく、さらに当該置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(B)において、Arは、好ましくは芳香族炭化水素環又は芳香族複素環であり、より好ましくは芳香族炭化水素環であり、さらに好ましくはベンゼン環である。
一般式(B)において、R1m及びR2mで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルヘキシル基、ペンチル基、アダマンチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
一般式(B)において、R1m及びR2mで表される芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基としては、上述の一般式(B)においてArで表される芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環又は非芳香族複素環から導出される1価の基が挙げられる。
一般式(B)において、R1m及びR2mで表される炭素数2以上のアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基がさらに有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基、非芳香族複素環基等が挙げられる。
一般式(B)においては、R1m及びR2mが共に炭素原子数2以上のアルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、また、R1m及びR2mのいずれか一方が炭素原子数3以上の分岐アルキル基であることも好ましい。また、R1m及びR2mが共に炭素原子数3以上の分岐アルキル基であることがさらに好ましい。
一般式(B)において、R1n及びR2nは、上述の一般式(B)におけるR1m及びR2mと同義である。
一般式(B)において、Ra、Rb及びRcで表されるアリール基及びヘテロアリール基としては、上述の一般式(B)においてArで表される芳香族炭化水素環及び芳香族複素環から導出される1価の基が挙げられる。
一般式(B)において、Ra、Rb及びRcで表される非芳香族炭化水素環基及び非芳香族複素環基としては、上述の一般式(B)においてArで表される非芳香族炭化水素環及び非芳香族複素環から導出される1価の基が挙げられる。
上記一般式(B)で表されるイリジウム錯体化合物は、下記一般式(C)で表されることが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(C)中、Arは芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環又は非芳香族複素環を表す。R1m、R2m、R1n及びR2nはそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。Ra及びRcはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していても良く、RaはArと環を形成していてもよい。na及びncは1又は2を表す。mは1又は2を表し、nは1又は2を表し、m+nは3である。なお、Irに配位している三つの配位子の構造が全て同じであることはない。
一般式(C)において、Ar、R1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnは、一般式(B)におけるAr、R1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnと同義である。
また、本発明で好ましく用いられる一般式(B),(C)で各々表されるイリジウム錯体化合物は、国際公開第2006/121811号等に記載の公知の方法を参照することにより合成可能である。
上記一般式(C)で表されるイリジウム錯体化合物は、下記一般式(D)で表されることが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(D)中、R1m、R2m、R1n及びR2nはそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。Ra、Rc及びRaはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。na及びncは1又は2を表し、nR3は1〜5の整数を表す。mは1又は2を表し、nは1又は2を表し、m+nは3である。なお、Irに配位している三つの配位子の構造が全て同じであることはない。
一般式(D)において、R1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnは、一般式(B)におけるR1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnと同義である。
一般式(D)において、Raは、一般式(B)におけるRa、Rb及びRcと同義である。
上記一般式(B)で表されるイリジウム錯体化合物は、下記一般式(E)で表されることが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(E)中、R1m、R2m、R1n及びR2nはそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。Ra、Rc及びRaはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。na及びncは1又は2を表し、nR3は1〜4の整数を表す。XはO、S、SiRz1Rz2、NRz1又はCRz1Rz2を表し、Rz1及びRz2はアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表す。mは1又は2を表し、nは1又は2を表し、m+nは3である。
一般式(E)において、R1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnは、一般式(B)におけるR1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnと同義である。
一般式(E)において、Raは、一般式(B)におけるRa、Rb及びRcと同義である。
一般式(E)におけるXにおいて、Rz1及びRz2で表される芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基としては、上記一般式(B)においてArで表される芳香族炭化水素環、芳香族複素環、非芳香族炭化水素環又は非芳香族炭化水素環から導出される1価の基が挙げられる。
上記一般式(B)で表されるイリジウム錯体化合物は、下記一般式(F)で表されることが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(F)中、R1m、R2m、R1n及びR2nはそれぞれ独立に炭素数2以上のアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。Ra、Rc及びRaはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基、アリールアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表し、更に置換基を有していてもよい。na及びncは1又は2を表し、nR3は1〜4の整数を表す。XはO、S、SiRz1Rz2、NRz1又はCRz1Rz2を表し、Rz1及びRz2はアルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族炭化水素環基又は非芳香族複素環基を表す。mは1又は2を表し、nは1又は2を表し、m+nは3である。
一般式(F)において、R1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnは、一般式(B)におけるR1m、R2m、R1n、R2n、Ra、Rc、na、nc、m及びnと同義である。
一般式(F)において、Raは、一般式(B)におけるRa、Rb及びRcと同義である。
一般式(F)において、Xは、一般式(E)におけるXと同義である。
以下に、本発明で用いることのできるリン光発光ドーパントの具体的例を例示する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
(1.2)従来公知のドーパントとの併用
また、本発明に係る発光ドーパントは、複数種の化合物を併用して用いてもよく、構造の異なるリン光ドーパント同士の組み合わせや、リン光ドーパントと蛍光ドーパントを組み合わせて用いてもよい。
ここで、発光ドーパントとして、上記イリジウム錯体化合物と併用して用いてもよい従来公知の発光ドーパントの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
(2)ホスト化合物
(2.1)一般式(A)で表されるホスト化合物
本発明で用いることのできるホスト化合物としては、下記一般式(A)で表されることが好ましい。
Figure 2015082537
一般式(A)中、XはNR′、O、S、CR′R″又はSiR′R″を表す。R′及びR″は各々水素原子又は置換基を表す。Arは芳香環を表す。nは0〜8の整数を表す。 一般式(A)において、Xで表されるCR′R″又はSiR′R″における、R′、R″で各々表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素環基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)等が挙げられる。これらの置換基は上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
中でも、XとしてはNR′又はOが好ましく、また、R′としては、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基)、又は芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)が特に好ましい。
上記の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、各々一般式(A)において、R′、R″で各々表される置換基を有してもよい。
一般式(A)において、Arで表される芳香環としては、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環が挙げられる。また、芳香環は単環でもよく、縮合環でもよく、更に、無置換であってもよいし、一般式(A)においてR′、R″で各々表される置換基を有していてもよい。
一般式(A)において、Arにより表される芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。これらの環はさらに、一般式(A)においてR′、R″で各々表される置換基を有していてもよい。
一般式(A)において、Arにより表される芳香族複素環としては、例えば、フラン環、ジベンゾフラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つがさらに窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。
これらの環は、さらに一般式(A)においてR′、R″で各々表される置換基を有していてもよい。
上記の中でも、一般式(A)において、Arで表される芳香環としては、好ましくは、カルバゾール環、カルボリン環、ジベンゾフラン環、ベンゼン環であり、より好ましくは、カルバゾール環、カルボリン環、ベンゼン環であり、更に好ましくは置換基を有するベンゼン環であり、特に好ましくはカルバゾリル基を有するベンゼン環である。
また、一般式(A)において、Arで表される芳香環としては、各々3環以上の縮合環が好ましい一態様であり、3環以上が縮合した芳香族炭化水素縮合環としては、具体的には、ナフタセン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ヘキサセン環、フェナントレン環、ピレン環、ベンゾピレン環、ベンゾアズレン環、クリセン環、ベンゾクリセン環、アセナフテン環、アセナフチレン環、トリフェニレン環、コロネン環、ベンゾコロネン環、ヘキサベンゾコロネン環、フルオレン環、ベンゾフルオレン環、フルオランテン環、ペリレン環、ナフトペリレン環、ペンタベンゾペリレン環、ベンゾペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピラントレン環、コロネン環、ナフトコロネン環、オバレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。なお、これらの環は、さらに上記の置換基を有していてもよい。
また、3環以上が縮合した芳香族複素環としては、具体的には、アクリジン環、ベンゾキノリン環、カルバゾール環、カルボリン環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、カルボリン環、サイクラジン環、キンドリン環、テペニジン環、キニンドリン環、トリフェノジチアジン環、トリフェノジオキサジン環、フェナントラジン環、アントラジン環、ペリミジン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭素原子の任意の一つが窒素原子で置き換わったものを表す。)、フェナントロリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ナフトフラン環、ナフトチオフェン環、ベンゾジフラン環、ベンゾジチオフェン環、ナフトジフラン環、ナフトジチオフェン環、アントラフラン環、アントラジフラン環、アントラチオフェン環、アントラジチオフェン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、チオファントレン環(ナフトチオフェン環)等が挙げられる。なお、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
また、一般式(A)において、nは0〜8の整数を表すが、0〜2であることが好ましく、特にXがO、Sである場合には1〜2であることが好ましい。
本発明においては、特に、ジベンゾフラン環とカルバゾール環を共に有する低分子化合物が好ましい。
以下に、本発明で用いることのできるホスト化合物の具体的な化合物を例示する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
Figure 2015082537
(2.2)従来公知のホスト化合物との併用
また、本発明に係るホスト化合物は、複数種の化合物を併用して用いてもよい。複数種のホスト化合物を用いることにより、電荷(正孔及び/又は電子)の移動度(移動量)を調整することができ、有機EL素子100の発光効率を向上させることができる。
一般式(A)で表されるホスト化合物と併用してもよいホスト化合物としては、公知のホスト化合物を用いることができる。
本発明において、併用することができるホスト化合物としては、特に制限はなく、従来有機EL素子で用いられる化合物を用いることができる。代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、又は、カルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。
本発明に用いることができる公知のホスト化合物としては正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ、発光の長波長化を防ぎ、かつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
また、リン光発光ドーパントとして用いられる公知の化合物を3種以上用いることで、演色性の良い白色の発光色を得ることができる。
また、本発明に用いられるホスト化合物としては、低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(重合性発光ホスト)でもよく、このような化合物を2種又は3種以上用いてもよい。 具体的には、ホスト化合物の分子内において、カルバゾール骨格、トリアリールアミン骨格、チオフェン骨格、フラン骨格、カルボリン骨格、ジアザカルバゾール骨格を有するのが好ましく、カルバゾール骨格、チオフェン骨格、フラン骨格を有するのがより好ましい。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載の化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同202−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
発光層中には低分子化合物が含有されることが好ましく、分子量3000以下の繰り返し単位を含まない低分子化合物であることが素材合成の簡便性や膜形成時の溶媒含有量の観点から好ましい。より好ましくは200〜2000の範囲であり、更に好ましくは400〜1500の範囲である。分子量が3000より大きい場合、素材合成が複雑となり製造コストが上がるだけでなく、分子間の空隙に溶媒を取り込みやすくなって発光が不安定となり、駆動時の発熱や保存時の温度の影響により発光の信頼性が損なわれる。
ここでいう「分子量」とは、従来公知の質量スペクトルを用いて得られるが、高分子(例えば、分子量が10000以上のもの)については、従来公知のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定したものである。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度を余り必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。
さらに層厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第2金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。
陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、層厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
陰極に上記金属を1〜20nmの層厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(JSR製)あるいはアペル(三井化学製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、水蒸気透過度が1×10−2g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには酸素透過度1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度1×10−5g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し量子効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=(有機EL素子外部に発光した光子数)/(有機EL素子に流した電子数)×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を、蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明の有機EL素子を有機ELデバイスとして用いる場合、有機EL素子は、封止部材で封止されていることが好ましい。
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる1種以上の金属又は合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。
さらには、ポリマーフィルムはJIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%)が、1×10−3g/(m・24h)以下のものであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、封止膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。
さらに該封止膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。
特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量、かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し》
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。
これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4774435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明はこれらの手段を組み合わせることにより、さらに高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚さで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。また、さらに1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚さは媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。
これは低屈折率媒質の厚さが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む層厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面若しくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。
この方法は回折格子が一次の回折や二次の回折といったいわゆるブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間若しくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。
これは発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な一次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることによりあらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述のとおり、いずれかの層間若しくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。
このとき、回折格子の周期は媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、二次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは、いわゆる集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を二次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚さが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、発光素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることができる。
≪有機EL素子の作製方法≫
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/第1電子輸送層/第2電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
まず適当な基板上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの層厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。
作製後、洗浄表面改質処理工程、帯電除去処理工程を行ってもよい。
洗浄表面改質処理としては、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置、などが利用可能である。この洗浄表面改質処理により、有機汚染物除去と濡れ性向上の表面改質が行われる。
帯電除去処理としては、大別して光照射方式とコロナ放電式があり、光照射式は微弱X線、コロナ放電式はコロナ放電により空気イオンを生成する。この空気イオンは、帯電物体に引き寄せられて反対極性の電荷を補い、静電気を中和する。コロナ放電による除電器、軟X線による除電器が利用可能である。この帯電除去処理により、基板の帯電除去が図られるため、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留りの向上が図られる。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、第1電子輸送層、第2電子輸送層等の有機層(有機化合物薄膜)を形成させる。
本発明の有機EL素子の有機層は前述のとおり、真空蒸着法及びウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー塗布法、印刷法、ダイコーター塗布法)で形成されるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においては有機層の一部若しくは全部について、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法、印刷法、ダイコーター塗布法等のウェットプロセスによる成膜が好ましく、その中でもダイコーター塗布法、又はインクジェット塗布方法が更に好ましいが、第1電子輸送層と第2電子輸送層は、前述したようにダイコーター塗布法で形成する。
本発明に係る有機化合物材料を溶解又は分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができるが、特に有機電荷輸送層の材料を溶解させる際は前述したアルコール類が好ましく、フッ化アルコール類が更に好ましい。また分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
塗布後、乾燥処理工程にて溶媒の除去を行ってもよい。乾燥処理工程では乾燥炉を用いることができ、乾燥炉では有機化合物層の材料に応じて、適宜数ゾーンにして温度条件の変更や風速の変更等を行うことが可能である。
溶媒除去後、加熱処理を行ってもよい。
加熱処理後、基板を減圧下(10−6〜10−2Pa)に収納させてもよく、適宜、温度をかけてもよい。収納期間は1〜200時間が好ましい。これにより、素子劣化に起因する酸素や微量水分が取り除かれる。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の層厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
また、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。この際は本発明に係る有機電荷輸送層にあたる層は正孔輸送層となる。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
≪有機ELデバイス≫
本発明の有機EL素子は、各種デバイスに使用することができる。例えば、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ成膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよく、素子の作製においては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
また、本発明の有機EL素子が白色素子の場合には、白色とは、2度視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度が、X=0.33±0.07、Y=0.33±0.1の領域内にあることをいう。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、実施例において用いられる電子輸送材料の構造を下記に示す。
Figure 2015082537
(実施例1)
(1)有機EL素子101の作製
(1.1)陽極の形成
厚さ200μmのポリエチレンナフタレート(以下、PENと略記する)上に、大気圧プラズマ重合法を用い透明ガスバリア性フィルムを作製した。
次いで、この透明ガスバリア性フィルム基板上に陽極として、スパッタリング法にてITO(酸化インジウムスズ)を厚さが120nmになるようにして成膜した。陽極が形成されているロール状帯状可撓性シートを繰り出し、洗浄表面改質処理工程、帯電除去処理工程を経て、透明導電性フィルム基板を作製しロール状に巻き取った。
洗浄表面改質処理としては、ドライ洗浄表面改質処理装置として低圧水銀ランプを用い、波長184.9nm、照射強度15mW/cm、照射距離10mmにて実施した。
帯電除去処理としては、微弱X線による除電器を利用した。
(1.2)正孔注入層の形成
この基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer製、Baytron P Al 4083)を純水で70質量%に希釈した溶液を直径3mのバックアップローラーを利用し、スロット型塗布法により塗布速度4m/分で成膜した後、200℃にて1時間乾燥し、層厚30nmの正孔注入層を形成した。
(1.3)正孔輸送層の形成
正孔輸送層用塗布液を下記のように調製し、直径3mのバックアップローラーを利用し、スロット型コーターを利用して、塗布速度4m/分、乾燥後層厚を正孔輸送層20nmになるように塗布した。この基板を、150℃で30分間加熱し正孔輸送層を形成した。
(正孔輸送層用塗布液)
正孔輸送材料:HT−60(重量平均分子量Mw=80000) 5質量部
溶媒:クロロベンゼン 1000質量部
(1.4)発光層の形成
次いで、発光層用塗布液を下記のように調製し、直径3mのバックアップローラーを利用し、スロット型コーターを利用して、塗布速度4m/分、乾燥後層厚を50nmとなるように塗布し発光層を形成した。
(発光層塗布液)
ホスト化合物:H−60 8.78質量部
リン光発光ドーパント:DP−1 3.01質量部
リン光発光ドーパント:D−67 0.05質量部
リン光発光ドーパント:D−75 0.05質量部
溶媒:酢酸イソプロピル 2000質量部
発光層の塗布後、すぐに加熱された気流による乾燥処理工程にて溶媒を除去した。スリットノズル形式の噴出し口から成膜面に向け高さ100mm、噴出し風速1m/秒、幅手分布5%、乾燥温度100℃で実施した。
(1.5)電子輸送層の形成
次いで、電子輸送層用塗布液を下記のように調製、塗布を行って、第1電子輸送層、第2電子輸送層を形成した。
(第1電子輸送層)
テトラフルオロプロパノール(TFPO)中に、ET−22を1.0質量%になるように溶解させ、電子輸送層用塗布液を調製した。スロット型コーターを利用して、塗布速度4m/分、狙いの層厚を10nmとなるように塗布した。塗布後、加熱された気流による乾燥処理工程にて溶媒を除去した。スリットノズル形式の吹出し口から成膜面に向け高さ100mm、噴出し風速1m/秒、幅手分布5%、乾燥温度120℃で実施した。
(第2電子輸送層)
溶媒除去後、テトラフルオロプロパノール(TFPO)中にET−22を0.9質量%、フッ化カルシウムを0.1質量%になるように溶解させ、電子輸送層用塗布液を調整し、スロット型コーターを利用して、塗布速度4m/分、乾燥後の狙いの層厚を20nmとなるように塗布した。塗布後、加熱された気流による乾燥処理工程にて溶媒を除去した。スリットノズル形式の吹出し口から成膜面に向け高さ100mm、噴出し風速1m/秒、幅手分布5%、乾燥温度120℃で実施した。
(1.6)電子注入層及び陰極の形成
巻き取られたロールは収納箱に保管され、減圧下(10−6〜10−2Pa)に収納された。電子輸送層まで設けた基板を、得られたロール状の上記フィルムを蒸着機に移動し、4×10−4Paまで減圧した。なおモリブデン製抵抗加熱ボートにフッ化ナトリウム及びフッ化カリウムを入れたものを真空蒸着装置に取り付けておいた。前記ボートに通電して加熱してフッ化ナトリウムを0.02nm/秒で前記電子輸送層上に層厚1nmの薄膜を形成し、続けて同様にフッ化カリウムを0.02nm/秒でフッ化ナトリウム上に層厚1.5nmの電子注入層を形成した。引き続き、アルミニウム100nmを蒸着して陰極を形成した。
陰極まで設けた基板を、電極となる領域以外にスパッタリング法、プラズマCVD法、イオンプレーティング法などを用いSiOxやSiNx若しくは複合膜などの無機膜を300nmの封止膜として形成し巻き取りした。最後に集光シートを基板の光取出し側に張り付、有機EL素子101を得た。
(2)有機EL素子102〜109の作製
有機EL素子101の作製において、表1に記載されているように、第1電子輸送層と第2電子輸送層の電子輸送材料、電子供与性材料及び層厚を変更した。それ以外は、有機EL素子101の作製と同様にして有機EL素子102〜109を作製した。
(3)有機EL素子101〜109の評価
上記のようにして得られた有機EL素子101〜109に対し、下記のようにして、外部量子効率(外部取り出し量子効率)、駆動電圧、電力効率及び発光寿命の評価を行った。
(3−1)外部量子効率の測定
上記で作製した各有機EL素子101〜109を、室温(約25℃)で、2.5mA/cmの定電流条件下で発光させ、発光開始直後の発光輝度を、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ(株)製)を用いて測定した。
次いで、有機EL素子1−1の発光輝度を100とした相対発光輝度を求め、これを外部量子効率の尺度とした。数値が大きいほど、発光効率に優れていることを表す。
(3−2)駆動電圧の測定
各有機EL素子に対し、室温(約25℃)で、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ(株)製)を用いて、各サンプルの発光輝度を測定し、発光輝度1000cd/mにおける初期駆動電圧を求めた。求めた結果を表に示す。
(3−3)電力効率の測定
電力効率は、上記のようにして求めた外部量子効率と駆動電圧から計算で求めた。
(3−4)発光寿命の測定
各有機EL素子に対し、正面輝度4000cd/mとなるような電流を与えて連続駆動させ、正面輝度が初期の半減値(2000cd/m)になるまでに要する時間を求め、これを発光寿命とした。
上記評価結果を表1に示した。ここでは、外部量子効率、駆動電圧、電力効率及び発光寿命は有機EL素子101の測定値を100としたときの相対値で表した。
総合評価の結果は、上記各項目の評価結果から総合的に判断した結果であり、○の数が多いほど良好な結果であることを表し、×は劣っていることを表す。
Figure 2015082537
表1の結果から明らかなように、第1電子輸送層の層厚は薄い方が駆動電圧の低下につながる。また、第1電子輸送層の層厚と第2電子輸送層の層厚の合計は厚い方が、プラズモン吸収を低減できるために外部量子効率の向上につながる。そのため、電力効率、発光寿命の面においては、本発明の有機EL素子101〜106は、比較例の有機EL素子107〜109と比較して良く、特に有機EL素子104〜106が優れることが分かる。
このことから、第1電子輸送層の層厚よりも前記第2電子輸送層の層厚の方が厚い方が良く、特に第1電子輸送層の層厚と第2電子輸送層の層厚の合計が50nm以上の方がより優れることが分かる。また、第2電子輸送層に電子供与性材料を含有しない本発明外の有機EL素子108は最も劣る結果であった。
(実施例2)
(1)有機EL素子201〜215の作製
有機EL素子101の作製において、表2及び表3に記載されているように、第1電子輸送層と第2電子輸送層の電子輸送材料、電子供与性材料及び層厚を変更した。それ以外は、有機EL素子101の作製と同様にして有機EL素子201〜215を作製した。
(2)有機EL素子201〜215の評価
(2−1)外部量子効率、駆動電圧、電力効率及び発光寿命の評価
上記のようにして作製した有機EL素子201〜215について実施例1と同様の評価を行い、その結果を表2及び表3に示した。表2及び表3中、各サンプルの結果は有機EL素子201〜211に関しては有機EL素子201を「100」とした相対値で表し、有機EL素子212〜215に関しては有機EL素子212を「100」とした相対値で表した。
(2−2)成膜性の評価
作製した有機EL素子201〜215について、2.5mA/cm定電流を印加したときの輝度ムラを測定した。1cm×1cmの発光部分のうち中央部と四隅の輝度を測定し、最も高い輝度と最も低い輝度の差によって下記のとおりA〜Cと評価した。なお、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)を用いた。評価結果を表2及び表3に示した。
(評価基準)
A:最高輝度と最低輝度の差が5%以内
B:最高輝度と最低輝度の差が5%より高く10%以内
C:最高輝度と最低輝度の差が10%より高い
なお、表2及び表3中、総合評価の結果は、上記各項目の評価結果から総合的に判断した結果であり、○の数が多いほど良好な結果であることを表す。
Figure 2015082537
Figure 2015082537
表2及び表3の結果から明らかなように、ET−22のような一般式(2)の部分構造及びピリジン環を持たない化合物に比べ、ET−105のような一般式(2)の部分構造及びピリジン環を有する化合物は、塗布成膜に適した構造体であることゆえに、成膜性の向上や外部量子効率の向上ができる。そのため、表2の結果においては、有機EL素子201と比較して、有機EL素子202〜210が良い結果となった。
また、表3の結果から明らかなように、有機EL素子212と比較して、有機EL素子213〜215が良く、特に有機EL素子215が優れる結果となった。このことから、第1電子輸送層、第2電子輸送層の少なくともどちらか一方に一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有する化合物を含む方が良く、更には、第1電子輸送層に一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有する化合物を含む方が優れることが分かる。
(実施例3)
(1)有機EL素子301の作製
有機EL素子101の作製において、電子輸送層の成膜方法を以下の内容に変更した。それ以外は同じにした。
(1−1)電子輸送層の形成
(第1電子輸送層)
発光層を成膜後、続いて基板を大気に曝露することなく真空蒸着装置へ取り付けた。また、モリブデン製抵抗加熱ボートにET−105を入れたものを真空蒸着装置に取り付け、真空槽を4×10−5Paまで減圧した後、前記ボートに通電して加熱してET−105を0.1nm/秒で前記発光層上に層厚10nmの薄膜を形成し、第1電子輸送層を形成した。
(第2電子輸送層)
さらに次いでモリブデン製抵抗加熱ボートにET−105及びCaFを入れたものを真空蒸着装置に取り付け、真空槽を4×10−5Paまで減圧した後、CaFが0.1質量%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で厚さ30nmになるよう共蒸着し、第2電子輸送層を形成した。
(2)有機EL素子302〜304の作製
有機EL素子301の作製において、表4に記載されているように、第1電子輸送層と第2電子輸送層の成膜方法を変更した。それ以外は、有機EL素子301の作製と同様にして有機EL素子302〜304を作製した。
(3)有機EL素子301〜304の評価
上記のようにして作製した有機EL素子301〜304について実施例1と同様の評価を行い、その結果を表4に示した。表4中、各有機EL素子の評価結果は有機EL素子301の測定値を「100」とした相対値で表した。
表4中、総合評価の結果は、上記各項目の評価結果から総合的に判断した結果であり、○の数が多いほど良好な結果であることを表し、×は劣っていることを表す。
Figure 2015082537
表4の結果から明らかなように、比較例の有機EL素子301〜303と比較して、本発明の有機EL素子304が良い結果となった。このことから塗布成膜法は、真空蒸着法と違い簡便に混合層を作製できるため、塗布法で作製した有機EL素子の方が駆動電圧の低下が期待できることが分かる。
100 有機EL素子
101 金属電極
102 有機層
103 透明電極
104 透明基板
110a、110b、110c、110d、110e 光
11、21 スロット型ダイコーター
111、211 スリット
1 支持体
2 バックアップローラー
10、20 塗布ユニット
12、22 送液ポンプ
13、23 塗布液タンク
14、24 塗布液供給管

Claims (8)

  1. 少なくとも、陽極、発光層、第1電子輸送層、第2電子輸送層及び陰極を、この順に有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第2電子輸送層が、電子輸送材料と電子供与性材料とを含有しており、当該第2電子輸送層の層厚は、前記第1電子輸送層の層厚より厚く、当該第1電子輸送層と当該第2電子輸送層とがダイコーター塗布法によって形成されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第1電子輸送層の層厚と前記第2電子輸送層の層厚の合計が、50nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第1電子輸送層又は前記第2電子輸送層の少なくともどちらか一方が、下記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    一般式(1)
    Qm−Ln
    (式中、Lは縮合芳香族複素環を表す。Qは芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表す。n及びmは、各々独立に、1〜3の整数を表す。nが2以上のとき、Lは互いに異なっていてもよい。mが2以上のとき、Qは互いに異なっていてもよい。)
  4. 前記一般式(1)におけるLが、下記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2015082537
    (式中、Aは、−N(R)−を表す。A11〜A18は、各々、窒素原子又は−C(R)−を表し、A11〜A18の少なくとも一つは窒素原子を表す。R及びRは、各々結合手、水素原子又は置換基を表す。ただし、−C(R)−が複数の場合、各々の−C(R)−は同じでも異なっていてもよい。)
  5. 前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有していることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第1電子輸送層が、前記一般式(1)で表される構造を有する化合物を含有し、当該一般式(1)におけるLが、前記一般式(2)で表される部分構造及びピリジン環を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記第1電子輸送層と前記第2電子輸送層とをダイコーター塗布法によって形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  8. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備したことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
JP2013218824A 2013-10-22 2013-10-22 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス Pending JP2015082537A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013218824A JP2015082537A (ja) 2013-10-22 2013-10-22 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013218824A JP2015082537A (ja) 2013-10-22 2013-10-22 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015082537A true JP2015082537A (ja) 2015-04-27

Family

ID=53012999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013218824A Pending JP2015082537A (ja) 2013-10-22 2013-10-22 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015082537A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017221662A1 (ja) * 2016-06-23 2017-12-28 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010090077A1 (ja) * 2009-02-06 2010-08-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、該素子を備えた照明装置及び表示装置
WO2011004639A1 (ja) * 2009-07-07 2011-01-13 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、新規な化合物、照明装置及び表示装置
WO2011102249A1 (ja) * 2010-02-17 2011-08-25 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機電子デバイスの製造方法および有機電子デバイス
WO2011132773A1 (ja) * 2010-04-22 2011-10-27 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置
JP2012033918A (ja) * 2010-07-08 2012-02-16 Mitsubishi Chemicals Corp 有機電界発光素子、有機電界発光デバイス、有機el表示装置及び有機el照明
WO2012115034A1 (ja) * 2011-02-22 2012-08-30 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
JP2013504882A (ja) * 2009-09-16 2013-02-07 メルク パテント ゲーエムベーハー 有機エレクトロルミネセンス素子
WO2013140885A1 (ja) * 2012-03-22 2013-09-26 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010090077A1 (ja) * 2009-02-06 2010-08-12 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、該素子を備えた照明装置及び表示装置
WO2011004639A1 (ja) * 2009-07-07 2011-01-13 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、新規な化合物、照明装置及び表示装置
JP2013504882A (ja) * 2009-09-16 2013-02-07 メルク パテント ゲーエムベーハー 有機エレクトロルミネセンス素子
WO2011102249A1 (ja) * 2010-02-17 2011-08-25 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機電子デバイスの製造方法および有機電子デバイス
WO2011132773A1 (ja) * 2010-04-22 2011-10-27 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置
JP2012033918A (ja) * 2010-07-08 2012-02-16 Mitsubishi Chemicals Corp 有機電界発光素子、有機電界発光デバイス、有機el表示装置及び有機el照明
WO2012115034A1 (ja) * 2011-02-22 2012-08-30 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
WO2013140885A1 (ja) * 2012-03-22 2013-09-26 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017221662A1 (ja) * 2016-06-23 2017-12-28 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子
KR20190007480A (ko) * 2016-06-23 2019-01-22 코니카 미놀타 가부시키가이샤 유기 일렉트로루미네센스 소자의 제조 방법 및 유기 일렉트로루미네센스 소자
CN109315046A (zh) * 2016-06-23 2019-02-05 柯尼卡美能达株式会社 有机电致发光元件的制造方法和有机电致发光元件
JPWO2017221662A1 (ja) * 2016-06-23 2019-04-11 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子
KR102164780B1 (ko) * 2016-06-23 2020-10-13 코니카 미놀타 가부시키가이샤 유기 일렉트로루미네센스 소자의 제조 방법 및 유기 일렉트로루미네센스 소자
CN109315046B (zh) * 2016-06-23 2021-03-30 默克专利有限公司 有机电致发光元件的制造方法和有机电致发光元件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5839027B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法、照明装置及び表示装置
JP5472121B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置および照明装置、ならびに有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP5381719B2 (ja) 白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5697856B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、白色有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP5499890B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、及びその製造方法
JP6128119B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、表示装置および照明装置
JP5201054B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、青色燐光発光素子、表示装置及び照明装置
WO2012121101A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPWO2008146838A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP5561272B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5998745B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、照明装置及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
WO2009133753A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置及び表示装置
JP5182225B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2011009517A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP5636630B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
WO2012077431A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP2009076241A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP5521753B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2013080696A1 (ja) 有機el素子
JP5660129B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP5655616B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
JP5867189B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置
JP2015082537A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子、その製造方法及び有機エレクトロルミネッセンスデバイス
JP5835217B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2013062201A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170530